説明

差動制限装置

【課題】小容量の予圧付与部材を採用しつつも大きなイニシャルトルクが得られ、リテーナが廃止できるとともに、異常磨耗による弊害を解消できて耐久性の高い差動制限装置を提供することを目的とする。
【解決手段】サイドギヤ4、5とデフケース1内側面との間に形成された摩擦クラッチ部6、7に予圧(予圧付与部材10による)が付与された差動制限装置において、ピニオン軸2との相対回転により摩擦クラッチ部6、7にスラスト力を付与するカム部材8、9を配設したことを特徴とするもので、ピニオン軸2とカム部材8、9とのカム作用により生じる差動制限力が付加されるので、予圧付与部材10の容量が小さくて済み、従来のもののようなスプリング座としてのリテーナ等が不要となる上、これに代わるカム部材8、9等にも異常磨耗や異音発生をもたらすような大きな曲げ力が作用することもなく、耐久性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デフケースの回転軸に直交するピニオン軸に回転自在に軸支されたピニオンと該ピニオンと噛合する一対のサイドギヤとからなり、前記サイドギヤとデフケース内側面との間に形成された摩擦クラッチ部に予圧が付与された差動制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のピニオン型差動装置は構造が簡単で安価なことから車両用差動装置として多用されている。そして、このような差動装置にあって、差動機能を有するが故に、走行中に路面状態の不均衡に起因して軽度のスリップが生じることがある。このような不都合を防止するために、差動装置の回転部材に予め所定の負荷を与えて妄りな差動作用を抑止することが行われている(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭46−8207号公報(公報第3頁第6欄第31行目〜第38行目)
【0004】
前記特許文献1に開示された従来の予圧付与型の差動制限装置について図5を用いて簡単に説明する。デフケース110(左右一対のデフケース111、112からなる)の回転駆動力を、デフケース110の回転軸に直交して固定されたピニオン軸113に軸支されたピニオン114と、これの左右両側から傘歯噛合する左右のサイドギヤ115、116から構成される差動歯車によって、前記左右のサイドギヤ115、116にトルク配分して伝達するものであり、前記ピニオン114と左右のサイドギヤ115、116との間の噛合反力によって互いに離反するサイドギヤ115、116がその背面に介設されたプレッシャプレート117、118およびテーパリング119、120(それぞれデフケース111、112と回転を共にする)に圧接して差動制限力を得るように構成されるとともに、前記テーパリング119、120間にリテーナ169を介して介設されたスプリング121によって牽引されて差動制限のためのイニシャルトルクを発生するように構成されたものである。
【0005】
このような構成の差動制限装置によって、通常の直進走行時にはエンジンからの駆動力によりデフケース110からの所定の駆動力を受けてピニオン114と噛合する左右の各サイドギヤ115、116に均等にその駆動力が伝達される。
その際、左右の駆動輪の走行抵抗がほぼ同じであり、ピニオン114は静止状態にて噛合反力にて各サイドギヤ115、116を離反させ、プレッシャプレート117、118およびテーパリング119、120を介してデフケース110との間を一体化させて、強固な駆動力が得られる。また、走行中の軽度のスリップ時には、スプリング121によって発生したイニシャルトルクにより適度の差動制限力が得られ、さらに、車両が泥濘地等の悪路に遭遇して片輪空転等により過剰な差動作用が発生しようとした場合にも、スプリング121による予圧がピニオン114とサイドギヤ115、116との間に噛合反力を効果的に生じさせて、サイドギヤ115と116とを離反させてデフケース111、112それぞれとの内壁面との間に差動制限力を発生させて、低速車輪側にも駆動力が伝達され、悪路での脱出性能を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような予圧付与型差動制限装置によって、ピニオンとサイドギヤとの間の噛合反力によってサイドギヤ背面のデフケース内側面との間に発生する差動制限力とは独立して、スプリングによる予圧負荷により所定の差動制限力を常時付与して、多様な路面状態と走行形態に対応させてスリップ等を減少させることが可能となったものの、スプリング121の座を構成するリテーナ169を必要として、構造が複雑になりがちであった。