説明

導電性ローラの製造方法

【課題】 表面層に離脱線等の特異な不均一部分がなく、また、ローラ一本内でも、ローラ同士でも、厚さが均一な表面層を形成することができ、しかも、導電性ローラ1本あたりの塗布工程のサイクルタイムをも短くすることのできる、導電性ローラの製造方法を提供する。
【解決手段】 互いに平行に並べられた複数の導電性ローラ基体部に対して90度を含む所定角度で交差し、それらの導電性ローラ基体部と周面同士が接触もしくは近接する姿勢に保持されたグラビアロールの周面に塗料を供給しつつ、それらの導電性ローラ基体部、およびグラビアロールの全部を回転させながら、グラビアロールおよび導電性ローラ基体部の少なくとも一方を、他方に対して基体部の長さ方向に相対変位させ、それらの導電性ローラ基体部の周上に前記塗料を塗布して表面層を形成し、
前記塗料の塗布に際し、前記導電性ローラ基体部の少なくとも2本を同時に塗布する過程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に用いられる導電性ローラの製造方法に関し、特に、塗料を塗布して表面層を高品質に形成することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に装着され、感光ドラムの表面を帯電させる帯電ローラや、感光ドラム表面にトナーを移載する現像ローラ等の導電性ローラは、長さ方向両端部を軸支され、円柱状の基体部の半径方向外側に最外層となる薄膜の表面層が設けられる。
【0003】
従来、この表面層を形成する方法として、ディッピング塗装やスプレー塗装による方法の他、ロールコータ塗装によって塗膜を形成してこれを表面層とする方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
ロールコータ塗装による方法は、塗料パンから供給された塗料を、アプリケーションロールの周面に載せて運び、アプリケーションロールと平行に向けられた導電性ローラ基体部と、アプリケーションロールとを、周面同士を当接させて回転させることにより、導電性ローラ基体部の長さ方向全長に亘って塗料を同時に塗布してゆく方法であり、一本ずつ連続して塗布することが容易なので、他の方法に対比して生産性が高いという特長を有する。
【0005】
しかしながら、この方法においては、アプリケーションロールを、導電性ローラ基体部の長さ方向全長にわたって均一に押し付けることがむつかしく、そのため、塗膜の厚さに不均一が生じ、また、塗装を終えたあと、アプリケーションロールを導電性ローラから離脱させるとき、離脱線が生じてしまうという問題があった。
【0006】
これらの問題に対処するため、アプリケーションロールを導電性ローラ基体部に対して所定角度で交差させて、それらの周面同士を接触させ、アプリケーションロールと導電性ローラ基体部との両方を回転させながら、アプリケーションロールもしくは導電性ローラ基体部を、導電性ローラ基体部の長さ方向に移動させて、導電性ローラ基体部周上に塗料を螺旋状に重ねながら塗布して表面層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平2−261561号公報
【特許文献2】特許2665795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この提案によれば、基体部の周面を螺旋状に塗布してゆくので、離脱線が現れることはなく、代わりに螺旋の境目に段差ができるものの、この段差は、螺旋のピッチを小さくして重ね塗りすることにより目立たなくすることができるという利点はあるが、アプリケーションロールとして、表面が平坦なロールを用いているため、塗料の粘度等の特性変化や、わずかな塗布条件の変化により、アプリケーションロール上の塗料の膜厚さが変化してしまい、その結果、導電性ローラ表面層の膜厚がばらつき、高度な均一性が求められる導電性ローラにこの方法を用いた場合には、必要な表面層膜厚品質を確保することが難しかった。
【0008】
また、この提案は、基体部周面を螺旋状に塗布してゆくため、全長を同時に塗布できる従来のロールコータに対比して、1本を塗布する時間がかかってしまうという問題もあった。この問題の対応策として、塗布時間を短縮するため、基体部の移動速度をあげようとした場合、隙間なく基体部周面を螺旋状に塗布してゆくには、その移動速度に応じて基体部の回転速度を上げる必要があり、その場合、塗工ムラが生じやすく、また、塗布された液が高速回転による遠心力によって偏りを生じる等して、表面性状の均一性が低下してしまい、塗布時間の短縮にも限界があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされてものであり、表面層に離脱線等の特異な不均一部分がなく、また、ローラ一本内でも、ローラ同士でも、表面層の厚さを均一にすることのでき、しかも、導電性ローラ1本あたりの塗布工程のサイクルタイムをも短くすることのできる、導電性ローラの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
