説明

成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法

【課題】本発明は、ベント部の清掃作業を軽減し、樹脂成形品の生産性を向上できる成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法を提供することを目的とした。
【解決手段】成形型1は、金型本体たる上型2及び下型3と、上型2と下型3を合致させた際に形成される成形キャビティ5と、成形キャビティ5と連通した脱気部10と、脱気部10に配される含浸部材20とを有する。含浸部材20は、樹脂が含浸した状態においては、少なくとも当該樹脂が含浸した部位が他の部位と分離可能な構成とされており、成形キャビティ5内に樹脂が充填され、その樹脂が硬化した後に成形品を離型すると、含浸部材20の一部が成形品側に一体的に付着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注型成形用の成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法に関するもので、特に空気あるいはガスを脱気するベント部が設けられた成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、洗面台や台所用天板、浴槽等は、成形金型に樹脂を注入して成形される樹脂製のものが注目されている。即ち、樹脂成形品は、従来のステンレス鋼やホーロー、陶器製のものと比べると、軽くて丈夫であり、さらに所望の形状に成形し易く意匠性に優れることから、その需要は益々高まっている。
【0003】
特許文献1には、樹脂を注入して成形するための従来の成形型の一例が開示されている。
【0004】
この種の成形型では、樹脂を注入した後に成形キャビティ内に空気が滞留することに起因する成形品不良を防止するために、空気抜き用のベント部(脱気部)が設けられる場合が多い。
【0005】
即ち、ベント部は、成形キャビティと連通する構造とされており、例えばベントノズルとチューブによって構成されている。具体的には、成形キャビティを形成する金型本体にベントノズルが脱着可能に設けられている。そして、そのベントノズルにポリエチレン等の樹脂製のチューブが配されている。即ち、この種の成形型においては、樹脂を注入する際に、樹脂によって押された成形キャビティ内の空気や、樹脂が発泡する際に発生するガスをチューブを介して外部に逃がすことが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−24057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来技術の成形型においては、注入された樹脂によって成形キャビティ内が満たされるが、その樹脂の一部が空気やガスの通気流路であるチューブ内に入り込んでしまうという不具合が知られている。そのため、この種の成形型は、製品を成形した後に、ベント部に入り込んだ樹脂を排除し、ベント部を清掃する必要があった。
【0008】
そこで、従来技術においては、成形後に作業者が金型上部に上がり、樹脂で充填されたチューブと共に、ベントノズルの取り外し作業を行う必要があった。即ち、従来技術の成形型で樹脂を成形する場合、1つの樹脂成形品を成形する度に、上記した作業が必須であるため、実質的に成形するために使用できる時間が圧縮され、生産性の向上を図ることが困難であった。
【0009】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、ベント部の清掃作業を軽減し、樹脂成形品の生産性を向上できる成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、金型本体と、金型本体の内部に形成される成形キャビティと、成形キャビティと連通し当該成形キャビティ内の気体を外部に放出する脱気部を有し、成形キャビティ内に溶融状又は液状の樹脂を充填し、成形キャビティ内で前記樹脂を硬化させて所望の成形品が形成される成形型であって、気体を通気させ樹脂を含浸する含浸部材を有し、含浸部材は脱気部に配されるもので、樹脂が含浸した状態においては、少なくとも当該樹脂が含浸した部位が他の部位と分離可能であることを特徴とする成形型である。
【0011】
本発明の成形型は、成形キャビティ内の気体を外部に放出する脱気部に樹脂を含浸する含浸部材が配されているため、成形キャビティに樹脂を注入した際に、その樹脂の一部が脱気部に侵入するような場合であっても、含浸部材に染み込ませてそれ以上の侵入を阻止することができる。そして、含浸部材に含浸された樹脂は、含浸部材の中で硬化するため、脱気部内を汚す可能性が低い。さらに、含浸部材の中で樹脂が硬化することで、含浸部材と成形キャビティ内の成形品とを一体化させることができる。これにより、製品が形成された後に、その樹脂が含浸した含浸部材を成形品に付着した状態で離型(脱型)することができる。また、例えば、含浸部材が付着する場所を製品の使用の際に見えないような位置に配することで、当該場所の加工をする必要もなくなる。従って、本発明によれば、脱気部を汚す可能性を低くすることができる上、製品が仕上がるまでの時間を短縮することができる。
【0012】
