説明

感光性ポリイミド

【課題】優れた耐熱性、化学抵抗性及び柔軟性を有し、液状フォトレジスト若しくはドライフィルムレジストにおいて使用することができ、又はソルダーレジスト、カバーレイフィルム若しくはプリント回路板において使用することができる感光性ポリイミドを提供する。
【解決手段】ジアミンモノマーと酸二無水物モノマーとを反応させてポリイミドを生成させる際に、酸二無水物モノマーの側鎖にOH基等の反応性官能基を含有させ、その反応性官能基と不飽和基含有エポキシ化合物、例えばメタクリル酸グリシジルとを反応させて変性し、感光性ポリイミドとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状フォトレジスト若しくはドライフィルムレジストとして使用するための、又はソルダーレジスト、カバーレイフィルム若しくはプリント配線板において使用するための、感光性ポリイミドに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子製品は軽量及び小型に作られる。したがって、種々の電子部品が小型化されている。フレキシブルプリント配線板は柔軟性及び重量に関して優れており、耐高温性なので、それらのフレキシブルプリント配線板への需要が増加している。例えば、現在普及している移動電話、LCD、PLED及びOLEDなどの電子製品は全てフレキシブルプリント配線板を利用している。従来のシリコン若しくはガラス基質と比較すると、ソフトボードとも呼ばれるフレキシブルプリント配線板はより良好な柔軟性を有する。普通、フレキシブルプリント配線板は絶縁された基質、バインダー及び銅導体からなる。その上、フレキシブルプリント配線板上の銅回路を酸化、又は環境湿度による影響から守るため、普通、絶縁された基質及びバインダーから構成されるカバーレイフィルムを通常同板上に施している。
【0003】
カバーレイフィルムは、その材料によって3つの型:感光性カバーレイ、非感光性カバーレイ及び熱可塑性カバーレイに分類することができる。感光性カバーレイは、ポリイミドベースとすることができ(PI系カバーレイ)又は非ポリイミドベースとすることができる(非PI系カバーレイ)一方で、非ポリイミドベースカバーレイの利用は、より耐熱性が低く、熱膨張係数が高いため限定的である。非感光性カバーレイに関しては、その製造は感光性カバーレイの製造よりも複雑であり、非感光性カバーレイは感光性カバーレイのように有用ではない。熱可塑性カバーレイに関しては、穴を形成する後加工を要し、感光性カバーレイのように使用が便利ではない。
【0004】
従来の感光性ポリイミドは、対応するポリアミド酸若しくはポリアミドエステル前駆体から生成されている。しかし、この生成には、高温硬焼き(すなわち300℃を超える温度での焼結)を要するので、銅回路が酸化され易く、製品の電気的性質及び信頼性が悪影響を受ける。特開2003−345007号公報は、高温硬焼きを含まない方法であって、ネガ型感光性ポリイミドを形成するように、主鎖において第三級アミノ基を含有するアクリレートモノマーと、−COOH基を含有する可溶性ポリイミドとの間にイオン結合を形成させるステップを含む方法によって生産することができる感光性ポリイミドを開示している。しかし、この特開公報の場合のポリイミドは、より厚いポリイミドフィルム、カバーレイフィルム又はソフトボードが必要とされる用途には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低い温度で硬化可能であり、厚いフィルムとして形成することができ、より良好な反応性、安定性及び耐熱性を有する感光性ポリイミドを提供する。
【0006】
本発明は、保護材料又はフォトレジストとして使用するための、上述の感光性ポリイミドを含む感光性組成物をさらに提供する。本発明の感光性組成物は、卓越した電気的性質、耐熱性、柔軟性及び化学抵抗性を有し、ソルダーレジスト、カバーレイ及びプリント配線板において用いるための保護材料として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明による感光性ポリイミドは、下記の式(I)の構造を有し、
【化1】


式中、
Aは、少なくとも1個の変性基Rを有する4価の有機基を表し、
B及びDは、同一又は異なっており、それぞれ2価の有機基を表し、
Cは、変性基Rを全く有さない4価の有機基を表し、
mは、0を超える整数を表し、
nは、0又は0を超える整数を表しており、
この場合、この変性基Rは、
【化2】


(式中、Rは不飽和基を含有するビニル基を表す)からなる群から選択され、不飽和基を含有する前記ビニル基は、下記:
【化3】


(式中、Rは、H又はメチルであり、o及びpは、それぞれ整数0〜6、好ましくは2〜4を表す)から選択されることが好ましい。
【0008】
本発明の式(I)の感光性ポリイミドの4価有機基A及びCは、特に限定されない。例えば、それらは4価の芳香族基又は4価の脂肪族基とすることができる。Aは、
【化4】


