説明

局所用フォーム組成物

本発明は、様々な慢性および急性の皮膚状態、特に座瘡および乾癬を治療するための活性剤を含む新規な水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物と;前記エマルジョンエアゾールフォーム組成物を調製する方法とに関する。詳しくは、本発明は、油相中にレチノイドを含む水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚病を治療するための薬学的に活性な薬剤を含む新規なエアゾールフォーム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
局所薬物送達においては多くの試みがなされている。局所用組成物は、活性薬剤を治療部位に送達し、望ましい感覚的性質を有するべきであり、皮膚の表面上に不快な残留物を残さず、また、刺激または不快感を引き起こすべきではない。エアゾールフォームが、この目的に適することは公知である。
【0003】
Callaghanらに与えられた米国特許第7,387,807号では、ナツシロギクの抽出物、医薬賦形剤、化粧用薬剤、および他の生理活性物質、例えばレチノイドを含む局所用組成物が開示されている。前記組成物は、クリームまたはローションのようなエマルジョンの形態であり得る。
【0004】
Angelらに与えられた米国特許第7,326,408号では、1種もしくは複数種の日焼け止め剤および抗菌薬剤を含む、座瘡の局所治療のための組成物が開示されていて、前記組成物は、ゲル、スプレー、フォーム、ローションまたは皮膚に適用するのに適する他の形態であり得る。前記組成物は、更に、追加の抗座瘡薬剤、例えばレチノイド(例えばトレチノイン、アダプレネまたはタザロテン)を含み得る。
【0005】
Abramに与えられた米国特許第6,730,288号では、医薬活性成分、閉塞剤、水性溶媒、有機共溶媒の有効量を含むエアゾールフォーム組成物が記載されており、前記医薬活性成分は水および閉塞剤の両方において不溶性であり、また、前記閉塞剤は、使用時に、皮膚上に閉塞層を形成させる充分な量で存在する。
【0006】
Abramによる米国公開特許公報第2006/0292080号では:水相に可溶化されたビタミンまたはその類似体、油相に可溶化された安定剤、乳化剤、閉塞剤、および有機共溶媒を含む水中油型エマルジョンフォームが記載されているが、油相の粒径に関する記載はない。
【0007】
Larmらによる米国公開特許公報第2006/0057168号では、水中油型マイクロエマルジョン組成物または水中油型サブミクロンエマルジョン組成物、特に水中油型マイクロエマルジョンフォーム組成物または水中油型サブミクロンエマルジョンフォーム組成物を調製する方法が記載されている。これらのサブミクロンエマルジョンフォームまたはマイクロエマルジョンフォームは、比較的油分が高いので、親水性および疎水性界面活性剤を必要とする。
【0008】
本発明は、美容的にエレガントであり、化学的および物理的に安定であり、良好な忍容性を示し、処方し易く、そして顔に適用するのに適する、薬学的に活性な薬剤を含む低油分および低界面活性剤含量のサブミクロンエマルジョンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、薬学的に活性な薬剤、水、油、油混和性有機溶媒、界面活性剤および噴射剤を含み、油相および水相を有する水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物に関する。本発明は、水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物において低油分と低界面活性剤含量を提供する。
【0010】
一つの実施態様では、本発明は、油相および水相を含む水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物を提供する。前記組成物は:
薬学的に活性な薬剤、
水、
約10重量%未満の量で存在する油、
油混和性有機溶媒、
約0.1重量%〜約10重量%の量で、親水性界面活性剤を含む界面活性剤成分、および
噴射剤を含み;そして、その場合、前記薬学的に活性な薬剤は前記組成物の油相において可溶化され、そしてその油相の粒径は約1000nm未満である。
【0011】
別の実施態様によれば、本発明は、薬学的に活性な薬剤、水、約10重量%未満の量で存在する油、油混和性有機溶媒、約0.1重量%〜約10重量%の量で親水性界面活性剤を含む界面活性剤成分、および噴射剤を含む水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォーム組成物を調製する方法を提供し、前記方法は:
a)薬学的に活性な薬剤、水の第一アリコート、油、油混和性有機溶媒および界面活性剤成分を混合して、水中油型エマルジョンを形成させること、
b)工程(a)から得られた水中油型エマルジョンを、前記水中油型エマルジョンが油中水型エマルジョンを形成させる転相温度まで加熱すること、
c)前記油中水型エマルジョンを、前記転相温度未満まで冷却して、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを形成させること、
d)水の第二アリコートを加えて、前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを冷却すること、
e)噴射剤によって前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンのサンプルを作動させて、水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームを形成させることを含む。一実施態様によれば、本発明は、この方法によって製造される製品を提供する。
【0012】
更なる実施態様によれば、本発明は、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療する方法を提供する。前記方法は、前記治療を必要とする患者の皮膚に、本発明組成物の有効量を投与することを含む。
【0013】
更にもう一つの実施態様によれば、本発明は、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療するための薬剤の調製のために本明細書に記載される組成物を使用することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、油相および水相を有する水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物を目的とする。前記組成物は、薬学的に活性な薬剤、水、油、油混和性有機溶媒、界面活性剤および噴射剤を含む。一実施態様では、本発明は、低油分および低界面活性剤含量の水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物を提供する。更なる実施態様によれば、前記組成物は、サブミクロンエマルジョンまたはマイクロエマルジョンとして処方される。
【0015】
従って、一実施態様によれば、本発明は、油相および水相を含む水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物を提供し、前記組成物は:
薬学的に活性な薬剤、
水、
約10重量%未満の量で存在する油、
油混和性有機溶媒、
約0.1重量%〜約10重量%の量で、親水性界面活性剤を含む界面活性剤成分、および
噴射剤を含み;そして、その場合、前記薬学的に活性な薬剤は前記組成物の油相において可溶化され、そしてその油相の粒径は約1000nm未満である。
【0016】
同時に、油および油混和性有機溶媒は、任意の油混和性賦形剤と一緒に、前記組成物の油相を含む。
【0017】
一実施態様によれば、前記油相の平均粒径は、約100nmである。
【0018】
一つの実施態様では、本発明の組成物は、プロピレングリコールのような水混和性の有機溶媒を実質的に含んでいないか、または含んでいない。
【0019】
一つの代替実施態様では、前記薬学的に活性な薬剤は、本発明組成物の水相において可溶化される。
【0020】
皮膚バリアを横断する薬学的に活性な薬剤の送達における油粒子の特性は、以下の表1に要約してある:
【表1】

【0021】
油成分
好適には、油は、約1重量%〜約9重量%の量で組成物中に存在する。もう一つ別の実施態様では、油は、約3重量%〜約8重量、例えば約3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%または8重量%の量で存在する。
【0022】
油は、水中油型エマルジョン系の分散相中に存在する。一実施態様では、油は炭化水素である。好適には、炭化水素は、芳香族化合物、または直鎖状、分岐鎖状もしくは環状アルカンまたはアルケン、またはそれらの混合物から選択される。
【0023】
一実施態様によれば、芳香族化合物は、アズレン、カマズレンおよびシクロヘキシリデン−ジフェニルメタン、およびそれらの混合物から成る群より選択される。
【0024】
更なる実施態様によれば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状アルカンまたはアルケンは、イソパラフィン、ジデセン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、エイコサン、イソドデカン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、ロンギホレン、鉱油、パラフィン、ペンタヒドロスクアレン、ペトロラタム、スクアラン、スクアレン、テトラデセン、それらの誘導体、およびそれらの混合物から成る群より選択される。
【0025】
一実施態様によれば、油は鉱油である。一つの実施態様では、鉱油は、約1重量%〜約9重量%の量で存在する。
【0026】
別の実施態様では、鉱油は、約3重量%〜約8重量、例えば約3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%または8重量%の量で存在する。もう一つ別の実施態様では、油は植物油である。好適には、植物油は、パーム油、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、落花生油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヤシ油、綿実油、亜麻仁油、ブドウ種子油、ヘイゼルナッツ油またはゴマ油、およびそれらの混合物から選択される。
【0027】
界面活性剤成分