また、本発明では、樹脂が含浸した状態においては、少なくとも当該樹脂が含浸した部位が他の部位と分離可能であるため、成形品を離型する際に、含浸部材の樹脂が染み込んだ部位が成形品に付着し、その他の部位を脱気部に残らせることが可能な構成である。即ち、脱気部に含浸部材が残っている限り、連続的に成形を行うことができる。換言すれば、成形に当てることができる実質的稼働時間を従来よりも十分に確保することができる。
【0013】
以上により、本発明によれば、作業者が金型本体に上る手間等が軽減される上、製品の生産性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、含浸部材は、気体の通気方向に対して交差する方向に切れ目が形成されたものあるいは気体の通気方向に複数の小片が積層されて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の成形型である。
【0015】
かかる構成によれば、含浸部材が気体の通気方向に対して交差する方向に切れ目が形成されたものや、気体の通気方向に複数の小片が積層されて形成されたものを採用するため、成形品を離型する際に、含浸部材の切れ目あるいは小片同士の境界を境に、含浸部材は確実に成形品側と脱気部側に分かれる。従って、本発明によれば、成形に当てることができる実質的稼働時間をより長く確保することができるため、製品の生産性をさらに向上させることができる。
【0016】
ここで、含浸部材は、予め脱気部の所定の位置に配するもので、特に樹脂の脱気部への侵入を軽減するためには、含浸部材の端部が脱気部と成形キャビティの境界部に接するように配することが好ましい。しかしながら、成形品を金型本体から離型すると、含浸部材の一部が成形キャビティの成形品と一体となり、脱気部から離脱するため、含浸部材の残部が脱気部の所定の位置に存在しない状態となる場合がある。換言すれば、成形回数が増えるほど、成形キャビティと含浸部材の距離が拡大される。即ち、このような場合、脱気部に含浸部材が存在していても、成形する度に、脱気部における樹脂の侵入の程度が増すため、本来期待し得る効果が著しく低減してしまう懸念がある。
【0017】
そこで、請求項3に記載の発明は、含浸部材を成形キャビティ側に押圧可能な押圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形型とした。
【0018】
かかる構成によれば、押圧手段によって含浸部材を成形キャビティ側に押圧することができるため、製品を離型した後であっても、含浸部材の残部を再び所定の位置に配することができる。換言すれば、含浸部材を一定距離成形キャビティ側に前進させることができる。即ち、含浸部材が脱気部に存在する限り、脱気部と成形キャビティの境界近傍に含浸部材を配することが可能となり、樹脂の侵入を最適な位置で防ぐことができる。これにより、含浸部材をより有効的に機能させることが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の成形型を用いた樹脂成形品の成形方法であって、成形キャビティ内に溶融状又は液状の樹脂を注入し、含浸部材に前記樹脂が含浸及び/又は付着した状態で金型本体から成形品を取り出す工程を備えたことを特徴とする樹脂成形品の成形方法である。
【0020】
本発明の樹脂成形品の成形方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の成形型を用いた成形方法であり、含浸部材に樹脂が含浸したり付着した状態で、成形品を金型本体から取り出すため、含浸部材を設けたことにより余計な手間が増えることがない。また、前記したように、脱気部の汚れを軽減できる上、連続的に成形作業を行うことができるため、製品の生産性を向上させることが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の成形型、並びに、樹脂成形品の成形方法では、脱気部に成形キャビティに注入された樹脂を含浸する含浸部材を配したため、脱気部に侵入する樹脂を阻止できる上、樹脂による汚れを軽減できる。さらに、本発明では、樹脂が含浸した状態においては、少なくとも樹脂が含浸した部位が他の部位と分離可能であるため、脱気部に残った含浸部材を次回の成形時に有効的に利用することができる。従って、本発明では、連続的に成形作業を行うことが可能となるため、製品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る成形型の内部構造を示す断面図である。
【図2】図1の成形型を使用した成形工程及び各工程(a)〜(c)におけるベント部の様子を示す説明図である。
【図3】図1の成形型を使用した成形工程及び各工程(d)〜(f)におけるベント部の様子を示す説明図である。
【図4】(a)は図1の含浸部材を示す斜視図で、(b)は含浸部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態に係る成形型1について説明する。
【0024】
本発明の実施形態の成形型1は、洗面台を成形するものであり、図1〜3に示すように、金型本体たる上型2と下型3を備えた構成とされている。そして上型2と下型3とを合致させたとき、両者の間に、成形キャビティ5が形成される。
【0025】
また、本実施形態の成形型1は、下部側から樹脂を充填するものであり、下型3側に樹脂の充填孔6が設けられ、図示しない注型ノズルが充填孔6に挿入される。
【0026】
