説明

差動駆動回路

【課題】差動伝送線路に接続されるトランジスタの寄生容量を減らすことによって、伝送速度の向上とEMIの低減を図る差動駆動回路を提供することを目的とする。
【解決手段】差動伝送線路を駆動するためのカレントミラーを用いた電流源及び該電流源からの電流を前記差動伝送線路に伝送するためのスイッチを備える駆動回路10と、前記カレントミラーを用いた電流源にバイアス電圧を与えるバイアス回路200と、を備え、差動伝送線路を駆動する電流値の制御をバイアス回路200内で行い、差動伝送線路に多数のトランジスタが接続することなく、前記バイアス電圧を生成し、生成した該バイアス電圧を変化させて、前記カレントミラーを用いた電流源の電流値を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低電圧差動信号を高速に伝送するための差動駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、差動伝送線路において、数100Mビット/秒以上の高速の信号伝送を実現するために,低電圧差動信号技術が用いられている。低電圧差動信号技術では、伝送速度の高速化のために信号振幅を小さくして電気信号を伝送していること、外部雑音耐性を上げ、EMIを低減するために2本の配線を利用して極性の異なる電気信号を伝送する差動伝送であることを特徴としている。この極性の異なる電気信号を伝送する差動伝送の駆動方法は、差動駆動回路において電流源から伝送路へ流れる電流の向きをスイッチで制御し、伝送路に差動電流を流すことで信号を伝送し、受信回路において終端抵抗によって電流を電圧に変換し信号を受信するものである。
【0003】
ところで、上記駆動方法による高速伝送においては、パッケージのピンに付加される寄生容量ですら問題となり、高速伝送を確保することができない場合も生じる。そこで、信号伝送速度を確保し、差動振幅を実現する技術が必要とされる。例えば下記特許文献1にこの技術が開示されている。
【0004】
図6は、下記特許文献1に記載の従来の差動駆動回路のブロック図である。
【0005】
この回路は、カレントミラーからなる電流源の電流値をスイッチの役割を果たすトランジスタによって制御することにより、信号の伝送時に駆動能力を高め、高速伝送の確保を実現している。また、信号の非伝送時には、駆動能力を下げ、低消費電力を実現している。
【0006】
しかし、図6に示すような差動駆動回路において、信号を伝送する際には常に駆動能力を高めるために電流量を増加させるため、消費電力が大きくなる。また、電源変動などによってコモン電圧も変動しEMI発生の原因となる。そのため、例えば下記特許文献2には、消費電力の増加量を抑えつつ信号伝送速度の向上させるプリエンファシス技術と、EMIの低減を図る電位可変技術が開示されている。
【0007】
図7は、このプリエンファシス技術を用いた従来の差動駆動回路である。
【0008】
図7に示す差動駆動回路によれば、プリエンファシス回路21、22によって、入力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、このエッジ部分の一定時間だけ、定常電流よりも大きい電流を伝送線路17、18に供給することによって、エッジのなまりを抑え、少ない消費伝電力増加量で伝送速度を向上している。またコモン電圧の変動を検出し補正することにより、コモン電圧を一定に保ち、EMIを低減している。
【特許文献1】特開平9−214314号公報
【特許文献2】特開2002−368600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載されている技術の場合、図6に示すように、電流値の制御の分解能を上げるためのスイッチを複数個設ける際に、駆動用のトランジスタを介して、伝送線路17、18に接続されるノードに多くのトランジスタの容量が寄生することになる。その結果、電源や基板からトランジスタの寄生容量を介してノイズが伝播し、伝送速度の低下や、EMIの発生を招くことになる。
【0010】
また、上記特許文献2に記載されている差動駆動回路の場合にも、プリエンファシス機能を与える回路は伝送線路とスイッチを介して接続され、伝送路の寄生容量を増加させる構造となっており、特許文献1に開示されている差動駆動回路と同様に、伝送速度の低下や、EMIの発生を招くという問題点がある。
【0011】
また、差動伝送においても、伝送線路における同相電圧の揺れはEMI発生の要因となる問題点がある。
【0012】
そこで、本発明は、このような問題を解決するために、伝送線路に多数のトランジスタが接続することなく電流値の制御を行い、伝送線路に接続されるトランジスタの寄生容量を減らすことによって、伝送速度の向上とEMIの低減を図る差動駆動回路を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような問題点を解決するために、本発明に係る差動駆動回路は、以下のような構成とし、特徴を有する。
【0014】
