説明

所定の投与量の液状薬剤を調製するための自動式の液状薬剤調製装置

【課題】所定の投与量の液状薬剤が入った液状薬剤組立体を形成するための自動式の液状薬剤調製装置を提供する。
【解決手段】注射器ポート、バイアルアダプタ、及び投与ポートが設けられた本体部材を持つ流体制御デバイスと、粉体又は液体の薬剤で予備充填されたバイアルと、薬剤と混合するための希釈剤で予備充填された注射器とを含む調製組立体から、液状薬剤組立体を形成する。自動式の液状薬剤調製装置は、ハウジングと、調製組立体を受け入れるためのクレードルとを含み、更に、注射器とバイアルとの間で液体内容物を選択的に移送するためのモータ作動式注射器駆動ユニットと、クレードルをハウジングに対して選択的に回転するためのモータ作動式クレードル駆動ユニットと、バイアルアダプタをこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルとともに本体部材から選択的に取り外し、液状薬剤組立体を形成するためのモータ作動式バイアルアダプタ解放ユニットとを制御するための制御装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与目的で所定の投与量の液状薬剤を調製することに関する。
【背景技術】
【0002】
ジンガー等の共有の米国特許第6,238,372号には、投与目的で液状薬剤を調製するための流体制御デバイスが図示してあり且つ説明されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。米国特許第6,238,372号の図1乃至図19は、化学的有効成分を含む又は含まない希釈剤で予備充填した注射器を受け入れるための注射器ポートと、粉体又は液体の薬剤で予備充填したバイアル(ビン)にスナップ嵌めするためのバイアルアダプタが設けられたバイアルアダプタポートと、液状薬剤を投与するための薬剤投与ポートとを持つ、ハウジングを含む流体制御デバイスを示す。流体制御デバイスは、注射器ポートとバイアルアダプタとの間の混合流通路又は注射器ポートと薬剤投与ポートとの間の投与流通路のいずれかを提供するための回転自在の流れ部材を含む。米国特許第6,238,372号の図11乃至図15は、混合手順後に回転により取り外されるようになったバイアルアダプタが設けられたバイアルアダプタポートを持つ流体制御デバイスを示す。取り外されたバイアルアダプタは、取り外し後、このアダプタに取り付けられた使用済みバイアルとともに廃棄されるようになっている。このような流体制御デバイスは、イスラエル国のラアナナのメディモップ・メディカルプロジェクト社からミクスジェクト(ミクスジェクト(MIXJECT)は登録商標である)の商標で商業的に入手できる。ミクスジェクトの商品情報は、http://www.westpharma.com/products/medimop/Information/mixject.pdf.で入手できる。
【0003】
便宜を図るため、本明細書及び特許請求の範囲において以下の二つの用語を使用する。
即ち、バイアルアダプタ及びこのアダプタに取り付けられた、粉体又は液体の薬剤で予備充填されたバイアルと、薬剤と混合するための希釈剤で充填された注射器とを含むミクスジェクト(MIXJECT)流体制御デバイスに関し、「調製組立体(preparatory assemblage)」という用語を使用する。また、注射器が所定の投与量の液状薬剤で充填されており、バイアルアダプタ及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルが取り外してある調製組立体に関し、「液状薬剤組立体(liquid drug assemblage)」という用語を使用する。液状薬剤組立体は、代表的には、その液状薬剤内容物全てを投与するため、自動インジェクタに挿入される。調製組立体を液状薬剤組立体にするためのプロセスについてのミクスジェクト(MIXJECT)流体制御デバイスの使用上の注意は、以下の通りである。
工程1:流体制御デバイスのバイアルアダプタを、粉体又は液体の薬剤で予備充填されたバイアルにスナップ嵌めする。
工程2:希釈剤で予備充填した注射器を注射器ポートに挿入し、調製組立体を形成する。
工程3:希釈剤をバイアルに注入する。
工程4:調製組立体を攪拌して希釈剤を薬剤と混合し、液状薬剤を形成する。
工程5:調製組立体を逆さまにする。
工程6:液状薬剤を調製組立体に吸引する。
工程7:バイアルアダプタを回してバイアルアダプタ及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルを取り外し、調製組立体を液状薬剤組立体にする。
工程8:特定の液状薬剤の場合、液状薬剤の内容物を幾らか放出し、投与を目的として液状薬剤の所定の投与量を残す。
【0004】
以下に説明するように、手作業で調製組立体を液状薬剤組立体にするには困難が伴うことがわかっている。予備充填した注射器は、代表的には、希釈剤内容物中に空気を含み、これにより、多くの場合、液状薬剤組立体の液状薬剤内容物中に一つ又はそれ以上の気泡が存在する。そのため、使用者は投与前に気泡を抜くのに苦労する。1mlの予備充填済注射器での希釈剤及び空気の例示の相対的容積は、希釈剤1.2ml及び空気0.4mlである。液状薬剤組立体の液状薬剤内容物に同量の気泡が含まれている場合には、使用者は、典型的には、ニードルを上に向けて液状薬剤組立体を真っ直ぐに立て、注射器のバレル(胴部)を軽く押し、気泡を壊して更に小さな気泡にし、注射器上部に集めた後、排出する。しかしながら、混合したばかりの液状薬剤内容物は、化学的有効成分を有する希釈剤と薬剤との間の化学反応により、所定時間後に液状薬剤組立体内で発泡し、これによって気泡が液状薬剤内容物中に再び導入される場合があるということに着目されるべきである。
