情報処理装置
【課題】 HWボタンとタッチパネルなどの静電パッドとをユーザの操作状況に応じて適切に切り替えることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 この携帯電話機100は、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、静電パッド入力受付部102から入力を受け付けるか、HWボタン入力受付部101から入力を受け付けるかをCPU109による判断のもと入力デバイス制御部103が切り替えることができる。
【解決手段】 この携帯電話機100は、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、静電パッド入力受付部102から入力を受け付けるか、HWボタン入力受付部101から入力を受け付けるかをCPU109による判断のもと入力デバイス制御部103が切り替えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを操作する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機において、静電パッド、タッチパネルを利用したユーザインターフェースを搭載した製品が増えてきている。例えば、特開2006−42123号(特許文献1)には、タッチパネルを備えた携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2006−42123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、タッチパネルは、キートップなどを備えて押下することにより電気的接触により指示を行うことができるハードウエア(HW:Hard Ware)ボタンと比較し、その操作性が難しい場合がある。例えば、タッチパネルにおいて同じ箇所(ハードウエアボタンにおけるキートップに相当)を複数回押下することにより文字入力を行う場合、ユーザによっては同じボタンを短い間隔で連続して押したり、指を離さないで押したりするなど、いろいろな入力方法がありえる。この場合、タッチパネルはユーザにより押下された回数を正確に認識することができず、ユーザが意図した文字と異なる文字が入力されるという問題がある。
【0004】
そこで、上述の課題を解決するために、HWボタンとタッチパネルなどの静電パッドとをユーザの操作状況に応じて適切に切り替えることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザからの入力を受け付ける静電パッドと、前記静電パッドの下方に重ねて配置されるとともに、ユーザからの入力を受け付けるハードウエアボタンと、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断する判断手段と、前記判断手段により判断されたアプリケーションに応じて、前記静電パッドから入力を受け付けるか、前記ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替える切替手段と、を備えている。
【0006】
この発明によれば、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、静電パッドから入力を受け付けるか、ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替えることができる。よって、ハードウエアボタンと静電パッドとが重ねて配置されている装置において、ユーザが手動でハードウエアボタンか、静電パッドを操作するかを切り替えることなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、前記静電パッドにより受け付けられた入力によってポインタを操作可能にした操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段により表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、前記静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出する検出手段と、を備え、前記切替手段は、前記検出手段により所定のオブジェクトが検出された場合には、前記静電パッドからの入力を受け付けないオフ状態にするとともに、前記ハードウエアボタンからの入力を受け付けるオン状態に切り替えることが好ましい。
【0008】
この発明によれば、表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出し、所定のオブジェクトが検出された場合には、静電パッドをオフ状態にするとともに、ハードウエアボタンをオン状態に切り替えることができる。これにより、オブジェクトに応じて静電パッドからハードウエアボタンにその入力を切り替えることができ、使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置において前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、静電パッドおよびハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することで、ユーザは静電パッドまたはハードウエアボタンのいずれを使用すればよいか容易に把握することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置において、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンは、透明な部材から構成されており、前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンの下方に重ねて配置されることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、透明な部材から構成されている静電パッドおよびハードウエアボタンの下方に表示手段を重ねて配置することで、その装置構成を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが手動でハードウエアボタンか、静電パッドを操作するかを切り替えることなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態の情報処理装置である携帯電話機100の概略構成図を示す斜視図である。図1に示されているように、携帯電話機100は、静電パッド入力受付部102と画面表示部104とを備えている。この静電パッド入力受付部102には、その下方にHWボタン入力受付部101が配置されている。この静電パッド入力受付部102は、弾力性のある透明な部材で形成されており、ユーザは静電パッド入力受付部102に対して入力操作を行ったり、また、弾力性のある静電パッド入力受付部102を介在して、その下方に配置されているHWボタン入力受付部101に対して入力操作を行ったりすることができる。
【0016】
