説明

情報処理端末、ナビゲートシステム、ナビゲート方法およびナビゲートプログラム

【課題】電力消費の比較的大きなディスプレイを必ずしも使用することなく目的地への長時間のナビゲートが可能な情報処理端末、ナビゲートシステム、ナビゲート方法およびナビゲートプログラムを得ること。
【解決手段】LED駆動手段15は、ナビゲート情報生成手段12で生成したナビゲート情報に応じて、所定数のLED13をそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付けて駆動することで現在位置から目的地までのナビゲートを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的とする場所にユーザを誘導する情報処理端末、ナビゲートシステム、ナビゲート方法およびナビゲートプログラムに係わり、特に携帯型で電力消費に配慮した情報処理端末、ナビゲートシステム、ナビゲート方法およびナビゲートプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や人を、目的とする場所に誘導するナビゲートシステムが各種登場している。たとえば本発明の第1の関連技術では、携帯電話機を使用したナビゲートシステムを提案している(特許文献1参照)。この第1の関連技術のナビゲートシステムでは、携帯電話機がGPS(Global Positioning System)アンテナとGPS受信部を備えており、GPS衛星から現在位置(緯度、経度)情報を受信するようになっている。そして、現在位置を中心とする地図情報(地図画像データ)を受信し、液晶ディスプレイに表示する。これにより、たとえばユーザの移動方向1km以内に存在する施設、店舗などの周辺情報がブラウザ機能によりディスプレイに表示されることになる。
【0003】
また、この第1の関連技術では、携帯電話機に備えられた「1」〜「9」の数字キーが、3行3列のマトリクス状に配置されていることに着目し、このうちの数字キー「2」を北に対応させる。そして、ユーザが北に向かって移動するときには「2」の数字キーに内蔵したLED(Light Emitting Diode)を点灯させるようにしている。更にLEDは、目的地までの距離に応じて、発光する色を変化させるようにしている。このように第1の関連技術では、「1」〜「9」の数字キーの合計9個のLEDを使用して方位と距離を表示するようにした。
【0004】
一方、携帯電話機に外装パネルを取り付けて、外装パネルとしての化粧パネルに配置されたLEDを点灯制御して方位を表示することが本発明の第2の関連技術として提案されている(たとえば特許文献2参照)。この第2の関連技術で、折り畳み式の携帯電話機は、これを開いた状態で液晶表示部で視覚的な表示を行うようになっている。ユーザが目的地情報を携帯電話機の本体マイコンに入力すると、装置本体の外表面に取り付けた化粧パネルに全方位を8等分した形で配置された8個のLEDが目的地に至る方向を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−040321号公報(第0016段落、第0025段落〜第0034段落、図4)。
【特許文献2】特開2008−295077号公報(第0131段落、第0146段落、図24、図27)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上説明したような各関連技術で使用される携帯電話機は、携帯型の情報処理端末である。したがって、目的地のナビゲートに液晶ディスプレイ等のディスプレイを使用し、視覚的な表示や目的地情報の入力時の確認を行っている。また、複数のLEDをディスプレイと共に使用することで方位の表示を付加している。
【0007】
ディスプレイの使用は、携帯電話機のバッテリの電力消費の大きな割合を占める。しかしながら、たとえばビジネスの用途で各種の地図情報をディスプレイに表示しても、1日の内で表示の行われる時間がある程度限定されている。したがって、ユーザが携帯電話機を日常生活や仕事上で多用しても、家庭やオフィスで適宜充電を行うことができ、バッテリを使い切ったことにより装置そのものを使用できなくなるという事態は発生しにくい。
【0008】
ところが、商用の電源設備が整っていない地域に比較的長く滞在するような場合には、ナビゲートのための情報処理端末あるいはナビゲートシステムが本来役立つ場所であるにも係わらず、バッテリの充電ができず電源が枯渇してしまう場合がある。これにより、携帯電話機のナビゲートシステムが動作不能となる。
【0009】
たとえば登山の場合、ナビゲートシステムは遭難を防止するために大きな役割を果たすべきものである。しかしながら、バッテリの動作時間の短さからナビゲートシステムが早期に動作不能となってしまう場合が多く、これが人命に影響を及ぼす大きな事故に繋がる場合が多い。
【0010】
そこで本発明の目的は、電力消費の比較的大きなディスプレイを必ずしも使用することなく目的地への長時間のナビゲートが可能な情報処理端末、ナビゲートシステム、ナビゲート方法およびナビゲートプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、(イ)現在の位置を判別する現在位置判別手段と、(ロ)この現在位置判別手段で判別した現在位置から所定の目的地へ自装置をナビゲートするナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、(ハ)複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、(ニ)前記したナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記した所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、(ホ)この対応付け手段の対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動するLED駆動手段とを情報処理端末が具備する。
【0012】
また本発明では、(イ)出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得手段と、(ロ)現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得手段と、(ハ)この現地点情報取得手段で現地点情報を取得するたびに前記したルート情報取得手段で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の所望の地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、(ニ)複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、(ホ)前記したナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記した所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、(ヘ)この対応付け手段の対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動することで前記したルートに沿った前記した所望の地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動手段とをナビゲートシステムが具備する。
【0013】
更に本発明では、(イ)出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得ステップと、(ロ)現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得ステップと、(ハ)この現地点情報取得ステップで現地点情報を取得するたびに前記したルート情報取得ステップで取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の前記した予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成ステップと、(ニ)このナビゲート情報生成ステップで生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付けステップと、(ホ)この対応付けステップによる対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動することで前記したルートに沿った前記した予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動ステップとをナビゲート方法が具備する。
【0014】
