投与装置および製品投与方法
投与装置が、可撓性の壁部分を有する少なくとも1つの区画を有するパッケージと、流体移送装置と、裏当てとを備える。投与する間、裏当ては、パッケージから流体移送装置を介して製品をしぼり出すのを促進するようにパッケージを支持する。かかるパッケージから製品を投与する方法も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充填済み製品を投与するための装置に関する。より詳細には、本開示は、前記パッケージの製品が1つまたは複数の薄膜または箔の区画の中に貯蔵されている単位用量充填済みのパッケージを備える充填済み製品を投与(液供給)するための装置に関する。
【発明の要約】
【0002】
製品を貯蔵しかつ投与するための装置が、少なくとも1つの第1の可撓性の壁を備え、かつ投与可能流体で充填された少なくとも1つの第1の区画を有する充填済み単位用量パッケージと、少なくとも1つの剛性裏当て(backing)と、製品を前記流体区画から目標位置へ所望の方法で移動させるための流体移送装置とを備える。使用の前に、前記製品は、脆弱な出口シールにより前記流体移送装置から密封して隔てられる。脆弱なシールは破られて、投与可能流体と流体移送装置との間が流体的に連通される。この構成は、前記剛性裏当てが前記パッケージを圧搾するように操作され、それによって前記投与可能流体を流体移送装置から投与させる。
【背景技術】
【0003】
本開示は、パッケージが少なくとも1つのチャンバの周辺で密封された薄膜または箔(ともに以後、「ウェブ」と称することもある)の各部分から構成される投与パッケージ、ならびに前記チャンバを破断させて前記パッケージの中身が投与されるのを可能にする手段の分野に関する。
【0004】
米国特許第5,131,760号明細書は、流体材料を収容することができるパッケージを開示しており、流体材料は、親指および人差し指からパッケージに指圧を加えてパッケージを制御された様式で破断させ、それによってパッケージ内に入れられた流体材料を放出することにより、パッケージから放出されることが可能である。パッケージは、パッケージから流体材料を放出する速度および方法を制御するように、収容チャンバが指圧によって破断させられた後で収容チャンバから放出された流体材料を受け入れるチャンバを備える。米国特許第5,131,760号明細書によって教示されている装置の一欠点は、パッケージのサイズがそもそも実質的に大きく、収容チャンバが出口チャンバに融合されたときにさらに拡張されることである。このことは、可撓性の壁を指または手のひらで直接押し下げることによりパッケージの中身を効果的にしぼり出すことを困難にする。したがって、より効果的で実用的なしぼり出し能力をもつ投与パッケージを有することが望ましい。さらに、米国特許第5,131,760号明細書は、パッケージの出口にある皮下注射針やノズルなどの流体移送装置を開示しておらず、したがってパッケージの用途が限定される。
【0005】
米国特許第5,176,634号明細書および米国特許第6,203,535号明細書はそれぞれ、希釈剤および薬剤を貯蔵しかつ混合するためのフレキシブル容器を開示している。この容器は脆弱なシールによって隔てられた複数の区画を組み込んでおり、複数の区画の中には希釈剤および薬剤が貯蔵される。シールは前記容器を操作することによって破断させられ、それによって中身を混合する。追加の脆弱なシールが、合わせられた希釈剤と薬剤の区画を、標準的IV配置(standard IV arrangement)から患者に送出するための出口区画から隔てる。これらの特許は、重力IV応用例(gravitational IV applications)の諸実施形態を教示しており、単位用量投与器応用例において(例えば、投与可能流体の量が5ml未満であるが、むしろ0.5mlに近い場合)いくつかの欠点がある。米国特許第5,131,760号明細書の欠点について上述したように、出口区画と投与可能流体区画が融合すると、コンタクトを投与するために押し下げられる必要があるパッケージのサイズが増大して、効果的に実行するのを不便にする。上記の発明では、脆弱なシールの破断は、希釈剤の区画を折り畳んで投与可能流体の区画を加圧することによって実現される。この折畳み手法は、後で明示する本開示のいくつかの実施形態で実用的となりうるが、2ml程度の小さい希釈剤区画、いくつかの実施形態では0.5ml程度の小さい希釈剤区画に対しては一般に実用的でない。さらに、米国特許第5,176,634号明細書および米国特許第6,203,535号明細書は、中身を強制送出するための手段を開示していない。
【0006】
米国特許第4,955,871号明細書は、単回使用使い捨てシリンジを開示している。シリンジには、製品区画が、1対の凸型ドームを形成する拡張中心部分を有する2枚のフレキシブル熱可塑性材料シートで形成される。ドームはどちらも、2本の指で直接力を加えることにより圧縮可能である。本発明に基づく製品が現在、Becton Dickinson and Company(Franklin Lakes、NJ(フランクリンレイクス、ニュージャージー州))によってUniject(商標)という製品名で商品化されている。
【0007】
このシリンジ内に入れられた用量の圧搾速度は、ユーザの指腹の生理機能とパッケージに対する指の押下げとに依存し、したがって、完全なもしくは一貫した用量送出を確保することができない。この実施形態のもう1つの欠点は、装置は装置の一端で2本の指の間に保持されるが、針は装置の他端で薄膜だけが2つの端部の間で連通した状態で固定されることである。したがって、針およびユーザの手の中の堅さの制御が限定される。
【0008】
本開示では、流体移送装置は、剛性裏当てを介してユーザの手と流体移送装置とを連通させる剛性裏当てを組み込むことにより、堅さおよび正確さを有する。
【発明の概要】
【0009】
