説明

情報処理装置

【課題】情報処理装置の使用状況にともなって半導体素子の温度が上昇する可能性が発生しても情報処理装置の動作を停止させない、あるいは情報処理装置の動作停止までの時間を遅らせる。
【解決手段】マイクロプロセッサ21を有する情報処理回路20と、情報処理回路20を冷却する冷却ファン33と、情報処理回路20の温度を検出する温度センサ31(1)〜31(7)と、温度センサ31(1)〜31(7)の検出温度に基づき冷却ファン33の回転数を制御するファン制御部32と、冷却ファン33による空気の流れの速度を検出する風速センサ35と、冷却ファン33の回転数と風速センサ35の検出速度とに基づき空気の流れの異常を検出する異常検出部34とを備え、異常検出部34が異常を検出した場合に情報処理回路20の消費電力を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯情報端末等の情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯情報端末等の情報処理装置の分野では、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトの高機能化が進んでいる。これに対応してマイクロプロセッサ等の半導体素子の高速化、高性能化も進み、これら半導体素子の消費電力も増加する傾向にある。そのため、これら半導体素子を効率よく冷却するとともに、半導体素子の温度が上昇した場合であっても半導体素子を破壊しないように適切な緊急処理を行うことが情報処理装置を設計する上で重要になってきている。
【0003】
例えば特許文献1には、冷却風を送る冷却ファンを筐体内部に収納するとともに、半導体素子の温度が限界温度に達したことを検出する第1温度検出手段と、限界温度よりも低い温度で動作する第2温度検出手段とを備え、第2温度検出手段が動作すれば温度異常警報を発し、第1温度検出手段が動作すれば半導体装置を停止する緊急処理回路が開示されている。
【特許文献1】特開平4−295223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、情報処理装置の中でも、特にモバイルパソコン等は机上で使用されるだけでなく、例えば屋外で使用者のひざにのせて使用する、あるいは別の作業をしながらベルトで保持して使用する等、さまざまな状況で使用されている。そのため、冷却ファンの通気孔が塞がれる等の今まで想定していなかった状況で使用される可能性が出てきた。
【0005】
そして、作業の状況によっては緊急処理回路が温度異常警報を発しても使用者が速やかに対応することができず、半導体素子の温度が限界温度に達して情報処理装置の動作が停止し、作業を続行できなくなる等のトラブルが発生していた。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、情報処理装置の使用状況にともなって半導体素子の温度が上昇する可能性が発生しても情報処理装置の動作を停止させない、あるいは情報処理装置の動作停止までの時間を遅らせる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、マイクロプロセッサを有する情報処理回路と、情報処理回路を冷却する冷却ファンと、情報処理回路の温度を検出する温度センサと、温度センサの検出温度に基づき冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、冷却ファンによる空気の流れの速度を検出する風速センサと、冷却ファンの回転数と風速センサの検出速度とに基づき空気の流れの異常を検出する異常検出部とを備え、異常検出部が異常を検出した場合に情報処理回路の消費電力を抑制することを特徴とする。この構成により、情報処理装置の使用状況にともなって半導体素子の温度が上昇する可能性が発生しても情報処理装置の動作を停止させない、あるいは情報処理装置の動作停止までの時間を遅らせる情報処理装置を提供することができる。
【0008】
また本発明の情報処理装置は、マイクロプロセッサの基準クロックの周波数を制御するクロック制御部を備え、異常検出部が異常を検出した場合にクロック制御部は基準クロックの周波数を低下させる構成であってもよい。
【0009】
また本発明の情報処理装置は情報処理回路に接続されたディスプレイをさらに備え、ディスプレイの輝度を制御する輝度制御部を備え、異常検出部が異常を検出した場合に輝度制御部はディスプレイの輝度を低下させる構成であってもよい。
【0010】