【0005】
不注意により液状薬剤で発泡が生じた場合には、調製組立体を液状薬剤組立体にするプロセスの前に、また、その液体内容物が投与に適した状態になる前に、長期に亘って落ち着かせることが必要になる。このような発泡は、希釈剤をバイアルに余りに急速に注入することによって、又は調製組立体をひどく乱暴に攪拌した場合にも生じる。逆に、特に粉体薬剤の場合、攪拌が十分でないとバイアルの内容物が溶け残ってしまう。更に、バイアルアダプタの取り外し前に吸引する液状薬剤の容積が、不注意により不十分である場合がある。これは、代表的には、所期の薬剤治療に対して不都合である。
【0006】
注射器によっては半円形の目盛りが設けられている。これらの目盛りは、注射器とミクスジェクト流体制御デバイスとの間のルアーコネクタによっては、液状薬剤内容物を調製組立体に吸引するために調製組立体を逆さまにしたときに下を向いてしまう。すると、使用者はこれらの目盛りを見ることができない。更に、液状薬剤の容積を正確に決定する上で、注射器の目盛りを読むのが困難である場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,238,372号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、液状薬剤成分が入った調製組立体を所定の投与量の液状薬剤が入った液状薬剤組立体にするプロセスを行うための自動式の液状薬剤調製装置に関する。この装置は、ハウジングと、調製組立体を手で挿入するためのクレードル(揺れ台)と、モータ作動式(電動式)注射器駆動ユニット、モータ作動式(電動式)クレードル駆動ユニット、及びモータ作動式(電動式)バイアルアダプタ解放ユニットを、所定の工程順序で制御するための制御装置とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
モータ作動式(電動式)注射器駆動ユニットは、液体内容物を注射器とバイアルとの間で選択的に移送するのに使用される。モータ作動式(電動式)クレードル駆動ユニットは、クレードルを調製組立体とともにハウジングに対して選択的に回転するのに使用される。モータ作動式(電動式)バイアルアダプタ解放ユニットは、バイアルアダプタをこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルとともに、調製組立体から選択的に取り外し、液状薬剤組立体を形成するのに使用される。これらのモータ作動式(電動式)ユニットは、好ましくは、専用のモータを各々備えている。別の態様では、二つの、又は全部で三つのユニットを、単一のモータで駆動してもよい。
【0010】
制御装置は、所定の投与量の液状薬剤を正確に吸引するために、注射器バレルに対する注射器のプランジャーの位置を決定するため、注射器線形(リニア)エンコーダ再設定手順を実行し、注射器線形エンコーダを再設定する。制御装置は、調製組立体の混合流通路に捕捉された空気をほぼ全て、バイアル内に徐々に排出し、これによって、液状薬剤内容物が数マイクロリットル(μl)の微小気泡からなる蓄積気泡容積を含む場合を除き、空気を含まない液状薬剤内容物が入った液状薬剤組立体を提供する、捕捉空気排出手順を実施する。自動式の液状薬剤調製装置により、ほとんど発泡を生じることなく、希釈剤をバイアル全薬剤内容物と適正に混合し、所定の投与量の液状薬剤を患者に投与するために正確に吸引する。装置の作動状態を表示するため、視覚的表示及び/又は視聴覚的表示を使用してもよい。
【0011】
本発明を理解し、これを実際にどのように実施するのかを理解するため、同様の部分に同様の参照番号を付した添付図面を参照して以下に好ましい実施例を単なる非限定的例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、調製組立体及び液状薬剤組立体の斜視図と、調製組立体を液状薬剤組立体にするためのプロセスを行う自動式の液体状薬剤調製装置の斜視図及びブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、米国特許第6,238,372号による注射器、バイアル、及び流体制御デバイスの斜視図である。
【図3】図3は、図2の流体制御デバイスの分解図である。
【図4】図4は、図1のA−A線に沿った調製組立体の長さ方向断面図である。
【図5】図5は、図4の丸で囲った部分Aの調製組立体の拡大断面図である。
【図6】図6は、クレードルが直立状態にあり且つヒンジカバーが開いている自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図7】図7は、自動式の液状薬剤調製装置の長さ方向概略断面図である。
【図8】図8は、注射器のプランジャーへッドにスナップ嵌めするためのプランジャーへッド駆動部材を前方から見た斜視図である。
【図9】図9は、図8のプランジャーへッド駆動部材を後方から見た斜視図である。
【図10】図10は、注射器のプランジャーへッドにスナップ嵌めした図8のプランジャーへッド駆動部材を前方から見た斜視図である。
【図11】図11A乃至図11Dは、図8のプランジャーへッド駆動部材の作動を示す概略図である。
【図12】図12は、調製組立体をクレードルに手で挿入するときにバイアルアダプタの交互のスリットにスナップ嵌め挿入するためのタブを各々有する三つのリーフばねが設けられた環状のバイアルアダプタグリップの斜視図である。