<1>は、長さ方向両端部で軸支され、円柱状の基体部の外側に表面層を有する導電性ローラを製造する方法において、
互いに平行に並べられた複数の導電性ローラ基体部に対して90度を含む所定角度で交差し、それらの導電性ローラ基体部と周面同士が接触もしくは近接する姿勢に保持されたグラビアロールの周面に塗料を供給しつつ、それらの導電性ローラ基体部、およびグラビアロールの全部を回転させながら、グラビアロールおよび導電性ローラ基体部の少なくとも一方を、他方に対して基体部の長さ方向に相対変位させ、それらの導電性ローラ基体部の周上に前記塗料を塗布して表面層を形成し、
前記塗料の塗布に際し、前記導電性ローラ基体部の少なくとも2本を同時に塗布する過程を有する導電性ローラの製造方法である。
【0011】
<2>は、<1>において、前記導電性ローラ基体部を並べるに際し、同じサイズの導電性ローラ基体部を、それらの長さ方向中央位置を結んだ線がグラビアロールと平行となるように並べる導電性ローラの製造方法である。
【0012】
<3>は、<1>もしくは<2>において、グラビアロール周面と塗布前のそれぞれの導電性ローラ基体部周面との間に100μm未満の隙間を設けて、前記相対変位を行わせる導電性ローラの製造方法である。
【0013】
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、前記塗料として、25℃における粘度が200〜100000mPa・Sのものを用いる導電性ローラの製造方法である。
【0014】
<5>は、<1>〜<4>のいずれかにおいて、前記塗料として、電子線硬化型樹脂、もしくは、紫外線重合開始剤が含有された紫外線硬化型樹脂よりなるものを用いる導電性ローラの製造方法である。
【0015】
<6>は、<1>〜<5>のいずれかにおいて、平均粒径が1〜30μmの粒子を含有した塗料をグラビアロールの周面に供給する導電性ローラの製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
<1>の発明によれば、互いに平行に並べられた複数の導電性ローラ基体部に対して90度を含む所定角度で交差し、それらの導電性ローラ基体部と周面同士が接触もしくは近接する姿勢に保持されたグラビアロールの周面に塗料を供給しつつ、それらの導電性ローラ基体部、およびグラビアロールの全部を回転させながら、グラビアロールおよび導電性ローラ基体部の少なくとも一方を、他方に対して基体部の長さ方向に相対変位させ、それらの導電性ローラ基体部の周上に前記塗料を塗布して表面層を形成するので、離脱線のない表面層を形成することができ、しかも、アプリケーションロールとして、周面がグラビア版よりなるグラビアロールを用いるので、塗料の粘度等が多少変化しても周面に保持する塗料の量を一定にすることができ、その結果、表面層の膜厚を均一に形成することができる。
【0017】
さらに、この導電性ローラの製造方法は、平行に並べられた複数の導電性ローラのうち少なくとも2本を同時に塗布する過程を有するので、1本あたりのサイクルタイムを短縮することができる。
【0018】
<2>の発明によれば、前記導電性ローラ基体部を並べるに際し、同じサイズの導電性ローラ基体部を、それらの長さ方向中央位置を結んだ線がグラビアロールと平行となるように並べるので、並べられた導電性ローラ基体部のすべてに対して、同時に塗布を開始し、同時に塗布を終了することができ、前記導電性ローラ基体部の塗布を一層短縮化することができる。
【0019】
<3>の発明によれば、グラビアロール周面と塗布前の導電性ローラ基体部周面との間に隙間を設けたので、螺旋状に塗布したときに生じる螺旋の縁の段差を効果的に抑制することができ、かつ、この隙間を100μm未満としたので、グラビアロール周面上に不必要な膜厚の塗料を形成させることなく、塗料をグラビアロールから基体部に乗り移すことができ、その結果、膜厚の制御を高精度に行うことができる。
【0020】
<4>の発明によれば、塗料として、25℃における粘度が200〜100000mPa・Sのものを用いるので、高粘度で流動しにくい塗料の作用により、基体部が空隙セルを分散させた発泡体よりなるものである場合、基体部表面に露出した空隙セルを表面層で埋めることなく表面層を滑らかな形成することができ、一方、基体部が空隙セルのない非発泡体よりなるものである場合にも、塗料が重力により流動して塗膜厚さが変化するのを抑えることができる。
【0021】
<5>の発明によれば、電子線硬化型樹脂、もしくは、紫外線重合開始剤が含有された紫外線硬化型樹脂よりなるものを用いるので、基体部が空隙セルを分散させた発泡体よりなるものである場合、表面層を塗布した塗料を電子線硬化もしくは紫外線硬化により瞬時に硬化させて、基体部表面に露出した空隙セルを表面層で埋めることなく表面層を滑らかな形成することができ、一方、基体部が空隙セルのない非発泡体よりなるものである場合にも、塗料を瞬時に硬化させることにより、塗料が重力により流動して塗膜厚さが変化するのを防止することができる。
