説明

情報提供装置、及び情報提供方法等

【課題】所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する。
【解決手段】ガソリンスタンドに設置されるガソリン供給装置1が、自動車2の搭乗者に対して、目的地までの予定移動距離に関する情報、又は燃費に関する情報等に基いて算出されたガソリンの消費量に関する情報を、ガソリンが供給される前に、前記搭乗者に対して提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する装置及び方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
資源エネルギーの一つであるガソリンは、移動体(例えば、貨物搬送用トラックや自家用車等の自動車等)を移動させる源として、国民生活や経済活動において欠かすことのできない資源となっている。また、これら資源エネルギーは有限であるため、必要な量だけ効率よく利用すること、即ち、省エネルギー化が、命題となっている。
【0003】
自動車を利用する者(例えば、搭乗者)は、当該自動車にガソリンが不足すると、ガソリンスタンドにてガソリンを購入し、補充している。そして、搭乗者は、これらサービスに対する対価及びガソリンの価格が含められた代金を、ガソリンスタンドにおいて支払うようになっている。
【0004】
近年では、ガソリンスタンドにおける経費削減等の観点から、搭乗者自らの作業で、ガソリンを自動車へ供給するセルフ式ガソリンスタンドが主流になりつつある。
【0005】
かかるセルフ式ガソリンスタンドでは、搭乗者は、供給されるガソリンの金額又は量を指定して、ガソリンを購入するようになっている。
【0006】
特許文献1では、ガソリンの給油中において、車両へ給油中の油種、油単価、給油量及び給油金額を表示する表示手段を、ドライバーに対して目視可能な位置に設置する発明が開示されている。
【特許文献1】特開平08−192899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ガソリンの購入に当たっては、上記搭乗者が本来的に必要な量を購入することが望ましい。
【0008】
例えば、ガソリンスタンドに立寄った搭乗者が、現在自動車に搭載されているガソリンの量と、目的地に到達するまでに消費するガソリンの量を比較し、購入すべきガソリン量を参考にすることができれば、上記搭乗者が本来的に必要なガソリンの量を購入することができる結果、搭乗者の経済的事情を鑑みることもできるし、上記省エネルギー化にも貢献することができる。
【0009】
しかし、従来のガソリンの購入方法では、上述するように、ガソリンの量又は金額を指定することしかできず、上記搭乗者が本来的に必要なガソリンの量を購入することはできなかった。
【0010】
そこで、本願は、上記問題等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して、搭乗者が本来的に必要な前記エネルギーの消費量に関する情報を効率良く提示することが可能な情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供装置であって、前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得手段と、単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得手段と、前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出手段と、算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項10に記載の発明は、所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供方法であって、前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得工程と、単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得工程と、前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出工程と、算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項11に記載の発明は、所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供装置に含まれるコンピュータを、前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得手段、単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得手段、前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出手段、算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示手段、として機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、自動車(エネルギーを消費して移動する移動体の一例)に供給されるガソリン(エネルギーの一例)の供給場所であるガソリンスタンドに設置されるガソリン供給装置(情報提供装置の一例)を有する情報提供システムに対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0015】
