説明

成形品の製造方法

【課題】成形工程のみで複数の成形品表面特性を担持させることのできる製造方法を提供する。
【解決手段】コア層の少なくとも一部に、少なくとも一層のスキン層を有する成形品の成形方法であって、前記コア層用の合成樹脂のビカット軟化点以上の温度で、コア層を成形すると共に該コア層と二種以上の固体シートを積層する工程を有する成形品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア層の少なくとも一部に、少なくとも一層のスキン層を有する合成樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製品には用途分野によって求められる物理的性質が異なるので、許容される範囲で最も経済的な材料が選択される。
【0003】
選択された材料だけで所望の外観が得られない場合や所望の性能が発現できない場合には、まず多層成形やインモールド成形が実施されてきた(特許文献1,2)。しかしながら、多層成形では必要な個数の極めて高価なシリンダー機構が必要な上に金型制作費も高額になる欠点があり、インモールド成形では一種類の挿入物にしか対応できない欠点があった。
【0004】
また、成形品の表面外観の改善手段としては、彫刻、エッチング等によって模様類を刻み付けた射出成形用金型を用いて、樹脂を射出成形する方法も一般的に実施されてきた。しかし、この方法には金型製作費が高くつくので少量多品種の分野には適さないという欠点の他、形状や模様はともかく、それらの上に沿った微妙な意匠の印刷が行えないという問題点があった。
【0005】
そこで、成形品表面の改善には主として、後加工による表面加飾が実施されてきた。印刷を必要とする場合には、一旦、金型等で成形品を製造しておき、ホットスタンプ等の二次加工により印刷するという方法をとっていた。しかしながら、この方法は転写面が比較的平坦でないと実施出来ないという制約があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−329109号公報
【特許文献2】特開2003−80557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最終製品の高機能化要求の中で、製品を形成する樹脂も物理的特性とコストが優先的選択基準に成っていた。一方で最終製品に求められる外観特性も高度化・多様化する中で、従来は成形後の二次加工で対応してきたために、手間とコストを要する上に単一の要求品質を満たせるに留まっていた。
【0008】
本発明は上述の問題点を全て解決しただけではなく、成形工程のみで複数の成形品表面特性を担持させることのできる製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の目的を達成するために、合成樹脂成形を、物理的特性を発現させるコア層と外観特性を発現させるスキン層とに分けて発想した。また、合成樹脂の成形方法である射出成形、押出成形、熱成形の融合を意識して鋭意検討した結果、二種類以上の固体シートを成形時に用い、コア層を形成する合成樹脂のビカット軟化点以上の温度で成形することにより、複数の要求特性を同時に達成するという画期的技術を開発し、本発明を完成した。
【0010】
つまり、本発明は、成形工程の具備している熱と圧力をそのまま利用し、溶融樹脂の粘着性により表皮に異なる素材を熱・圧着する技術であり、コアと成る樹脂に基本的な物性を担わせ、スキン層に多様な外観特性を担わせる技術である。
【0011】
即ち、本発明の成形品の製造方法は、コア層の少なくとも一部に、少なくとも一層のスキン層を有する成形品の成形方法であって、前記コア層用の合成樹脂のビカット軟化点以上の温度で、コア層を成形すると共に該コア層と二種以上の固体シートを積層する工程を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の成形品の製造方法においては、前記二種以上の固体シートが張設された金型内に、前記コア層用の合成樹脂を射出し、該コア層用の合成樹脂と前記固体シートを圧着すること、が好ましい
また、前記コア層用の合成樹脂が、ダイスを出てから冷却ロールに到達するまでの間に、前記コア層用の合成樹脂と前記固体シートを圧着することが好ましい。
【0013】
また、前記固体シートの少なくとも一種類が、ビカット軟化点100℃以下の合成樹脂シートであることが好ましい。
【0014】
また、前記固体シートの少なくとも一種類が非熱溶融シートであることが好ましい。
【0015】
また、成形品の冷却固化後に、固体シートを剥離する工程を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、成形工程のみで複数の成形品表面特性を担持させることができる。
【0017】
合成樹脂は、易成形性・強靭性・軽量性・防水性・非腐食性、電気絶縁性等の優れた特性を持ちながら比較的安価であることから、日用品に多用されてきた。しかしながら従来の合成樹脂製品の外観は、低品位な質感を与える事は否めなかった。
【0018】
本発明により、設計の自由度が飛躍的に向上するばかりではなく、全く新しい複合製品を提供することも可能である。例えば、スキン層は、必要に応じて樹脂以外のシート状の非熱溶融物(布、紙、ガラスクロス、金属箔など)を用いることで、樹脂と全く異なる特性を発現することが出来る。