【0022】
<6>の発明によれば、平均粒径が1〜30μmの粒子を含有した塗料をグラビアロールの周面に供給するので、グラビアロールの周面に形成されたグラビア版の凹部によって輸送された塗料を、その粒径分布を変化させることなく、基体部の周上に、表面層として確実に塗布することができ、そして、塗料中の粒子の粒度分布を制御することにより、所望の表面粗度を導電性ローラに付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明に係る導電性ローラを示す断面図であり、図1(a)はその第一態様を示し、導電性ローラ1は、長さ方向両端で軸支される軸部2と、軸部2の周囲に配設された基体部3と、基体部3の周面を被覆する表面層4とからなり、軸部2は、鉄やステンレス等の金属、あるいは、プラスチックよりなり、基体部3から長さ方向外側に突出して設けられ、突出した部分が、画像形成装置のローラ軸支手段に軸支されるよう構成される。
【0024】
図1(b)は、導電性ローラの第二態様を示す断面図であり、導電性ローラ1Aは、軸部2A、基体部3、および表面層4よりなり、軸部2の代わりに軸部2Aを用いた点が第一態様と異なり、軸部2Aは、鉄やステンレス等の金属、あるいは、プラスチックよりなる中空のパイプで構成され、基体部3を同じ外径にしたままでその断面積の小さくする場合、このような中空の軸部2Aを好適に用いて、導電性ローラを軽量なものにすることができる。
【0025】
また、軸部2Aを基体部3の長さ方向外側に突出させて、軸部2と同様にその半径方向外側が支持されるよう構成することもできるが、図1(b)に示すように、パイプの半径方向内側の面が軸支されるようにしてもよく、この場合、軸部2Aを基体部3の長さ方向外側に突出させる必要はない。
【0026】
基体部3としては、エラストマー単体又はそれを発泡させた発泡体に導電剤を添加して導電性を付与したものが用いられる。ここで使用し得るエラストマーには、特に制限はなく、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム等が例示され、これらを単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。本発明においては、これらのうち、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好ましく用いられる。また、これらと他のゴム材料との混合物もまた好ましく用いられる。特に、本発明においては、ウレタン結合を有する樹脂が好ましく用いられる。
【0027】
また、これらエラストマーを、発泡剤を用いて化学的に発泡させ、あるいは、ポリウレタンフォームのように空気を機械的に巻き込んで発泡させた発泡体としたものも用いることができる。本発明では、軸部2と基体部3との一体化を行うための成形工程において、いわゆるRIM成形法を用いてもよい。即ち、基体部3の原料成分を構成する2種のモノマー成分を筒状型内に混合射出して、重合反応させて、軸部2と基体部3とを一体化する。この方法においては、原料の注入から脱型までの成形工程を所要時間60秒程度で行うことができ、生産コストを大幅に削減することができる。
【0028】
基体部3に添加される導電剤としては、種々のものを用いることができる。カーボン系導電剤は少量の添加で高い導電性を得ることができ、カーボン系導電剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックを用いるのが好ましいが、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボンブラック、酸化カーボンブラック等のインク用カーボンブラック,熱分解カーボンブラック、グラファイト等も用いることができる。
【0029】
イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などの有機イオン導電剤;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などの無機イオン導電剤を例示することができる。
【0030】
カーボン系以外の電子導電剤も用いることができ、このような電子導電剤としては、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物の微粒子;、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属の酸化物;導電性酸化チタンウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカーのような透明なウイスカー;などを例示することができる。
【0031】
導電剤として、2種類以上のものを混合して用いてもよく、この場合、印加される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現することができる。混合例としては、カーボン系導電剤に、カーボン系以外の電子導電剤やイオン導電剤を混合したものをあげることができる。
