説明

差動送信回路、差動受信回路、信号伝送回路および信号伝送システム

【課題】消費電流を削減することができ、回路設計が簡単な信号伝送回路を実現することができる。
【解決手段】差動送信回路ブロック110は、アイドル状態のときに所定の論理信号に固定された差動出力信号を差動受信回路ブロックに出力すると共に、終端抵抗118aと118bを信号伝送路から切り離す。差動受信回路ブロック130において、差動比較回路131は、差動送信回路ブロック110からの差動出力信号の符号により決まる論理を出力し、動作状態検出回路136は、差動比較回路131が所定の論理を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行い、アイドル状態を検出した際に、終端抵抗134aと134bを受信側の信号伝送回路から切り離すようにスイッチ132aと132bを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号伝送、具体的には差動入出力回路による信号伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(大規模集積回路)製造技術の進歩につれて、動作周波数が1GHzを越える高性能MPU(Micro Processer Unit)が開発されている。情報処理機器特にサーバー/ワークステーションにおいてこのようなMPUが用いられる場合には、高速かつ大量のデータ伝送が必要である。そのための接続方式として、例えばFB−DIMM(Fully Buffered Dual Inline Memory Module)を用いてMPUとメモリの各モジュール間をPTP(Point−to−Point)で接続する方式が用いられている。FB−DIMMは、メモリチップの他に各モジュール間の接続用にAMB(Advanced Memory Buffer)チップを搭載し、接続インタフェースには高速シリアル・インタフェース仕様「FB−DIMM High Speed Differential PTP Link at 1.5V」を採用している。
【0003】
一般に、高速伝送において、伝送線路長による反射の影響を防ぐために、インピーダンスマッチングを考慮して送受信回路に終端抵抗を設けることが行われている。
【0004】
図7は、終端抵抗を設けた差動送受信回路の例を示している。この差動送受信回路は、差動送信回路ブロック20と、差動受信回路ブロック30と、アイドル状態検出回路ブロック40を備える。
【0005】
差動送信回路ブロック20は、定電流源22と、定電流源22からの定電流を受けてミラー回路を構成するNチャネルトランジスタ(以下Nトランジスタという)23aおよび23bと、電源線24に接続して定電流源を構成するPチャネルトランジスタ(以下Pトランジスタという)25aおよび25bと、論理出力するためのスイッチとして機能するPトランジスタ26aおよび26bと、接地線27に接続する終端抵抗28aおよび28bを有する。
【0006】
Pトランジスタ26aと26bのゲートは入力端子21aと21bにそれぞれ接続され、ドレインは終端抵抗28aと28bにそれぞれ接続される。また、Pトランジスタ26aと26bのソースはPトランジスタ25bのドレインに接続されており、Pトランジスタ26aと終端抵抗28aとの間、およびPトランジスタ26bと終端抵抗26bとの間に、出力端子29aと29bがそれぞれ接続されている。入力端子21aと21bを介してLSI内部の差動論理信号が入力され、Pトランジスタ26aと26bを流れる電流値と終端抵抗28aおよび28bの抵抗値とから決まる電圧値が論理振幅として出力端子29aと29bから出力される。
【0007】
差動受信回路ブロック30は、差動比較回路33と、差動比較回路33の2つの入力と接地線34との間にそれぞれ接続された終端抵抗35aと35bを有する。差動送信回路ブロック20の出力端子29aと29bからの差動出力は、入力端子31aと31bを介して差動比較回路33に入力され、それらの符号差で決まる論理信号は出力端子36から出力される。
【0008】
アイドル状態検出回路ブロック40は、1対の差動比較回路41aおよび41bと、差動比較回路41aと41bの出力を入力とする論理NOR回路42を有する。差動比較回路41aと41bの正論理入力側は、入力端子31aと31bにそれぞれ接続されており、負論理入力側は、アイドル状態を判別するための基準電圧を入力する基準電圧入力端子44に接続されている。
【0009】
このように構成されたアイドル状態検出回路ブロック40は、入力端子31aおよび31bの信号レベルと基準電圧との比較を行い、いずれの入力端子の信号レベルも基準電圧より低いことを条件に、差動送信回路ブロック20と差動受信回路ブロック30間にデータの送受信が無いすなわち差動送受信回路がアイドル状態であることを判定し、それを示すHi論理出力を判定端子43から出力する。
【0010】
終端抵抗が設けられた差動送受信回路では、データの送受信が無いときに送信側(差動送信回路ブロック20側)の論理出力を固定すると、終端抵抗の存在により定常的に電流が消費されてしまうという問題がある。図7に示す差動送受信回路によれば、データの送受信が無いときにPトランジスタ26aと26bをOFFにし出力をHi−Z(ハイ・インピーダンス)状態にすることによって、アイドル状態における電流の消費を防ぐことができる。
【0011】
また、アイドル状態において、送受信側の終端抵抗を介して放電が生じるため、入力端子31aと31bのいずれの信号レベルもLowになる。この場合、受信側(差動受信回路ブロック30側)は、実動作においてノイズなどの影響で微小な電位差に反応してしまい誤って信号を受信してしまう恐れがある。図7に示す差動送受信回路において、アイドル状態検出回路ブロック40により通常のデータの送受信状態と異なるアイドル状態を検出することにより、受信側の誤受信を防ぐことができる。
【0012】
図8は、終端抵抗を設けた差動送受信回路の送信側の他の例を示す。なお、図8において、図7に示す差動送受信回路と同じものについては同じ符号を付与し、それらの詳細な説明を省略する。
【0013】
