説明

射出成形により形成したエネルギ獲得デバイス

【課題】射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスの実施例を説明する。
【解決手段】 一実施例では、感知される環境から振動エネルギを獲得する圧電片持ち梁を射出成形法により製造する。片持ち梁デバイスは、圧電材料製部材と、この圧電部材に連結された高密度材料製のプルーフマスと、電気的接続を行うためのリードフレームとを含む。圧電部材は、標準的な接続材料でリードフレームに電気的に取り付けられる。次いで、アッセンブリ全体をプラスチックで射出成形する。圧電部材を包囲するプラスチックは、プルーフマスに及ぼされた振動に応じて電気を発生する片持ち梁を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、全体として、小型電気システムに関し、更に詳細には、射出成形により形成した、エネルギを獲得するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆるところに感知性能を提供するため、1cc程度の小型電気システム(マイクロシステム)を使用することが提案されてきた。マイクロシステムセンサは、様々な環境及び作動条件を感知し、多くの様々な用途で信号をホスト受信機に戻すのに使用されてきた。こうした用途には、産業的な監視、セキュリティの用途、天気予報、等が含まれる。このようなデバイス及びシステムの設計及び実施には、小型で丈夫なパッケージを設計すること、適当な伝送電力を提供すること等の幾つかの問題を解決することが必要とされる。このようなシステムを設計する上で考慮される主要事項は、適当な電力を提供するということのままであり、多くのマイクロシステムについて、これは、重大な障害となったままである。一般的には、現在の小型バッテリー技術は、月単位の長期に亘ってこれらのシステムに電力を提供するのに十分なエネルギを蓄えることができない。バッテリーを使用することの別の欠点は、センサの多くの用途が、バッテリー性能を制限し又は不能化し及び/又はバッテリーの保守を実際上不可能にする過酷でアクセスが限られた環境であるということである。
【0003】
マイクロシステムに十分なバッテリー電力を提供する上での問題点を解決するための一つの方法は、周囲環境からエネルギを取り出すことである。この方法は、エネルギ獲得(harvesting)(又は抽出(scavenging))と呼ばれ、外部電源又は蓄電池に対する必要をなくし、かくして、システムを完全に自律にでき、即ち外部電源の接続又は保守を必要としない。環境エネルギ源が利用できる限り、エネルギ獲得マイクロシステムは、使用者に情報を提供する際に十分な電力が提供された状態を実際上無停止で保持できる。
【0004】
環境からエネルギを取り出すための幾つかの技術が提案されており且つ開発されてきた。最も一般的に利用できるエネルギ源は、振動、温度、及び応力(圧力)である。多くの適用環境において、最も容易に利用でき且つ電気への変換が最も容易であるのは振動エネルギである。一般的には、振動エネルギは、静電荷、磁界、及び圧電材料の三つの技術のうちの一つの技術を使用して電気エネルギに変換できる。代表的には、振動から圧電により電気を発生するのが最も対費用効果に優れた方法である。これは、静電気技術及び磁気技術が、通常は、特定の用途に適合するため、更に高級な設計、パッケージング、及び集積作業を必要とするためである。
【0005】
本発明の実施例を限定でなく例として添付図面に示す。添付図面では、同様のエレメントに同様の参照番号が付してある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
射出成形によって形成したエネルギ獲得デバイスの実施例を説明する。一実施例では、感知される環境から振動エネルギを獲得するため、射出成形法により圧電片持ち梁を製造する。片持ち梁デバイスは、圧電材料部材で形成されており、高密度材料のプルーフマス(proof mass)が圧電部材に連結されており、電気接続用リードフレームが設けられている。圧電部材を標準的な接続材料でリードフレームに電気的に取り付ける。次いで、アッセンブリ全体をプラスチックで射出成形する。圧電部材を包囲したプラスチックは、プルーフマスに及ぼされた振動に応じて電気を発生する片持ち梁を形成する。このようなデバイスは、タイヤ圧力監視システムや地震システム等の様々な振動集中環境に展開されたセンサシステムに電力を提供するのに使用できる。
【0007】
以下の説明において、射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスの実施例を完全に理解し、説明を可能にするため、多くの特定の詳細を導入した。しかしながら、これらの実施例は、これらの特定の詳細のうちの一つ又はそれ以上なしで実施してもよいし、又は他の構成要素やシステム等とともに実施してもよいということは、当業者には理解されよう。それ以外の場合には、開示の実施例の特徴を不明瞭にしないようにするため、周知の構造又は作動は示さず、又は詳細には説明しない。