【0032】
また、表面層4は、例えば、導電性ローラ1を帯電ローラとするような場合には、ナイロン、ポリエステル、ウレタン変性アクリル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂等、目的に応じて適宜な樹脂で形成することができるが、特に帯電ローラの表面平滑性や感光体等との低密着性などの観点からフッ素樹脂が好ましく用いられる。
【0033】
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド系共重合体、クロロトリフルオロエチレン−ビニルエステル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド系共重合体等が挙げられ、特にこれらの微粒子を水中に分散させたディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂が好ましく用いられ、更に好ましくはポリテトラフルオロエチレンの微粒子を水中に分散させたディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂が用いられる。また、用いられるフッ素樹脂微粒子の粒径は、特に制限されるものではないが、5μm以下、特に、0.05〜1μmであることが好ましい。
【0034】
また、これらフッ素樹脂に、フッ素樹脂の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂を混合して表面層4を形成することもできる。この場合、フッ素樹脂と混合されるその他の樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニリデン系共重合体、アクリル−ウレタン共重合体などが挙げられ、これらの1種または2種以上を上記フッ素樹脂と混合して表面層4を形成することができる。これらの樹脂のうちでも、フッ素樹脂の塗膜化および抵抗均一性の観点からポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン系共重合体が好ましく、特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる。
【0035】
また、かかる表面層4において、その平滑性を確保したい場合には、水系樹脂が好ましく用いられる。水系樹脂としては、溶媒が水であれば、水溶性タイプ、エマルジョンタイプ、サスペンジョンタイプ等のいずれのタイプでもよいが、特にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の活性水素を持つアクリル系の温水可溶性樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、従来、帯電ローラ用樹脂として一般的に用いられてきたウレタンやナイロン等に比べてかなり誘電率が小さいために静電容量も小さくなり、交流電圧印加による帯電ローラ/被帯電体間の電気的引力・反発力が低減化され、帯電音を低減化することができることから、特に好ましく用いられる。
【0036】
更に、この表面層4には、必要に応じて増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の適宜な添加剤を必要に応じて適量添加することができ、この場合添加剤は無機系、有機系のいずれであってもよい。
【0037】
また、導電性ローラ1を現像ローラとするような場合には、表面層4を構成する樹脂として、架橋性樹脂が好適に用いられる。架橋性樹脂とは、熱,触媒,空気(酸素),湿気(水),電子線などにより自己架橋する樹脂あるいは架橋剤や他の架橋性樹脂との反応により架橋する樹脂をいう。このような架橋性樹脂の例としては、水酸基,カルボキシル基,酸無水物基,アミノ基,イミノ基,イソシアネート基,メチロール基,アルコキシメチル基,アルデヒド基,メルカプト基,エポキシ基,不飽和基等の反応基を持つフッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリビニルアセタール樹脂,エポキシ樹脂,ポリエーテル樹脂,アミノ樹脂,アクリル樹脂,尿素樹脂等及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの中で、フッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリビニルアセタール樹脂,エポキシ樹脂,及びそれらの混合物が好ましく、特にアルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂及びそれらの混合物が、現像剤の帯電能、現像剤に対する非汚染性、他の部材との摩擦力低減、画像形成体に対する非汚染性などの点から好適である。
【0038】
