説明

建設機械の油圧回路

【課題】走行速度を1速走行から該1速走行よりも高速の2速走行に切り換えたときの走行性及び燃費の向上を図る。
【解決手段】走行モータ14,21が可変容量形の走行モータであり、該走行モータを小容量側に傾転させて該走行モータの回転速度を1速走行よりも高速の2速走行に上げて維持可能な速度調整手段37a,37bと、該速度調整手段が走行モータの速度を1速走行から2速走行に切り換える信号を生成するとともに、走行モータの走行と作業機用アクチュエータ16,23の操作をそれぞれ異なる油圧ポンプ11,12で駆動するように走行直進弁20を切り換える速度切換手段34を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械の油圧回路に関するものであり、特に、油圧ショベル等の建設機械において直進走行を容易にするための切換弁(以下,走行直進弁という)を利用した建設機械の油圧回路の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来から建設機械、特に油圧ショベル等の建設機械においては、建設機械をある場所に停止して作業を行うだけでなく、走行しながら他の作業を行う必要もある。この場合、例えばパイプ敷設や木材の整理作業等のように直進走行が要求される場合が多い。したがって、この種の建設機械の油圧回路では複数の油圧ポンプを使用して直進走行性を向上させるとともに、直進走行時における作業または停止時における作業の性能を上げるために従来から種々の工夫がなされてきている。
【0003】
図4,図5に従来の油圧回路の一例(以下、従来回路1という)を示す。図4,図5において,油圧ポンプ51のセンタ油路52には、走行モータ53を制御するための走行制御弁54、旋回モータ(図示せず)を制御するための旋回制御弁55、アームシリンダを制御するためのアーム制御弁56、及び、油タンクTが接続されている。同様に、油圧ポンプ61のセンタ油路62には、走行直進弁63、走行モータ64を制御する走行制御弁65、ブームシリンダ(図示せず)を制御するブーム制御弁66、バケットシリンダ(図示せず)を制御するバケット制御弁67、及び、油タンクTが接続されている。前記制御弁54〜56、及び、65〜67は図示しない各々のリモコン弁を操作したときにパイロットポートにパイロット圧油が作用するように接続されている。以下、説明を簡単化するために、走行制御弁54、65以外の制御弁55、56、66、及び(または)67を作業機の制御弁ということにする。
【0004】
また、前記センタ油路52から分岐したパラレル油路58は走行直進弁63を連通し、パラレル油路59が旋回制御弁55、及び、アーム制御弁56の入力油路と合流している。一方、センタ油路62から分岐したパラレル油路68はブーム制御弁66、及び、バケット制御弁67の入力油路に合流している。また、パラレル油路68の途中から分岐したバイパス油路71は絞り72、チェック弁73が接続され,センタ油路62の走行制御弁65の上流に接続されている。
【0005】
前記走行直進弁63はスプリング63bとパイロットポート63aのパイロット圧によって状態(a)の位置から状態(b)の位置、または、その逆に切り換わる。パイロットポート63aには、走行制御弁54,65と作業機の制御弁55,56,66、または、67とが同時に操作されたとき(走行と他の作業が同時に行われる場合)にパイロット圧が作用して切り換わるように図示されていない回路が接続されている。パイロット圧が作用して状態(a)の位置に切り換わった場合を図5に示している。
【0006】
次に、この油圧回路の動作を説明する。図4は走行のみ(または作業機の操作のみ)の場合の回路を示す。単独走行の場合、走行直進弁63は状態(b)の位置にあり、油圧ポンプ51の圧油は、センタ油路52を通って走行制御弁54、走行モータ53に供給され、作業機の制御弁55,56にはパラレル油路58,59を通って供給される。同様に、油圧ポンプ61の圧油は、センタ油路62を通って走行制御弁65、走行モータ64に供給され、作業機の制御弁66,67にはパラレル油路68を通って供給される。したがって、走行モータ53,64には油圧ポンプ51,61からそれぞれ圧油が供給されるため直進走行が容易になる。
【0007】