【図13】図13は、三つのリーフばねを持つ図12に示すバイアルアダプタグリップを示す平面図であり、タブがバイアルアダプタの交互の撓み部材に押し付けられている。
【図14】図14は、三つのリーフばねを持つ図12に示すバイアルアダプタグリップを示す平面図であり、タブがバイアルアダプタの交互のスリットに挿入されている。
【図15】図15A、図15B、及び図15Cは、バイアルアダプタを流体制御デバイスから取り外すときにバイアルアダプタ及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルを選択的に持ち上げるためのバイアルアダプタ解放機構の三つの作動位置を示す断面図である。
【図16】図16は、調製組立体の挿入を示す、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図17】図17は、希釈剤をバイアルに注入するため、クレードルを水平に配置した、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図18】図18は、希釈剤を薬剤と混合するためのクレードルの揺動を示す、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図19】図19は、捕捉空気排出手順及び注射器内容物への液状薬剤の吸引を行うため、クレードルを逆さまにした状態を示す、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図20】図20は、クレードルをその元の直立位置に戻した状態の自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図21】図21は、バイアルアダプタをこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルとともに本体部材から取り外すところを示す、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図22】図22は、液状薬剤組立体を手で取り出すことができるようにカバーを開いた状態の自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図23】図23は、廃棄するために手で取り外すのを補助するため、上方に持ち上げたバイアルアダプタを示す、自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図24】図24は、自動式の液状薬剤調製装置の作動のフローダイヤグラムである。
【図25】図25は、変形例の自動式の液状薬剤調製装置の斜視図である。
【図26】図26は、図25の自動式の液状薬剤調製装置の部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、自動式の液状薬剤調製装置100を示している。自動式の液状薬剤調製装置100は、調製組立体101と共に使用され、投与目的で所定の投与量の液状薬剤が入った液状薬剤組立体102を調製できるようになっている。自動式の液状薬剤調製装置100は、コンセントに接続されていてもよいし、バッテリー作動式であってもよく、水平な表面上に置かれるようになったハウジング103を含む。ハウジング103は、水平ベース部材104と、間隔が隔てられた一対の直立した端部ピース(端部分)106A及び106Bとを含む。底面107Aを持つ箱状クレードル107に調製組立体101を手で挿入する。端部ピース106A及び106Bは、クレードル107を水平回転軸線108を中心として回転可能に又は回転自在に支持する。クレードル107は、調製組立体101をクレードル107内に固定するためのヒンジカバー109を含む。このカバー109は、使用者が自動式の液状薬剤調製装置100の作動を見ることができるようにする透明なウィンドウ111を備えている。端部ピース106Bには、使用者による調製組立体101の組み立てを補助するため、バイアルを挿入するための盲ボア(盲穴)112が形成されている。端部ピース106Bには、更に、ニードルシールドを持つニードルを含む液状薬剤組立体102からの使用者によるニードルシールドの取り外しを補助するためのV字形状オープナー113が形成されている。
【0014】
自動式の液状薬剤調製装置100は、モータ作動式注射器駆動ユニット116、モータ作動式クレードル駆動ユニット117、及びモータ作動式バイアルアダプタ解放ユニット118の作動を制御するための制御装置114を含む。自動式の液状薬剤調製装置100は、作動を開始するためのスタート(START)押しボタン119、正しい作動を表示するための緑色LED121、及び作動を停止するエラー状態を表示するための赤色LED122を備えている。自動式の液状薬剤調製装置100は、液状薬剤組立体102内に吸引されるべき液状薬剤の投与量(投薬量)を選択するための投与量セレクタ(投与量選択装置)123を含む。自動式の液状薬剤調製装置100は、更に、カバー109が完全に閉まっていない場合に自動式の液状薬剤調製装置100の作動を止めるためのカバー安全機構124を含む。
【0015】
図2は、注射器10、バイアル20、及び流体制御デバイス30を示す。注射器10は、端壁12を持つバレル11と、プランジャーへッド14及びバレル11をシールするためのエラストマー製のプランジャーチップ(プランジャー先端部)16を持つプランジャー13と、雄ルアーロックコネクタ17とを含む。バイアル20は、頂部が開口(開放)したボトル21を含み、ボトル21は、ゴム製ストッパ22によってシールされ、金属バンド23によって覆われている。バイアル20には、粉体状又は液体状の薬剤が入っている。注射器10は、バイアル20の薬剤と混合するための希釈剤で予備充填してある。