(式中、Rは、
【化5】


から選択される有機基である)から選択されることが好ましく、上式において、
は、本明細書において上記に定義した通りであり、
は、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−C(CH−又は−C(CF−であり、
は、−H又は−CHであり、
Xは、−O−、−NH−又は−S−である。
【0009】
Aは、
【化6】


(式中、Rは、本明細書において上記に定義した通りである)から選択されることがより好ましい。
【0010】
上述の式(I)において、Cは独立に、
【化7】


(式中、
、R、及びXは、本明細書において上記に定義した通りであり、
は、OH、COOH又はNHである)からなる群から選択される。
【0011】
Cは、
【化8】


からなる群から選択されることが好ましい。
【0012】
式(I)において、B及びDは、それぞれ2価有機基を表す。B及びDは独立に、
【化9】


(式中、
は、H、メチル又はエチルであり、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、メトキシ、エトキシ、ハロゲン、OH、COOH、NH又はSHであり、
aは0を超える整数であり、
bは0を超える整数であり、
cは0〜4の整数であり、
dは0〜4の整数であり、
は、共有結合、又は
【化10】


(式中、w及びxはそれぞれ0を超える整数を表し、R11は、−S(O)−、−C(O)−、共有結合、又は置換された若しくは非置換のC〜C18有機基である)から選択される基である)からなる群から選択されることが好ましい。
【0013】
B及びDは独立に、
【化11】


(式中、yは1〜12の整数、好ましくは1〜6の整数である)からなる群から選択されることが好ましい。
【0014】
ポリイミドに感光性基を付与し、それにより放射線硬化機構を利用することができるために、本発明では、C=C二重結合などの感光性基を有するエポキシ化合物でポリイミドを変性させる。本発明において利用されるエポキシ化合物は、ポリイミド中の−OH及び−COOHなどの反応性基と反応することができ、こうしてポリイミドを変性させる。本発明において使用されるエポキシは、
【化12】


(式中、RはH又はメチルであり、o及びpはそれぞれ0〜6の整数、好ましくは2〜4の整数を表す)であることが好ましいが、それらに限定されない。
【0015】
本発明の感光性ポリイミドは、当業者に知られている任意の従来の重合方法であり、次のステップ:
(a)式HN−P−NHのジアミンモノマーを、式
【化13】


の酸二無水物モノマー、及び他の酸二無水物モノマー
【化14】


と反応させて、次の式(1):
【化15】


(式中、Gは、OH、COOH又はNHの基などの反応性官能基である)の化合物を形成するステップ、並びに、GがCOOHである場合、次のステップ:
(b)エポキシ化合物、例えばメタクリル酸グリシジルを、ステップ(a)から得られた生成物に添加して、式(2):
【化16】


(式中、f+g=iである)の化合物を形成するステップ
を実施する方法などの重合方法により生成させることができる。
【0016】
感光性ポリイミドを調製する上記の方法において、本発明に適したジアミンモノマーには、下記:
【化17】


(式中、
は、H、メチル又はエチルを表し、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、メトキシ、エトキシ、ハロゲン、OH、COOH、NH又はSHを表し、
aは0を超える整数であり、
bは0を超える整数であり、
cは0〜4の整数であり、
dは0〜4の整数であり、
は、共有結合、又は
【化18】


(式中、w及びxはそれぞれ0を超える整数を表し、R11は、−S(O)−、−C(O)−、共有結合、又は置換された若しくは非置換のC〜C18有機基である)から選択される基である)が含まれるが、それらに限定されない。
【0017】
上述のジアミンモノマーは、下記又はそれらの混合物:
【化19】


(式中、yは1〜12の整数、好ましくは1〜6の整数である)から選択されることが好ましい。
【0018】
感光性ポリイミドを調製する上記の方法において、反応性官能基を含有する酸二無水物モノマーは、下記又はそれらの混合物:
【化20】


(式中、
は、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−C(CH−又は−C(CF−を表し、
は、−H又は−CHを表し、
は、OH、COOH又はNHを表し、
Xは、−O−、−NH−又は−S−である)から選択することができる。
【0019】
感光性ポリイミドを調製する上記の方法において、他の酸二無水物モノマーは特に限定されず、反応性官能基を含有することができ、又は反応性官能基を含有しない。反応性官能基を含有しない適切な酸二無水物モノマーは、当業者によく知られており、例えば、
【化21】


(式中、
E、F及びHは、それぞれ共有結合、又は置換された若しくは非置換のC〜C20飽和若しくは不飽和、環状若しくは鎖状有機基であり、
20は、共有結合、又は下記から選択される基を表す)が含まれるが、それらに限定されない:
【化22】