本発明の局所用フォーム組成物は、界面活性剤成分を含む。好適には、界面活性剤は、約1重量%〜約8重量%の量で前記組成物中に存在する。別の実施態様では、界面活性剤は、約2重量%〜約6重量、例えば約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%または6重量%の量で存在する。
【0028】
界面活性剤の親水/親油バランス(HLB)は、水または油に対する界面活性剤の親和性を記述している。HLBスケールは、1(完全に親油性)〜20(完全に親水性)であり、10は両方の特性が等しくバランスしていることを表している。親油性界面活性剤は油中水型(w/o)エマルジョンを形成させる傾向があり、親水性界面活性剤は水中油型(o/w)エマルジョンを形成させる傾向がある。2つの界面活性剤のブレンドのHLBは、界面活性剤AのHLB値に界面活性剤Aの重量分率を掛けたものと、界面活性剤BのHLB値に界面活性剤Bの重量分率を掛けたものとを足したものに等しい(重み付き平均)。
【0029】
一つの実施態様では、界面活性剤成分は、親水性界面活性剤を含む。別の実施態様では、界面活性剤成分は1種類の親水性界面活性剤から成り、もう一つ別の実施態様では、界面活性剤成分は、複数の界面活性剤を含み、そしてそれらのHLB値の重み付き平均は約10〜約20である。別の実施態様では、界面活性剤成分は、非イオン性界面活性剤から成る。
【0030】
適当な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪アルコールエーテル、PEG誘導体、エトキシル化脂肪酸、プロピレングリコールエステル、脂肪アルコール、グリセロールエステルおよび誘導体、ポリマーエーテルおよびソルビタンエステル、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】
例示的なエトキシル化脂肪アルコールエーテルとしては、ステアレス(steareth)−2、ステアレス−10、ステアレス−20、セテアレス(ceteareth)−2、セテアレス−3、セテアレス−5、セテアレス−6、セテアレス−10、セテアレス−12、セテアレス−15、セテアレス−20、セテアレス−21、セテアレス−22、セテアレス−25、セテアレス−30、セテアレス−31、セテアレス−32、セテアレス−33、ラウレス(laureth)−3、ラウレス−4、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−21、ラウレス−22、ラウレス−23、ノノキシノール−9、オレス(oleth)−2、オレス−5、オレス−10およびオレス−20が挙げられる。
【0032】
一つの実施態様では、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルは、ステアレス−10、ステアレス−20、セテアレス−10、セテアレス−12、セテアレス−15、セテアレス−20、セテアレス−21、セテアレス−22、セテアレス−25、セテアレス−30、セテアレス−31、セテアレス−32、セテアレス−33、セテアレス−6、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−21、ラウレス−22、ラウレス−23、ノノキシノール−9、オレス−10およびオレス−20から成る群より選択される。
【0033】
別の実施態様では、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルは、マクロゴールセトステアリルエーテル(Macrogol Cetostearyl Ether)12(セテアレス−12)である。一つの実施態様では、マクロゴールセトステアリルエーテル12は、約1重量%〜約8重量%の量で組成物中に存在する。別の実施態様では、マクロゴールセトステアリルエーテル12は、約2重量%〜約6重量%、例えば約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%または6重量%の量で存在する。
【0034】
例示的なPEG誘導体としては、PEG−7硬化ヒマシ油、PEG−25硬化ヒマシ油、PEG−30ヒマシ油、PEG−31ヒマシ油、PEG−32ヒマシ油、PEG−33ヒマシ油、PEG−34ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−50ヒマシ油およびPEG−60硬化ヒマシ油が挙げられる。
【0035】
例示的なエトキシル化脂肪酸としては、PEG−5オレエート、PEG−6オレエート、PEG−10オレエート、PEG−6ステアレート、PEG−8ステアレートおよびPEG−9ステアレート、PEG−20ステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−41ステアレート、PEG−42ステアレート、PEG−43ステアレート、PEG−44ステアレート、PEG−45ステアレート、PEG−46ステアレート、PEG−47ステアレート、PEG−48ステアレート、PEG−49ステアレート、PEG−50ステアレートおよびPEG−100ステアレートが挙げられる。
【0036】
例示的なプロピレングリコールエステルとしては、プロピレングリコールパルミテートおよびプロピレングリコールステアレートが挙げられる。
【0037】
例示的な脂肪アルコールとしては、セチルアルコールおよびステアリルアルコールが挙げられる。
【0038】
例示的なグリセリルエステルおよび誘導体としては、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、PEG−23ヤシ脂肪酸グリセリル、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、PEG−7ヤシ脂肪酸グリセリル、ポリグリセリル−10ジイソステアレート、ポリグリセリル−2ジイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレートおよびポリグリセリル−6ジイソステアレートが挙げられる。
【0039】
例示的なポリマーエーテルとしては、ポロキサマー124、ポロキサマー182、ポロキサマー184、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407が挙げられる。
【0040】
例示的なソルビタン誘導体としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ラウリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンおよびトリオレイン酸ソルビタンが挙げられる。
【0041】
一つの実施態様では、界面活性剤成分は、1種もしくは複数種の親水性非イオン性界面活性剤を含み、そして親油性界面活性剤を実質的に含んでいないかまたは含んでいない。一実施態様によれば、界面活性剤成分は、脂肪アルコールを実質的に含んでいないかまたは含んでいない。
【0042】
一つの実施態様では、界面活性剤成分は、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルを含む。別の実施態様では、界面活性剤成分は、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルを含んでいて、そして親油性界面活性剤を実質的に含んでいないかまたは含んでいない。
【0043】
薬学的に活性な薬剤
好適には、本発明の組成物で使用される薬学的に許容可能な活性剤は、レチノイド、レチノイン酸代謝遮断剤(RAMBAs)、免疫応答調節剤化合物、ビタミンD類似体、コルチコステロイド、抗ヒスタミン剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、細胞毒性剤、ソラレン、抗脱毛剤、抗アンドロゲン剤、止痒剤、角質溶解剤、タール、ジトラノール、防腐剤、日焼け止め剤、麻酔剤、鎮痛剤、スキンコンディショニング剤および栄養剤、それらの塩、それらの誘導体およびそれらの混合物から選択される。一つの実施態様では、組成物は、複数種の薬学的に活性な薬剤、その塩またはその誘導体を含み得る。薬学的に活性な薬剤のための適当な濃度範囲は、約0.001重量%〜約30重量%であり、活性剤の性質または活性剤の組合せによって決まる。
【0044】
一つの実施態様では、薬学的に活性な薬剤はレチノイドである。適当なレチノイドの例としては、タザロテン、トレチノイン、イソトレチノイン、アシトレチン、エトレチナート、アダパレン、ベクサロテン、アリトレチノイン、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、エチル5−(2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)エチニル)チオフェン−2−カルボキシレート、6−(2−4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)−エチニル)−3−ピリジルメタノールおよび6−(2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)−エチニル)ピリジン−3−カルバルデヒド、それらの塩、それらの誘導体およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。一つの実施態様では、レチノイドはタザロテンである。代替実施態様では、レチノイドはトレチノインである。別の実施態様では、組成物は、第二の薬学的に活性な薬剤と組み合わせたレチノイドを含む。一つの実施態様では、組み合わせは、タザロテンと第二の薬学的に活性な薬剤である。別の実施態様では、組み合わせは、トレチノインと第二の薬学的に活性な薬剤である。
【0045】
好適には、レチノイドの1つの組み合わせは、コルチコステロイド、例えばプロピオン酸クロベタゾールとの組み合わせであり;またはビタミンD類似体、例えばカルシポトリエンとの組み合わせであり;または抗菌剤、例えばクリンダマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩(例えば、リン酸クリンダマイシン)との組み合わせである。または、一実施態様では、本発明の組成物は、抗菌剤、例えばクリンダマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩(例えば、リン酸クリンダマイシン)と組み合わせたトレチノインを含む。
【0046】