【0008】
マイクロシステムセンサは、感知される環境の一つ又はそれ以上の特徴又はパラメータを表す信号を提供するため、様々な異なる環境で使用できる。マイクロシステムを設置する上で考慮される一つの重要な事項は、センサに電力を提供することである。マイクロシステムセンサを展開した多くの環境は、振動を発生するか或いは振動が加わる。一実施例では、エネルギ獲得デバイスは、感知される環境に存在する振動エネルギを使用して発電し、センサに電力を提供する。
【0009】
自動車の用途には、使用時の車輛の移動により振動エネルギが容易に発生し、このエネルギを使用して自動車のセンサネットワークに電力を提供する一つの分野がある。一実施例では、タイヤ圧力感知モジュールでエネルギ獲得デバイスを使用する。タイヤ圧力感知モジュールは、タイヤ内の空気圧を感知し、空気圧情報を制御モジュール又はプロセッサモジュールに伝送するため、自動車、トラック、又は他の車輛又は機械のタイヤの内側に展開される。制御モジュール又はプロセッサモジュールは、低いタイヤ圧力又は異常なタイヤ圧力を報告できる。タイヤのゴム製のカーカスは、表面に沿って転動するときに振動を発生し、この振動を電気エネルギに変換できる。図1は、タイヤが30km/時等の特定の速度で転動する際のタイヤのゴムの加速度を示すグラフ100である。軸線102に沿った加速度による力(単位:g)を時間104(単位:秒)に対してプロットした。タイヤ内部の圧力を監視するため、ホイールやタイヤのカーカスに埋め込んだ、又はこれらに連結した、タイヤ内に取り付けた圧力センサを使用する。この用途について、バッテリーを使用することは現実的でない。これは、バッテリーの大きさ及び重量がタイヤのバランスに影響を及ぼし、タイヤ内の過度の高温又は低温によりバッテリーの性能に大きな悪影響が及ぼされ、バッテリーの交換及び廃棄が現実的でなく又は費用がかかるためである。一実施例では、圧電片持ち梁即ちベンダー構造を使用し、タイヤ圧力センサに必須のエネルギを提供する。圧電ベンダーは、タイヤの転動時の、図1に示すような加速度による力を電気に変換し、圧力センサに電力を提供する。
【0010】
一実施例では、タイヤ圧力センサで使用するためのエネルギ獲得デバイスは、圧電バイモルフ構造を含む圧電ベンダーを有する。圧電材料は、振動エネルギを電気エネルギに変換する材料である。一般的には、一片の圧電材料はユニモルフ構造であり、横方向負荷の作用で同じ方向及び逆方向に応力を示す。従って、正弦波振動入力の場合には、出力電圧がゼロである。バイモルフ構造は、横方向負荷の作用で一方の方向に応力が生じ、従って、正弦波振動が加わったとき、出力される電圧はゼロではない。様々な異なる振動環境で適当な電力出力を提供するため、一般的にはバイモルフ構造が好ましい。
【0011】
図2Aは、エネルギ獲得デバイスで使用するための、圧電バイモルフ構造を使用する、一実施例による圧電ベンダーを示す。圧電ベンダー200は、プラスチックベース202と、このプラスチックベース202に連結されたプラスチック製裏打ちピース204と、このプラスチック製裏打ちピース204に取り付けられた圧電エレメント206と、この圧電エレメント206に取り付けられたプルーフマス208とを含む。プルーフマスは、別の態様では、プラスチック製裏打ちピース204に取り付けられてもよい。圧電エレメント206及びプラスチック製裏打ちピース204は、一緒になって、ベンダー200の圧電バイモルフ構造を形成する。ベンダー構造200に振動力が誘導されたとき、裏打ちピース204及び圧電材料206を含むバイモルフストリップが、振動力と比例する移動で撓む。この撓みを電力に変換し、増幅し、次いで構造200に連結されたセンサの回路等の他の回路に伝達する。一実施例では、圧電材料は、PZT−5A型セラミック等のジルコン酸チタン酸鉛(PZT)であり、プルーフマスはタングステンである。本体202及び裏打ちピース204は、プラスチック製であってもよいし、炭素繊維やナイロン等の任意の同様の不活性材料で形成されていてもよい。
【0012】
変形例では、バイモルフストリップは、圧電/金属エレメント又は圧電/圧電エレメントとして実施してもよく、又は積層アレイをなした三つ又はそれ以上のエレメントを含む圧電スタックとして実施してもよい。
【0013】
図2Bは、図1に示す振動等の横方向負荷入力が加わった状態の図2Aの圧電バイモルフを示す。図2Bに示すように、圧電ベンダー200は、第1位置x1から第2位置x2まで曲がり、発生する応力σの量は、第1位置から第2位置までのプルーフマスの変位で決まる。振動等の揺動横方向入力について、圧電/プラスチックバイモルフ210は振動の位相と対応する方向に曲がり、かくして横方向負荷による変位の大きさで決まる正の応力値を発生する。バイモルフのPZT材料は、応力を集めて電力出力を発生する。プルーフマスは応力の上昇に役立つ。これは、力が、バイモルフストリップの質量及び誘導された加速度と比例するためである。
【0014】