しかも、リテーナ169はばね状の板状体から構成され、該リテーナ169を介してプレッシャプレート117、118に予圧が負荷されることから、ある程度の大きなばね定数を有するスプリング121の受圧部とそれ以外の部分との間で曲げ力が作用してリテーナ169が変形し易く、リテーナ169とプレッシャプレート117、118との間の回転摺接部に偏磨耗等の異常磨耗を生じさせ、耐久性の低下と異音発生の虞れがあった。
【0007】
そこで本発明では、上記従来の予圧付与型の差動制限装置の課題を解決して、小容量の予圧付与部材を採用しつつも大きなイニシャルトルクが得られ、リテーナが廃止できるとともに、異常磨耗による弊害を解消できて耐久性の高い差動制限装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、デフケースの回転軸に直交するピニオン軸に回転自在に軸支されたピニオンと該ピニオンと噛合する一対のサイドギヤとからなり、前記サイドギヤとデフケース内側面との間に形成された摩擦クラッチ部に予圧が付与された差動制限装置において、前記ピニオン軸との相対回転により摩擦クラッチ部にスラスト力を付与するカム部材を配設したことを特徴とする。また本発明は、前記カム部材を一対のサイドギヤ間の回転軸近傍に配設したことを特徴とする。また本発明は、前記カム部材に予圧付与部材の受圧部を配設したことを特徴とする。また本発明は、前記カム部材における予圧付与部材の受圧部にほぼ対応する軸方向に、前記サイドギヤのスラスト受圧部を配置したことを特徴とする。また本発明は、前記カム部材をピニオン軸を挟持して2分割したことを特徴とする。また本発明は、前記カム部材とサイドギヤ間に予圧付与部材を配設したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【0009】
【実施の形態】
以下本発明の差動制限装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2R>2は本発明の差動制限装置の第1実施の形態を示し、図1は差動制限装置の全体図、図2は要部側面および断面図である。本発明の基本構成は、図1に示すように、デフケース1の回転軸に直交するピニオン軸2に回転自在に軸支されたピニオン3と該ピニオン3と噛合する一対のサイドギヤ4、5とからなり、前記サイドギヤ4、5とデフケース1内側面との間に形成された摩擦クラッチ部6、7に予圧が付与された差動制限装置において、前記ピニオン軸2との相対回転により摩擦クラッチ部6、7にスラスト力を付与するカム部材8、9を配設したことを特徴とする。
【0010】
以下に詳述する。本発明の差動制限装置は、最も基本的なピニオン型差動装置を構成母体とする。図1に示すように、軸方向に2分割された第1および第2デフケース1A、1Bを一体に締結して構成されたデフケース1の回転軸に直交して、ピニオン軸2が前記デフケース1の孔に圧入等により挿入固定され、スプリングピン等により抜止めされる。ピニオン軸2の両端部にはピニオン3、3(一方のみ図示)が軸支される。これらのピニオン3の両側から傘歯噛合してサイドギヤ4、5がデフケース1の回転軸と同心にて配設される。両サイドギヤ4、5の背面とデフケース1(1Aと1B)の内側面にはそれぞれ摩擦クラッチ部を構成する第1および第2コーンクラッチ6、7が介設される。そして、前記各サイドギヤ4、5には第1および第2出力軸11、12が連結される。差動制限装置が左右駆動輪間に配設されるものなら、第1および第2出力軸は左右の駆動輪であるが、差動制限装置が前後輪間に配設されるものなら、第1および第2出力軸は前後の出力軸側となる。前記摩擦クラッチ部を構成するものとしては、円錐形のコーンクラッチの他、平板状の単板クラッチ、多板クラッチ等でもよい。
【0011】