組成物におけるレチノイドに関する適当な濃度範囲は、例えば約0.001重量%〜約5重量%を含む。一つの実施態様では、レチノイドは、約0.01重量%〜約1重量%の量で存在する。別の実施態様では、レチノイドは、約0.025重量%〜約0.5重量%の量で存在する。一つの実施態様では、レチノイドがタザロテンであるとき、約0.05重量%または0.1重量%の量で存在する。別の実施態様では、レチノイドがトレチノインであるとき、約0.025重量%、0.05重量%または0.1重量%の量で存在する。
【0047】
薬学的に許容可能な活性剤として本発明で使用するのに適するレチノイン酸代謝遮断剤(RAMBAs)は、ランバゾールである。
【0048】
本発明で使用するための適当な免疫応答調節剤化合物、免疫抑制剤、免疫調節剤および免疫修飾物質は、(抗体形成の刺激または白血球活動の抑制によって)免疫応答または免疫系の機能を修飾する化学的または生物学的に誘導された薬剤を含む。例示的な薬剤または化合物としては、環状ペプチド(例えばシクロスポリン)、タクロリムス、トレスペリムス、ピメクロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、ベロリムス、ラフルニムス、ラキニモド、ミコフェノール酸、およびイミダゾキノリンアミン、例えばイミキモド、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
適当なビタミンD類似体としては、カルシジオール、カルシトリオール、カルシポトリエン、パリカルシトール、22−オキサコルシトリオール(22−oxacolcitriol)、ジヒドロタキステロール、カルシフェロール、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0050】
適当なコルチコステロイドとしては、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、酢酸コルチゾン、デソニド、デソキシメタゾン、酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルクロロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、フルランドレノリド、フルランドレノロン、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、塩酸プラモキシン、酢酸プレドニゾン、吉草酸プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、プレドニカルベート、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
適当な抗ヒスタミン剤としては、セチリジン、バピタジン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、ピリラミン、クロルサイクリジン、プロメタジン、カルビノキサミン、トリペレナミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、テルフェナジン、クロルフェニラミン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
適当な抗菌剤としては、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、セフポドキシムプロキセチル、クリンダマイシン、リンコマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン、グラミシジン、バンコマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ホスホマイシン、フシジン酸、ムピロシン、スルファセタミド、メトロニダゾールおよびダプソン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
適当な抗真菌剤としては、エキノカンジン、例えばアニデュラファンギン(anidulafunin)、カスポファンギンおよびミカファンギン;ポリエン、例えばアンフォテリシンB、カンジシジン、フィリピン、フンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペチロシン、ペリマイシン;アリルアミン、例えばブテナフィン、ナフチフィンおよびテルビナフィン;イミダゾール、例えばビフォナゾール、ブトコナゾール、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾールおよびチオコナゾール;チオカルバメート、例えばリラナフタート、トルシクラート、トリンダート(tolindate)およびトルナフェート(tolnafate);トリアゾール、例えばアルバコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、パソコナゾール、ラブコナゾール、サペルコナゾール、テルコナゾールおよびボリコナゾール;そして、他の抗真菌剤、例えばアクリゾルシン、アモロルフィン、ビフェナミン、ブロモサリシルクロラニリド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロックス、クロキシキン、コパラフィネート、エキサラミド、フルシトシン、ハロプロジン、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、プロピオン酸ナトリウム、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウンデシレン酸、プロピオン酸亜鉛、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ピロールニトリン、シッカニン、ビリジアン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物から成る群より選択されるものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0054】
適当な抗ウイルス剤としては、アシクロビル、デシクロビル、ファムシクロビル、フォスカーネットナトリウム、ガンシクロビル、インターフェロン、ペンシクロビル、バラシクロビル、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0055】
適当な細胞毒性剤としては、アザチオプリン、シクロホスファミド、サイクロスポリン、メトトレキサート、ヒドロキシ尿素、サリドマイド、ブレオマイシン、フルオロウラシル、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0056】
例示的なソラレンは、メトキサレンである。
【0057】
適当な抗アンドロゲン剤としては、スピロノラクトン、シプロテロン、フルタミド、フィナステリド、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0058】
例示的な抗脱毛剤は、ミノキシジルである。
【0059】
適当な止痒剤としては、カラミン、樟脳およびメントール、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0060】
適当な角質溶解剤としては、ベンゾイルペルオキシド、サリチル酸、尿素、レソルシノール、硫黄、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】
適当なタールとしては、コールタール、パインタール、木タール、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0062】
適当な防腐剤としては、過酸化水素、クロルヘキシジン、セトリミド、ポビドンヨード、トリクロサン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0063】
適当な日焼け止め剤としては、アミノ安息香酸、アボベンゾン、ベモトリジノール、ビソクトリゾール、β−カロテン、シノキセート、4−(ジメチルアミノ)安息香酸、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾール、エカムシュール、エンスリゾール、エチルヘキシルトリアゾン、ホモサレート、ローソン、アントラニル酸メンチル、4−メチルベンジリデンカンフル、メキセノン、オクタベンゾン、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、スルイソベンゾン、亜鉛華、二酸化チタン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0064】
適当な麻酔剤および鎮痛剤は、ベンゾカイン、リドカイン、プリロカインおよびサリチル酸コリン、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0065】
適当なスキンコンディショニング剤としては、炭化水素油およびワックス、シリコーン、脂肪酸誘導体、コレステロール、ジグリセリドおよびトリグリセリド、植物油、アセトグリセリドエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、ラノリン、ミルクトリグリセリド、蝋エステル、蜜蝋、ステロール、リン脂質、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0066】
例示的な栄養剤としては、ビタミン、必須アミノ酸、必須脂肪(essential fat)、酸化防止剤、それらの塩、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0067】
水相
本発明の局所用フォーム組成物は水も含む。水は、エマルジョン系の連続相を形成する。一実施態様では、前記フォーム組成物は、約65重量%〜約90重量%の量で水を含む。別の実施態様では、水は、約70重量%〜約85重量%の量で存在する。別の実施態様では、水は、約77重量%で存在する。
【0068】
油混和性有機溶媒
本発明の局所用フォーム組成物は、油中での活性剤の可溶化を容易にする油混和性有機溶媒を含む。同時に、油混和性有機溶媒および油は、組成物の油相を含む。
【0069】
油混和性の有機溶媒は、約1重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施態様では、油混和性有機溶媒は、約3重量%〜約15重量%の量で存在する。別の実施態様では、油混和性有機溶媒は、約5重量%の量で存在する。
【0070】