本発明に係る差動駆動回路は、1対の差動伝送線路を駆動するためのカレントミラーを用いた電流源と該電流源からの電流を前記差動伝送線路に伝送するためのスイッチとを備える駆動回路と、前記カレントミラーを用いた電流源にバイアス電圧を与えるバイアス回路と、を備え、前記バイアス回路は、前記カレントミラーを用いた電流源に供給する前記バイアス電圧を生成し、生成した該バイアス電圧を変化させて、前記カレントミラーを用いた電流源の電流値を制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る差動駆動回路において、前記バイアス回路は、前記バイアス電圧を生成する電流電圧変換手段と、カレントミラーを用いた電流源と、該電流をミラーし、前記電流電圧変換手段に供給する1つ以上の電流源と、を備え、前記電流電圧変換手段に供給する各々の電流源のオン・オフの切替え制御を行い、該制御に応じた前記バイアス電圧を生成するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る差動駆動回路において、前記バイアス回路は、さらに、前記電流電圧変換手段に直列に接続した終端抵抗ダミー回路を備え、前記終端抵抗ダミー回路に流れる電流と前記駆動回路のカレントミラーを用いた電流源との電流値のマッチングを高めることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る差動駆動回路において、前記終端抵抗ダミー回路は、前記差動伝送線路の終端抵抗の抵抗値の1/2の抵抗値を有するそれぞれ第1の抵抗と、第2の抵抗と、を備え、前記バイアス回路は、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗とを接続するノードの電位と所定の一定の電圧とを比較し、前記終端抵抗ダミー回路に流れる電流を制御することにより、前記ノードの電位を所望の電圧値となるように制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る差動駆動回路において、前記バイアス回路は、入力信号の論理の切り替わりエッジを検出する検出回路を備え、前記検出回路は、前記エッジを検出した後、前記電流電圧変換手段に供給する電流源のオン・オフの切替え制御を行うための制御信号を生成し、前記差動伝送線路を駆動するための電流源からの電流をプリエンファシスすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る差動駆動回路において、前記検出回路は、前記入力信号の論理の切り替わりから前記エッジを検出するまでの遅延時間を調整する第1の遅延回路と、前記差動伝送線路を駆動するための電流源からの電流をプリエンファシスするための前記制御信号の信号幅を所望の値に設定する第2の遅延回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上記構成を備えた本発明に係る差動駆動回路は、以下の効果を奏することができる。
【0021】
本発明に係る差動駆動回路によれば、伝送路に多数のトランジスタが接続することなく電流値の制御を行い、伝送線路に接続されるトランジスタの寄生容量を減らすことによって、伝送速度の向上を図り、バイアス回路に電流制御構造を有することによりEMIの低減を図ることができる。
【0022】
また、本発明に係る差動駆動回路によれば、駆動回路の駆動電流信号のエッジ部のなまりを抑え、伝送速度の更なる向上と、同相電圧の揺れによるEMI発生を防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図5は、本発明に係る差動駆動回路の実施形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わすものである。
【0025】
<第1の実施形態の説明>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る差動駆動回路における駆動回路のブロック図である。
【0026】
本発明に係る差動駆動回路は、駆動回路10と後述するバイアス回路200とから構成されており、始に、図1に示すブロック図に基づいて、駆動回路の基本動作について説明する。
【0027】
入力端子12からバイアス電圧を入力し、バイアス回路200の電流をミラーして、電流源として動作する電流源トランジスタ11からの供給電流が2本の伝送線路17、18を介して終端抵抗19に流れる。
【0028】
一方、入力端子IN+、IN−の前段に配置されたプリバッファ20(図示していない)によって、伝送するDATA信号から本駆動回路のスイッチを駆動するためのそれぞれ逆位相の信号であるスイッチ駆動信号が生成される。
【0029】
このスイッチ駆動信号は、入力端子IN+、IN−に入力され、スイッチの役割を果たすトランジス13、14、15、16を制御し、スイッチの役割を果たすトランジスタ13、16とトランジスタ14、15を交互にONとする。これにより、上記供給電流の向きが切り替わり、終端抵抗19の両端には流れる電流の向きに応じた電圧が発生し、差動受信回路(図示していない)によって受信される。
【0030】
このように、駆動回路10は、伝送線路17、18には方向が逆で同じ値の電流が流れることから、逆相成分分の磁界は打ち消されて、逆相ノイズ成分を軽減することができる。
【0031】
次に、本発明の特徴部分であるバイアス回路の構成及び動作について説明する。
【0032】
図2は、上記駆動回路にバイアス電圧を供給するバイアス回路の回路図である。
【0033】
バイアス回路200は、電流源213と、その電流をミラーするための電圧を作るトランジスタ212と、トランジスタ212から電圧を受けて電流をミラーするトランジスタ210、211と、駆動回路のスイッチのダミーとなるトランジスタ206、209と、スイッチのダミーの役割を果たし入力214からの制御信号によってスイッチの役割も果たすトランジスタ215と、終端抵抗19のダミーとなる抵抗207、208と、コモン電圧をコントロールするアンプ202と、コモン電圧を所望の値に定めるための電圧源201と、駆動回路10に電流をミラーするための電圧を生成するトランジスタ204(電流電圧変換手段)と、駆動回路10に電流をミラーするためのバイアス電圧を出力する出力端子205と、を備えて構成される。