また本発明の情報処理装置は、温度センサの検出温度があらかじめ定められた温度しきい値以上の場合にはあらかじめ定められた終了プロセスを実行する構成であってもよい。この構成により、情報処理装置の破損を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報処理装置の使用状況にともなって半導体素子の温度が上昇する可能性が発生しても情報処理装置の動作を停止させない、あるいは情報処理装置の動作停止までの時間を遅らせる情報処理装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態における情報処理装置について、図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の斜視図である。情報処理装置10は、画像や文字を表示するディスプレイ11と、データを入力するためのキーボード12と、筐体14の内部に収納され情報処理を行う情報処理回路(図示せず)とを備えている。また筐体14の側面には、筐体14の内部の空気を排出するための通気孔15が設けられている。ディスプレイ11は、本実施の形態においては液晶表示素子とバックライトとで構成されている。しかし他の表示素子、例えば有機EL等を用いた表示素子で構成されていてもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の回路ブロック図である。情報処理装置10は、その本体部である情報処理回路20、情報処理回路20を冷却する冷却部30、およびこれらに電力を供給する電源部40を備えている。
【0015】
情報処理回路20は、ディスプレイ11、キーボード12、マイクロプロセッサ(以下、「CPU」と略記する)21、メモリ22、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」と略記する)23、グラフィックコントローラ24、およびこれらを制御するチップセット25を備えている。この中で、CPU21、メモリ22、グラフィックコントローラ24、チップセット25は高速で動作するため発熱量が大きく、かつ温度上昇に弱い半導体素子である。またディスプレイ11の表示輝度を上げるとバックライトに供給する電力が増加するので電源部40の消費電力も上昇し電源部40の発熱量も増加する。
【0016】
冷却部30は、複数個の温度センサ、本実施の形態においては7個の温度センサ31(1)〜31(7)、ファン制御部32、冷却ファン33、異常検出部34、風速センサ35、クロック制御部36、輝度制御部37を備えている。
【0017】
温度センサ31(1)〜31(7)は情報処理回路20の温度を検出するために設けられており、発熱量の大きい半導体素子、電源部40および筐体14に取り付けられている。例えば、温度センサ31(1)はCPU21に、温度センサ31(2)はメモリ22に、温度センサ31(3)はグラフィックコントローラ24に、温度センサ31(4)はチップセット25にそれぞれ取り付けられ、それぞれの半導体素子の温度を測定する。また温度センサ31(5)は電源部40に、温度センサ31(6)は筐体14の上面側の温度上昇の大きい部分に、温度センサ31(7)は筐体14の下面側の温度上昇の大きい部分にそれぞれ取り付けられ、その場所の温度を測定する。冷却ファン33は情報処理回路20を冷却するために設けられており、筐体14内部の暖められた空気を排出する。風速センサ35は冷却ファン33の近傍に取り付けられ、冷却ファン33により発生する空気の流れの速度V(以下、「風速V」と略記する)を検出する。
【0018】
ファン制御部32は、情報処理装置10の各部に取り付けられた温度センサ31(1)〜31(7)の検出温度に基づき冷却ファン33の回転数を設定することで、冷却ファン33の回転数を制御して冷却ファン33を駆動する。異常検出部34は、ファン制御部32が設定した冷却ファン33の回転数と風速センサ35の検出した風速Vとに基づき、通気孔15が塞がれる等の空気の流れの異常を検出する。
【0019】
クロック制御部36は、情報処理回路20のCPU21、チップセット25等の基準クロックの周波数を異常検出部34の検出結果に基づき制御する。詳細は後述するが、異常検出部34が異常を検出しなかった場合には基準クロックの周波数を通常処理の条件に設定し、異常検出部34が異常を検出した場合には基準クロックの周波数を通常処理の条件よりも低い周波数に低下させて情報処理回路20の消費電力を抑える。
【0020】
輝度制御部37は、ディスプレイ11の輝度、本実施の形態においてはバックライトの輝度を異常検出部34の検出結果に基づき制御する。詳細は後述するが、異常検出部34が異常を検出しなかった場合にはバックライトの輝度を通常処理の条件に設定し、異常検出部34が異常を検出した場合には、バックライトの輝度を通常処理の条件よりも低下させて情報処理回路20の消費電力を抑える。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の各回路ブロックおよび温度センサ31(1)〜31(7)の配置を示す図である。筐体14の内部にマザーボード16が納められ、その上に、CPU21、メモリ22、グラフィックコントローラ24、チップセット25、ファン制御部32、異常検出部34、クロック制御部36、輝度制御部37、電源部40が実装されている。
