説明

導体層の形成方法及び半導体装置の製造方法

【課題】レジスト残滓を確実に除去する。
【解決手段】基板10上の一部にレジスト20を用いて導体層19をパターニングした後、レジスト20を剥離するレジスト剥離工程と、基板10の導体層19が形成された面に対して、第一ノズル103から第一噴射圧で溶剤を噴射することによりレジスト20の残滓20bをふやかし、第二ノズル104から第一噴射圧よりも高圧の第二噴射圧で溶剤を噴射することによりレジスト20の残滓20bを物理力で除去するレジスト残滓除去工程と、を備える導体層の形成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体層の形成方法及びWLP(Wafer Level Package)等の半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
半導体装置には、図29に示すような構造のものがある。半導体デバイスウェハ110の接続パッド112が設けられた面に絶縁膜114が設けられ、絶縁膜114には接続パッド112の中央部に対応する部分に開口114aが設けられている。絶縁膜114の表面及び開口114a内には電解めっき用シード層116が設けられ、電解めっき用シード層116の上部に再配線119が形成されている。再配線119は電解めっき用シード層116を介して接続パッド112に接続される。再配線119の端部に柱状電極121が設けられ、再配線119及び絶縁膜113が封止膜122により封止される。柱状電極121は封止膜122から露出し、柱状電極121の表面に半田端子123が設けられる。半田端子123を介して半導体装置101は図示しない回路基板に接続される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−287048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、柱状電極を電解めっき法により作成するときに、柱状電極を形成しない部分にレジストを設け、柱状電極の形成後にレジストを剥離する。
しかし、再配線等が設けられた基板には微細な凹凸があるため、レジストが完全に剥離されず残滓が残る場合がある。残滓が残った場合には、残滓の下部の電解めっき用シード層が除去されず、隣接する再配線や柱状電極間のショート不良の原因となる。また、残滓が残ったまま封止膜により封止した場合には、耐湿信頼性低下のおそれがある。これを防ぐために最終外観検査において残滓が残っている半導体装置を除去するので、歩留まりが低下するという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、レジスト残滓を確実に除去することができ歩留まりが改善される導体層の形成方法及び半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、基板上の一部にレジストを用いて導体層をパターニングした後、前記レジストを剥離するレジスト剥離工程と、前記基板の前記導体層が形成された面に対して、第一ノズルから第一噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓をふやかし、第二ノズルから前記第一噴射圧よりも高圧の第二噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓を物理力で除去するレジスト残滓除去工程と、を備えることを特徴とする導体層の形成方法が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口を有する絶縁膜と、露出した前記接続端子及び前記絶縁膜の表面に形成された電解めっき用シード層と、前記電解めっき用シード層の表面に形成された再配線と、の上部に柱状電極がパターニングされた半導体装置の製造方法において、柱状電極用レジストを用いて前記柱状電極をパターニングした後、前記柱状電極用レジストを剥離する柱状電極用レジスト剥離工程と、
前記柱状電極が形成された面に対して、第一ノズルから第一噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓をふやかし、第二ノズルから前記第一噴射圧よりも高圧の第二噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓を物理力で除去するレジスト残滓除去工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
好ましくは、前記第二噴射圧を2.76MPa以上、処理時間を2分以上とする。
好ましくは、前記レジスト残滓除去工程において、前記基板の前記導体層が形成された面を下側に向けた状態で保持し、前記第一ノズル及び前記第二ノズルはそれぞれ前記溶剤を上方に向かって噴射する。
好ましくは、前記レジスト残滓除去工程において、前記第一ノズルは固定であり、前記第二ノズルは可動である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レジスト残滓を確実に除去することができ歩留まりが改善される導体層の形成方法及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す断面図である。