つぎに、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成について図2を用いて説明する。図2は、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成を示す概略図である。図2に示すように、静電パッド入力受付部102の上方に弾力性のある部材から形成されている透明な保護シート102aが配置されている。また、静電パッド入力受付部102の下方には、HWボタン入力受付部101が配置されている。
【0017】
保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102は、透明な部材から構成されているため、ユーザはその下方に配置されているHWボタン入力受付部101の各キートップに印刷されている文字(数字)を視認することができる。そして、上述したとおり、静電パッド入力受付部102および保護シート102aは、弾力性のある部材から構成されており、ユーザが保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102の一点を押下した場合、その押下した力は、その下方に配置されているHWボタン入力受付部101に伝達される。そして、HWボタン入力受付部101は、静電パッド入力受付部102を介して入力を受け付けることができる。
【0018】
その具体例について図3を用いて説明する。図3は、図2における概略構成図におけるIII−III矢印の断面図である。図3(a)に示すとおり、上から順に保護シート102a、静電パッド入力受付部102、HWボタン入力受付部101が配置されている。ユーザにより押下処理が行われると、図3(b)に示すとおり、保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102の弾力性を利用して、ユーザはその指により最下層に配置されているHWボタン入力受付部101の一ボタンを押下することができる。
【0019】
つぎに、このように構成された携帯電話機100の機能について説明する。図4は、本実施形態の携帯電話機100の構成を示すブロック図である。図4に示すとおり、携帯電話機100は、HWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102、入力デバイス制御部103、画面表示部104、画面表示制御部105、オブジェクト検出部106、メモリ107、データテーブル108、およびCPU109を含んで構成されている。以下、各構成について説明する。
【0020】
HW(hardware)ボタン入力受付部101は、ハードウエアから構成されている操作ボタンである。例えば、このHWボタン入力受付部101は、キートップ、その下方に配置されているドームスイッチから構成されており、ユーザによりキートップが押下されるとドームスイッチ内に形成されている稼動接点と固定接点とが接触することにより、通電可能に構成されているものである。
【0021】
静電パッド入力受付部102は、パッドに触れられたユーザの指の位置等をX座標、Y座標を用いて特定して、検出する入力部材である。この静電パッド入力受付部102は、触れられた位置を検出することができるとともに、ユーザがパッド上をなぞる様に触れた場合には、そのなぞられた軌跡を検出することができる。なお、この静電パッド入力受付部102は、保護シート102aを介した状態でもユーザの指の位置を検出することができる。
【0022】
入力デバイス制御部103は、HWボタン入力受付部101または静電パッド入力受付部102において受け付けられた入力指示をCPU109に出力する部分である。すなわち、CPU109は、データテーブル108に記述されている設定情報にしたがって、いずれの入力受付をオン状態とさせるかを判断する。そして、そのCPU109による判断結果が、入力デバイス制御部103に入力され、この入力デバイス制御部103にいずれの入力受付部をオン状態にさせるかが設定される。入力デバイス制御部103は、その設定状態に基づいて切替処理を行う。
【0023】
画面表示部104は、ユーザに対して情報を表示する部分であり、例えば、ディスプレイ、LEDから構成されている。
【0024】
オブジェクト検出部106は、起動されているアプリケーションの制御により表示処理されている画面内に形成されている、所定のオブジェクトを検出する部分である。このオブジェクト検出部106は、例えば静電パッド入力受付部102により操作されているポインタが、文字入力部分を示すオブジェクトを示している場合、文字入力部分であることを検出する部分である。
【0025】
メモリ107は、アプリケーションプログラムを記憶する領域を有する部分である。
【0026】
データテーブル108は、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との切替条件を記憶する部分であり、例えば、現に起動しているアプリケーション名と静電パッド入力受付部102のオンオフ状態を示す設定情報とを対応付けて記憶する部分である。その具体例を図を用いて説明する。図5は、本実施形態のデータテーブル108の説明図である。図5に示されているように、データテーブル108には起動しているアプリケーション名と静電パッド入力受付部102のオンオフを示す設定情報とが対応付けて記憶されている。図5の例では、フルブラウザが起動している場合には、静電パッド入力受付部102の入力を受け付けることができるように、オン状態とするように設定され、メモ帳アプリケーションなど文字入力が主体となっているアプリケーションが起動している場合には、静電パッド入力受付部102の入力を受け付けることができるように、オフ状態とするよう設定されている。
【0027】
CPU109は、これらHWボタン入力受付部101〜データテーブル108を総括的に制御する部分である。
【0028】
つぎに、このように構成された携帯電話機100の動作について説明する。図6は、携帯電話機100の動作を示すフローチャートである。まず、ユーザ操作によりアプリケーションがメモリ107から読み出され、起動する(S101)。なお、アプリケーション起動前では初期設定として、静電パッド入力受付部102がオフ、HWボタン入力受付部101がオンとなる(優先される)ように設定されていることが好ましい。
【0029】
アプリケーションが起動されると、CPU109によりデータテーブル108が参照され、アプリケーションが静電パッド入力受付部102の入力を求めているか否か、すなわち、当該アプリケーションに対して、静電パッド入力受付部102をオンとする設定がなされているか否かが判断される(S102)。ここで設定がなされており、CPU109により、アプリケーションが静電パッド入力受付部102の入力を求めていると判断された場合には、静電パッド入力受付部102に対する入力をオンとする制御が、入力デバイス制御部103に行われる(S105)。そして、静電パッド入力受付部102がオンとなっている旨が画面表示部104に表示される(S106)。
【0030】