図8に示すように、差動送信回路ブロック50において、定電流源を構成するPトランジスタ25bのゲートと電源線24間の接続をON/OFF可能なスイッチ54と、Pトランジスタ25aのゲートと、Pトランジスタ25aのドレインおよびNトランジスタ23bとの接続をON/OFF可能なスイッチ58が設けられている。この2つのスイッチは、制御端子51からの制御信号により相補的にON/OFFするように制御される。具体的には、データの送信時にはスイッチ54がOFFし、スイッチ58がONする一方、アイドル状態のときにはスイッチ54がONし、スイッチ58がOFFする。こうすることによって、アイドル状態において、ドライバ電流源となるPトランジスタ25bがOFFし、Pトランジスタ26aと26bを流れる電流がパワーダウンする。したがって、アイドル状態における終端抵抗の消費電流を軽減することができる。
【0014】
特許文献1には、アイドル状態時に終端抵抗を切り離すことによって消費電力の削減を図る手法が開示されている。図9は、特許文献1の図1に対して、接地線に符号7を付与したものであり、これを参照して特許文献1の手法を説明する。
【0015】
図9に示す入力インタフェース回路10は、入力接点1からの信号をサンプリングするサンプリング回路4と、終端抵抗3を備える。また、サンプリング回路4および終端抵抗3と入力接点の間に、サンプリング制御信号5によりON/OFFの制御がなされるスイッチング素子2が設けられている。電源電圧は、入力接点1とスイッチング素子2を経由してサンプリング回路4に印加される。サンプリング回路4の入力インピーダンスは通常大きな値であるため、入力接点1、スイッチング素子2に流れる電流iの大部分は終端抵抗3に流れるため、終端抵抗3の抵抗値により入力接点、スイッチング素子2に流れる電流iが決定される。サンプリング回路4は、サンプリング制御信号5にしたがって印加される電圧をサンプリングし、入力接点1のON/OFFを検知する。入力接点1がONの場合には、サンプリング回路4の入力に電源電圧が印加されるため、サンプリング回路4はサンプリング値6としてHiレベルを出力する。入力接点がOFFの場合には、サンプリング回路4の入力には電源電圧が印加されないため、サンプリング回路4はサンプリング値6としてLowレベルを出力する。スイッチング素子2は、サンプリング制御信号5に従って、サンプリング制御信号5が到来したときにONし、それ以外はOFFする。これにより、サンプリング回路4がサンプリングするときだけスイッチング素子2がONして電流が流れ、それ以外のときはスイッチング素子2がOFFして電流が流れない。このような構成によって、終端抵抗3で消費される電力を軽減することができる。
【特許文献1】特開平10−209830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
近年、データの大容量化、伝送の高速化が進み、送受信回路の低消費電力化に対する要求がますます高まっている。例えば、大容量のデータを高速に伝送するために、メモリモジュール間は複数レーンで接続されることが行われており、FB−DIMMの場合は、高速シリアル・インタフェースを並列化して、隣接するモジュール間を24レーンで接続することが仕様で定められている。各レーンにおいてインピーダンスマッチングのために終端抵抗が設けられた伝送路では、レーンの数が多いほど終端抵抗の消費電力が多くなるため、アイドル状態時における終端抵抗の消費電力の削減がより要求されるようになっている。
【0017】
図7に示す差動送受信回路では、アイドル時に差動送信回路ブロック20の出力をHi−Z状態にすることによって終端抵抗の電流消費を軽減している。そのため、アイドル時に差動送信回路ブロック20の2つの出力端子の信号レベルが共にLowとなり、誤受信を防ぐためのアイドル状態の検出に基準電圧が必要である。小振幅の信号に対応するためにノイズマージンを十分考慮してアイドル状態を判定する必要があるので、この基準電圧は、高精度で、かつ、電源変動や温度変動の影響を受けず、常に一定の値である必要がある。そのため、この基準電圧を生成するための専用のアナログ回路を設ける必要があり、設計が複雑になると共にレイアウト面積も増大してしまうという問題がある。
【0018】
図8に示す差動送信回路ブロック50では、アイドル時にPトランジスタ26aと26bを流れる電流をパワーダウンさせることによって終端抵抗の消費電流を軽減しているが、このときに差動送信回路ブロック50は、Hi−Z出力状態になる。そのため、図7に示す差動送受信回路と同じように、受信側でアイドル状態を検出するための基準電圧が必要であるゆえの上記問題がある。
【0019】
図9に示す入力インタフェース回路10では、アイドル時に終端抵抗3で消費される電力を軽減することができるが、そのときにサンプリング回路4への入力レベルが接地線7のレベルになってしまうため、アイドル状態と、入力インタフェース10に入力される信号の論理「0」状態とは、サンプリング値6で区別できないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の1つの態様は差動送信回路である。この差動送信回路は、入力された差動入力信号に応じた差動出力信号を出力する送信側信号伝送回路と、該送信側信号伝送回路からの前記差動出力信号を出力する一対の出力端子と、前記送信側信号伝送回路と前記一対の出力端子との間にそれぞれ並列に接続された1対の送信側終端抵抗と、前記差動入力信号として固定された論理データが入力されるアイドル状態のときに、前記一対の送信側終端抵抗を前記送信側信号伝送回路から切り離す送信側終端抵抗接続制御回路とを備える。
【0021】
本発明の別の態様は差動受信回路である。この差動受信回路は、一対の入力端子と、該一対の入力端子から入力された差動信号の符号により決まる論理信号を出力する受信側信号伝送回路と、前記一対の入力端子と前記受信側信号伝送回路との間にそれぞれ並列に接続された1対の受信側終端抵抗と、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すことが可能な受信側終端抵抗接続制御回路と、動作状態検出回路を備える。該動作状態検出回路は、前記受信側信号伝送回路が所定の論理を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行うと共に、アイドル状態を検出した際に、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すように前記受信側終端抵抗接続制御回路を制御する。