一実施例では、圧電ベンダーは、プラスチックの射出成形及びリードフレーム構造技術により対費用効果に優れた方法で形成される。図3は、エネルギ獲得デバイスを本発明に従って射出成形により製造する方法を示すフローチャートである。圧電ベンダーの製造は、この実施例では、適当なリードフレーム302を配置することによって開始される。次いで、圧電エレメントが取り付けられるべきリードフレームの導電性部材に導電性エポキシ又は同様の接着剤を適用する(304)。次いで、図3のブロック306に示すように、圧電エレメントをリードフレームの適当な導電性部材に取り付ける。図4は、リードフレームに取り付けた一実施例の圧電エレメントを示す。リードフレーム402は、レール406に取り付けられた多数の導電性部材404を含む。圧電部材408は、導電性エポキシ又は同様の接着剤手段410で一つ又はそれ以上の(例えば二対の)導電性部材に取り付けられる。圧電部材408を追加の導電性部材に接続するため、ワイヤ結合部412が形成される。デバイスの本体の形成後、導電性部材は、本体から延び且つ電気的及び機械的接触点を提供するリードを形成する。
【0015】
圧電デバイスに作用する振動環境に応じて、プルーフマスを圧電バイモルフに取り付ける必要がある。一実施例では、例えば図2Aに示すプルーフマス208を図3のブロック307に示すように圧電部材に取り付ける。プルーフマスは、一般的には、圧電ベンダーに対して力を増幅し、加速度により入力される力が比較的小さい場合に必要とされる。
【0016】
圧電部材をリードフレーム導体に取り付けた後、任意のプルーフマスを圧電部材に取り付け、構造を、図3のブロック308に示すように、射出成形プロセスを使用してプラスチックで部分的に包囲する。図5は、本発明に従って図4の圧電/リードフレーム構造を包囲する射出成形により形成したプラスチック本体を示す。図5に示すように、射出成形により形成したプラスチック本体502は圧電エレメントの一部を包囲しており、圧電材料の突出部分504が露呈されたままとなっている。射出成形により形成した本体を圧電エレメントの周囲で形成した後、図3のブロック310に示すように、接続部材からレールを切除し、接点リードを露呈し、個々の圧電デバイスを形成する。図6Aは、リードフレームレールを切断により形成した、本発明による個々の圧電デバイス602の平面図である。図6Bは、図6Aの圧電デバイスの正面図であり、図6Cは、図6Aの圧電デバイスの側面図である。図6Cに示すように、圧電デバイス602は、本体部分612と、プラスチック裏打ちピース616及び圧電エレメント618を有するプラスチック/圧電バイモルフエレメント614とを含む。図6Cに示すバイモルフ構造の配向により、デバイスは、本体612に対する上下方向での振動620に応答するデバイスを提供する。
【0017】
図6Cに示す実施例について、バイモルフエレメント(即ちストリップ)614は、プラスチックに取り付けられた圧電材料である。別の実施例では、バイモルフエレメントは、互いに結合した二つのPZTエレメントから形成されていてもよく、又はリードフレーム自体の部分として異なる材料に結合されたPZTエレメントから形成されていてもよい。
【0018】
一実施例では、プルーフマスを圧電エレメントの露呈部分に取り付け、これを射出成形プロセス308後に露呈したままにする。別の態様では、プルーフマスもまた射出成形により形成されたプラスチック本体内に包囲されていてもよい。図7は、プルーフマスをプラスチックとともに成形し、これによって取り囲んだ実施例による、プルーフマスが取り付けられた圧電デバイスを示す。バイモルフエレメントに対するプルーフマスの包囲及び配向は、エネルギ獲得デバイスの適用上の必要に応じて特定的に形成できる。図7に示す実施例については、露呈された圧電材料及びプラスチック製裏打ちピースが形成するバイモルフ構造702の配向は、本体706の水平方向平面に対して垂直である。これにより、本体706に対して側方方向での振動に応答する圧電デバイスが提供される。バイモルフ構造702に取り付けられたプルーフマス704は、圧電ベンダーに対し、力を増幅する。プルーフマスは、バイモルフ構造の圧電側又はプラスチック側のいずれかの表面の一方の側に取り付けられていてもよく、又はバイモルフ構造の端部に取り付けられていてもよい。プルーフマスの大きさ、重量、材料、及び配置は、圧電デバイスが使用される環境の必要に従って調節できる。
【0019】
様々な異なる種類のリードフレームを圧電ベンダーの実施例と関連して使用できる。図3に示すような標準的なリードフレームを使用してもよい。別の態様では、ダイパドルを持つリードフレームを使用してもよい。図8は、圧電ベンダーで使用するための一実施例によるダイパドルを持つリードフレームを示す。ダイパドル構成では、一対又はそれ以上の対をなしたリード802がダイパドル接続部804により互いに連結されている。
【0020】