【0022】
また、CPU21、メモリ22、グラフィックコントローラ24、チップセット25、および電源部40の発熱部品のそれぞれに、上述した温度センサ31(1)〜31(5)が取り付けられ、筐体14の上面側と下面側の温度上昇の大きい部分にそれぞれ温度センサ31(6)、31(7)が取り付けられている。
【0023】
また、筐体14の側面部には、防塵用のフィルタ39を有する冷却ファン33が取り付けられ、冷却ファン33の近傍に、冷却ファン33によって生じる空気の流れの風速を検出する風速センサ35が設けられている。
【0024】
次に冷却部30の動作の詳細について説明する。図4は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の冷却部30の動作を示すフローチャートであり、特にファン制御部32の動作を中心に示している。
【0025】
(ステップS11)
ファン制御部32は、情報処理装置10の各部に取り付けられた温度センサ31(1)〜31(7)の検出温度θ(1)〜θ(7)を入力する。
【0026】
(ステップS12)
ファン制御部32は、検出温度θ(1)〜θ(7)に基づき冷却ファン33の回転数を設定して駆動する。具体的には、例えばCPU21に取り付けられた温度センサ31(1)の検出温度に対して、CPU21を安全に動作させるために必要な冷却ファン33の回転数R(1)を求める。なお、温度センサ31(1)の検出温度と冷却ファン33の回転数R(1)との関係はあらかじめ実験的に求められている。同様にして、温度センサ31(2)の検出温度に対してメモリ22を安全に動作させるために必要な冷却ファン33の回転数R(2)を求め、温度センサ31(3)の検出温度に対してグラフィックコントローラ24を安全に動作させるために必要な冷却ファン33の回転数R(3)を求め、・・・、温度センサ31(7)の検出温度に対して筐体14の下面側を許容温度まで冷却するために必要な冷却ファン33の回転数R(7)を求める。そして回転数R(1)〜R(7)の中から最も大きい値を選択し、その値を冷却ファン33の回転数Rとして設定して冷却ファン33を駆動する。
【0027】
このようにして、温度センサ31(1)〜31(7)が情報処理装置10の各部の温度上昇を検出すると、ファン制御部32は冷却ファン33の回転数Rを上げて情報処理回路20の各部の温度上昇を抑える。
【0028】
(ステップS13)
ファン制御部32は、入力した検出温度θ(1)〜θ(7)のそれぞれが正常な温度範囲にあるか否かを判定する。具体的には検出温度θ(1)〜θ(7)のそれぞれとあらかじめ定められている温度しきい値θth(1)〜θth(7)のそれぞれとを比較する。そして、すべての検出温度θ(i)(i=1〜7)が温度しきい値θth(i)未満であれば、ステップS11に戻る。しかし、温度しきい値θth(i)以上の検出温度θ(i)が1つでもある場合には、緊急終了処理であるステップS14に進む。
【0029】
(ステップS14)
ステップS13において温度しきい値θth(i)以上の検出温度θ(i)が1つでもある場合には情報処理装置10はあらかじめ定められた終了プロセスを実行する緊急終了処理を行う。本実施の形態においては、ディスプレイ11や発光ダイオード等を用いて温度異常が発生したことを警告するとともに、アプリケーションの終了処理等を実行して情報処理回路20の動作を終了する。これにより、情報処理装置10の破損を防ぐことができる。
【0030】
図5は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の冷却部30の動作を示すフローチャートであり、特に異常検出部34の動作を中心に示している。
【0031】
(ステップS21)
異常検出部34は、ファン制御部32が設定した冷却ファン33の回転数Rを入力し、また風速センサ35が検出した風速Vを入力する。
【0032】
(ステップS22)
異常検出部34は、冷却ファン33が回転数Rで回転したときに予測される風速Vth(R)と風速センサ35が検出した風速Vとを比較する。図6は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の冷却ファン33の回転数Rとそのときに予測される風速Vth(R)との関係を模式的に示す図である。このように冷却ファン33の回転数Rが増加するにしたがって、予測される風速Vth(R)も増加する。なお、風速Vはフィルタ39にごみが付着すると低下するが、予測される風速Vth(R)としては、情報処理装置10の回路にダメージを与えない程度にごみが付着することを想定した値に設定されている。
【0033】
そして、風速Vが予測される風速Vth(R)以上であれば、異常検出部34は、通気孔15が塞がれる等の異常は発生しておらず、冷却ファン33によって情報処理装置10が正常に冷却されているものと判定し、次のステップS23に進む。しかし、風速Vが予測される風速Vth(R)未満であれば、異常検出部34は、通気孔15が塞がれている等の異常が発生していると判定し、緊急電力抑制処理であるステップS24に進む。