更にまた、本発明では、コンピュータにナビゲートプログラムとして、(イ)出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得処理と、(ロ)現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得処理と、(ハ)この現地点情報取得処理で現地点情報を取得するたびに前記したルート情報取得処理で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の前記した予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成処理と、(ニ)このナビゲート情報生成処理で生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け処理と、(ホ)この対応付け処理による対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動することで前記したルートに沿った前記した予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、複数の色を選択的に発光できる所定数のLEDを使用し、ナビゲート情報を、これらのLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付けて駆動するようにしたので、電力消費の大きなディスプレイを駆動することを必ずしも要さずに、これら所定数のLEDで所定の目的地へのナビゲートが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の情報処理端末のクレーム対応図である。
【図2】本発明のナビゲートシステムのクレーム対応図である。
【図3】本発明のナビゲート方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明のナビゲートプログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の実施の形態における情報処理端末としての携帯電話機の外観を表わす斜視図である。
【図6】本実施の形態の携帯電話機の回路構成の概要を表わしたブロック図である。
【図7】図6に示した回路の中でナビゲート用の回路部分を具体的に表わしたブロック図である。
【図8】図7に示した位置情報格納部に格納される位置情報の一例を表わした説明図である。
【図9】本実施の形態におけるナビゲート用LEDの発光する色とナビゲートの内容との関係を表わした説明図である。
【図10】本実施の形態のナビゲートシステムで転回を要求される角度とナビゲート用LEDの点滅関係を表わした説明図である。
【図11】本実施の形態の携帯電話機が登山時のナビゲートを行う概要を表わした流れ図である。
【図12】本実施の形態のユーザが採用した登山ルートの一例を示した平面図である。
【図13】図11のステップS211で説明した単独ナビゲートの具体的な処理内容を表わした流れ図である。
【図14】本実施の形態の登山ルートの出発地点をわずかに過ぎた時点におけるユーザの現在位置と進むべき方向を図解した平面図である。
【図15】図14における矢印183を基準としたときの矢印182の向きと傾斜角を表わした説明図である。
【図16】本実施の形態のステップS238で示した反時計回りの転回時の処理を具体的に表わした流れ図である。
【図17】本実施の形態のステップS239で示した時計回りの転回時の処理を具体的に表わした流れ図である。
【図18】本実施の形態のユーザが登山ルートから外れた状態の一例を示した平面図である。
【図19】本発明の変形例における情報処理端末としての携帯電話機の外観を表わした斜視図である。
【図20】この変形例における携帯電話機の回路構成の概要を表わしたブロック図である。
【図21】図20に示した回路の中でナビゲート用の回路部分を具体的に表わしたブロック図である。
【図22】変形例における表示する距離と距離表示用LEDの点灯制御の関係を表わした。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の情報処理端末のクレーム対応図を示したものである。本発明の情報処理端末10は、現在位置判別手段11と、ナビゲート情報生成手段12と、所定数のLED(Light Emitting Diode)13と、対応付け手段14と、LED駆動手段15を備えている。ここで、現在位置判別手段11は、現在の位置を判別する。ナビゲート情報生成手段12は、現在位置判別手段11で判別した現在位置から所定の目的地へ自装置をナビゲートするナビゲート情報を生成する。所定数のLED13は、複数の色を選択的に発光できる。対応付け手段14は、ナビゲート情報生成手段12で生成したナビゲート情報を、前記した所定数のLED13それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける。LED駆動手段15は、対応付け手段14の対応付けに従って前記した所定数のLED13を駆動する。
【0018】
図2は、本発明のナビゲートシステムのクレーム対応図を示したものである。本発明のナビゲートシステム20は、ルート情報取得手段21と、現地点情報取得手段22と、ナビゲート情報生成手段23と、所定数のLED(Light Emitting Diode)24と、対応付ける対応付け手段25と、LED駆動手段26を備えている。ここで、ルート情報取得手段21は、出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得する。現地点情報取得手段22は、現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する。ナビゲート情報生成手段23は、現地点情報取得手段22で現地点情報を取得するたびにルート情報取得手段21で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の所望の地点までの距離を示すナビゲート情報を生成する。所定数のLED24は、複数の色を選択的に発光できるデバイスである。対応付け手段25は、ナビゲート情報生成手段23で生成したナビゲート情報を、前記した所定数のLED24それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける。LED駆動手段26は、対応付け手段25の対応付けに従って所定数のLED24を駆動することで前記したルートに沿った前記した所望の地点までの進路方向および距離をナビゲートする。
【0019】
図3は、本発明のナビゲート方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のナビゲート方法30は、ルート情報取得ステップ31と、現地点情報取得ステップ32と、ナビゲート情報生成ステップ33と、対応付けステップ34と、LED駆動ステップ35を備えている。ここで、ルート情報取得ステップ31では、出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得する。現地点情報取得ステップ32では、現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する。ナビゲート情報生成ステップ33では、現地点情報取得ステップ32で現地点情報を取得するたびにルート情報取得ステップ31で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の前記した予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成する。対応付けステップ34では、ナビゲート情報生成ステップ33で生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける。LED駆動ステップ35では、対応付けステップ34による対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動することで前記したルートに沿った前記した予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートする。
【0020】
