説明

情報処理装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】 より使い勝手のよい無線通信技術を提供すること。
【解決手段】 情報処理装置を識別する情報としての第1識別情報を取得し(S1101)、無線通信可能な他の情報処理装置を探索する(S1103)。また、探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報を取得し、第1識別情報と第2識別情報とを比較する(S1104)。更にこの情報処理装置は、第1識別情報と前記第2識別情報とが同じ場合に、前記第1識別情報を変更する変更手段と、変更した前記第1識別情報を報知する報知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信可能な情報処理装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信可能な情報処理装置の発展は目覚しく、例えば、電話機能以外にも様々な機能を有する携帯電話が登場している。メール送受信機能、Webブラウズ機能、PDF文書や、Word(登録商標)文書やPower Point(登録商標)文書など、様々なフォーマットの文書を表示する機能などを搭載したものがある。
【0003】
情報処理装置が多機能化するに伴って、例えば、携帯電話に格納された様々なフォーマットの文書を印刷したいと言う要望が増加し、携帯電話から直接印刷する技術が種々提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
一方、無線通信技術として、無指向性の通信、例えば、Bluetooth通信を利用する場合、携帯電話から目的の印刷装置に向けてデータを送信しても、別の印刷装置にデータが送信されてしまう可能性がある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−175432号公報
【特許文献2】特開2002−169665号公報
【特許文献3】特開2003−241911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般にBluetooth通信等の無指向性無線通信を行なう場合、データを送る側でBluetoothデバイスの探索を行い、リスト表示されたデバイス名一覧の中から目的のデバイスを選択し、接続を確定してから、データ転送を行う。この時リスト表示されるのは、各デバイスで任意に設定するデバイス名であり、デフォルトでは製品名であることが多い。すなわち、同じ製品が複数圏内に存在する場合は、リスト表示に同じ製品名が並ぶことになる。
【0007】
又は、一度、探索などを行うなどを、目的のデバイスを特定してから登録しておき、次回からは登録されたデバイスを使うことがある。この場合、登録されていないデバイスを接続するためには、何らかの手段が必要であり、特に携帯電話からの印刷と言う、不特定なデバイスで印刷するであろうと言う使い方にはあっていない。
【0008】
本発明はこの点を鑑みてなされたもので、より使い勝手のよい無線通信技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
情報処理装置であって、
前記情報処理装置を識別する情報としての第1識別情報を取得する第1取得手段と、
無線通信可能な他の情報処理装置を探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報を取得する第2取得手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較する比較手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同じ場合に、前記第1識別情報を変更する変更手段と、
変更した前記第1識別情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
他の情報処理装置と無線通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置を識別する情報としての第1識別情報を取得する第1取得工程と、
無線通信可能な他の情報処理装置を探索する探索工程と、
前記探索工程によって探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報を取得する第2取得工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較する比較工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同じ場合に、前記第1識別情報を変更する変更工程と、
変更した前記第1識別情報を報知する報知工程と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、上述の制御方法を、前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、より使い勝手のよい無線通信技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る印刷装置の第1実施形態としての複合機の概略構成を示すブロック図である。この複合機は、中央処理装置CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、ハードディスク103と、RAM(Random Access Memory)104とを備える。そして、ROM102は、システムバス118に接続される装置各部の駆動条件や管理データ等の各種情報を記憶する。RAM104は、動作する上で必要なデータを記憶する。CPU101は、記憶された制御プログラムにしたがって、各種処理を実行する。
