干渉材及びそれを用いた真空成形方法
【課題】 真空成形時に熱可塑性のシート材を型のコーナー部に追従させるための干渉材を提供する。
【解決手段】 コーナー部3Aを有する型3と型を覆うカバー11との間に熱可塑性のシート材2を入れて、加温したシート材2を型3とカバー11との間を真空ポンプ13によって吸引することで型に密着させる真空成形装置において、シート材2を型3のコーナー部3Aに押しつける干渉材1であって、干渉材1が、伸縮性を有すると共にシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成され、干渉材1はコーナー部3Aに対応してシート材2とカバー11との間に入れられた状態で真空ポンプの吸引によって延びながらシート材を型に押しつける。
【解決手段】 コーナー部3Aを有する型3と型を覆うカバー11との間に熱可塑性のシート材2を入れて、加温したシート材2を型3とカバー11との間を真空ポンプ13によって吸引することで型に密着させる真空成形装置において、シート材2を型3のコーナー部3Aに押しつける干渉材1であって、干渉材1が、伸縮性を有すると共にシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成され、干渉材1はコーナー部3Aに対応してシート材2とカバー11との間に入れられた状態で真空ポンプの吸引によって延びながらシート材を型に押しつける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー部を有する型に軟化した熱可塑性のシート材を密着させて、角部を有する成形品を成形するときに用いる干渉材と、この干渉材を用いた真空成形方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のインストルメントパネルやコンソールなどの樹脂部品は、真空成形装置(Vacuum Forming Machine)などを利用して、成形することができる。真空成形装置としては、軟化した熱可塑性のプラスチックフィルムまたはシート(以下、これらを熱可塑性のシート材と言う。)を型に密着させて、上記樹脂部品を成形するものが知られている。
【0003】
このような装置に利用する熱可塑性のシート材としては、軟質ポリ塩化ビニルフィルム,硬質ポリ塩化ビニルシート,セルロースアセテートフィルム,ポリエチレンフィルム,ポリアクリル樹脂板などがある。また、型としては、アルミニウム及びその合金,エポキシ樹脂などが利用されており、型には熱可塑性のシート材との間を真空に排気するための孔が多数あけられている。
【0004】
さらに、真空成形装置には、熱可塑性のシート材を加熱する加熱ヒータが設けられており、この加熱ヒータとしては、赤外線ランプヒータ,ニクロム線ヒータ,ガスヒータなどを利用することができる。また、真空成形装置で用いる真空は低真空で、真空ポンプとしては各種のものが利用されている。
【0005】
このような従来における真空成形装置においては、型の上に載置した熱可塑性のシート材を加熱して軟化させた後に、熱可塑性のシート材と型との間を真空ポンプによって真空にし、熱可塑性のシート材を型に密着させて樹脂部品が成形されるようになっている。
【0006】
例えば、従来の真空成形作業においては、図13に示すように、一端に吸引口11Aを有するシリコン製の成形バッグ11の中で、熱可塑性のシート材2を型3の上に載置し、加熱ヒータにより熱可塑性のシート材2を軟化させた後に、吸引口11Aから真空ポンプにより内部の空気を吸引して、熱可塑性のシート材2を型3に密着させることが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の真空成形装置にあっては、図14に示すように、成形品20の角部20Aと型3のコーナー部3Aとの間に間隙S2が生じ、成形品20の角部20Aを正確に成形することができなかった。
このような成形不足を解消するために、熱可塑性のシート材2の加温温度を上げたり、図14に示すように型3のコーナー部3Aに孔3Bを開設して熱可塑性のシート材2を引き寄せることが考えられるが、何れの場合にも限度があるため、作業によっては成形品20の角部20Aを正確に成形することが困難であった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、真空成形時に熱可塑性のシート材2を型3のコーナー部3Aに追従させるための干渉材と、この干渉材を用いた真空成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コーナー部を有する型とこの型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温したシート材を型とカバーとの間を真空ポンプによって吸引することで型に密着させる真空成形装置における、シート材を型のコーナー部に押しつける干渉材であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成されており、コーナー部に対応してシート材とカバーとの間に入れられた状態で真空ポンプの吸引によって、延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0010】
本発明の干渉材は、うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが渦巻状に形成されている。なお、干渉材として、中心から同心円状に、うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが交互に形成されたものを用いてもよい。さらに、本発明の干渉材には、前記頂部と前記底部に筋状の溝が形成され、または、前記頂部と前記底部の中に、頂部の稜線と底部の延在方向に沿って空洞が形成されているのが望ましい。
【0011】