図4は、本発明のナビゲートプログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のナビゲートプログラム40は、コンピュータに、ルート情報取得処理41と、現地点情報取得処理42と、ナビゲート情報生成処理43と、対応付け処理44と、LED駆動処理45を実行させるようにしている。ここで、ルート情報取得処理41では、出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得する。現地点情報取得処理42では、現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する。ナビゲート情報生成処理43では、現地点情報取得処理42で現地点情報を取得するたびに前記したルート情報取得処理で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記したルート上の前記した予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成する。対応付け処理44では、ナビゲート情報生成処理43で生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける。LED駆動処理45では、対応付け処理44による対応付けに従って前記した所定数のLEDを駆動することで前記したルートに沿った前記した予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートする。
【0021】
<発明の実施の形態>
【0022】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態による情報処理端末としての携帯電話機の外観を表わしたものである。この携帯電話機100は、第1の筐体101と第2の筐体102をヒンジ機構103によって開閉自在とした折り畳み式の装置となっている。第1の筐体101における折り畳み時に内側となる面には、液晶あるいは有機EL(Organic Electro-Luminescence)から構成されるディスプレイ104と通話用のスピーカ105が配置されている。また、第2の筐体102における折り畳み時に内側となる面には、各種のキースイッチの配置された操作部106と通話用のマイクロフォン107が配置されている。
【0024】
本実施の形態の携帯電話機100では、更に第1の筐体101におけるディスプレイ104の左上の箇所に、ナビゲート用LED(Light Emitting Diode)111が配置されている。ナビゲート用LED111は、第1〜第4の発光色のいずれか1色で選択的に発光するようになっており、これにより携帯電話機100のユーザを所望の場所に誘導できる。ナビゲート用LED111は、ディスプレイ104のバックライトや操作部106の照明用のLED(図示せず)の電源をオフにした状態で単独点灯できるようになっている。このため、登山に行って遭難したような場合であっても、内蔵電池の残りが少ない状態でも携帯電話機100による長時間のナビゲートが可能になる。
【0025】
図6は、本実施の形態の携帯電話機の回路構成の概要を表わしたものである。携帯電話機100は、CPU(Central Processing Unit)120と、このCPU120が実行する制御プログラムを格納したメモリ121を備えた主制御部122を有している。主制御部122は、データバス等のバス123を介して携帯電話機100内の各部と接続されている。
【0026】
このうち通信制御部124は、図示しない基地局を介して無線による通信を行うようになっている。GPS受信部125は、図示しない複数のGPS衛星から送られてくるデータを受信して、携帯電話機100の現在位置の経度、緯度および高度を算出する。マップ格納部126は、携帯電話機100の現在位置周辺の地図情報を格納する。ただし、登山の場合には正規登山ルートを表わした地図情報を格納する。このような地図情報は、通信制御部124を介して必要に応じて図示しない地図データ格納サーバからダウンロードするようにしてもよいし、予め登山する山が分かっているような場合には、図示しないDVD(Digital Versatile Disc)等の記憶媒体から緯度・経度の位置情報の取り込みを行ってもよい。
【0027】
ナビゲート用LED駆動部127は、図5に示したナビゲート用LED111を駆動する回路である。ナビゲート用LED駆動部127は、ナビゲート用LED111を第1色〜第4色のいずれかの色に発光させたり、連続点灯と、3種類の周期で点滅させる点灯制御を行う。ナビゲート用制御部128は、主制御部122が実現する機能のうちのナビゲート用の機能を分離して示したものであり、CPU120がメモリ121に格納された制御プログラムを実行することによって同様に実現する。ナビゲート用情報記憶部129は、ナビゲート用に使用する各種の情報の格納部をメモリ121と分離して独立して示したものである。携帯電話機共通機能部130は、図5で示したディスプレイ104や操作部106だけでなく、たとえばデジタルカメラやワンセグ(1seg)チューナによるテレビジョン視聴機能のように携帯電話機としての基本的な機能をまとめて示したものである。たとえばDVD(Digital Versatile Disc)に格納されたデータをUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介してマップ格納部126に転送するような場合のUSBケーブルも携帯電話機共通機能部130に備えられていてもよい。
【0028】
図7は、図6に示した回路の中でナビゲート用の回路部分を具体的に表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0029】
図6に示したナビゲート用制御部128は、携帯電話機100の進行方向を制御する進行方向制御部141と、ナビゲート用LED111の発光制御を行うLED発光制御部142によって構成されている。進行方向制御部141は、マップ格納部126に格納された地図情報を用いた制御を行う。
【0030】
また、ナビゲート用制御部128の制御は、携帯電話機100の現在位置を用いて行う。このため、GPS受信部125の受信データがナビゲート用制御部128に入力されるようになっている。また、ディスプレイ104およびこれに付属する図示しないタッチパネルからのデータも、ナビゲート用制御部128に入力される。ただし、本実施の形態でディスプレイ104は地図情報の取得時とナビゲート機能の開始時に使用するが、遭難時の正規登山ルート復帰へのナビゲートには必ずしも使用しない。
【0031】
ナビゲート用情報記憶部129は、位置情報格納部151と、進行方向情報格納部152と、修正方向角度格納部153と、目標到着情報格納部154を備えている。ここで位置情報格納部151には、GPS受信部125の受信した現在および過去の位置情報が格納される。携帯電話機100のユーザが遭難したのであれば、その遭難者の位置情報が位置情報格納部151に格納されることになる。進行方向情報格納部152には、遭難者の進行方向の情報が記憶される。修正方向角度格納部153には、遭難者が進むべき方向と実際の進行方向のずれの情報が記憶される。目標到着情報格納部154には、登山ルート上の各地点を経度と緯度を表わした2次元座標情報と、出発地点から登山ルート上のどの位置まで到達したかを示す情報が記憶される。
【0032】
位置情報格納部151と、進行方向情報格納部152と、修正方向角度格納部153および目標到着情報格納部154は、進行方向制御部141に対して情報の交換を行う。また、進行方向情報格納部152と、修正方向角度格納部153および目標到着情報格納部154の格納する情報に基づいて、LED発光制御部142は図6に示したナビゲート用LED駆動部127の制御内容を決定するようになっている。
【0033】
図8は、図7に示した位置情報格納部に格納される位置情報の一例を表わしたものである。位置情報格納部151には、図6に示したGPS受信部125の受信した位置情報が、経度を横軸xとし、緯度を縦軸yとした2次元座標情報(x,y)として保存される。位置情報は、古いデータから新しいデータの順に保存される。ただし、位置情報格納部151の容量との関係で最も古いデータが新しいデータによって上書きされるようになっていてもよい。また、位置情報には、高度情報を含めてもよいことは既に説明した。
【0034】
図9は、ナビゲート用LEDの発光する色とナビゲートの内容との関係を表わしたものである。図5と共に説明する。図5に示したナビゲート用LED111は、多色発光用のものを使用することで、たとえばRGBの3原色の割合を指定して複数の色を自在に発光させることができる。したがって、方位や距離等の各種の内容と色を対比させて定義付けておくことで色を用いたナビゲートが可能となる。
【0035】
しかしながら、ナビゲートする内容を多種類に設定して、それぞれに固有の色を割り付けると、色の数が多くなってユーザが色とナビゲートの内容を覚えきれず携帯電話機100を間違って操作してしまう危険性が多くなる。また、色覚に障害がある者には、色の数が多くなるとそれらの間で識別が困難な色が出現する可能性が増す。
【0036】