【0015】
この複合機は、更に、表示部106、操作部107、通信制御部108、印刷制御部110、画像メモリ113、画像処理部114、認証処理部115、I/O制御部116等を含む。
【0016】
表示部106は、駆動条件、装置状態、あるいは入力情報などの各種情報を表示する。操作部107はユーザによる設定や命令等の入力操作を行うためのテンキーやスタートキー等のキー、又は一部表示部106内にあるタッチパネル等である。通信制御部108は無線や有線のネットワークを経由して、イントラネット又はインターネットに接続して、画像データを含む文書データや制御コマンドの送受信を実行する。また、通信制御部108は図示しない無線通信制御部を持ち、携帯端末と無線通信可能に構成されている。通信方法としてはWi−Fi(Wireless Fidelity)やbuluetooth等を含む。
【0017】
網制御装置109は、PSTN(Public Switched Telephone Network)に接続し発着信の際に所定の回線制御を実行して回線接続あるいはその切断を行う。そして画像データや制御信号を、内蔵するモデム装置により変復調し網制御装置109を介してファクシミリ送受信を実行する。読み取り装置111は、送信、複写又は保存する原稿に照射した光の画像に応じた反射光を光電変換して画像データを読み取り、印刷制御部110を介して画像データを送信、複写、又は保存する。
【0018】
記録装置112は、読み取り装置又はクライアントコンピュータなどの情報発生源より受信した画像データ、若しくは画像データを、印刷制御部を介して受け取り永久可視像として記録紙に形成し記録紙を排出する。画像メモリ113は、読み取り又は受信した画像データ、若しくは画像データを一時的に蓄積する。機器や状態によってはハードディスク103やRAM104内にあってもよい。
【0019】
画像処理部114は、送信する画像データをデータ圧縮して符号化する。また、受信した画像データを伸張して複合化したり、受信した画像データを画像データに変換したりする。また、保存する画像データを適切な又はユーザから指定されたフォーマット(例えばPDFフォーマット等)にフォーマット変換する。また、読み取り装置111の光学応答特性やセンダのばらつき等に応じた画像補正処理を行う。また、ユーザが操作部107から入力操作する画像の変倍処理等の画像加工処理を行う。また、記録装置112の書き込み特性等に適した画像データにする画像最適化処理などを要求に応じて行う。
【0020】
認証処理部115はユーザやワークグループの認証に加えて、印刷ジョブ認証を行ったりする。カードリーダ117は、NFCなどの短距離無線通信技術を用いて、非接触型ICカードとの間でコマンドやデータを授受するためのものであり、I/O制御部116を介してユーザ情報などのデータを送信、あるいは通知する。カードリーダ117は図示しない、対応のカードをかざす部分(アンテナ)を備えている。
【0021】
システムバス118は、CPU101、ROM102、ハードディスク103、RAM104、表示部106、操作部107、通信制御部108、印刷制御部110、画像メモリ113、画像処理部114、認証処理部115及びI/O制御部116を接続している。
【0022】
したがって、本複合機は、読み取り画像データを伝送するファクシミリ通信や、文書管理サーバコンピュータにデータ転送する転送機能と、読み取り画像データを記録出力する複写機能とを備える。更に、受信画像データをファクシミリ受信する受信印刷機能と、クライアントコンピュータからの印刷データを受信して印刷する印刷機能を備え、複写機としてだけではなく、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置としても利用可能である。
【0023】
なお、記録装置112は、電子写真記録方式以外にも、例えばインクジェット方式、サーマルヘッド方式、ドットインパクト方式など、その他何であってもよい。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態に関る携帯端末である近距離無線機能を実装した携帯電話の概略構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では以下の構成を例に記載するが、本発明は情報通信を行うことが可能な機器に関して様々な形態で適用可能なものであり、特にこの実施形態に限定されるものではない。
【0025】
携帯電話は、制御部205を中心とし、これに対してデジタル信号処理部203、表示部206、操作部207、外部I/F208、近距離無線部210が接続されて構成される。
【0026】
制御部205は、携帯電話機の機能を実現するための主要部であり、図示しないCPU,EEPROM,Flash、SRAM等で構成される。さらに本実施の形態では、近距離無線通信部210との間でコマンドやデータの授受を行うための近距離無線モジュール215を含む。
【0027】
デジタル信号処理部203は、マイク213を接続した音声入力部201、スピーカ214を接続した音声出力部202、アンテナ212を接続したRF入出力部204と接続され、デジタル音声信号のエンコード、及びデジタル音声信号へのデコード等を行う。
【0028】
音声入力部201は、マイク213からのアナログ音声信号をデジタル信号に変換する。音声出力部202は、受信したデジタル音声信号をスピーカ駆動するための部位である。RF入出力部204は、高周波送受信を行う。
【0029】
表示部206は、ユーザに対して情報の表示出力を行い、LCDドライバ、LCD表示デバイス等で構成される。操作部207は、ユーザが携帯電話200に対して操作情報を入力するための部位である。外部I/F208は、外部装置との間のインターフェースを提供し、16ピンコネクタ等で構成される。
