説明

布地柔軟化洗濯洗剤

界面活性剤及び脂肪酸を含有し、約6〜約11のpHを有し、数平均分子量約700,000〜約4,000,000のポリマーを含有し、及びアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート及びビニルピロリドン、ビニルアセテート、ビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される非イオン性モノマー類、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド(acrylamidoalkylltrialkylammonium chloride)、ビニルアミン、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択されるカチオン性モノマー類、並びにアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)、これらの塩類、及びこれらの混合物からから選択されるアニオン性モノマー類を、特定のモル比で包含するモノマー単位を含む、水性洗濯洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄を通じて布地に柔軟性を提供し、ポリマー類を含有する、家庭用布地洗濯組成物の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の消費者製品が、家庭用布地の洗濯に利用できる。同様に、柔軟化及び/又はその他のケア活性物質を布地上に付着する、標準的な洗濯機のすすぎサイクル中又は家庭用乾燥器内に添加してもよい多数の製品が存在する。この種の2又は3工程のプロセスは、卓越した清浄化及び布地柔軟化の両方を求める消費者にとって非常に一般的になっている。ただし、この2又は3工程のプロセスは、単一の洗浄添加製品よりも時間を消費し、費用がかかる。より最近では、消費者の要求により、洗濯洗剤製品の製造業者は、清浄化及び柔軟性のような布地ケアの両方を、洗浄を通じて提供する1つの製品を提供しようとしている。
【0003】
しかし、これらの2つの目標(清浄化及び柔軟性)は従来より正反対であることを認識することが重要である。布地の清浄化は、一般的に、汚れ、アレルゲン、染み、及びその他の付着物質の除去を生じる。対照的に、ケア効果(柔軟な布地の感触)の提供は、一般に、有益なケア活性物物質を布地上に付着する結果生じる。したがって、洗浄を通じて清浄化(除去)及び柔軟化(付着)を同時に行うことは困難である。過去に、洗浄を通じて、清浄化及びケア製品において、付着したケア活性物質が布地上に汚れ又はその他の物質を閉じ込め、消費者に明らかに望ましくない薄汚れた外観を生じることが認識された。付着したケア活性物質は、それ自体も、布地表面上に均一に付着しなかった場合には目に見える残留物を残すことがある。同様に、ケア活性物質が全く付着しない又は清浄化成分によって除去されることも見られた。
【0004】
より最近では、「カチオン性付着補助剤」と呼ばれる低レベルのカチオン性ポリマーが、布地柔軟化のための様々な望ましい有益剤、香料、しわ防止剤、色相染料(hueing dyes)の布地上への付着を改良することができることが認識された。このようなカチオン性付着補助剤は、この技術分野で記載されており、一般的に、(1)カチオン性ヒドロキシエチルセルロース又はカチオン性グアーガムのような炭水化物部分を含む「天然」型、及び(2)カチオン性部分を含むが炭水化物を含まない「合成型」の2つの部類に入る。これらの「合成型」は、ポリアクリルアミド(PAM)及びメタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)のコポリマー類によって例示される。「天然」型の難点の1つは、洗濯洗剤酵素、特にある程度のセルラーゼ活性を有する酵素との不相溶性である。
【0005】
更に、今回、カチオン性及び非荷電(非イオン性)モノマーを含む合成カチオン性付着補助剤は、アニオン性モノマー不在時に、洗濯洗浄pHにおいて、洗濯された布地に目障りな残留物を残す傾向があることが発見された。これらの残留物は、洗濯された布地が暗い色の場合には、容易にヒトの目に見える。しかし、これらの発見は、米国特許第6,949,498号のような、類似の物質の以前の開示が、液体洗濯洗剤におけるカチオン性ポリマーの無分別なリストしか提供しないという点で驚きである。このような開示は、目に見える残留物のなんらの示唆もなくカチオン性ポリマーに付随する布地柔軟効果の方策を提供するだけで、そのような問題を緩和する方法の開示がはるかに少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,949,498号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、良好な清浄化を維持し、見苦しい残留物を避けながら洗浄を通じてケア効果を布地に提供することができる、選択されたポリマー類を含む改良された洗濯洗剤を識別することが非常に望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、意外にも、カチオン性モノマー類、非イオン性モノマー類、及びアニオン性モノマー類の特定の比の組合せから誘導されるモノマー単位を含有するポリマー類の選択群が、良好な清浄化を維持し、見苦しい残留物を避けながら、洗浄を通じてケア効果を布地に提供することができることが発見された。理論に束縛されるものではないが、約6〜約11のような洗濯洗浄pHにおいて、本ポリマー類は、洗濯操作において布地上に付着することができるが、洗濯布地上に目に見える残留物を残すことなくそうすると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で参照されるすべての測定値は、特に指定しない限り、室温(約21.1℃)及び大気圧でのものである。
【0010】
「両性(Ampholytic)」及び「両性(amphoteric)」は互換的に用いることができ、アニオン性モノマー単位及びカチオン性モノマー単位を含むポリマーを表現する。両性ポリマー(An ampholytic polymer)は、その等電点より高いpHでアニオン性であり、等電点より低いpHでカチオン性であることができ、ここで等電点とはポリマーの正味荷電が0であるpHである。
【0011】
本明細書で使用するとき、「正味荷電」とは、ポリマーを含むモノマー単位の電荷の合計を指す。両性及び他のイオン性ポリマーの正味荷電は、pH、温度及び水性分散液の連続相のようなポリマーを含有する担体の可溶性塩濃度を含むが、これらに限定されない条件に依存する場合がある。
【0012】
「モノマー類」は、本明細書で使用するとき、それ自体、又はその他のモノマー類若しくはモノマー単位と化学結合によって反応してポリマー類を生成することができる分子を指す。「モノマー単位」は、本明細書で使用するとき、1つのモノマーから誘導された1つのポリマーにおける化学結合した単位を指す。
【0013】
「組成物」は、本明細書で使用するとき、分散、溶液、溶融物(純粋な液体物質の溶融物のような)、又は流体の用語を包含してもよい。「分散」は、本明細書で使用するとき、媒質中に均一に分布してもよい粒子の系を指し、これが次に本明細書で「連続相」と呼ばれる。用語「水性分散」は、本明細書で使用するとき、水を含む連続相に分布した粒子の分散(これは本ポリマー類を含んでもよい)を含んでもよい。
【0014】
本明細書で使用するとき、「粘度」とは、剪断力による流体の流動抵抗を指す。流体の粘度は、流体温度のような、測定される条件に依存する場合がある。
【0015】
本明細書で使用するとき、「含む」という用語は、本発明を実施する際に多様な構成成分、成分、又は工程を組み合わせて使用できることを意味する。したがって、用語「含む」は、より限定的な用語である「から本質的になる」及び「からなる」を包含する。本組成物は、本明細書に開示された必要な及び任意の要素のいずれかを含む、から本質的になる、又はからなることができる。
【0016】
本明細書で使用するとき、マーカッシュ言語は、特に指示がない限り、マーカッシュ群の個々の要素の組み合わせを包含する。
【0017】
本明細書で使用される全てのパーセント、比率及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量%による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。
【0018】
本明細書で使用するときモル・パーセント(モル%)は、ポリマーの全てのモノマー単位に対するモノマー単位の百分率、又は、他の試薬若しくは反応物質に基づく試薬若しくは反応物質のモル分率のいずれかを意味する場合がある。
【0019】
本明細書で開示された全ての数値域は、範囲内の各個々の数を包含し、開示された範囲の上限値及び下限値のあらゆる組み合わせを包含することを意味する。
【0020】
本発明による洗濯洗剤組成物は、水、付着ポリマー、脂肪酸、及び電解質を含有し、約6〜約11のpHを有する。これらの組成物の各々並びにそのような組成物の任意成分及びそのような組成物の使用方法が、以下に詳細に記載される。
【0021】
洗濯洗剤組成物
本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の約5重量%〜約95重量%、あるいは約10重量%〜約95重量%の水を含有する。一実施形態では、該組成物は組成物の約40重量%〜約90重量%、あるいは約50重量%〜約90重量%の水を含有してもよい。組成物は、通常、約6〜約11、あるいは約7〜約9のpHを有する。
【0022】
その他の種類の水混和性液体、例えばアルカノール類、ジオール類、その他のポリオール類、エーテル類、アミン類等も、共溶媒又は安定剤として本発明の組成物に添加されてもよい。ただし、これらは一般に費用の目的から最小限に抑えるべきである。
【0023】
本発明の洗剤組成物はいかなる従来形態であってもよい。1つの実施形態では、組成物は液体、ジェル、1回用量(小袋入り)製品、又は洗濯キットの一部の形態である。
【0024】
付着ポリマー
本発明の洗濯組成物は、組成物の約0.02重量%〜約2重量%の、約700,000〜約4,000,000の数平均分子量を有する付着ポリマー。1つの実施形態では、分子量は約800,000〜約3,000,000、あるいは約1,000,000〜約2,500,000である。1つの実施形態では、本発明の洗濯組成物は、組成物の約0.05重量%〜約1重量%、あるいは約0.1重量%〜約0.5重量%の付着ポリマーを含有する。1つの実施形態では、付着ポリマーは1meq/g未満の電荷密度を有する。
【0025】
付着ポリマーはモノマー単位を包含し、その際モノマー単位はモノマー類から誘導される。モノマー類は、非イオン性モノマー類、カチオン性モノマー類、及びアニオン性モノマー類を含み、モノマー類の全モル比は、次式に従い、
【数1】