【0022】
本発明のさらなる別の態様は、上述した差動送信回路と差動受信回路を備えた信号伝送回路である。この信号伝送回路において、差動送信回路と差動受信回路として、上述した差動送信回路と差動受信回路が適用される。
【0023】
本発明のさらなる別の態様は、複数の信号伝送レーンと、アイドル状態検出回路とを備えた信号伝送システムである。各前記信号伝送レーンは、差動送信回路と差動受信回路とを有し、差動送信回路として、上述した差動送信回路が適用される。差動受信回路は、前記差動送信回路からの差動出力信号を入力する一対の入力端子と、該一対の入力端子から入力された前記差動出力の符号により決まる論理信号を出力する受信側信号伝送回路と、前記一対の入力端子と前記受信側信号伝送回路との間にそれぞれ並列に接続された1対の受信側終端抵抗と、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すことが可能なスイッチ制御回路とを備える。前記アイドル状態検出回路は、各前記信号伝送レーンの差動受信回路から出力された論理信号が同一の所定の論理を出力することを条件にアイドル状態判断用信号を出力するアイドル状態判断用信号出力回路と、該アイドル状態判断用信号出力回路が前記アイドル判断用信号を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行うと共に、アイドル状態を検出した際に、各前記信号レーンにおける前記差動受信回路の前記スイッチ制御回路に対して、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すように制御を行う受信側終端抵抗切離す制御回路とを備える。
【0024】
なお、上記各態様を組み合せたものや、上記各態様を方法に置き換えて表現したものも、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかる技術によれば、消費電流を削減することができ、回路設計が簡単な信号伝送回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態の差動送受信回路100を示す。差動送受信回路100は、電流ドライバ側の差動送信回路ブロック110と、差動受信回路ブロック130を備える。
【0027】
差動送信回路ブロック110は、定電流源111と、定電流源111からの定電流を受けてミラー回路を構成するNトランジスタ112aおよび112bと、電源線113に接続して定電流源を構成するPトランジスタ114aおよび114bと、論理出力するためのスイッチとして機能するPトランジスタ115aおよび115bと、接地線117に接続する終端抵抗118aおよび118bを有する。また、終端抵抗118aと接地線117との間に制御端子103からの制御信号によりON/OFFの制御がなされるスイッチ116aが設けられており、終端抵抗118bと接地線117との間にスイッチ116bが設けられており、Pトランジスタ115bのゲートと電源線113との間に、制御端子102からの制御信号によりON/OFFの制御がなされるスイッチ116cが設けられている。スイッチ116a〜スイッチ116cは、請求項でいう送信側終端抵抗接続制御回路として機能し、終端抵抗を除いた他の各要素は、請求項でいう送信側信号伝送路として機能する。
【0028】
Pトランジスタ115aと115bのゲートは入力端子101aと101bにそれぞれ接続され、ドレインは終端抵抗118aと118bにそれぞれ接続される。また、Pトランジスタ115aと115bのソースはPトランジスタ114bのドレインに接続されており、Pトランジスタ115aと終端抵抗118aとの間、およびPトランジスタ115bと終端抵抗118bとの間に、出力端子105aと105bがそれぞれ接続されている。入力端子101aと101bを介してLSI内部の差動論理信号が入力され、Pトランジスタ115aと115bを流れる電流値と終端抵抗118aおよび118bの抵抗値とから決まる電圧値が論理振幅として出力端子105aと105bから出力される。
【0029】
差動受信回路ブロック130は、差動比較回路131と、スイッチ132aおよび132bと、終端抵抗134aおよび134bと、動作状態検出回路136を備える。終端抵抗134aは、差動比較回路131の正論理入力側と接地線137の間に設けられており、スイッチ132aのON時に接地線137と接続され、スイッチ132bのOFF時に接地線137との接続が切断される。終端抵抗134bは、差動比較回路131の負論理入力側と接地線137の間に設けられており、スイッチ132bのON時に接地線137と接続され、スイッチ132bのOFF時に接地線137との接続が切断される。なお、スイッチ132aと132bは、請求項でいう受信側終端抵抗接続制御回路として機能し、終端抵抗と動作状態検出回路136を除いた他の各要素は、請求項でいう受信送信側信号伝送路として機能する。
【0030】
差動比較回路131は、入力端子121aと121bを介して受信した出力端子105aと105bからの差動信号を入力とし、この差動信号の符号から決まる論理信号(HiまたはLow)を出力端子124から出力する。
【0031】
動作状態検出回路136は、差動比較回路131の出力から差動送受信回路100の動作状態を検出し、それに基づいてスイッチ132aおよび132bのON/OFFを制御する。
【0032】
次いで、図2と図3を参照して、差動送受信回路100の各機能ブロックの詳細動作について説明する。