【0030】
電源部209は、バッテリ電源を基に各ブロックに必要な電力を発生、供給を行う。
【0031】
近距離無線通信部210は、制御部205の近距離無線モジュール215と接続され、アンテナ211を介して外部端末との間でデータ等の授受を行う。
【0032】
近距離無線モジュール215は、制御部205の一部として組み込まれたものであり、近距離無線としてBluetooth通信の場合、コマンドのやり取りを行うことにより、通信機能の制御を行う。
【0033】
図3は、本発明の第1実施形態を示す画像形成システムの構成を説明する図である。図3において、一般ユーザが使用する携帯端末の例として、携帯電話200とPDA300を示している。
【0034】
100は複合機であり、携帯電話200とPDA300とは無線通信媒体400を介して接続される。無線通信媒体400は、Wi−Fiやbluetoothなどの無線通信を含む。
【0035】
もちろん、これらの構成は一般的な構成を概念図にしただけで、一般ユーザが使用する携帯端末は、その他の携帯情報機器であってもよいことは言うまでもない。また、複合機である必要はなく、プリンタ、FAXなどといった単体デバイスが、携帯端末と無線通信媒体400を介して接続されていてもよいことは言うまでもない。
【0036】
図4は、図1に示した複合機の表示部106に表示される画面例を示す図である。この画面で通信開始ボタンを押すことにより、複合機がBluetooth通信可能な状態になる。
【0037】
図5は、表示部106に表示される画面例を示す図であり、複合機がBluetooth通信を開始中である画面例である。本画面により、容易に複合機のBluetooth名が解ることになる。
【0038】
図6は、表示部106に表示される画面の例を示す図であり、複合機がBluetooth通信で受信したデータの印刷設定を行うための画面例である。本画面より、携帯電話から印刷設定付きでデータが送れない場合、部数指定や用紙選択等の通常の印刷設定を行うことが可能になる。加えて、印刷対象が、携帯電話で受信した電子メールの場合、本文のみの印刷か、添付ファイルのみの印刷か、本文と添付ファイルの両者の印刷が選択可能になる。
【0039】
図7は、図2に示した携帯端末の表示部206に表示される画面の例を示す図であり、携帯電話内に保存された文書を、Bluetooth通信を使って複合機に送る場合の画面例である。本画面の場合、メニューより「Send Memo」を選択することによりデータを送信可能である。
【0040】
図8は、図2に示した表示部206に表示される画面の例を示す図であり、携帯電話内に保存された文書を、Bluetooth通信を使って複合機に送る場合の画面例である。本画面の場合、通信手段が種々選択可能で、メニューより「Bluetooth」を選択することにより、Bluetoothを使用した文書送信を行うことになる。
【0041】
図9は、図2に示した表示部206に表示される画面の例を示す図であり、携帯電話内に保存された文書を、Bluetooth通信を使って複合機に送る場合の画面例である。本画面の場合、Bluetoothデバイスが種々見つかった画面になり、目的のBluetoothデバイスを選択することにより、目的の複合機から印刷が実行されることになる。
【0042】
図10は本実施形態に係る複合機と携帯端末との間におけるデータ処理手順の一連の流れの一例を示すフローチャートである。
【0043】
携帯電話に保存された印刷データを複合機で印刷するユーザは、携帯電話を持って複合機の前に赴き、複合機の表示部に図4に示す画面を表示させる操作を行なう。複合機のCPU101は、表示部102に表示された図4の画面において、通信開始ボタンが押されたことを検知する。すると、ステップS1001において、複合機は、通信制御部108の制御によってBluetooth通信を開始する。
【0044】
複合機でBluetooth通信が開始されると、ステップS1002で、複合機は、表示部106に図5に示す画面を表示する。これによって複合機のBluetooth名をユーザに報知する。
【0045】
次に、ユーザの操作に応じて、携帯電話は、携帯電話に保存された印刷データを特定するべく、ステップS1003において、アプリケーションを起動する。なお、印刷データ専用のアプリケーションを起動せずに、携帯電話のメニューから一覧を表示して特定できる仕組みを持つ携帯電話の場合には、アプリケーションを起動する必要が無い。
【0046】
次に、ステップS1004において、携帯電話は、表示部206に、図7、及び図8で示したような画面を表示する。その後、ユーザの操作に応じて、Bluetooth通信の対象となる文書を特定し、近距離無線通信部210は、Bluetooth通信を開始する。
【0047】
携帯電話は、通信可能な距離にあるBluetoothデバイスの探索を行う(S1005)。そして、探索されたBluetoothデバイスのうちのどのBluetoothデバイスと接続するかを決定するために、表示部206に図9のようなデバイス名の一覧を表示し、ユーザに選択を促す。本実施例では、複合機が表示しているBluetoothデバイス名は、他のBluetoothデバイス名とは重ならないように生成される。そのため、デバイス一覧には、ユーザが通信開始ボタンを押した複合機のBluetooth名と同じBluetooth名が複数表示されることは無い。
【0048】
ユーザは、複合機の表示部103に表示された画面(図5)を参照して、複合機のBluetoothデバイス名を確認し、携帯電話の表示部206に表示されたリストの中から同じものを選択する。これにより、携帯電話において目的の複合機が特定される。携帯電話は、このようなユーザの操作に応じて、デバイス一覧から1つのBluetoothデバイスを特定し、接続する(S1006)。