そこで本実施の形態ではナビゲート用LED111に第1色から第4色までの4種類の色を選択的に発光させるようにしている。これら4色はユーザが自在に選定したり変更することが可能であるが、本実施の形態の携帯電話機100ではデフォルト値として次のように色の設定を行っている。これら以外の色を第1色から第4色として選択できることはもちろんである。
【0037】
第1色は赤色である。携帯電話機100のナビゲート用LED111が赤色に発光するときは、ユーザの進んでいる方向が不明な場合のようにナビゲート自体が不可能な場合である。この異常な状況をユーザに知らせるために、赤色は連続点灯させず、所定の周期で点滅させることにしている。
【0038】
第2色は青色である。ユーザが目的地に到達しナビゲートが正常に終了したときナビゲート用LED111が青色に発光する。この場合の発光の状態は、本実施の形態で連続点灯としている。
【0039】
第3色は黄色であり、第4色は白色である。ナビゲート用LED111が黄色に発光した際に、ユーザは時計回りの転回を要求される。また、ナビゲート用LED111が白色に発光した際に、ユーザは反時計回りの転回を要求される。これらのいずれの場合にも転回する角度が90度以内の場合にナビゲート用LED111は点滅を行い、その点滅の状態で転回すべき角度が判別できるようになっている。
【0040】
図10は、転回を要求される角度とナビゲート用LEDの点滅関係を表わしたものである。本実施の形態では、転回する角度を0度から30度以内と、30度から60度以内および60度から90度以内の3種類に分けている。そして、0度から30度以内の場合にはナビゲート用LED111の点滅間隔を大とし、30度から60度以内の場合を中とし、60度から90度以内の場合を小としている。ここで転回を要求される角度が小さい程ナビゲート用LED111の点滅間隔を大きくしたのは、点滅間隔が一般に大きい程、ユーザに与える刺激が少ないことに基づく。
【0041】
以上と異なり、それぞれの転回方向の逆方向(90度以上で180度以内)に転回する必要がある場合には、ナビゲート用LED111が黄色または白色で連続点灯するようになっている。
【0042】
図11は、本実施の形態の携帯電話機が登山時のナビゲートを行う概要を表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0043】
ユーザは、携帯電話機100の携帯電話機共通機能部130を操作することで、ディスプレイ104に表示されたメニュー画面から「登山ナビゲート」の項目を選択し(ステップS201)、登山ナビゲート専用のウェブサイトにアクセスする。登山ナビゲート専用のウェブサイトの画面がディスプレイ104に表示されたら、登山区間を指定して、正規の登山ルートのデータを携帯電話機100にダウンロードする(ステップS202)。ダウンロードされたデータは、マップ格納部126に格納される。既に正規の登山ルートのデータを携帯電話機100に格納している場合、ユーザはこれに直接アクセスすることで、ステップS201およびステップS202の処理を省略することができる。
【0044】
携帯電話機100では受信した正規の登山ルートのデータを基にして、ディスプレイ104にそのルートを表示する(ステップS203)。具体的な登山ルートには、途中で経由する場所等の相違により幾つかのバリエーションがあるのが通常である。そこで、ユーザは登山の開始位置と具体的なルートの選択のための入力を行う(ステップS204)。ルートが選択されたら(Y)、携帯電話機100側はこれによりユーザの指定した具体的なルートを表示すると共に、ユーザの指定したナビゲートの開始位置をこのルート上に表示する(ステップS205)。
【0045】
この状態でユーザは携帯電話機100を用いたナビゲートの開始を指示するか、ナビゲートを中止するための終了指示を行う(ステップS206、S207)。ユーザが終了指示を行った場合には(ステップS206:N、ステップS207:Y)、登山のためのナビゲート処理が終了する(エンド)。
【0046】
一方、ユーザがナビゲートの開始を指示した場合には(ステップS206:Y)、GPS受信部125がGPS衛星による受信を開始して、ディスプレイ104に表示された指定ルートに携帯電話機100の現在位置を表示する。また、現在位置とナビゲートの開始位置との関係でナビゲート用LED111が、該当する表示を行う(ステップS208)。たとえば、その時点でユーザの携帯電話機100が登山の開始位置に来ている状態であれば、ナビゲート用LED111は青色に連続点灯する。これは、現時点の目的地としての登山の出発点と登山の開始位置が一致していることを示すものである。
【0047】
これに対して、ユーザが登山の出発点に到達する前の場所でナビゲートの開始を指示した場合には、登山の出発点に対するユーザの進行すべき方角に応じてナビゲート用LED111が発光の色および点灯状態を決定することになる。また、この時点ではディスプレイ104に登山の開始位置を含めた登山のルートとユーザの現在位置の双方が表示される。したがって、ユーザはディスプレイ104を見て登山ルートに対する自分の現在位置を確認しながら登山を開始することができる。
【0048】
しかしながらディスプレイ104を常に表示状態に置くことは携帯電話機100の電池の消耗を早めることになる。そこでユーザはナビゲート用LED111が青色に連続点灯する状態が出現し、登山ルート上を間違いなく登山していることを確認したら、単独ナビゲートのモードに移行を指示することができる(ステップS209)。
【0049】
この単独ナビゲートのモードへの移行が指示されると(ステップS209:Y)、ナビゲート用制御部128はディスプレイ104の表示に関する電源をオフにする(ステップS210)。そして、これ以後はナビゲート用LED111のみを表示用のデバイスとして使用する単独ナビゲートを実行して(ステップS211)、一連の処理が終了することになる(エンド)。この単独ナビゲートでは、ナビゲート用制御部128がGPS受信部125の受信データとナビゲート用情報記憶部129の記憶内容を基にしてナビゲート用LED駆動部127を駆動制御してナビゲート用LED111の表示を制御することになる。
【0050】
図12は、ユーザが採用した登山ルートの一例を示したものである。この登山ルートは、出発地点171からA山の山頂172まで上り、尾根伝いにB山の山頂173を経由してC山の山頂の目的地点174まで縦走するコースとなっている。この例の場合、図7に示すマップ格納部126には、出発地点171からC山の山頂の目的地点174までの登山ルートをカバーする地図情報が格納される。
【0051】
また、目標到着情報格納部154には出発地点171および目的地点174の2次元座標情報S(xs,ys)、D(xd,yd)と、出発地点171から登山ルートに沿って登山を行った場合のルート上の2次元座標情報L1(x1,y1)、L2(x2,y2)、……が、目標となる座標情報として格納されている。2次元座標情報L1(x1,y1)、L2(x2,y2)、……は、登山ルートに沿って一定間隔で測定した情報であってもよいし、それぞれ任意の間隔で測定した情報であってもよい。
【0052】
図13は、図11のステップS211で説明した単独ナビゲートの具体的な処理内容を表わしたものである。図6、図7および図12と共に説明する。
【0053】
単独ナビゲートでは、まずGPS受信部125が携帯電話機100の最新の位置情報を取得して位置情報格納部151に格納する(ステップS231)。ナビゲート用制御部128はこの現在の位置情報と目標到着情報格納部154に格納された現時点まで到達した位置の2次元座標情報を比較して、ユーザの現在位置が目標到着情報格納部154の判別した登山ルート上での現在の目標位置と異なった場所であるかを判別する(ステップS232)。
【0054】
具体的な例として、ユーザが登山ルートの出発地点171にいて、ここで単独ナビゲートを開始したとする。このとき、GPS受信部125の受信した位置情報は2次元座標情報S(xs,ys)である。したがって、2次元座標情報S(xs,ys)が位置情報格納部151に格納される(ステップS231)。
【0055】
一方、登山ルートの出発地点171の位置情報は同様に2次元座標情報S(xs,ys)である。ユーザがまだ登山を開始していないので、出発地点171の2次元座標情報S(xs,ys)が現在の目標値として目標到着情報格納部154に格納されている。したがって、この例の場合にはユーザの現在の位置が目標位置と一致し(ステップS232:N)、ユーザは登山ルート上にいることが確認される。この場合(ステップS231:N)、ナビゲート用LED111は青色で点灯し(ステップS233)、ユーザが登山ルート上の目標位置の1つにいることが示される。ユーザが出発地点171にとどまっている限り、ステップS233の処理の後にステップS231の処理に戻るので(リターン)、ナビゲート用LED111は青色で連続点灯することになる。
【0056】