このような差動制限装置において、本発明では、前記ピニオン軸2との相対回転により摩擦クラッチ部6、7にスラスト力を付与するカム部材8、9を配設したものである。本実施の形態では図示のように、前記カム部材をピニオン軸2を挟持して2分割するとともに、これら分割対向面間に予圧付与部材10を配設した。カム部材8、9に予圧付与部材10の受圧部P(図2参照)が配設されるように、カム部材8、9は一対のサイドギヤ4、5間の回転軸近傍に配設される。
そして、カム部材8、9における予圧付与部材10の受圧部Pにほぼ対応する軸方向に、前記サイドギヤ4、5のスラスト受圧部Q(図2参照)を配置した。図2にて後述するように、カム部材9の背面がサイドギヤ5の前面の段差嵌合部13に嵌合するように構成することによって、予圧付与部材10の受圧部Pとサイドギヤ5のスラスト受圧部Qとは軸方向が僅かにずれて(径方向のずれ)位置する。このように、カム部材8、9が一対のサイドギヤ4、5間の回転軸近傍に配設されたことにより、カム部材の径方向の嵩が小さくできてコンパクトに構成されて軽量化される。しかも、予圧付与部材10もカム部材8、9の分割対向面間に配設されるので、カム部材と予圧付与部材とをユニット化してコンパクトな構成とすることができる。
【0012】
本実施の形態では、カム部材はピニオン軸2を挟持してほぼ対称的に2分割されたカム部材8、9からなり、それぞれの対向面にピニオン軸2との間でカム作用がなされるように傾斜したカム面8E、8Fおよび9E、9Fが形成される。
これらのカム面8E、8F、9E、9Fは、ドライブ側とコースト側で傾斜角度を異ならせて、異なったトランスファーレシオを得ることも可能である。図2に示すように、カム部材9(カム部材8も同様)の対向面には4つのばね穴9A、9B、9Cおよび9Dが刻設され、これらの底部が予圧付与部材10の受圧部Pを形成する。これらのばね穴9A、9B、9Cおよび9Dにそれぞれ予圧付与部材であるコイルスプリング10A、10B、10Cおよび10D(図1参照)が収容される。カム部材9の背面はサイドギヤ5の段差嵌合部13と嵌合する。これにより組付け時の位置決めおよび摺接面積の増加を可能とする。予圧付与部材10はコイルスプリングの他、皿ばね、波板ばね等も採用され得る。
【0013】
このように構成されているので、デフケース1からの回転駆動力が、ピニオン軸2に伝達されてくると、走行中の軽度のスリップ時には、予圧付与部材である4つのコイルスプリング10によって発生したイニシャルトルクにより、カム部材8、9から剛性の高いサイドギヤ4、5を介して摩擦クラッチ部であるコーンクラッチ6、7を圧接して大きな差動制限力が得られ、低速車輪側にも駆動力が伝達され、悪路での脱出性能を向上させることができる。このように、ピニオン軸2とカム部材8、9との間のカム作用により生じる差動制限力が付加されるので、予圧付与部材であるコイルスプリング10の容量は小さくて済み、従来のもののようなスプリング座としてのリテーナ等が不要となる上、これに代わるカム部材等にも異常磨耗をもたらすような大きな曲げ力が作用することもない。
【0014】
また、本実施の形態では、カム部材8、9をピニオン軸2を挟持して2分割するとともに、これら分割対向面間に予圧付与部材10を配設するように構成したことにより、これらの部品を組み立てる際には、図1の左側の部品である第1デフケース1Aに第1サイドギヤ4を組み付けた後、第1サイドギヤ4を下にしてデフケース1Aを起立させて、分割対向面間に予圧付与部材10を配設してユニット化されたカム部材8、9を、第1サイドギヤ4の段差嵌合部13に嵌合することができる。この状態において、予圧付与部材10により分離拡開したカム部材8、9の対向面間にピニオン軸2をた易く挿入して組み付けることができる。
その後、第2サイドギヤ5を組み付けた第2デフケース1Bを第1デフケース1Aに締結して組立てを完了する。
【0015】
図3は本発明の差動制限装置の第2実施の形態を示し、要部側面および断面図である。本実施の形態のものは、前記第1実施の形態のもののような段差嵌合部13に相当するものがなく、カム部材9(第1カム部材8も同様)のストレートな背面が、同様にストレートなサイドギヤ5の前面に摺接するものである。したがって、本実施の形態では、カム部材9における予圧付与部材10の受圧部Pとサイドギヤ5におけるスラスト受圧部Qとをほぼ軸方向にて一致させることができる。したがって、予圧付与部材10からのスラスト力およびカム部材によるカム力を、直に高い剛性のカム部材9およびサイドギヤ5を介して格別の曲げ変形を伴うことなく摩擦クラッチ部に確実に伝えることができる上、カム部材9とサイドギヤ5との間の摺接面積も大きく確保でき、面圧を低く抑えて耐久性を向上させることができる。