また、CPU109により、静電パッドがオンではないアプリケーションが起動されたと判断された場合には(S102:NO)、HWボタン入力受付部101による入力受付をオンとする制御が、入力デバイス制御部103に行われる(S103)。そして、HWボタン入力受付部101がオンとなっている旨が画面表示部104に表示される(S104)。なお、初期状態でHWボタン入力受付部101がオンとなっている場合には、これらS103、S104の処理は省略することができる。
【0031】
このように、起動させたアプリケーションによって、いずれかの入力受付部をオンとするかを自動的に設定することができる。
【0032】
つぎに、静電パッド入力受付部102がオンとなっている場合に、アプリケーションを操作しているときにHWボタン入力受付部101に移行する場合の処理について説明する。図7は、アプリケーションを操作しているときにHWボタン入力受付部101をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【0033】
まず、ユーザによる静電パッド入力受付部102の操作の受付が行われている(S201)。ここでは、例えば、静電パッドの上を指でなぞることによりポインタを移動させることなどの操作が受け付けられている。そして、オブジェクト検出部106により文字入力オブジェクトが検出されたか否かが判断される(S202)。例えば、この文字入力オブジェクトは、文字入力を受け付けるためのテキストボックスである。なお、文字入力オブジェクトが所定時間検出されたか否かを判断することで、文字入力オブジェクトの検出を行うことがその操作上好ましい。
【0034】
ここで、文字入力オブジェクトが検出されると(S202:YES)、HWボタン入力受付部101をオン状態とするようCPU109により入力デバイス制御部103に指示がなされる(S203)。そして、CPU109により、HWボタン入力受付部101がオン状態であることを示す表示が画面表示部104に表示される(S204)。ユーザは、HWボタン入力受付部101がオン状態になっていることを確認すると、静電パッド入力受付部102の上からHWボタン入力受付部101を押下することにより文字入力等を行うことができる。
【0035】
このように、静電パッド入力受付部102を操作しているときに、所定のオブジェクトが検出されると、自動的にHWボタン入力受付部101がオン状態となるよう制御され、その状態に応じた入力受付を行うことができる。例えば、文字入力を行う場合には、HWボタン入力受付部101により入力されることが操作性がよいと考えられるため、自動的にHWボタン入力受付部101をオン状態とする。
【0036】
つぎに、HWボタン入力受付部101がオンとなっている場合に、アプリケーションを操作しているときに静電パッド入力受付部102に移行する場合の処理について説明する。図8は、アプリケーションを操作しているときに静電パッド入力受付部102をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、ユーザによるHWボタン入力受付部101の操作の受付が行われている(S301)。そして、静電パッドへの切替指示があったか否かがCPU109により判断される(S302)。ここで、切替指示があったと判断された場合、静電パッド入力受付部102をオン状態とするよう入力デバイス制御部103が制御される(S303)。そして、画面表示部104には静電パッド入力受付部102がオン状態であることが表示される(S304)。
【0038】
このように、静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101にオン状態を移行させることができる。
【0039】
つぎに、静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101に、オン状態が移行するときの具体例について説明する。図9は、メールアプリケーションのメニュー画面から新規メール作成画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【0040】
図9(a)に示すように、画面表示部104には、メールのメニュー画面が表示されている。この場合、メールアプリケーションが起動した場合には、静電パッド入力受付部102がオン状態となるようデータテーブル108において設定されている。そして、ユーザは、この画面表示のもとではポインタを操作することにより、“1.受信BOX”から“7.メール設定”のいずれかを選択することができる。この図9(a)では、画面表示部104は、静電パッド入力受付部102がオン状態であることを示すマーク104aが表示されている。ユーザはこのマークを視認することにより、いずれの入力受付がオン状態であるかを容易に把握することができる。
【0041】
そして、オブジェクト検出部106においては、“1.受信BOX”から“7.メール設定”における各項目をオブジェクトとして検出することができ、いずれかを検出することができた場合には、HWボタン入力受付部101がオン状態となり、ユーザはその状態で静電パッド入力受付部102を介してHWボタンを押下することにより、図9(b)に示される新規メール作成画面に移行することができる。この図9(b)の例では、マーク104bが表示されており、ここでは、HWボタン入力受付部101がオン状態であることを示している。
【0042】
同様に、図10は、検索サイトのトップメニュー画面からテキストボックス入力画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【0043】
図10(a)に示すように、画面表示部104には、検索サイトのトップメニュー画面が表示されている。この場合、メールアプリケーションが起動した場合には、静電パッド入力受付部102がオン状態となるようデータテーブル108において設定されている。そして、ユーザは、この画面表示のもとではポインタを操作し、テキストボックス104c上に移動させる。オブジェクト検出部106は、テキストボックス104c上にポインタが移動したことを検出すると、図10(b)に示すように、検索文字を入力するための文字入力画面にその画面は移行する。図9と同様に図10(a)、図10(b)には、マーク104aおよびマーク104bが表示されており、ユーザにより視認可能に表示画面が構成されている。
【0044】
このように、自動的にオブジェクトを検出し、そのオブジェクトにしたがってHWボタン入力受付部101をオン状態とさせるか、静電パッド入力受付部102をオン状態とさせるかを切り替えることで、操作性のよい携帯電話機を提供することができる。
【0045】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。図11は、本実施形態の変形例の携帯電話機100におけるHWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102および画面表示部104との配置構成を示す概略図である。
【0046】
