説明

微小角変位測定方法と装置

【課題】簡単な構造で、数十ナノラジアン以下の微小角変位を測定可能な微小角変位測定方法と装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源12と、レーザ光源12からのレーザ光Lを収束又は発散させるレンズ18と、レーザ光Lを分岐させる偏光ビームスプリッタ20と1/4波長板22を有する。測定対象面24で反射したレーザ光Lが、臨界角直前の角度で臨界面26aに入射する臨界角プリズム26を備える。臨界角プリズム26の臨界面26aで反射したレーザ光Lが入射する一方の画像センサ30と、臨界角プリズム26の臨界面26aを透過したレーザ光Lが入射する他方の画像センサ32とを備える。各画像センサ30,32の各画素の出力を基に、測定対象面24の微小角変位を演算する微小角変位演算手段であるコンピュータ34を備える。臨界角プリズム26に入射するレーザ光Lを分割するビームスプリッタを設けても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、微小な角度の変位を非接触で測定する微小角変位測定方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原子間力顕微鏡や工作機械のステージ運動の誤差測定、その他精密部品の形状測定など精密加工の分野では、ナノメートル単位の変位測定に加えて、ナノラジアン(nrad.)単位での角度変位の測定が必要となってきた。このような微小な角度測定は、接触により測定することは困難であるため、非接触により測定することが要求される。
【0003】
従来の微小変位測定方法として、図15に示すように、屈折率の大きな媒質から小さな媒質に光が進むときに、ある一定の入射角を超えると光が全反射する現象を利用して、光が全反射する臨界角直前での反射率の急激な変化を利用した微小変位測定装置が提案されている(特許文献1〜3)。
【0004】
特許文献1には、臨界角法を用いた表面形状の測定装置が開示されている。この測定装置は、測定対象物の測定面の測定点に照射光を照射する照射手段と、前記測定点からの反射光を受光し、その反射光をn個(nは2以上の整数)に分割した分割光の受光量差に基づいて、基準位置からの前記測定点の変位を焦点誤差として検出する変位検出手段とを備え、焦点誤差検出方法を用いて、前記測定面の表面形状を測定する。前記変位検出手段は、前記測定面の傾斜方向を検出する傾斜方向検出手段と、検出された前記傾斜方向に基づいて、前記測定点の変位がないときの前記焦点誤差が小さくなるように前記受光量差を調整する受光量差調整手段とを有する。前記焦点誤差検出方法は臨界角法であり、分割光遮断手段は測定点が基準位置のときの反射光を平行光として入射したときに臨界角となって全反射するように設けられた臨界角プリズムである。これにより、表面形状に起因して測定点の変位が生じたときに、臨界角プリズムに対する入射角が全反射条件を満足しなくなった反射光の一部は、反射光受光手段に入射されないので、臨界角プリズムにより反射光の一部の受光を遮断することになり、分割受光の受光量差が生じ、これに基づいて表面形状の測定を行うものである。
【0005】
特許文献2には、被測定物に光を照射する発光素子と、前記被測定物からの反射光の光路に配置する光学素子と、該光学素子の出射光の位置、角度変化を検出する受光手段とを備え、前記光学素子の臨界角付近の反射、透過特性を利用して前記被測定物からの反射光の位置、角度変化を拡大することによって検出感度を向上させた光学的変位検出器が開示されている。この光学素子の曲面上の境界面への入射角は、ブリュースター角と臨界角の間に設定されている。これにより、光学素子の境界面での反射光、透過光の比率が大きく変化し、光学素子から出射される光は透過光、反射光共に大幅に変化し、各受光素子へ入射される光量もダイヤフラムの変位に対して大幅に変化し、各受光素子から大きな信号出力が得られるものである。
【0006】
特許文献3には、レーザ光による発散光を、1/4波長板、及び被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを通して前記被照射面に照射し、前記被照射面で反射し、前記対物レンズ及び前記1/4波長板を通過した戻り光を用いて、スキッド成分を検出する変位計測方法が開示されている。前記発散光は、偏光ビームスプリッタで反射され、前記戻り光が前記偏光ビームスプリッタを透過して臨界角プリズムを経て受光素子で受光され、前記スキッド成分を検出する。これにより、傾斜やうねりの影響を無くして正確な変位の測定を可能にしている。
【0007】
特許文献1〜3では、物体表面の微小な変位を測定するものであり、角度の微小な変位を正確に測定することに容易に利用できるものではなかった。非接触による微小角変位測定方法としては、従来、レーザの反射光の移動から角度を算出する光テコ方式の測定方法があった。この測定方法では、測定物からセンサまでの距離を一定に保つことが重要であり、微小な角度を測定するため、測定物からセンサまでの距離の誤差が測定誤差に大きな影響を与え、分解能を上げるには距離を大きくしなければならないという問題があった。
【0008】