[1.情報提供システムの全体構成及び各機能概要]
先ず、本実施形態に係る情報提供システムの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す概念図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る情報提供システムは、ガソリンスタンドに設置されたガソリン供給装置1と、自動車2と、自動車2に搭載される車載装置3等とにより構成される。
【0018】
ガソリン供給装置1と車載装置3は、有線又は無線(例えば、赤外線又はBluetooth等)を用いて相互にデータ(情報)の送受信が可能となっている。ガソリン供給装置1は、自動車2の搭乗者の所定の操作に基き、所定のガソリン(例えば、ハイオク又はレギュラー等)を、自動車2へ供給するための装置であり、更に、ガソリンが自動車2に供給される前に、当該ガソリンの消費量に関する情報を当該搭乗者に対して提供する機能を有する。これにより、搭乗者は、提供されたガソリンの消費量に関する情報を参考に、当該ガソリンを自動車2へ供給する。
【0019】
車載装置3は、自動車2に搭載される装置であり、その一例として、走行機能、ヘッドライト及びエアコン等の自動車の各機能を統括的に制御する中央制御装置又は、カーナビゲーションシステム等が適用される。
【0020】
[2.ガソリン供給装置1の構成及び機能]
次に、ガソリン供給装置1の構成及び機能について、図2を用いて説明する。
【0021】
図2は、本実施形態に係るガソリン供給装置1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、ガソリン供給装置1は、入力部11、装着手段の一例としてのスロット部12、音声処理部13、スピーカ14、通信手段の一例としての通信部15、記憶部16、表示制御部17、ディスプレイ18、タッチパネル18a、及びシステム制御部22等を備えて構成されている。
【0023】
入力部11は、例えば、操作ボタン等を備え、搭乗者等からの操作指示を受付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部22へ出力する。また、入力部11は、搭乗者の操作により、目的地を示す目的地情報、及び単位距離あたりに消費される予定ガソリン量(以下、「燃費」という)を示す燃費情報等を入力可能となっており、入力された情報は、システム制御部22へ出力される。
【0024】
ここで、目的地情報としては、例えば、自動車2がこれから向かう目的地(行先)についての名称、住所、電話番号、郵便番号、緯度及び経度等が挙げられる。
【0025】
また、燃費は、例えば、以下の式(1)によって算出される。
【0026】
燃費(L/km)=自動車2が実際に走行した走行距離(km) ÷ 当該走行距離を走行する際に実際に消費したガソリン量(L)・・・式(1)
スロット部12は、車載装置3に対して着脱可能な情報記録媒体(例えば、USBメモリ、SDカード、メモリースティック、又はICカード等)を装着(挿入)可能になっており、装着された情報記録媒体からこれに記録された情報を読み取り、システム制御部22へ出力する。
【0027】
なお、当該情報記録媒体に記録される情報としては、例えば、上記目的地情報、当該ガソリンスタンドから目的地までの予定走行(移動)距離を示す走行距離情報、及び上記燃費情報等が挙げられる。例えば、自動車2のエンジン停止により車載装置3の電源がオフする直前に、これらの情報は当該情報記録媒体に自動的に書き込まれる。これにより、システム制御部22は、当該スロット部12を通じて、例えば、上記目的地情報、上記走行距離情報、及び上記燃費情報等を車載装置3から取得可能となっている。
【0028】
音声処理部13は、システム制御部22の制御の下、スピーカ14を通じて、ガソリンスタンドを利用する搭乗者に対して、各種サービスについての案内音声又は施設位置等の案内音声を出力する。
【0029】
通信部15は、ネットワークNWを介して、図示しないネットワークNWに接続された他のサーバ等との通信を制御する。
【0030】
また、通信部15は、車載装置3との間で例えば近距離無線による通信(当該通信は、例えば、自動車2がガソリンスタンドの所定エリアに入ったときに自動的に確立される)を行う機能を有する。例えば、自動車2のエンジン停止により車載装置3の電源がオフする直前に、これらの情報は車載装置3から通信部15に送信される。これにより、システム制御部22は、当該通信部15を通じて、例えば、上記目的地情報、上記走行距離情報、及び上記燃費情報等を、車載装置3から取得可能となっている。
【0031】
記憶部16は、例えばHD(Hard Disc)ドライブ等を備えており、HDへの各種情報の書き込み又はHDからの情報の読み出しを行う。かかるHDには、例えば、地図データ、経路探索用データ、及び経路案内用データ等が記録されている。
【0032】
また、記憶部16には、自動車の種別(車種)に応じた燃費情報が記憶されている。例えば、車種に応じた10.15モード燃費やJC08モード等による測定値等が記憶されている。
【0033】
なお、燃費情報は、外部の図示しないサーバ等に記憶(燃費情報データベースに記憶)され、ネットワークNWを介して、取得されるようにしてもよい。