また、本実施形態の成形型1では、上型2側にベント部(脱気部)10が設けられている。通常、ベント部は、円滑に空気を排出するために、成形キャビテイの最も高い位置や、空気が溜まりやすい位置に設けられ、さらに製品となった場合に隠れる(視認しにくい)部分に設けられるものである。本実施形態では、製品が洗面台であるため、洗面台の裏側にあたる位置にベント部10が設けられている。
【0027】
本実施形態では、ベント部10は、図1に示すように、上型2に脱着可能に取付られる本体部11と、押圧手段12と、樹脂を含浸する含浸部材20とによって構成されている。
【0028】
本体部11は、図1に示すように、断面形状が漢字の「十」字型であり、上下方向に貫通した貫通孔13と、その貫通孔13と外部とを連通した気体流通孔14とが設けられている。気体流通孔14は、本体部11の一方の端部側(後述するエアシリンダー12が配される側)に位置しており、貫通孔13とほぼ直交する関係とされている。即ち、双方の孔13、14を流れた気体はほぼ「L」字型の軌跡を描く。
【0029】
また、貫通孔13及び気体流通孔14は、共に断面形状が円形とされている。
【0030】
なお、本体部11は、上型2に取り付けられた際の上型2に挿通される部分の長さが、本体部11の他方の端部(挿通側端部)が成形キャビティ5を形成する上型2の面と平行、且つ、ほぼ同一の高さの位置に配されるように設定されている。
【0031】
本実施形態では、押圧手段12は、公知のエアシリンダーが採用されている。具体的には、押圧手段12は、単動型のエアシリンダーが採用されている。即ち、押圧手段12は、収容部材30と、収容部材30の内外を進退するピストン31を有し、圧縮空気によってピストン31を収容部材30から外部に押し出し、図示しないバネ等の付勢手段によってピストン31を収容部材30の内部に退入させることが可能なものである。また、本実施形態では、ピストン31の先端にピストン31の断面積よりも大きい当接部材32が設けられている。この当接部材32は、本体部11の貫通孔13内に配されるため、外径が貫通孔13の内径とほぼ同じあるいは若干小さく設定されている。
【0032】
なお、本発明では、押圧手段12として単動型のエアシリンダーが採用されたが、複動型のエアシリンダーを採用しても構わない。
【0033】
含浸部材20は、ある程度の通気性があり、且つ液状の樹脂を含浸させることができる素材とされている。即ち、含浸部材20は、フェルト、織物、編み物等の繊維、マット、クロス等の長繊維で作られたもの、スポンジ等の連続気泡の樹脂等が採用可能である。また、ある程度の弾力を有するものであることが望ましい。
【0034】
このような採用基準に基づき、本実施形態では、含浸部材20にフェルトを採用している。
【0035】
含浸部材20たるフェルトは、本体部11の貫通孔13の形状に合わせて形成されたものである。具体的には、本実施形態に採用されたフェルトは、円柱状にされ、外径が本体部11の貫通孔13の内径と同等あるいは若干大きく設定されており、高さ(図1における上下方向長さ)が本体部11の他方の端部(本体部11の挿通側端部)から気体流通孔14に達しない程度の長さに設定されたものである。また、このフェルトには、フェルトの一部を切り離せるように複数(本実施形態では8つ)の切り目24が設けられている。切り目24は、フェルトの高さに対して交差する方向(本実施形態ではフェルトの高さに対して直交する方向)に形成されている。
【0036】
続いて、ベント部10に注目した各部材の位置関係について説明する。
【0037】
本実施形態では、本体部11が上型2に装着され、その本体部11の一方の端部側に押圧手段12が配され、貫通孔13の大半に充填されるように含浸部材20が配されてベント部10が形成されている。具体的には、含浸部材20は、本体部11の他方の端部側(前記一方の端部と対向する端部側)から気体流通孔14近傍まで充填されており、押圧手段12の当接部材32が本体部11の一方の端部側から他方の端部側に向けて押圧できるような配置とされている。また、本実施形態では、含浸部材20の高さが所定の高さを超えない大きさに設定されてるため、含浸部材20や押圧手段12の当接部材32が気体流通孔14を閉塞することがない。
【0038】
また、本実施形態では、図1に示すように、本体部11とエアシリンダー12の境界部に貫通孔13の内周に沿った環状パッキンたるOリング33が設けられている。即ち、Oリング33は、本体部11とエアシリンダー12との密着性を高める配置とされている。即ち、Oリング33によって、本体部11とエアシリンダー12との間には、隙間が殆ど形成されないため、貫通孔13を流通する気体は、気体流通孔14を介して流出入する。
【0039】
次に、本実施形態の成形型1の作用を、洗面台の成形工程に沿って説明する。
【0040】
本実施形態の成形型1は、図2(a)に示すように、上下の型2、3を型閉めした状態で使用される。そして、下型3の充填口6に図示しないノズルを挿入し、液状の樹脂又は加熱溶融状の樹脂を成形キャビティ5に注入する。
【0041】
その結果、図2(b)、(c)に示すように、次第に成形キャビティ5内に樹脂が広がり、成形キャビティ5内の空気が、ベント部10から排出される。即ち、空気は、含浸部材20たるフェルトを通過して外部に排出される。
【0042】
そして、遂には樹脂が成形キャビティ5を満たし、図3(d)に示すように、余剰の樹脂がベント部10に侵入する。
【0043】