【0049】
次に、ステップS1007において、携帯電話は、近距離無線通信部210から複合機へデータを送信する。ステップS1008において、複合機は、データを受信すると、表示部102に図6に示す画面を表示し、必要に応じて印刷設定を行い、印刷を開始する。そして、ステップS1009で印刷を終了する。
【0050】
次に、図10のステップS1002で行なった、Bluetoothデバイス名の表示方法について、更に詳しく説明する。図11はBluetoothデバイス名の表示処理を示すフローチャートであり、複合機のCPU101が、ROM等のメモリに記録されたプログラムを処理することによって実行される。このフローは、ユーザによって複合機の画面上に表示された通信開始ボタンが押されたことによって開始される。
【0051】
まず、複合機では、ステップS1101において、CPU101は、第1取得手段として機能し、初期設定されたBluetoothデバイス名をROM102から取得する。そして、ステップS1102において、通信制御部108は、このBluetoothデバイス名を用いてBluetooth通信を開始する。
【0052】
ステップS1103へ進み、CPU101は、Bluetoothデバイスの探索を行う。ステップS1104で、CPU101は無線通信可能な他の情報処理装置を探索する探索手段として機能し、初期設定されたBluetoothデバイス名(ステップS1101で取得したデバイス名)と同じものが、探索されたデバイス名の中にあるか判断する。ステップS1104では、CPU101が第2取得手段として機能することにより、探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報(Bluetoothデバイス名)を取得する。そして、CPU101は、比較手段として機能し、探索を行なう情報処理装置の第1識別情報(Bluetoothデバイス名)と第2識別情報とを比較する。比較の結果、第1識別情報と同じ第2識別情報が見つからなかった場合は、初期設定されたBluetoothデバイス名がネットワークで唯一のBluetoothデバイス名であると言える。なお、ここでのネットワークで唯一とは、全ネットワークにおいて唯一という意味ではなく、複合機がBluetooth通信可能な範囲におけるネットワークで唯一という意味であることは言うまでもない。この場合にはステップS1105へ進み、現在のBluetoothデバイス名で接続を続け、現在のBluetoothデバイス名(ステップS1101で取得したデバイス名)をユーザに通知する。この通知は、図5の画面を表示部106に表示することによって行われる。
【0053】
ステップS1104における判断の結果、初期設定されたBluetoothデバイス名と同じBluetoothデバイス名が見つかった場合は、ステップS1106へ進み、通信制御部108は、一旦Bluetooth通信を終了する。そしてステップS1107へ進み、CPU101は、初期設定されたBluetoothデバイス名とは異なるBluetooth名を生成する。
【0054】
次に、ステップS1108において、通信制御部108は、ステップS1107で生成されたBluetoothデバイス名で再度Bluetooth通信を開始し、ステップS1103に戻る。多くの場合、この時点でネットワーク唯一のBluetoothデバイス名になっていると考えられる。しかし、探索した後に別のデバイスによってBluetooth通信が開始される可能性があるので、ネットワーク唯一のデバイス名が生成されるまで、本ループは繰り返される。探索した後に別のデバイスによってBluetooth通信が開始される場合、その別のデバイスが新たに探索によって見つかる場合がある(Bluetooth通信を開始しているデバイスのみ)。その別のデバイスのデバイス名が、変更後のデバイス名と重なる可能性があるため、再度、検索を行なう。
【0055】
ステップS1107において、ネットワーク唯一のBluetoothデバイス名を生成する手段は、種々考えられる。例えば、名前の候補を予め設定する方法が考えられる。また、初期設定されたBluetoothデバイス名の先頭に一文字追加する場合が考えられる。特に一文字追加する文字として、携帯電話のリスト表示上で、ソートした時に先頭に並ぶようにするため、ASCIIコード順で、スペースの次である文字である「!」をつけると有効である(図5、図9)。
【0056】
以上により、複合機がBluetooth接続された時、ネットワークで唯一のBluetoothデバイス名で接続され、かつ、複合機の画面で表示されていることにより、容易に目的の複合機が識別可能となる。すなわち、携帯電話に特別な仕組みを入れることなく、容易に目的の複合機とBluetooth通信可能となる。
【0057】
(第2実施形態)
第1実施形態では、複合機の前で携帯電話を操作することを想定しており、複合機が探索可能な範囲と、携帯電話が探索する範囲がほぼ同じであることを前提にしていた。
【0058】
しかしながら、複合機の画面でBluetooth名を確認した後、携帯電話を持ち、複合機から離れながら操作する場合も考えられる。この場合、複合機の探索範囲と、携帯電話の探索範囲が大きく異なる。すなわち、複合機で見つけられないデバイスが、携帯電話から見つけられることになり、複合機で生成したBluetoothデバイス名が、ネットワーク唯一で無くなる可能性がある。
【0059】