【0019】
また、例えば、予め押出し成形で得られた樹脂シートを、射出金型内や熱成形金型内で熱圧着することでスキン層とするなど、既存の各種成形方法を融合することで全く新しい意匠が可能となる。
【0020】
また、例えば、布や紙の持つ多様な模様や高品位な質感と、印刷を施されることによる鮮やかな外観を合わせ持つ樹脂製品等を、極めて経済的で簡便な方法で製造することが可能となった。しかも、本発明による成形品は単なる美麗な外観または多様な物性を保持しているので、合成樹脂の新しい活用の道を拓くものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
<成形品>
本発明により製造される成形品は、コア層の少なくとも一部に、少なくとも一層のスキン層を有する成形品である。
【0023】
スキン層は、例えば柔軟性、ノンスリップ性、断熱性、導電性、色彩、絵柄、光沢等、コア層とは異なる特性を有する層であり、コア層表面の全面に形成されていてもよいし、コア層表面の一部に形成されていてもよい。また、スキン層は一層でもよいし、複数層形成されていてもよい。
【0024】
<コア層>
コア層を形成するコア層用の合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロプレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、PC/ABSアロイ樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)等が挙げられる。
【0025】
<固体シート>
本発明で用いる固体シートは、所望のスキン層、好ましくはコア層と異なる特性を有するスキン層を形成し得るシートまたは成形表面に所望の意匠を付与し得るシートであり、例えば、それ自身が積層されてスキン層を形成するスキン層形成シート、スキン層となる転写層を転写する転写シート、それ自身の凹凸パターンを転写する凹凸パターン形成シート等が挙げられる。
【0026】
スキン層形成シートとしては、それ自身が積層されてスキン層を形成するシートであれば特に限定されないが、例えば合成樹脂シート等が挙げられる。
【0027】
合成樹脂シート用の合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、動的架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性加硫エラストマー(TPV樹脂)、ポリエチレン(PE)、ポリプロプレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、PC/ABSアロイ樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)等が挙げられる。合成樹脂シートは、これらの樹脂の単層シートでもいいし、二種以上の樹脂の多層シートでもよく、押出し成形やロール成形により加工することができる。
【0028】
また、スキン層形成シート用の合成樹脂は、コア層との熱融着性の観点から、コア層用の合成樹脂との相溶性を考慮して選択することが好ましい。例えば、コア層用の樹脂にABS、スキン層形成シート用の樹脂にPMMAを用いたり、コア層用の樹脂にPP、スキン層形成シート用の樹脂にPEを用いたりすること等が挙げられる。また、スキン層形成シート用の合成樹脂として、コア層用の合成樹脂と非相溶性の樹脂を選択する場合には、いずれか一方の樹脂に相溶化剤を添加することが好ましい。例えば、コア層用の樹脂にPP、スキン層形成シート用の樹脂にABSを用いる場合には、いずれか一方の樹脂にPPとABSのグラフト体を所要量添加しておくと良い。
【0029】
更に、スキン層形成シート用の合成樹脂として、ビカット軟化点が100℃未満のものを用いると、コア層との積層前のシート予備加熱を不要にでき、好ましい。ビカット軟化点が100℃未満の合成樹脂は、例えば可塑剤やガラス転移点の低い樹脂等を添加して、ビカット軟化点を100℃未満に調整した樹脂でもよい。
【0030】
合成樹脂シート以外のスキン層形成シートとしては、和紙等の紙、木製シート、織物、編物等の布地、ガラスクロス、ステンレス金網、皮革、金属箔などの非熱溶融シートが挙げられる。ここで、非熱溶融シートとは、コア層と固体シートを積層する温度で溶融しないシートを意味する。
【0031】
転写シートとしては、スキン層となる転写層を転写できるシートであれば特に限定されないが、転写層として、例えば、金属箔または導電性ペースト層からなる導電層、ハードコート層、電磁波シールド層、殺菌層、絵柄層等を有するシートが挙げられる。
【0032】
凹凸パターン形成シートとしては、それ自身の凹凸パターンを転写できるシートであれば特に限定されないが、織物、編物等の布地等が挙げられる。布地は、その凹凸パターンを選択することで、多様な凹凸パターンを転写することができる。また布地の表面に、例えばハードコート剤、殺菌剤、電磁波シールド用の金属粉、顔料等を印刷または塗布し、転写シートの基材として使用すれば、スキン層形成と凹凸パターンの転写を同時に行うことができる。さらに、布地は転写シートやスキン層形成シートの延性を補完するため、転写シートやスキン層形成シートを布地と共に用いることにより、転写シートやスキン層形成シートが成形品の表面及びキャビティ形状に沿い易くなり、転写シートやスキン層形成シートの皺や破れ等が改善され、歩留まりを向上させることができる。また、布地を用いることによって、従来の模様を刻した金型を用いた射出成形で問題になっていたアンダーカットの虞がなく、その他シルバーストリークス・ウエルドライン等も防止できる。