本開示は好ましくは、少なくとも1つの第1の可撓性の壁を備え、かつ投与可能流体で予め充填された少なくとも1つの物質区画を有するパッケージと、少なくとも1つの剛性裏当てと、製品を前記流体区画から目標位置へ所望の方法で移動させるための流体移送装置と、を備える充填済み単位用量製品投与装置を開示する。使用の前に、投与可能製品は、流体移送装置から脆弱な出口シール(以後、「出口シール」と称することもある)によって密封して隔てられる。使用時に出口シールが破られて、投与可能製品と流体移送装置との間が流体的に連通される。この配置は、前記剛性裏当てが前記パッケージから流体移送装置を介して製品を効果的にしぼり出すのを促進するためのものである。
【0010】
本開示では、投与可能流体区画が、投与可能流体区画の可撓性の壁を指で圧迫することにより直接的または間接的に圧搾される。区画の「フットプリント」は、前記区画の中身を効果的に放出するために圧搾される必要があるはずの区画の実面積と見なすことができる。多くの可撓性の壁パッケージの構造では、「フットプリント」は投与可能流体区画の周辺であり、前記可撓性の壁はその周辺で第2の壁に封止される。
【0011】
パッケージは、パッケージの少なくとも1つの区画内の製品を加圧するように押し下げることができる少なくとも1つの可撓性の壁を備える。パッケージからの製品のしぼり出しは、可撓性の壁を剛性裏当てに対して直接押し下げることにより、あるいは可撓性の壁を剛性裏当てに対して押し下げる圧縮パネルなどの器具によって行うことができる。可撓性の壁は、2種類のシール、すなわち永久シールおよび脆弱なシールを形成するように、少なくとも1つの区画の周辺で少なくとも1つの追加の壁に封止される。永久シールは、前記区画と隣接する区画との間または区画と流体移送装置との間を流体的に連通するようにシールを破断させる必要がある場合を除いて、区画の周辺で取り付けられる。米国特許第6,203,535号明細書、米国特許第5,176,634号明細書、および米国特許第5,131,760号明細書は、脆弱なシールと永久シールを組み合わせてフレキシブルパッケージを形成する材料および方法を開示しており、上記特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。脆弱なシールおよび永久シールをパッケージの指定領域に制御された方法で作るのに適した1つの多層膜材料が、PerfecSeal(Oshkosh、WI(オシュコシュ、ウィスコンシン州))からのX203−2113−Lである。この材料の接着層は、約130℃で密封するが弱いボンドを形成し、約170℃で封止されると強い永久ボンドを形成する。いくつかの実施形態では、パッケージは、脆弱なシールによって隔てられた、投与可能な製品の様々な物質を収容する多数の区画を備えており、脆弱なシールは破断させられて、操作中にそれらの区画が融合され物質が混合されて投与可能製品にすることができるようにする。いくつかの実施形態では、前記区画のうちの少なくとも1つは希釈剤を収容し、前記区画のうちの少なくとも1つは乾燥物質を収容する。乾燥物質は、自由流動性粉末、圧縮粉末、顆粒、球粒、固体、丸剤、凍結乾燥ケーキ、固体マトリックスに取り付けられたコーティング、固体マトリックスに関係する乾燥物質などの形をとることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの区画が希釈剤を収容し、少なくとも1つの追加の区画が乾燥形状のワクチンまたは薬剤を収容する。これらの区画は、ワクチンまたは薬剤を再構成するために、投与する前に融合される。
【0012】
流体移送装置は、製品をパッケージから目標位置まで好ましい形で運ぶのに適した任意の機構とすることができる。流体移送装置はパッケージの壁の中または間に形成することができ、あるいは流体移送装置は挿入物または装備品としてパッケージに関係する部品または組立体とすることができる。別法として、流体移送装置は、可撓性の壁と剛性裏当てとの間に実装することができ、あるいは剛性裏当て内に、または付着物として剛性裏当てに実装することもできる。流体移送装置は、点滴器;スプレーノズル;局所、眼、鼻、もしくは耳の塗布器、点滴器または噴霧器;中身を表面に薄く塗るためのブラシ、スポンジ、または他の吸収性媒体;チューブ、カニューレ、または毛細管;組織に挿入するための針、剛性もしくは可撓性のカニューレまたは他の鋭い物体;流体系と連通するためのコネクタ、ルアー・スリップ・コネクタ、ルアー・ロック・コネクタ;上記を組み合わせたもの;上記のうちの1つに対する延長部、連結器、またはコネクタ;などの様々な形または様式をとることができる。
【0013】
剛性裏当ては少なくとも1つの剛性部材で作ることができ、剛性部材に対してパッケージを圧搾して製品を流体移送装置から放出させることができる。いくつかの実施形態では、剛性裏当てはまたパッケージの少なくとも1つの区画の圧搾を支援して、送出前に複数の区画を融合させたり、出口シールを破断させ流体移送装置との流体的な連通を確立させたりする。剛性裏当ては、ユーザの手と流体移送装置との間に堅固な身体的コミュニケーションをさらに提供し、したがって、剛性裏当てを手に持つユーザは、流体移送装置の投与端部を移動させ位置付けることに対する正確かつ繊細な制御を行い、このことは、流体移送装置が、取り扱いに感受性および正確性を必要とする皮下注射針、点眼器または他の流体移送装置である場合に特に重要である。
【0014】
いくつかの実施形態では、パッケージは剛性裏当てに永久的に付着される。他の実施形態では、パッケージは使用時に剛性裏当てに取り付けられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、剛性裏当てはパッケージの壁のうちの1つとなる。
【0016】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、使用の前後に流体移送装置に対する保護および流体移送装置からの保護となる。