【図2】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図3】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図4】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図5】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図6】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図7】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図8】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図9】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図10】洗浄装置100を示す模式図である。
【図11】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図12】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図13】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図14】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Bを示す断面図である。
【図16】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図17】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図18】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図19】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図20】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図21】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図22】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図23】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図24】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図25】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図26】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図27】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図28】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【図29】半導体装置1Bの製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す断面図である。図1に示すように、半導体装置1Aは、半導体デバイスウェハ10の表面に再配線19、柱状電極21、半田端子23等を形成してなる。
半導体デバイスウェハ10は、図1に示すように、シリコン等からなる半導体基板11と、金属等の導電性材料からなる複数の接続パッド12と、酸化シリコン等の絶縁性材料からなるパッシベーション膜13と、等を備える。
【0012】
半導体基板11の表面には、LSIや配線等が形成されている。接続パッド12はシリコン基板11上の配線と接続されている。パッシベーション膜13は半導体基板11の表面に形成され、LSIや配線等を被覆する。また、パッシベーション膜13には、接続パッド12を露出させる開口13aが設けられている。図1に示すように、開口13aは接続パッド12よりも小さい。
【0013】
パッシベーション膜13の表面には、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等からなる絶縁膜14が形成されている。絶縁膜14には、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、等の高機能プラスチック材料、エポキシ系、フェノール系、シリコン系等のプラスチック材料、またはこれらの複合材料等を用いることができる。
【0014】
絶縁膜14には、接続パッド12を露出させる開口14aが設けられている。開口14aは例えばレーザにより形成することができる。図1に示すように、絶縁膜14の開口14aはパッシベーション膜13の開口13aよりも小さく、開口14aの外周部で接続パッド12と絶縁膜14とが密着している。
【0015】
絶縁膜14の表面の一部、及び、開口14aから露出した接続パッド12の上部には、銅等からなる電解めっき用シード層16が形成されている。電解めっき用シード層16は、200nm〜2000nmの厚さが好ましい。電解めっき用シード層16の一端部は、開口13a、14aを介して接続パッド12に接続されている。