0.25〜0.8である。1つの実施形態では、全モル比は約0.28〜0.8、あるいは約0.3〜約0.8、あるいは約0.35〜約0.7、あるいは0.35〜0.6である。
【0026】
非イオン性モノマー
本発明の付着ポリマーは、アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート及びビニルピロリドン、ビニルアセテート、ビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される非イオン性モノマーから誘導されるモノマー単位を少なくとも50モル%包含する。
【0027】
1つの実施形態では、付着ポリマーは、非イオン性ポリマー類から誘導されるモノマー単位を少なくとも70%含有する。1つの実施形態では、非イオン性モノマーは、アクリルアミド、ビニルピロリドン、及びこれらの混合物、あるいはアクリルアミドから選択される。
【0028】
カチオン性モノマー
本発明の付着ポリマーは、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド(acrylamidoalkylltrialkylammonium chloride)、ビニルアミン、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択されるカチオン性モノマー類から誘導されるモノマー単位を約3モル%〜約30モル%包含する。
【0029】
1つの実施形態では、付着ポリマーはカチオン性モノマー類から誘導されるモノマー単位を約3モル%〜約10モル%含有する。1つの実施形態では、カチオン性モノマー類は、[(3−メチルアクリルアミド)アルキル]トリアルキルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物、あるいは3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドから選択される。
【0030】
アニオン性モノマー
本発明の付着ポリマーは、アクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)、これらの塩類、及びこれらの混合物から選択されるアニオン性モノマー類から選択されるモノマー単位を約1モル%〜約20モル%包含する。
【0031】
1つの実施形態では、付着ポリマー類は、アニオン性モノマー類から誘導されるモノマー単位を約2.5モル%〜約6モル%包含する。1つの実施形態では、アニオン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択され、あるいはアクリル酸である。
【0032】
1つの実施形態では、ポリマーは、(モルベースで)90%のアクリルアミド、5%のMAPTAC及び5%のアクリル酸から誘導されるモノマー単位から形成される。別の実施形態では、ポリマーは、(モルベースで)92%のアクリルアミド、1.6%のアクリル酸、1.4%のメタクリル酸、及び5%のMAPTACから誘導されるモノマー単位から形成される。
【0033】
対イオン
本発明のポリマー類は、対イオンも含有してもよい。「対イオン」は、本明細書で使用するとき、本発明の機能に悪影響を与えず、そうしなければ非中性のモノマー類又はその他の活性物質の電荷を平衡させるためだけに働くいかなる無害なイオン類も指す。特記がなく、本発明の組成物のモノマー又はその他の活性物質がアニオン性であるとき、好適な対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アルカノールアンモニウム及びこれらの混合物が挙げられる。特記がなく、本発明の組成物のモノマー又はその他の活性物質がカチオン性であるとき、好適な対イオンとしては、ニトレート、サルフェート、クロライド、カーボネート、バイカーボネート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
界面活性剤系
本明細書の洗剤組成物は、界面活性剤系の約1重量%〜約25重量%、あるいは約3重量%〜約15重量%、あるいは約3重量%〜約10重量%の脂肪酸を含有する界面活性剤系を、組成物の約5重量%〜約60重量%、あるいは約5重量%〜40重量%包含する。本発明の洗濯洗剤組成物は、界面活性剤系の約75重量%〜約99重量%の洗浄性界面活性剤を含有してもよい。
【0035】
使用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双性イオン性、両性、又はカチオン性の種類のものであることができ、あるいは、相容性のこれらの種類の界面活性剤の混合物を含むことができる。本明細書において有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(ノリス(Norris)、1972年5月23日発行)、米国特許第3,919,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)、米国特許第4,222,905号(コックレル(Cockrell)、1980年9月16日発行)、米国特許第4,285,841号(バラット(Barrat)ら、1981年8月25日発行)、米国特許第4,285,841号(バラット(Barrat)ら、1981年8月25日発行)、米国特許第4,284,532号(レイクヒム(Leikhim)ら、1981年8月18日発行)、及び米国特許第4,239,659号(マーフィー(Murphy)、1980年12月16日発行)に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0036】
本明細書で使用される脂肪酸類としては、一般的に市販されているものが挙げられる。このような脂肪酸類は、約8〜約20個の炭素原子を含有してもよく、炭化水素鎖に約1〜約10個のエチレンオキシド単位も含有することができる。
【0037】
好適な脂肪酸は、飽和及び/又は不飽和であり、植物又は動物性エステル類(例えば、パーム核油、パーム油、ココヤシ油、ババス油、ベニバナ油、トール油、ヒマシ油、タロー油及び魚油、グリース、及びこれらの混合物)のような天然資源から得ることができ、又は合成的に(例えば、石油の酸化によって又はフィッシャートロプシュ(Fisher Tropsch)法による一酸化炭素の水素添加によって)調製される。本発明の組成物への使用に好適な飽和脂肪酸類の例としては、カプリン(captic)酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸が挙げられる。好適な不飽和脂肪酸種としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びリシノール酸が挙げられる。好ましい脂肪酸類の例は、飽和C12脂肪酸、飽和C12〜C14脂肪酸類、及び飽和又は不飽和C12〜C18脂肪酸類、及びこれらの混合物である。
【0038】
電解質
本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の少なくとも0.1重量%の電解質を含有してもよい。
【0039】
本明細書で有用な電解質としては、非界面活性電解質(本明細書に別に記載されている界面活性剤と反対に)である。有用な電解質の例としては、(i)クエン酸、コハク酸、酒石酸の塩類のようなポリカルボン酸塩類、ホスホン酸類又はアミノカルボン酸類の塩類(キレート化剤であることもできる)、(iii)ホウ酸類の塩類、及び(iv)これらの混合物が挙げられる。
【0040】
脂肪酸結晶変性剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、脂肪酸結晶変性剤を含有してもよい。
【0041】
脂肪酸結晶変性剤は、アルキルエトキシ硫酸ナトリウム、四級アンモニウム界面活性剤、約300〜約6000の分子量及び窒素1個当たり約3〜約30モルのアルキレンオキシドという平均アルコキシル化度を有するポリエチレンイミン、平均エトキシル化度が15〜18のエトキシル化テトラエチレンペンタイミン類、双性イオン性界面活性剤(ドデシルジメチルアミンN−酸化物を包含するアルキルジメチルアミンN−酸化物類)、キレート化剤、双性イオン性アミン系汚れ放出ポリマー、非イオン性アルキルポリエトキシレート、及びこれらの混合物から選択される。
【0042】
アルキルエトキシ硫酸ナトリウム
脂肪酸結晶変性剤は、組成物の少なくとも5重量%のアルキルエトキシ硫酸ナトリウムから選択されてもよい。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約5重量%〜約25重量%のアルキルエトキシ硫酸ナトリウムを含有する。アルキルエトキシ硫酸ナトリウムは、界面活性剤として洗濯洗剤組成物に一般的に使用される。
【0043】
四級アンモニウム界面活性剤
脂肪酸結晶変性剤は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の次式の四級アンモニウム界面活性剤から選択されてもよい。
【化1】