【0017】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、パッケージを破断させたときに投与可能な流体が流体移送装置を通って爆発するのを防止するための流量調整器を収容する。
【0018】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、流体移送装置からパッケージ内への逆流を防止するための逆止め弁を収容する。
【0019】
別の実施形態では、米国特許第6,203,535号明細書で提案されているような剥離可能なフレキシブルカバーが、製品または物質の露光量をさらに低減するとともに、パッケージからおよびパッケージへの酸素または湿気の移動を低減するために、パッケージの表面に取り付けられ、1つまたは複数の区画の少なくとも一部を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パッケージが単一の区画を備え、流体移送装置がルアー・スリップ・コネクタの形状を有する挿入装備品である、好ましい一実施形態を示す図である。
【図2】パッケージが脆弱なシールによって隔てられた2つの区画を備え、流体移送装置がルアー・スリップ・コネクタの形状の挿入装備品である、好ましい一実施形態を示す図である。
【図3】パッケージが2つの区画を備え、各区画が別個の出口シールを介して流体移送装置に連結される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図4】流体移送装置がパッケージの壁に取り付けられた外部装備品である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図5】流体移送装置がパッケージの壁によって形成される、別の好ましい実施形態を示す図である。パッケージは、複数の区画の周辺で互いに封止された2枚の材料シートを備える。
【図6】パッケージが、区画の周辺で裏当てに封止された1枚の材料シートを備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図7】流体移送装置がパッケージと裏当てとの間に形成される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図8】流体移送装置がパッケージと裏当てとの間に埋め込まれ、パッケージが複数の区画を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図9】流体移送装置が裏当て内に埋め込まれる、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図10】流体移送装置が、プラスチックハブを介してパッケージと連通する皮下注射針である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図11】流体移送装置が、プラスチックハブなしにパッケージと連通する皮下注射針である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図12】装置が滅菌針ラップを備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図13】使用の最後に流体移送装置破断機構を備える別の好ましい実施形態を示す図である。
【図14】裏当てが、圧縮パネルを所望の位置で裏当てに対して偏倚させるためのばね機能を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図15】裏当てに対する圧縮パネルの動きを制限するためのラッチングアームを備える別の好ましい実施形態を示す図である。
【図16】パッケージが裏当ての表面に取り付けられる、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図17】装置が流量調整器を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図18】貯蔵所製品区画が裏当ての折り目線の上に配置される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図19】圧縮パネルを具備していない別の好ましい実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、本開示の好ましくは充填済み単位用量投与パッケージの形をとる装置(以後、「装置」)10の好ましい一実施形態が示されている。図1aおよび図1aの詳細図である図1bは、活性化前の装置10の全体を示す図である。装置10は一般に、1回用量の投与可能製品で予め充填された、可撓性の壁11によって部分的に画定された製品区画12を備えるパッケージ9と、製品を目標の位置に対して所望の方法で連通させるための流体移送装置14と、パッケージ9を支持する剛性裏当て16とを備えている。裏当て16は、ヒンジ18を介して圧縮パネル17に接合される。圧縮パネル17は、ヒンジ18に沿って回転し、かつ区画12を押し下げ、前記製品を流体移送装置14から投与させるように操作することができる。装置10は、活性化するまで区画12内の投与可能製品を流体移送装置14から密封して隔てる脆弱な出口シール13をさらに備え、前記出口シールは、製品区画12が事前定義した圧力閾値を超えて加圧されたときに破断可能である。第1の可撓性の壁11は、前記第1の区画12の第1の周辺マージン部15に沿って永久的に封止されるとともに、前記第1の区画12の第2の周辺マージン部に沿って非永久的に封止されて、前記製品区画12と前記流体移送装置14との間に位置する脆弱な出口シール13を画定し、したがって、前記出口シールが破断させられたときに、製品と前記流体移送装置14との間に流体的な連通が確立される。一実施形態では、この構成は、パッケージ9を押し下げることにより製品区画12内に圧力が生じ、この圧力が、第1の可撓性の壁11と区画12の第2の壁との間の脆弱なシールを切り離すことにより出口シール13を破断させて、流体移送装置14で製品の流体的な連通を確立し、それによって装置10を活性化して製品を目標位置に規定された方法で投与するためのものである。区画12は、親指によって、またはパッケージ9が前記圧縮パネル16と裏当て17との間に挟まれるように剛性裏当て17の上に圧縮パネル17を折り畳むことによって直接圧搾することができる。あるいは、パッケージ9は、前記装置を操作するために作られた別の機械もしくは器具によって、または必要に応じて他の手段によって押し下げることができる。