油混和性有機溶媒の適当な非限定的な例としては、アルコール、例えばカプリル酸アルコール、デカノール、ドデシルヘキサデカノール、ドデシルテトラデカノール、ヘキシルアルコール、ヘキシルデカノール、ヘキシルデシルオクタデカノール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルデカノール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、トリデシルアルコール;エステル、例えばステアリン酸ブチル、C12−15安息香酸アルキル、C12−15乳酸アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸セテアリル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、ココ−カプリレート/カプレート、ココグリセリル、オレイン酸デシル、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリル、アジピン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジオクチル、ジ−PPG−2ミレス−10アジペート、ジ−PPG−3ミリスチルエーテルアジペート、オレイン酸エチル、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、パルミチン酸エチルヘキシル、ペラルゴン酸エチルヘキシル、ステアリン酸エチルヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸イソセチル、イソセチルステアロイルステアレート、オレイン酸イソデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリルネオペンタノエート、イソノナン酸イソトリデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸ミリスチル、オクチルドデシルステアロイルステアレート、エルカ酸オレイル、オレイン酸オレイル、ペンタエリスリチルテトラカプリレート/カプレート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、PPG−2ミリスチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、プロピレングリコールイソステアレート、カプリル酸プロピルヘプチル、オクタノン酸ステアリル;エーテル、例えばジカプリルエーテル、PPG−10セチルエーテル、PPG−11ステアリルエーテル、PPG−14ブチルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−3硬化ヒマシ油、PPG−3ミリスチルエーテル;カルボキシル酸、例えばC10−40ヒドロキシアルキル酸、C10−40イソアルキル酸、C32−36イソアルキル酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ココナッツ酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、亜麻仁酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リシノール酸およびラノリンが挙げられる。
【0071】
一実施態様によれば、油混和性有機溶媒は、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノールおよびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドから成る群より選択される。
【0072】
一つの実施態様では、油混和性有機溶媒は、アジピン酸ジイソプロピル(本明細書ではDIPAとも称される)である。一つの実施態様では、DIPAは、約1重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在する。別の実施態様では、DIPAは、約3重量%〜約15重量%の量で組成物中に存在する。別の実施態様では、DIPAは、約5重量%の量で存在する。
【0073】
更なる実施態様によれば、本発明の組成物は、第二の薬学的に許容可能な活性剤を含む。一つの実施態様では、第二活性剤は、水相において可溶化される(すなわち連続相)。これは、第二活性剤を、水のアリコート中にまたは水混和性有機溶媒のアリコート中に溶かし、次いで、組成物中に前記アリコートを可溶化させることによって、達成され得る。
【0074】
一実施態様によれば、水混和性有機溶媒は、約1重量%〜約20重量%の量で存在する。更なる実施態様によれば、水混和性有機溶媒は、約10重量%の量で存在する。
【0075】
好適には、水混和性有機溶媒としては、アルコール、例えばアミルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサンジメタノール、ジアセトンアルコール、エチルアルコール、ヘキシルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、プロパノール、t−ブチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール;カルボン酸、例えば酢酸;ジオール、例えば1,2−ヘキサンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチルヘキサンジオール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール;そして、ポリオール、例えばポリエチレングリコール、ブタントリオール、グリセリンおよび1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられるが、それらに限定されない。一つの実施態様では、水混和性有機溶媒は、プロピレングリコールである。
【0076】
噴射剤
本発明の局所用フォーム組成物は、適用時にフォームを生成させるために噴射剤を利用しなければならないことが認められる。噴射剤は、任意の適当な液化ガスまたはそれらの混合物、例えば炭化水素、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロカーボンおよびそれらの混合物であり得る。
【0077】
他の適当な噴射剤としては、圧縮ガス、例えば窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素および空気が挙げられる。好ましい実施態様では、噴射剤は、炭化水素の混合物である。更なる好ましい実施態様では、炭化水素の混合物は、プロパン、n−ブタンガスおよびイソブタンの混合物である。
【0078】
噴射剤は、約1重量%〜約20重量%、または約3重量%〜約15重量%の量で存在する。もう一つの実施態様では、噴射剤は、約5重量%〜約10重量%、例えば約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%または10重量%の量で存在する。噴射剤は、標準的なエアゾールディスペンサーのような加圧容器を利用して充填時に組成物中に導入し得る。
【0079】
組成物が加圧容器から放出されるとき、組成物はエアゾールフォーム(ムースとしても知られている)である。一つの実施態様によれば、エアゾールフォームは、均質である。別の実施態様では、エアゾールフォームは、穏やかな機械的作用、例えば摩擦(rubbing)または延展(spreading)のような剪断力で容易に壊れる。
【0080】
別の実施態様では、噴射剤は組成物中には存在しない。前記実施態様によれば、組成物は、機械的手段によって、例えば、ポンプ作用または容器上の絞り作用によって、容器から噴射し得る。
【0081】
本発明で使用するための適当な加圧容器としては、アルミニウム、ブリキ板およびガラス容器が挙げられる。
【0082】
一つの実施態様では、加圧容器は、内部表面が化学的に不活性なライニングで裏張りされている一体成形アルミニウム容器である。本発明で使用するための1つの適当な内部表面ライニングは、オハイオ州ヤングストンにあるExal Corporationによって供給されているようなポリアミドイミド(PAM)である。容器には、正立使用バルブまたは倒立使用バルブ、そして従来のフォーム噴出アクチュエータを取り付けることができる。または、容器には、定量バルブ(metered−dose valve)を取り付けることもできる。
【0083】
皮膚科学的に許容可能な賦形剤
一実施態様によれば、組成物は、1種もしくは複数種の皮膚科学的に許容可能な賦形剤を更に含み得る。前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤の非限定的な例としては、希釈剤、懸濁剤、アジュバント、防腐剤、着色剤、皮膚軟化剤、pH調整剤(緩衝剤を含む)、増粘剤(thickeners)、保湿剤、芳香剤、安定剤、キレート化剤、固結防止剤、粘度を上昇させる薬剤(viscosity increasing agents)、可溶化剤、可塑剤、浸透促進剤、塗膜形成剤、酸化防止剤、湿潤剤、起泡力増進剤またはそれらの成分の任意の混合物が挙げられる。
【0084】
一つの実施態様では、1種もしくは複数種の皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、防腐剤、酸化防止剤およびpH調整剤を含む。
【0085】
防腐剤
本発明の局所用エアゾールフォーム組成物は、防腐剤を更に含み得る。防腐剤は、約0.01重量%〜約2重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施態様では、防腐剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。別の実施態様では、防腐剤は、約0.3重量%の量で存在する。
【0086】
適当な防腐剤としては、ベンジルアルコール、ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸およびそれらの塩、例えばソルビン酸カリウム、安息香酸およびそれらの塩、例えば安息香酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0087】
一実施態様によれば、防腐剤は、ソルビン酸とソルビン酸カリウムとの組み合わせである。
【0088】
酸化防止剤