そこで、微小変位の測定と同様に、光が全反射する臨界角直前での反射率と透過率の急激な変化を利用した微小角変位測定装置が、本願発明者らにより提案されている(非特許文献1〜3)。この微小角変位測定装置は、レーザ光を被測定物に照射し、その反射光を臨界角直前の角度でプリズムに入射させ、プリズムでの反射光と透過光を各々フォトダイオード等の光センサにより検知し、その出力差の変化を基に、入射したレーザ光の角度変位を検出しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−37251号公報
【特許文献2】特開2004−177189号公報
【特許文献3】特開2009−92387号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】2009年度精密工学会北陸信越支部学術講演会講演論文集 p49,50 臨界角付近を使ったチルトセンサ
【非特許文献2】平成22年度電気関係学会北陸支部連合大会 講演論文集 A24
【非特許文献3】2010年度精密工学会北陸信越支部学術講演会講演論文集 p31,32
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記非特許文献1〜3に開示された微小角変位測定方法と装置においては、サブミクロンラジアンオーダーの微小角度変位の測定は可能であるが、ナノラジアンのレベルでは未だ正確な角変位の測定ができないものであった。
【0012】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、数十ナノラジアン以下の微小角変位を測定可能な微小角変位測定方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、レーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させ、測定対象面で反射したレーザ光を臨界角プリズムの臨界面に臨界角直前の角度で入射させ、前記臨界面で反射した前記レーザ光の光強度と前記臨界面を透過した前記レーザ光の光強度とを、前記レーザ光を複数の画像センサにより2次元的に受光して求め、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記画像センサの各画素を複数の画素毎の複数の区画に区分けして、前記各画像センサの前記区分けした各区画の光強度の差を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算する微小角変位測定方法である。
【0014】
前記レーザ光は、前記臨界角プリズムの前記臨界面に、ブリュースター角以上の角度で臨界角直前の角度で入射させるものである。特に、前記レーザ光は、前記臨界角プリズムの前記臨界面に、p偏光の反射率が急激に増加する領域の角度であって、臨界角直前の角度で入射させるものである。さらに、前記レーザ光は、p偏光のレーザ光を前記測定対象面に照射すると良い。
【0015】
前記複数の画像センサは、前記臨界面で反射した前記レーザ光を受光する画像センサと、前記臨界面を透過した前記レーザ光を受光する画像センサである。さらに、前記微小角変位の演算は、前記臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射した一方の前記画像センサの各画素の出力と、前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射した他方の前記画像センサの各画素の出力とで、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士の前記光強度の和と差により、前記測定対象面の微小角変位を求めるものである。
【0016】
前記複数の画像センサは、前記臨界面で反射した前記レーザ光を受光する画像センサと、前記臨界角プリズムに入射する前の前記レーザ光の一部を受光する画像センサである。さらに、前記微小角変位の演算は、前記臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射した一方の前記画像センサの各画素の出力と、前記臨界角プリズムに入射する前の前記レーザ光が分割されて入射した他方の前記画像センサの各画素の出力とで、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された各画像センサの互いに対応する前記各区画同士の前記光強度の差により、前記測定対象面の微小角変位を求めるものである。
【0017】
前記微小角変位の演算は、前記各画像センサの前記複数の区画により、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士による複数の微小角変位の値を求め、前記レーザ光の光束が分割して入射する前記複数の区画により求めた複数の微小角変位の値を基にして、前記測定対象面の微小角変位を求めるものである。
【0018】
前記微小角変位を求める前に、前記レーザ光の光路の前記レーザ光源と前記臨界角プリズムとの間に、前記レーザ光の光束を区切る格子を挿入し、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士の対応を求めても良い。