【0022】
パッケージ9は、前記製品区画12の周辺で封止された薄膜や箔などの薄いラミネート(一般に「ウェブ」と称する)で作られた少なくとも1つの可撓性の壁11を備えていて、製品区画12内の圧力を受けて分離する前記周辺の一部13上のシールを有するが、シール15の残り部分は製品区画12内の限界圧力を受けて分離することのない永久シールである。永久シール15は出口シール13に沿って連続しており、したがって、出口シール13を破断させると流体通路が形を成し、流体移送装置14と共に投与可能流体を確実に流通させる。
【0023】
いくつかの実施形態では、可撓性の壁11は、製品区画12および出口シール13が剛性裏当て19と可撓性の壁11との間に形成されるように、剛性裏当て19に直接封止される。
【0024】
別の実施形態では、パッケージ9は、区画12および出口シール13が可撓性の壁11と追加の壁との間に形成され挿置されるように可撓性の壁11が少なくとも1つの追加の壁(図示せず)に封止されることによって確立される。かかる実施形態の利点は、パッケージがより一般的なフォーム・フィル・シール(Form−Fill−Seal)またはフィル・シール・ライン(Fill−Seal line)上に製造されうるとともに、後続の製造段階で裏当てに導入されうることである。
【0025】
別の実施形態では、区画12および出口シール13が可撓性の壁11と剛性裏当て16との間に部分的に形成され、かつ可撓性の壁11と少なくとも1つの追加の壁との間に部分的に形成されるように、特定の前述の実施形態を組み合わせたものが作られる。
【0026】
剛性裏当ては、ヒンジ18を形成し、かつ折り目線を画定する薄いフレキシブル部分を介して、一端に沿って長方形圧縮パネル17に接合された長方形フラップ16を備える。適用要件および好ましい製造形式に応じて、ヒンジ18は、成形リビングヒンジ(living hinge:一体ヒンジ)として、あるいは当技術分野で知られる他の形および種類の回転ヒンジまたはフレキシブルジョイントの解決法で製造することができる。剛性裏当て16は、成形プラスチック、プラスチックシートもしくはボード(単層、多層、押出し、吹出し、ラミネートなど)、金属薄板、鋳造合金、板紙、複合材料、セラミック、または上記の組合せを含む様々な材料および様々なプロセスで作ることができる。いくつかの実施形態では、リビングヒンジ18は裏当てと一体に成形することができる。他の実施形態では、裏当て16および圧縮パネルは1つの一体成形部品として作ることができる。裏当て16がシートまたはボードから作られる場合、リビングヒンジを形成するための薄い部分は、指定された折り目線に沿って壁厚の局所カットアウト(機械加工、蒸着、レーザ切断など)部分で形成することにより、バルク材の組成物から特定の材料を選択的に除去すること(熱可塑性樹脂を熱で除去し、後ろにある熱硬化性繊維またはマッシュを残すことなど)により、あるいは二次部分の圧縮または加熱成形により、成形することができる。裏当て16がシート材料から作られる場合、リビングヒンジは前記シートの平坦部分によって形成することができるが、裏当て16および圧縮パネル17は裏当て16および圧縮パネル17の縁部を折り畳むことによって強化される。いくつかの実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17の剛性に対するリビングヒンジ18の可撓性は、局部熱処理、選択的表面処理、選択的組成変化などの材料処理により少なくとも部分的に実現される。いくつかの実施形態では、リビングヒンジ18は、剛性裏当て16と圧縮パネル17との間に指定された折り目線に沿って挿置された追加の可撓性材料の層によって形成することができる。一実施形態では、この可撓性の層はラベルである。追加の層は、折り目線に最も近い縁部に沿って局所的に取り付けることができ、あるいは、追加の層は、裏当て16および/または圧縮パネル17のより広い部分またはファセット全体を覆うことができる。追加された層には所望のグラフィックスまたは情報を予め印刷することができる。他の諸実施形態では、リビングヒンジ部分18は弾性材料から作ることができる。弾性材料部分は、予め製作しフラップ間に取り付けること、共成形、共押出し、インサート成形などを含む、当技術分野で知られる手段のうちの1つを用いて形成することができる。一実施形態では、パッケージ9の壁が裏当てとなるように実質的に剛性である。一実施形態では、パッケージ9の壁が圧縮パネルとなるように実質的に剛性でありかつ広がる。折畳みヒンジ18は、軸線が折り目線に沿ってフラップ16および17のそれぞれの中の固定物(穴など)を通り抜けるドアヒンジ、あるいは様々なプラスチック製品において一般的なソケットおよびメニスカス配置の形をとるなどの他の方法で形成されうることが、当業者には明らかであろう。裏当て16および圧縮パネル17は任意の形状を有することができ、図1で明らかな大部分が薄い長方形形状に限定されるものではない。
【0027】