【0016】
図3、図4、及び図5は、長さ方向軸線32を持つ本体部材31を含む流体制御デバイス30を示す。本体部材31は、長さ方向軸線32と同方向に延びる注射器ポート33及び薬剤投与ポート34と、注射器ポート33と薬剤投与ポート34との中間のチューブ状(管状)のバイアルアダプタポート36とを含む。注射器ポート33は内腔37を有しており、内腔37は、バイアルアダプタポート36と流れ連通しており、注射器10を摺動可能に受け入れる。薬剤投与ポート34は内腔38を有しており、内腔38は、バイアルアダプタポート36と流れ連通しており、液状薬剤を投与できるようになっている。
【0017】
バイアルアダプタポート36は、円筒形の外面39を有し、この外面の最も下の部分41には、一対の向き合った1/4回転ねじ山42が設けられている。バイアルアダプタポート36は、長さ方向軸線32に対してほぼ垂直な回転軸線44を中心として回転できる流れ制御部材43を支持する。流れ制御部材43は、L字形状の混合流チャンネル46を有する。L字形状の混合流チャンネル46は、混合流制御位置で注射器ポートの内腔37と整合する半径方向区分47と、反対側のスロット49で終端する軸線方向区分48とを含む。流れ制御部材43は、混合流制御位置に関して1/4回転した投与流制御位置で、
注射器ポートの内腔37及び薬剤投与ポートの内腔38と整合する、周囲半円形投与流チャンネル51を有する。
【0018】
流体制御デバイス30は、バイアル20を入れ子式に受け入れるための下方に垂下したスカート部54を持つバイアルアダプタ53を含む。スカート部54は、上面56と、上方に延びた6個のスリット58とを有している。上面56には、ねじ山42と螺合することによってバイアルアダプタ53を本体部材31に連結する、一対の向き合ったねじ山部材57が設けられている。上方に延びた6個のスリット58は、バイアル20にスナップ嵌めできるように、下方に垂下した撓み部材(可撓性部材)59を形成している。バイアルアダプタ53は、バイアルアダプタ53を流れ制御部材43に連結するため、流れ制御部材の軸線方向区分48に密封をなして挿入するための直立してテーパした中空雄コネクタ61と、流れ制御部材のスロット49に挿入するための一対のキー62とを含む。バイアルアダプタ53は、バイアルのゴム製ストッパ22を穿刺して、バイアルボトル21の内部に延びることができる、下方に垂下した先が尖った中空カニューレ63を含む。雄コネクタ61とカニューレ63は、連通している。薬剤投与ポート34には、好ましくは、ニードル64が装着される。このニードル64は、針刺し事故をなくすため、ニードルシールド66によって保護されている。流体制御デバイス30は、流れ制御部材43の混合流制御位置で、注射器ポート33とバイアルアダプタポート36との間を延びる混合流通路67を含む。
【0019】
図6は、端部ピース106Bに対する前端126A及びスロットが設けられた後端126Bを含む上面126を持つクレードル107を示す。前端126Aは、溝付の後支持部材127と、穴128と、溝付の前支持部材129とを含む。調製組立体101は、長さ方向に整合させて、クレードル107内に手で挿入でき、そのバレル11を支持部材127に載せ、バイアル20が取り付けられたバイアルアダプタ53を穴128に挿入し、ニードルシールド66を支持部材129に載せることができる。
【0020】
図7は、注射器駆動ユニット116を示す。注射器駆動ユニット116は、プランジャーへッド14を往復動するためのプランジャーへッド駆動部材133を持つキャリッジ132を往復動するためのモータ131を含む。プランジャーへッド駆動部材133は、好ましくは、同じ自動式の液状薬剤調製装置100を、異なる容積の希釈剤を収容した注射器、従ってバレル11に対するプランジャー13の初期位置が異なる注射器で使用できるように設計されている。このようなプランジャーへッド駆動部材133は、構成要素の許容差や組み立て許容差等も補償できる。注射器駆動ユニット116は、プランジャーへッド駆動部材133のホーム位置、即ち端部ピース106Bから最も遠方の位置と対応する位置に、マイクロスイッチ134を含み、これによって、最大容積の希釈剤で予備充填した注射器10を含む調製組立体101を挿入できる。制御装置114は、組み立て許容差や構成要素の許容差等を補償するために注射器のバレル11に対するプランジャー13の位置を決定するため、注射器線形エンコーダ再設定手順を実行し、注射器線形エンコーダ136を再設定(リセット)する。注射器線形エンコーダ136は、プランジャーチップ16が注射器の端壁12の内側面に当接したとき、ゼロに設定される。
【0021】
クレードル駆動ユニット117は、クレードル107を、その回転軸線108を中心として、クレードル107を初期直立位置で停止するためのマイクロスイッチ138と、クレードル107を逆さまの位置で停止するためのマイクロスイッチ139との間で回転するためのモータ137を含む。
【0022】