図11に示すように、この変形例においては、保護シート102aの下に静電パッド入力受付部102が配置され、静電パッド入力受付部102の下にディスプレイなどの画面表示部104が配置され、さらに画面表示部104の下にHWボタン入力受付部101が配置されている。保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102は透明な部材で形成されていることから、画面表示部104に表示されている情報はユーザにより視認可能となる。また、画面表示部104は、例えば電子ペーパで構成されている。すなわち、画面表示部104は、透過性の部材または透明な部材であることから、ユーザは、当該画面表示部104の下に配置されているHWボタン入力受付部101のボタンを認識することができ、HWボタン入力受付部101に対する入力操作を行うことができる。
【0047】
図12に、この変形例における携帯電話機100のXII−XII矢印の断面図を示す。図12(a)に示すとおり、保護シート102a、静電パッド入力受付部102、画面表示部104、HWボタン入力受付部101が順に配置されている。図12(b)に示すとおり、ユーザが指でHWボタン入力受付部101の一ボタンを押下すると、保護シート102a、静電パッド入力受付部101および画面表示部104は、その弾力性によりたわみ、当該一ボタンは押下されることになる。
【0048】
これにより、画面表示部104を配置するスペースを省略することができ、装置を小型化することができ、また同じ大きさの装置であっても、その表示できる情報量を多くすることができる。
【0049】
つぎに、本実施形態の携帯電話機100の作用効果について説明する。この携帯電話機100においては、CPU109がユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、入力デバイス制御部103が静電パッド入力受付部102から入力を受け付けるか、HWボタン入力受付部101から入力を受け付けるかを判断して切り替えることができる。
【0050】
よって、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102とが重ねて配置されている装置、例えば携帯電話機において、ユーザが手動でHWボタン入力受付部101か、静電パッド入力受付部102を操作するかを選択することなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0051】
この携帯電話機100は、画面表示部104に表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、静電パッド入力受付部102により操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを、オブジェクト検出部106が検出し、所定のオブジェクトが検出された場合には、CPU109は、静電パッド入力受付部102をオフ状態にするとともに、HWボタン入力受付部101をオン状態に切り替えることができる。これにより、オブジェクトに応じて、入力デバイス制御部103は静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101にその入力を切り替えることができ、使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0052】
この携帯電話機100において、画面表示部104は、静電パッド入力受付部102およびHWボタン入力受付部101いずれがオン状態であるかを表示することで、ユーザは静電パッド入力受付部102またはHWボタン入力受付部101のいずれを使用すればよいか容易に把握することができる。
【0053】
この携帯電話機100において、透明な部材から構成されている静電パッド入力受付部102とHWボタン入力受付部101との間に画面表示部104を重ねて配置することで、その装置構成を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態の携帯電話機100の概略構成図を示す斜視図である。
【図2】HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成を示す概略図である。
【図3】概略構成図におけるIII−III矢印の断面図である。
【図4】本実施形態の携帯電話機100の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態のデータテーブル108の説明図である。
【図6】携帯電話機100の動作を示すフローチャートである。
【図7】HWボタン入力受付部101をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【図8】静電パッド入力受付部102をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【図9】メールアプリケーションのメニュー画面から新規メール作成画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【図10】検索サイトのトップメニュー画面からテキストボックス入力画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【図11】本実施形態の変形例の携帯電話機100におけるHWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102および画面表示部104の配置構成を示す概略図である。
【図12】変形例における概略図のXII−XII矢印における断面図である。
【符号の説明】
【0055】
100…携帯電話機、101…HWボタン入力受付部、102…静電パッド入力受付部、102a…保護シート、103…入力デバイス制御部、104…画面表示部、105…画面表示制御部、106…オブジェクト検出部、107…メモリ、108…データテーブル、109…CPU。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを操作する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機において、静電パッド、タッチパネルを利用したユーザインターフェースを搭載した製品が増えてきている。例えば、特開2006−42123号(特許文献1)には、タッチパネルを備えた携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2006−42123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、タッチパネルは、キートップなどを備えて押下することにより電気的接触により指示を行うことができるハードウエア(HW:Hard Ware)ボタンと比較し、その操作性が難しい場合がある。例えば、タッチパネルにおいて同じ箇所(ハードウエアボタンにおけるキートップに相当)を複数回押下することにより文字入力を行う場合、ユーザによっては同じボタンを短い間隔で連続して押したり、指を離さないで押したりするなど、いろいろな入力方法がありえる。この場合、タッチパネルはユーザにより押下された回数を正確に認識することができず、ユーザが意図した文字と異なる文字が入力されるという問題がある。