ある時点で、ユーザが出発地点171から登山ルートを正規の方向に進行を開始したとする。すると、GPS受信部125の受信した位置情報は出発地点171の2次元座標情報S(xs,ys)とは異なる値になる(ステップS232:Y)。ナビゲート用制御部128の進行方向制御部141は、目標到着情報格納部154を参照して登山ルート上に次の目標位置が存在するかをチェックする(ステップS234)。この例の場合には、2次元座標情報L1(x1,y1)が次の目標位置として存在する(Y)。そこで進行方向制御部141はGPS受信部125の受信した位置情報(x,y)と2次元座標情報L1(x1,y1)を対比する(ステップS235)。
【0057】
図14は、登山ルートの出発地点をわずかに過ぎた時点におけるユーザの現在位置と進むべき方向を図解したものである。ユーザの現在位置が出発地点171と2次元座標情報L1(x1,y1)のほぼ中間位置の×で示した位置181であったとする。このとき、進行方向制御部141は、位置181を起点とし2次元座標情報L1(x1,y1)を終点とする矢印182の向き(ユーザの進むべき向き)が、その直前におけるユーザの進んできた向きを示す矢印183に対して、時計回りの転回を必要とするかを判別する(図13ステップS236)。ここで矢印183は、近似的には出発地点171を起点とし×で示した位置181を終点として表わすことができる。
【0058】
図15は、図14における矢印183を基準としたときの矢印182の向きと傾斜角を表わしたものである。この図より、ユーザは矢印182の方向に進むためには、反時計回りの方向に傾斜角θだけ進路を転回させる必要があることが分かる。
【0059】
図13に戻って単独ナビゲートにおける処理の説明を続ける。今まで説明した例では反時計回りの方向に進路を転回させる必要がある。そこで、時計回りの転回が不要で(ステップS236:N)、反時計回りの転回が必要となる(ステップS237)。この場合、ナビゲート用制御部128のLED発光制御部142は反時計回りの転回の角度が0度から180度までの場合に、傾斜角θの大きさに応じた点滅周期でナビゲート用LED111を白色に発光させる制御を行う(ステップS238)。この点灯制御は、同一の状態が継続する限り継続して行われる(リターン)。
【0060】
図16は、ステップS238で示した反時計回りの転回時の処理を具体的に表わしたものである。図6、図7および図10と共に説明する。
【0061】
進行方向制御部141は、反時計回りの転回の角度が0度以上、30度未満の場合には(ステップS251:Y)、ナビゲート用LED111を白色で点滅間隔を「大」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS252)、一連の処理が終了することになる(エンド)。また、反時計回りの転回の角度が30度以上、60度未満の場合には(ステップS251:N、ステップS253:Y)、ナビゲート用LED111を白色で点滅間隔を「中」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS254)、一連の処理が終了することになる(エンド)。更に、反時計回りの転回の角度が60度以上、90度未満の場合には(ステップS251:N、ステップS253:N、ステップS255:Y)、ナビゲート用LED111を白色で点滅間隔を「小」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS256)、一連の処理が終了することになる(エンド)。これら3種類の点滅制御で、転回の角度が大きいものほど点滅の間隔を小さくしたのは、ユーザの注意をより惹くようにとの配慮である。
【0062】
一方、反時計回りの転回の角度が90度以上で180度以下の場合には(ステップS251:N、ステップS253:N、ステップS255:N、ステップS257:Y)、ナビゲート用LED111を白色で連続点灯する点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行って(ステップS258)、一連の処理が終了することになる(エンド)。反時計回りの転回の角度が180度より大きい場合には(ステップS257:N)、次に説明する図17の処理となる。そこでこの場合の図16での処理は終了する(エンド)。
【0063】
図13に戻って説明を続ける。図15に示した例ではユーザに反時計回りの転回を要求したが、登山ルートの状況によってはこの逆の時計回りの転回を要求する場合もある。この場合(ステップS236:Y)、ナビゲート用制御部128のLED発光制御部142は時計回りの転回の角度が0度から180度までの場合に、傾斜角θの大きさに応じた点滅周期でナビゲート用LED111を黄色に発光させる制御を行う(ステップS239)。この点灯制御は、同一の状態が継続する限り継続して行われる(リターン)。
【0064】
図17は、ステップS239で示した時計回りの転回時の処理を具体的に表わしたものである。図6、図7および図10と共に説明する。
【0065】
進行方向制御部141は、時計回りの転回の角度が0度以上、30度未満の場合には(ステップS271:Y)、ナビゲート用LED111を黄色で点滅間隔を「大」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS272)、一連の処理が終了することになる(エンド)。また、時計回りの転回の角度が30度以上、60度未満の場合には(ステップS271:N、ステップS273:Y)、ナビゲート用LED111を黄色で点滅間隔を「中」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS274)、一連の処理が終了することになる(エンド)。更に、時計回りの転回の角度が60度以上、90度未満の場合には(ステップS271:N、ステップS273:N、ステップS275:Y)、ナビゲート用LED111を黄色で点滅間隔を「小」とする点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行い(ステップS276)、一連の処理が終了することになる(エンド)。これら3種類の点滅制御で、転回の角度が大きいものほど点滅の間隔を小さくしたのは、ユーザの注意をより惹くようにとの配慮である。
【0066】
一方、時計回りの転回の角度が90度以上で180度未満の場合には(ステップS271:N、ステップS273:N、ステップS275:N、ステップS277:Y)、ナビゲート用LED111を黄色で連続点灯する点灯制御を、ナビゲート用LED駆動部127に対して行って(ステップS278)、一連の処理が終了することになる(エンド)。時計回りの転回の角度が180度以上の場合には(ステップS277:N)、既に説明した図16の処理となる。そこでこの場合の図17での処理は終了する(エンド)。
【0067】
図13に戻って説明を続ける。ステップS237で進行方向制御部141が反時計回りの転回を不要と判別した場合には(N)、ユーザの進行方向についてナビゲート不能という状態であることになる。そこでこの場合、LED発光制御部142はユーザの注意を喚起するためにナビゲート用LED111を赤色で点滅させることになる(ステップS240)。この点灯制御は、同一の状態が継続する限り継続して行われる(リターン)
【0068】
このようにして、ユーザが図12に示した登山ルートを出発地点171からC山の山頂の目的地点174まで順調に進行していけば、ルート上の各2次元座標情報L1(x1,y1)、L2(x2,y2)、……に到達するたびにナビゲート用LED111が青色に点灯する。また、登山ルート上のそれ以外の場所でナビゲート用LED111は、黄色または白色に発光させる。
【0069】
ユーザがC山の山頂の目的地点174まで到達すると、この例の場合にはルートを逆方向に進行して出発地点171に戻ることになる。そこで、ユーザが目的地点174から帰りのルートをたどり始めて2次元座標情報D(xd,yd)を外れると(ステップS232:Y)、進行方向制御部141は1つ先の目標位置が存在するかをチェックする(ステップS234)。この場合、最終的な目的地点174に到達して、その先の目標地点は存在しないので(N)、進行方向制御部141は登山ルートの出発点と目標地点を逆転させて(ステップS241)、目的地点174の1つ手前の2次元座標情報と現在位置を対比する(ステップS235)。以下、同様にしてユーザが出発地点171に到達するまで携帯電話機100がユーザをナビゲートすることになる。
【0070】
次に、このような携帯電話機100を使用したナビゲートシステムで、ユーザが登山ルートを見失って遭難した場合のナビゲートについて説明する。
【0071】