式中、R及びRは独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hからなる群から選択され、ここでxは約2〜約5の値を有し、Xは陰イオンであり、(1)R及びRはそれぞれC〜C14アルキルであり、又は(2)RはC〜C22アルキルであり、RはC〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hからなる群から選択され、ここでxは約2〜約5の値である。
【0044】
双性イオン性界面活性剤
脂肪酸結晶変性剤は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の双性イオン性界面活性剤から選択されてもよい。本明細書で有用な双性イオン性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド類のような技術分野において一般的に既知のものが挙げられる。
【0045】
キレート化剤
脂肪酸結晶変性剤は、組成物の約0.05重量%〜約3重量%、あるいは約0.1重量%〜約1重量%のキレート化剤から選択されてもよい。本明細書で有用なキレート化剤としては、ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)が挙げられる。
【0046】
双性イオン性アミン系汚れ放出ポリマー
脂肪酸結晶変性剤は、組成物の約0.1重量%以上の、双性イオン性アミン系汚れ放出ポリマーから選択されてもよい。
【0047】
布地ケア有益剤
本明細書で有用な洗濯洗剤組成物は、布地ケア有益剤を包含してもよい。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」とは、水分散性又は非水溶性であり、及び布地柔軟化、色の保護、毛玉/毛羽立ち低減、抗摩耗、抗皺、香料長寿命化などのような布地ケア効果を衣類及び布地、特に木綿衣類及び布地にもたらすことができる洗剤成分を指す。
【0048】
これらの布地ケア有益剤は、典型的には25℃において蒸留水中100g/L未満、好ましくは10g/L未満の溶解度を有する。布地ケア有益剤の溶解度が、10g/L超である場合、布地ケア有益剤は洗浄液中で可溶性のままであり、その結果布地に付着しないと考えられている。
【0049】
本明細書で有用な非水溶性布地ケア有益剤の例としては、分散性ポリオレフィン類、ポリマーラテックス類、オルガノシリコーン類、香料又は他の活性マイクロカプセル類、及びこれらの混合物が挙げられる。布地ケア有益剤は、エマルション、ラテックス、分散液、懸濁液、ミセルなどの形態にすることができ、好ましくはマイクロエマルション、膨潤ミセル又はラテックスの形態にすることができる。このように、それらは約1nm〜100μm、好ましくは約5nm〜10μmの広範囲の粒径を有することができる。マイクロエマルションの粒径は、リーズ・アンド・ノースラップ社(Leeds & Northrup)製マイクロトラック(Microtrac)UPA粒径測定器(particle sizer)を用いるなどの従来の方法で測定することができる。
【0050】
乳化剤、分散剤及び懸濁剤が用いられてもよい。乳化剤、分散剤又は懸濁剤と布地ケア有益剤の重量比は、約1:100〜約1:2である。好ましくは、この重量比は約1:50〜1:5の範囲に及ぶ。本発明の水不溶性布地ケア有益剤を製造するには、ポリマーエマルションの製造又はポリマーラテックスのエマルション重合に適したどの界面活性剤も使用することができる。好適な界面活性剤には、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物が含まれる。非イオン性及びアニオン性界面活性剤が好ましい。
【0051】
典型的には、ケア剤の乳化が液体洗剤内のその場で達成される。このような場合には、有益剤は激しく攪拌しながら液体洗剤へゆっくりと添加される。
【0052】
オルガノシリコーン
好適なオルガノシリコーンとしては、(a)ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの非官能化シリコーン、及び(b)アミノ、アミド、アルコキシ、アルキル、フェニル、ポリエーテル、アクリレート、シリコーンヒドリド、メルカプトプロイル(mercaptoproyl)、カルボキシレート、スルフェートホスフェート、四級化窒素、及びこれらの組合せからなる群から選択される、1つ以上の官能基を有するシリコーン類のような官能化シリコーン類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
代表的な実施形態では、本明細書で使用するのに適したオルガノシリコーン類は、20℃において約10〜約700,000CSt(センチストークス)の範囲の粘度を有する。他の実施形態では、好適なオルガノシリコーンは約10〜約100,000CStの粘度を有する。
【0054】
(a)ポリジメチルシロキサン類(PDMS)は、コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)に記載されている。これらは、直鎖、分枝鎖、環式、グラフト又は架橋又は環状構造体にすることができる。いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、20℃で約100〜約700,000CStの粘度を有するPDMSを含む。
【0055】
(b)代表的な官能化シリコーンとしては、アミノシリコーン、アミドシリコーン、シリコーンポリエーテル、アルキルシリコーン、フェニルシリコーン及び四級シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本発明に使用するのに適した官能化シリコーンは、次の一般式を有し、
【化2】