バイアルアダプタ解放ユニット118は、調製組立体101をクレードル107に手で挿入したときにバイアルアダプタ53を取り囲み、これをグリップするための環状バイアルアダプタグリップ142(図12、図13、及び図14を参照して以下に説明する)を回転するためのモータ141を含む。バイアルアダプタ解放ユニット118は、更に、使用者がバイアルアダプタ53及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルをクレードル107から手で取り外すのを補助するため、バイアルアダプタ53及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルを選択的に持ち上げるためのバイアルアダプタ解放機構143と、バイアルアダプタ解放機構143が調製組立体101をクレードル107に挿入できる最下位置にあることを検出するためのマイクロスイッチ144とを含む。
【0023】
図8、図9、及び図10は、プランジャーへッド駆動部材133を示す。プランジャーへッド駆動部材133は、好ましくは、直立した剛性中央支持部材146と、回転軸線108と同じ方向に延びるアクスル148に枢着された一対のフリッパ(ひれ足状の部材)147とを含むフリッパ構成部によって形成される。フリッパ147は、ばね149によって互いに向かって押圧されている。フリッパ147は、端部ピース106Bに面する傾斜した前面147Aを有する。これらの前面147Aは、ばね149に打ち勝つのに十分な力が加わったとき、フリッパ147を支持部材146に対して外方に枢動するためのカム面として作用する。フリッパ147は、その後、プランジャーへッド14にスナップ嵌めする。
【0024】
図11A及び図11Bは、注射器の希釈剤をバイアル20に注入するためにキャリッジ132を押圧するための、初期ホーム位置からの注射器駆動ユニット116の作動を示す。注射器駆動ユニット116の作動を続行することにより、フリッパ147が移動し、プランジャーチップ16を、注射器の端壁12に向かって、この端壁12に当接する(図11C参照)まで押圧する。当接したとき、プランジャーへッド14はフリッパ147を外方に、図8に矢印で示す外位置まで押圧する。注射器駆動ユニット116の作動を続行することにより、フリッパ147を前方に移動し、プランジャーへッド14にスナップ嵌めし(図11D参照)、これによって注射器駆動ユニット116でプランジャー13を往復動できる。
【0025】
図12は、バイアルアダプタグリップ142を示す。バイアルアダプタグリップ142は、リング151を含み、好ましくは、等間隔に間隔が隔てられた三つのリーフばね152が撓んでいない状態で設けられている。これらのリーフばね152の各々は逆L字形状をなしており、水平区分153がリング151に可撓可能に連結されており、直立区分154が水平区分153に可撓可能に連結されている。直立区分154はリング151の内側にある。直立区分154の各々には、バイアルアダプタの直立スリット58にスナップ嵌め挿入するための半径方向内方に突出したタブ156が設けられている。図13は、交互の撓み部材59にタブ156が押し付けられ、これによりリーフばね152がそれらの撓んでいない位置に対して外方に撓んだ、バイアルアダプタグリップ142を示す。図14は、タブ156を交互のスリット58にスナップ嵌めできるようにするため、バイアルアダプタグリップ142を図13に示すその位置に対して回転したときの、バイアルアダプタ53をグリップ(把握)したバイアルアダプタグリップ142を示す。これによって、バイアルアダプタ解放ユニット118でバイアルアダプタグリップ142を回転することにより、バイアルアダプタ53を外すことができる。
【0026】
図15A、図15B、及び図15Cは、バイアルアダプタ解放機構143を示す。バイアルアダプタ解放機構143は、内ねじ158を持つ円筒形駆動部材157と、内ねじ158と螺合する外ねじ161を持つ上部が開口(開放)した円筒形直立バイアルホルダ159とを含む。バイアルホルダ159は、外方に突出したスロット付突出部162を含む。突出部162は、クレードルの底面107Aに取り付けられた直立ストッパ163と係合している。これによって、バイアルホルダ159は、モータ141によって環状部材157を回転したとき、環状部材157に関して直線的に変位できる。図15Aは、バイアル20を挿入できる最も下の位置にあるバイアルホルダ159を示す。図15Bは、バイアルアダプタ53を流体制御デバイス30から外すため、バイアルアダプタグリップ142を回転したときのバイアルホルダ159を示す。図15Cは、バイアルアダプタ53及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアル20を使用者がクレードル107から取り外すのを補助できるようにバイアルアダプタ53を持ち上げるための最上位置でのバイアルホルダ159を示す。
【0027】
自動式の液状薬剤調製装置100の作動を図16乃至図24を参照して以下に説明する。
使用者は、カバー109を閉じてSTART押しボタン119を押す。制御装置114は、ホーミング手順の開始を表示する使用者表示を出すか或いは、又はカバー109が完全には閉まっておらず、ホーミング手順を開始できないことの表示を使用者に提供する。適当な使用者表示には、例えば、ホーミング手順の開始を表示するための緑色LED121の点滅やエラー状態を表示するための赤色LED122の点滅が含まれる。ホーミング手順では、制御装置114は、注射器駆動ユニット116、クレードル駆動ユニット117、及びバイアルアダプタ解放ユニット118をホーム位置に置く。プランジャー駆動部材116は、端部ピース106Bに対してその最も遠方の位置にある。クレードル107は、その上方位置にある。バイアルアダプタ解放機構143はその最下位置にある。
【0028】