流体移送装置14は、カップまたは注ぎ口をフレキシブルパッケージに連結させるための、ポーチ容器内に一般的に使用されているポーチインサート装備品(pouch insert fitment)の形を有する近位端部を備える。この装備品は、活性化すると、流体通路13内を流れる製品が制限されて流体移送装置14の内部通路の中へ流れるように、可撓性の壁11と追加の壁(図示せず)との間に液密に封止される。装備品14の遠位端部は、薬物送達または流体管理と関連している医療用流体系に一般的に使用されるオス型ルアー・スリップ・コネクタの形状である。ルアー・スリップ・コネクタ14は、製品を標的に直接投与するための注ぎ口として、あるいは皮下注射針ハブや注入系のY部位注入点などの別の装置またはシステムのメス型ルアーコネクタと連通するために使用することができる。したがって、ルアー・スリップ・コネクタの形をとる流体移送装置14は、本開示の投与パッケージ10の種々の可能な応用例を作り出す。一実施形態では、この装置は皮下注射針を受け入れ、医療用シリンジとして機能する。別の実施形態では、装置10は、Y部位を通じて注入セットに導入するための充填済み単位用量の薬剤である。流体移送装置は、パッケージを再封止するための交換可能なクロージャを具備することができる。他の実施形態では、流体移送装置14の遠位端部は、装備品14に直接取り付けられた皮下注射針;チューブ、毛細管もしくはホースに対するコネクタ;ルアー・ロック・コネクタ;皮膚などの表面に局所塗布するための泡または他の吸収性パッド;スプレーヘッド;鼻噴霧器または点鼻器;経口点滴器または点眼器;灌注ノズル;ミニ針または針;極微針または極微針アレイ;ジェット式注射器;あるいは上記のうちの1つに対する延長部/結合ユニットなどの別の形状のものである。
【0028】
次に図1cおよび図1cの拡大詳細図である図1dを参照すると、装置10は活性化後の状態で示されており、この状態では、出口シール13が分離されており(両図から脆弱部分が図1aおよび図1bに比べて膨らんでいることが分かる)、流体的な連通が区画12と流体移送装置14との間に確立されている。出口シールは、区画12に直接力を加えること(例えば、親指で押し下げること)、剛性裏当て19を折り畳み、製品区画を圧搾するかまたはこの手法にかなう別の器具によること、のどちらかによって切り離されていることが理解されるべきである。出口シール13は、シールを切り離すのに要する力が永久シール15を切り離すのに要する力より小さくなるように製造された部分と定義される。米国特許第5,176,634号明細書、米国特許第6,203,535号明細書、および米国特許第5,131,760号明細書は、他の永久シールのパッケージ内に脆弱なシールの選択領域を製造するための材料、方法およびプロセスを開示している。脆弱なシールに対する1つの懸念は、脆弱なシール13を破断させた瞬間に、脆弱なシールを破断させるために生成された過度の圧力が流体移送装置14を通る製品の爆発を引き起こすことである。一実施形態では、区画12と流体移送装置14の出口との間の流体通路の少なくとも一部が、通路の断面積を限定すること、流路の長さを延長すること、あるいは抗力および圧力降下を増大させる流路内の特徴を適当に配置することにより、流量制限器として働く。別の実施形態では、出口シール13は、シールの強度が流路の方向に沿って次第にまたは漸進的に低下していくように作られる。したがって、一定の限界圧力が脆弱なシールの分離を始めるために必要であるが、分離の後続する前部は、脆弱部分13が完全に引き離され、そして製品区画12と流体移送装置14との間に流体的な連通が確立されるまでは、切り離すなどのためにさらに低い圧力を必要とし、その時点で流体通路13は開け放たれ、投与流れに対する抵抗は比較的低い。
【0029】
図1eは投与方向にある装置を示し、この方向では、圧縮パネル17が剛性裏当て16の上に折り重ねられて、区画12が圧縮パネル17と剛性裏当て16との間で圧搾されうるようにする。
【0030】
別の実施形態では、装置は、装置を使い始めてからパッケージ9の再補充を防止するための一方向弁を組み込んでいる。この弁は、流体移送装置内に、または流体通路内もしくは区画内に組み込むことができ、パッケージの壁の間に、パッケージと裏当てとの間に、または裏当て内に形成または配置することができる。
【0031】
次に図19を参照すると、圧縮パネルを具備していない別の好ましい実施形態が示されている。パッケージ9は、親指を直接押し下げることにより、または別個の圧縮パネルを押し下げることにより圧搾することができる。一実施形態では、装置は、パッケージ9を押し下げるための圧縮パネルを具備する装置を操作するために作られた器具に関連する。圧縮パネルは、図1において明らかな平坦なパッドに限定されるものでなく、曲面パネルやローラなどの当技術分野で知られる他の形をとることもできる。
【0032】
次に図2を参照すると、図1の実施形態と類似している別の好ましい実施形態20が示されている。この場合、第1の区画12は第1の物質を収容しており、フレキシブルパッケージ9は第2の物質で充填された第2の区画21を備える。活性化前に、この2つの区画は、第2の脆弱なシール13(以後、「混合シール」と称することもある)によって密封して隔てられており、第2の脆弱なシール13は、使用時に区画12および21の一方または両方を加圧することによって破断させられる。第1の物質および第2の物質は、投与する前に混合されて投与製品(または混合製品)を形成する必要がある。図2aは静止位置にある装置20を示し、活性化前に第1の区画12および第2の区画21が混合シール22によって隔てられているのを示している。図2bに、可撓性の壁11の形をより詳細に示している装置20の部分上面図を示す。混合シールのパターンは鋸歯に似ており、鋸歯は活性化中に応力集中を引き起こして混合シール22の破断を促進する。
【0033】
図2cに装置20の活性化前の状態の部分側面図を示す。製品区画12および第2の区画21は、比較的深い形(すなわち、小さい密封フットプリントを有する深い空洞)を有する。流体ポーチまたはブリスタは一般に比較的浅く作られており、現在の区画12および21の独特の形状は、活性化および投与中に押下げ面を縮小して物質の圧力を高くし、かつ製品のしぼり出しをより効果的にするために有利である。区画12および12が深い空洞であると押込み移動距離を長くすることも可能になり、それによって連続的な圧力を提供して、2つの区画12および21が1つの連続的チャンバを形成するまでに脆弱なシール22を端から端まで破断させることが可能になる。区画がこの実施形態での区画に比べて浅い従来のポーチの場合、初期破断後、脆弱なシール全体を強制的に切り離すのを可能にするさらなる押込み移動距離はないはずなので、脆弱なシールを完全に破断させるのはさらに困難になる。