例えば、図12では、複合機1は、複合機2と複合機3と携帯電話を見つけることができる。しかし、携帯電話は、複合機1と複合機2と複合機4を見つけることができる。すなわち、複合機1は、複合機4と同じBluetoothデバイス名を付ける可能性があり、携帯電話からは、同じ名前のデバイスが見つかり、どちらを選べば良いか解らない場合が考えられる。
【0060】
そこで、本発明の第2実施形態としての複合機では、このような場合であっても、携帯電話が複合機を区別して表示できるようにする。
【0061】
図13は本発明の第2実施形態に係る複合機における、ネットワークで唯一のBluetoothデバイス名の生成手順の一連の流れの一例を示すフローチャートであり、S1301〜S1308は各ステップを示す。図13の各ステップは、図11と同様に、複合機のCPU101が、ROM等のメモリに記録されたプログラムを処理することによって実行される。
【0062】
ユーザによりBluetooth接続開始要求があった場合、ステップS1301において、CPU101は、最後に保存されたBluetoothデバイス名を取得する。最後に保存されたBluetoothデバイス名とは、例えば、前回の通信で使用されたBluetoothデバイス名が考えられる。
【0063】
次にステップS1302に進み、通信制御部108は、ステップS1301で取得したBluetoothデバイス名でBluetooth通信を開始する。一方、携帯電話では、通信可能な距離にあるBluetoothデバイスの探索を行う。そして、探索されたBluetoothデバイスのBluetoothデバイス名の一覧を保持し、その一覧をBluetoothデバイスに送信する。
【0064】
図13のステップS1303では、複合機の通信制御部108は、携帯電話から送信されたBluetoothデバイス名の一覧を受信する。そしてステップS1304において、CPU101は、ステップS1301で取得したBluetoothデバイス名と同じBluetoothデバイス名が、ステップS1303で受信した一覧の中に複数あるか判断する。つまり、自装置以外に、自装置と同じBluetoothデバイス名が設定された複合機が存在するかどうかを判断する。見つからなかった場合は、ステップS1305へ進み、現在設定されているBluetoothデバイス名をユーザに通知する。ステップS1304において、同じBluetoothデバイス名が複数見つかった場合、ステップS1306へ進む。ここで一旦Bluetooth通信を終了し、ステップS1307へ進む。
【0065】
ステップS1307において、ステップS1302で接続したBluetoothデバイス名とは異なるBluetoothデバイス名を生成し、ステップS1308へ進む。ステップS1308で、生成したBluetoothデバイス名を、最後に保存されたBluetooth名に上書き保存して更新する。そしてステップS1301へ戻る。
【0066】
これにより、ユーザが携帯電話からBluetoothデバイス探索を行った時に同じ名前のBluetoothデバイスが見つかった場合でも異なるBluetoothデバイス名が設定されることになる。すなわち、図12において、複合機1と複合機4を別のBluetoothデバイス名にすることができる。
【0067】
なお、ステップS1307において、異なるBluetoothデバイス名を生成する手段として、前回のBluetoothデバイス名の先頭に、識別容易な文字情報である「!」を付加して設定する。この場合、Bluetoothデバイス名を変更した回数だけ「!」が並ぶことになる。
【0068】
その対策として、ユーザによる再探索のための通信終了と、データ転送後の通信終了を判別し、データ転送後の通信終了後は、最後に保存されたBluetoothデバイス名を、初期設定値に戻しても良い。
【0069】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。また、上記実施形態では、携帯電話と複合機間の通信に特化して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複合機同士の通信や、携帯電話同士の通信や、携帯電話とカーナビゲーションシステムとの間の通信などにも応用できる。また、パソコンなどの情報端末と複合機間の通信において用いられてもよい。即ち、複数の同種の情報処理装置が無線通信の接続先の候補として探索されるような如何なる状況においても本発明は有効であり、通信対象となる情報処理装置の識別を容易にするという効果を奏する。
【0070】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0072】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0073】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、若しくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。 また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0074】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0075】