図18は、ユーザが登山ルートから外れた状態の一例を示したものである。この例でユーザは、B山の山頂173からC山の山頂の目的地点174に行く途中の2次元座標情報Lm(xm,ym)の所定地点191から、何らかの原因でルートを外れて、×印で示した遭難地点192にいるものとする。
【0072】
所定地点191から遭難地点192までのユーザの移動が比較的時間を掛けて行われ、位置情報格納部151に図8に示すような一連の位置情報が格納されている場合がある。このような場合には、位置情報格納部151に格納された新しいデータから順に古いデータの方向に位置情報を読み出して、元の道に戻るようなナビゲートを図13で説明した手法で行う。これにより、本来の登山ルートの所定地点191に戻ることができる。
【0073】
滑落で遭難地点192にまで移動したり、これ以外の場合であっても視界を遮る障害物の存在等によって、所定地点191から遭難地点192までの図6に示したGPS受信部125の受信データに基づく位置情報が、位置情報格納部151に格納されていない場合もある。このような場合には、適宜場所を移動し、GPS受信部125を用いてユーザの現在位置を正確に特定した後、登山ルート上の各2次元座標情報Lと対比してルート上の最適な目標地点を定めて、図13で説明した手法を用いてナビゲートを実行するようにすればよい。
【0074】
以上説明したように本実施の形態によれば、ユーザが携帯電話機100のナビゲート用LED111の発光と点灯状態を判別するだけで、その進路を目的地点まで正確にナビゲートすることができる。したがって、登山中に遭難して正規の登山ルートに戻るのに長時間を要する場合であっても、それまでの携帯電話機100の電力消費を十分抑えることができる。
【0075】
<発明の変形例>
【0076】
図19は、本発明の変形例における情報処理端末としての携帯電話機の外観を表わしたものである。図19で図5と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0077】
この変形例の携帯電話機100Aでは、第1の筐体101におけるディスプレイ104の右上の箇所に、距離表示用LED301が配置されている。距離表示用LED301は、携帯電話機100Aがナビゲートを行う際に必要な距離表示を行うためのものである。
【0078】
図20は、この変形例における携帯電話機の回路構成の概要を表わしたものである。図20で図6と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0079】
この変形例の携帯電話機100Aでは、ナビゲート用LED駆動部127Aがナビゲート用LED111の他に距離表示用LED301の駆動を行うようになっている。このため、ナビゲート用制御部128Aは距離表示用LED301を点灯制御の対象とするように変更されている。また、主制御部122Aは、CPU120の実行する制御プログラムを格納するメモリ121Aがナビゲート用制御部128Aに対応するように変更されている。
【0080】
図21は、図20に示した回路の中でナビゲート用の回路部分を具体的に表わしたものである。図21で図7と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。。図19および図20と共に説明する。
【0081】
ナビゲート用制御部128Aは、携帯電話機100Aの進行方向を制御する進行方向制御部141と、ナビゲート用LED111および距離表示用LED301の発光制御を行うLED発光制御部142Aによって構成されている。また、目標到着情報格納部154には、登山ルート上の各地点を経度と緯度で表わした2次元座標情報と、出発地点から登山ルート上のどの位置まで到達したかを示す情報が格納されている。したがって、登山ルート上で現在位置が分かれば、その現在位置との関係で、図12に示した目的地点174までの距離や、出発地点171に戻る場合の距離の概算値を目標到着情報格納部154に格納されたデータから求めることができる。
【0082】
更に、図18で説明したようにユーザが遭難して遭難地点192にいるような場合に、その位置の緯度および経度をGPS受信部125で求めれば、登山ルート上の最寄りと思われる所定地点191の緯度および経度との関係からこの所定地点191までの水平面上における直線距離を求めることができる。もちろん、これらの2地点の高度も併せて使用することで、2地点の直線距離も求めることができ、現場の地形や気象条件と併せて考えることで、登山ルートに戻る際のスケジュールを立てることができる。
【0083】
この変形例の携帯電話機100Aでは、ナビゲート用LED111を用いて先の実施の形態と同様のナビゲートを行うことができる他に、新たに加えられた距離表示用LED301を使用することでユーザと特定の位置との間の距離を表示することができる。
【0084】
図22は、表示する距離と距離表示用LEDの点灯制御の関係を表わしたものである。図21と共に説明する。
【0085】
ナビゲート用情報記憶部129の目標到着情報格納部154は、予め定めた特定のキーをユーザが押す等の所定の距離表示要求があると、特定地点までの距離を計算する(ステップS401)。そして、求められた距離が10キロメートル未満であるかを判別する(ステップS402)。
【0086】
求められた距離が10キロメートル以上である場合には(N)、距離表示用LED301を第5色で連続点灯する状態に設定する(ステップS403)。そして、距離表示用LED301を第5色で連続点灯させて(ステップS404)、一連の処理が終了することになる(エンド)。この変形例での距離表示用LED301は、第5色から第9色までのうちの1色を選択的に発光させることができる。ただし、第5色から第9色は、図9で説明した第1色から第4色と全く無関係である。すなわち、第5色から第9色は第1色から第4色の全部または一部を含んだ色であってもよいし、第1色から第4色とは全く異なる色の集合であってもよい。
【0087】
一方、ステップS401で求められた距離が10キロメートル未満である場合には(ステップS402:Y)、その距離が1キロメートル未満であるかの判別が行われる(ステップS405)。10キロメートル未満で1キロメートル以上である場合には(N)、距離表示用LED301を第6色で点滅させる設定とする。このときの点滅周期は、10秒当たりの点滅回数を、求められた距離における1000の位の数に設定する(ステップS406)。そして、距離表示用LED301を第6色で設定した周期で点滅表示することになる(ステップS404)。すなわち、ユーザは距離表示用LED301が10秒当たり第6色で何回点滅するかを判別することで、その回数にキロメートルを掛けた値をステップS401で求められた距離と判断することができる。10秒の間隔は、たとえば音や他のLEDの発光によって知らせることができる。
【0088】
ステップS405で距離が1キロメートル未満であると判別された場合には(Y)、その距離が0.1キロメートル未満であるかの判別が行われる(ステップS407)。1キロメートル未満で0.1キロメートル以上である場合には(N)、距離表示用LED301を第7色で点滅させる設定とする。このときの点滅周期は、10秒当たりの点滅回数を、求められた距離における100の位の数に設定する(ステップS408)。そして、距離表示用LED301を第7色で設定した周期で点滅表示することになる(ステップS404)。すなわち、ユーザは距離表示用LED301が10秒当たり第7色で何回点滅するかを判別することで、その回数に100メートルを掛けた値をステップS401で求められた距離と判断することができる。
【0089】
また、ステップS407で距離が0.1キロメートル未満であると判別された場合には(Y)、その距離が10メートル未満であるかの判別が行われる(ステップS409)。100メートル未満で10メートル以上である場合には(N)、距離表示用LED301を第8色で点滅させる設定とする。このときの点滅周期は、10秒当たりの点滅回数を、求められた距離における10の位の数に設定する(ステップS410)。そして、距離表示用LED301を第8色で設定した周期で点滅表示することになる(ステップS404)。すなわち、ユーザは距離表示用LED301が10秒当たり第8色で何回点滅するかを判別することで、その回数に10メートルを掛けた値をステップS401で求められた距離と判断することができる。
【0090】
以上と異なり、ステップS409で距離が10メートル未満であると判別された場合には(Y)、距離表示用LED301を第9色で点滅させる設定とする。このときの点滅周期は、10秒当たりの点滅回数を、求められた距離における1の位の数に設定する(ステップS411)。そして、距離表示用LED301を第9色で設定した周期で点滅表示することになる(ステップS404)。すなわち、ユーザは距離表示用LED301が10秒当たり第9色で何回点滅するかを判別することで、その回数に1メートルを掛けた値をステップS401で求められた距離と判断することができる。