差動送受信回路100は、5つの状態をとりうる。図2は、差動送受信回路100の各状態において、差動送信回路ブロック110の出力(出力端子105aおよび入力端子121aの信号レベルと、出力端子105bと入力端子121bの信号レベル)の態様を示しており、図3は、差動送受信回路100の各状態の説明と、これらの状態において、スイッチ116a、スイッチ116c、およびスイッチ132aとスイッチ132bのON/OFF態様を示している。なお、前述したように、スイッチ116aのON/OFFは制御端子103からの制御信号により制御され、スイッチ116cのON/OFFは、制御端子102からの制御信号により制御され、スイッチ132aおよび132bのON/OFFは、動作状態検出回路136により制御される。
【0033】
なお、差動送受信回路100の5つの状態のいずれにおいても、スイッチ116bは、ONしている。
【0034】
差動送受信回路100の状態1は、通常のデータ送受信中の状態であり、以下通常状態ともいう。図3に示すように、この状態において、スイッチ116aがONし、スイッチ116cがOFFし、スイッチ132aと132bがONする。送信側においてスイッチ116aおよび116bがONしているため、終端抵抗118aと118bが接地線117に接続される。受信側において、スイッチ132aと132bがONしているため、終端抵抗134aと134bが接地線137と接続される。さらに、スイッチ116cがOFFであるため、Pトランジスタ115bは入力端子101bに対応してスイッチング動作可能状態にする。これによってデータが差動送信回路ブロック110から出力され、差動受信回路ブロック130に受信される。図2に示すように、この状態において、差動送信回路ブロック110の出力、すなわち送受信されるデータの信号振幅電圧は通常状態のVOLである。
【0035】
状態2は、状態1からアイドル状態に遷移するときにアイドル状態を通知する状態である。図3に示すように、この状態において、スイッチ116aがOFFし、スイッチ116cがONし、スイッチ132aおよび132bが引続きONしている。また、この状態において、入力端子101aからLowレベルの信号が入力される。
【0036】
送信側において、入力端子101aからLowレベルの信号が入力されるため、Pトランジスタ115aがONする。また、スイッチ116aがOFFしているため、終端抵抗118aが切り離され、出力端子105aの信号レベルがHiになる。一方、スイッチ116cがONしているため、Pトランジスタ115bのゲートが電源電圧にクランプアップされ、Pトランジスタ115bはOFFする。また、スイッチ116bがONしているため、出力端子105bの信号レベルがLowになる。なお、Pトランジスタ115bのOFFおよびスイッチ116aのOFFにより、終端抵抗118aと118bは、共に電流を消費しない。
【0037】
受信側では、入力端子121aの信号レベルがHiであり、入力端子121bの信号レベルがLowであるため、差動比較回路131からの出力はHi論理に固定される。また、スイッチ132aと132bがONしているため、終端抵抗134aと134bが接地線137と接続されている。これにより、図2に示すように、差動送信回路ブロック110の出力信号の振幅電圧は、通常状態時の2倍、すなわち2×VOLになっている。
【0038】
本実施の形態において、動作状態検出回路136は、差動比較回路131の出力がHi論理であることが所定の時間続いたことを条件に、差動送受信回路100がアイドル状態に入ったことを検出する。動作状態検出回路136は、アイドル状態を検出すると、スイッチ132aと132bがOFFするように制御する。これにより、差動送受信回路100は、状態3に遷移する。
【0039】
状態3において、スイッチ116aがOFFし、スイッチ116cがONし、スイッチ132aおよび132bがOFFしている。また、入力端子101aから引き続きLowレベルの信号が入力される。スイッチ132aと132bがOFFすることにより、受信側の終端抵抗も切り離される。そのため、状態3においては、図2に示すように、差動送信回路ブロック110の出力端子105aの信号レベルが電源電圧VDDまで上昇する。なお、この状態では、送信側の終端抵抗118aと118bに加え、受信側の終端抵抗134aと134bも電流を消費しない。
【0040】
状態4は、状態3から通常状態すなわち状態1への遷移を通知する状態である。図3に示すように、この状態において、スイッチ116aがONし、スイッチ116cがOFFし、スイッチ132aと132bが引き続きOFFしている。スイッチ116cのOFFによりPトランジスタ115b入力端子101bに対応してスイッチング動作可能状態にする。また、送信側の終端抵抗118aと118bが接地線117に接続され、受信側の終端抵抗134aと134bが切り離されているため、差動送信回路ブロック110の出力信号の振幅電圧は通常状態時の2倍すなわち2×VOLになる。これにより、差動比較回路131の出力がHi論理からLow論理に変わる。
【0041】
動作状態検出回路136は、差動比較回路131の出力の立下げを検出したことを条件に、スイッチ132aと132bがONするように制御する。これにより、送信側と受信側の終端抵抗が共に接地線と接続され、差動送受信回路100は、通常状態に復帰した状態5になり、差動送信回路ブロック110の出力信号の振幅電圧は通常状態のVOLとなる。なお、この状態5は、状態1と同じ通常状態である。
【0042】
本実施の形態の差動送受信回路100では、アイドル状態において、送受信側の終端抵抗を切り離すため、アイドル状態時における終端抵抗の消費電流を削減することができる。
【0043】
また、通常状態からアイドル状態への遷移を、差動送信回路ブロック110の2つの出力をそれぞれHiとLOWに固定することによって通知するので、動作状態検出回路136は、差動比較回路131のHi論理出力が所定の時間継続したことでアイドル状態を検出することができる。そのため、図7と図8に示す従来技術のようにアイドル状態を検出するための基準電圧を必要とせず、回路の設計の簡素化、回路の小規模化を図ることができる。
【0044】