図5は走行しながら作業機を操作する場合の回路を示す。この場合、走行直進弁63は状態(a)の位置に切り換わる。図5で、油圧モータ51の圧油はセンタ油路52により走行制御弁54に流れるとともにパラレル油路58、走行直進弁63、センタ油路62を通って走行制御弁65に流れる。一方、油圧ポンプ61の圧油は、パラレル油路68を通って作業機の制御弁66,67に流れるとともにセンタ油路62、走行直進弁63、パラレル油路59を通って、作業機の制御弁55,56に流れる。したがって、図5の場合は、油圧ポンプ51から走行制御弁54、65に等量の圧油が流れ、直進走行が可能となる。また、作業機の制御弁55,56、66,67には油圧ポンプ61からの圧油が流れ、作業も同時に行える。なお、作業機の制御弁55,56、66,67が油圧ポンプ61の圧油を使用する流量が少ない場合、余剰の圧油はバイパス油路71を通って、センタ油路62に供給される。
【0008】
また、類似の回路構成として、例えば、特許文献1に開示されている建設機械の油圧回路(以下、従来回路2という)もある。
【特許文献1】特開平8−13545号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで,図4,図5(従来回路1)、及び、特許文献1(従来回路2)に記載の建設機械の油圧回路においては、建設機械の走行速度を1速走行から該1速走行高速の2速走行に切り換えたようなとき、両油圧ポンプの吐出量を中間傾転域でほぼ等しく固定することは困難で両走行モータの負荷圧差が大きくなり、走行蛇行の原因になっていた。また、負荷差により圧損が大きく燃費が悪いという問題があった。
【0010】
そこで、走行速度を1速走行から該1速走行よりも高速の2速走行に切り換えたときの走行性及び燃費の向上を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、2個の油圧ポンプにそれぞれ接続されている2つのセンタ油路を有し、一方の油圧ポンプに接続されているセンタ油路上流と他方の油圧ポンプに接続されているパラレル油路上流に走行直進弁を設けるとともに、前記2つのセンタ油路下流に作業機用アクチュエータの制御弁及び走行モータをそれぞれ接続して設けた建設機械の油圧回路において、前記走行モータが可変容量形の走行モータであり、該走行モータを小容量側に傾転させて該走行モータの回転速度を1速走行よりも高速の2速走行に上げて維持可能な速度調整手段と、前記速度調整手段が前記走行モータの速度を1速走行から前記2速走行に切り換える信号を生成するとともに、前記走行モータの走行と前記作業機用アクチュエータの操作をそれぞれ異なる前記油圧ポンプで駆動するように前記走行直進弁を切り換える速度切換手段を備える建設機械の油圧回路を提供する。
【0012】
この構成によれば、速度切換手段により2速走行が選択されると、走行直進弁が切り換えられて走行モータの走行と作業機用アクチュエータの操作がそれぞれ異なる油圧ポンプで駆動されるように、該走行モータと作業機用アクチュエータとの間に独立性が持たされる。同時に、該速度切換手段により生成された信号で、速度調整手段が走行モータを小容量側に傾転させ、該走行モータの回転速度を1速走行よりも高速の2速走行に上げて維持する。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記速度調整手段は上記走行モータの傾転角を変更する傾転角
調整用シリンダを備え、上記速度切換手段は前記傾転角調整用シリンダに対して傾転角変更用の油圧信号を供給する速度切換用の電磁切換弁と該電磁切換弁の切換信号を入力する速度切換スイッチを備える建設機械の油圧回路を提供する。
【0014】