【0019】
またこの発明は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させるレンズと、前記レーザ光を測定対象面へ向けるとともに前記測定対象面からの反射光を透過するビーム分岐手段と、測定対象面で反射した前記レーザ光が臨界角直前の角度で臨界面に入射する臨界角プリズムと、この臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射する一方の画像センサと、前記臨界角プリズムの前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射する他方の画像センサと、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算する微小角変位演算手段とを備えた微小角変位測定装置である。
【0020】
またこの発明は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させるレンズと、前記レーザ光を測定対象面へ向けるとともに前記測定対象面からの反射光を透過するビーム分岐手段と、前記測定対象面で反射した前記レーザ光を分けるビーム分割手段と、前記測定対象面で反射した前記レーザ光が臨界角直前の角度で臨界面に入射する臨界角プリズムと、この臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射する一方の画像センサと、前記ビーム分割手段で分割された前記レーザ光が入射する他方の画像センサと、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算する微小角変位演算手段とを備えた微小角変位測定装置である。
【0021】
前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射する前記他方の画像センサの向きは、前記臨界面に対して直交する面上に受光面を直角にして起立させ、前記レーザ光の光軸に対して斜めに配置されているものである。
【0022】
また、前記レーザ光の光路の前記レーザ光源と前記ビーム分岐手段との間に、前記レーザ光の光束を区切る格子が挿入され、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士を表示可能に設けられているものでも良い。
【発明の効果】
【0023】
この発明の微小角変位測定方法と装置は、簡単な構造で、数十ナノラジアン以下の微小角変位を測定することができる。これにより、原子間力顕微鏡や、工作機械その他精密機器の超精密部品の角度変位測定などを正確に行うことが可能となり、より高精度な測定や加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の第一実施形態の微小角変位測定装置を示す概略図である。
【図2】第一実施形態の微小角変位測定方法によるレーザ光の透過及び反射を示す模式図である。
【図3】第一実施形態の微小角変位測定方法に用いる反射光と透過光の各画像センサの区分けを示す模式図(a),(b)である。
【図4】第一実施形態の微小角変位測定方法に用いる臨界角プリズムの臨界角付近での反射率と透過率を示すグラフである。
【図5】第一実施形態の微小角変位測定方法による出力値算出処理を示すフローチャートである。
【図6】第一実施形態の微小角変位測定方法による処理のキャリブレーションを示すフローチャートである。
【図7】第一実施形態の微小角変位測定方法による微小角変位測定処理を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態の微小角変位測定方法により臨界角プリズムで反射したレーザ光の画像(a)と、臨界角プリズムを透過したレーザ光の画像(b)である。
【図9】この発明の第二実施形態の微小角変位測定装置を示す概略図である。
【図10】第二実施形態の微小角変位測定方法に用いる偏光ビームスプリッタにより分割されたレーザ光が入射する画像センサの区分けを示す模式図である。
【図11】第二実施形態の微小角変位測定方法による出力値算出処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の第二実施形態の微小角変位測定装置を示す概略図である。
【図13】第三実施形態の微小角変位測定方法により臨界角プリズムを透過したレーザ光の画像(a)と、光路に格子を挿入した状態における臨界角プリズムで反射したレーザ光の画像(b)と、臨界角プリズムを透過したレーザ光の画像(c)である。
【図14】この発明の第四実施形態の微小角変位測定装置を示す概略図である。
【図15】光学ガラスの入射角と反射率を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図8はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の微小角変位測定装置10は、半導体レーザやHe−Neレーザ等のレーザ光源12と、このレーザ光源12からのレーザ光Lを絞る絞り14を備えている。レーザ光Lの光路には、レーザ光Lを所定の照射角度に調整するミラー15,16と、レーザ光Lを発散又は収束させるレンズ18が配置されている。さらに、測定対象側にレーザ光Lを分岐するビーム分岐手段である偏光ビームスプリッタ20を備え、偏光ビームスプリッタ20により反射したレーザ光Lの光路には、1/4波長板22を介して測定対象面24が位置している。