射出成形により形成した本体内のバイモルフ圧電ベンダーを使用するエネルギ獲得デバイスは、長期に亘ってエネルギを必要とする様々な異なる用途で使用できる。一実施例では、圧電ベンダーは、インテリジェントタイヤシステムで、タイヤのホイール内又はゴム部分内に取り付けるため、圧力センサ及びトランスミッター回路を含む回路に電力を提供するのに使用される。図9は、射出成形により形成された一実施例による圧電式エネルギ獲得デバイスで使用するためのインテリジェントタイヤシステムのセンサ/トランスミッター回路を示す。回路900は、圧力センサモジュール902と、振動子904と、トランスミッター回路906とを含む。トランスミッターは、RFをベースとしたトランスミッターであり、その場合、表面取り付けアンテナ908が設けられていてもよい。回路900の形状は、図示のように円形であってもよいし、又は用途に応じて任意の他の適当な形状であってもよい。タイヤの空気組成や温度等の他の特性を監視するため、他のセンサ回路912を設けてもよい。回路900に取り付けられた圧電ベンダー920は、転動するタイヤからの振動エネルギを電気に変換し、この電力を回路に提供する。圧電ベンダーは、センサ回路に接続された別の回路又はユニットに設けられていてもよいし、回路900に組み込まれていてもよく、即ち回路900にぴったりと接続されていてもよい。図9に示す回路900の直径は、全体が10mm程度又はそれ以下であってもよく、圧電ベンダー920の長さは、5mm程度又はそれ以下であってもよい。
【0021】
タイヤ圧力センサシステムに関して幾つかの実施例を説明したが、必要とされる電力が比較的低く、低電力で作動できるセンサ又はデバイスを含む様々な他のマイクロシステムに関してこれらの実施例又は同様の実施例を使用できるということは理解されるべきである。これらには、計測できる所定の特徴を備えており且つ振動環境を特徴とする、動作センサ、赤外線センサ、漏洩検出器、潤滑剤モニター、及び他の用途が含まれる。例えば、射出成形により形成した電力用圧電ベンダーを使用するセンサを、燃料の量又は質を監視するため、車輛の燃料タンク内に取り付けることができ、オイルの量又は質を監視するため、エンジンのクランクケース内に取り付けることができる。射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスの実施例は、とりわけ、自動車や航空宇宙の用途、産業機械、地震の用途、及び海洋学的用途等の多くの様々な産業に適用できる。
【0022】
射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスと関連して使用されるセンサは、RF、マイクロ波、又は同様の無線通信手段等の任意の適当な感知−伝送回路を備えていてもよい。別の態様では、幾つかの用途は、センサの有線通信に適している。
【0023】
本明細書中に説明した、射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスの特徴は、任意の様々な回路にプログラムされた機能として実施できる。こうした回路には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGAs」)デバイス、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)デバイス、電気的にプログラム可能なロジック及びメモリーデバイス、及び標準的な電池ベースデバイス、並びに特定用途用集積回路等のプログラマブルロジックデバイス(「PLDs」)が含まれる。
【0024】
本明細書中及び特許請求の範囲に亘り、「含む」又は「備えている」といった用語は、文脈上明瞭に求められてはいないけれども、除外を意図するものではなく、包含を意図したものであると解釈されるべきである。即ち、「を含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである。単数又は複数で表した用語もまた、夫々、複数又は単数を含む。更に言うと、「本明細書中」、「下文中」、「上文中」、「以下」といった用語及び同様の用語は、本願全体に亘るのであって、本願の任意の特定の部分に限定されない。二つ又はそれ以上の構成要素の列挙に関し、「又は」という用語を使用する場合、この用語は、列挙された構成要素のうちの任意の構成要素、列挙された全ての構成要素、及び列挙された構成要素の任意の組み合わせという解釈の全てを含む。
【0025】
マイクロシステムセンサで使用するためのエネルギ獲得デバイスの例示の実施例の以上の説明は、網羅的であろうとするものでも、実施例を開示の特定の形態又は指示に限定しようとするものでもない。エネルギ獲得デバイスの特定の実施例及びその例を本明細書中に例示の目的で説明したけれども、上文中に説明した実施例の範疇で様々な等価の変更を行うことができるということは当業者には理解されよう。
【0026】
上文中に説明した様々な実施例のエレメント及び作用を組み合わせて別の実施例を提供してもよい。これらの及び他の変更は、以上の詳細な説明に照らして、エネルギ獲得デバイスに行うことができる。
【0027】