本発明の局所用エアゾールフォーム組成物は、酸化防止剤を更に含み得る。酸化防止剤は、約0.001重量%〜約1重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施態様では、酸化防止剤は、約0.05重量%〜約0.5重量%で存在する。別の実施態様では、酸化防止剤は、約0.1重量%の量で存在する。
【0089】
適当な酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、ビタミンE TPGS、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。一つの実施態様では、酸化防止剤はBHTである。
【0090】
pH調整剤
本発明の局所用エアゾールフォーム組成物は、活性剤を安定化させる場合に助けとなるpH調整剤を更に含み得る。一実施態様によれば、pH調整剤は、約0.01重量%〜約10重量%の量で存在する。一つの実施態様では、pH調整剤は塩基である。適当なpH調整塩基としては、バイカーボネート、カーボネートおよび水酸化物(例えば、水酸化アルカリまたは水酸化アルカリ土類金属、ならびに遷移金属水酸化物)が挙げられるが、それらに限定されない。pH調整剤は、酸、酸性塩、またはそれらの混合物でもよい。pH調整剤は緩衝剤でもよい。適当な緩衝剤 としては、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸、蟻酸塩/ギ酸、プロピオン酸塩/プロピオン酸、乳酸塩/乳酸、炭酸塩/炭酸、アンモニウム/アンモニア、エデト酸塩/エデト酸、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施態様によれば、クエン酸塩/クエン酸緩衝剤は、約0.02重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0091】
別の実施態様では、本発明は、水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物に関するものであって、前記組成物は:タザロテン、水、約3重量%〜約8重量%の量で油、油混和性有機溶媒、約2重量%〜約6重量%の量で非イオン性親水性界面活性剤を含む界面活性剤成分、および炭化水素噴射剤を含み、そしてその場合、前記タザロテンは組成物の油相において可溶化され、またその場合、油相の粒径は約1000nm未満である。
【0092】
一実施態様によれば、タザロテンエアゾールフォームの油相の平均粒径は、約100nmである。
【0093】
これらの実施態様によって例示されたタザロテンフォーム製剤は、座瘡の治療のために顔の小領域に適用するのに特に適している。一つの実施態様では、タザロテンエアゾールフォーム製剤を、定量アクチュエータ(metered dose actuator)から計量分配する。別の代替実施態様では、タザロテンエアゾールフォーム組成物は、マクロエマルジョン(すなわち、油相の粒径が1000nmを超える)として処方される。
【0094】
別の実施態様では、第二薬学的に活性な薬剤は、組成物中において可溶化される。別の実施態様では、第二薬学的に活性な薬剤は、組成物の水相において可溶化される。これは、更なる薬学的に活性な薬剤を水のアリコート中に溶かし、次いで、組成物中に可溶化させることによって達成できる。
【0095】
または、第二薬学的に活性な薬剤を、水混和性有機溶媒のアリコート中に溶かし、次いで、組成物中に可溶化させる。別の実施態様では、第二薬学的に活性な薬剤は、レチノイドタザロテンを含む組成物中に存在する。
【0096】
定義
本明細書で使用される場合、用語「投与する(administering)」および「投与される(administered)」は、治療効果を付与するような方法で組成物を被験者に送達する任意の方法を指している。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「それらの誘導体(1種または複数種)(derivative(s) thereof)」は、薬学的に活性な薬剤のプロドラッグ、溶媒和物、水和物、エステルおよび酸を指している。
【0098】
本明細書で使用される場合、活性剤もしくは活性成分または薬学的に活性な薬剤もしくは医薬活性成分(前記用語は本明細書では同義である)の「有効量」とは、投与時に治療効果を有するのに充分な薬学的に活性な薬剤の量を指している。活性剤の有効量は、症状の緩和をもたらし得る、もたらすであろう、またはもたらすことが予期される。活性剤の有効量は、治療される特有な疾患(1つの疾患もしくは複数の疾患)、疾患の重篤度、治療期間、および使用される組成物の特定の成分によって変わる。
【0099】
本明細書で使用される場合、用語「脂肪アルコール」とは、約9個〜約22個の炭素原子長の脂肪族鎖を有するアルコールを指している。
【0100】
本明細書で使用される場合、「エマルジョン」とは、分散相(すなわち水中油型エマルジョンの場合では油)の粒径が約10,000nm未満である、2種もしくはそれ以上の不混和性(不相溶性)液体の混合物を指している。
【0101】
本明細書で使用される場合、「サブミクロンエマルジョン」とは、分散相(すなわち水中油型エマルジョンの場合では油)の粒径が約100nm〜約1000nmである、2種もしくはそれ以上の不混和性(不相溶性)液体の混合物を指している。
【0102】
本明細書で使用される場合、「マイクロエマルジョン」とは、分散相(すなわち水中油型エマルジョンの場合では油)の粒径が約10nm〜約100nmである、2種もしくはそれ以上の不混和性(不相溶性)液体の混合物を指している。
【0103】
本明細書で使用される場合、「ナノエマルジョン」とは、分散相(すなわち水中油型エマルジョンの場合では油)の粒径が約1nm〜100nmである2種もしくはそれ以上の不混和性(不相溶性)液体の混合物を指している。
【0104】
本明細書で使用される場合、「転相温度」という用語は、水中油型エマルジョンが油中水型エマルジョン(またはその逆)へと転移する温度を指している。
【0105】
本明細書で使用される場合、「pH調整剤」とは、組成物に加えられる、限定するものではないが、緩衝剤、塩基または酸、それらの塩およびそれらの混合物を含む特定のpH調整剤(1種もしくは複数種)を指している。
【0106】
本明細書で使用される「皮膚科学的に許容可能な賦形剤」とは、本明細書記載の組成物中に存在するあらゆる不活性成分を指している。
【0107】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容可能であって、且つ、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味している。そのような塩としては:(1)酸、例えば酢酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリコール酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、リン酸、プロピオン酸、ソルビン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、天然および合成アミノ酸、およびそれらの混合物と一緒に形成される酸付加塩;(2) 親化合物に存在する酸性プロトンが、(i)金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンによって置換されるとき;または、(ii)有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミンおよびN−メチルグルカミンをプロトン化するときに、形成される塩が挙げられる。
【0108】
本明細書で使用される場合、「被験者(subject)」、「個人(individual)」または「患者(patient)」は、治療が望まれる任意の被験者、特にヒトを指す。
【0109】
本明細書で使用される場合、疾患、障害または状態の「治療」または疾患、障害または状態を「治療する」(“treatment” または “treating”)とは、それらの少なくとも一つの症状の緩和、それらの重篤度の低減、またはそれらの進行の遅延、予防もしくは阻止を含む。治療とは、疾患、障害または状態が完全に治療されることを意味する必要はない。本明細書の有用な組成物は、疾患、障害あるいは状態の重篤度を低減し、それと関連のある症状の重篤度を低減し、患者の生活の質を改善し、または疾患、障害または状態の開始を遅延させ、予防し、もしくは阻止することのみを要する。
【0110】
本明細書に記載のあらゆる濃度範囲、パーセンテージ範囲または比率範囲は、特に明記しない限り、その範囲内の任意の整数の濃度、パーセンテージまたは比率、およびその分数、例えば整数の1/10および1/100を含むことを理解すべきである。
【0111】
本明細書の上で使用し、他の所でも使用している用語“a” および “an”は、本明細書で列挙した成分の「一つもしくは複数」を意味している。特に明記しない限り、単数の使用が複数を含むことは、当業者には明らかである。従って、用語「a」、「an」、そして「少なくとも一つ(at least one)」は、本出願では区別なく使用される。
【0112】
本出願全体にわたって、様々な実施態様の説明では、「含む(comprising)」という言語を使用しているが、いくつかの特定の場合では、もう一つの選択肢として、実施態様を、「から実質的に成る」または「から成る」という言語を使用して説明できる。
【0113】
本発明の教示をより充分に理解するために、そして決してそれらの範囲を限定しないために、特に明記しない限り、本明細書とクレームにおいて使用される量、パーセンテージまたは比率、および他の数値は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されると理解すべきである。
【0114】
本明細書で使用される場合、特定の成分を「実質的に含まない」という用語は、特定の成分を約1%未満でしか含んでいない組成を意味している。
【0115】
本明細書で使用される他の用語は、当業におけるそれらの公知の意味によって定義されることを意図している。
【0116】
調製方法
一つの実施態様では、本発明は、薬学的に活性な薬剤、水、約10重量%未満の量で存在する油、油混和性有機溶媒、約0.1重量%〜約10重量%の量で親水性界面活性剤を含む界面活性剤成分、および噴射剤を含む水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォーム組成物を調製する方法を提供し、前記方法は:
a)薬学的に活性な薬剤、水の第一アリコート、油、油混和性有機溶媒、そして界面活性剤成分を混合して、水中油型エマルジョンを形成させること、