上記架橋性樹脂には、必要に応じて触媒、架橋剤が用いられるが、触媒としては、例えば過酸化物やアゾ化合物などのラジカル触媒,酸触媒,塩基性触媒などが挙げられる。また、架橋剤は水酸基,カルボキシル基,酸無水物基,アミノ基,イミノ基,イソシアネート基,メチロール基,アルコキシメチル基,アルデヒド基,メルカプト基,エポキシ基,不飽和基等の反応基を1分子中に2個以上もつ化合物、例えば、ポリオール化合物,ポリイソシアナート化合物,ポリアルデヒド化合物,ポリアミン化合物,ポリエポキシ化合物等が挙げられる。この架橋性樹脂には、さらなる現像剤への帯電能の向上、他の部材との摩擦力低減、導電性付与などの目的で、所望により、荷電制御剤,滑剤,導電剤,その他の樹脂など、種々の添加剤を含有させることができる。本発明において樹脂被覆層は、架橋性樹脂,架橋剤及び各種添加剤を溶解又は分散させてなる塗工液をディップ塗装法によりローラに塗布した後、常温あるいは50〜170℃程度の温度で乾燥し、架橋硬化させて形成する。
【0039】
上述の樹脂のうち、表面層4を塗布したあと乾燥工程が要らないという点において、電子線硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂を含有するものが好ましく、これらの樹脂は、電子線を照射し、もしくは、紫外線重合開始剤の存在下で紫外線を照射することにより硬化させることができる。
【0040】
電子線硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
さらに、これらの樹脂に特定の官能基を導入した変性樹脂を用いることもできる。また、樹脂層4の力学的強度、耐環境特性を改善するため、架橋構造を有するものを導入することが好ましい。
【0042】
上記の電子線硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂のうち、特に、(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂より形成された組成物が好適である。
【0043】
このような(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー等、また、フッ素系、シリコーン系の(メタ)アクリルオリゴマーなどを挙げることができる。
【0044】
上記(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールとε−カプロラクトンの付加物等の化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により、あるいはポリイソシアネート化合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物をウレタン化することにより合成することができる。
【0045】
ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオール、イソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とをウレタン化することによって得ることができる。
【0046】
エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーの例としては、グリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物であればいずれでもよいが、中でもベンゼン環、ナフタレン環、スピロ環、ジシクロペンタジエン、トリシクロデカン等の環状構造を有し、かつグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物が好ましい。
【0047】
更に、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマーは、各々に対するポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール)と(メタ)アクリル酸との反応によって得ることができる。
【0048】
電子線硬化型もしくは紫外線硬化型の樹脂組成物には、必要に応じて粘度調整のために重合性二重結合を有する反応性希釈剤を配合する。このような反応性希釈剤としては、アミノ酸や水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化反応及びアミド化反応で結合した構造の、例えば、単官能、2官能または多官能の重合性化合物等を使用することができる。これらの希釈剤は、(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり、通常10〜200重量部用いることが好ましい。
【0049】
表面層4を構成する樹脂には、その導電性を制御する目的で導電剤が配合され、この導電材としては、先に述べたような、基材部3に含有させる導電剤と同じものを用いることができる。