【0034】
表示制御部17は、システム制御部22の制御の下、詳しくは後述するが、搭乗者に対し、ガソリン供給装置1が有する機能の実行の選択指示等を促すための画面データから表示データを生成し、ディスプレイ18に表示出力するようになっている。この他にも、ディスプレイ18には、表示制御部17を通じて、詳しくは後述するが、ガソリンの消費量に関する情報、経路を誘導するための案内表示や施設位置及び内容の案内表示(地図)等が出力される。
【0035】
タッチパネル18aは、マトリックス・スイッチ等からなり、ディスプレイ18の前面に配置されている。そして、ディスプレイ23における表示画面上に表示された、各機能に対応するボタン表示が搭乗者により押下されると、当該選択項目に応じた信号がシステム制御部22に供給されることになり、システム制御部22は当該信号に対応する処理を行う(例えば機能の実行)ことになる。
【0036】
システム制御部22は、CPU(Central Processing Unit)19、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)21等を備え、CPU19が、ROM20や記憶部16に記憶された各種プログラムを読み出し実行することによりガソリン供給装置1の各部を制御するとともに、本願の距離情報取得手段、消費エネルギー情報取得手段、エネルギー残量取得手段、消費量算出手段、経路算出手段、車種別情報取得手段、及び提示手段等として機能するようになっている。
【0037】
具体的には、システム制御部22は、供給場所であるガソリンスタンドから目的地までの予定走行距離を示す走行距離情報を取得するようになっている。例えば、システム制御部22は、入力部11、スロット部12、又は通信部15を通じて目的地情報を取得し、ガソリンスタンドから当該目的地情報に示される目的地までの経路を地図データに基いて算出しつつ当該予定走行距離を算出することにより、上記走行距離情報を取得する。或いは、車載装置3が当該ガソリンスタンドから目的地までの予定走行距離を算出し、当該算出された予定走行距離を示す走行距離情報を、システム制御部22が、スロット部12、又は通信部15を通じて取得する。
【0038】
また、システム制御部22は、上述した燃費情報を、例えば、入力部11、スロット部12、又は通信部15を通じて取得する。
【0039】
なお、搭乗者により入力部11から自動車2の車種を示す車種情報が入力、或いは車載装置3からスロット部12又は通信部15を通じて車種情報が取得されることにより、当該車種に応じた燃費情報が記憶部16又は上述したサーバから取得されるものであってもよい。
【0040】
そして、システム制御部22は、前記予定走行距離と燃費に基いて、目的地に到達するまでに必要なガソリン量(ガソリンの消費量)を算出する。例えば、当該ガソリン量は、以下の式(2)により算出される。
【0041】
目的地に到達するまでに必要なガソリン量(L) = 予定走行距離(km) × 燃費(L/km)・・・式(2)
システム制御部22は、このように算出した上記必要なガソリン量を示す情報(ガソリンの消費量に関する情報の一例)を、ディスプレイ18に表示出力させたり、スピーカ14から音声出力することにより、ガソリンが自動車2に供給される前に、搭乗者に対して提示する。
【0042】
なお、ガソリンの消費量に関する情報として、自動車2現在搭載されているガソリンの残量を考慮した情報を搭乗者に対して提示するように構成すれば効果的である。この場合、システム制御部22は、自動車2に現在搭載されているガソリンの残量を示す残量情報を、入力部11、スロット部12、又は通信部15を通じて取得し、当該ガソリンの残量と、上記予定走行距離及び燃費と燃費に基いて、自動車2に供給されるべきガソリン量を算出(目的地に到達するまでに必要なガソリン量からガソリンの残量を引いた量を算出)し、当該ガソリン量を、ガソリンの消費量に関する情報として搭乗者対して提示する。
【0043】
また、システム制御部22は、ガソリンスタンドから目的地までの経路を地図データに基いて算出した場合、上記ガソリンの消費量に関する情報と共に、当該経路を示す経路情報を搭乗者に対して提示する。
【0044】
更に、システム制御部22は、当該経路情報と共に、当該経路の周辺に設置された施設に関する情報(例えば施設を示すマークや、施設の広告情報等)、当該経路の周辺で開催されるイベントに関する情報(例えば祭り等)、当該経路における交通情報(例えば渋滞情報)の少なくとも何れか一つを、搭乗者に対して提示するように構成すれば、より効果的である。
【0045】
また、システム制御部22は、ガソリンスタンドから目的地までの複数の経路を地図データに基いて算出した場合、各経路を示す経路情報に対応付けて各経路に必要なガソリン量を示す情報等を、搭乗者に対して提示するように構成しても効果的である。
【0046】
[3.ガソリン供給装置1の動作]
次に、図3〜6を用いて、ガソリン供給装置1の動作について説明する。
【0047】
図3は、本実施形態に係るガソリン供給装置1の動作を示すフローチャートである。
【0048】
図3において、自動車2を運転する搭乗者がガソリンスタンドに立寄り、ガソリンの供給を受けるために、ガソリン供給装置1の操作を開始すると、システム制御部22は、入力部11、スロット部12、又は通信部15を通じて、上述した目的地情報を取得したか否かを判断する(ステップS1)。