使用者は、調製組立体101を準備し、カバー109を開け、調製組立体101をクレードル107に挿入し(図16参照)、カバー109を閉じ、投与量セレクタ123を設定し、START押しボタン119を押す。制御装置114は、混合手順の開始を表示する使用者表示を出すか或いは、カバー109が完全には閉まっておらず、混合手順を開始できないことの表示を使用者に提供する。クレードル駆動ユニット117は、泡立ちを最少にするように希釈剤をバイアル20に注入するため、クレードル107を、その初期直立位置に関し、ほぼ水平な位置まで約90°回転する(図17参照)。注射器駆動ユニット116は、キャリッジ132を前方に押し、このとき、フリッパ構成部133がプランジャーへッド14と係合する。フリッパ構成133は、直ちにはプランジャーへッド14とスナップ嵌めしないが、希釈剤をバイアル20に注入するため、プランジャーへッド14を注射器の端壁12に向かって押す。注射器駆動ユニット116は、先ず最初に、プランジャーチップ16の静摩擦に打ち勝つため、一連の早いパルスをモータ116に送る。その後、モータ116へのパルス速度を低下し、バイアル20への希釈剤の注入が速くなり過ぎないようにする。クレードル107がほぼ水平な位置にあるため、希釈剤の液滴は、特に粉体薬剤の場合に泡立ちを生じる傾向となる薬剤に直接的に滴下されるのでなく、バレル11の内側面を流れ出る。
【0029】
注射器駆動ユニット116は、プランジャーチップ16が注射器の端壁12に当接するまで、モータ116にパルスを出し続け、注射器内の全希釈剤がバイアル20に注入される。注射器駆動ユニット116は、キャリッジ132が停止したことを感知し、注射器線形エンコーダ136をゼロに設定する。これは、液体内容物をバイアル20から注射器に吸引するときに注射器の液体内容物の容積を正確に決定できるようにするためである。フリッパ147は、プランジャーチップ16が注射器の端壁12と当接した時に外方押圧されて開き、プランジャーへッド14にスナップ嵌めしてこれと係合する。
【0030】
クレードル駆動ユニット117は、クレードル107をその元の直立位置に戻し、希釈剤を薬剤と混合して液状薬剤内容物を形成するため、クレードル107を元の直立位置に対して約±30°乃至約±70°の攪拌角度に亘る前後往復動を開始する(図18参照)。攪拌した液状薬剤内容物を約30秒に亘って落ち着かせる。クレードル駆動ユニット117は、クレードル107を逆さまの位置まで回転し(図19参照)、液状薬剤内容物を約10秒に亘って落ち着かせる。この位置で、プランジャーチップ16は注射器の端壁12と当接しており、注射器10自体には空気は全く含まれていない。しかしながら、注射器10とバイアル20との間の調製組立体101の混合流流路67に空気が捕捉されていることが多い。制御装置114は、この捕捉された空気を、注射器10より上で逆さまになったバイアル20内にできるだけ多く排出するため、捕捉空気排出手順を開始する。かくして、液状薬剤組立体102内の液状薬剤内容物には空気がほとんど含まれていないが、それでも、全部で数μl(マイクロリットル)の僅かな気泡が含まれかもしれない。
【0031】
捕捉空気排出手順には、液状薬剤内容物を注射器10とバイアル20との間で繰り返し移し替る工程が含まれる。捕捉空気排出手順は、典型的には、数回、例えば約5回、大きく往復動する初期工程と、これに続いて行われる、10回乃至20回の小さく往復動する工程の二つの工程とを含む。1ml(1ミリリットル)の注射器の場合には、大きく往復動する工程の各々のストロークは約4.5mmであり、これに約2.5秒間かかる。小さく往復動する工程の各々のストロークは約2.5mmであり、これに約1.5秒間かかる。大きく往復動する工程は、代表的には、混合流流路67に捕捉された気泡を小さな気泡にするため、調製組立体101の液状薬剤内容物の約3分の1(約1/3)を、注射器10とバイアル20との間で移す。その後、小さく往復動する工程により、小さな気泡を更に小さくしてもよい。しかし、更に重要なことには、これらの工程により、気泡を含む液状薬剤内容物は、次の液状薬剤吸引工程でこれらの気泡の少なくとも幾分かが注射器10に再び吸い込まれることがないようにするのに十分に大きく注射器10から離されるように、バイアル20内に十分に大きな力で注入されることである。このようにして放出された気泡は、次いで、バイアル20の液状薬剤内容物の頂部に自由に浮き上がり、バイアル内に存在する空気容積に加わり、これによって、注射器10とバイアル20との間で移送される液状薬剤内容物に含まれる溜まった気泡容積を徐々に減少する。捕捉空気排出手順の後、注射器駆動ユニット116が投与量セレクタ123の設定に従って所定の投与量の液状薬剤を注射器10内に吸引する前に、液状薬剤内容物を約30秒間に亘って落ち着かせる。
【0032】
クレードル駆動ユニット117は、クレードル107をその元の直立位置(図20参照)まで回転し、バイアルアダプタ解放ユニット118は、バイアルアダプタグリップ142を約120°に亘って反時計廻り方向に回転してバイアルアダプタ53と最初に係合させ、次いで、バイアルアダプタ53を、このアダプタに取り付けられた使用済みバイアル20とともに本体部材31から解放する(図21参照)。
【0033】
制御装置114は、使用者に対し、液状薬剤アッセンブリ102をいつでも取り出すことができるという使用者表示を提供する。使用者はカバー109を開き、投与を行うために液状薬剤組立体102を手で取り出す(図22参照)。バイアルアダプタ解放ユニット118は、約30秒待機し、その後、駆動部材157を回転させて、バイアルホルダ159でバイアルアダプタ53を持ち上げる(図23参照)。これによって、使用者が、バイアルアダプタ53及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアル20を手で取り出すのを容易にする。手作業で準備する液状薬剤組立体と関連して本明細書中上文中に説明したように、混合したばかりの液状薬剤内容物は、薬剤と、化学的に活性の成分を含む希釈剤との間の化学反応のため、液状薬剤組立体102で発泡を開始し、これによって気泡が液状薬剤内容物に再び導入される。