また、図8に示す差動送受信回路では、アイドル状態時に、ドライバ電流源となるPトランジスタ25bをOFFさせることによって、終端抵抗の消費電流を軽減している。定電流源がアナログ的に制御されるため、Pトランジスタ25bが一旦OFFされてしまうと、アイドル状態から通常状態へ復帰する際に、Pトランジスタ25bのゲート電圧が安定するまで時間がかかり、高速動作が要求されるシステムの仕様を満たすことができない問題がある。それに対して、本実施の形態の差動送受信回路100では、ドライバ電流源を構成するPトランジスタ114bをOFFさせることなくアイドル状態における消費電流の削減を実現しているので、アイドル状態から通常状態へ高速に復帰できる。
【0045】
なお、アイドル状態から通常状態へ復帰した直後では、終端抵抗の接続タイミングによる伝送遅延などの影響で信号の振幅が安定しないことが考えられる。しかし、近年の受信回路では、通常、データを安定して受信するためのCDR(Clock Data Recovery)機能を備えているので、復帰直後において、入力信号としてトレーニングパターンや同期パターンを挿入すれば、復帰直後の信号振幅の不安定性を容易に回避できる。
【0046】
本第1の実施の形態において、例としてドライバ電流源をPトランジスタ114aと114bで構成し、終端抵抗を接地線に接続するようにしているが、ドライバ電流源をNトランジスタで構成し、終端抵抗を電源線に接続してもよい。この場合、図1に示す全ての電源線を接地線に、接地線を電源線にすると共に、すべてのPトランジスタをNトランジスタに、NトランジスタをPトランジスタにすればよい。
【0047】
さらに、一般的な差動回路では、入力信号(差動送受信回路100における入力端子101aと101bからの信号に対応する)が電源電圧レベルまでフルスイングすることは無いので、アイドル状態時に出力のスイッチとして機能するPトランジスタ115bのOFFを完全にできない。それに対して、本実施の形態では、スイッチ116cを設け、アイドル状態時にスイッチ116cをONさせることによってPトランジスタ115bのゲート電圧を電源電圧にクランプアップさせることによってPトランジスタ115bを完全にOFFすることができる。ひいては、アイドル状態時における終端抵抗118bの電流消費を完全に回避することができる。
<第2の実施の形態>
【0048】
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる差動送受信回路200を示す。差動送受信回路200は、第1の実施の形態の差動送受信回路100における動作状態検出回路136と各スイッチを具現化したものである。図4において、動作状態検出回路136と各スイッチを除いて、差動送受信回路100と同じものについては同じ符号を付与し、それらの詳細な説明を省略する。また、図4に示す差動送受信回路200も、図1に示す差動送受信回路100と同様に、状態1〜状態5の5つの状態をとりうる。
【0049】
図4に示すように、差動送受信回路200の差動送信回路ブロック210において、終端抵抗118aと接地線117間にNトランジスタ216aが設けられており、終端抵抗118bと接地線117との間にNトランジスタ216bが設けられており、Pトランジスタ115bと電源線113との間にPトランジスタ216cが設けられている。
【0050】
Nトランジスタ216aは、ゲートが制御端子203と接続され、ソースが接地線117と接続され、ドレインが終端抵抗118aと接続されている。Nトランジスタ216aは、制御端子203からの制御信号がHiであるときにONし、LowであるときにOFFする。すなわち、Nトランジスタ216aは、差動送受信回路100におけるスイッチ116aに対応し、状態1(通常状態)、状態4(通常状態通知)、状態5(通常状態復帰)のときに、制御端子203からHiとなる制御信号が入力されることによってONし、状態2(アイドル状態通知)、状態3(消費電流最少アイドル状態)のときに、制御端子203からLowとなる制御信号が入力されることによってOFFする。
【0051】
Nトランジスタ216bは、差動送受信回路100におけるスイッチ116bに対応し、ゲートが電源線113と接続され、ソースが接地線117と接続され、ドレインが終端抵抗118bと接続されているため、常にONしている。
【0052】
Pトランジスタ216cは、ゲートが制御端子203と接続され、ソースが電源線と接続され、ドレインがPトランジスタ115bのゲートに接続されている。Pトランジスタ216cは、制御端子203からの制御信号がHiであるときにOFFし、LowであるときにONする。すなわち、Pトランジスタ216cは、Nトランジスタ216aと相補的にON/OFFし、差動送受信回路100におけるスイッチ116cに対応する。
【0053】
差動送信回路ブロック210は、このような構成によって、差動送受信回路100における差動送信回路ブロック110と同じ機能を実現する。さらに、スイッチとして機能するNトランジスタ216aとPトランジスタ216cは、1つの制御端子203を共有することができるので、回路の構成が簡単である。
【0054】
差動受信回路ブロック230において、Nトランジスタ232aと232b、動作状態検出回路236は、差動受信回路ブロック130におけるスイッチ132aと132b、動作状態検出回路136にそれぞれ対応する。
【0055】
動作状態検出回路236は、フリップフロップ回路(以下D−FFという)237とHiレベル検出回路238を備える。
【0056】
Hiレベル検出回路238は、差動比較回路131の出力がHi論理であることが所定の時間続いたことを条件に、差動送受信回路200がアイドル状態に入ったとし、D−FF237にリセットパルスを出力する。Hiレベル検出回路238は、例えば差動比較回路131がHi論理を連続出力する時間をカウントするタイマー回路などで構成できる。
【0057】
D−FF237は、エッジトリガー型フリップフロップ回路であり、差動比較回路131の出力がHi論理からLow論理へ立ち下がるときにHi論理を出力する。前述したように、差動比較回路131の出力がHi論理からLow論理への立下り時は、状態4(通常状態通知)に該当する。また、D−FF237は、Hiレベル検出回路238からリセットパルスを受信した際に、Low論理を出力する。
【0058】