【0034】
なお、ダミー抵抗207、208の抵抗値は、終端抵抗19の抵抗値をRTとすると、RT/2に設定する。
【0035】
上記のように構成されたバイアス回路200において、ダミー抵抗208とトランジスタ209の間からトランジスタ211、215を介してグランドに接続するカレントミラーのパスが設けられている。トランジスタ215をスイッチとして使用し、このパスに流れる電流を入力端子214からの信号によって「ON・OFF」することにより、トランジスタ204に流れる電流(以下、バイアス回路電流と記す)を可変とすることができる。
【0036】
即ち、入力端子214からの入力信号がグランドレベルの場合は、トランジスタ215は「OFF」となり、バイアス回路電流は、電流源213の電流と等しくなる。
【0037】
一方、入力端子214からの入力信号が電源電圧レベルの場合は、トランジスタ212からのカレントミラーのパスが2本になるため、バイアス回路電流は、電流源213の電流の2倍となる。したがって、駆動回路10に流れる電流は2倍となり、駆動回路10にトランジスタを付加せず駆動能力の向上を図ることができる。
【0038】
ところで、出力端子205から出力される電圧は、1つはトランジスタ204に流れる電流と同じ電流が駆動回路にミラーされるための電圧であり、もう1つは電圧源201とダミー抵抗207、208の中間ノード203(コモン電圧)が電圧源201の電圧値となるための電圧である、という2つの条件をともに満たすような値に定まるように制御される。この制御動作について以下に説明する。
【0039】
アンプ202の入力端子には、電圧源201とノード203が接続されており、ノード203の電圧が電圧源201の電圧より高くなった場合は、アンプ202は出力電圧を上昇させ、トランジスタ204のドレイン電圧を下げるように(従ってノード203の電圧が下がるように)動作し、ノード203の電圧が電圧源201の電圧より低くなった場合は、出力電圧を下降させて、トランジスタ204のドレイン電圧を上げるように(従ってノード203の電圧が上がるように)動作することで、コモン電圧が電圧源201の電圧値にとどまるように制御され、コモン電圧の変動が抑えられる。これにより、トランジスタ204に流れる電流が変化しても有効であり、EMIを低減することができる。
【0040】
図3は、カレントミラーパスを複数配置したバイアス回路の例を示す回路図である。
【0041】
バイアス回路300は、図3に表すように、ダミー抵抗208とトランジスタ209の間からグランドに接続するカレントミラーパスを複数配置し、それぞれ別々にスイッチ(トランジスタ316、318)を制御することで、バイアス回路電流の電流値を複数段階的に設定することができ、適切なバイアス電圧を駆動回路10に供給することが可能である。
【0042】
<第2の実施形態の説明>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る差動駆動回路のブロック図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態に係る差動駆動回路は、上記第1の実施形態の差動駆動回路にバイアス制御回路401を付加したものである。
【0044】
バイアス制御回路401は、プリバッファ20に入力される入力信号(DATA_IN)の論理の切り替わりエッジを検出する検出回路であり、入力信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジを検出し、検出信号を出力する。出力される検出信号は、入力信号の論理の切り替わりから出力されるまでの時間と、検出信号が出力される時間を設定できるようになっている。
【0045】
この検出信号は、バイアス回路200又は300の入力端子(図2における入力端子214、図3における入力端子315、317)に入力されて、バイアス回路電流を制御する。
【0046】
具体的には、バイアス制御回路401は、入力信号のエッジを検出すると、一定期間HIGHレベルの検出信号を出力し、論理の切り替わりがない時間領域では、LOWレベルの検出信号を出力する。
【0047】
この検出信号は、例えば、バイアス回路200の入力端子214に入力され、HIGHレベルの期間は、トランジスタ215を「ON」に制御し、バイアス回路電流を増加させるように制御する。これにより、伝送線路に出力される駆動信号の立ち上がり時間あるいは立ち下がり時間を短縮することができる(プリエンファシス機能)。従って、駆動信号の伝送速度を速めることが可能である。
【0048】
バイアス制御回路401は、例えば図5のような回路で実現できる。
【0049】
バイアス制御回路401は、入力端子51と、入力信号を遅延する遅延回路53と、この遅延回路53の出力信号58をさらに遅延する遅延回路55と、遅延回路55の出力信号57と出力信号58の排他的論理和演算回路(EXOR回路)59と、出力端子52と、から構成される。
【0050】
入力信号は、入力端子51から入力され、上記説明した検出信号が出力端子52から出力される。
【0051】
遅延回路53は、入力信号の論理が切り替わってから、エッジを検出するまでの遅延時間を調整する回路であり、遅延回路53内の制御スイッチ54を切り替えることにより信号の通過するインバータ回路の段数を変更することで遅延時間を調整する。
【0052】
すべてのインバータを通過しないパスを選択した場合には、遅延時間はほぼ0となる。なお、さらにインバータ回路の段数を増やすことで調整幅を広げることが可能である。