【0026】
偏光ビームスプリッタ20を挟んで測定対象面24の反対側には、臨界角プリズム26が配置されている。臨界角プリズム26の臨界面26aで反射したレーザ光Lの入射位置には、CCD等の画像センサ30を備えた撮像装置31が配置され、臨界角プリズム26の臨界面26aを透過したレーザ光Lの入射位置にも、画像センサ30と同様の画像センサ32を備えた撮像装置33が配置されている。画像センサ30,32により撮影された画像の出力は、撮像装置31,33により増幅及び所定の処理が施されて、後述する制御及び処理用に用いられ、微小角変位演算手段であるコンピュータ34に出力され、A/D変換や角変位測定等の処理が施される。
【0027】
なお、この実施形態では、測定対象面24は、微小な角度変位を与えて測定値のキャリブレーションを行うために、圧電素子等からなる微小角変位装置36に固定されている。微小角変位装置36は、コンピュータ34の出力により、例えば100nrad.間隔等の所定の微小角を、段階的に変位させることが出来る。
【0028】
この実施形態の角変位測定装置10のレーザ光源12から出射したレーザ光Lは、絞り14により所定の幅の光束に絞られ、ミラー15,16により照射角度が微調整される。角度調整されたレーザ光Lは、レンズ18により例えば僅かに発散光に形成され、偏光ビームスプリッタ20に入射する。偏光ビームスプリッタ20では、レーザ光Lのs偏光の光が反射し、1/4波長板22を通り円偏光になり、円偏光の状態で測定対象であるミラーで反射され、再度1/4波長板を通ることでp偏光となる。p偏光のレーザ光Lは、偏光ビームスプリッタ20を透過し、臨界角プリズム26に入射する。臨界角プリズム26に入射したp偏光のレーザ光Lは、臨界面26aにブリュースター角以上の角度であって、p偏光の反射率が急激に増加する領域の臨界角直前の角度で入射する。p偏光のレーザ光Lは、図15に示すように、臨界角直前で、急激に反射率が上昇する。この実施形態では、この反射率が急激に上昇する入射角の範囲で、レーザ光Lの反射光と透過光の角変位による光強度の差を基に、測定対象面24の角変位を検出する。
【0029】
臨界角プリズム26の臨界面26aに入射したp偏光のレーザ光Lは、臨界面26aで反射光と透過光に分けられる。反射光と透過光は、画像センサ30,32で2次元的に撮影され、撮像装置31,33から画像信号として出力され、コンピュータ34に入力して、A/D変換されて所定の画像データとして処理及び保存される。
【0030】
次に、この発明の第一実施形態の微小角変位測定装置10による微小角変位測定方法について、図2〜図8を基にして説明する。
【0031】
先ず、この実施形態で平行光ではない発散光又は収束光のレーザ光Lを用いる理由について、図2を基に説明する。レーザ光源12から出たレーザ光Lが、発散光であると、図2に示すように、臨界角プリズム26の臨界面26aに入射する光の角度が、臨界面26aの位置により異なる。図2では、入射する位置により線の種類を太い実線から細い破線まで変えて、視覚的に認識できるようにした。例えば、図2では、臨界面26aで反射したレーザ光Lは、画像センサ30の画素の一部である所定数の複数の画素の集合からなる区画Ar1から区画Ar5に分かれて入射する。同様に、臨界面26aを透過したレーザ光Lは、画像センサ32の画素の一部である所定数の複数の画素の集合からなる区画At1から区画At3に分かれて入射する。
【0032】
入射光と透過光のレーザ光Lの照射範囲が異なるのは、透過光が臨界角プリズム26から屈折して出た後のレーザ光Lの屈折角の範囲が、反射光よりも狭いためであり、反射光よりも照射範囲が潰れた画像状態となる。このことは、反射光と透過光のレーザ光Lの画像の強度分布が、図8(a),(b)に示すように、反射光は円形の状態を維持しているが、透過光は一方向に潰れた状態となっていることからも分かる。従って、図2に示すように、透過光は、画像センサ32において、破線32aで区切る画像センサ30と同様の大きさの区画ではなく、実線32bで示すように、一方向に狭い範囲の区画At1から区画At3に各々分布することになる。
【0033】
ここでは、説明を簡単化するために、同じレーザ光Lの光束の一部が透過及び反射して、画像センサ30,32に各々入射する場合に、画像センサ30の区画Ar1と画像センサ32の区画At1が対応するものとする。以下同様に、レーザ光Lの光束の他の一部が入射する反射光と透過光の区画は、区画Ar2と区画At2、区画Ar3と区画At3が各々対応する。従って、同じ光束から分岐して画像センサ30,32へ入射するレーザ光Lの照射範囲である画素の各区画の対応は、画像センサ30と画像センサ32で、各々異なる画素数の区画同士が対応することになる。そして、発散光のレーザ光Lを用いることにより、図2に示すように、臨界面26aに対して僅かずつ異なる複数の入射角のレーザ光Lについて、反射光と透過光の受光データを各々得ることができる。