また、本発明の干渉材は、上方及び/又は下方に突出した角錐を複数備え、または、複数の穴を開設して構成されていてもよい。なお、上記干渉材は、例えばシリコンゴムにより構成されている。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、コーナー部を有する型とこの型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温したシート材を型とカバーとの間を真空ポンプによって吸引することで型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、コーナー部に対応してシート材とカバーとの間に入れ、シート材を加温して軟化した後、真空ポンプにより吸引することで、干渉材が延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0013】
または、上記目的を達成するために、本発明は、伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材を加温する温度に対して耐熱性を有する成形バッグの中にコーナー部を有する型とシート材とを入れて、加温したシート材を型と成形バッグとの間を真空ポンプによって吸引することで型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、コーナー部に対応してシート材と成形バッグとの間に入れ、シート材を加温して軟化した後に真空ポンプにより成形バッグ内を吸引することで、干渉材が延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0014】
本発明においては、干渉材が真空ポンプの吸引によって形状を変形する。即ち、シート状に形成された干渉材は、断面が凹凸型に形成されているために、熱可塑性のシート材と当接する底面及び/又はカバーと当接する上面と、熱可塑性のシート材及び/又はカバーとの間に隙間を画成し、これらの隙間内の空気が真空ポンプによって吸引されることによって、熱可塑性のシート材やカバーと密着するように変形する。このような、真空ポンプによる吸引の影響が、熱可塑性のシート材やカバーだけでなく、干渉材にも働くことで、加熱可塑性のシート材は干渉材からも力を受けて、型に押しつけられる。
このように本発明によれば、熱可塑性のシート材がカバーと共に干渉材にも押されることにより、型に密着することになり、型のコーナー部にも熱可塑性のシート材が密着することになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、型に熱可塑性のシート材を追従促進できるため、高品質の成形品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る干渉材1を用いた真空成形装置10を示す図であり、真空成形装置10は、吸引口11Aを有するシリコン製の成形バッグ11と、吸引口11Aに接続されたバキュームホース12と、バキュームホース12を介して成形バッグ11に接続された真空ポンプ13と、加熱ヒータ(図示省略)と、から構成されている。
このような真空成形装置10における真空作業においては、成形バッグ11の中で、熱可塑性のシート材2が型3に載置されている。ここで、型3にはコーナー部3Aが形成されており、このコーナー部3Aに熱可塑性のシート材2を密着させて成形品に角部を成形するようになっている。
【0017】
このような構成は、従来の真空成形装置と同じ構成であるが、本発明の実施形態に係る真空成形装置10では、成形バッグ11内の熱可塑性のシート材2の上に干渉材1を載置して、真空成形作業が行われることを特徴としている。
【0018】
干渉材1は、熱可塑性のシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有し、伸縮性を有するものであり、例えば、シリコンゴムによってシート状に形成されている。図1に示す例においては、型3のコーナー部3Aに対応した熱可塑性のシート材2の上に載置されて、熱可塑性のシート材2よりも小さい寸法で形成されているが、干渉材1の大きさはこれに限定されるものではなく、熱可塑性のシート材2の上面のほぼ全体を覆うように熱可塑性のシート材2と同じ寸法程度に形成されていてもよい。
【0019】
そして、干渉材1は、例えば、平面視、図2に示すように、中心からうずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとが渦巻状に、または図3に示すように、中心から同心円状にうずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとが交互に形成された波紋形状に形成されている。
【0020】
さらに、干渉材1は、断面が凹凸型に形作られており、具体的には、図4(A)及び(B)に示すように、均一な厚みで、うずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとがアール付きの波形状に形成されており、成形バッグ11内の空気が真空ポンプ13により吸引されたときには、例えば、型の平らな面に整合するように、図4(C)の如く容易に平らに変形することができるようになっている。
【0021】
また、干渉材1は、図5(A)及び(B)に示すように、均一な厚みで、盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとを直線状に連結した波形状に断面が形成されていても良く、この場合にも、真空ポンプ13の吸引の影響を受けて、例えば、型の平らな面に整合するように、図5(C)の如く、干渉材1は平らに変形することができる。
【0022】