【0091】
このように本発明の変形例によれば、図19に示したように携帯電話機100Aにナビゲート用LED111の他に距離表示用LED301を配置した。これにより、ディスプレイ104が駆動されていない状態でも距離表示用LED301が特定地点までの距離を発光する色と点滅周期でユーザに知らせることができる。したがって、ディスプレイ104を使用せずにナビゲート用LED111や距離表示用LED301を使用することで、携帯電話機100Aの図示しない内蔵電池の消耗を大幅に軽減させることができる。これにより、たとえば遭難時においても携帯電話機100Aを長時間使用可能な状態に保つことができる。
【0092】
なお、以上説明した実施の形態および変形例では、LEDを1種類または2種類使用して、発光や点滅のパターンを選択することで方位や距離を表示することにしたが、これに限るものではない。たとえばLEDの数を更に増加させて、発光する色の数や点滅のパターンの種類をこれに応じて減少させてもよい。
【0093】
また、実施の形態およびその変形例では登山ルートのナビゲートについて本発明を適用したが、その他の各種ナビゲートに本発明を適用できることは当然である。また、実施の形態およびその変形例では携帯電話機をナビゲートに使用したが、液晶ディスプレイ等のディスプレイを有する各種の情報処理端末に対して本発明を同様に適用することができることはいうまでもない。
【0094】
更に実施の形態およびその変形例では、LEDの発光する色の種類と点滅の周期を、ナビゲートする特定の内容と対応付けたが、これに限るものではない。たとば、LEDの発光の強さのレベルがどの段階にあるかといった情報や、隣接する複数のLEDの発光する色の組み合わせ、あるいは発光の強弱の時間的なパターンを発光パターンとしてナビゲートする特定の内容と対応付けるようにしてもよい。
【0095】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0096】
(付記1)
現在の位置を判別する現在位置判別手段と、
この現在位置判別手段で判別した現在位置から所定の目的地へ自装置をナビゲートするナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、
複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、
前記ナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、
この対応付け手段の対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動するLED駆動手段
とを具備することを特徴とする情報処理端末。
【0097】
(付記2)
前記ナビゲート情報生成手段の生成したナビゲート情報あるいはその他の情報を視覚的に表示するディスプレイと、
このディスプレイを駆動するためのディスプレイ用電源と、
前記LED駆動手段が前記所定数のLEDの駆動を行う状態で前記ディスプレイ用電源をオフにするディスプレイ用電源遮断手段
とを具備することを特徴とする付記1記載の情報処理端末。
【0098】
(付記3)
前記所定数のLEDは1個のLEDであり、前記ナビゲート情報生成手段により生成されるナビゲート情報は、前記所定の目的地への進路方向を示す方向情報であり、その進路方向への現在の進行方向からの転回方向を前記LEDの発光する色の種類で表わし、転回量を前記LEDの点滅周期で表わすことを特徴とする付記1記載の情報処理端末。
【0099】
(付記4)
前記所定数のLEDは2個のLEDであり、そのうちの1個は前記所定の目的地までの距離を表わす単位をその1個のLEDの発光する色の種類で表わし、表わした単位における距離の数値をその1個のLEDの単位時間当たりの点滅の回数で表わすことを特徴とする付記3記載の情報処理端末。
【0100】
(付記5)
前記現在位置判別手段は、GPS(Global Positioning System)により現在位置を算出することを特徴とする付記1記載の情報処理端末。
【0101】
(付記6)
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得手段と、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得手段と、
この現地点情報取得手段で現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得手段で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の所望の地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、
複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、
前記ナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、
この対応付け手段の対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記所望の地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動手段
とを具備することを特徴とするナビゲートシステム。
【0102】
(付記7)
前記所定数のLEDは2個のLEDであり、そのうちの1個はルート上の前記所望の地点までの進路方向に対する現在の進行方向からの転回方向を前記LEDの発光する色の種類で表わし、転回量を前記LEDの点滅周期で表わし、残りの1個は前記所望の地点までの距離を表わす際の単位をLEDの発光する色の種類で表わし、表わした単位における距離の数値をそのLEDの単位時間当たりの点滅の回数で表わすことを特徴とする付記6記載のナビゲートシステム。
【0103】
(付記8)
前記ナビゲート情報生成手段によるナビゲート情報の生成が不能とされたとき前記LED駆動手段で駆動する前記所定数のLEDのうちの少なくとも1個をナビゲート不能を示す固有の発光する色の種類で駆動することを特徴とする付記6記載のナビゲートシステム。
【0104】
(付記9)
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得ステップと、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得ステップと、
この現地点情報取得ステップで現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得ステップで取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の前記予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成ステップと、
このナビゲート情報生成ステップで生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付けステップと、
この対応付けステップによる対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動ステップ
とを具備することを特徴とするナビゲート方法。
【0105】
(付記10)
前記ナビゲート情報生成ステップでナビゲート情報が生成不能とされたとき前記LED駆動ステップで駆動する前記所定数のLEDのうちの少なくとも1個をナビゲート不能を示す固有の発光する色の種類で駆動することを特徴とする付記9記載のナビゲート方法。
【0106】
(付記11)
コンピュータに、
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得処理と、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得処理と、
この現地点情報取得処理で現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得処理で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の前記予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成処理と、
このナビゲート情報生成処理で生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け処理と、
この対応付け処理による対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動処理
とを実行させることを特徴とするナビゲートプログラム。