【0020】
好ましくは反応性官能基を含有しない酸二無水物モノマーは、下記:
【化23】


から選択される化合物であることが好ましいが、それらに限定されない。
【0021】
本発明は、少なくとも約1%の式(I)の感光性ポリイミド、光開始剤、及び溶媒を含む感光性組成物をさらに提供する。本発明の感光性組成物は、液状フォトレジスト若しくはドライフィルムレジストとして使用することができ、又はソルダーレジスト、カバーレイフィルム若しくはプリント配線板において使用することができる。本感光性組成物の構成成分の重量百分率は、所望される製品の要求を満たすように調節することができる。通常、式(I)の感光性ポリイミドは、本感光性組成物の全重量に対して少なくとも約1重量%、好ましくは5重量%〜90重量%の量で存在し、光開始剤は、感光性組成物の全重量に対して少なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.01重量%〜10重量%の量で存在する。
【0022】
本発明により、上述の組成物に適した光開始剤は、特に限定されず、ベンゾフェノン、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、N−フェニルグリシン、9−フェニルアクリジン、ベンジルジメチルケタール、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。この光開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドであることが好ましい。
【0023】
本発明により、上述の組成物に適した溶媒は、特に限定されず、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフオキシド(DMSO)、トルエン、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0024】
光架橋度を上げ、フィルム形成性状を向上させるため、本発明の感光性組成物は、場合によって分子を架橋させるための反応性モノマー若しくは短鎖オリゴマーを含む。本発明により、適切な反応性モノマー若しくはオリゴマーは、特に限定されず、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フタル酸β−メタクリロイルオキシエチルヒドロジエン、コハク酸β−メタクリロイルオキシエチルヒドロジエン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸フェノキシエチル、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、コハク酸β−アクリロイルオキシエチルヒドロジエン、アクリル酸ラウリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリルオキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリルオキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンングリコールジアクリレート、ポリプロピレンングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリルオキシ−3−メタクリルオキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1−アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、アクリル酸イソステアリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレンングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水素化ビス[4−(アクリルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリルオキシポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−ベンゼンカルボン酸トリアリル、トリアリルアミン、クエン酸トリアリル、リン酸トリアリル、アロバルビタール、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、二硫化ジアリル、ジアリルエーテル、シアヌル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,3−ジアリルオキシ−2−プロパノール、硫化ジアリル、マレイン酸ジアリル、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレートからなる群から選択することができる。この反応性モノマー若しくはオリゴマーは、存在する場合、本発明の感光性組成物の全重量に対して少なくとも約0.1重量%、好ましくは0.1重量%〜30重量%の量で存在する。
【実施例】
【0025】
本発明は、下記の実施例によりさらに記述されるであろう。この記述は、本発明の範囲を限定するためよりも、むしろ本発明を例証するためだけに使用される。当業者によって容易に達成することができるどんな修正又は等価物も、本明細書及び添付する特許請求範囲の開示の範囲内にあるものである。
【0026】
実施例において、使用されている略語は、下記の通り定義される:
【化24】