【0034】
さらにこの発明では、図3に示すように、画像センサ30,32の各マス目が一つの画素iを模式的に示すとすると、臨界角プリズム26の臨界面26aに入射するレーザ光Lは、臨界面26aでの仮想的なエリア毎に、画像センサ30,32上では、入射する反射光の各区画Ar1〜Arp(pは自然数)と、透過光の各区画At1〜Atpに分けられる。そして、画像センサ30,32で、任意の複数p個の各々反射光と透過光の対応を定めることが出来る。これにより、図4に示すように、臨界角付近で僅かずつ異なる入射角のp個のレーザ光Lの部分的な光束について、反射光と透過光の受光データを各々得ることができる。
【0035】
図3に示すように、反射光と透過光の互いに対応する各区画Ar1〜Arpと各区画At1〜Atpは、互いに画素iの数が異なり、反射光が入射する画像センサ30では、一つの区画の画素数がm個であり、透過光が入射する画像センサ32では、一つの区画の画素数がn個である。ここでは、透過光が潰れた形状であるため、m>nとなっている。この各画素iの位置ar1〜armの出力値をARi(i=1〜m)、位置at1〜atnの出力値をATi(i=1〜n)を基に、後述する微小角変位測定では、画像センサ30,32の対応する各区画Ar1〜Arp,At1〜Atpについて、複数の異なる臨界角直前の入射角でのレーザ光Lの反射光の光強度IArと透過光の光強度IAtを求める。光強度IArと光強度IAtは、各区画Arp,Atp毎に、光強度IAr1〜IArp,IAt1〜IAtpとして求める。
【0036】
次に、この実施形態の微小角変位測定方法の処理について、図5〜図7に示すフローチャートを基にして説明する。先ず、画像センサ30,32の区画毎の光強度IAr1〜IArp,IAt1〜IAtpの出力から、微小角変位を求めるための出力値の算出について、図5を基に説明する。先ず、発散光のレーザ光Lについて、反射光と透過光が画像センサ30,32に入射した画像を基に、上述のように、各区画Ar1〜Arp,At1〜Atpについての各画素出力ARi(i=1〜m)、ATi(i=1〜n)から、反射光と透過光の各区画の光強度IAr1〜IArp、IAt1〜IAtpを求める。反射光については、画素iが1〜mについて、各画素iの出力AR1〜ARmの合計を、その区画の光強度として、各区画Ar1〜Arpの光強度IAr1〜IArpを求める(s1)。同様に透過光についても、画素iが1〜nについて、各画素iの出力AT1〜ATnの合計を、その区画の光強度として、各区画At1〜Atpについて光強度IAt1〜IAtpを求める(s2)。ここでは、m>nである。
【0037】
この後、測定した各区画の反射光の光強度IAr1〜IArpと透過光の光強度IAt1〜IAtpを基に、出力値の演算を行う。各区画の光強度の出力値の計算は、各区画Ar1〜Arp、At1〜Atpの反射光と透過光の光強度の差(IAr1−IAt1)〜(IArp−IAtp)を、各区画Ar1〜Arp,At1〜Atpの反射光と透過光の光強度の和(IAr1+IAt1)〜(IArp+IAtp)で各々除したものを、各々出力値A1〜Apとする。このようにして、区画Ar1〜区画Arpまで出力値を演算し、p個の出力値を求めて、例えばこれの平均値や中央値をその角変位に対する出力値とする(s3)。
【0038】
次に、微小角変位を測定するためのキャリブレーションを行う。この計算は、コンピュータ34により微小角変位装置36を作動させて、既知の角度変位を測定対象面24に与えて、例えば、図6に示すように、測定対象面24を微小角変位装置36により−100nrad.揺動させて(s11)、このときの測定出力値を、前述の図5に示す処理により演算する(s12)。この後、測定対象面24を微小角変位装置36により+100nrad.揺動させて元の0nrad.とし(s13)、このときの測定出力値を同様に演算する(s14)。さらに、測定対象面24を微小角変位装置36により+100nrad.揺動させて(s15)、このときの測定出力値を同様に演算する(s16)。これにより、200nrad.の角度変位の範囲で、3点の出力値が得られ、これを基に、出力値Aと角度の関係式F(A)を求める。
【0039】
これらを基に、微小角変位の測定を行う。微小角変位の測定は、図7に示すように、先ず回転変位前の測定対象面24について(s21)、このときの微小角変位測定装置10の出力値Ax1を求める(s22)。次に、測定したい微小角変位を測定対象面24に与え(s23)、このときの微小角変位測定装置10の出力値Ax2を求める(s24)。これらの出力値Ax1,Ax2を基に、出力値Aと角度の関係式F(A)より、各位置で測定した角度の差を取って、微小角変位角θを求める(s25)。
【0040】
この実施形態の微小角変位測定装置10によれば、同じレーザ光Lの一部の光束であって僅かずつ異なる入射角のレーザ光について、微小角変位の複数の出力値、この実施形態ではp個の出力値A1〜Apが得られ、これを基に出力値Aの平均値や中央値を算出して、微小角変位の測定値を求めることが出来、極めて正確にナノラジアンオーダーの微小角変位を測定することが出来る。さらに、装置も比較的簡単な構造であり、種々の精密部品の測定や検査、その他微小な角変位を検知して動作する装置に利用することが出来る。