【0033】
<製造方法>
本発明の製造方法は、コア層用の合成樹脂のビカット軟化点以上の温度で、コア層を成形すると共にコア層と二種以上の固体シートを積層する工程を有する。成形温度がコア層用の合成樹脂のビカット軟化点以上、好ましくはビカット軟化点+50℃以上であれば、溶融樹脂の粘着性により、コア層を成形すると共にコア層と二種以上の固体シートを積層することができる。成形温度の上限は特に限定されないが、コア層用の合成樹脂の分解温度以下であることが好ましい。
【0034】
具体的には、射出成形であれば、二種以上の固体シートが張設された金型内に、ビカット軟化点以上に加熱したコア層用の合成樹脂を射出し、コア層用の合成樹脂と固体シートを圧着することにより、コア層を成形すると共にコア層と固体シートを積層する。
【0035】
また、熱成形であれば、コア層用のシートをビカット軟化点以上に加熱し、コア層用のシートと固体シートを圧着することにより、コア層を成形すると共にコア層と固体シートを積層する。
【0036】
また、押出成形であれば、ビカット軟化点以上に加熱したコア層用の合成樹脂が、ダイスを出てから冷却ロールに到達するまでの間であって、ビカット軟化点以上の温度を維持している間に、コア層用の合成樹脂と固体シートを圧着することにより、コア層を成形すると共にコア層と固体シートを積層する。
【0037】
固体シートの組み合わせは特に限定されないが、コア層側から順に、スキン層形成シート/凹凸パターン形成シート、転写シート/凹凸パターン形成シート、スキン層形成シート/転写シート、スキン層形成シート/転写シート/凹凸パターン形成シート等の組み合わせが挙げられる。
【0038】
転写シートまたは凹凸パターン形成シートを用いた場合には、成形品の冷却固化後に、転写シートのキャリアシートまたは凹凸パターン形成シートを剥離する。これにより、転写層または凹凸パターンが転写される。
【0039】
本発明の方法を実施するための装置は特に限定されないが、二本以上のシート供給ロールと巻き取りロールを有し、成形機とシーケンス上の連動性を有するシート供給機を用いると、より安全に精度良く固体シートを供給できる。また、例えば金型開きと共に、成形品から転写シートのキャリアシートや凹凸パターン形成シートを剥離する機構を有する装置も好ましい。なお、射出成形用の金型は特に限定されないが、絞りの比較的浅いものが好ましい。
【0040】
<作用>
代表的な成形方法である射出成形の場合を例に、本発明の作用を説明する。
【0041】
金型内に張設された固体シートが合成樹脂シートの場合は、ビカット軟化点以上に加熱したコア層用の合成樹脂が金型内に射出されると、金型内に流れ込む溶融樹脂の熱を受けて固体シートの表面が溶融すると共に、射出圧により固体シートがコア層用の合成樹脂と融着する。この時、固体シートがビカット軟化点100℃以下の合成樹脂からなると、コア層との密着性が高いので、より好ましい。そして、金型キャビティ側からは冷却されているので、固体シートはそのままスキン層を形成する。
【0042】
また、金型内に張設された固体シートが非熱溶融シートの場合は、ビカット軟化点以上に加熱して射出されたコア層用の合成樹脂がバインダーとなり、金型内で固体シートとコア層用の合成樹脂が一体化する。この時、固体シート表面にコア層用の合成樹脂と親和性の高い層を印刷等により形成しておけば、その層だけをコア層表面に移行させることが可能である。
【0043】
本発明では、樹脂成形における熱と圧力を利用して二種以上の溶融物を接合させると同時に、溶融樹脂と他の物質の相溶性または非相溶性を利用して、表面の柄や転写層を成形品に転写することも可能である。
【実施例】
【0044】
以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
【0045】
尚、ビカット軟化点の測定は、ISO306(試験加重10N、昇温速度50℃/hr)に準拠した。
【0046】
<実施例1>
(1)シート1(凹凸パターン形成シート)
ポリエステル製タフタ織り布(密度:縦165本/インチ、横110本/インチ)を用意した。
【0047】
(2)シート2(スキン層形成シート)
TPV樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製「HPEのB7200」、ビカット軟化点60℃)を、Tダイ付き押し出し機を用いて0.5ミリ厚のシート状に加工した。
【0048】
(3)成形品の成形
130t射出成形機(東洋機械金属社製)に、外形120mm角、厚み2mmの容器を射出成形する金型を取り付け、金型のキャビティ側のパーテイング面に、シート1及びシート2を、シート2が金型のコア側になるようにキャビティ部全体を覆いながら接着テープを用いて張設せしめた。
【0049】