【0053】
遅延回路55は、検出信号の出力期間を調整する回路であり、遅延回路内の制御スイッチ56を切り替えることにより、バイアス回路200へ出力する検出信号の出力期間を調整できる。また、上記遅延回路53と同様に、さらにインバータ回路の段数を増やすことで調整幅を広げることができる。
【0054】
すべてのインバータを通過しないパスを選択すると、EXOR回路59の入力端子57、58の値は常に等しくなり、EXOR回路59の出力は、常にLOWとなる。従って、この場合、プリエンファシスは行われない。
【0055】
以上、第1、2の実施形態において説明したように、本発明に係る差動駆動回路は、駆動回路の電流量を制御する機構をすべてバイアス回路に持たせることにより、駆動回路の寄生容量を減少させ、信号の伝送速度の低下やEMIの発生を抑制するとともに、駆動回路の駆動電流信号のエッジ部のなまりを抑え、伝送速度の更なる向上と、同相電圧の揺れによるEMI発生を防止することが可能である。
【0056】
尚、本発明の差動駆動回路は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る差動駆動回路における駆動回路のブロック図である。
【図2】駆動回路にバイアス電圧を供給するバイアス回路の回路図である。
【図3】カレントミラーパスを複数配置したバイアス回路の例を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る差動駆動回路のブロック図である。
【図5】バイアス制御回路の例を示す回路図である。
【図6】従来の差動駆動回路の回路図である。
【図7】従来の差動駆動回路の回路図である。
【符号の説明】
【0058】
10 駆動回路
11、13〜16、204、206、209〜212、215 トランジスタ
12、214、311、312、315〜318、51 入力端子
17、18 伝送線路
19 終端抵抗
20 プリバッファ
21、22 プリエンファシス回路
200、300 バイアス回路
201 電圧源
202 オペアンプ
203、57、58 ノード
205、52 出力端子
207、208 抵抗
213 電流源
401 バイアス制御回路
53、55 遅延回路
54、56 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の差動伝送線路を駆動するためのカレントミラーを用いた電流源と該電流源からの電流を前記差動伝送線路に伝送するためのスイッチとを備える駆動回路と、
前記カレントミラーを用いた電流源にバイアス電圧を与えるバイアス回路と、を備え、
前記バイアス回路は、前記カレントミラーを用いた電流源に供給する前記バイアス電圧を生成し、生成した該バイアス電圧を変化させて、前記カレントミラーを用いた電流源の電流値を制御することを特徴とする差動駆動回路。
【請求項2】
前記バイアス回路は、前記バイアス電圧を生成する電流電圧変換手段と、カレントミラーを用いた電流源と、該電流をミラーし前記電流電圧変換手段に供給する1つ以上の電流源と、を備え、
前記電流電圧変換手段に供給する各々の電流源のオン・オフの切替え制御を行い、該制御に応じた前記バイアス電圧を生成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の差動駆動回路。
【請求項3】
前記バイアス回路は、さらに、前記電流電圧変換手段に直列に接続した終端抵抗ダミー回路を備え、
前記終端抵抗ダミー回路に流れる電流の電流値と前記駆動回路のカレントミラーを用いた電流源との電流値のマッチングを高めることを特徴とする請求項2に記載の差動駆動回路。
【請求項4】
前記終端抵抗ダミー回路は、前記差動伝送線路の終端抵抗の抵抗値の1/2の抵抗値を有するそれぞれ第1の抵抗と、第2の抵抗と、を備え、
前記バイアス回路は、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗とを接続するノードの電位と所定の一定の電圧とを比較し、前記終端抵抗ダミー回路に流れる電流を制御することにより、前記ノードの電位を所望の電圧値となるように制御することを特徴とする請求項3に記載の差動駆動回路。
【請求項5】
前記バイアス回路は、入力信号の論理の切り替わりエッジを検出する検出回路を備え、
前記検出回路は、前記エッジを検出した後、前記電流電圧変換手段に供給する電流源のオン・オフの切替え制御を行うための制御信号を生成し、前記差動伝送線路を駆動するための電流源からの電流をプリエンファシスすることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の差動駆動回路。
【請求項6】
前記検出回路は、前記入力信号の論理の切り替わりから前記エッジを検出するまでの遅延時間を調整する第1の遅延回路と、前記差動伝送線路を駆動するための電流源からの電流をプリエンファシスするための前記制御信号の信号幅を所望の値に設定する第2の遅延回路と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の差動駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−60262(P2009−60262A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224425(P2007−224425)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】