この構成によれば、速度調整手段は走行モータの傾転角を変更する傾斜角調整用シリンダで構成することができ、速度切換手段は前記傾転角調整用シリンダに対して傾転角変更用の油圧信号を供給する速度切換用の電磁切換弁と該電磁切換弁の切換信号を入力する速度切換スイッチで構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明は、速度切換手段により2速走行が選択されると、走行直進弁が切り換えられて走行モータと作業機用アクチュエータとの間に独立性が持たされるので、直進走行が容易になり、走行蛇行を抑えることができる。また、負荷圧差による圧損の発生を抑え、燃費が向上して省エネ化に寄与する。さらに、走行モータの速度を2速走行相当に上げて安定走行することができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、速度調整手段は走行モータの傾転角を変更する傾斜角調整用シリンダで構成することができ、速度切換手段は前記傾転角調整用シリンダに対して傾転角変更用の油圧信号を供給する速度切換用の電磁切換弁と該電磁切換弁の切換信号を入力する速度切換スイッチで構成することができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、既存の油圧回路に本発明を簡単に適用することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
走行速度を1速走行から該1速走行よりも高速の2速走行に切り換えたときの走行性及び燃費の向上を図るという目的を達成するために、2個の油圧ポンプにそれぞれ接続されている2つのセンタ油路を有し、一方の油圧ポンプに接続されているセンタ油路上流と他方の油圧ポンプに接続されているパラレル油路上流に走行直進弁を設けるとともに、前記2つのセンタ油路下流に作業機用アクチュエータの制御弁及び走行モータをそれぞれ接続して設けた建設機械の油圧回路において、前記走行モータが可変容量形の走行モータであり、該走行モータを小容量側に傾転させて該走行モータの回転速度を1速走行よりも高速の2速走行に上げて維持可能な速度調整手段と、前記速度調整手段が前記走行モータの速度を1速走行から前記2速走行に切り換える信号を生成するとともに、前記走行モータの走行と前記作業機用アクチュエータの操作をそれぞれ異なる前記油圧ポンプで駆動するように前記走行直進弁を切り換える速度切換手段を備えたことにより実現した。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の建設機械の油圧回路について、好適な実施例をあげて説明する。図1は本発明の油圧回路を適用した油圧ショベル1の側面図であり、下部走行体2に上部旋回体3が載置され、該上部旋回体3の前部にブーム4、アーム5、バケット6を取り付けるとともに、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等の作業用アクチュエータが装着されている。
【0019】
図2は本発明の油圧回路図である。同図において、この油圧回路は、走行用ポンプ11と上物用ポンプ12を備えている。
【0020】
前記走行用ポンプ11のセンタ油路13には、クローラを駆動させる可変容量形の走行モータ14と、該走行モータ14の駆動を制御するための走行制御弁15と、例えばアームを作動させるシリンダ16を制御するための作業機用制御弁17、及び、油タンクT等が接続されている。同様に、前記上物用ポンプ12のセンタ油路19には、走行直進弁20と、クローラを駆動させる可変容量形の走行モータ21と、該走行モータ21の駆動を
制御するための走行制御弁22と、例えばブームあるいはバケットを作動させるシリンダ23を制御するための作業機用制御弁24、及び、油タンクT等が接続されている。そして、前記各弁15,17、20,22,24は、図示されていない各々のリモコン部を操作したときに、パイロットポートにパイロット圧油が作用するように接続されている。
【0021】
また、前記センタ油路13の途中から分岐したパラレル油路25は、走行直進弁20を連通し、該パラレル油路25がチェック弁26を介して作業機用制御弁17の入力油路に合流している。一方、前記センタ油路19の途中から分岐したパラレル油路27は、走行直進絞り28及びチェック弁29を介してセンタ油路19の走行制御弁22の上流に接続されているとともに、チェック弁30を介して作業用制御弁24の入力油路に合流している。
【0022】
前記走行制御弁15のパイロットポート15a,15bの間と前記走行制御弁22のパイロットポート22a,22bの間には、シャトル弁31,32がそれぞれ接続されている。さらに、該シャトル弁31,32の間にはシャトル弁33が階層的に接続され、該シャトル弁33の入力ポートに電磁切換弁34が接続されている。
【0023】