すなわち、動作状態検出回路236は、差動比較回路131の出力がHi論理であることが所定の時間続いたことによりアイドル状態を検出した際にLow論理を出力し、差動比較回路131の出力の立下りすなわちアイドル状態から通常状態への復帰を検出した際にHi論理を出力する。
【0059】
動作状態検出回路236の出力により、Nトランジスタ232aと232bのON/OFFが制御される。Nトランジスタ232aは、ゲートが動作状態検出回路236の出力に接続され、ソースが接地線137に接続され、ドレインが終端抵抗134aに接続される。Nトランジスタ232bは、ゲートが動作状態検出回路236の出力に接続され、ソースが接地線137に接続され、ドレインが終端抵抗134bに接続される。Nトランジスタ232aと232bは、動作状態検出回路236からHi論理が出力されるときにONし、それぞれに接続された終端抵抗を接地線137に接続する。一方、Nトランジスタ232aと232bは、動作状態検出回路236からLow論理が出力されるときにOFFし、それぞれに接続された終端抵抗を切り離す。
【0060】
このように、動作状態検出回路236、Nトランジスタ232aと232bは、差動送受信回路100における差動受信回路ブロック130の動作状態検出回路136、スイッチ132aと132bとそれぞれ同様な機能をする。従って、差動受信回路ブロック230は、差動受信回路ブロック130と同様な機能を実現する。
【0061】
本実施の形態の差動送受信回路200は、図1に示す差動送受信回路100と同じ効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
【0062】
図5は、本発明の第3の実施の形態にかかる差動送受信回路300を示す。差動送受信回路300は、トランジスタのON抵抗が、そのゲート幅とゲート長の設計で決まることを利用して、図4に示す差動送受信回路200に対して、終端抵抗とそれに接続されるスイッチを一体化したものである。この点を除いて、他の各機能要素は、図4に示す差動送受信回路200と同じであるので、差動送受信回路300に対して、送受信側の終端抵抗とそれに接続されるスイッチについてのみ説明する。
【0063】
差動送受信回路300の差動送信回路ブロック310において、Nトランジスタ318aは、差動送受信回路200の差動送信回路ブロック210における終端抵抗118aとNトランジスタ216aに対応し、Nトランジスタ318bは、差動送受信回路200の差動送信回路ブロック210における終端抵抗118bとNトランジスタ216bに対応する。電圧制御回路319は、制御端子203からの制御信号に応じてNトランジスタ318aとNトランジスタ318bのゲートにアナログ的に電圧を印加する。具体的には、制御端子203からの制御信号がHiであるときすなわち状態1(通常状態)、状態4(通常状態通知)、状態5(通常状態復帰)のときに、電圧制御回路319は、Nトランジスタ318aと318bがONするように電圧を印加する。これにより、Nトランジスタ318aと318bのON抵抗が終端抵抗として機能する。一方、制御端子203からの制御信号がLowであるときすなわち状態2(アイドル状態通知)、状態3(消費電流最少アイドル状態)のときに、電圧制御回路319は、Nトランジスタ318aと318bのゲート電圧が接地レベルになるように電圧を印加する。これにより、Nトランジスタ318aと318bがOFFし、終端抵抗が切り離されることになる。
【0064】
差動受信回路ブロック330において、Nトランジスタ334aは、差動送受信回路200の差動受信回路ブロック230における終端抵抗134aとNトランジスタ232aに対応し、Nトランジスタ334bは、差動送受信回路200の差動受信回路ブロック230における終端抵抗134bとNトランジスタ232bに対応する。電圧制御回路335は、動作状態検出回路236の出力に応じてNトランジスタ334aとNトランジスタ334bのゲートにアナログ的に電圧を印加する。具体的には、動作状態検出回路236の出力がHiであるときに、電圧制御回路335は、Nトランジスタ334aと334bがONするように電圧を印加する。これにより、Nトランジスタ334aと334bのON抵抗が終端抵抗として機能する。一方、動作状態検出回路236の出力がLowであるときに、電圧制御回路335は、Nトランジスタ334aと334bのゲート電圧が接地レベルになるように電圧を印加する。これにより、Nトランジスタ334aと334bがOFFし、終端抵抗が切り離されることになる。
【0065】
本第3の実施の形態の差動送受信回路300は、差動送受信回路100と差動送受信回路200と同様な効果を得ることができる。
<第4の実施の形態>
【0066】
図6は、本発明の第4の実施の形態にかかる差動送受信システム400を示す。差動送受信システム400は複数のレーンを有し、1つのレーンは、1つ差動送受信回路を備える。差動送受信システム400は、複数の差動送受信回路440A〜400N以外に、差動送受信システム400がアイドル状態に入ったことを検出するアイドル状態検出回路450をさらに備える。
【0067】
差動送受信回路440A〜440Nは、同じ構成を有するため、ここで差動送受信回路440Aについてのみ説明する。
【0068】
差動送受信回路440Aは、差動送信回路ブロック410Aと、差動受信回路ブロック430Aを有する。差動送信回路ブロック410Aは、前述した第1から第3の実施の形態のいずれの差動送受信回路における差動送信回路ブロックであってもよいが、ここで第1の実施の形態の差動送受信回路100における差動送信回路ブロック110と同じ構成を例示している。差動送信回路ブロック410Aは、状態1(通常状態)、状態4(通常状態通知)、状態5(通常状態復帰)のときに、終端抵抗が接続されており、両出力端子から、LSI内部の差動論理信号が差動受信回路ブロック430Aに出力される。状態2(アイドル状態通知)のときに、差動送信回路ブロック410Aの終端抵抗が切り離され、一方の出力端子における信号レベルが2×VOLであり、他方の出力端子の信号レベルが接地電圧レベルである。また。状態3(消費電流最小アイドル通知)のときにおいても、差動送信回路ブロック410Aの終端抵抗が切り離されており、状態2のときに接地電圧レベルである出力端子の信号レベルは相変わらず接地電圧レベルであるが、後述する差動受信回路ブロック430Aの終端抵抗の切離しにより、他方の出力端子の信号レベルは電源電圧VDDとなる。