【0016】
図4は本発明の差動制限装置の第3実施の形態を示し、要部側面および断面図である。本実施の形態のものは、カム部材9とサイドギヤ5間に予圧付与部材10を配設したものである。本実施の形態では、カム部材9の背面とサイドギヤ5の前面との間に形成される摺接面に刻設された段部(図示の例ではサイドギヤ5側に皿ばね10を収納する段部が刻設されているが、カム部材9側に段部が刻設されてもよい。)に予圧付与部材としての皿ばね10が配設されたもので、皿ばねに代えて波板ばね等でもよい。また、これら皿ばね10と接する摺接面に耐磨耗性メタル等を介設してもよい。
【0017】
このような構成により、通常は皿ばね等の予圧付与部材10により隔離されたカム部材9とサイドギヤ5との間において皿ばね10による予圧が軸方向に付与されているが、ピニオン軸2からの回転駆動力が伝達されると、カム部材9におけるカム面9との間のカム作用により、カム部材9を皿ばね10の復元力に抗してサイドギヤ5側に押し付けて大きな差動制限力が得られる。本実施の形態のものでは、カム部材9にばね穴(図2の9A〜9D参照)等を刻設する必要がないので、カム部材の構造が簡素となる他、単品の皿ばね等が使用できて部品点数が削減され、部品紛失の機会も減少する。
【0018】
以上本発明の実施例を述べてきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、差動装置の形状、形式(ピニオン軸が単純な1本のものの他、三叉状や十字状ピニオン軸のものにも適用可能である)、サイドギヤとデフケース内側面との間に形成される摩擦クラッチ部の形状(実施の形態のもののような円錐面の他、回転軸と直交する平板面)、形式(単板、多板)、カム部材の形状(ドライブ側とコースト側で傾斜を異ならせたカム面としたり、カム部材とサイドギヤとの間の嵌合、摺接形態を含む関連構成、さらにカム部材についても、例えば前後輪間での差動制限装置として使用した場合には、実施の形態のもののようなピニオン軸を挟持する対称形に限定されずカム作用があれば非対称形の適宜の形状も採用され得る)、カム部材の配設部位(実施の形態のもののようにサイドギヤ間の回転軸近傍に配設する他、図5の従来例のもののようにピニオン軸とプレッシャプレートとの間などに配設することも可能である)等は適宜選定できる。
【0019】
また、予圧付与部材の形状、形式(コイルばね、皿ばね、波板ばね等)およびその配設部位(実施の形態のもののような、サイドギヤ間の回転軸近傍に配設されたカム部材の対向面間、カム部材の背面とサイドギヤとの間に配設する他、サイドギヤ間の回転軸近傍に配設されたカム部材と分離独立させて、前記図5の従来例のもののようにプレッシャプレートとの間に配設するような形式とすることも可能である)、カム部材における予圧付与部材の受圧部とサイドギヤのスラスト受圧部との位置関係(軸方向に一致させて一直線とすることが好適であるが、図1のもののように径方向にずれていてもよいし、段差嵌合部にてカム部材とサイドギヤとが嵌合した場合に、軸心側の隙間もなくして受圧部同士を一直線に構成してもよい)等については適宜選定可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、デフケースの回転軸に直交するピニオン軸に回転自在に軸支されたピニオンと該ピニオンと噛合する一対のサイドギヤとからなり、前記サイドギヤとデフケース内側面との間に形成された摩擦クラッチ部に予圧が付与された差動制限装置において、前記ピニオン軸との相対回転により摩擦クラッチ部にスラスト力を付与するカム部材を配設したことにより、ピニオン軸とカム部材とのカム作用により生じる差動制限力が付加されるので、予圧付与部材の容量は小さくて済み、従来のもののようなスプリング座としてのリテーナ等が不要となる上、これに代わるカム部材等にも異常磨耗や異音発生をもたらすような大きな曲げ力が作用することもなく、耐久性が向上する。
【0021】