その後、型締めし、金型のコア側に設けられたゲートより、コア材用の合成樹脂として、加熱シリンダー内で200〜220℃に加熱し軟化流動化したPP樹脂((株)プライムポリマー製「プライムポリプロJ232WA」、ビカット軟化点150℃)を金型内に射出した。
【0050】
射出されたPP樹脂が、温水により60℃に冷却されている金型内で固化した後、金型を開き成形された容器を取り出した。
【0051】
得られた容器は、シート2がコア材と一体化してスキン層を形成し、その表面全体にシート1が付着していた。シート1を手で引き剥がしたところ、非常に簡単に成形品から剥がれ、シート1の表面の織模様が、スキン層表面に明瞭に転写されていた。
【0052】
容器の表面は、織模様以外のアンダーカットによるかじり又はシルバーストリーク等は全く見られずTPV樹脂固有のソフトな風合いと織模様を有する外観を呈していた。
【0053】
<実施例2>
(1)シート1(凹凸パターン形成シート兼転写シート)
実施例1のシート1と同じタフタ織り布にシレー加工を施し、その表面にハードコート剤(帝国インキ製造(株)製「UV PAL」)を、ベタ版270メッシュでスクリーン印刷にて印刷した。ハードコート剤にUV照射し硬化させた後、バインダー(十条ケミカル(株)製「B−2」)を、ベタ版200メッシュでスクリーン印刷にて印刷した。
【0054】
(2)シート2(スキン層形成シート)
高硬度ABS樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製「スタイラック026」)を、Tダイ付き押出し機を用いて0.3ミリ厚のシート状に加工した。
【0055】
(3)成形品の成形
実施例1と同じ射出成形機及び金型を用い、金型のキャビティ側のパーテイング面に、シート1及びシート2を、シート1の印刷面及びシート2が金型のコア側になるようにキャビティ部全体を覆いながら接着テープを用いて張設せしめた。
【0056】
その後、型締めし、金型のコア側に設けられたゲートより、コア材用の合成樹脂として、加熱シリンダー内で230〜240℃に加熱し軟化流動化した高強度ABS樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製「スタイラック220」、ビカット軟化点109℃)を金型内に射出した。
【0057】
射出されたABS樹脂が、温水により60℃に冷却されている金型内で固化した後、金型を開き成形された容器を取り出した。
【0058】
得られた容器は、シート2がコア材と一体化してスキン層を形成し、その表面全体にシート1が付着していた。シート1を手で引き剥がしたところ、布のみが非常に簡単に成形品から剥がれ、シート1の表面に印刷されていたバインダー及びハードコート剤、並びにシート1の織模様が、スキン層表面に明瞭に転写されていた。
【0059】
容器の表面は織模様以外のアンダーカットによるかじり又はシルバーストリーク等は全く見られず織模様を有する外観を呈していた。
【0060】
次に、この容器の表面を硬度Hの鉛筆で擦ってテストを試みたが、鉛筆の芯のカーボンを拭き取った後は全く傷が付いていなかった。
【0061】
本例では高強度ABSのコア材に、高硬度ABSの硬度を更に向上させた布柄付きスキン層を供えることで、美麗で耐傷性に優れた表面を持つ極めて強固な容器が有られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層の少なくとも一部に、少なくとも一層のスキン層を有する成形品の成形方法であって、前記コア層用の合成樹脂のビカット軟化点以上の温度で、コア層を成形すると共に該コア層と二種以上の固体シートを積層する工程を有することを特徴とする成形品の製造方法。
【請求項2】
前記二種以上の固体シートが張設された金型内に、前記コア層用の合成樹脂を射出し、該コア層用の合成樹脂と前記固体シートを圧着することを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
【請求項3】
前記コア層用の合成樹脂が、ダイスを出てから冷却ロールに到達するまでの間に、前記コア層用の合成樹脂と前記固体シートを圧着することを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
【請求項4】
前記固体シートの少なくとも一種類が、ビカット軟化点100℃以下の合成樹脂シートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
【請求項5】
前記固体シートの少なくとも一種類が非熱溶融シートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
【請求項6】
成形品の冷却固化後に、固体シートを剥離する工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。

【公開番号】特開2012−116024(P2012−116024A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266033(P2010−266033)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(390010238)株式会社アドユニオン研究所 (6)
【Fターム(参考)】