b)工程(a)の水中油型エマルジョンを、前記水中油型エマルジョンが油中水型エマルジョンを形成させる転相温度まで加熱すること、
c)前記油中水型エマルジョンを、前記転相温度未満まで冷却して、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを形成させること、
d)水の第二アリコートを加えて、前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを冷却すること、
e) 噴射剤によって前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンのサンプルを作動させて、水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームを形成させること
を含む。
【0117】
一実施態様によれば、水の第一アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約10重量%〜約40重量%を含み、そして、水の第二アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の90重量%〜約60重量%を含む。
【0118】
一実施態様によれば、水の第一アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約10重量%〜約40重量%を含み、そして、水の第二アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の90重量%〜約60重量%を含む。
【0119】
別の実施態様によれば、水の第一アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約15重量%〜約35重量%を含み、そして、水の第二アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の85重量%〜約65重量%を含む。
【0120】
更なる実施態様によれば、水の第一アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約20重量%〜約30重量%を含み、そして、水の第二アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の80重量%〜約70重量%を含む。なお更なる実施態様によれば、水の第一アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約25重量%を含み、そして、水の第二アリコートは、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約75重量%を含む。
【0121】
本明細書記載の方法は、低油分および低界面活性剤含量のサブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームの調製を提供する。前記方法は、濃縮されたサブミクロンまたはマイクロエマルジョン(水の第一アリコートを含む)を調製し、次いで、(水の第二アリコートによって)希釈して、最終的に所望の低油分および低界面活性剤含量のサブミクロンまたはマイクロエマルジョンを供給する。まず最初に濃縮されたサブミクロンまたはマイクロエマルジョンを調製することによって、充分な濃度の界面活性剤を組成物中に存在させて、サブミクロンまたはマイクロサイズの油相を安定化させる。次いで、前記希釈工程により、所望の低油分および低界面活性剤含量のサブミクロンまたはマイクロエマルジョンを提供する。水の第二アリコート(実質的に転相温度未満の温度である)の添加は、組成物のサブミクロンまたはマイクロエマルジョン構造を固定するのに役立ち、そしてもちろん、組成物を希釈して低油分および低界面活性剤含量の組成物を提供する、と考えられる。
【0122】
一実施態様によれば、第二薬学的に活性な薬剤は、組成物の水相において可溶化される。これは、第二薬学的に活性な薬剤を水または水混和性有機溶媒のアリコート中に溶かし、そして続いてそれを組成物中に可溶化させることによって達成できる。
【0123】
一つの実施態様では、工程(d)の後に、水または水混和性有機溶媒のアリコート中に溶解された第二薬学的に活性な薬剤を、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンに加える。すなわち、第二薬学的に活性な薬剤は、サブミクロンまたはマイクロエマルジョンを形成させた後、組成物の水相において可溶化される。
【0124】
本発明の別の態様は、この方法によって製造された製品である。
【0125】
処理法
本発明のエマルジョンエアゾールフォーム組成物は、美容的にエレガントであり、且つ、皮膚障害または皮膚状態を治療するために顔に適用するのに適する。前記組成物は、塗布が容易であり、ベタベタせず、乾燥せず、そして皮膚上の残留物が少ない。
【0126】
本発明は、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療する方法を提供する。前記方法は、前記治療を必要とする患者の皮膚に、本発明の組成物の有効量を投与することを含む。一つの実施態様では、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態は座瘡である。別の実施態様では、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態は乾癬である。
【0127】
また、本発明は、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療するための薬剤を調製するために本明細書記載の組成物を使用することにも関する。
【0128】
また、本発明は、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態の治療を必要とする患者の皮膚に、本発明組成物の有効量を投与することによって、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療する方法にも関する。
【0129】
本発明組成物によって治療可能な例示的非限定的な皮膚病、皮膚障害または皮膚状態としては、座瘡、酒さ、皮膚炎、乾癬および菌類による障害が挙げられる。一つの実施態様では、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態は座瘡である。別の実施態様によれば、皮膚病、皮膚障害または皮膚状態は乾癬である。
【0130】
一実施態様では、本発明組成物は、適当な追加の医薬剤形と組み合わせて用いる。追加の医薬剤形は、本明細書記載の組成物の前に、同時に、または後に、患者に投与する。
【0131】
一つの実施態様では、この点に関しては、本発明組成物および追加の医薬剤形は、同時に患者に投与する。代替実施態様では、本発明組成物および追加の医薬剤形の一方は朝に投与し、もう一方は夜に投与する。
【0132】
別の実施態様では、追加の医薬剤形は、適当な経口医薬品であることができる。この点に関しては、本発明組成物は、経口薬の摂取の前に、摂取と同時に、または摂取後に、患者の対象領域に適用できる。
【0133】
一実施態様によれば、本発明組成物はレチノイドを含み、そして、経口医薬剤形は抗生物質、避妊剤、イソトレチオイン(isotretioin)のようなレチノイド、および栄養剤からなる群から選択される薬学的に活性な薬剤を含む。
【0134】
更に、本発明のフォーム組成物は、他の補助的な療法および治療、例えば石鹸またはクレンザーによる予洗と一緒に使用され得る。しかしながら、この点に関しては、抗菌石鹸および研磨洗剤は刺激を増大させ得るので、注意が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】低油分および低界面活性剤含量の水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォーム組成物(730/2/1)が調製される、本発明の一つの好ましい実施態様を示している系統図である。その方法は、実施例1で詳述される。
【図2】市販のタザロテンクリームおよびゲル製剤(すなわちTAZORAC(登録商標)クリームおよびゲル)と比較した、本発明のタザロテン製剤(706/8/2および706/8/3)を適用した後の表皮内におけるタザロテンの分布を示している図である。
【図3】市販のタザロテンクリームおよびゲル製剤(すなわちTAZORAC(登録商標)クリームおよびゲル)と比較した、本発明のタザロテン製剤(706/8/2および706/8/3)を適用した後の真皮内におけるタザロテンの分布を示している図である。
【図4】高HLBエトキシル化脂肪アルコールエーテル界面活性剤と、タザロテン(タザロテン安定性)との適合性を示している図である。様々な低HLB界面活性剤と比較している。
【図5】高HLBエトキシル化脂肪アルコールエーテル界面活性剤と、タザロテン(タザロテンスルホキシド形成)との適合性を示している図である。様々な低HLB界面活性剤と比較している。
【図6】本発明のサブミクロンまたはマイクロエマルジョン(730/2/1)の油相の粒径分布を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0136】
実施例
以下の実施例は、本明細書における好ましい実施態様を例示しているが、前記実施態様によって本発明が限定されると解するべきではない。すべてのパーセンテージは、特に明記しない限り、最終的な送達系または調製された製剤の重量%基準であり、総量は100重量%に等しい。
【0137】
表2a、2b、2cおよび2d
水中油型サブミクロン/マイクロエマルジョンフォーム製剤 − タザロテン(0.1%)
【表2a】

【表2b】

表2a及び2bに記載されている製剤は、100gのエアゾール基剤当たり約7〜8gのAP70噴射剤添加後に、フォームとして計量分配された。
【表2c】

【表2d】

【0138】
実施例1
サブミクロン/マイクロエマルジョンフォーム製剤の調製法−タザロテン
【0139】
手順:
第1相(油相):BHT、セテアレス−12、鉱油およびソルビン酸
第2相(活性相):アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)中に溶解されたタザロテン
第3相(緩衝剤相):脱イオン水(エアゾール基剤の総水分含量の約22.8%)、クエン酸、クエン酸カリウムおよびソルビン酸カリウム
第4相(水相):脱イオン水(エアゾール基剤の総水分含量の約77.2%)
1.周囲温度で、適当なステンレス鋼容器において、アジピン酸ジイソプロピル中にタザロテンを溶かす(第2相)。