電解めっき用シード層16の表面には銅等の導電性材料からなる再配線19が形成されている。再配線19は1μm〜10μmの厚さが好ましい。再配線19の接続パッド12とは反対側の端部の上面には、銅等の導電性材料からなる柱状電極21が形成されている。
【0016】
電解めっき用シード層16及び再配線19の積層体は、それぞれに対応する互いに異なる接続パッド12と互いに異なる柱状電極21とを接続し、かつそれぞれ他の電解めっき用シード層16及び再配線19の積層体と電気的に絶縁されるように配列されている。
【0017】
再配線19及び絶縁膜14の表面には、封止膜22が、その表面が柱状電極21の表面と略面一となることで柱状電極21の上面が露出されるように設けられている。封止膜22は、エポキシ系樹脂とシリカフィラーとのコンポジット(複合材料)等からなる。封止膜22は、柱状電極21をその側面から保護し、絶縁膜14及び再配線19をそれらの上部から保護する。柱状電極の高さは50〜100μm程度である。柱状電極21の直径は接続パッド12の数やチップサイズにより異なり、50μm〜500μm程度である。
各柱状電極21の表面には略球形状の半田端子23がそれぞれ設けられている。半田端子23は、柱状電極21の円形の上面に接することによって相互に電気的に接続している。
【0018】
次に、半導体装置1Aの製造方法について図2〜図14を用いて説明する。
まず、図2に示すように、半導体デバイスウェハ10の表面に絶縁膜14を形成する。
次に、図3に示すように、スパッタ等の気相堆積法により絶縁膜14の全面及び接続パッド12の全面を覆う電解めっき用シード層16を形成する。
次に、図4に示すように、電解めっき用シード層16上の再配線19を形成しない位置に再配線レジスト17を形成する。
次に、図5に示すように、電解めっき用シード層16を陰極とする電解めっき法により再配線レジスト17が形成されていない部分に再配線19を形成する。
【0019】
次に、図6に示すように、再配線レジスト17を除去する。
次に、図7に示すように、電解めっき用シード層16及び再配線の上部に柱状電極用レジスト20となるドライフィルムを貼り付け、パターニングすることで柱状電極21の位置に開口20aを形成する。ドライフィルムレジスト20の主材料はアクリル樹脂、染料、感光剤等である。ドライフィルムレジスト20の厚さは80〜120μm程度である。開口20aの直径は柱状電極21の直径に等しい。
次に、図8に示すように、電解めっき用シード層16を陰極とする電解めっき法により開口22a内に柱状電極21を形成する。
【0020】
次に、図9に示すように柱状電極用レジスト20を除去する。このとき、再配線19や柱状電極21により表面に凹凸があるため、再配線19や柱状電極21の周囲に柱状電極用レジスト20の残滓20bが残る場合がある。そこで、図10に示す洗浄装置100を用いて洗浄することで残滓20bを除去する。
【0021】
図10は洗浄装置100を示す模式図である。洗浄装置100は、上部に開口を有する円筒形の容体101と、容体101の上部に設けられ開口を塞ぐドーム型の蓋体102とを備える。
容体101の底部には、多数の固定ノズル(第一ノズル)103が設けられている。多数の固定ノズル103は縦横に配置され、固定ノズル103から上方に向かって洗浄液が噴射される。固定ノズル103から噴射する洗浄液の圧力は比較的低圧に設定する。例えばポンプ設定圧(第一噴射圧)を0.106MPaとすることができる。
また、容体101の内部には、可動ノズル(第二ノズル)104がアーム105により水平に回動可能に設けられている。可動ノズル104からは上方に向かって洗浄液が噴射される。可動ノズル104から噴射する洗浄液の圧力は比較的高圧に設定する。例えばポンプ設定圧(第二噴射圧)を2.7〜10.6MPaとすることができる。
【0022】
また、容体101の内部には、固定ノズル103及び可動ノズル104の上方に半導体デバイスウェハ10を回転可能に保持する図示しない保持装置が設けられている。さらに、容体101の内側側面には、保持装置により保持される半導体デバイスウェハ10よりもやや上部に固定ノズル(第一ノズル)106が、やや下部に固定ノズル(第一ノズル)107が設けられている。固定ノズル106、107からはほぼ水平方向に洗浄液が噴射される。固定ノズル106、107から噴射する洗浄液の圧力は比較的低圧に設定する。例えばポンプ設定圧(第一噴射圧)を0.106MPaとすることができる。
なお、ウェハ表面に洗浄液が当たる実効圧は、ポンプ設定圧の約1/10程度である。
【0023】
洗浄液には、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、1,2−プロパンジオール等の有機溶剤を用いることができる。洗浄液の温度は50〜80℃とすることが好ましい。
【0024】