式中、
mは、4〜50,0000、好ましくは10〜20,000であり、
kは、1〜25,000、好ましくは3〜12,000であり、
各Rは、H又はC〜Cアルキル又はアリール基、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはメチル基であり、
Xは、次式を有する連結基であり、
i)−(CH−(式中、pは2〜6、好ましくは2〜3である)、
ii)
【化3】

式中、qは0〜4、好ましくは1〜2である、
iii)
【化4】

Qは、次式を有する、
i)−NH、−NH−(CH−NH、式中rは1〜4、好ましくは2〜3である、又は
ii)−(O−CHR−CH−Z、式中sは1〜100、好ましくは3〜30であり、
は、H又はC〜Cアルキル、好ましくはH又はCHであり、並びにZは、−OR、−OC(O)R、−CO−R−COOH、−SO、−PO(OH)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、更に、RはH、C〜C26アルキル又は置換アルキル、C〜C26アリール又は置換アリール、C〜C26アルキルアリール又は置換アルキルアリール基、好ましくはRはH、メチル、エチルプロピル又はベンジル基、Rは、−CH−又は−CHCH−基である、及び
iii)
【化5】

iv)
【化6】

式中、nは独立して1〜4、好ましくは2〜3であり、RはC1〜C4アルキル、好ましくはメチルである。
【0057】
本発明で有用なオルガノシリコーンの別の分類は、次の一般式の修飾ポリアルキレンオキシドポリシロキサン類である、
【化7】

式中、QはNH又は−NHCHCHNHであり、RはH又はC〜Cアルキルであり、rは0〜1000であり、mは4〜40,000であり、nは3〜35,000であり、並びに、p及びqは2〜30から独立して選択される整数である。
【0058】
r=0のとき、このようなポリアルキレンオキシドを有するポリシロキサン類の非限定例は、GEシリコーンズ(GE Silicones)(コネチカット州ウィルトン(Wilton))から入手できるシルウェット(Silwet)(登録商標)L−7622、シルウェット(Silwet)(登録商標)L−7602、シルウェット(Silwet)(登録商標)L−7604、シルウェット(Silwet)(登録商標)L−7500、マグナソフト(Magnasoft)(登録商標)TLC、ノベオン社(Noveon, Inc.)(オハイオ州クリーブランド(Cleveland))から入手可能なウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SW−12及びウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)DW−18シリコーン類、並びにダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)(ミシガン州ミッドランド(Midland))より入手可能なDC−5097、FF−400(登録商標)である。追加の例は、信越シリコーン(Shin Etsu Silicones)(日本、東京)からすべて入手できるKF−352(登録商標)、KF−6015(登録商標)及びKF−945(登録商標)である。
【0059】
r=1〜1000のとき、この部類のオルガノシリコーンの非限定な例は、ノベオン社(Noveon, Inc.)(オハイオ州クリーブランド(Cleveland))から共に入手可能なウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)A21及びウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)A−23、東レ・ダウ・コーニング社(Dow Corning Toray Ltd.)(日本)からのBY16−876(登録商標)、並びに、信越コーポレーション(Shin Etsu Corporation)(日本、東京)からのX22−3939A(登録商標)である。
【0060】
本明細書で有用なオルガノシリコーンの第3の部類は、次式の変性ポリアルキレンオキシドポリシロキサンであり、ここで
【化8】