【0034】
図2dおよび図2dの拡大詳細図である図2eは、活性化前(すなわち、出口シールを破断させる前)の状態にある、パッケージ9の第2の区画21と第1の区画12とを融合させた後の装置20を示している。新しい融合した区画12’(以後、依然として「区画12」または「製品区画」と称することもある)は、元のパッケージの区画12および21の中身の混合を促進する連続チャンバの形をとる。いくつかの実施形態では、第2の物質は、隅にこびり付き、かつ溶解しにくい傾向がある乾燥粉末、ゲル、またはペーストもしくは固体であり、融合された区画12’の滑らかな一体形状は第2の物質と第1の物質を混合するのを促進する。図2eでは、出口シール13は活性化前に平らになった状態にあることが明らかである。出口シール13を切り離すのに必要な圧力は混合シール22を切り離すのに必要な圧力よりも高く、したがって、混合シール22を完全に切り離し2つの区画12および21の中身を完全に混合する前に装置20が活性化されて投与可能製品を形成する状況を回避する。
【0035】
図2fおよび図2fの詳細図である図2gは、製品区画12’がさらに加圧され(区画12および21を融合させるために使用される圧力より高い圧力)、出口シール13が破断した後の、活性化前の状態での装置20を示す。図2gでは、流体通路13は脆弱な出口シールが破断した後で膨らんでいることが明らかである。別の実施形態では、出口シール13の破断力閾値は混合シール22の破断力閾値より高くない。
【0036】
図2hは投与位置にある装置20を示しており、この位置では、圧縮パネル17が裏当て16の上に折り重ねられて製品区画12’を圧搾し、製品を流体移送装置14から投与させる。いくつかの実施形態では、一連の逐次ステップとして上に例示した混合ステップ、活性化ステップ、および投与ステップが組み合わされて、裏当て16の上に圧縮パネル17を折り重ね、かつ押し下げる単一の連続的に流れる動作になり、上記の順序を引き起こす。
【0037】
別の実施形態では、投与パッケージは、第2の区画21がするのと同じ方法で第1の区画12に融合される少なくとももう1つの区画を備える。実施形態20は、完成された製品の安定性が、使用時まで特定の第1の物質を製品の第2の物質から隔てたままにすることにより延長されうる場合に、特に有利である。一実施形態では、第2の区画は、送出前に希釈剤で再構成される必要があるワクチンや抗生物質などの乾燥医療用物質を収容する。他の実施形態では、第2の物質は、細い針を通じて送出されるようにするために第1の物質で希釈される必要がある厚いゲルフォームの生物薬剤(第2の物質の貯蔵寿命を延ばす)である。
【0038】
次に図3を参照すると、パッケージ9は、図1の単一区画の実施形態10で行われたのと同じ方法で活性化および投与が並行して行われる2つの第1の区画12’および12”を備える、別の好ましい実施形態30が示されている。流体通路13は、少なくとも1つの出口シールを具備するものであり、区画12’および12”を相互連結するとともに、区画12’および12”の中身を流体移送装置14へ導く。区画12’および12”のそれぞれが、図2の実施形態20で示されているように、製品を形成するように第1の区画12’および12”に融合されるべき対をなす物質区画を組み込むことができることが、当業者には明らかであろう。さらに、実施形態30に類似の実施形態が、単一パッケージまたは複数パッケージで実施される3つ以上の区画を並列に備えることができることが、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、区画12’および12”に対する流体通路13の共通部分は、流体移送装置14に到達する前に2つの区画12’および12”の製品の混合を促進する特徴を備える。別の実施形態では、流体移送装置は、製品の物質を混合するための混合要素を備える。混合要素は、パッケージ9の壁の間、パッケージ9と裏当て16との間、および裏当て16の中、のうちの1つまたは複数で、少なくとも部分的に配置または形成することができる。
【0039】
次に図4aを参照すると、流体移送装置41が可撓性の壁11の外側に接合されたフィッティングである、別の好ましい実施形態40が示されている。図4bは装置40の分解図である。装備品41の近位端部は、流体通路13の開口部42のまわりで壁11の表面に封止するためのフランジの形をとる。流体移送装置41の遠位端部はルアー・スリップ・コネクタの形をとる。
【0040】
次に図5を参照すると、流体移送装置51が単に先端部51のような形状の流体通路13の遠位端部である、別の好ましい実施形態50が示されている。図5aは、流体通路13が裏当て16の折り目線18につながるような配置を示しており、この配置では、裏当て16と圧縮パネル17との間にあるヒンジ部分18の開口部52が流体通路13の投与先端部51を受け入れる。したがって、流体移送装置51はパッケージ9内に一体化される。図5bは装置50の投与位置を示す。圧縮パネル17は、融合された製品区画(図示せず)が2つの区画の間に圧搾されるように、裏当て16の上に折り重ねられる。投与先端部51は、装置50が折り畳まれたときに開口部52の中で中身を標的に好都合に投与できることを示す。この配置の利点は、この配置が、製造装置に製造コストおよび複雑性を追加する、上記の実施形態のうちのいくつかに組み込まれる装備品を回避することである。図5cは、可撓性の壁11で封止して区画12を形成する第2の壁53を示している装置50の分解図である。投与先端部51は、a)長いもしくは短い先端部、b)幅の広いもしくは狭い出口、c)単一もしくは複数の出口、d)灌注、滴下もしくは噴霧先端部、e)局所塗布器または点滴器、などを具備する特定の応用例を支持するように様々な形状で形成することができる。