【0004】
そこで、上述の課題を解決するために、HWボタンとタッチパネルなどの静電パッドとをユーザの操作状況に応じて適切に切り替えることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザからの入力を受け付ける静電パッドと、前記静電パッドの下方に重ねて配置されるとともに、ユーザからの入力を受け付けるハードウエアボタンと、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断する判断手段と、前記判断手段により判断されたアプリケーションに応じて、前記静電パッドから入力を受け付けるか、前記ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替える切替手段と、を備えている。
【0006】
この発明によれば、ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、静電パッドから入力を受け付けるか、ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替えることができる。よって、ハードウエアボタンと静電パッドとが重ねて配置されている装置において、ユーザが手動でハードウエアボタンか、静電パッドを操作するかを切り替えることなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、前記静電パッドにより受け付けられた入力によってポインタを操作可能にした操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段により表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、前記静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出する検出手段と、を備え、前記切替手段は、前記検出手段により所定のオブジェクトが検出された場合には、前記静電パッドからの入力を受け付けないオフ状態にするとともに、前記ハードウエアボタンからの入力を受け付けるオン状態に切り替えることが好ましい。
【0008】
この発明によれば、表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出し、所定のオブジェクトが検出された場合には、静電パッドをオフ状態にするとともに、ハードウエアボタンをオン状態に切り替えることができる。これにより、オブジェクトに応じて静電パッドからハードウエアボタンにその入力を切り替えることができ、使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置において前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、静電パッドおよびハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することで、ユーザは静電パッドまたはハードウエアボタンのいずれを使用すればよいか容易に把握することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置において、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンは、透明な部材から構成されており、前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンの下方に重ねて配置されることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、透明な部材から構成されている静電パッドおよびハードウエアボタンの下方に表示手段を重ねて配置することで、その装置構成を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが手動でハードウエアボタンか、静電パッドを操作するかを切り替えることなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態の情報処理装置である携帯電話機100の概略構成図を示す斜視図である。図1に示されているように、携帯電話機100は、静電パッド入力受付部102と画面表示部104とを備えている。この静電パッド入力受付部102には、その下方にHWボタン入力受付部101が配置されている。この静電パッド入力受付部102は、弾力性のある透明な部材で形成されており、ユーザは静電パッド入力受付部102に対して入力操作を行ったり、また、弾力性のある静電パッド入力受付部102を介在して、その下方に配置されているHWボタン入力受付部101に対して入力操作を行ったりすることができる。
【0016】
つぎに、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成について図2を用いて説明する。図2は、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成を示す概略図である。図2に示すように、静電パッド入力受付部102の上方に弾力性のある部材から形成されている透明な保護シート102aが配置されている。また、静電パッド入力受付部102の下方には、HWボタン入力受付部101が配置されている。
【0017】
保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102は、透明な部材から構成されているため、ユーザはその下方に配置されているHWボタン入力受付部101の各キートップに印刷されている文字(数字)を視認することができる。そして、上述したとおり、静電パッド入力受付部102および保護シート102aは、弾力性のある部材から構成されており、ユーザが保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102の一点を押下した場合、その押下した力は、その下方に配置されているHWボタン入力受付部101に伝達される。そして、HWボタン入力受付部101は、静電パッド入力受付部102を介して入力を受け付けることができる。
【0018】
その具体例について図3を用いて説明する。図3は、図2における概略構成図におけるIII−III矢印の断面図である。図3(a)に示すとおり、上から順に保護シート102a、静電パッド入力受付部102、HWボタン入力受付部101が配置されている。ユーザにより押下処理が行われると、図3(b)に示すとおり、保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102の弾力性を利用して、ユーザはその指により最下層に配置されているHWボタン入力受付部101の一ボタンを押下することができる。
【0019】
つぎに、このように構成された携帯電話機100の機能について説明する。図4は、本実施形態の携帯電話機100の構成を示すブロック図である。図4に示すとおり、携帯電話機100は、HWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102、入力デバイス制御部103、画面表示部104、画面表示制御部105、オブジェクト検出部106、メモリ107、データテーブル108、およびCPU109を含んで構成されている。以下、各構成について説明する。