【0049】
目的地情報が取得された場合には(ステップS1:YES)、システム制御部22は、当該取得した目的地情報及び地図データに基いて、ガソリンスタンドから当該目的地までの経路及び予定走行距離を算出する(ステップS11)。
【0050】
一方、目的地情報が取得されなかった場合には(ステップS1:NO)、システム制御部22は、入力部11、スロット部12、又は通信部15を通じて、ガソリンスタンドから目的地までの予定走行距離を示す走行距離情報を取得したか否かを判断する(ステップS2)。
【0051】
走行距離情報が取得された場合には(ステップS2:YES)、ステップS3に進み、 走行距離情報が取得されなかった場合には(ステップS2:NO)、ステップS1に戻る。
【0052】
ステップS3では、システム制御部22は、上述した燃費情報を取得したか否かを判断する(ステップS3)。
【0053】
燃費情報が取得された場合には(ステップS3:YES)、システム制御部22は、目的地に到達するまでに必要なガソリン量を算出する(ステップS4)。
【0054】
例えば、上記式(2)を用いて、ガソリンスタンドから目的地までの予定走行距離が100(km)であり、燃費が0.1(L/km)であった場合には、上記目的地に到達するまでに必要なガソリン量(ガソリンの消費量)は、100(km)×0.1(L/km)=10(L)と計算される。
【0055】
次いで、システム制御部22は、上記目的地に到達するまでにガソリン量が不足するか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、システム制御部22は、上述したように、自動車2に現在搭載されているガソリンの残量を示す残量情報を取得し、当該ガソリンの残量が、上記算出したガソリンの消費量より多いか否かを判断する。
【0056】
そして、システム制御部22は、目的地に到達するまでにガソリン量が不足すると判断した場合には(ステップS5:YES)、自動車2のガソリンの残量と上記ガソリンの消費量の差分を、自動車2に供給されるべきガソリン量として算出し(ステップS6)、目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油を促す案内を搭乗者に対して提示する(ステップS7)。
【0057】
図4は、目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油を促す案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【0058】
図4に示すように、表示画面30において、目的地までの距離表示部31には目的地までの距離が100(km)であることが、必要となるガソリン表示部32には目的地に到着するまで必要なガソリンが10(L)であることが、給油案内表示部33には給油を促す案内及び給油の可否を選択するボタンが、経路表示部34には経路の詳細が夫々表示されている。
【0059】
ここで、経路表示部34には、ガソリンスタンド35から目的地36までの経路37を示す経路情報が表示されている。そして、経路37を示す経路情報と共に、当該経路37周辺に設置された施設に関する情報として、店38、店40及び病院39のマークと、店40では現在「全品20%OFF」のセールが開催されていることを示す広告情報が表示されている。加えて、経路37周辺の交通情報として、通行禁止表示部41が表示されている。
【0060】
また、上記表示画面30には目的地に到着するまで必要なガソリンの量を提示することに限ることなく、例えば、目的地に到達するのに必要なガソリンの量に幾らか余分なガソリンの量を加えた量を提示するようにしてもよい。たとえば、目的地に到達した以降に最寄のガソリンスタンドまで到達可能となる量を加えたガソリンの量を提示するようにしてもよい。
【0061】
また、経路37の周辺で開催されるイベントに関する情報としては、経路37の周辺で祭りが開催される場合には、その旨を示す文字情報等を表示するようにしてもしてもよい。
【0062】
通常、ガソリンの給油中においては、搭乗者はガソリンが給油されるのをただ待つのみであり、その間、有効な情報等を入手するなどの機会はなかった。しかし、搭乗者は、ガソリンの給油中においても上記情報を閲覧することができるため、当該給油中の時間を有効活用することができる。そして、上記店の経営者等は、上記搭乗者に対して当該店の案内や広告等を提供することができ、自己の店の売上向上を図る機会が得ることができる。
【0063】
加えて、搭乗者が、ガソリンの供給を受けるために、自動車2のエンジンを切ることにより車載機器3の情報(例えば、カーナビゲーション装置の経路案内情報)を閲覧できなくなった場合でも、目的地までの経路を正確に把握しつつ、本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0064】
さらに、ガソリン給油装置から打ち出されるレシートに表示部30における上記表示情報や、当該表示情報に含まれる店舗等の特典情報(例えば、クーポン情報)を印字するようにしてもよい。
【0065】
また、システム制御部22は、前記ガソリンスタンドから目的地までの複数の経路を地図データに基いて算出した場合、当該経路にしたがって走行した場合の予定走行距離と燃費に基いて、前記目的地に到達するまでに必要なガソリン量を前記経路毎に算出し、前記目的地に到達するまでに必要なガソリン量を、当該各経路と共に、前記搭乗者に対して提示する。