【0069】
差動受信回路ブロック430Aは、前述した第1から第3の実施の形態の差動送受信回路における差動受信回路ブロックの動作状態検出回路の代わりにスイッチ制御回路436Aが設けられた点を除き、これらの差動受信回路ブロックと同一の構成を有する。
【0070】
スイッチ制御回路436Aは、第1から第3の実施の形態における差動受信回路ブロックの動作検出回路と同じ機能を果たす。具体的には、状態1(通常状態)、状態4(通常状態通知)、状態5(通常状態復帰)のときに、終端抵抗が接続されるように差動受信回路ブロック430Aのスイッチを制御し、状態2(アイドル状態通知)のときに終端抵抗が切り離されるように差動受信回路ブロック430Aのスイッチを制御する。また、状態3(消費電流最小アイドル状態)時にも終端抵抗が引き続き切り離されるように差動受信回路ブロック430Aのスイッチを制御する。このような機能を果たすために、スイッチ制御回路436Aは、状態4のときに、自身の差動比較回路からの出力信号がHi論理から論理Lowへの立下りを検出して終端抵抗が接続されるようにスイッチを制御し、アイドル状態検出回路450からアイドル状態が検出されたことを示す信号を受信したとき(状態2)に終端抵抗が切り離されるようにスイッチを制御する。
【0071】
前述したように、FB−DIMMでは、高速シリアル・インタフェースが並列され、メモリモジュール間のデータ伝送は、24レーンの送受信回路で構成される。このような複数レーンのシステムでは、アイドル状態の検出は、システムの上位プロトコル状態から検出可能である。
【0072】
本実施の形態において、アイドル状態検出回路450は、差動送受信システム400のアイドル状態を検出するものであり、論理AND回路452と、Hiレベル検出回路454を備える。論理AND回路452は、請求項でいうアイドル状態判断用信号出力回路として機能し、Hiレベル検出回路454は、請求項でいう受信側終端抵抗切離す制御回路として機能する。
【0073】
論理AND回路452は、各差動送受信回路の出力、すなわち各差動送受信回路における差動受信回路ブロックの出力を入力し、すべての差動受信回路ブロックの出力がHi論理であるときにのみHi論理を出力する。
【0074】
Hiレベル検出回路454は、論理AND回路452が連続的にHi論理を出力する期間が所定時間に達した状態をアイドル状態とし、これを検出したときに、各差動受信回路ブロックにおけるスイッチ制御回路に、終端抵抗を切り離すことを示す信号を出力する。
【0075】
このように、本発明の技術は、複数レーンを有する差動送受信システムにも適用することができ、前述した各実施の形態の効果をより発揮することができる。
【0076】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、さまざまな変更、組合せ、増減を加えてもよい。これらの変更、組合せ、増減が加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる差動送受信回路を示す図である。
【図2】図1に示す差動送受信回路における差動送受信回路ブロックの出力信号の振幅電圧の態様を示す図である。
【図3】図1に示す差動送受信回路がとりうる5つの状態を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる差動送受信回路を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる差動送受信回路を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態にかかる差動送受信システムを示す図である。
【図7】従来の差動送受信回路を示す図である(その1)。
【図8】従来の差動送受信回路を示す図である(その2)。
【図9】アイドル状態時に終端抵抗を切り離す従来の技術の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0078】
100 差動送受信回路 101a〜b 入力端子
102 制御端子 103 制御端子
105a〜b 出力端子 110 差動送信回路ブロック
111 定電流源 112a〜b Nチャネルトランジスタ
113 電源線 114a〜b Pチャネルトランジスタ
115a〜b Pチャンネルトランジスタ 116a〜 スイッチ
117 接地線 118a〜b 終端抵抗
121a〜b 入力端子 124 出力端子
130 差動受信回路ブロック 131 差動比較回路
132a〜b スイッチ 134a〜b 終端抵抗
136 動作状態検出回路 137 接地線
200 差動送受信回路 203 制御端子
210 差動送信回路ブロック 216a〜b Nチャネルトランジスタ
216c Pチャネルトランジスタ 230 差動受信回路ブロック
232a〜b Nチャネルトランジスタ 236 動作状態検出回路
238 Hiレベル検出回路 300 差動送受信回路
310 差動送信回路ブロック 318a〜b Nチャネルトランジスタ
319 電圧制御回路 330 差動受信回路ブロック
334a〜b Nチャネルトランジスタ 335 電圧制御回路
400 差動送受信システム 410A 差動送信回路ブロック
430A 差動受信回路ブロック 436A スイッチ制御回路
440A〜N 差動送受信回路 450 アイドル状態検出回路
452 論理AND回路 454 Hiレベル検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された差動入力信号に応じた差動出力信号を出力する送信側信号伝送回路と、
該送信側信号伝送回路からの前記差動出力信号を出力する一対の出力端子と、
前記送信側信号伝送回路と前記一対の出力端子との間にそれぞれ並列に接続された1対の送信側終端抵抗と、
前記差動入力信号として固定された論理データが入力されるアイドル状態のときに、前記一対の送信側終端抵抗を前記送信側信号伝送回路から切り離す送信側終端抵抗接続制御回路とを備えることを特徴とする差動送信回路。