洗浄装置100により半導体デバイスウェハ10を洗浄するには、まず、図11に示すように、半導体デバイスウェハ10を再配線19や柱状電極21が設けられた面を下側に向けた状態で保持する。次に、図示しない保持装置により、半導体デバイスウェハ10を回転させながら、固定ノズル103、106、107及び可動ノズル104より洗浄液を噴射させる。同時にアーム105により可動ノズル104を半導体デバイスウェハ10の中心と外側との間で往復運動させる。残滓20bは乾燥固着していることが多いため、固定ノズル103、106、107により残滓20bをふやかし、可動ノズル104の物理力(洗浄液の噴射圧)により残滓20bが除去され、容体101の内部に落下する。
【0025】
ここで、洗浄装置100による洗浄効果について実験した結果を示す。
洗浄時間、可動ノズル104の往復回数、可動ノズル104より噴射する洗浄液(高圧スプレー)の圧力を変えて洗浄を行った。固定ノズル103、106、107より噴射する洗浄液(低圧スプレー)の設定圧は0.10MPaで一定とした。
ウェハ内の9チップを顕微観察し、長手で10μm以上の残滓を数えた。
【0026】
【表1】

【0027】
ここで、実験例9については、低圧スプレーのみで洗浄を行った。
実験例1〜7に示すように、高圧スプレーの設定圧を2.76MPa以上とし、処理時間を2分以上とすることで、充分に残滓の除去を行うことができることがわかる。
【0028】
洗浄後、図12に示すように、再配線19が形成されていない部分の電解めっき用シード層16をエッチングにより除去する。洗浄により残滓20bが除去されているため、電解めっき用シード層16を確実に除去することができる。
なお、このとき、再配線19及び柱状電極21の表面もエッチングされるが、再配線19及び柱状電極21は電解めっき用シード層16と比較して充分に厚いため、影響はない。
【0029】
次に、印刷法により封止膜22となる樹脂を塗布し、封止膜22を形成する。その後、グラインダーで柱状電極21及び封止膜22を研削することにより、図13に示すように、封止膜22の表面が柱状電極21の表面と略面一となるように柱状電極21の上面を露出させる。さらに、半導体基板11の裏面も研削する。
次に、図14に示すように、柱状電極21の上面に略球形状の半田端子23を形成する。その後、ダイシングすることで、図1に示す半導体装置1Aが形成される。
【0030】
このように、本実施形態によれば、配線19や柱状電極21の周囲に残る柱状電極用レジスト20の残滓20bを洗浄により除去するため、残滓20bに由来する歩留まりの低下を抑えることができる。
【0031】
〔第2実施形態〕
図15は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Bを示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
本実施形態に係る半導体装置1Bが第1実施形態に係る半導体装置1Aと異なる点は以下の通りである。
【0032】
すなわち、半導体装置1Bにおいては、半導体基板11の表面に、絶縁膜31を介して低誘電率の層間絶縁膜32(Low−k膜)が積層されている。層間絶縁膜32の表面には絶縁膜33が設けられ、絶縁膜33の表面に接続パッド12が設けられている。
【0033】
絶縁膜31、33は、例えばSiCN、SiO等により形成される。層間絶縁膜32は、例えばSiOにC(カーボン)をドープすることで形成される。あるいは、多孔質とすることにより誘電率を低下されることができる。
【0034】
層間絶縁膜32の内部には銅等の導体からなる配線34が設けられている。配線34の一端は、絶縁膜31に設けられた図示しない開口より半導体基板11の表面に設けられたLSIや配線と接続されている。また、配線34の他端は、絶縁膜33に設けられた図示しない開口より接続パッド12と接続されている。
【0035】
層間絶縁膜30は強度が低いため、図15に示すように、側面が封止樹脂22により覆われ、保護されている。具体的には、半導体装置1Bの外周に沿って半導体基板11に溝11aが形成され、封止樹脂22が溝11aにまで入り込んでいる。
【0036】
次に、半導体装置1Bの製造方法について図16〜図29を用いて説明する。
まず、図16に示すように、半導体基板11の表面に絶縁膜31、層間絶縁膜32及び配線34、絶縁膜33、接続パッド12、パッシベーション膜13を積層し半導体デバイスウェハ10を形成する。
次に、図17に示すように、1つ1つの半導体装置1Bを切り出すときの線(ダイシングストリート)に沿ってレーザ40を照射し、絶縁膜31、層間絶縁膜32、絶縁膜33を除去する。それとともに、図18に示すように、溝11aを形成する。なお、レーザ40を照射する部分には配線34は形成されていない。
次に、図19に示すように、絶縁膜14を形成する。
【0037】
次に、図20に示すように、スパッタ等の気相堆積法により、絶縁膜14の表面、開口14aより露出した接続パッド12の表面、半導体基板11の表面、絶縁膜31の側面、層間絶縁膜32の側面、絶縁膜33の側面を覆う電解めっき用シード層16を形成する。
次に、図21に示すように、電解めっき用シード層16上の再配線19を形成しない位置に再配線レジスト17を形成する。
次に、図22に示すように、電解めっき用シード層16を陰極とする電解めっき法により再配線レジスト17が形成されていない部分に再配線19を形成する。
次に、図23に示すように、再配線レジスト17を除去する。
【0038】