【0020】
HW(hardware)ボタン入力受付部101は、ハードウエアから構成されている操作ボタンである。例えば、このHWボタン入力受付部101は、キートップ、その下方に配置されているドームスイッチから構成されており、ユーザによりキートップが押下されるとドームスイッチ内に形成されている稼動接点と固定接点とが接触することにより、通電可能に構成されているものである。
【0021】
静電パッド入力受付部102は、パッドに触れられたユーザの指の位置等をX座標、Y座標を用いて特定して、検出する入力部材である。この静電パッド入力受付部102は、触れられた位置を検出することができるとともに、ユーザがパッド上をなぞる様に触れた場合には、そのなぞられた軌跡を検出することができる。なお、この静電パッド入力受付部102は、保護シート102aを介した状態でもユーザの指の位置を検出することができる。
【0022】
入力デバイス制御部103は、HWボタン入力受付部101または静電パッド入力受付部102において受け付けられた入力指示をCPU109に出力する部分である。すなわち、CPU109は、データテーブル108に記述されている設定情報にしたがって、いずれの入力受付をオン状態とさせるかを判断する。そして、そのCPU109による判断結果が、入力デバイス制御部103に入力され、この入力デバイス制御部103にいずれの入力受付部をオン状態にさせるかが設定される。入力デバイス制御部103は、その設定状態に基づいて切替処理を行う。
【0023】
画面表示部104は、ユーザに対して情報を表示する部分であり、例えば、ディスプレイ、LEDから構成されている。
【0024】
オブジェクト検出部106は、起動されているアプリケーションの制御により表示処理されている画面内に形成されている、所定のオブジェクトを検出する部分である。このオブジェクト検出部106は、例えば静電パッド入力受付部102により操作されているポインタが、文字入力部分を示すオブジェクトを示している場合、文字入力部分であることを検出する部分である。
【0025】
メモリ107は、アプリケーションプログラムを記憶する領域を有する部分である。
【0026】
データテーブル108は、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との切替条件を記憶する部分であり、例えば、現に起動しているアプリケーション名と静電パッド入力受付部102のオンオフ状態を示す設定情報とを対応付けて記憶する部分である。その具体例を図を用いて説明する。図5は、本実施形態のデータテーブル108の説明図である。図5に示されているように、データテーブル108には起動しているアプリケーション名と静電パッド入力受付部102のオンオフを示す設定情報とが対応付けて記憶されている。図5の例では、フルブラウザが起動している場合には、静電パッド入力受付部102の入力を受け付けることができるように、オン状態とするように設定され、メモ帳アプリケーションなど文字入力が主体となっているアプリケーションが起動している場合には、静電パッド入力受付部102の入力を受け付けることができるように、オフ状態とするよう設定されている。
【0027】
CPU109は、これらHWボタン入力受付部101〜データテーブル108を総括的に制御する部分である。
【0028】
つぎに、このように構成された携帯電話機100の動作について説明する。図6は、携帯電話機100の動作を示すフローチャートである。まず、ユーザ操作によりアプリケーションがメモリ107から読み出され、起動する(S101)。なお、アプリケーション起動前では初期設定として、静電パッド入力受付部102がオフ、HWボタン入力受付部101がオンとなる(優先される)ように設定されていることが好ましい。
【0029】
アプリケーションが起動されると、CPU109によりデータテーブル108が参照され、アプリケーションが静電パッド入力受付部102の入力を求めているか否か、すなわち、当該アプリケーションに対して、静電パッド入力受付部102をオンとする設定がなされているか否かが判断される(S102)。ここで設定がなされており、CPU109により、アプリケーションが静電パッド入力受付部102の入力を求めていると判断された場合には、静電パッド入力受付部102に対する入力をオンとする制御が、入力デバイス制御部103に行われる(S105)。そして、静電パッド入力受付部102がオンとなっている旨が画面表示部104に表示される(S106)。
【0030】
また、CPU109により、静電パッドがオンではないアプリケーションが起動されたと判断された場合には(S102:NO)、HWボタン入力受付部101による入力受付をオンとする制御が、入力デバイス制御部103に行われる(S103)。そして、HWボタン入力受付部101がオンとなっている旨が画面表示部104に表示される(S104)。なお、初期状態でHWボタン入力受付部101がオンとなっている場合には、これらS103、S104の処理は省略することができる。
【0031】
このように、起動させたアプリケーションによって、いずれかの入力受付部をオンとするかを自動的に設定することができる。
【0032】
つぎに、静電パッド入力受付部102がオンとなっている場合に、アプリケーションを操作しているときにHWボタン入力受付部101に移行する場合の処理について説明する。図7は、アプリケーションを操作しているときにHWボタン入力受付部101をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【0033】
まず、ユーザによる静電パッド入力受付部102の操作の受付が行われている(S201)。ここでは、例えば、静電パッドの上を指でなぞることによりポインタを移動させることなどの操作が受け付けられている。そして、オブジェクト検出部106により文字入力オブジェクトが検出されたか否かが判断される(S202)。例えば、この文字入力オブジェクトは、文字入力を受け付けるためのテキストボックスである。なお、文字入力オブジェクトが所定時間検出されたか否かを判断することで、文字入力オブジェクトの検出を行うことがその操作上好ましい。
【0034】
ここで、文字入力オブジェクトが検出されると(S202:YES)、HWボタン入力受付部101をオン状態とするようCPU109により入力デバイス制御部103に指示がなされる(S203)。そして、CPU109により、HWボタン入力受付部101がオン状態であることを示す表示が画面表示部104に表示される(S204)。ユーザは、HWボタン入力受付部101がオン状態になっていることを確認すると、静電パッド入力受付部102の上からHWボタン入力受付部101を押下することにより文字入力等を行うことができる。
【0035】