【0066】
図5は、複数の経路毎に目的地に到達するまでに必要なガソリン量及び給油を促す案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【0067】
図5に示すように、表示画面50には、情報表示部51と、複数の経路の表示を構成する各経路として経路52,53,54と、複数の経路の各目的地までの距離及び各目的地に到達するまでに必要なガソリン量を表示する消費情報表示部55,57,59と、ガソリンの供給の可否を決定する給油ボタン56,58,60と、交通情報表示部61等とが表示されている。
【0068】
情報表示部51には、ガソリン供給装置1から搭乗者に対して提供される各種の情報が表示される。図5に示す情報表示部51には、経路の途中に渋滞している区間があること(交通情報表示部61)、及び、渋滞を回避する経路が2つあることを示す文字情報が表示されている。
【0069】
ここで、経路53は、上述したステップS2にて取得された走行距離情報にて示される経路を示す。つまり、当該経路53は、車載装置3で算出された経路であり、ガソリンスタンド35から目的地36まで最短距離を示す経路である。一方、経路52及び経路54は、システム制御部22が目的地情報に基づき算出した渋滞を回避する経路である。
【0070】
そして、例えば、搭乗者は、消費情報表示部57に表示された、経路53を走行した場合に必要なガソリン量を見て当該ガソリン量の供給を望む場合には、給油ボタン58を、例えば押下する等により選択する。
【0071】
このようにして、搭乗者は、自己の意志に基いて、経路52〜経路54のうち何れか一の経路を選択した場合に必要となるガソリン量を選択することができる。
【0072】
そして、搭乗者は、車載装置3で算出された経路よりも最適な経路を知得し、選択することができる。
【0073】
図3の説明に戻り、給油が選択された場合、例えば、図4に示す給油案内表示部33において、搭乗者の操作により、「はい」が選択された場合には(ステップS8:YES)、当該ガソリン量が給油されるべくセットされる(ステップS9)。そして、例えば、搭乗者は、セットされたガソリン量(例えば、図4における必要となるガソリン表示部32に表示されたガソリン10(L))を自動車2にセルフで給油する。
【0074】
また、給油が選択されなかった場合、例えば、図4に示す給油案内表示部33において、搭乗者の操作により、「いいえ」が選択された場合には(ステップS8:NO)、給油するガソリン量を搭乗者が指定し、指定されたガソリン量がセットされ(ステップS14)、当該ガソリン量が給油される。具体的には、給油するガソリンの量を指定する案内画面等を表示し、搭乗者の所定の操作により当該量が入力できるようになっている。
【0075】
一方、ステップS5において、システム制御部22は、目的地に到達するまでにガソリン量が不足しないと判断した場合には(ステップS5:NO)目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油の可否を問う案内を搭乗者に対して提示する(ステップS12)。
【0076】
図6は、目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油の可否を問う案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【0077】
図6に示すように、表示画面70において、目的地までの距離表示部71には目的地までの距離として100(km)であることが、必要となるガソリン表示部72には目的地に到着するまで必要なガソリンが10(L)であることが、残量表示部73には自動車のガソリンの残量が15(L)であることが、給油案内表示部74には給油の可否を問う案内及び給油の可否を選択するボタンが、経路表示部34には経路の詳細が夫々表示されている。また、給油案内表示部74には、現在の残量で走行可能である旨の案内があわせて通知されるようになっている。
【0078】
図3の説明に戻り、給油が選択された場合、例えば、図6に示す給油案内表示部74において、搭乗者の操作により、「はい」が選択された場合には(ステップS13:YES)、ステップS14に移行する。
【0079】
また、給油が選択されなかった場合、例えば、図6に示す給油案内表示部74において、搭乗者の操作により、「いいえ」が選択された場合には(ステップS13:NO)、システム制御部22は、処理を終了する。
【0080】
以上説明したように、上記実施形態によれば、システム制御部22は、予定走行距離と燃費を取得し、予定走行距離と燃費に基いて、目的地に到達するまでに必要なガソリン量を算出し、ガソリンが自動車2に供給される前に、搭乗者に対して提示するようにしたので、搭乗者は本来的に必要なガソリン量(例えば、目的地に到着するために必要なガソリンの量)を知得し購入することができる。
【0081】
従って、搭乗者は自己の経済的事情を鑑みてガソリンを購入することができ、併せて、必要なガソリン量のみの購入を喚起することができるため、省エネルギー化にも貢献することができる。
【0082】
また、システム制御部22は、自動車2に現在搭載されているガソリンの残量を示す残量情報を取得し、当該ガソリンの残量と、上記予定走行距離及び燃費に基いて、自動車2に供給されるべきガソリン量を算出し、当該ガソリン量を、ガソリンの消費量に関する情報として搭乗者対して提示するようにしたので、搭乗者は現在搭載されているガソリンの残量を考慮しつつ、更に本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0083】