2.ステンレス鋼容器において周囲温度で緩衝液を調製する(第3相)。
3.油相成分を主バッチ容器に加える(第1相)。
4.主バッチ容器において第1相、第2相および第3相を組み合わせる。撹拌しながら低温加熱を始める。油中水型エマルジョンが生成するまで、70℃〜80℃の転相温度範囲まで加熱を続ける。
5.転相温度未満まで冷却を開始する。エマルジョンが水中油型サブミクロン/マイクロエマルジョンとなったら、適度な速さで周囲温度の第4相脱イオン水を加える。均質になるまで撹拌する。バッチを25℃〜30℃に維持する。
6.エアゾール基剤のpHを検査する。
7.1N水酸化カリウム溶液または10%クエン酸溶液でpHを4.70〜5.50に調整する。
8.脱イオン水で100%となるように調整する(蒸発による水分の損失を補う)。上記の手順は図1に系統図で示してある。
【0140】
代替手順−エアゾール基剤製造(SFW0260−02):
周囲温度において、撹拌しながら、副容器において、アジピン酸ジイソプロピル中にタザロテンを溶かす。
溶液が均質になるまで撹拌しながら、副容器へ鉱油およびBHTを加える。
周囲温度において、すべての成分が完全に溶解するまで撹拌しながら、脱イオン水(エアゾール基剤の総水分含量の約28.8%)、クエン酸およびクエン酸カリウムを主バッチ容器に加える。
ソルビン酸カリウムが完全に溶解するまで撹拌しながら、主バッチ容器にソルビン酸カリウムを加える。
主バッチ容器の内容物を撹拌し続け、副容器の内容物(タザロテン、DIPA、鉱油およびBHT)を前記主バッチ容器に加え、次いで、ソルビン酸およびセテアレス−12を加える。
加熱を開始し、そして、転相温度に達するまで、すなわち、水中油型エマルジョンが油中水型エマルジョンへと転移する温度(導電率または目視による観察によって測定される)に達するまで、加熱を続ける。
転相温度は約70℃〜約80℃である。
主バッチ容器を転相温度(約69℃)未満まで冷却して、水中油型サブミクロン/マイクロエマルジョンの形成を容易にする。
周囲温度の脱イオン水を加える(エアゾール基剤の総水分含量の約71.2%)。撹拌を続け、約25℃〜30℃に主バッチ容器を保つ。
pHを検査し、4.70〜5.50の範囲に必要に応じて調整する。脱イオン水で調整して蒸発による水分損失を補う。
【0141】
エアゾールの充填および圧着(Crimping)
エアゾール基剤を適当なアルミニウム製エアゾール容器に充填し、適当なバルブを嵌入し、真空で圧着させ、そして適当な噴射剤によってガスを供給する。
【表3】

【0142】
実施例2
サブミクロン/マイクロエマルジョンフォーム − タザロテン(0.1%)+ カルシポトリエン(0.005%)を調製する方法
【0143】
エアゾール基剤:
1.BHT(アイテム3)、セテアレス−12(アイテム4)、鉱油(アイテム5)およびトコフェロール(アイテム6)を主混合容器に加える。
2.アジピン酸ジイソプロピル(アイテム1)およびタザロテン(アイテム2)を小混合容器に加えることによって第一活性相を調製し、タザロテンが溶解するまで混合する。
3.前記第一活性相溶液(アイテム1および2)を主混合容器に加える。
4.別の混合容器中に水(アイテム7)を加えることによって第一水相を調製する。
5.第一水相の撹拌を開始し、そしてEDTA、Na2(アイテム8)およびリン酸二ナトリウム(アイテム9)を水に加え、溶解するまで混合する。
6.第一水相(アイテム7〜9)を主混合容器に加える。
7.主混合容器(アイテム1〜9)の内容物の導電率をモニターしながら、加熱を開始して約80℃にし、そして撹拌を始める。
8.温度が増加するにつれて、混合物は水中油型エマルジョンから油中水型エマルジョンへと転移し、それに対応して導電率の低下が観察される。
9.温度が約80℃に達したら加熱を中止し、撹拌しながら主混合容器の内容物の緩冷却を開始する。
10.約70℃では、混合物は油中水型エマルジョンから水中油型エマルジョンへと転移し、それに対応して導電率の増加が観察される。混合物の外観も、不透明から半透明へと変化する。
11.この温度では、混合物が半透明であるときに、周囲温度の第二水相(アイテム10)を主混合容器に加え、撹拌し続ける。混合物の温度は、第二水相の添加後に、約40℃まで低下する。
12.混合物を撹拌しながら、温度範囲が約25℃〜30℃まで低下するまで冷却し続ける。
13.プロピレングリコール(アイテム11)およびカルシポトリエン(アイテム12)を小混合容器に加えることによって第二活性相を調製し、カルシポトリエンが溶解するまで混合する。
14.第二活性相(アイテム11および12)を主混合容器に移し、その混合物が均質になるまで撹拌する。
【0144】
最終製品
1.空のエアゾール容器にエアゾール基剤(アイテム1〜12)を加える。
2.エアゾール容器上にエアゾールバルブを固定する。
3.エアゾール容器に噴射剤(アイテム13)を加える。
4.エアゾール容器を検査して漏出がないことを確認する。
5.エアゾールバルブ上にアクチュエータを配置する。
6.室温で計量分配する前に、エアゾール容器を振盪する。
【表4】

【0145】
実施例3
サブミクロン/マイクロエマルジョンフォーム製剤 − リン酸クリンダマイシン(1%)+ トレチノイン(0.05%)
【0146】
エアゾール基剤:
1.BHT(アイテム3)、セテアレス−12(アイテム4)、および鉱油(アイテム5)を主混合容器に加える。
2.(アイテム1)およびトレチノイン(アイテム2)を小混合容器に加えることによって第一活性相を調製し、溶解するまで混合する。
3.前記第一活性相溶液(アイテム1および2)を主混合容器に加える。
4.別の混合容器中に水(アイテム6)を加えることによって第一水相を調製する。
5.第一水相の撹拌を開始し、そして無水クエン酸(アイテム7)およびクエン酸カリウム一水和物(アイテム8)を水に加え、溶解するまで混合する。
6.第一水相(アイテム6〜8)を主混合容器に加える。
7.主混合容器の内容物(アイテム1〜8)の導電率をモニターしながら、加熱を開始して約80℃にし、そして撹拌を始める。
8.温度が増加するにつれて、混合物は水中油型エマルジョンから油中水型エマルジョンへと転移し、それに対応して導電率の低下が観察される。
9.混合物が水中油型エマルジョンから油中水型エマルジョンへと転移したら、加熱を中止し、撹拌しながら主混合容器の内容物の緩冷却を開始する。
10.冷却によって、混合物は油中水型エマルジョンから水中油型エマルジョンへと転移し、それに対応して導電率の増加が観察される。
混合物の外観も、不透明から半透明へと変化する。
11.この温度では、混合物が半透明であるときに、周囲温度の第二水相(アイテム9)を主混合容器に加え、撹拌し続ける。混合物の温度は、第二水相の添加後に低下する。
12.混合物を撹拌しながら、温度範囲が約25℃〜30℃まで低下するまで冷却し続ける。
13.水(アイテム10)およびリン酸クリンダマイシン(アイテム11)を小混合容器に加えることによって第二活性相を調製し、そしてリン酸クリンダマイシンが溶解するまで混合する。
14.第二活性相(アイテム10および11)を主混合容器に移し、その混合物が均質になるまで撹拌する。
15.プロピレングリコール(アイテム12)およびベンジルアルコール(アイテム13)を小混合容器に加えることによって防腐剤相を調製し、均質になるまで混合する。
16.防腐剤相(アイテム12および13)を主混合容器に移し、その混合物が均質になるまで撹拌する。
【0147】
最終製品:
1.空のエアゾール容器にエアゾール基剤(アイテム1〜13)を加える。
2.エアゾール容器上にエアゾールバルブを固定する。
3.エアゾール容器に噴射剤(アイテム14)を加える。
4.エアゾール容器を検査して漏出がないことを確認する。
5.エアゾールバルブ上にアクチュエータを配置する。
6.室温で計量分配する前に、エアゾール容器を振盪する。
表5〜9に記載されている製剤は、本発明の更なる例示である。
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0148】
実施例4
皮膚浸透試験
in vitro皮膚分布アッセイを用いて、実施例2aおよび2bのタザロテンサブミクロン/マイクロエマルジョンフォーム(基剤)製剤とTAZORAC(商標)クリームおよびゲル製剤とを比較して、皮膚浸透試験を行った。
分層皮膚(split−thickness skin)(〜0.50 mm)切片を、フロースルー拡散セルに取り付け、試験薬剤を15.63mg/cm2の限界用量で適用した。3人の皮膚ドナーに関してそれぞれ5回反復試験した。
様々な時点(t=0、2、6時間)で組織を集め、洗浄し、テープストリップして、表皮および真皮に分ける。
表皮、真皮および洗浄液の中のタザロテンの分布を、LOQ(定量限界)50pg/mLのLC/MS/MSによって定量化した。
図2および図3に示されているように、表皮および真皮のタザロテンフォーム(基剤)製剤の皮膚浸透は、市販の比較対象(すなわちTAZORAC(登録商標)クリームおよびゲル)と同程度であった。
【0149】
実施例5
界面活性剤とタザロテンの適合性
加速安定性試験(HPLCを使用)を50℃で行って、様々な界面活性剤とタザロテンとの適合性を測定した。図4および図5は、タザロテンは、 様々な親油性界面活性剤とは対照的に、セテアレス−12のような親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテル界面活性剤中で、最も安定だったことを示している。
【0150】
実施例6
粒径分布の測定
本発明のサブミクロン/マイクロエマルジョン(エアゾールフォーム基剤)の油相の粒径分布を、Malvern Mastersizer 2000計測器を使用して測定した。図6は、好ましい製剤(730/2/1)の油相の粒径分布を例示している。平均粒径は、0.097μm、すなわち約0.1μm(すなわち約100nm)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油相および水相を含んでなる水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物であって:
i)少なくとも1種の薬学的に活性な薬剤、
ii)水、
iii)約10重量%未満の量で存在する油、
iv)油混和性有機溶媒、
v)約0.1重量%〜約10重量%の量で、親水性界面活性剤を含んでなる界面活性剤成分、および
vi)噴射剤
(前記薬学的に活性な薬剤は前記組成物の油相において可溶化され、前記油相の粒径は約1000nm未満である)
を含んでなる、組成物。
【請求項2】