また、前記カム部材を一対のサイドギヤ間の回転軸近傍に配設した場合は、カム部材の径方向の嵩が小さくできてコンパクトに構成されて軽量化される。さらに、前記カム部材に予圧付与部材の受圧部を配設した場合は、カム部材の径方向の嵩が小さくできてコンパクトに構成される上、カム部材と予圧付与部材とをユニット化できて組付け性能が向上する。さらにまた、前記カム部材における予圧付与部材の受圧部にほぼ対応する軸方向に、前記サイドギヤのスラスト受圧部を配置した場合は、剛性の高いサイドギヤを介して予圧付与部材による予圧はもとより、カム部材の何らの変形を伴うことなくカム力によるスラスト力を確実に摩擦クラッチ部に伝達することが可能となる。
【0022】
また、前記カム部材をピニオン軸を挟持して2分割した場合は、対称形のカム部材として部品の共用化が図れる他、前述のようなコンパクト化、軽量化、ユニット化、さらには、ピニオン軸の組付け性が向上する。さらに、前記カム部材とサイドギヤ間に予圧付与部材を配設した場合は、カム部材にばね穴等を刻設する必要がなくて構造が簡素化される他、皿ばね等を予圧付与部材に採用できて部品数が削減でき、紛失の機会も減少する。かくして、小容量の予圧付与部材を採用しつつも大きなイニシャルトルクが得られ、リテーナが廃止できるとともに、異常磨耗による弊害を解消できて耐久性の高い差動制限装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置の第1実施の形態を示す全体図である。
【図2】同、差動制限装置の要部側面および断面図である。
【図3】本発明の差動制限装置の第2実施の形態を示す要部側面および断面図である。
【図4】本発明の差動制限装置の第3実施の形態を示す要部側面および断面図である。
【図5】従来の予圧付与型差動制限装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 デフケース
1A 第1デフケース
1B 第2デフケース
2 ピニオン軸
3 ピニオン
4 第1サイドギヤ
5 第2サイドギヤ
6 第1摩擦クラッチ部(コーンクラッチ等)
7 第2摩擦クラッチ部(コーンクラッチ等)
8 第1カム部材
8E、8F カム面
9 第2カム部材
9A〜9D ばね穴
9E、9F カム面
10A〜10D 予圧付与部材(コイルスプリング等)
11 第1出力軸
12 第2出力軸
13 段差嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフケースの回転軸に直交するピニオン軸に回転自在に軸支されたピニオンと該ピニオンと噛合する一対のサイドギヤとからなり、前記サイドギヤとデフケース内側面との間に形成された摩擦クラッチ部に予圧が付与された差動制限装置において、前記ピニオン軸との相対回転により摩擦クラッチ部にスラスト力を付与するカム部材を配設したことを特徴とする差動制限装置。
【請求項2】
前記カム部材を一対のサイドギヤ間の回転軸近傍に配設したことを特徴とする請求項1に記載の差動制限装置。
【請求項3】
前記カム部材に予圧付与部材の受圧部を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の差動制限装置。
【請求項4】
前記カム部材における予圧付与部材の受圧部にほぼ対応する軸方向に、前記サイドギヤのスラスト受圧部を配置したことを特徴とする請求項3に記載の差動制限装置。
【請求項5】
前記カム部材をピニオン軸を挟持して2分割したことを特徴とする請求項3または4に記載の差動制限装置。
【請求項6】
前記カム部材とサイドギヤ間に予圧付与部材を配設したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の差動制限装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2004−218788(P2004−218788A)
【公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−8958(P2003−8958)
【出願日】平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願人】(000225050)栃木富士産業株式会社 (409)
【Fターム(参考)】