【0050】
次に、基体部3の外側に、塗料を塗布して、上述のような表面層4を形成する方法について、図2および図3を参照して説明する。図2は、塗料を塗布する装置を示す平面図、図3は、図2のA−A矢視に対応する断面を示す断面図であり、塗布装置20は、導電性ローラ1の基体部3を回転させながら走行するローラ移動台車21と、基体部3の周面を塗布するコータ10とで構成され、ローラ移動台車21は、複数(図示の場合は3本)の基体部3をその長さ方向両端部で軸支するそれぞれの支持部材23、基体部3を、それぞれに対応して設けられた減速器28を介して、所定の回転数で回転させるモータ24、および、これらの支持部材23とモータ24とを搭載する走行ベース25よりなり、走行ベース25は、図示しない手段により、基体部3の長さ方向Mと平行に往復駆動される。
【0051】
なお、図1に示した装置1においては、ローラ移動台車21を往復変位させる構成になっているが、この代わりに、コータ10を導電性ローラ1の長さ方向に往復変位させてもよく、あるいは両方を相互に離隔接近させてもよい。
【0052】
コータ10は、塗料を収容するタンク12と、この塗料を、タンク12から周面11aに載せて汲み上げ導電性ローラ1の基体部3の周面に塗布するグラビアロール11、グラビアロール11を軸支する支持部材13、グラビアロール11を回転駆動するモータ14、および、グラビアロール11の周面11a上の余分な塗料を掻き落とすドクターブレード16とを備えて構成される。
【0053】
グラビアロール11の周面は、互いに平行に並べられた複数の基体部3に同時に接触もしくは近接できるのに十分な長さを有し、このことにより、このグラビアロール11は最大3本の基体部3を同時に塗布することができ、その結果、一本あたりの、表面層4の形成に係るサイクルタイムを短縮することができる。図2に示したものは、同時に塗装する導電性ロール1を同じサイズのものとし、それぞれの基体部3の長さ方向中央位置を結んだ線を、グラビアロール11に対して(90°−θ)だけ傾斜するよう、それぞれの基体部3の長さ方向位置を設定したが、この代わりに、図8に示すように、それぞれの基体部3の長さ方向中央位置M1、M2、M3を結んだ線を、グラビアロール11と同じ方向に揃えることもでき、この場合、平行に並べられたすべての導電性ローラに対して、塗装の開始から完了までを同時に進行させることができ、サイクルタイムをより一層短縮することができる。
【0054】
なお、図8において、20Aは、塗布装置を、21Aは、ローラ移動台車を、23Aは、複数の基体部3を軸支する支持部材を、また、25Aは、支持部材23Aを搭載して走行する走行ベースを示し、その他の符号は、図2に示すところと同じものを用いた。
【0055】
図4は、グラビアロール11を示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は、図4(a)のB−B矢視に対応する断面図である。グラビアロール11は、鉄等の金属よりなるロールで、長さ方向両端部11bで軸支されて回転する。塗料をタンク12から汲み上げこれを輸送する周面11aには、グラビア版となる凹部11cが形成されていて、周面11aによって汲み上げられた塗料は、ドクターブレード16により掻き落とされる。このように、グラビアロール11の塗料の輸送量を決定する支配的な因子は、その回転数と凹部11cの総容積とであり、凹部11cのない平坦なロールで塗布する場合に対比して、精度の高いものとすることができる。
【0056】
また、凹部11cに保有した塗料を基体部3の周面に転写する際の転写量は、塗料の粘度にも影響されるものの、凹部11cの形状によって支配的に決定されるため、この点においても、平坦なロールに対比してより高精度な膜厚の表面層4を基体部3上に形成することができる。
【0057】
図5に、グラビア版のパターンの例を模式図で示す。図5(a)〜(e)にこの順に示した格子型、ピラミッド型、斜線型、亀甲型、TF型の他、丸形メッシュ型のパターンを例として挙げることができ、なかでも、格子型、ピラミッド型、斜線型は好適に用いられ、例えば、格子型のグラビア版を用いた場合、格子の密度を10〜300本/インチ、深度を20〜650μm、凹部の容積を5〜400Cm3/m3とするのが、高精度な膜厚を確保するためには好ましい。
【0058】
図6は、基体部3に塗料を塗布する途中の状態を示す、導電性ローラの外形図であり、上記のように構成された塗布装置20を作動させると、塗料が塗布され、基体部3の周面に螺旋状の塗膜31を形成してゆくが、螺旋のピッチP(m)は、導電性ローラ基体部3のローラ長さ方向の送り速度v(m/s)をその軸心周りの回転速度ω(s-1)で除したもので表すことができ、螺旋塗膜31の幅Wは、導電性ローラ1の基体部3とグラビアロール11との交差角度θを変えて変化させることができ、交差角度θを小さくすることにより螺旋塗膜31の幅Wを大きくすることができる。そして、回転速度ωを大きくしもしくは送り速度vを小さくして螺旋塗膜31のピッチPを小さくし、かつ、最後の出来上がり膜厚に対する、1周分の膜厚を薄くし、その分、螺旋塗膜31のピッチPに対する螺旋塗膜31の幅Wを大きくすることによって、螺旋塗膜31の縁32における段差量を小さくすることができ、滑らかで均一な厚さの表面層4を形成することができる。