その他の干渉材1の形状としては、図6(A)及び(B)に示すように、図4と同様に波形のシート状に構成すると共に、頂部1Aと底部1Bに筋状の溝1C1,1C2を形成するか、または図7(A)及び(B)に示すように、図4の波形のシート状の干渉材1において、頂部1Aと底部1Bの中に、頂部1Aの稜線と底部1Bの延在方向に沿って空洞1Dを形成するとよい。このように、干渉材1に溝1C1,1C2を設けると図6(C)に示すように頂部1Aの溝1C1が潰れると共に底部1Bの溝1C2が拡開して、また、干渉材1に空洞1Dを設けると図7(C)に示すように空洞1Dが変形して、真空ポンプ13による吸引時に干渉材1が折れ曲がり易くなる。
【0023】
さらに、干渉材1は、図2及び図3に示す形状の他に、図8に示すように、角錐1Eが前後左右に整列したものであって良い。その断面は、図5(B)に示すように、厚みが均一で、上下に角錐の頂部が突出するように凹凸形状に形成されている。また、干渉材1は、図9(A)及び(B)に示すようにシートの上方にだけ突出するようにシート上面に複数の角錐1Eが整列した形状に、図10(A)及び(B)に示すようにシートの上面と底面とからそれぞれ角錐1Eが突出した形状であっても良い。
【0024】
上記の説明では、干渉材1が上方に突出する部位として頂部1Aや角錐1Eを備える場合を例示したが、干渉材1は、図11に示すように、突出部位を備える代わりに、シートに複数の穴1Fを開設して形成されていても良い。
【0025】
このように構成された干渉材1を用いた真空成形方法について説明する。
先ず、図1に示すように、成形バッグ11の中に、型3と、熱可塑性のシート材2と、干渉材1とを入れる。このとき、干渉材1を、型3のコーナー部3Aに対応した熱可塑性のシート材2の上に載置する。
【0026】
次いで、加熱ヒータ(図示省略)で熱可塑性のシート材2を加温する。そして、熱可塑性のシート材2が軟化したら、吸引口11Aを介して真空ポンプ13により成形バッグ11内の空気を吸引する。この吸引により、成形バッグ11内が吸引されるにつれて成形バッグ11が型3に引き寄せられることになる。
【0027】
このとき、干渉材1と熱可塑性のシート材2との間に当初形成されていた間隙S1は、真空ポンプ13の吸引により干渉材1が変形して閉じられる。即ち、真空ポンプ13の吸引作用により、図12に示すように干渉材1が熱可塑性のシート材2に密着しつつ、熱可塑性のシート材2を型3に押しつける。これにより、熱可塑性のシート材2は干渉材1に押されて型3に密着することになり、型3のコーナー部3Aにも熱可塑性のシート材2が当接する。
【0028】
このように、本発明の実施形態に係る干渉材1を熱可塑性のシート材2と成形バッグ11との間に配設することにより、真空ポンプ13によって干渉材1が延びながら熱可塑性のシート材2を型3に押しつけるので、型3のコーナー部3Aに熱可塑性のシート材2を十分に密着させることができる。よって、干渉材1を用いることにより、成形品の角部を正確に成形することができる。
【0029】
さらに、図6及び図7に示す干渉材1を用いた場合には、頂部1Aと底部1Bとに、溝1C1,1C2や空洞1Dが形成されているため、干渉材1を容易に変形することができ、これにより、干渉材1と熱可塑性のシート材2との密着性が向上し、熱可塑性のシート材2は干渉材1によって型3のコーナー部3Aに十分に押しつけることができる。
【0030】
以上説明したほかに、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、干渉材1の形状は例示であり、成形バッグ11の中に入れた段階で熱可塑性のシート材2との間に間隙S1を構成し、真空ポンプ13の吸引によって該間隙S1を閉じて変形して熱可塑性のシート材2を型3に押しつけることができる形状であれば如何なるものであってもよい。
【0031】
また、上述の説明では、干渉材1と熱可塑性のシート材2と型3とが、成形バッグ11の中に入れられる真空成形装置10を例示したが、成形バッグ11に限らず、本発明の干渉材1は他の真空成形装置にも利用することができるのは勿論である。
【0032】
例えば、他の真空成形装置としては、成形バッグ11の代わりに上方に開いたボックスと、このボックスの開口を閉塞するリッド(蓋)とを用い、ボックス内に型を載せる支持台を備え、さらに、上記リッドが、枠と型を覆うために枠内に張られたカバーとにより構成されている。そして、枠に張られたカバーは、伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有している。このような装置の使用方法としては、型3を支持台の上に載置し、型3に熱可塑性のシート材2を被せ、さらに干渉材1をコーナー部3Aに対応した位置に置き、リッドによりボックスの開口を閉じる。そして、加熱ヒータにより熱可塑性のシート材2を軟化させた後に、ボックス内の空気を真空ポンプ13により吸引することで、上記真空成形装置10と同様に、上記カバーが型側に引き寄せられる。その際に、上述したように干渉材1も変形し、熱可塑性のシート材2を型3のコーナー部3Aに押しつけることができる。
【0033】
このように、本発明は、成形バッグ11に限らず、型と熱可塑性のシート材2との間の真空にすることができるものであれば利用することができるのは勿論である。即ち、本発明は、熱可塑性のシート材2を載せた型3と、この型3を覆うカバーとの間を真空にすることで、軟化した熱可塑性のシート材2を型3に密着させる真空成形装置に適用することができるのである。
【0034】
上記の真空成形装置10における成形バッグ11は、本発明のカバーの一例であり、成形バッグ11が一体物として構成される場合を例示したが、成形バッグ11は、皿状のバッグ下部と、このバッグ下部に重なる蓋状のバッグ上部とに分離可能に構成されたものであって、バッグ下部とバッグ上部とが重なって内部に型3等を収容するスペースを画成するように構成されたものであってもよい。
【0035】