【0041】
次に図6を参照すると、図2の実施形態20とほぼ同じ別の好ましい実施形態60が示されており、この場合、図6aに示されているように、可撓性の壁11が裏当て16および圧縮パネル17を可撓性の壁11全体で覆う。圧縮パネル17は、区画のフットプリントと一致するように作ることができる。さらに、図6bに分解図で示されているように、可撓性の壁11は、裏当て16に対して直接封止してパッケージ9(製造区画12、第2の脆弱なシール22、第2の区画21および脆弱なシール13を具備する)を形成する。裏当て16は、実質的に剛性の薄膜または箔シートから作ることができ、グラフィックスやテキストなどの情報を印刷することができる。
【0042】
次に図7を参照すると、流体移送装置が裏当て16内に部分的に埋め込まれる、別の好ましい実施形態70が示されている。図7aは、活性化前の位置にある装置70を示している。流体通路13は折り目線18と向かい合っており、折り目線18では裏当て16と圧縮パネル17との間にある開口部52がフレキシブルパッケージ9の先のとがった先端部を受け入れる。流体通路13は前記先端部72の前で終わり、それによって出口チャネルをわずかに阻止し、先端部72への製品の流れを制限する。図7bは投与位置にある装置70を示す。投与先端部72は折り目線18の開口部52を通って出てきて、製品の好都合な投与が可能になる。
【0043】
図7cおよび図7cの詳細図である図7dは装置70の分解図である。可撓性の壁11は第2の壁73に対して封止されてパッケージ9を形成する。第2の壁73の貫通孔74が流体通路13の遠位端部に位置合せされていて、出口シール13が分離されたときに、製品9が流体通路13を流れ、追加の壁73の貫通孔74から出るようにする。流体移送装置は裏当て16の溝71であり、溝71は、孔74と投与先端部72との間に閉鎖された流体通路を形成するように追加の壁73で覆って封止される。したがって、流体通路は、剛性裏当てとパッケージ9との間に部分的に挿置される。投与先端部は、溝71の遠位端部と追加の壁73の縁部との間に形成される。溝の遠位端部は、単一ノズル、複数ノズル、長いもしくは短いノズル、灌注ノズル、滴剤ノズル、スプレーノズルなどを含む、所望の投与パターンを生成する様々な形状で形成することができる。したがって、流体移送装置の少なくとも一部は、剛性裏当てとパッケージ9との間に部分的に挿置される。
【0044】
次に図8を参照すると、図7の実施形態70とほぼ同じである別の好ましい実施形態80が示されており、この場合、実施形態80は、図8aで明らかなように、複数の第1の区画12’および12”と追加の区画21’および21”とを並列に備える。図8bは装置80の分解図であり、上部にパッケージ9で封止されると上記の区間と投与先端部72との間に閉鎖された流体通路を形成するT字形溝81を露出している。一実施形態では、溝81は、異なる融合される区画から降りてくる流れの混合を増進するための特徴をさらに備える。類似の実施形態が、1つまたは複数のパッケージで実施される、並列になった3組以上の区画を具備できることが、当業者には明らかであろう。
【0045】
次に図9を参照すると、別の好ましい実施形態90が示されている。実施形態90は上記の実施形態70と実質的に類似しており、この場合、流体移送装置は裏当て16に完全に埋め込まれる。図9aは活性化前の位置にある装置90を示し、この位置では投与先端部91が折り目線18の開口部52内に見られる。
【0046】
図9bは投与位置にある装置90を示し、この位置では裏当て19が折り畳まれ、投与先端部91が開口部52から出てきて融合された区画から製品を好都合に投与する。
【0047】
図9cおよび図9cの拡大詳細図である図9dは装置90の分解図である。第2の壁73の孔74は、点滴器の形状で投与先端部91につながる裏当て16の内部流体通路93と連通する裏当て16の孔91に位置合せされる。投与先端部は様々な形で形成することができ、追加の部品を受け入れて、灌注、スプレー、ジェットなどの特定用途向けの所望のノズル形状を形成することができる。あるいは、流体移送装置は単に、上述の種類のノズルに対するアダプタ、コネクタまたは延長部とすることもできる。したがって、実施形態90は、裏当て16内に一体化された流体移送装置と、裏当て内に部分的に一体化された流体通路と、を例示している。
【0048】
流体移送装置は、製品区画または融合された区画から投与先端部までの流体通路が、a)可撓性の壁11と少なくとも1つの追加の壁との間、b)可撓性の壁11と裏当て16との間、c)裏当て16内の内部通路の中を通り、さらにd)裏当て16と連通する付加構成要素を挿通するように、図5、図7および図9に示されている流体装置を組み合わせたものとすることができることが、当業者には明らかであろう。
【0049】
次に図10を参照すると、装置100が単位用量充填済み再構成および送出皮下注射器(unit−dose prefilled reconstitution and delivery hypodermic syringe)である、別の好ましい実施形態100が示されている。図10は、図9の実施形態90の装置と形および機能が似ている装置100の第1の面を示す。
【0050】
図10bは、活性化前の状態にある装置100の第2の面を示しており、流体移送装置は皮下注射針101を組み込んでいて皮下注射針101の近位端部が針ハブ102に連結されていることが分かる。針ハブ102は裏当て16の開口部内に液密に収容され、活性化後に製品を受け入れる。圧縮パネル17の凹所103は針101の遠位端部を収容するとともに、針101に対する機械的損傷からの保護ならびにユーザに対する針刺しからの保護を提供する。
【0051】