【0059】
螺旋の縁32における段差量を小さくするには、上記のほかに、グラビアロール11の周面と導電性ローラ基体部3の周面の間に隙間を設け、塗料が自然に流動できるようにすることも効果があり、この場合、グラビアロール周面11a上の塗料をドクダブレード16で掻き落とす際、隙間があっても導電性ローラに乗り移せるに足る最小限の膜厚の塗料を残すようドクダブレード16を設定するのが好ましい。ただし、隙間が100μm以上になると、ドクターブレード16で掻き落としたあとのグラビアロール11周面上の塗料膜厚を厚くしないと、塗料をグラビアロール周面11aから基体部3の周面に乗り移すことが難しくなり、グラビアロール11周面上の塗料膜厚を厚くなると、塗膜の厚さがばらつきやすくなる。
【0060】
また、導電性ローラ1の基体部3と、グラビアロール11との相対回転方向は、塗料に剪断力が加わる方向とするのが、塗装表面の平滑性を高めることができる点において好ましく、図2に例示したように、基体部3とグラビアロール11との、それらが接しもしくは近接する部分における周面速度の導電性ローラ接線方向成分が互いに反対向きになるよう設定するのが好ましい。
【0061】
塗布装置1を用いて、基体部3上に塗布される塗料としては、先に、表面層4を構成する樹脂として例示した樹脂を溶媒に溶かしこみ、もしくは無溶剤で調合したものを用いることができる。
【0062】
溶媒を用いる場合に、塗工液の調製に用いられる溶媒としては、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム,シクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アクリル塗料等の水系塗料及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0063】
ロールコータ式の塗布装置1を用いて、導電性ローラ1の表面層を形成する本発明の方法は、25℃における粘度が200〜100000mPa・Sの塗料を用いる場合に、特に有効な方法であり、例えば、スプレーにより表面層4を形成する方法は、このような高粘度の塗料を霧化することが難しく、一方、ディップ槽に収容した塗料を浸漬させて形成した場合に、粘度が高すぎて膜厚が極めて厚くなってしまい、実現がむつかしいからである。
【0064】
そして、このような高粘度の塗料を用いる利点は、塗料が流動しにくいため、図7(a)に基体部表面近傍を断面図で示すように、基体部33が空隙セル34を分散させた発泡体よりなるものである場合、基体部33の表面に露出した空隙セル34sを表面層37で埋めることなく均一な厚さの表面層36Aを形成して滑らかに基体部33を被覆することができ、もし、塗料の粘度が低い場合には、図7(a)に対応させた図7(b)に示すように、塗料は、表面に露出した空隙セル34sの中まで流動してこのセル34sを埋めてしまい、基体部33が具備すべき弾性特性や、表面層36が付与すべき導電特性を所望のものとすることができず、しかも、これらの特性が不均一になってしまう。
【0065】
また、基体部3が非発泡体よりなるものであった場合にも、粘度が高いことにより重力による流動を抑えて硬化までの寸法変化を抑えることができ、均一で高精度の表面層4を形成するのに寄与させることができる。
【0066】
同様に、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を含有した塗料を用いて、表面層4を形成した場合、塗装直後にこれを瞬時に硬化させることにより、その流動を抑え、高粘度にしたことと同様の効果をもたらすことができる。そして、そもそも、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を含有した塗料を用いるのは、もしこれが熱硬化型の樹脂であった場合には必要となる大掛かりな乾燥設備を不要にするためであり、そのため、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を含有した塗料を用いる場合は、溶剤の量を極めて低く抑えたものが用いられ、このような場合には、同様な理由により、ロールコータ式の塗布方法を好適に用いることができる。
【0067】
また、グラビアロール11を使って表面層4を形成する方法は、表面層4が、粒子を分散してなる層である場合には、特に、有利に用いることができ、例えば、グラビアロール11の代わりに表面平坦なロールを用いて塗液をタンクから汲み上げて塗布した場合に、粒子の均等な分布を維持したまま基体部3にまで輸送することがむつかしく、この点におてい凹部11cに粒子を保持して輸送できるグラビアロールを用いることにより、均一な表面粗度を有する表面層4を形成することができる。