また、上記型3には熱可塑性のシート材2を引き寄せる為の孔が多数設けられているのは勿論であるが、型3のコーナー部3Aにおける熱可塑性のシート材2の密着性を向上させる為に、型3のコーナー部3Aに型3を貫通する孔3Bを図14のように開設しても良い。
【0036】
さらに、干渉材1としてシリコンゴム製のシートを使用することを例示したが、シリコンゴム製のシートの代わりに、熱可塑性のシート材2を加温する際の温度に対して耐熱性を有し、伸縮性を有する材質で成り、断面が凹凸形状に形成されて、真空ポンプの吸引により凹凸が平らに変形するようなシート状物を用いてよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る干渉材を用いた真空成形装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図4】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のA−A線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図5】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図6】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のC−C線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図7】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のD−D線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図9】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図で、(B)は(A)のE−E線断面図である。
【図10】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図で、(B)は(A)のF−F線断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る真空成形装置の使用状態を示す図であり、真空引きにより干渉材が熱可塑性のシート材を型に押しつけた状態を示す。
【図13】従来の真空成形装置を示す図である。
【図14】従来の真空成形装置において、熱可塑性のシート材と型のコーナー部との間に間隙が生じている状態を示す。
【符号の説明】
【0038】
1 干渉材
1A 頂部
1B 底部
1C1,1C2 溝
1D 空洞
1E 角錐
1F 穴
2 熱可塑性のシート材
3 型
3A コーナー部
3B 孔
10 真空成形装置
11 成形バッグ
11A 吸引口
12 バキュームホース
13 真空ポンプ
S1 間隙
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー部を有する型に軟化した熱可塑性のシート材を密着させて、角部を有する成形品を成形するときに用いる干渉材と、この干渉材を用いた真空成形方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のインストルメントパネルやコンソールなどの樹脂部品は、真空成形装置(Vacuum Forming Machine)などを利用して、成形することができる。真空成形装置としては、軟化した熱可塑性のプラスチックフィルムまたはシート(以下、これらを熱可塑性のシート材と言う。)を型に密着させて、上記樹脂部品を成形するものが知られている。
【0003】
このような装置に利用する熱可塑性のシート材としては、軟質ポリ塩化ビニルフィルム,硬質ポリ塩化ビニルシート,セルロースアセテートフィルム,ポリエチレンフィルム,ポリアクリル樹脂板などがある。また、型としては、アルミニウム及びその合金,エポキシ樹脂などが利用されており、型には熱可塑性のシート材との間を真空に排気するための孔が多数あけられている。
【0004】
さらに、真空成形装置には、熱可塑性のシート材を加熱する加熱ヒータが設けられており、この加熱ヒータとしては、赤外線ランプヒータ,ニクロム線ヒータ,ガスヒータなどを利用することができる。また、真空成形装置で用いる真空は低真空で、真空ポンプとしては各種のものが利用されている。
【0005】
このような従来における真空成形装置においては、型の上に載置した熱可塑性のシート材を加熱して軟化させた後に、熱可塑性のシート材と型との間を真空ポンプによって真空にし、熱可塑性のシート材を型に密着させて樹脂部品が成形されるようになっている。
【0006】
例えば、従来の真空成形作業においては、図13に示すように、一端に吸引口11Aを有するシリコン製の成形バッグ11の中で、熱可塑性のシート材2を型3の上に載置し、加熱ヒータにより熱可塑性のシート材2を軟化させた後に、吸引口11Aから真空ポンプにより内部の空気を吸引して、熱可塑性のシート材2を型3に密着させることが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の真空成形装置にあっては、図14に示すように、成形品20の角部20Aと型3のコーナー部3Aとの間に間隙S2が生じ、成形品20の角部20Aを正確に成形することができなかった。