式中、mは、4〜40,000であり、nは、3〜35,000であり、並びに、p及びqは、2〜30から独立して選択される整数であり、Zは、
i.
【化9】

(式中、RはC1〜24アルキル基である)、
ii.
【化10】

(式中、Rは、CH又はCHCHである)、
iii.−SO
iv.
【化11】

v.
【化12】

(式中、RはC1〜C22アルキルであり、A−は適切なアニオン、好ましくはClである)、
vi.
【化13】

(式中、RはC1〜C22アルキルであり、A−は適切なアニオン、好ましくはClである)、から選択される。
【0061】
別の部類のシリコーン類は、カチオン性シリコーン類である。これらは典型的にはジアミンをエポキシドと反応させることで生成される。それらは国際公開第02/18528号及び同第04/041983号(共にP&G社に譲渡された)、同第04/056908号(ワッカー・ケミー(Wacker Chemie)社に譲渡された)及び米国特許第5,981,681号及び同第5,807,956号(OSiスペシャリティーズ(OSi Specialties)社に譲渡された)に記載されている。これらはマグナソフト(Magnasoft)(登録商標)プライム(Prime)、マグナソフト(登録商標)HSSD、シルソフト(Silsoft)(登録商標)A−858(すべてGEシリコーンズ(GE Silicones)より)及びワッカー(Wacker)SLM21200(登録商標)の商品名で市販されている。
【0062】
本発明の組成物の一実施形態は、オルガノシリコーンエマルションを含有し、このオルガノシリコーンエマルションは乳化剤(典型的にはアニオン性界面活性剤)の存在下で好適なキャリア(典型的には水)の中に分散したオルガノシリコーンを含む。
【0063】
別の実施形態では、オルガノシリコーンはマイクロエマルションの形態である。このオルガノシリコーンマイクロエマルションは、約1nm〜約150nm、又は約10nm〜約100nm、又は約20nm〜約50nmの範囲の平均粒径を有してもよい。マイクロエマルションは、従来のマクロエマルション(約1〜20マイクロメートルの平均粒径)より安定していて、製品に組み込まれると、その結果得られる製品は好ましい透明な外観を有する。より重要なことに、この組成物が典型的な水性洗濯環境において使用されると、この組成物の乳化剤は希釈されてしまい、マイクロエマルションをもはや維持できなくなり、オルガノシリコーンが合着して約1マイクロメートル超の平均粒径を有するかなり大きな液滴を形成する。選択されたオルガノシリコーンは、非水溶性であるか又は限られた水中溶解度を有するので、それらは洗浄液から抜け出して(crash out)、その結果布地へのより効率的な沈着及び布地ケア効果の向上をもたらす。代表的な浸漬洗濯環境において、この組成物は過剰な水と混合されて洗浄液を形成し、この洗浄液は典型的には10:1〜400:1の範囲に及ぶ水対組成物の重量比を有する。
【0064】
この組成物の典型的な実施形態は、キャリア中に、該組成物の約0.01重量%〜約10重量%のオルガノシリコーンと、有効量の乳化剤とを含む。乳化剤の「有効な量」は、キャリアの、好ましくは水の、中で、オルガノシリコーンマイクロエマルションを生成するのに十分な量である。幾つかの実施形態では、乳化剤の量は、100重量部のオルガノシリコーンに対して約5〜約75重量部、又は約25〜約60重量部の範囲に及ぶ。
【0065】
マイクロエマルションは典型的には、マイクロエマルションの約10〜約70重量%の、又は25〜約60重量%の、分散したオルガノシリコーン、マイクロエマルションの約0.1〜約30重量%の、又は約1〜約20重量%の、アニオン性界面活性剤、所望により、マイクロエマルションの約0〜約3重量%の、又は約0.1〜約20重量%の、非イオン性界面活性剤を含み、残部は水、及び所望により他のキャリアである。選択されたオルガノシリコーンポリマー類(PDMS及びカチオン性シリコーン類を除く、本明細書に上記で開示されたものすべて)は、マイクロエマルションの形成に好適であり、これらのオルガノシリコーン類は時として「自己乳化シリコーン類」と呼ばれる。乳化剤、特にアニオン性界面活性剤は、組成物内でのオルガノシリコーンマイクロエマルションの形成を補助するために添加されてもよい。更に、洗浄効果をもたらすために、洗濯補助剤として有用な非イオン性界面活性剤もまた、マイクロエマルションの形成及び安定性を促進することができる。典型的な実施形態では、乳化剤の量はこの組成物の約0.05重量%〜約15重量%である。
【0066】
アニオン性界面活性剤の非限定例としては、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)又はC10〜C20分枝鎖及びランダムアルキルスルフェート(AS)などのアルキルスルホネート類、C10〜C18アルキルエトキシスルフェート類(AES)(式中、xは1〜30である)、中鎖分枝状アルキルスルフェート類(米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号)又は中鎖分枝状アルキルアルコキシスルフェート類(米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号)、1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート類、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に開示されている変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、C12〜C20メチルエステルスルホネート(MES)、C10〜C18α−オレフィンスルホネート(AOS)、並びに、C〜C20スルホスクシネート類が挙げられる。
【0067】
分散性ポリオレフィン類
布地ケア効果を提供するすべての分散性ポリオレフィン類は、本発明の組成物において布地ケア有益剤として使用できる。ポリオレフィン類は、ワックス、エマルション、分散液、又は懸濁液の形態であることができる。本明細書で有用なポリオレフィン類の例を以下で考察する。
【0068】
ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの混合物であってもよい。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸又はアミド基のような様々な官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性されていてもよい。1つの実施形態では、ポリオレフィンは少なくとも部分的にカルボキシ変性されており、即ち言い換えれば、酸化されている。
【0069】
処方のし易さのために、分散性ポリオレフィンは、乳化剤の使用により水性媒質の中に分散されたポリオレフィンの懸濁液又はエマルションとして導入されてもよい。エマルションが使用されるときには、乳化剤は、アニオン性、カチオン性、若しくは非イオン性の界面活性剤、又はこれらの混合物を含め、どの好適な乳化剤であってもよい。ほとんどのどの好適な界面活性剤も、本発明の乳化剤として使用してもよい。分散性ポリオレフィンは、乳化剤又は懸濁剤を用いて1:100〜約1:2の比で分散される。好ましくは、この比の範囲は、約1:50〜1:5である。
【0070】
ポリオレフィン懸濁液又はエマルションは、約1重量%〜約60重量%、あるいは約10重量%〜約55重量%、あるいは約20重量%〜約50重量%のポリオレフィンを含んでもよい。
【0071】
ポリオレフィンは、約20〜170℃、より好ましくは約50〜140℃のワックス滴点(ASTM D3954−94、15.04巻「ワックス類の滴点に関する標準試験方法(Standard Test Method for Dropping Point of Waxes)」参照、この方法を本明細書に参考として組み込む)を有してもよい。好適なポリエチレンワックス類は、これだけに限定するものではないが、ハネウェル(Honeywell)(A−Cポリエチレン)、クラリアント(Clariant)(ベルストロール(Velustrol)エマルション)、及びBASF(ルーワックス(LUWAX))を含めた供給元から市販されている。
【0072】
ポリマーラテックス類
ポリマーラテックスは、通常、1種以上のモノマー、1種以上の乳化剤、反応開始剤、及び当業者にはよく知られている他の構成成分を含むエマルション重合プロセスによって製造される。布地ケア効果を提供する全てのポリマーラテックスを、本発明の水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。好適なポリマーラテックスの非限定的な例としては、国際公開第02/018451号(ローディア化学(Rhodia Chimie)の名で公開)に開示されるものが挙げられる。
【0073】
布地ケア有益剤として本明細書に用いるのに好適なポリマーラテックスとしては、約−120℃〜約120℃及び好ましくは約−80℃〜約60℃のガラス転移点を有するものが挙げられる。適した乳化剤類には、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤類が包含される。好適な反応開始剤には、ポリマーラテックスのエマルション重合に好適な全ての反応開始剤が含まれる。ポリマーラテックスの粒径は、約1nm〜約10μmにであることができ、好ましくは約10nm〜約1μmである。
【0074】
マイクロカプセル化活性物質
本明細書の洗濯組成物は、1つ又はそれ以上の布地ケア活性物質を含有するマイクロカプセル類又はマイクロエンキャプシュレート類を含有してもよい。用語「マイクロカプセル」及び「マイクロエンキャプシュレート」は本明細書では相互に置き換え可能に用いられる。
【0075】