【請求項2】
前記送信側信号伝送回路は、
前記差動出力信号を出力するための一対のトランジスタから構成された差動対を有し、
前記一対の送信側終端抵抗は、前記差動対を構成する一対のトランジスタのドレイン側にそれぞれ接続されており、
前記送信側終端抵抗接続制御回路は、前記アイドル状態のときに、一方の前記送信側終端抵抗を前記送信側信号伝送回路から切り離すスイッチ回路と、他方の前記送信側終端抵抗と接続された前記トランジスタのゲート電圧をクランプすることによって該トランジスタをOFFするクランプ回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の差動送信回路。
【請求項3】
一対の入力端子と、
該一対の入力端子から入力された差動信号の符号により決まる論理信号を出力する受信側信号伝送回路と、
前記一対の入力端子と前記受信側信号伝送回路との間にそれぞれ並列に接続された1対の受信側終端抵抗と、
前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すことが可能な受信側終端抵抗接続制御回路と、
前記受信側信号伝送回路が所定の論理を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行うと共に、アイドル状態を検出した際に、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すように前記受信側終端抵抗接続制御回路を制御する動作状態検出回路とを備えることを特徴とする差動受信回路。
【請求項4】
前記動作状態検出回路は、前記所定の論理が連続した時間をカウントするタイマー回路を備えることを特徴とする請求項3に記載の差動受信回路。
【請求項5】
前記動作状態検出回路は、前記受信側信号伝送回路の出力が前記所定の論理から異なる論理への変化を検出するエッジトリガー型フリップフロップ回路を備え、
該フリップフロップ回路により前記変化を検出した際に、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路に接続するように前記受信側終端抵抗接続制御回路を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の差動受信回路。
【請求項6】
差動送信回路と差動受信回路を備えた信号伝送回路において、
前記差動送信回路は、
入力された差動入力信号に応じた差動出力信号を出力する送信側信号伝送回路と、
該送信側信号伝送回路からの前記差動出力信号を前記差動受信回路に出力する一対の出力端子と、
前記送信側信号伝送回路と前記一対の出力端子との間にそれぞれ並列に接続された1対の送信側終端抵抗と、
前記差動入力信号として固定された論理データが入力されるアイドル状態のときに、前記一対の送信側終端抵抗を前記送信側信号伝送回路から切り離す送信側終端抵抗接続制御回路とを備え、
前記差動受信回路は、
前記差動送信回路からの差動出力信号を入力する一対の入力端子と、
該一対の入力端子から入力された前記差動出力の符号により決まる論理信号を出力する受信側信号伝送回路と、
前記一対の入力端子と前記受信側信号伝送回路との間にそれぞれ並列に接続された1対の受信側終端抵抗と、
前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すことが可能な受信側終端抵抗接続制御回路と、
前記受信側信号伝送回路が所定の論理を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行うと共に、アイドル状態を検出した際に、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すように前記受信側終端抵抗接続制御回路を制御する動作状態検出回路とを備えることを特徴とする信号伝送回路。
【請求項7】
複数の信号伝送レーンと、
アイドル状態検出回路とを備えた信号伝送システムであって、
前記信号伝送レーンは、差動送信回路と差動受信回路とを有し、
前記差動送信回路は、
入力された差動入力信号に応じた差動出力信号を出力する送信側信号伝送回路と、
該送信側信号伝送回路からの前記差動出力信号を前記差動受信回路に出力する一対の出力端子と、
前記送信側信号伝送回路と前記一対の出力端子との間にそれぞれ並列に接続された1対の送信側終端抵抗と、
前記差動入力信号として固定された論理データが入力されるアイドル状態のときに、前記一対の送信側終端抵抗を前記送信側信号伝送回路から切り離す送信側終端抵抗接続制御回路とを備え、
前記差動受信回路は、
前記差動送信回路からの差動出力信号を入力する一対の入力端子と、
該一対の入力端子から入力された前記差動出力の符号により決まる論理信号を出力する受信側信号伝送回路と、
前記一対の入力端子と前記受信側信号伝送回路との間にそれぞれ並列に接続された1対の受信側終端抵抗と、
前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すことが可能なスイッチ制御回路とを備え、
前記アイドル状態検出回路は、
各前記信号伝送レーンの差動受信回路から出力された論理信号が同一の所定の論理を出力することを条件にアイドル状態判断用信号を出力するアイドル状態判断用信号出力回路と、
該アイドル状態判断用信号出力回路が前記アイドル判断用信号を連続して出力する時間が所定時間に達したことを検出することによりアイドル状態の検出を行うと共に、アイドル状態を検出した際に、各前記信号レーンにおける前記差動受信回路の前記スイッチ制御回路に対して、前記1対の受信側終端抵抗を前記受信側信号伝送回路から切り離すように制御を行う受信側終端抵抗切離す制御回路とを備えることを特徴とする信号伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−49672(P2009−49672A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213268(P2007−213268)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】