【0041】
次にこの発明の第二実施形態について、図9〜図11を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の変位測定装置40も、上記第一実施形態と同様の構成であり、さらに、偏光ビームスプリッタ20と臨界角プリズム26の光路中に、ビーム分割手段である偏光ビームスプリッタ21を設け、偏光ビームスプリッタ21で反射した光を受ける画像センサ28を備えた撮像装置29を設けたものである。
【0042】
ここで、偏光ビームスプリッタ21を追加した理由を以下に説明する。偏光ビームスプリッタ21での光の透過と反射の割合が等しいとすると、偏光ビームスプリッタ21で反射したレーザ光Lは、臨界角プリズム26で分離される反射光と透過光の各光強度の和と等しいものとなる。また、臨界角プリズム26での反射光の画像センサ30の各区画での光強度IAr1〜IArpに対応して、偏光ビームスプリッタ21での反射光を受光する画像センサ28の各区画の光強度を求めるため、図10に示すように、入射するレーザ光Lの各区画Aa1〜Aaを定める。この後、画像センサ28の、各区画Aa1〜Aapの光強度IAa1〜IAapを求める。なお、偏光ビームスプリッタ21でのレーザ光の反射と透過の割合が等しくなくても、その比率が分かれば、比率に合わせて透過と反射の光量や光強度を演算可能であるので、偏光ビームスプリッタ21の透過と反射の比率が分かればよい。
【0043】
画像センサ28で受光する画像は歪みがなく、臨界角プリズム26での反射光が入射する画像センサ30の入射画像に近いものとなる。各区画Aa1〜Aapは、画像センサ30の各区画Ar1〜Arpに対応し、ここでは便宜上各区画の画素数が画像センサ30と同様にmであるとし、各画素iの出力をAi(i=1〜m)とする。ここで、画像センサ28へ入射するレーザ光Lの光強度IAaと、画像センサ30に入射するレーザ光の光強度IArとの関係は、偏光ビームスプリッタ21での光の透過と反射の割合が等しいので、以下の式(1)、(2)で表される。
偏光ビームスプリッタ21で反射したレーザ光強度IAaは、
IAa=IAr+IAt (1)
従って、臨界角プリズム26での反射光と透過光の差は、
IAr−IAt=2IAr−IAa (2)
と表される。これにより、臨界角プリズム26の透過光の光強度IAtを用いなくても、画像センサ28の出力を基に、上記実施形態と同様に各々出力値A1〜Apを求めることができる。
【0044】
次に、この実施形態の微小角変位測定方法の処理について、図11に示すフローチャートを基にして説明する。例えば発散光のレーザ光Lについて、偏光ビームスプリッタ21の反射光と臨界角プリズム26の反射光について、画像センサ28,30に入射した画像を基に、上述のように、各区画Ar1〜Arpについての各画素のiの位置ar1〜armの出力ARi(i=1〜m)から、臨界角プリズム26での反射光の各区画の光強度IAr1〜IArpを求める(s31)。さらに、偏光ビームスプリッタ21での反射光の各画素iの位置aa1〜aamでの各出力Aa1〜Aamの合計を、その区画の光強度として、各区画の光強度IAa1〜IAapを求める(s32)。
【0045】
この後、測定した各区画の光強度を基に、出力値の演算を行う。各区画の出力値の計算は、図5記載の式と上記式(2)より、図11に示すように、画像センサ30の各区画Ar1〜Arpの光強度(IAr1〜IArp)を2倍した値と、画像センサ28の各区画Aa1〜Aapの光強度(IAa1〜IAap)の値の各々の差を、画像センサ28の各区画Aa1〜Aapの光強度(IAa1〜IAap)の値で除したものが、各々出力値A1〜Apとなる。このようにして、区画Ar1〜Arp、区画Aa1〜Aapまでの各光強度を演算し、p個の出力値A1〜Apを求めて、例えばこれの平均値や中央値をその角変位に対する出力値とする(s33)。
【0046】
この後、上記実施形態と同様に出力値の関係式を求めて、微小角変位の測定値を求めることが出来る。
【0047】
この実施形態の変位測定装置40も、上記第一実施形態と同様の効果を有するものであり、さらに、偏光ビームスプリッタ21を設けたことにより、臨界角プリズム26の透過光を測定しなくても、変位測定のための出力値を求めることができる。これにより、歪みの多い臨界角プリズム26の透過光を利用することなく正確な測定が可能となる。さらに、臨界角プリズム26を利用した測定を補正して精度を上げることも可能となる。
【0048】
次にこの発明の第三実施形態について、図12,図13を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の変位測定装置42も、上記第一実施形態と同様の構成であり、撮像装置33の画像センサ32の向きを、臨界面26aに対して直交する仮想の面上に受光面を直角に起立させるとともに、透過光のレーザ光Lの光軸に対して角度αだけ傾けて配置し、透過光が画像センサ32に斜めに入射するようにしている。これは、図8(b)に示すような透過光画像の長手方向の中心軸を中心に、画像センサ32を回動させ、反射光と同様に丸に近い形状に入射画像が形成されるようにしたものである。その結果、図8(a)の円形の反射光と同様に、図13(a)に示すようなほぼ円形の透過光の画像が得られる。