【0107】
(付記12)
前記ナビゲート情報生成処理でナビゲート情報が生成不能とされたとき前記LED駆動処理で駆動する前記所定数のLEDのうちの少なくとも1個をナビゲート不能を示す固有の発光する色の種類で駆動する処理を実行することを特徴とする付記11記載のナビゲートプログラム。
【符号の説明】
【0108】
10 情報処理端末
11 現在位置判別手段
12、23 ナビゲート情報生成手段
13、24 所定数のLED
14、25 対応付け手段
15、26 LED駆動手段
20 ナビゲートシステム
21 ルート情報取得手段
22 現地点情報取得手段
30 ナビゲート方法
31 ルート情報取得ステップ
32 現地点情報取得ステップ
33 ナビゲート情報生成ステップ
34 対応付けステップ
35 LED駆動ステップ
40 ナビゲートプログラム
41 ルート情報取得処理
42 現地点情報取得処理
43 ナビゲート情報生成処理
44 対応付け処理
45 LED駆動処理
100、100A 携帯電話機
104 ディスプレイ
111 ナビゲート用LED
120 CPU
121 メモリ
122 主制御部
125 GPS受信部
126 マップ格納部
127 ナビゲート用LED駆動部
128、128A ナビゲート用制御部
129 ナビゲート用情報記憶部
141 進行方向制御部
142、142A LED発光制御部
151 位置情報格納部
152 進行方向情報格納部
154 目標到着情報格納部
153 修正方向角度格納部
171 出発地点
174 目的地点
191 所定地点
192 遭難地点
301 距離表示用LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の位置を判別する現在位置判別手段と、
この現在位置判別手段で判別した現在位置から所定の目的地へ自装置をナビゲートするナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、
複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、
前記ナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、
この対応付け手段の対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動するLED駆動手段
とを具備することを特徴とする情報処理端末。
【請求項2】
前記ナビゲート情報生成手段の生成したナビゲート情報あるいはその他の情報を視覚的に表示するディスプレイと、
このディスプレイを駆動するためのディスプレイ用電源と、
前記LED駆動手段が前記所定数のLEDの駆動を行う状態で前記ディスプレイ用電源をオフにするディスプレイ用電源遮断手段
とを具備することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記所定数のLEDは1個のLEDであり、前記ナビゲート情報生成手段により生成されるナビゲート情報は、前記所定の目的地への進路方向を示す方向情報であり、その進路方向への現在の進行方向からの転回方向を前記LEDの発光する色の種類で表わし、転回量を前記LEDの点滅周期で表わすことを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記所定数のLEDは2個のLEDであり、そのうちの1個は前記所定の目的地までの距離を表わす単位をその1個のLEDの発光する色の種類で表わし、表わした単位における距離の数値をその1個のLEDの単位時間当たりの点滅の回数で表わすことを特徴とする請求項3記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記現在位置判別手段は、GPS(Global Positioning System)により現在位置を算出することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項6】
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得手段と、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得手段と、
この現地点情報取得手段で現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得手段で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の所望の地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成手段と、
複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)と、
前記ナビゲート情報生成手段で生成したナビゲート情報を、前記所定数のLEDそれぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け手段と、
この対応付け手段の対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記所望の地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動手段
とを具備することを特徴とするナビゲートシステム。
【請求項7】
前記所定数のLEDは2個のLEDであり、そのうちの1個はルート上の前記所望の地点までの進路方向に対する現在の進行方向からの転回方向を前記LEDの発光する色の種類で表わし、転回量を前記LEDの点滅周期で表わし、残りの1個は前記所望の地点までの距離を表わす際の単位をLEDの発光する色の種類で表わし、表わした単位における距離の数値をそのLEDの単位時間当たりの点滅の回数で表わすことを特徴とする請求項6記載のナビゲートシステム。
【請求項8】
前記ナビゲート情報生成手段によるナビゲート情報の生成が不能とされたとき前記LED駆動手段で駆動する前記所定数のLEDのうちの少なくとも1個をナビゲート不能を示す固有の発光する色の種類で駆動することを特徴とする請求項6記載のナビゲートシステム。
【請求項9】
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得ステップと、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得ステップと、
この現地点情報取得ステップで現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得ステップで取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の前記予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成ステップと、
このナビゲート情報生成ステップで生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付けステップと、
この対応付けステップによる対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動ステップ
とを具備することを特徴とするナビゲート方法。
【請求項10】
コンピュータに、
出発点から所定の目的地にまで至るルート上の予め定めた地点の緯度および経度を表わしたルート情報を取得するルート情報取得処理と、
現在の地点の緯度および経度を表わした現地点情報を取得する現地点情報取得処理と、
この現地点情報取得処理で現地点情報を取得するたびに前記ルート情報取得処理で取得したルート情報と照合してルートを進行する際の進路方向および前記ルート上の前記予め定めた地点までの距離を示すナビゲート情報を生成するナビゲート情報生成処理と、
このナビゲート情報生成処理で生成したナビゲート情報を、複数の色を選択的に発光できる所定数のLED(Light Emitting Diode)それぞれの発光する色の種類と発光の強さの時間的な変化の組み合わせからなる発光パターンと対応付ける対応付け処理と、
この対応付け処理による対応付けに従って前記所定数のLEDを駆動することで前記ルートに沿った前記予め定めた地点までの進路方向および距離をナビゲートするLED駆動処理
とを実行させることを特徴とするナビゲートプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−78193(P2012−78193A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223394(P2010−223394)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】