次に、図24に示すように、電解めっき用シード層16及び再配線の上部に柱状電極用レジスト20となるドライフィルムを貼り付け、パターニングすることで柱状電極21の位置に開口20aを形成する。ドライフィルムレジスト20の主材料はアクリル樹脂、染料、感光剤等である。ドライフィルムレジスト20の厚さは80〜120μm程度である。開口20aの直径は柱状電極21の直径に等しい。次に、電解めっき用シード層16を陰極とする電解めっき法により開口22a内に柱状電極21を形成する。
【0039】
次に、図25に示すように柱状電極用レジスト20を除去する。このとき、再配線19や柱状電極21、さらにシリコン基板11に形成された溝11a等の凹凸があるため、再配線19や柱状電極21の周囲や溝11aの内部に柱状電極用レジスト20の残滓20bが残る場合がある。そこで、本実施形態においても、図10に示す洗浄装置100を用いて洗浄することで、図26に示すように、残滓20bを除去する。
【0040】
洗浄後、図27に示すように、再配線19が形成されていない部分の電解めっき用シード層16をエッチングにより除去する。なお、このとき、再配線19及び柱状電極21の表面もエッチングされるが、再配線19及び柱状電極21は電解めっき用シード層16と比較して充分に厚いため、影響はない。
【0041】
次に、印刷法により封止膜22となる樹脂を塗布し、封止膜22を形成する。その後、グラインダーで柱状電極21及び封止膜22の表面を研削することにより、図28に示すように、封止膜22の表面が柱状電極21の表面と略面一となるように柱状電極21の上面を露出させる。さらに、半導体基板11の裏面も研削する。
次に、図29に示すように、柱状電極21の上面に略球形状の半田端子23を形成する。その後、ダイシングすることで、図15に示す半導体装置1Bが形成される。
【0042】
このように、本実施形態においても、配線19や柱状電極21の周囲、溝11aの内部に残る柱状電極用レジスト20の残滓20bを洗浄により除去するため、残滓20bに由来する歩留まりの低下を抑えることができる。
【符号の説明】
【0043】
1A、1B 半導体装置
10 半導体デバイスウェハ
11 半導体基板
12 接続パッド
13 パッシベーション膜
13a、14a、15a、20a 開口
14、31、33 絶縁膜
16 電解めっき用シード層
19 再配線
20 柱状電極用レジスト
20b 残滓
21 柱状電極
22 封止膜
23 半田端子
32 層間絶縁膜
34 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の一部にレジストを用いて導体層をパターニングした後、前記レジストを剥離するレジスト剥離工程と、
前記基板の前記導体層が形成された面に対して、第一ノズルから第一噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓をふやかし、第二ノズルから前記第一噴射圧よりも高圧の第二噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓を物理力で除去するレジスト残滓除去工程と、
を備えることを特徴とする導体層の形成方法。
【請求項2】
前記第二噴射圧は2.76MPa以上、処理時間を2分以上とすることを特徴とする請求項1に記載の導体層の形成方法。
【請求項3】
前記レジスト残滓除去工程において、前記基板の前記導体層が形成された面を下側に向けた状態で保持し、前記第一ノズル及び前記第二ノズルはそれぞれ前記溶剤を上方に向かって噴射することを特徴とする請求項1又は2に記載の導体層の形成方法。
【請求項4】
前記レジスト残滓除去工程において、前記第一ノズルは固定であり、前記第二ノズルは可動であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導体層の形成方法。
【請求項5】
半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口を有する絶縁膜と、露出した前記接続端子及び前記絶縁膜の表面に形成された電解めっき用シード層と、前記電解めっき用シード層の表面に形成された再配線と、の上部に柱状電極がパターニングされた半導体装置の製造方法において、
柱状電極用レジストを用いて前記柱状電極をパターニングした後、前記柱状電極用レジストを剥離する柱状電極用レジスト剥離工程と、
前記柱状電極が形成された面に対して、第一ノズルから第一噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓をふやかし、第二ノズルから前記第一噴射圧よりも高圧の第二噴射圧で溶剤を噴射することにより前記レジストの残滓を物理力で除去するレジスト残滓除去工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第二噴射圧を2.76MPa以上、処理時間を2分以上とすることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2011−165797(P2011−165797A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25332(P2010−25332)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】