【0068】
そして、この粒子は、例えば、導電性ローラが現像ローラの場合には、トナーを帯電させる性能を高めるのに寄与するものであり、好ましい表面粗度Raとして、0.5〜1.5μmのものが挙げられ、この場合、この表面粗度を担持させるための粒子としては、ゴム又は合成樹脂製の微粒子やカーボン製の微粒子およびシリカ系微粒子等の無機微粒子が好ましく、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタンアクリレート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ガラス状カーボン製の微粒子およびシリカ微粒子が特に好ましい。これら微粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る現像ローラは、普通紙複写機、普通紙ファクシミリ機、レーザビームプリンタ、カラーレーザビームプリンタ、トナージェットプリンタなどの画像形成装置に帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,給紙ローラ、トナー供給ローラ等として装着して好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る導電性ローラを示す断面図である。
【図2】導電性ローラの表面層を形成する塗装装置を示す平面図である。
【図3】図3のA−A矢視に対応する断面を示す断面図である。
【図4】グラビアロールを示す平面図および断面図である。
【図5】グラビアロールのグラビア版のパターン例を模式図である。
【図6】基体部に塗料を塗布する途中の状態を示す導電性ローラの外形図である。
【図7】発泡体よりなる基体部の表面近傍を示す断面図ある。
【図8】導電性ローラの表面層を形成する他の態様の塗装装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0071】
1、1A 導電性ローラ
2、2A 軸部
3、3A 基体部
4、4A 表面層
10 コータ
11 グラビアロール
11a グラビアロールの周面
11b グラビアロールの両端部
11c グラビアロールの凹部
12 タンク
13 支持部材
14 モータ
16 ドクターブレード
20、20A 塗布装置
21、21A ローラ移動台車
23、23A 支持部材
24 モータ
25、25A 走行ベース
28 減速器
31 螺旋塗膜
32 螺旋塗膜の縁
33 基体部
34 空隙セル
34s 表面に露出した空隙セル
36、36A 表面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向両端部で軸支され、円柱状の基体部の外側に表面層を有する導電性ローラを製造する方法において、
互いに平行に並べられた複数の導電性ローラ基体部に対して90度を含む所定角度で交差し、それらの導電性ローラ基体部と周面同士が接触もしくは近接する姿勢に保持されたグラビアロールの周面に塗料を供給しつつ、それらの導電性ローラ基体部、およびグラビアロールの全部を回転させながら、グラビアロールおよび導電性ローラ基体部の少なくとも一方を、他方に対して基体部の長さ方向に相対変位させ、それらの導電性ローラ基体部の周上に前記塗料を塗布して表面層を形成し、
前記塗料の塗布に際し、前記導電性ローラ基体部の少なくとも2本を同時に塗布する過程を有する導電性ローラの製造方法。
【請求項2】
前記導電性ローラ基体部を並べるに際し、同じサイズの導電性ローラ基体部を、それらの長さ方向中央位置を結んだ線がグラビアロールと平行となるように並べる請求項1に記載の導電性ローラの製造方法。
【請求項3】
グラビアロール周面と塗布前のそれぞれの導電性ローラ基体部周面との間に100μm未満の隙間を設けて、前記相対変位を行わせる請求項1もしくは2に記載の導電性ローラの製造方法。
【請求項4】
前記塗料として、25℃における粘度が200〜100000mPa・Sのものを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラの製造方法。
【請求項5】
前記塗料として、電子線硬化型樹脂、もしくは、紫外線重合開始剤が含有された紫外線硬化型樹脂よりなるものを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ローラの製造方法。
【請求項6】
平均粒径が1〜30μmの粒子を含有した塗料をグラビアロールの周面に供給する請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−289210(P2006−289210A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110925(P2005−110925)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】