一般的には、以下の特許請求の範囲において、使用された用語は、説明したシステムを本明細書及び特許請求の範囲に開示した特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の範疇の全ての作動及びプロセスを含むものと解釈されるべきである。従って、本明細書中に説明したシステムは、本開示によって限定されるのではなく、ここに記載した方法の範囲全体が特許請求の範囲によって決定される。
【0028】
エネルギ獲得デバイスの特定の特徴を特定の特許請求の範囲の形態で記載するが、本発明者は、方法の様々な特徴を熟慮し、特許請求の範囲に記載した。従って、本発明者は、本願の出願後に追加の特許請求の範囲を追加する権利を保留し、本明細書中に記載したシステムの他の特徴についてこのような追加の特許請求の範囲を追及する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、一実施例によるエネルギ獲得デバイスで使用できる、例えば回転しているタイヤの振動エネルギを示すグラフである。
【図2A】図2Aは、一実施例によるエネルギ獲得デバイスで使用するための圧電バイモルフの図である。
【図2B】図2Bは、横方向負荷が加わった状態の図2Aの圧電バイモルフの図である。
【図3】図3は、射出成形により形成した一実施例によるエネルギ獲得デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、リードフレームに取り付けた圧電エレメントの一実施例の図である。
【図5】図5は、図4の圧電/リードフレーム構造を包囲する、一実施例による射出成形により形成したプラスチック本体を示す図である。
【図6A】図6Aは、リードフレームレールを切断することによって形成した、一実施例による個々の圧電デバイスの平面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの圧電デバイスの正面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aの圧電デバイスの側面図である。
【図7】図7は、プルーフマスが取り付けられた、一実施例による圧電デバイスの図である。
【図8】図8は、圧電ベンダーで使用するための、一実施例によるダイパドルを持つリードフレームを示す図である。
【図9】図9は、射出成形により形成したエネルギ獲得デバイスで使用するための、一実施例によるインテリジェントタイヤシステムのセンサ/トランスミッター回路を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
200 圧電ベンダー
202 プラスチックベース
204 裏打ちピース
206 圧電エレメント
208 プルーフマス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスにおいて、
複数の導電性リードと、
前記複数の導電性リードのうちの一つ又はそれ以上の導電性リードに接続された基板ストリップと、
前記基板ストリップに接続され、圧電バイモルフエレメントを形成する圧電材料と、
前記圧電バイモルフエレメントに連結されたプルーフマスと、
前記圧電バイモルフエレメントに連結された、前記圧電バイモルフエレメントの少なくとも一部及び前記一つ又はそれ以上の導電性リードの少なくとも一部を包囲する、射出成形プロセスによって形成された本体とを含む、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記複数の導電性リードは、前記複数の導電性リードに接続された一つ又はそれ以上のレールを含むリードフレームの部分であり、
前記本体は、前記リードフレームの一部の周囲に形成されており、前記電気リードは、射出成形プロセスによって前記本体を形成した後、前記リードフレームの一つ又はそれ以上のレールを除去することによって形成される、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記圧電材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含み、前記プルーフマスはタングステンを含む、デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のデバイスにおいて、
前記プルーフマスは、射出成形により形成した材料に包囲されている、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記基板ストリップは、プラスチック基板、圧電材料基板、及び前記リードフレームの一部から形成されたストリップのうちの一つを含む、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記圧電バイモルフエレメントは、前記プルーフマスに誘導された振動力と対応する方向に撓み、前記振動力に応じて電流を発生するように形成されている、デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスにおいて、