このような成形不足を解消するために、熱可塑性のシート材2の加温温度を上げたり、図14に示すように型3のコーナー部3Aに孔3Bを開設して熱可塑性のシート材2を引き寄せることが考えられるが、何れの場合にも限度があるため、作業によっては成形品20の角部20Aを正確に成形することが困難であった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、真空成形時に熱可塑性のシート材2を型3のコーナー部3Aに追従させるための干渉材と、この干渉材を用いた真空成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コーナー部を有する型とこの型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温したシート材を型とカバーとの間を真空ポンプによって吸引することで型に密着させる真空成形装置における、シート材を型のコーナー部に押しつける干渉材であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成されており、コーナー部に対応してシート材とカバーとの間に入れられた状態で真空ポンプの吸引によって、延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0010】
本発明の干渉材は、うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが渦巻状に形成されている。なお、干渉材として、中心から同心円状に、うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが交互に形成されたものを用いてもよい。さらに、本発明の干渉材には、前記頂部と前記底部に筋状の溝が形成され、または、前記頂部と前記底部の中に、頂部の稜線と底部の延在方向に沿って空洞が形成されているのが望ましい。
【0011】
また、本発明の干渉材は、上方及び/又は下方に突出した角錐を複数備え、または、複数の穴を開設して構成されていてもよい。なお、上記干渉材は、例えばシリコンゴムにより構成されている。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、コーナー部を有する型とこの型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温したシート材を型とカバーとの間を真空ポンプによって吸引することで型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、コーナー部に対応してシート材とカバーとの間に入れ、シート材を加温して軟化した後、真空ポンプにより吸引することで、干渉材が延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0013】
または、上記目的を達成するために、本発明は、伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材を加温する温度に対して耐熱性を有する成形バッグの中にコーナー部を有する型とシート材とを入れて、加温したシート材を型と成形バッグとの間を真空ポンプによって吸引することで型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、伸縮性を有すると共にシート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、コーナー部に対応してシート材と成形バッグとの間に入れ、シート材を加温して軟化した後に真空ポンプにより成形バッグ内を吸引することで、干渉材が延びながらシート材を型に押しつけることを特徴としている。
【0014】
本発明においては、干渉材が真空ポンプの吸引によって形状を変形する。即ち、シート状に形成された干渉材は、断面が凹凸型に形成されているために、熱可塑性のシート材と当接する底面及び/又はカバーと当接する上面と、熱可塑性のシート材及び/又はカバーとの間に隙間を画成し、これらの隙間内の空気が真空ポンプによって吸引されることによって、熱可塑性のシート材やカバーと密着するように変形する。このような、真空ポンプによる吸引の影響が、熱可塑性のシート材やカバーだけでなく、干渉材にも働くことで、加熱可塑性のシート材は干渉材からも力を受けて、型に押しつけられる。
このように本発明によれば、熱可塑性のシート材がカバーと共に干渉材にも押されることにより、型に密着することになり、型のコーナー部にも熱可塑性のシート材が密着することになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、型に熱可塑性のシート材を追従促進できるため、高品質の成形品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る干渉材1を用いた真空成形装置10を示す図であり、真空成形装置10は、吸引口11Aを有するシリコン製の成形バッグ11と、吸引口11Aに接続されたバキュームホース12と、バキュームホース12を介して成形バッグ11に接続された真空ポンプ13と、加熱ヒータ(図示省略)と、から構成されている。
このような真空成形装置10における真空作業においては、成形バッグ11の中で、熱可塑性のシート材2が型3に載置されている。ここで、型3にはコーナー部3Aが形成されており、このコーナー部3Aに熱可塑性のシート材2を密着させて成形品に角部を成形するようになっている。
【0017】
このような構成は、従来の真空成形装置と同じ構成であるが、本発明の実施形態に係る真空成形装置10では、成形バッグ11内の熱可塑性のシート材2の上に干渉材1を載置して、真空成形作業が行われることを特徴としている。
【0018】
干渉材1は、熱可塑性のシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有し、伸縮性を有するものであり、例えば、シリコンゴムによってシート状に形成されている。図1に示す例においては、型3のコーナー部3Aに対応した熱可塑性のシート材2の上に載置されて、熱可塑性のシート材2よりも小さい寸法で形成されているが、干渉材1の大きさはこれに限定されるものではなく、熱可塑性のシート材2の上面のほぼ全体を覆うように熱可塑性のシート材2と同じ寸法程度に形成されていてもよい。