【0049】
さらに、微小角変位測定に先立ち、レーザ光Lの光路のレーザ光源12と臨界角プリズム26との間に、図12の仮想線で示すように、レーザ光Lの光束を区切る格子38を挿入しても良い。これにより、図13(b)の反射光と図13(c)の透過光の画像に示すような縞状の光強度の画像を得て、同じレーザ光Lの一部の光束から分岐したレーザ光が照射された画像センサ30,32の各区画Ar1〜Arp,At1〜Atpの対応を、予め確認できるようにしている。各区画Ar1〜Arp,At1〜Atpの対応を確認した後は、格子38を光路から外して、上記実施例と同様に微小角変位の測定を行う。
【0050】
画像センサ32を斜めに配置することにより、画像センサ30,32の各区画Arp,Atpの画素数をほぼ等しくすることが出来、透過光の区画Atpの画素数が増えて、より容易に正確な測定が可能となる。なお、光学系の配置等により画像センサ32を斜めに置くと、画像センサ32の画素を有効に利用できない場合には、上記第二実施形態の構成を用いることにより、測定精度を上げることができる。
【0051】
次にこの発明の第四実施形態について、図14を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の変位測定装置44は、上記第二実施形態と同様の構成であって、臨界角プリズム26からの透過光を撮像する撮像装置33及び画像センサ32を省いたものである。さらに、上記第三実施形態と同様に、レーザ光Lの光束を区切る格子38を挿入して、図13(b)の透過光の画像に示すような縞状の光強度の画像を得て、同じレーザ光Lの一部の光束から分岐したレーザ光が照射された画像センサ28,30の各区画Aa1〜Aap、Ar1〜Arpの対応関係を、予め確認できるようにしている。
【0052】
この実施形態の変位測定装置44によっても上記実施形態と同様の効果を得ることができ、装置を小型化することができる。
【0053】
なお、この発明の微小角変位測定方法と装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、レーザ光Lは、収束光を用いても良く、平行光以外であれば良い。さらに、絞り14の開口部の形状を四角形にして、格子38がきれいに撮像される部分の画像を各画像センサで撮るようにしても良い。レーザ光Lは、p偏光の他、s偏光を用いても良く、p偏光の方がより微小な角変位を検出可能であり、s偏光を用いる場合は、角度変位が大きい場合に利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ICウエハー作成時の傾き測定など、部品の傾きの測定および制御に用いられる。また、HDDのプラッターの取り付け誤差、HDDヘッドの傾き測定、その他精密機器の取り付け精度の測定に使われる。
【符号の説明】
【0055】
10 微小角変位測定装置
12 レーザ光源
14 絞り
15,16 ミラー
18 レンズ
20,21 偏光ビームスプリッタ
22 1/4波長板
24 測定対象面
26 臨界角プリズム
26a 臨界面
28,30,32 画像センサ
29,31,33 撮像装置
34 コンピュータ
36 微小角変位装置
i 画素
L レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させ、測定対象面で反射したレーザ光を臨界角プリズムの臨界面に臨界角直前の角度で入射させ、前記臨界面で反射した前記レーザ光の光強度と前記臨界面を透過した前記レーザ光の光強度とを、前記レーザ光を複数の画像センサにより2次元的に受光して求め、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記画像センサの各画素を複数の画素毎の複数の区画に区分けして、前記各画像センサの前記区分けした各区画の光強度の差を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算することを特徴とする微小角変位測定方法。
【請求項2】
前記レーザ光は、前記臨界角プリズムの前記臨界面に、ブリュースター角以上の角度で臨界角直前の角度で入射させる請求項1記載の微小角変位測定方法。
【請求項3】
前記レーザ光は、前記臨界角プリズムの前記臨界面に、p偏光の反射率が急激に増加する領域の角度であって、臨界角直前の角度で入射させる請求項2記載の微小角変位測定方法。
【請求項4】
前記レーザ光は、p偏光のレーザ光を前記測定対象面に照射する請求項3記載の微小角変位測定方法。
【請求項5】
前記複数の画像センサは、前記臨界面で反射した前記レーザ光を受光する画像センサと、前記臨界面を透過した前記レーザ光を受光する画像センサである請求項1記載の微小角変位測定方法。
【請求項6】