前記薬学的に活性な薬剤が、レチノイド、レチノイン酸代謝遮断剤、免疫応答調節剤化合物、ビタミンD類似体、コルチコステロイド、抗ヒスタミン剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、細胞毒性剤、ソラレン、抗脱毛剤、抗アンドロゲン剤、止痒剤、角質溶解剤、タール、ジトラノール、防腐剤、日焼け止め剤、麻酔剤、鎮痛剤、スキンコンディショニング剤および栄養剤、それらの塩、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項1に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項3】
前記薬学的に活性な薬剤がレチノイドである、請求項1または2に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項4】
前記レチノイドがタザロテンである、請求項3に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項5】
前記組成物が第二の薬学的に活性な薬剤を含む、請求項3または4に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項6】
前記第二の薬学的に活性な薬剤がコルチコステロイドである、請求項5に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項7】
前記第二の薬学的に活性な薬剤がビタミンD類似体である、請求項5に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項8】
前記レチノイドがトレチノインである、請求項3に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項9】
前記組成物が第二の薬学的に活性な薬剤を含んでなる、請求項8に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項10】
前記第二の薬学的に活性な薬剤が抗菌剤である、請求項9に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項11】
前記抗菌剤がクリンダマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項8に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項12】
前記組成物が約65重量%〜約90重量%の量で水を含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項13】
前記組成物が約70重量%〜約85重量%の量で水を含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項14】
前記油が、アズレン、カマズレン、イソパラフィン、直鎖状アルファオレフィン、シクロヘキシリデンジフェニルメタン、ジデセン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、エイコサン、イソドデカン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、ロンギホレン、鉱油、パラフィン、ペンタヒドロスクアレン、ペトロラタム、スクアラン、スクアレン、テトラデセン、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項15】
前記油が鉱油である、請求項14に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項16】
前記油が約1重量%〜約9重量%の量で存在する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項17】
前記油が約3重量%〜約8重量%の量で存在する、請求項16に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項18】
前記油混和性有機溶媒が、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノールおよびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項19】
前記界面活性剤成分が、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルを含んでなる、請求項1〜18のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項20】
前記界面活性剤成分が、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルを含んでなり、かつ、親油性界面活性剤を実質的に含んでいないか、あるいは含んでいない、請求項19に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項21】
前記親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルが、ステアレス−10、ステアレス−20、セテアレス−6、セテアレス−10、セテアレス−12、セテアレス−15、セテアレス−20、セテアレス−21、セテアレス−22、セテアレス−25、セテアレス−30、セテアレス−31、セテアレス−32、セテアレス−33、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−21、ラウレス−22、ラウレス−23、ノノキシノール−9、オレス−10、オレス−20、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項19または20に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項22】
前記親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルが、セテアレス−12である、請求項21に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項23】
前記界面活性剤成分が、約1重量%〜約8重量%の量で存在する、請求項1〜22のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項24】
前記界面活性剤成分が、約2重量%〜約6重量%の量で存在する、請求項23に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項25】
前記噴射剤が、一種または複数種の炭化水素噴射剤を含んでなる、請求項1〜24のいずれか一項に記載のエアゾールフォーム組成物。
【請求項26】
油相および水相を含んでなる水中油型エマルジョンエアゾールフォーム組成物であって、
i)タザロテン、
ii)水、
iii)約3重量%〜約8重量%の量で存在する油、
iv)油混和性有機溶媒、
v)約2重量%〜約6重量%の量で、親水性界面活性剤を含んでなる界面活性剤成分、および
vi)炭化水素噴射剤
(前記タザロテンは前記組成物の油相において可溶化され、前記油相の粒径は約1000nm未満である)を含んでなる、組成物。
【請求項27】
皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療する方法であって、前記治療を必要とする患者の皮膚に、有効量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含んでなる、方法。
【請求項28】
皮膚病、皮膚障害または皮膚状態を治療するための薬剤の製造のための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項29】
薬学的に活性な薬剤、水、約10重量%未満の量で存在する油、油混和性有機溶媒、約0.1重量%〜約10重量%の量で親水性界面活性剤を含んでなる界面活性剤成分、および噴射剤を含んでなる水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォーム組成物を調製する方法であって、
a)前記薬学的に活性な薬剤、水の第一アリコート、油、油混和性有機溶媒および界面活性剤成分を混合して、水中油型エマルジョンを形成させること、
b)工程(a)の水中油型エマルジョンを、前記水中油型エマルジョンが油中水型エマルジョンを形成する転相温度まで加熱すること、
c)前記油中水型エマルジョンを、前記転相温度未満まで冷却して、サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを形成させること、
d)水の第二アリコートを加えて、前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンを冷却すること、および
e)噴射剤によって前記サブミクロンまたはマイクロ水中油型エマルジョンのサンプルを作動させて、水中油型サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームを形成させること
を含んでなる、方法。
【請求項30】
前記水の第一アリコートが、前記サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約10重量%〜約40重量%を含んでなり、前記水の第二アリコートが、前記サブミクロンまたはマイクロエマルジョンエアゾールフォームの総水分含量の約90重量%〜約60重量%を含んでなる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項29または30に記載の方法によって製造される、製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−518662(P2012−518662A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551371(P2011−551371)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000213
【国際公開番号】WO2010/096868
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(507397146)スティーフェル リサーチ オーストラリア ピーティーワイ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】