【0019】
そして、干渉材1は、例えば、平面視、図2に示すように、中心からうずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとが渦巻状に、または図3に示すように、中心から同心円状にうずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとが交互に形成された波紋形状に形成されている。
【0020】
さらに、干渉材1は、断面が凹凸型に形作られており、具体的には、図4(A)及び(B)に示すように、均一な厚みで、うずたかく盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとがアール付きの波形状に形成されており、成形バッグ11内の空気が真空ポンプ13により吸引されたときには、例えば、型の平らな面に整合するように、図4(C)の如く容易に平らに変形することができるようになっている。
【0021】
また、干渉材1は、図5(A)及び(B)に示すように、均一な厚みで、盛り上がった頂部1Aと凹んだ底部1Bとを直線状に連結した波形状に断面が形成されていても良く、この場合にも、真空ポンプ13の吸引の影響を受けて、例えば、型の平らな面に整合するように、図5(C)の如く、干渉材1は平らに変形することができる。
【0022】
その他の干渉材1の形状としては、図6(A)及び(B)に示すように、図4と同様に波形のシート状に構成すると共に、頂部1Aと底部1Bに筋状の溝1C1,1C2を形成するか、または図7(A)及び(B)に示すように、図4の波形のシート状の干渉材1において、頂部1Aと底部1Bの中に、頂部1Aの稜線と底部1Bの延在方向に沿って空洞1Dを形成するとよい。このように、干渉材1に溝1C1,1C2を設けると図6(C)に示すように頂部1Aの溝1C1が潰れると共に底部1Bの溝1C2が拡開して、また、干渉材1に空洞1Dを設けると図7(C)に示すように空洞1Dが変形して、真空ポンプ13による吸引時に干渉材1が折れ曲がり易くなる。
【0023】
さらに、干渉材1は、図2及び図3に示す形状の他に、図8に示すように、角錐1Eが前後左右に整列したものであって良い。その断面は、図5(B)に示すように、厚みが均一で、上下に角錐の頂部が突出するように凹凸形状に形成されている。また、干渉材1は、図9(A)及び(B)に示すようにシートの上方にだけ突出するようにシート上面に複数の角錐1Eが整列した形状に、図10(A)及び(B)に示すようにシートの上面と底面とからそれぞれ角錐1Eが突出した形状であっても良い。
【0024】
上記の説明では、干渉材1が上方に突出する部位として頂部1Aや角錐1Eを備える場合を例示したが、干渉材1は、図11に示すように、突出部位を備える代わりに、シートに複数の穴1Fを開設して形成されていても良い。
【0025】
このように構成された干渉材1を用いた真空成形方法について説明する。
先ず、図1に示すように、成形バッグ11の中に、型3と、熱可塑性のシート材2と、干渉材1とを入れる。このとき、干渉材1を、型3のコーナー部3Aに対応した熱可塑性のシート材2の上に載置する。
【0026】
次いで、加熱ヒータ(図示省略)で熱可塑性のシート材2を加温する。そして、熱可塑性のシート材2が軟化したら、吸引口11Aを介して真空ポンプ13により成形バッグ11内の空気を吸引する。この吸引により、成形バッグ11内が吸引されるにつれて成形バッグ11が型3に引き寄せられることになる。
【0027】
このとき、干渉材1と熱可塑性のシート材2との間に当初形成されていた間隙S1は、真空ポンプ13の吸引により干渉材1が変形して閉じられる。即ち、真空ポンプ13の吸引作用により、図12に示すように干渉材1が熱可塑性のシート材2に密着しつつ、熱可塑性のシート材2を型3に押しつける。これにより、熱可塑性のシート材2は干渉材1に押されて型3に密着することになり、型3のコーナー部3Aにも熱可塑性のシート材2が当接する。
【0028】
このように、本発明の実施形態に係る干渉材1を熱可塑性のシート材2と成形バッグ11との間に配設することにより、真空ポンプ13によって干渉材1が延びながら熱可塑性のシート材2を型3に押しつけるので、型3のコーナー部3Aに熱可塑性のシート材2を十分に密着させることができる。よって、干渉材1を用いることにより、成形品の角部を正確に成形することができる。
【0029】
さらに、図6及び図7に示す干渉材1を用いた場合には、頂部1Aと底部1Bとに、溝1C1,1C2や空洞1Dが形成されているため、干渉材1を容易に変形することができ、これにより、干渉材1と熱可塑性のシート材2との密着性が向上し、熱可塑性のシート材2は干渉材1によって型3のコーナー部3Aに十分に押しつけることができる。
【0030】
以上説明したほかに、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、干渉材1の形状は例示であり、成形バッグ11の中に入れた段階で熱可塑性のシート材2との間に間隙S1を構成し、真空ポンプ13の吸引によって該間隙S1を閉じて変形して熱可塑性のシート材2を型3に押しつけることができる形状であれば如何なるものであってもよい。
【0031】
また、上述の説明では、干渉材1と熱可塑性のシート材2と型3とが、成形バッグ11の中に入れられる真空成形装置10を例示したが、成形バッグ11に限らず、本発明の干渉材1は他の真空成形装置にも利用することができるのは勿論である。
【0032】