前記微小角変位の演算は、前記臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射した一方の前記画像センサの各画素の出力と、前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射した他方の前記画像センサの各画素の出力とで、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士の前記光強度の和と差により、前記測定対象面の微小角変位を求める請求項5記載の微小角変位測定方法。
【請求項7】
前記複数の画像センサは、前記臨界面で反射した前記レーザ光を受光する画像センサと、前記臨界角プリズムに入射する前の前記レーザ光の一部を受光する画像センサである請求項1記載の微小角変位測定方法。
【請求項8】
前記微小角変位の演算は、前記臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射した一方の前記画像センサの各画素の出力と、前記臨界角プリズムに入射する前の前記レーザ光が分割されて入射した他方の前記画像センサの各画素の出力とで、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された各画像センサの互いに対応する前記各区画同士の前記光強度の差により、前記測定対象面の微小角変位を求める請求項7記載の微小角変位測定方法。
【請求項9】
前記微小角変位の演算は、前記各画像センサの前記複数の区画により、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士による複数の微小角変位の値を求め、前記レーザ光の光束が分割して入射する前記複数の区画により求めた複数の微小角変位の値を基にして、前記測定対象面の微小角変位を求める請求項7又は8記載の微小角変位測定方法。
【請求項10】
前記微小角変位を求める前に、前記レーザ光の光路の前記レーザ光源と前記臨界角プリズムとの間に、前記レーザ光の光束を区切る格子を挿入し、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士の対応を求める請求項1乃至9のいずれか記載の微小角変位測定方法。
【請求項11】
レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させるレンズと、前記レーザ光を測定対象面へ向けるとともに前記測定対象面からの反射光を透過するビーム分岐手段と、測定対象面で反射した前記レーザ光が臨界角直前の角度で臨界面に入射する臨界角プリズムと、この臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射する一方の画像センサと、前記臨界角プリズムの前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射する他方の画像センサと、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算する微小角変位演算手段とを備えたことを特徴とする微小角変位測定装置。
【請求項12】
レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を収束又は発散させるレンズと、前記レーザ光を測定対象面へ向けるとともに前記測定対象面からの反射光を透過するビーム分岐手段と、前記測定対象面で反射した前記レーザ光を分けるビーム分割手段と、前記測定対象面で反射した前記レーザ光が臨界角直前の角度で臨界面に入射する臨界角プリズムと、この臨界角プリズムの前記臨界面で反射した前記レーザ光が入射する一方の画像センサと、前記ビーム分割手段で分割された前記レーザ光が入射する他方の画像センサと、前記各画像センサの各画素の出力を基に、前記測定対象面の微小角変位を演算する微小角変位演算手段とを備えたことを特徴とする微小角変位測定装置。
【請求項13】
前記臨界面を透過した前記レーザ光が入射する前記他方の画像センサの向きは、前記臨界面に対して直交する面上に受光面を直角にして起立させ、前記レーザ光の光軸に対して斜めに配置されている請求項11又は12記載の微小角変位測定装置。
【請求項14】
前記レーザ光の光路の前記レーザ光源と前記ビーム分岐手段との間に、前記レーザ光の光束を区切る格子が挿入され、同じ前記レーザ光の一部の光束から分岐したレーザ光が照射された互いに対応する前記各区画同士を表示可能な請求項11,12又は13記載の微小角変位測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図4】
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【図8】
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【図13】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−76689(P2013−76689A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26902(P2012−26902)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(305060567)国立大学法人富山大学 (194)
【Fターム(参考)】