このように、静電パッド入力受付部102を操作しているときに、所定のオブジェクトが検出されると、自動的にHWボタン入力受付部101がオン状態となるよう制御され、その状態に応じた入力受付を行うことができる。例えば、文字入力を行う場合には、HWボタン入力受付部101により入力されることが操作性がよいと考えられるため、自動的にHWボタン入力受付部101をオン状態とする。
【0036】
つぎに、HWボタン入力受付部101がオンとなっている場合に、アプリケーションを操作しているときに静電パッド入力受付部102に移行する場合の処理について説明する。図8は、アプリケーションを操作しているときに静電パッド入力受付部102をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、ユーザによるHWボタン入力受付部101の操作の受付が行われている(S301)。そして、静電パッドへの切替指示があったか否かがCPU109により判断される(S302)。ここで、切替指示があったと判断された場合、静電パッド入力受付部102をオン状態とするよう入力デバイス制御部103が制御される(S303)。そして、画面表示部104には静電パッド入力受付部102がオン状態であることが表示される(S304)。
【0038】
このように、静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101にオン状態を移行させることができる。
【0039】
つぎに、静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101に、オン状態が移行するときの具体例について説明する。図9は、メールアプリケーションのメニュー画面から新規メール作成画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【0040】
図9(a)に示すように、画面表示部104には、メールのメニュー画面が表示されている。この場合、メールアプリケーションが起動した場合には、静電パッド入力受付部102がオン状態となるようデータテーブル108において設定されている。そして、ユーザは、この画面表示のもとではポインタを操作することにより、“1.受信BOX”から“7.メール設定”のいずれかを選択することができる。この図9(a)では、画面表示部104は、静電パッド入力受付部102がオン状態であることを示すマーク104aが表示されている。ユーザはこのマークを視認することにより、いずれの入力受付がオン状態であるかを容易に把握することができる。
【0041】
そして、オブジェクト検出部106においては、“1.受信BOX”から“7.メール設定”における各項目をオブジェクトとして検出することができ、いずれかを検出することができた場合には、HWボタン入力受付部101がオン状態となり、ユーザはその状態で静電パッド入力受付部102を介してHWボタンを押下することにより、図9(b)に示される新規メール作成画面に移行することができる。この図9(b)の例では、マーク104bが表示されており、ここでは、HWボタン入力受付部101がオン状態であることを示している。
【0042】
同様に、図10は、検索サイトのトップメニュー画面からテキストボックス入力画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【0043】
図10(a)に示すように、画面表示部104には、検索サイトのトップメニュー画面が表示されている。この場合、メールアプリケーションが起動した場合には、静電パッド入力受付部102がオン状態となるようデータテーブル108において設定されている。そして、ユーザは、この画面表示のもとではポインタを操作し、テキストボックス104c上に移動させる。オブジェクト検出部106は、テキストボックス104c上にポインタが移動したことを検出すると、図10(b)に示すように、検索文字を入力するための文字入力画面にその画面は移行する。図9と同様に図10(a)、図10(b)には、マーク104aおよびマーク104bが表示されており、ユーザにより視認可能に表示画面が構成されている。
【0044】
このように、自動的にオブジェクトを検出し、そのオブジェクトにしたがってHWボタン入力受付部101をオン状態とさせるか、静電パッド入力受付部102をオン状態とさせるかを切り替えることで、操作性のよい携帯電話機を提供することができる。
【0045】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。図11は、本実施形態の変形例の携帯電話機100におけるHWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102および画面表示部104との配置構成を示す概略図である。
【0046】
図11に示すように、この変形例においては、保護シート102aの下に静電パッド入力受付部102が配置され、静電パッド入力受付部102の下にディスプレイなどの画面表示部104が配置され、さらに画面表示部104の下にHWボタン入力受付部101が配置されている。保護シート102aおよび静電パッド入力受付部102は透明な部材で形成されていることから、画面表示部104に表示されている情報はユーザにより視認可能となる。また、画面表示部104は、例えば電子ペーパで構成されている。すなわち、画面表示部104は、透過性の部材または透明な部材であることから、ユーザは、当該画面表示部104の下に配置されているHWボタン入力受付部101のボタンを認識することができ、HWボタン入力受付部101に対する入力操作を行うことができる。
【0047】
図12に、この変形例における携帯電話機100のXII−XII矢印の断面図を示す。図12(a)に示すとおり、保護シート102a、静電パッド入力受付部102、画面表示部104、HWボタン入力受付部101が順に配置されている。図12(b)に示すとおり、ユーザが指でHWボタン入力受付部101の一ボタンを押下すると、保護シート102a、静電パッド入力受付部101および画面表示部104は、その弾力性によりたわみ、当該一ボタンは押下されることになる。
【0048】
これにより、画面表示部104を配置するスペースを省略することができ、装置を小型化することができ、また同じ大きさの装置であっても、その表示できる情報量を多くすることができる。
【0049】
つぎに、本実施形態の携帯電話機100の作用効果について説明する。この携帯電話機100においては、CPU109がユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断し、判断されたアプリケーションに応じて、入力デバイス制御部103が静電パッド入力受付部102から入力を受け付けるか、HWボタン入力受付部101から入力を受け付けるかを判断して切り替えることができる。
【0050】
よって、HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102とが重ねて配置されている装置、例えば携帯電話機において、ユーザが手動でHWボタン入力受付部101か、静電パッド入力受付部102を操作するかを選択することなく、その使用状態に応じて適切にかつ自動的に切り替えることができ使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0051】