従って、搭乗者は自己の経済的事情を鑑みてガソリンを購入することができ、併せて、必要なガソリン量のみの購入をさらに喚起することができるため、省エネルギー化にも貢献することができる。
【0084】
また、システム制御部22は、ガソリンスタンドから目的地までの経路を、上記ガソリンの消費量に関する情報と共に、当該経路を示す経路情報を搭乗者に対して提示するようにしたので、搭乗者は、例えばカーナビゲーション装置等の経路案内装置を所有していない場合であっても、目的地までの経路を正確に把握しつつ、本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0085】
また、搭乗者は、車載装置3で算出された経路よりも最適な経路を知得し、選択することができる。
【0086】
また、搭乗者が、ガソリンの供給を受けるために、自動車2のエンジンを切ることにより車載機器3の情報を閲覧できなくなった場合でも、目的地までの経路を正確に把握しつつ、本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
また、システム制御部22は、当該経路情報と共に、当該経路の周辺に設置された施設に関する情報、当該経路の周辺で開催されるイベントに関する情報、当該経路における交通情報の少なくとも何れか一つを、搭乗者に対して提示するようにしたので、搭乗者は、現在の経路の情報を鑑みつつ、前記経路に応じた、本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0087】
また、搭乗者は、ガソリンの給油中においても上記情報を閲覧することができるため、当該給油中の時間を有効活用することができる。そして、店の経営者等は、上記搭乗者に対して当該店の案内や広告等を提供することができ、自己の店の売上向上を図る機会を得ることができる。
【0088】
また、システム制御部22は、搭乗者により入力部11から自動車2の車種を示す車種情報が入力、或いは車載装置3からスロット部12又は通信部15を通じて車種情報が取得されることにより、当該車種に応じた燃費情報が記憶部16又は上述したサーバから取得されるようにしたので、搭乗者の自動車に当該燃費情報を計測する装置が備わっていない場合であっても、搭乗者は、本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0089】
また、システム制御部22は、ガソリンスタンドから目的地までの経路及び予定走行距離と燃費を、スロット部12、又は通信部15を通じて取得するようにしたので、搭乗者は、煩雑な操作を必要とせず、搭乗者が本来的に必要なガソリン量を知得し購入することができる。
【0090】
また、上記実施形態においては、本願の情報提供装置をガソリン供給装置1に対して適用した場合の例を示したが、その他にも例えば、車載用ナビゲーション装置等の車載用の電子機器に対しても適用可能である。また、携帯電話機、携帯型ナビゲーション装置、PDA等の携帯端末に対しても適用可能である。
【0091】
また、上記移動体には、自動車の他、航空機又は船舶等の各種移動手段を適用することが可能である。
【0092】
また、上記エネルギーには、ガソリン、軽油、バイオ燃料(バイオディーゼル、バイオガス、バイオマスエタノール)及び気体燃料(液化石油ガス、天然ガス、水素)等の資源エネルギーや電力等に代表される電気エネルギー等の各種エネルギーを適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本実施形態に係るガソリン供給装置1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るガソリン供給装置1の動作を示すフローチャートである。
【図4】目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油を促す案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【図5】複数の経路毎に目的地に到達するまでに必要なガソリン量及び給油を促す案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【図6】目的地に到着するまで必要なガソリン量及び給油の可否を問う案内が表示されたディスプレイ18上における表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ガソリン供給装置
2 自動車
3 車載装置
11 入力部
12 スロット部
13 音声処理部
14 スピーカ
15 通信部
16 記憶部
17 表示制御部
18 ディスプレイ
18a タッチパネル
19 CPU
20 ROM
21 RAM
22 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供装置であって、
前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得手段と、
単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得手段と、