本明細書で有用なマイクロカプセル類としては、ユリア/ホルムアルデヒドマイクロカプセル類、メラミン/ホルムアルデヒドマイクロカプセル類が挙げられ、より一般的にはアミノプラスト又はポリアミドマイクロカプセル類、及びその他の種類のコア−シェルマイクロカプセル類又は1マイクロメートル未満〜100マイクロメートル以上の中央粒径を有するマイクロカプセル類を、本組成物に、好適には組成物の0.01重量%〜5重量%の濃度で使用できる。より小さな粒径、例えば10マイクロメートル以下(中央)は、非粘性液体処方への組み込みに好ましく、それに対しより粘稠又は濃厚な処方では、より大きな粒径を用いることができ、所望の外観特性を提供する場合がある。このようなマイクロカプセル類は、例えば染料及び/又は顔料の使用により、着色又は非着色であることができ、更に、香料、抗真菌剤、臭気抑制剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、抗菌活性物質、皮膚軟化剤、UV保護剤、難燃剤、光沢剤、酵素等を包含する有用な適合性のある洗剤補助剤を、マイクロカプセルのコアに封入して含有することができる。このような物質は、最も一般的にはかなり以前に無カーボン複写紙の製造用に確立された技術及びプロセスから誘導され、チバ(Ciba)、ジボダン/クエスト(Givaudan/Quest)BASF、lFF、コグニス(Cognis)、アップルトンペーパーズ(Appleton Papers)、ケミテック(Chemitech)等のような様々な商業的供給元から入手できる。例えばWO−200274430 A1(クエスト・インターナショナル(Quest International))、US−20070202063 A1アップルトンペーパーズ(Appleton Papers)、DE−−10000223 A1(BASF)、WO2003002699 A1(コルゲート(Colgate))、WO03054125(ヘンケル(Henkel))US−−2004138093 A1又はUS−−2004142828 A1又はEP−−−−−1533415 A1又はUS20060287205 A1又はUS20070004610 A1(IFF)、EP−−−−−1640063 A1(コグニス(Cognis))、WO−−2006056357 A1(イノバセル(Innovacel))、WO−−20
07063001 A1(チバ(Ciba))参照。
【0076】
香料マイクロカプセルは、香料の潜在的な発生源を提供するためにカプセル化された香料組成物を含む。カプセル化されるこの香料組成物は、100%香料から構成されてもよく、これは個別の香料成分又は香料調和を包含し、所望により、この香料組成物は希釈剤などの不揮発性物質を含んでもよい。この希釈剤は、香料処方の0%〜50%で存在してもよい。代表的な希釈剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0077】
任意の布地添加剤
本発明の洗剤組成物は、任意の数の更なる任意成分を含んでもよい。これらには洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(プロピレングリコール、ホウ酸及び/又はホウ砂など)、泡抑泡剤、土壌懸濁剤、防れ放出剤、他の布地ケア有益剤、pH調整剤、スメクタイト粘土、溶媒、ハイドロトープ剤及び相安定剤、構造剤、転染抑止剤、蛍光増白剤、香料、及び着色剤等の従来の洗濯洗剤組成物成分が挙げられる。種々の任意の洗剤組成物成分は、本明細書における組成物類中に存在する場合、それらの望ましい寄与を組成物又は洗濯操作にもたらすために慣習的に使用されている濃度で利用すべきである。しばしば、そのような任意の洗剤組成物成分は、組成物の約5重量%〜約50重量%、あるいは約30重量%〜約40重量%の範囲であることができる。使用できる任意成分のいくつかを以下に更に詳細に記載する。
【0078】
パールエッセンス剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の約0.02重量%〜約0.5重量%のパールエッセンス剤を含んでもよい。本明細書で有用なパールエッセンス剤の例としては、雲母、金属酸化物被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、エチレングリコールジステアレート、フィッシュスケール、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態では、パールエッセンス剤は、0.1〜50マイクロメートルの平均粒径を有し、小板又は球形の形状を有する。
【0079】
使用方法
本明細書の組成物は、従来の機械洗浄又は手洗いにおける使用を意図している。組成物は、商業的な量の布地又は織物の洗濯のため商業規模で使用されてもよい。布地の洗濯又は前処理のための本明細書の洗濯組成物の使用は本明細書で意図されている。改良された布地の感触及び/又は清浄化効果を布地に付与するためのこのような使用は、本明細書で更に意図されている。
【0080】
カプセル封入組成物
本発明の組成物は水溶性フィルムの中にカプセル化されてよい。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール又は他の好適な変形物、カルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、糖、PEG、ワックス、又はこれらの組み合わせから作製されてよい。
【0081】
別の実施形態では、水溶性は、ビニルアルコールとカルボン酸のコポリマーのような他の補助剤を包含してよい。米国特許第7,022,656 B2号(モノソール(Monosol))は、こうしたフィルム組成物及びこれらの長所を記載している。これらのコポリマーの1つの利点は、洗剤との適合性がより良いために、小袋入り洗剤の貯蔵寿命が改善されることである。そのようなフィルムの別の利点はこれらの冷水(10℃未満)への良好な溶解性である。フィルム材中に存在するコポリマーの濃度は、フィルムの少なくとも60重量%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有することができ、好ましくは、1000ダルトン〜1,000,000ダルトン、より好ましくは10,000ダルトン〜300,000ダルトン、更に好ましくは15,000ダルトン〜200,000ダルトン、最も好ましくは20,000ダルトン〜150,000ダルトンである。好ましくは、フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善させるために60%〜98%が加水分解され、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。極めて好ましい手法では、コポリマーは0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%のカルボン酸を含む。
【0082】
本発明の水溶性フィルムは、追加のコモノマーを更に含んでよい。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート類及びエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。本発明の文脈での使用に好適な水溶性フィルムは商品名M8630(商標)で米国インディアナ州のモノ−ソル(Mono-Sol)社から市販されている。本明細書の水溶性フィルムは、ポリマー又はポリマー材料以外の成分も含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/又はブロッキング防止剤を加えることが有益となる場合がある。小袋又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤等を含むことが有用であり得る。所望により小袋のフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0083】
本発明のカプセル化された小袋は、いかなる従来より既知の技術を用いても、作製することができる。1つの実施形態では、小袋は水平形態充填のサーモフォーミング技法を使用して製造される。
【実施例】
【0084】
実施例I−残留物試験
残留物の存在を、ミーレ・ノボトロニック(Miele Novotronic)W527を用いたフルスケール洗濯機試験で評価する。
【0085】
残留物実験手順
1.布地上の残留物を評価するために使用された布地は、黒色のベルベット(材料供給源:デンホルム・ベルベッツ(Denholme Velvets)、英国ウエストヨークシャー州ブラッドフォード(Halifax Road, Denholme, Bradford, West Yorkshire, England BD13 4EZ)−電話(01274)832 646、規格150cm C.R.コットンパイルベルベット(Cotton Pile Velvet)、品質8897、黒色、綿72%、モダール28%)である。
【0086】
2.長方形の黒色のベルベット(寸法23.5cm×47cmで、ベルベットを内側にして正方形を作るように折られている)を、オーバーロック縫いを用いて縫い、1つの開口端を残して2つの側を縫うことによって、小袋を作製する。小袋を、内側を外に返して、ベルベットが外側に来るようにする。
【0087】
3.投与ボール(dosing ball)に、各製品の推奨1回量を、通常/中間の汚れ及び通常/中間の水硬度の場合について包装に記載された指示に従って充填する(125g)。各実験で、新規及び未使用の投与ボール(dosing ball)に充填する。投与ボール(dosing ball)を黒色のベルベットの小袋内に入れる。
【0088】
4.小袋を開口側に沿って幅2cmに折ることで閉じ、3つのプラスチックステッチで固定する。
【0089】
5.洗浄試験用に、黒色の小袋を、投与ボール(dosing ball )の開口部を上にし、それ以上のバラスト負荷なしで、洗濯機(ミーレ・ノボトノニック(Miele Novotronic)W527)の奥に置いた。洗濯機は、40℃でのウール洗濯プログラムを用い、市水(2.5mmol/L)を用いて、スイッチを入れる。洗浄サイクルの終了時に、小袋を洗濯機から直ちに取り出す。小袋を、折った側を除く3つの側(全ステッチ及び縫った側)に沿って開ける。各試験製品について、同時に参照製品を用いた運転を実施する(比較のため)。試験製品1つにつき3つの複製を得るため、各実験を2回繰り返す。
【0090】
6.小袋は一晩乾燥(平面上で水平に)した後、2名の認定し採点者によって、次の採点指示及び基準(参照製品の結果に対する相対的基準)を用いて採点される。
【表1】