この携帯電話機100は、画面表示部104に表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、静電パッド入力受付部102により操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを、オブジェクト検出部106が検出し、所定のオブジェクトが検出された場合には、CPU109は、静電パッド入力受付部102をオフ状態にするとともに、HWボタン入力受付部101をオン状態に切り替えることができる。これにより、オブジェクトに応じて、入力デバイス制御部103は静電パッド入力受付部102からHWボタン入力受付部101にその入力を切り替えることができ、使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0052】
この携帯電話機100において、画面表示部104は、静電パッド入力受付部102およびHWボタン入力受付部101いずれがオン状態であるかを表示することで、ユーザは静電パッド入力受付部102またはHWボタン入力受付部101のいずれを使用すればよいか容易に把握することができる。
【0053】
この携帯電話機100において、透明な部材から構成されている静電パッド入力受付部102とHWボタン入力受付部101との間に画面表示部104を重ねて配置することで、その装置構成を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態の携帯電話機100の概略構成図を示す斜視図である。
【図2】HWボタン入力受付部101と静電パッド入力受付部102との配置構成を示す概略図である。
【図3】概略構成図におけるIII−III矢印の断面図である。
【図4】本実施形態の携帯電話機100の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態のデータテーブル108の説明図である。
【図6】携帯電話機100の動作を示すフローチャートである。
【図7】HWボタン入力受付部101をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【図8】静電パッド入力受付部102をオン状態に移行させるときの処理を示すフローチャートである。
【図9】メールアプリケーションのメニュー画面から新規メール作成画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【図10】検索サイトのトップメニュー画面からテキストボックス入力画面に移行するときの画面遷移を示す説明図である。
【図11】本実施形態の変形例の携帯電話機100におけるHWボタン入力受付部101、静電パッド入力受付部102および画面表示部104の配置構成を示す概略図である。
【図12】変形例における概略図のXII−XII矢印における断面図である。
【符号の説明】
【0055】
100…携帯電話機、101…HWボタン入力受付部、102…静電パッド入力受付部、102a…保護シート、103…入力デバイス制御部、104…画面表示部、105…画面表示制御部、106…オブジェクト検出部、107…メモリ、108…データテーブル、109…CPU。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力を受け付ける静電パッドと、
前記静電パッドの下方に重ねて配置されるとともに、ユーザからの入力を受け付けるハードウエアボタンと、
ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断されたアプリケーションに応じて、前記静電パッドから入力を受け付けるか、前記ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替える切替手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記静電パッドにより受け付けられた入力によってポインタを操作可能にした操作画面を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、前記静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出する検出手段と、
を備え、
前記切替手段は、前記検出手段により所定のオブジェクトが検出された場合には、前記静電パッドからの入力を受け付けないオフ状態にするとともに、前記ハードウエアボタンからの入力を受け付けるオン状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンは、透明な部材から構成されており、
前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンの下方に重ねて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項1】
ユーザからの入力を受け付ける静電パッドと、
前記静電パッドの下方に重ねて配置されるとともに、ユーザからの入力を受け付けるハードウエアボタンと、
ユーザによる操作対象となるアプリケーションを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断されたアプリケーションに応じて、前記静電パッドから入力を受け付けるか、前記ハードウエアボタンから入力を受け付けるかを切り替える切替手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記静電パッドにより受け付けられた入力によってポインタを操作可能にした操作画面を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示されている操作画面に表示されているオブジェクトのうち、前記静電パッドにより操作されたポインタが所定のオブジェクトをさしていることを検出する検出手段と、
を備え、
前記切替手段は、前記検出手段により所定のオブジェクトが検出された場合には、前記静電パッドからの入力を受け付けないオフ状態にするとともに、前記ハードウエアボタンからの入力を受け付けるオン状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンいずれがオン状態であるかを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンは、透明な部材から構成されており、
前記表示手段は、前記静電パッドおよび前記ハードウエアボタンの下方に重ねて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−146212(P2009−146212A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323705(P2007−323705)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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