前記走行直進弁20は、スプリング38とパイロットポート20aのパイロット圧によって状態(ハ)の位置から状態(ニ)の位置、または、その逆に切り換わる。該パイロットポート20aには、走行制御弁15,22と作業機の作業機用制御弁17,24とが同時に操作されたとき(走行と他の作業が同時に行われる場合)、または、電磁切換弁34が操作されたときにパイロット圧が作用して図2の状態(ニ)の位置から図3の状態(ハ)の位置に切り換わるようにして、図示されない回路が接続されている。
【0024】
前記電磁切換弁34は、走行モータ14,21の走行速度を1速走行から該1速走行よりも高速の2速走行、または、その逆に切り換えるための切換信号を外部から入力する速度切換スイッチ35と接続されており、該電磁切換弁34と速度切換スイッチ35とで速度切換手段を構成している。該電磁切換弁34は、通常、状態(イ)の位置に保持されていて、該速度切換スイッチ35の切換操作により1速走行から2速走行に切り換える信号が入力されると状態(ロ)の位置に切り換えられる構成になっている。また、これと同時に走行直進弁20も図示されない回路からのパイロット圧で状態(ハ)の位置に切り換えられるように構成されている。なお、該電磁切換弁34は、チェック弁36を介して速度調整手段としての傾転角調整用シリンダ37a,37bにそれぞれ接続されている。
【0025】
前記傾転角調整用シリンダ37a,37bは、前記可変容量形の走行モータ14,21と連結されており、該走行モータ14,21の容量を傾転調整可能に構成されている。この傾転調整は、電磁弁切換弁34が状態(イ)の位置から状態(ロ)の位置に切り換わったときにライン18に発生する高圧の油圧信号を受けて該走行モータ14,21を小容量側に傾転させて調整を行うもので、該油圧信号を受けている間、該走行モータ14,21の回転速度を1速走行よりも高速の2速走行相当に上げて維持する。
【0026】
次に、このように構成された油圧回路の動作を説明する。図2は走行のみ(または、作業機の操作のみ)の場合の回路を示す。単独走行の場合は、走行用ポンプ11の圧油はセンタ油路13を通って、走行制御弁15、走行モータ14に供給され、作業機用制御弁17にはパラレル油路25を通って供給される。同様に、上物用ポンプ12の圧油はセンタ油路19を通って走行制御弁22、走行モータ21に供給され、作業機用制御弁24にはパラレル油路27を通って供給される。したがって、走行モータ14,21には走行用ポンプ11,上物用ポンプ12からそれぞれ圧油が供給されるため直進走行が容易になる。
【0027】
図3は走行しながら作業機を操作する場合の回路である。この場合、走行直進弁20は
状態(ハ)の位置に切り換わる。図3で、走行用ポンプ11の圧油はセンタ油路13により走行制御弁15に流れるとともにパラレル油路25、走行直進弁20、センタ油路19を通って走行制御弁22に流れる。一方、上物用ポンプ12の圧油はセンタ油路19、走行直進弁20、パラレル油路25を通って作業機用制御弁17に流れるとともに、センタ油路19、パラレル油路27を通って作業機用制御弁24に流れる。
【0028】
したがって、図3の場合は走行用ポンプ11から走行制御弁15、22に等量の圧油が流れ、直進走行が可能となる。また、作業機用制御弁17、24には上物用ポンプ12からの圧油が流れ、作業も同時に行える。これにより、アームシリンダ16,ブームシリンダ23,図示しないバケットシリンダや旋回機構等、アクチュエータの独立性がアップし、負荷圧差による圧損の発生を抑えて省エネ効果が得られる。
【0029】
次に、図2に示すように、建設機械の走行速度が単独1速走行されている状態で、速度切換スイッチ35を介して2速走に変更されると、電磁切換弁34が状態(イ)の位置から状態(ロ)の位置に切り換えられると同時にパイロット圧により走行直進弁20も状態(ハ)の位置に切り換えられる。また、電磁切換弁34が状態(ロ)の位置に切り換えられることにより油圧ライン18の圧油が高圧になって油圧信号が発生し、該油圧信号により傾転角調整用シリンダ37a,37bが走行モータ14,21を小容量側に傾転させ、該走行モータ14,21の回転速度を1速走行よりも高速の2速走行相当に上げて維持する。なお、図3の状態、すなわち走行直進弁20が既に状態(ハ)の位置に切り換えられている状態で2速走行に切り換えられるときには、走行直進弁20は状態(ハ)の位置に配置されたまま、電磁切換弁34だけが状態(ロ)の位置に切り換えられる。