【0034】
図25及び図26は、調製組立体101を液状薬剤組立体102にするプロセスを行うための変形例の自動式の液状薬剤調製装置200を示す。この装置200は、取り外したバイアルアダプタ及びこれに取り付けられた使用済みバイアルを持ち上げるための圧縮ばね201を含む。圧縮ばね201の非圧縮状態の高さはH4であり、調製組立体101の挿入時に圧縮高さH5(<H4)まで圧縮される。装置200のこの他の変形例には、とりわけ、調製組立体のプランジャーを往復動させることができるようにプランジャーへッド駆動部材202を調製組立体のプランジャーへッドと確実に係合するための磁石、バイアルアダプタでなくバイアルを直接的に回転するためのバイアルアダプタ解放ユニット等を使用することが含まれる。
【0035】
本発明を限られた数の実施例に関して説明したが、本発明の多くの変形及び変更、及びこの他の用途が、添付の特許請求の範囲の範疇に含まれるということは理解されよう。
【符号の説明】
【0036】
10 注射器
11 バレル
12 端壁
13 プランジャー
14 プランジャーへッド
16 エラストマープランジャーチップ
17 雄ルアーロックコネクタ
20 バイアル
21 ボトル
22 ゴム製ストッパ
23 金属バンド
30 流体制御デバイス
100 自動式の液状薬剤調製装置
101 調製組立体
102 液状薬剤組立体
103 ハウジング
104 水平ベース部材
106 端部ピース
107 箱状クレードル
107A 底面
108 水平回転軸線
109 カバー
111 ウィンドウ
112 盲ボア
113 V字形状オープナー
114 制御装置
116 モータ作動式注射器駆動ユニット
117 モータ作動式クレードル駆動ユニット
118 モータ作動式バイアルアダプタ解放ユニット
119 START押しボタン
121 緑色LED
122 赤色LED
123 投与量セレクタ
124 カバー安全機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投与するための所定の投与量の液状薬剤を調製するための自動式の液状薬剤調製装置であって、
前記液状薬剤調製装置は、液状薬剤成分が入った調製組立体を所定の投与量の液状薬剤が入った液状薬剤組立体にするプロセスで使用するようになっており、
前記調製組立体は、
流体制御デバイスと、
薬剤で予備充填したバイアルと、
内側面を含む注射器端壁と、基端プランジャーへッド及び先端プランジャーチップを含む往復動プランジャーとを有する注射器とを含み、前記注射器は、前記薬剤と混合するための希釈剤で予備充填してあり、
前記流体制御デバイスは、
前記注射器を受け入れるための注射器ポートを持つ本体部材と、
前記バイアルにスナップ嵌めできるように撓み部材を形成する複数の直立スリットが設けられた下方に垂下したスカート部を持つバイアルアダプタと、
前記液状薬剤を投与するための薬剤投与ポートとを含み、
前記バイアルアダプタ及びこれに取り付けられた前記バイアルは、前記本体部材に関して回転したとき、前記本体部材から取り外すことができ、
前記流体制御デバイスは、前記注射器ポートと前記バイアルアダプタとの間の混合流通路と、前記注射器ポートと前記薬剤投与ポートとの間の投与流通路とを有しており、
前記液状薬剤調製装置は、
(a)ハウジングと、
(b)前記調製組立体を手で挿入するためのクレードルと、
(c)前記調製組立体を、所定の投与量の液状薬剤が入った前記液状薬剤組立体にするプロセスを行うため、モータ作動式注射器駆動ユニットと、モータ作動式クレードル駆動ユニットと、モータ作動式バイアルアダプタ解放ユニットとの作動を制御するための制御装置とを備えており、
i)前記モータ作動式注射器駆動ユニットは、液体内容物を前記注射器と前記バイアルとの間で移送するために前記プランジャーを前記流体制御デバイスに対して往復動するため、前記プランジャーへッドと係合したプランジャーへッド駆動部材を選択的に往復動するためのものであり、
ii)前記モータ作動式クレードル駆動ユニットは、前記クレードルを前記調製組立体とともに前記ハウジング内で初期直立位置に対して選択的に回転するためのものであり、及び
iii)前記モータ作動式バイアルアダプタ解放ユニットは、前記バイアルアダプタ及びこのアダプタに取り付けられた使用済みバイアルを前記本体部材から取り外すため、前記バイアルアダプタを前記本体部材に対して選択的に回転するためのものである、
自動式の液状薬剤調製装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記制御装置は、所定の投与量の液状薬剤を正確に吸引できるようにするため、注射器線形エンコーダ再設定手順を実行し、注射器バレルに対する注射器のプランジャーの位置を決定するための注射器線形エンコーダを再設定する、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、
前記制御装置は前記クレードル駆動ユニットを作動させて、前記クレードル及び前記調製組立体を実質的に逆さまの位置まで回転し、