例えば、他の真空成形装置としては、成形バッグ11の代わりに上方に開いたボックスと、このボックスの開口を閉塞するリッド(蓋)とを用い、ボックス内に型を載せる支持台を備え、さらに、上記リッドが、枠と型を覆うために枠内に張られたカバーとにより構成されている。そして、枠に張られたカバーは、伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材2を加温する温度に対して耐熱性を有している。このような装置の使用方法としては、型3を支持台の上に載置し、型3に熱可塑性のシート材2を被せ、さらに干渉材1をコーナー部3Aに対応した位置に置き、リッドによりボックスの開口を閉じる。そして、加熱ヒータにより熱可塑性のシート材2を軟化させた後に、ボックス内の空気を真空ポンプ13により吸引することで、上記真空成形装置10と同様に、上記カバーが型側に引き寄せられる。その際に、上述したように干渉材1も変形し、熱可塑性のシート材2を型3のコーナー部3Aに押しつけることができる。
【0033】
このように、本発明は、成形バッグ11に限らず、型と熱可塑性のシート材2との間の真空にすることができるものであれば利用することができるのは勿論である。即ち、本発明は、熱可塑性のシート材2を載せた型3と、この型3を覆うカバーとの間を真空にすることで、軟化した熱可塑性のシート材2を型3に密着させる真空成形装置に適用することができるのである。
【0034】
上記の真空成形装置10における成形バッグ11は、本発明のカバーの一例であり、成形バッグ11が一体物として構成される場合を例示したが、成形バッグ11は、皿状のバッグ下部と、このバッグ下部に重なる蓋状のバッグ上部とに分離可能に構成されたものであって、バッグ下部とバッグ上部とが重なって内部に型3等を収容するスペースを画成するように構成されたものであってもよい。
【0035】
また、上記型3には熱可塑性のシート材2を引き寄せる為の孔が多数設けられているのは勿論であるが、型3のコーナー部3Aにおける熱可塑性のシート材2の密着性を向上させる為に、型3のコーナー部3Aに型3を貫通する孔3Bを図14のように開設しても良い。
【0036】
さらに、干渉材1としてシリコンゴム製のシートを使用することを例示したが、シリコンゴム製のシートの代わりに、熱可塑性のシート材2を加温する際の温度に対して耐熱性を有し、伸縮性を有する材質で成り、断面が凹凸形状に形成されて、真空ポンプの吸引により凹凸が平らに変形するようなシート状物を用いてよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る干渉材を用いた真空成形装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図4】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のA−A線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図5】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図6】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のC−C線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図7】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図、(B)は(A)のD−D線断面図、(C)はその変形状態の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図9】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図で、(B)は(A)のE−E線断面図である。
【図10】(A)は本発明の実施形態に係る干渉材の斜視図で、(B)は(A)のF−F線断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る干渉材を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る真空成形装置の使用状態を示す図であり、真空引きにより干渉材が熱可塑性のシート材を型に押しつけた状態を示す。
【図13】従来の真空成形装置を示す図である。
【図14】従来の真空成形装置において、熱可塑性のシート材と型のコーナー部との間に間隙が生じている状態を示す。
【符号の説明】
【0038】
1 干渉材
1A 頂部
1B 底部
1C1,1C2 溝
1D 空洞
1E 角錐
1F 穴
2 熱可塑性のシート材
3 型
3A コーナー部
3B 孔
10 真空成形装置
11 成形バッグ
11A 吸引口
12 バキュームホース
13 真空ポンプ
S1 間隙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーナー部を有する型と該型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温した上記シート材を上記型と上記カバーとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型に密着させる真空成形装置において、上記シート材を上記型のコーナー部に押しつける干渉材であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成されており、
上記コーナー部に対応して上記シート材と上記カバーとの間に入れられた状態で上記真空ポンプの吸引によって、延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材。
【請求項2】
うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが渦巻状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項3】
前記頂部と前記底部に筋状の溝が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の干渉材。
【請求項4】