【0030】
したがって、本実施例の構成では、2速走行が選択されたときには、走行直進弁20も状態(ハ)の位置に切り換えられて走行モータ14,21と作業機用アクチュエータ(アームシリンダ16,ブームシリンダ23等)との間に独立性が持たされるので、直進走行が容易になり、走行蛇行を抑えることができる。また、負荷圧差による圧損の発生を抑え、燃費が向上して省エネ化に寄与する。さらに、走行モータ14,21の速度を2速走行相当に上げて維持することにより、2速走行時の安定走行が得られる。
【0031】
また、その後、速度切換スイッチ35により2速走行から1速走行に切り換える信号が入力されると、電磁切換弁34が状態(ロ)の位置から状態(イ)の位置に戻り、かつ、油圧ライン18内の高圧の油圧信号もなくなり、傾転角調整用シリンダ37a,37bが走行モータ14,21を大容量側に傾転させ、該走行モータ14,21の回転速度を1速走行相当に戻して維持する。
【0032】
このように、2速走行に切り換えられた時に走行直進弁20が状態(ハ)の位置に切り換わるようにした場合では、両走行モータ14,21の負荷圧差が大きく低圧側のみ回転する状況では1速走行で対応し、平地走行では高速になる2速走行とするようにして使用することもできる。
【0033】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の油圧回路を適用した油圧ショベルの側面図。
【図2】単独走行が行われる状態で示す本発明の油圧回路図。
【図3】走行動作と作業機動作が同時に行われる状態で示す本発明の油圧回路図。
【図4】単独走行が行われる状態で示す従来回路の構成図。
【図5】走行動作と作業機動作が同時に行われる状態で示す従来回路の構成図。
【符号の説明】
【0035】
11 走行用ポンプ
12 上物用ポンプ
13 センタ油路
14 走行モータ
15 走行制御弁
16 アームシリンダ(作業機用アクチュエータ)
17 作業機用制御弁
19 センタ油路
20 走行直進弁
21 走行モータ
22 走行制御弁
23 ブームシリンダ(作業機用アクチュエータ)
24 作業機用制御弁
25 パラレル油路
27 パラレル油路
34 電磁切換弁(速度切換手段)
35 速度切換スイッチ(速度切換手段)
37a 傾転角調整用シリンダ(速度調整手段)
37b 傾転角調整用シリンダ(速度調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の油圧ポンプにそれぞれ接続されている2つのセンタ油路を有し、一方の油圧ポンプに接続されているセンタ油路上流と他方の油圧ポンプに接続されているパラレル油路上流に走行直進弁を設けるとともに、前記2つのセンタ油路下流に作業機用アクチュエータの制御弁及び走行モータをそれぞれ接続して設けた建設機械の油圧回路において、
前記走行モータが可変容量形の走行モータであり、該走行モータを小容量側に傾転させて該走行モータの回転速度を1速走行よりも高速の2速走行に上げて維持可能な速度調整手段と、前記速度調整手段が前記走行モータの速度を1速走行から前記2速走行に切り換える信号を生成するとともに、前記走行モータの走行と前記作業機用アクチュエータの操作をそれぞれ異なる前記油圧ポンプで駆動するように前記走行直進弁を切り換える速度切換手段を備えることで、高速の2速走行時には、前記油圧ポンプ1つで2速走行できて省エネを実現できることを特徴とする建設機械の油圧回路。
【請求項2】
上記速度調整手段は上記走行モータの傾転角を変更する傾転角調整用シリンダを備え、上記速度切換手段は前記傾転角調整用シリンダに対して傾転角変更用の油圧信号を供給する速度切換用の電磁切換弁と該電磁切換弁の切換信号を入力する速度切換スイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−257440(P2009−257440A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106235(P2008−106235)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【Fターム(参考)】