また、前記制御装置は前記注射器駆動ユニットを作動させて、捕捉空気排出手順を実施し、この捕捉空気排出手順は、液状薬剤内容物を前記注射器と前記バイアルとの間で繰り返し移送し、これにより、前記注射器と前記バイアルとの間の混合流通路に最初に捕捉された気泡を同伴するとともにこれらの気泡を更に小さな気泡にし、前記バイアルの空気容積に徐々に追加し、これによって液状薬剤内容物に溜まった気泡の容積を徐々に減少できるようにした、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記捕捉空気排出手順は、最初の一連の大きく移動するストロークと、続いて行われる小さく移動するストロークとを含む、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記制御装置は、前記クレードル駆動ユニットを作動させて、前記クレードル及び前記調製組立体を前記直立位置に対してほぼ90°に亘ってほぼ水平な位置まで回転し、
また、前記制御装置は、前記注射器駆動ユニットを作動させて、希釈剤を注射器から前記バイアルに注入する、装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の装置において、更に、
前記調製組立体を覆うためのヒンジカバーと、
前記カバーが完全に閉鎖していないことを検出した場合に前記装置が作動しないようにするカバー安全機構とを含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記カバーは前記クレードルにヒンジ止めされており、これによって、前記クレードル及び前記ヒンジカバーは、前記ハウジングに対して回転可能となっている、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記注射器駆動ユニットは、先ず最初に、前記プランジャーを前記流体制御デバイスに向かって変位するために前記プランジャーへッド駆動部材を前記プランジャーへッドに押し付け、前記プランジャーチップが前記注射器の端壁に当接したとき、前記プランジャーへッド駆動部材が前記プランジャーへッドと係合する、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記プランジャーへッド駆動ユニットは、互いに向かって押圧された一対のフリッパを持つフリッパ構成部によって形成されており、
前記一対のフリッパは、先ず最初に外方に枢動し、次いで、前記プランジャーチップが前記注射器の端壁に当接したときに前記プランジャーへッドにスナップ嵌めする、装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記バイアルアダプタ解放ユニットは、前記調製組立体を前記クレードルに手で挿入するとき、前記バイアルアダプタを取り囲むための環状バイアルアダプタグリップを含み、
前記バイアルアダプタグリップは、少なくとも一つの可撓性リーフばねを含み、前記リーフばねは、前記バイアルアダプタを前記本体部材に対して回転したときに前記バイアルアダプタを前記本体部材から取り外すことができるように前記バイアルアダプタの複数の直立スリットのうちの任意の直立スリットに挿入するための半径方向内方に突出したタブを持つ直立区分を有する、装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記バイアルアダプタ解放ユニットは、前記バイアルアダプタを前記本体部材から取り外すとき、前記バイアルアダプタ及びこれに取り付けられた使用済みバイアルを選択的に持ち上げるためのバイアルアダプタ解放機構を含み、それによって、使用者が前記バイアルアダプタ及びこれに取り付けられた使用済みバイアルを前記クレードルから手で取り外すのを補助できる、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記バイアルアダプタ解放機構は、前記環状部材の回転時に前記環状部材に関して直線的に変位できる、上部が開口した直立した円筒形バイアルホルダと螺合する、回転可能な環状部材を含む、装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記ハウジングは、使用者が調製組立体を装着するのを補助するため、バイアルを挿入するための盲ボアを含む、装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載の装置において、
前記ハウジングは、使用者が、ニードルシールドを持つニードルを含む液状薬剤組立体からニードルシールドを取り外すのを補助するためのV字形状のオープナーを含む、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A−11B】
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【図11C−11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2010−525863(P2010−525863A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−505012(P2010−505012)
【出願日】平成20年5月4日(2008.5.4)
【国際出願番号】PCT/IL2008/000606
【国際公開番号】WO2008/135989
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(506361719)メディモップ・メディカル・プロジェクツ・リミテッド (16)
【Fターム(参考)】