【0034】
(ステップS23)
ステップS22で異常検出部34が異常を検出しなかった場合には、情報処理装置10は通常処理の条件で動作する。本実施の形態においては、クロック制御部36は基準クロックの周波数を通常処理の条件に設定し、輝度制御部37はバックライトの輝度を通常処理の条件に設定する。その後、ステップS21に戻る。
【0035】
(ステップS24)
ステップS22で異常検出部34が異常を検出した場合には、情報処理装置10は、使用者に警告表示を行うとともに情報処理回路20の消費電力を抑制する緊急電力抑制処理の条件に切り換える。
【0036】
具体的には、異常検出部34はディスプレイに警告表示を行う。警告表示としては、例えばディスプレイ11に「通気孔が塞がっています!」等のメッセージを表示する、あるいは警告用の発光ダイオードを点灯させる等である。さらに異常検出部34はクロック制御部36を制御して基準クロックの周波数を通常処理の条件よりも低い周波数に設定し、輝度制御部37を制御してバックライトの輝度を通常処理の条件よりも低い輝度に設定する。このようにして異常検出部34は、情報処理回路20の消費電力を下げて各部の発熱量を抑制し、温度上昇を抑える。その後、ステップS21に戻る。
【0037】
次に、情報処理装置10の動作の一例について、CPU21の温度θ(1)を例に説明する。図7は、本発明の実施の形態における情報処理装置10の風速Vと温度θ(1)との変化の一例を示す図であり、図7(a)は風速Vの変化を、図7(b)は温度θ(1)の変化をそれぞれ示している。
【0038】
時刻t1以前においては、風速センサ35の検出した風速Vは予想される風速Vth(R)以上であり、冷却ファン33によって情報処理装置10が正常に冷却されている。そのためCPU21の温度θ(1)は温度しきい値θth(1)以下である。
【0039】
時刻t1において、通気孔15が塞がれ、風速センサ35の検出した風速Vが予想される風速Vth(R)未満に低下したとする。
【0040】
このとき仮に情報処理回路20が時刻t1以前と同様に通常処理を継続したと仮定すると、CPU21等の半導体素子の放出する熱を筐体14の外部に排出することができなくなり筐体14内部の温度が急激に上昇する。そのため、図7(b)に一点鎖線で示したように温度センサ31(1)の検出温度も急激に上昇する。そして、時刻t2において温度センサ31(1)の検出温度が温度しきい値θth(1)を超えると、情報処理装置10は情報処理回路の破損を防ぐために緊急終了処理を行い情報処理装置10の動作を終了する。このように短時間のうちに情報処理装置10が停止し、作業を続行できなくなる。
【0041】
しかしながら本実施の形態における情報処理装置10によれば、時刻t1において風速Vが予測される風速Vth(R)未満になったことを異常検出部34が検出する。そして時刻t1において、異常検出部34は警告表示を行うとともに、クロック制御部36を制御して基準クロックの周波数を通常処理の条件よりも低い周波数に設定し、輝度制御部37を制御してバックライトの輝度を通常処理の条件よりも低い輝度に設定する。このようにして異常検出部34は、情報処理回路20の消費電力を下げて各部の発熱量を抑制する。
【0042】
その結果、図7(b)に実線で示したように温度センサ31(1)の検出温度の上昇速度も緩やかになり、温度センサ31(1)の検出温度は温度しきい値θth(1)未満に抑えられる。あるいは温度センサ31(1)の検出温度が温度しきい値θth(1)以上になって情報処理装置10が動作を停止するまでの時間を遅らせることができる。
【0043】
そしてこの間に使用者が障害物を取り除く等、必要な対応をとることにより風速Vが予想される風速Vth(R)以上に回復したとすると、クロック制御部36は基準クロックの周波数を通常処理の条件に戻し、輝度制御部37はバックライトの輝度を通常処理の条件に戻す。このようにして、情報処理装置10の動作が停止し作業を続行できなくなる等のトラブルを回避することができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、異常検出部34はファン制御部32が設定した冷却ファン33の回転数Rと風速センサの検出した風速とに基づき異常を検出する構成であるものとして説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えば冷却ファン33に回転数Rを検出する回転数センサを設け、回転数センサの検出回転数と風速センサの検出した風速とに基づき異常を検出する構成であってもよい。この構成によれば、冷却ファン33の故障も検出することができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、風速Vが予測される風速Vth(R)未満であれば、基準クロックの周波数を下げ、かつバックライトの輝度を下げることによって情報処理回路20の消費電力を下げる構成について説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えばHDD23にアクセスする回数を制限する等、他の方法により情報処理回路20の消費電力を下げる構成であってもよい。