【0091】
より少ない残留物(より多い残留物でなく)を表示するには、上記の尺度の符号を正の数に反転する。
【0092】
各品目は2名の採点者によって評価し、等級を平均する。2名の審判与えた等級が1PSUを超えて異なる場合(−1と+1を除く)、採点を繰り返す。3つの複製を評価し、その結果を平均して最終的な等級を得る。
【0093】
上記の残留物試験は、下の表2に記載された標準的な組成物を用いて、表3に列挙された異なるコポリマーの1つを含有する同じ組成物に対する参照組成物として実施した。
【表2】

【0094】
使用したコポリマー類及び得られた結果を表3にまとめる。
【表3】

【0095】
全モル比は次のように定義される、(アクリル酸の%+メタクリル酸の%)/
(アクリル酸の%+メタクリル酸の%+PamMAPTACの%)
【0096】
消費者のインプットに基づき、この試験で残留物の等級の差が参照組成物から2PSU(すなわち、−2又はそれ以下のPSU)で、消費者にわかる、不満足な、残留物レベルを与えるであろう。したがって、標準組成物に包含されたときに許容可能な残留物レベルを提供するポリマーは、表2のポリマー2、3、5、及び7である。
【0097】
実施例II−柔軟性試験
ポリマーを含有する洗濯製品で洗浄した布地の相対的柔軟性を、ミーレ・ノボトロニック(Miele Novotronic)W527を用いたフルスケール洗濯機試験で評価する。
【0098】
柔軟性実験手順
布地柔軟性は相対的特性であり、本実験手順において市販の洗濯機で標準的な1回量の洗濯洗剤を用いて洗浄された様々な白色の布地見本を戦略的に検査する訓練された柔軟性採点者によって評価される。同一の布地見本の組を参照洗濯製品及び試験製品で別々に洗浄する。柔軟性の結果は、各試験製品での洗浄から得られた布地見本を参照洗剤製品での洗浄から得られた布地見本と、下記のPSU採点を用いて比較したものである。すべてのデータは、ミーレ(Miele)が製造し、ノバトロニック(Novatronic)W527モデルとして販売されている市販の洗濯機及びミーレ(Miele)が製造しノボトロニック(Novotronic)T490モデルとして販売されている市販の衣類乾燥機を用いて得られた。
【0099】
布地見本
複数の種類の布地を見本に切断し、柔軟性の評価に使用する。使用する布地、
1)白色パイル地、見本寸法30cm×30cm、重量450g/m2、マース・テキスタイルズ(Maes Textiles)−ベルギー国ワレゲム(Brabantstraat117, 8790 Waregem , Belgium)より供給
2)白色綿ニット100%、見本寸法50cm×40cm、重量165〜175g/m2、1/1のリブあり、アバンデラド(Abanderado)(ベルギー国シントニクラス(Industriepark West 61, 9100 Sint Niklaas, Belgium)より供給、及び
3)白色ポリコットン(ポリエステル50%を綿50%とブレンド)、見本寸法100cm×120cm、重量130g/m2、デュワーチン(Dewerchin)(ベルギー国クールネ(Vruchtendreef 19, 8520 Kuurne, Belgium)より供給
【0100】
糊抜き
実験手順で使用するすべての布地見本は、参照布地見本を含めて、製造業者が適用した糊を除去するため、(試験開始前に)市販のアリエール・リキッド(Ariel Liquid)(中程度の汚れ、中程度の水硬度の推奨量である75mLで、投与ボールより投与)を用いて、60℃にて、短時間(「白もの/色もの」)標準プログラムで、市水(2.5mmol/L)を用いて洗浄した。
【0101】
布地見本に加え、各洗浄サイクルにおいて、追加のバラスト負荷を添加し、洗浄サイクル内の布地の総重量が約3kgになるようにした(下の表4参照)。バラスト負荷は、2枚の大型パイル地タオル(80cm×50cm、マース・テキスタイル(Maes Textiles)より供給)及び6枚の綿ニット(50cm×50cm、アバンデラド(Abanderado)より供給)からなる。3回の洗浄サイクルの終了後、すべての布地を市販の乾燥機でタンブラー乾燥する。乾燥すると、布地は柔軟性試験に使用できる状態になる。
【0102】
試験負荷
参照製品について及び試験組成物の各々について、表4に示す布地の試験負荷を用いる。
【表4】

【0103】
布地見本の試験
布地の試験負荷を、続いて、それぞれ分析する洗濯製品75mL(中程度の水硬度、中程度の汚れの推奨1回量)を投与ボールを用いて分与し、連続して各3回(サイクル1、2及び3)洗浄する。参照洗濯製品を試験製品と同じ条件下で洗浄する。
【0104】
洗濯機は、市水(2.5mmol/L)が40℃で供給され、1200rpmで回転する短時間(「白もの/色もの」)標準プログラムに設定する。製品間の汚染を避けるため、洗濯機は交替しない。各洗濯製品試験負荷について、サイクル1及び2の間並びにサイクル2及び3の間に全布地を乾燥機の「Kastdroog」(普通乾燥)の設定を使用してタンブラー乾燥し、3サイクルすべてを、同日に完了しなければならない。
【0105】
サイクル3の後、吊り干し乾燥が必要な布地(表4に示す)を取り出し、21℃、相対湿度50%に設定された調温調湿湿で一晩吊り干し乾燥する。他の布地は、タンブラー乾燥機で「Extra dry」(強力乾燥)設定を用いて乾燥する。
【0106】
乾燥の翌日、布地見本を、訓練を受けた柔軟性採点者2名により、PSU尺度を用いて採点する。本明細書で参照するPSU尺度は、試験製品で処理した布地見本と参照製品で処理した同種類の布地見本の一対の比較で、−4〜4の採点基準を用いる。この一対の比較によるPSU採点基準を下の表5に示す。
【表5】

【0107】
採点基準の数がプラスの場合、試験製品で処理した布地見本が参照製品のものよりも柔軟であることを支援し、採点基準の数がマイナスの場合、参照見本の方が柔軟であることを示す。特定の組の見本について、2名の柔軟性採点者の与えた等級が1PSUを超えて異なる(−1及び+1を除く)場合、再評価を行う。
【0108】
各試験製品について、負荷(バラスト負荷を除く)からの見本を、参照製品で洗浄した同じ布地種類の見本と比較する。したがって、各試験につき、採点者1名につき32のPSU等級(パイル地見本の吊り干し乾燥の採点8、パイル地見本のタンブラー乾燥の採点8、綿ニットの吊り干し乾燥の採点8、ポリコットンのタンブラー乾燥の採点8)を完了する。
【0109】
最後に、両採点者からの32の採点すべてを平均することで、柔軟性得点の平均を計算する。
【0110】
試験処方
上記の柔軟性試験は、参照製品として表6に示す市販の布地柔軟化洗濯洗剤組成物を用いて実施し、それを表3に記載の異なるコポリマー類の各々の1つを含有する表2に記載の処方に従う試験組成物と比較した。
【表6】