さらに、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行なう場合も、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】一般的な複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】一般的な近距離無線通信機能を実装した携帯電話の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す画像形成システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す複合機の表示部に表示される画面の例で、通信開始前画面を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す複合機の表示部に表示される画面の例で、通信中画面を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す複合機の表示部に表示される画面の例で、印刷設定画面を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す携帯電話の表示部に表示される画面の例で、無線通信を開始する画面を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す携帯電話の表示部に表示される画面の例で、無線通信の種類を選択する画面を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態を示す携帯電話の表示部に表示される画面の例で、Bluetoothデバイスの探索結果の画面を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態、及び第2実施形態に係る画像形成システムにおける処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係る複合機におけるBluetoothデバイス名を生成する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る画像形成システムにおける探索範囲に関する概念の一例を説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る複合機におけるBluetoothデバイス名を生成する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
100 複合機
105 制御部
107 操作部
118 通信制御部
200 携帯電話
206 表示部
210 近距離無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置を識別する情報としての第1識別情報を取得する第1取得手段と、
無線通信可能な他の情報処理装置を探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報を取得する第2取得手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較する比較手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同じ場合に、前記第1識別情報を変更する変更手段と、
変更した前記第1識別情報を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記第1識別情報に特定の情報を付加することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の情報は、前記第1識別情報が前記第2識別情報と並べて表示される場合に識別容易な文字情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変更手段で前記第1識別情報を変更後に、前記探索手段による探索、前記第2取得手段による第2識別情報の取得、及び、前記比較手段による比較、前記変更手段による変更を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変更手段で変更した前記第1識別情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記変更手段で前記第1識別情報が変更されるたびに、前記記憶手段に記憶された前記第1識別情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
他の情報処理装置からの要求に応じて、前記第1識別情報を送信する送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記無線通信手段がBluetooth通信であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
他の情報処理装置と無線通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置を識別する情報としての第1識別情報を取得する第1取得工程と、
無線通信可能な他の情報処理装置を探索する探索工程と、
前記探索工程によって探索された他の情報処理装置を識別する情報としての第2識別情報を取得する第2取得工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較する比較工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同じ場合に、前記第1識別情報を変更する変更工程と、
変更した前記第1識別情報を報知する報知工程と、
を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法を、前記情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−194874(P2009−194874A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36581(P2008−36581)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】