前記電流は、前記プラスチック本体を含むシステムに取り付けられたセンサデバイスに提供され、前記センサデバイスに作動電力を提供する、デバイス。
【請求項8】
システムにおいて、
センサ回路、このセンサ回路に接続されたトランスミッター回路、及びこのトランスミッター回路に接続されたアンテナを含むマイクロシステムセンサと、
前記マイクロシステムセンサに接続された電力回路とを含み、
前記マイクロシステムセンサは、プラスチック本体と、このプラスチック本体に連結された圧電バイモルフストリップと、前記プラスチック本体に連結されたプルーフマスとを含み、前記プラスチック本体は、射出成形プロセスにより、前記プラスチック本体を包囲し且つ前記圧電バイモルフストリップの一部を露呈したままにするように形成される、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記電力回路は複数のリードによって前記マイクロシステムセンサに接続されており、
前記プラスチック本体は、リードフレームの周囲に形成され、
前記電気リードは、前記プラスチック本体を射出成形プロセスによって包囲した後、前記リードフレームの一つ又はそれ以上のレールを除去することによって形成される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記圧電バイモルフストリップは、基板に接続された圧電材料を含む、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記基板は、プラスチック、圧電材料、及び金属のうちの一つで形成された材料のストリップを含む、システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記圧電バイモルフストリップは、前記プルーフマスに誘導された振動力と対応する方向に撓み、前記振動力に応じて電流を発生し、前記マイクロシステムセンサに作動電力を提供するように形成されている、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記圧電材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含み、前記プルーフマスはタングステンを含む、システム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記プルーフマスは、射出成形プロセスによって形成されたプラスチック本体内に包囲される、システム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記マイクロシステムセンサは、空気圧力センサを含む、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記空気圧力センサ及び電力回路は、車輛のタイヤの内部に取り付けられる、システム。
【請求項17】
方法において、
対をなした導電性部材がレールエレメントに連結されたリードフレームを提供する工程と、
前記リードフレームの一つ又はそれ以上の導電性部材に接着剤を取り付ける工程と、
前記リードフレームの前記一つ又はそれ以上の導電性部材のうちの少なくとも一つの導電性部材に圧電エレメントを取り付ける工程と、
プルーフマスを前記圧電エレメントの第1部分に取り付ける工程と、
射出成形によりプラスチック本体を前記圧電エレメントの第2部分の周囲に形成する工程と、
前記リードフレームの前記レールエレメントを前記プラスチック本体から切断し、別々の圧電デバイスを形成する工程とを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記圧電エレメントの前記第1部分及び前記第2部分は一致し、前記射出成形により形成したプラスチック本体は、前記プルーフマスの周囲に形成される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、更に、
前記圧電エレメントの前記第1部分を基板に結合することによって圧電バイモルフストリップを形成する工程を含み、前記基板は、プラスチック、圧電材料、及び金属のうちの一つで形成されたストリップ材料を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、更に、
前記リードフレームの一つ又はそれ以上の導電性部材の部分を前記射出成形により形成したプラスチック本体から露呈したままにし、電気接点を形成する、方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−527212(P2009−527212A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555250(P2008−555250)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/002328
【国際公開番号】WO2007/094948
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】