前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出手段と、
算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記移動体に現在搭載されているエネルギーの残量を示す情報を取得するエネルギー残量取得手段をさらに備え、
前記消費量算出手段は、前記エネルギーの残量と前記エネルギーの消費量に基いて、前記移動体に供給されるべきエネルギー量を算出し、
前記提示手段は、前記算出された供給されるべきエネルギー量を、前記エネルギーの消費量に関する情報として提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記供給場所から目的地までの一又は複数の経路を地図データに基いて算出する経路算出手段をさらに備え、
前記消費量算出手段は、前記経路にしたがって移動した場合の前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出し、
前記提示手段は、前記エネルギーの消費量に関する情報と共に、前記経路を示す情報を、提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提供装置において、
前記提示手段は、前記経路を示す情報と共に、当該経路の周辺に設置された施設に関する情報を提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項3又は4の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記提示手段は、前記経路を示す情報と共に、当該経路の周辺で開催されるイベントに関する情報を提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項3乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記提示手段は、前記経路を示す情報と共に、当該経路における交通情報を提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記移動体の種別を示す情報を取得する種別情報取得手段と、
前記消費エネルギー情報取得手段は、前記移動体の種別に応じた単位距離あたりに消費する予定エネルギー量を示す情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記移動体に搭載される車載装置との間で通信を行う通信手段をさらに備え、
前記目的地を示す情報、前記目的地までの予定移動距離を示す情報、及び前記単位距離当たりに消費される予定エネルギー量を示す情報のうちの少なくとも何れか一の情報は、前記通信手段と前記車載装置との通信が確立されたときに、前記通信手段を通じて取得されることを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記移動体に搭載される車載装置に対して着脱可能な情報記録媒体であって、前記目的地を示す情報、前記目的地までの予定移動距離を示す情報、及び前記単位距離当たりに消費される予定エネルギー量を示す情報のうちの少なくとも何れか一の情報を記録する情報記録媒体を装着する装着手段をさらに備え、
前記目的地を示す情報、前記目的地までの予定移動距離を示す情報、及び前記単位距離当たりに消費される予定エネルギー量を示す情報のうちの少なくとも何れか一の情報は、前記装着手段に装着された前記情報記録媒体から取得されることを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供方法であって、
前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得工程と、
単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得工程と、
前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出工程と、
算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示工程と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項11】
所定のエネルギーを消費して移動する移動体の搭乗者に対して当該エネルギーの供給場所において前記エネルギーの消費量に関する情報を提供する情報提供装置に含まれるコンピュータを、
前記供給場所から目的地までの予定移動距離を示す情報を取得する距離情報取得手段、
単位距離あたりに消費される予定エネルギー量を示す情報を取得する消費エネルギー情報取得手段、
前記予定移動距離と前記予定エネルギー量に基いて、前記エネルギーの消費量を算出する消費量算出手段、
算出された前記エネルギーの消費量に関する情報を、前記エネルギーが前記移動体に供給される前に、前記搭乗者に対して提示する提示手段、
として機能させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−107484(P2010−107484A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282513(P2008−282513)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】