【0111】
試験組成物に使用したコポリマー類及び得られた柔軟性結果を表7にまとめる。
【表7】

【0112】
表3及び7に概要が示されたデータを比較することでわかるように、ポリマー2、3又は7を表2の試験組成物に組み込むことは、良好な柔軟性効果及び許容可能な量の布地上の残留物の両方を与える。他のポリマー類は、表2の試験組成物に組み込まれたとき、比較例として包含される。
【0113】
実施例III−洗剤組成物
本発明による追加の洗剤組成物の例を、下の組成物3A及び3Bとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される。
【表8】

【0114】
実施例IV
本発明による追加の洗濯洗剤組成物の例を、下に組成物4A〜4Eとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される。
【表9】

**濃度はカプセルを通じて供給される香油として表記
メルクアット(Merquat)5300は、モル比が90%PAM/5%AA/5%MAPTACのナルコ(Nalco)製のターポリマーである。
【0115】
実施例V
本発明による追加の洗濯洗剤組成物の例を下に組成物5A〜5Eとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される。
【表10】

【0116】
実施例VI
本発明による追加の洗濯洗剤組成物の例を下に組成物6A〜6Dとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される。
【表11】

【0117】
実施例VII
本発明による追加の洗濯洗剤組成物の例を下に組成物7A〜7Fとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される。
【表12】

1:ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)(ミシガン州ミッドランド(Midland))より供給
2:信越シリコーン(Shin-Etsu Silicones)(オハイオ州アクロン(Akron))より供給
【0118】
実施例VIII
本発明による追加の洗濯洗剤組成物の例を下に組成物8A〜8Cとして示す。これらの処方は、従来の家庭用洗濯機に使用したとき、良好な清浄化、柔軟性及び許容可能に少ない布地上の目に見える残留物を提供すると予想される
【表13】

1:ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)(ミシガン州ミッドランド(Midland))より供給
【0119】
実施例IX−水溶性1回用量洗剤
水溶性(1回用量)洗剤パッケージへの包含に有用な洗濯洗剤組成物の例が下に見出される。水溶性パッケージを形成するため、約45mLの組成物を、従来の熱成形プロセスにより、モノソール(Monosol)M8630可溶性フィルム内に封入する。
【表14】

【0120】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0121】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤組成物であって、
前記組成物の約5重量%〜約90重量%の水を含み、約6〜約11のpHを有し、更に、
a)前記組成物の約0.02重量%〜約2重量%の、約700,000〜約4,000,000の数平均分子量を有し、モノマー単位を含むポリマーであって、前記モノマー単位がモノマー類から誘導され、前記モノマー類が、
i)少なくとも50モル%の、アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート及びビニルピロリドン、ビニルアセテート、ビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択され、好ましくはアクリルアミド、ビニルピロリドン、及びこれらの混合物から選択される非イオン性モノマー類、
ii)約3モル%〜約30モル%の、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド(acrylamidoalkylltrialkylammonium chloride)、ビニルアミン、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から、好ましくは[(3−メチルアクリルアミド)アルキル]トリアルキルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドである、カチオン性モノマー類、
iii.約1モル%〜約20モル%の、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)、これらの塩類、及びこれらの混合物から、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択され、より好ましくはアクリル酸である、アニオン性モノマー類を含み、
その際、次式によるモノマー類の全モル比が0.25〜0.8、好ましくは0.35〜0.6である、前記ポリマーと、
【数1】

b)前記組成物の約5重量%〜約60重量%の界面活性剤であって、前記界面活性剤系の約1重量%〜約25重量%の脂肪酸を含む、界面活性剤系と、を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記モノマー単位が少なくとも70モル%のアクリルアミドから誘導される、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤系が約3%〜約15%の脂肪酸を含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記組成物が約5%〜約25%のアルキルエトキシ硫酸ナトリウムを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記洗剤組成物が脂肪酸結晶変性剤を更に含み、好ましくは前記脂肪酸結晶変性剤が
a)前記組成物の少なくとも5重量%のアルキルエトキシ硫酸ナトリウム、
b)約0.1%〜約10%の次式を有する四級アンモニウム界面活性剤
【化1】

式中、R及びRは独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hからなる群から選択され、ここでxは約2〜約5の値を有し、Xは陰イオンであり、(1)R及びRはそれぞれC〜C14アルキルであり、又は(2)RはC〜C22アルキルであり、RはC〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)Hからなる群から選択され、ここでxは約2〜約5の値である、
c)前記組成物の約0.1重量%〜約5重量%の、約300〜約6000の分子量を有し、平均アルコキシル化度が窒素1個当たり約3〜約30モルのアルキレンオキシドであるアルコキシル化ポリエチレンイミン類、
d)前記組成物の約0.1重量%〜約5重量%の、平均エトキシル化度が15〜18であるエトキシル化テトラエチレンペンタミン、
e)約1%〜約10%の双性イオン性界面活性剤、
f)約0.05%〜約2%のキレート化剤、
g)約0.1%〜約5%の双性イオン性アミン系ポリマー、
h)約1%〜約10%の非イオン性アルキルポリエトキシレート、及び
i)これらの混合物、から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記組成物が、分散性ポリオレフィン類、ポリマーラテックス類、オルガノシリコーン類、香料又はその他の活性マイクロカプセル類、及びこれらの混合物から選択される非水溶性布地ケア有益剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記オルガノシリコーン類が、ポリジメチルシロキサン類、アミノシリコーン類、アミドシリコーン類、シリコーンポリエーテル類、アルキルシリコーン類、フェニルシリコーン類、四級シリコーン類、及びこれらの混合物から選択される、請求項6に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記組成物が、前記組成物の約0.02重量%〜約0.5重量%のパールエッセンス剤を更に含み、好ましくは前記パールエッセンス剤が、雲母、金属酸化物被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、エチレングリコールジステアレート、フィッシュスケール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
約10%〜約90%の水を含み、約6〜約11のpHを有する洗濯洗剤組成物であって、前記組成物が更に
b)前記組成物の約0.05重量%〜約2重量%の、約700,000〜約4,000,000の数平均分子量を有し、モノマー単位を含むポリマーであって、前記モノマー単位がモノマー類から誘導され、前記モノマー類が
i)少なくとも70モル%のアクリルアミドと、
ii)約3モル%〜約30モル%の[(3−メチルアクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライドと、
iii)約1モル%〜約20モル%のアクリル酸と、
iv)任意に0モル%〜約10モル%のメタクリル酸と、を含み
その際次式によるモノマー類のモル比が0.3〜0.8である、前記ポリマーと、
【数2】

b)約3重量%〜約15重量%の脂肪酸を含む、前記組成物の約5重量%〜約60重量%の界面活性剤系と、
c)前記組成物の少なくとも0.1重量%の電解質と、を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
布地の洗濯又は前処理のための、請求項1に記載の洗濯組成物の使用。
【請求項11】
洗浄を通じて布地に柔軟性を提供するための、請求項1に記載の洗濯組成物の使用。

【公表番号】特表2011−511124(P2011−511124A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544823(P2010−544823)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050251
【国際公開番号】WO2009/095823
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】