前記頂部と前記底部の中に、頂部の稜線と底部の延在方向に沿って空洞が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の干渉材。
【請求項5】
上方及び/又は下方に突出した角錐を複数備えたことを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項6】
複数の穴を開設したことを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項7】
シリコンゴムにより構成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の干渉材。
【請求項8】
コーナー部を有する型と該型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温した上記シート材を上記型と上記カバーとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、上記コーナー部に対応して上記シート材と上記カバーとの間に入れ、
上記シート材を加温して軟化した後、上記真空ポンプにより吸引することで、上記干渉材が延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材を用いた真空成形方法。
【請求項9】
伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材を加温する温度に対して耐熱性を有する成形バッグの中にコーナー部を有する型と上記シート材とを入れて、加温した上記シート材を上記型と上記成形バッグとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、上記コーナー部に対応して上記シート材と上記成形バッグとの間に入れ、
上記シート材を加温して軟化した後に上記真空ポンプにより成形バッグ内を吸引することで、上記干渉材が延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材を用いた真空成形方法。
【請求項1】
コーナー部を有する型と該型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温した上記シート材を上記型と上記カバーとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型に密着させる真空成形装置において、上記シート材を上記型のコーナー部に押しつける干渉材であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成されており、
上記コーナー部に対応して上記シート材と上記カバーとの間に入れられた状態で上記真空ポンプの吸引によって、延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材。
【請求項2】
うずたかく盛り上がった頂部と凹んだ底部とが渦巻状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項3】
前記頂部と前記底部に筋状の溝が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の干渉材。
【請求項4】
前記頂部と前記底部の中に、頂部の稜線と底部の延在方向に沿って空洞が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の干渉材。
【請求項5】
上方及び/又は下方に突出した角錐を複数備えたことを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項6】
複数の穴を開設したことを特徴とする、請求項1に記載の干渉材。
【請求項7】
シリコンゴムにより構成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の干渉材。
【請求項8】
コーナー部を有する型と該型を覆うカバーとの間に熱可塑性のシート材を入れて、加温した上記シート材を上記型と上記カバーとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、上記コーナー部に対応して上記シート材と上記カバーとの間に入れ、
上記シート材を加温して軟化した後、上記真空ポンプにより吸引することで、上記干渉材が延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材を用いた真空成形方法。
【請求項9】
伸縮性を有すると共に熱可塑性のシート材を加温する温度に対して耐熱性を有する成形バッグの中にコーナー部を有する型と上記シート材とを入れて、加温した上記シート材を上記型と上記成形バッグとの間を真空ポンプによって吸引することで上記型のコーナー部に密着させる真空成形方法であって、
伸縮性を有すると共に上記シート材を加温する温度に対して耐熱性を有し、断面に凹凸を有するシート状に形成した干渉材を、上記コーナー部に対応して上記シート材と上記成形バッグとの間に入れ、
上記シート材を加温して軟化した後に上記真空ポンプにより成形バッグ内を吸引することで、上記干渉材が延びながら上記シート材を上記型に押しつけることを特徴とする、干渉材を用いた真空成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−137165(P2006−137165A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331260(P2004−331260)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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