ここで、ベント部10の貫通孔13には、フェルト(含浸部材20)が配されており、フェルトには樹脂が染み込むため、ベント部10に侵入する樹脂は、フェルトに染み込んでいく。そのため、ベント部10に侵入する樹脂の流れは、実質的にフェルトで阻止される(図3(d))。
【0044】
そして、成形型1を加熱あるいは冷却することによって、成形型1内の樹脂を硬化させる。
【0045】
その後、ベント部10の気体流通孔14から空気を送り込み、成形品22と成形型1との接着状態を崩壊あるいは弱めてから成形型1を開いて上下の型2、3を分離すると、一部のフェルトが切り目24を境に成形品22側に残る。例えば、図3(e)では、成形品22は、成形型1を分割したときに、下型3側に残り、一番下に位置する切り目24より下方のフェルトは製品たる成形品22と共に下型3に残る。換言すれば、このとき、一番下に位置する切り目24より上方のフェルトはベント部10側に残る。
【0046】
即ち、フェルトの成形キャビティ5側には、樹脂が含浸しており、樹脂の硬化後は、その樹脂が含浸したフェルトが成形品22と一体化する。
【0047】
一方、樹脂が含浸しているのは、フェルトの成形キャビティ5側だけであり、切り目24を越えた隣接するフェルトまでは至っていない。また、樹脂は、貫通孔13の内壁面にも殆ど至ることがないため、含浸部材20と本体部11の間が接着されることがない。
【0048】
そのため、上型2を下型3から引き離すと、上型2のベント部10と製品たる成形品22とは、図3(e)に示すように、含浸部材20の切り目24を境に分離する。即ち、樹脂が含浸した一部の含浸部材20は、成形品22側に付着した状態となる。
【0049】
ここで、本実施形態では、ベント部10は、洗面台の裏面側となる位置にあり、製品たる洗面台を使用する場合には、含浸部材20は使用者から見えない。そのため、その部分を成形後加工しても意匠性を低下させることがない。即ち、本実施形態では、含浸部材20が成形品22の裏側に付着して離型(脱型)されるが、外観を悪くすることがない。
【0050】
また、樹脂は、貫通孔13の内壁面を汚すことがないため、ベント部10の清掃等を何ら行うことなく、連続的に成形を行うことができる。即ち、本実施形態によれば、成形に当てることができる実質的稼働時間が減縮されることがないため、生産性を向上させることができる。
【0051】
そして、図3(f)に示すように、押圧手段12の作用によって、含浸部材20が一定の距離押し出されて、再び含浸部材20の先頭を所定の位置に配置させ、前記同様の成形が繰り返し実施される。なお、貫通孔13に配置した含浸部材20が全て使用された場合は、新たな含浸部材20が貫通孔13内に設置される。
【0052】
上記実施形態では、含浸部材20に複数の切り目24を設けて、切り目24を境に、一部の含浸部材20が分離する構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、図4(b)に示すように、予め小さく切り揃えた小片26を用意し、小片26を本体部11の貫通孔13内で積層状に配置して形成した含浸部材25を用いても構わない。
【0053】
また、本発明では、切り目24を設けた含浸部材20や、複数の小片26により形成された含浸部材25を採用することなく、単なる長尺上の含浸部材(図示しない)を採用しても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 成形型
2 上型
3 下型
5 成形キャビティ
10 ベント部(脱気部)
12 押圧手段
20、25 含浸部材
22 成形品
26 小片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型本体と、金型本体の内部に形成される成形キャビティと、成形キャビティと連通し当該成形キャビティ内の気体を外部に放出する脱気部を有し、成形キャビティ内に溶融状又は液状の樹脂を充填し、成形キャビティ内で前記樹脂を硬化させて所望の成形品が形成される成形型であって、気体を通気させ樹脂を含浸する含浸部材を有し、含浸部材は脱気部に配されるもので、樹脂が含浸した状態においては、少なくとも当該樹脂が含浸した部位が他の部位と分離可能であることを特徴とする成形型。
【請求項2】
含浸部材は、気体の通気方向に対して交差する方向に切れ目が形成されたものあるいは気体の通気方向に複数の小片が積層されて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の成形型。
【請求項3】
含浸部材を成形キャビティ側に押圧可能な押圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形型。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の成形型を用いた樹脂成形品の成形方法であって、成形キャビティ内に溶融状又は液状の樹脂を注入し、含浸部材に前記樹脂が含浸及び/又は付着した状態で金型本体から成形品を取り出す工程を備えたことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−152926(P2012−152926A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11635(P2011−11635)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】