【0046】
また、本実施の形態においては、クロック制御部36により基準クロックの周波数を制御するとして説明を行った。しかしCPU21やチップセット25等のデバイスによっては、独自の動作周波数で動作するものもある。この場合には、クロック制御部36が、各デバイスに対して個別に動作周波数の制御を行うとしてもよい。
【0047】
また、本実施の形態においては情報処理装置としてパソコンを例として説明したが、本発明は携帯電話、携帯情報端末、ゲーム機等の各種の情報処理装置に広く応用することができる。
【0048】
また、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、情報処理装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の情報処理装置は、使用状況にともなって半導体素子の温度が上昇する可能性が発生しても情報処理装置の動作を停止させない、あるいは情報処理装置の動作停止までの時間を遅らせることができ、パーソナルコンピュータや携帯情報端末等の情報処理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態における情報処理装置の回路ブロック図
【図3】本発明の実施の形態における情報処理装置の各回路ブロックおよび温度センサの配置を示す図
【図4】本発明の実施の形態における情報処理装置の冷却部の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態における情報処理装置の冷却部の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態における情報処理装置の冷却ファンの回転数とそのときに予測される風速との関係を模式的に示す図
【図7】本発明の実施の形態における情報処理装置の風速と温度との変化の一例を示す図
【符号の説明】
【0051】
10 情報処理装置
11 ディスプレイ
12 キーボード
14 筐体
15 通気孔
20 情報処理回路
21 マイクロプロセッサ(CPU)
22 メモリ
23 ハードディスクドライブ(HDD)
24 グラフィックコントローラ
25 チップセット
30 冷却部
31(1)〜31(7) 温度センサ
32 ファン制御部
33 冷却ファン
34 異常検出部
35 風速センサ
36 クロック制御部
37 輝度制御部
39 フィルタ
40 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプロセッサを有する情報処理回路と、
前記情報処理回路を冷却する冷却ファンと、
前記情報処理回路の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出温度に基づき前記冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、
前記冷却ファンによる空気の流れの速度を検出する風速センサと、
前記冷却ファンの回転数と前記風速センサの検出速度とに基づき空気の流れの異常を検出する異常検出部とを備え、
前記異常検出部が異常を検出した場合に前記情報処理回路の消費電力を抑制する情報処理装置。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサの基準クロックの周波数を制御するクロック制御部を備え、前記異常検出部が異常を検出した場合に、前記クロック制御部は前記基準クロックの周波数を低下させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理回路に接続されたディスプレイをさらに備え、
前記ディスプレイの輝度を制御する輝度制御部を備え、前記異常検出部が異常を検出した場合に、前記輝度制御部は前記ディスプレイの輝度を低下させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記温度センサの検出温度があらかじめ定められた温度しきい値以上の場合には、あらかじめ定められた終了プロセスを実行する請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−217776(P2009−217776A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63670(P2008−63670)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】