6FDA:4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス−(無水フタル酸
DMDB:2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン
ODA:4,4’−オキシジアニリン
GMA:メタクリル酸グリシジル
TBAB:臭化tert−ブチルアンモニウム
MEHQ:メチルヒドロキノ
DMAc:ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチルピロリドン
【0027】
実施例1:GMA変性ポリイミド(P1)の合成
64.85g(0.2モル)のDA1及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、300mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク(dean−stark)装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P1を得た。
【0028】
実施例2:GMA変性ポリイミド(P2)の合成
73.256g(0.2モル)のDA2及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、350mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P2を得た。
【0029】
実施例3:GMA変性ポリイミド(P3)の合成
100.074g(0.2モル)のDA3及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、450mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P3を得た。
【0030】
実施例4:GMA変性ポリイミド(P4)の合成
124.1g(0.2モル)のDA4及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、550mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、12.22g(0.1モル)のGMA、0.03gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P4を得た。
【0031】
実施例5:GMA変性ポリイミド(P5)の合成
126.9g(0.2モル)のDA5及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、550mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、12.22g(0.1モル)のGMA、0.03gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P5を得た。
【0032】
実施例6:GMA変性ポリイミド(P6)の合成
115.7g(0.2モル)のDA6及び42.46g(0.2モル)のDMDBを、500mLのNMPに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P6を得た。
【0033】
実施例7:GMA変性ポリイミド(P7)の合成
64.85g(0.2モル)のDA1及び40.05g(0.2モル)のODAを、300mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P7を得た。
【0034】
実施例8:GMA変性ポリイミド(P8)の合成
73.26g(0.2モル)のDA2及び40.05g(0.2モル)のODAを、350mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P8を得た。
【0035】
実施例9:GMA変性ポリイミド(P9)の合成
100.074g(0.2モル)のDA3及び40.05g(0.2モル)のODAを、450mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P9を得た。
【0036】
実施例10:GMA変性ポリイミド(P10)の合成
124.1g(0.2モル)のDA4及び40.05g(0.2モル)のODAを、550mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、12.22g(0.1モル)のGMA、0.03gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P10を得た。
【0037】
実施例11:GMA変性ポリイミド(P11)の合成
126.9g(0.2モル)のDA5及び40.05g(0.2モル)のODAを、550mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、12.22g(0.1モル)のGMA、0.03gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P11を得た。
【0038】
実施例12:GMA変性ポリイミド(P12)の合成
115.7g(0.2モル)のDA6及び40.05g(0.2モル)のODAを、550mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P12を得た。
【0039】
実施例13:GMA変性ポリイミド(P13)の合成
57.85g(0.1モル)のDA4、44.42g(0.1モル)の6FDA及び40.05g(0.2モル)のODAを、500mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P13を得た。
【0040】
実施例14:GMA変性ポリイミド(P14)の合成
63.45g(0.1モル)のDA5、44.42g(0.1モル)の6FDA及び40.05g(0.2モル)のODAを、500mLのDMAcに添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで50℃まで加温し、4時間撹拌した。その後、50mLのキシレンを添加し、ディーン−スターク装置により130℃で水分を除去した。水分を完全に除去した後、この溶液を室温まで冷却し、6.11g(0.05モル)のGMA、0.015gのTBAB及び0.06gのMEHQを添加した。この添加が終わった後、溶液を90℃まで加温し、12時間撹拌して、P14を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の感光性ポリイミド
【化1】


(式中、
Aは、少なくとも1個の変性基Rを有する4価の有機基を表し、
B及びDは、同一又は異なっており、それぞれ2価の有機基を表し、
Cは、変性基Rを全く有さない4価の有機基を表し、
mは、0を超える整数を表し、
nは、0又は0を超える整数を表し、
前記変性基Rは、
【化2】


(式中、Rは不飽和基を含有するビニル基を表す)からなる群から選択される)。
【請求項2】
前記不飽和基を含有するビニル基が、
【化3】


(式中、
は、H又はメチルを表し、o及びpは、それぞれ0〜6の整数を表す)
からなる群から選択される、請求項1に記載の感光性ポリイミド。
【請求項3】
Aが、
【化4】


(式中、
は、請求項1において定義した通りであり、
は、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−C(CH−又は−C(CF−であり、
は、−H又は−CHであり、
Xは、−O−、−NH−又は−S−である)
からなる群から選択される、請求項1に記載の感光性ポリイミド。
【請求項4】
Aが、
【化5】


(式中、Rは、請求項1において定義した通りである)
からなる群から選択される、請求項3に記載の感光性ポリイミド。
【請求項5】
Cが、
【化6】


(式中、R、R、及びXは、請求項3において定義した通りであり、Rは、−OH、−COOH又はNHを表す)
からなる群から選択される、請求項1に記載の感光性ポリイミド。
【請求項6】
Cが、
【化7】


からなる群から選択される、請求項5に記載の感光性ポリイミド。
【請求項7】
B及びDが、それぞれ、
【化8】


(式中、
は、H、メチル又はエチルであり、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、メトキシ、エトキシ、ハロゲン、OH、COOH、NH又はSHであり、
aは0を超える整数であり、
bは0を超える整数であり、
cは0〜4の整数であり、
dは0〜4の整数であり、
は、共有結合、又は
【化9】


(式中、w及びxはそれぞれ0を超える整数を表し、R11は、−S(O)−、−C(O)−、共有結合、又は置換された若しくは非置換のC〜C18有機基である)から選択される基である)
からなる群から選択される2価有機基を表す、請求項1に記載の感光性ポリイミド。
【請求項8】
B及びDが、それぞれ
【化10】


(式中、yは1〜12の整数を表す)
からなる群から選択される2価有機基を表す、請求項7に記載の感光性ポリイミド。
【請求項9】
請求項1に記載の感光性ポリイミドと光開始剤とを含む、感光性組成物。
【請求項10】
反応性モノマー又はオリゴマーをさらに含む、請求項9に記載の感光性組成物。
【請求項11】
液状フォトレジスト又はドライフィルムレジストにおいて使用するための、請求項9に記載の感光性組成物。

【公開番号】特開2010−150506(P2010−150506A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−184778(P2009−184778)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▲ふん▼有限公司 (30)
【Fターム(参考)】