図10cは、活性化前段階における装置100の断面図である。第2の区画21は、乾燥粉末や凍結乾燥ワクチンもしくは薬剤などの活性医療用成分105を収容し、製品区画12は、使用時に乾燥活性成分105を再構成するための希釈剤104を収容する。連通チャネル13(この位置では平らにされ封止されている)は、針101と流体連通しているハブ102の垂直チャネル106につながっており、この配置は、活性化後、融合された区画が押し下げられたときにフレキシブルパッケージ9からの流体が針101へ厳密に流れるようなものである。
【0052】
図10dは、パッケージ9の第1の区画12および第2の区画21が12’に融合されて製品を作り出した後の装置100を示す。
【0053】
図10eは、出口シール13が破断させられて(図10dに比べて膨らまされて示されている)、針ハブ102と共に流体通路(13)を形成している、活性化後の装置100を示す。
【0054】
図10fは投与位置にある装置を示しており、この位置では融合された区画12’が裏当て16と圧縮パネル17との間で圧搾されて、製品を区画12’から針101を通ってしぼり出す。裏当て16の上に圧縮パネル17を折り重ねることにより、針101は患者に好都合に当てるように露出される。図10cと図10fの間に提示されている一連の逐次ステップは、裏当て16の上に圧縮パネル17を単に折り重ねることによる1つの連続的な動作として実行されうることが当業者には明らかであろう。針101は、針ハブをなくすために裏当て16と直接関連することができることも当業者には明らかであろう。
【0055】
次に図11を参照すると、図10の実施形態100と実質的に類似している別の好ましい実施形態が示されており、この場合、針101は裏当て16に直接取り付けられ、それによってハブ(図10内の102)をなくす。針111の近位端部は流体通路13の方へ直角に曲げられている。この実施形態では、針101は、接着剤112などの当技術分野で知られる手段のうちの1つで裏当て16に取り付けられる。
【0056】
次に図12を参照すると、装置120が一体の滅菌カバーを備える、別の好ましい実施形態が示されている。図12aは、装置120が裏当て16の凹面123に直接付着された剥離滅菌カバー121を備えていて、針のまわりに無菌領域を形成し、使用時まで針を滅菌状態に保ち、かつ保護され続けることを示している。一実施形態では、装置120は、装置全体120に対する追加の滅菌上包装なしに、この構成で滅菌され、それによって流体移送装置101は使用時まで滅菌したままである。一実施形態では、製品120はガンマ線によって滅菌される。別の実施形態では、カバー121は通気性のあるウェブ(Tyvec、Dupontなど)から作られ、製品120はETOによって滅菌される。凹面123のまわりの壁は、カバー121を保護する空洞を形成する。ルースタブ122が使用の前のカバー121の剥離を容易にする。
【0057】
図12bは、カバー121が取り除かれた後の装置120を示す。リビングヒンジ18は、リビングヒンジ18が凹面123と共に連続平面を形成して、カバー121を取り付けるための平面を提供するように配置される。カバー121は、接着層または溶接によって、あるいは当技術分野で知られる任意の他の手段によって凹面123に取外し可能に接合することができる。針101は針ハブ102に連結され、針ハブ102は、図10の実施形態100と同じ方法で裏当て16に連結される。針は、圧縮パネル17が折り畳まれてパッケージ9を圧搾するまで、圧縮パネル17の溝103の中で保護される。
【0058】
図13は、製品130の使用の終わりに針101を破断するための機構を備える別の好ましい実施形態130を示している。図13aは、圧縮パネル17が裏当て16と完全に接触するまで圧縮パネル17が矢印の方向に完全に回転させられ、製品が完全にしぼり出される、投与段階の最後における装置130を示している。リビングヒンジは裏当て16の厚みのほぼ中線に位置しており、したがって圧縮パネル17は平らな使用前の位置から両方に回転することができる。針101が現れて、針101を患者に対して導入するのに好都合である。
【0059】
図13bは、圧縮パネル17が図13aの逆方向に、矢印の方向に(すなわち、折り目線18を中心に約360度)回転させられて圧縮パネル17および裏当て16の反対側を接触させ、流体移送装置101を圧縮パネル17で使用不能にした後の装置130を示している。針101の近位端部は裏当て16に固定されているので、圧縮パネル17が回転すると針が曲がり破断せざるを得なくなり、したがって装置130は再利用することができなくなり、すなわちパッケージ中の残存製品が誤用されることはない。さらに、この位置では、針101の先端は製品が廃棄された後で針刺しを引き起こすことから保護される。一実施形態では、装置130は裏当て16および圧縮パネル17を廃棄位置でラッチする特徴を備えていて、装置130がこの位置に折り畳まれると、フラップを分離できないようにするとともに、針に到達できないようにもする。
【0060】
次に図14を参照すると、別の好ましい実施形態が示されている。裏当て16と圧縮パネル17との間に張架する2つの一体のばね141は、圧縮パネルが裏当て16に対して第1および第2の角度位置に偏倚させられるように、折り目線18に対してオフセット位置に配置される。一実施形態では、ばね141は、圧縮パネル17が裏当て16と共に平らになる第1の安定位置、および圧縮パネル17が投与位置で裏当て16の上に折り重ねられる第2の安定位置に偏倚する。別の実施形態では、第1の安定位置は、圧縮パネル17が裏当て16の上に部分的に折り重ねられたときであり、装置140がパッケージから取り除かれ、平坦位置から解除されると、圧縮パネル17は半折畳み位置にカチッと閉まるようにするものである。
【0061】
図15は別の好ましい実施形態を示す。この場合、剛性裏当て16および圧縮パネルはヒンジ18によって相互に連結される。さらに、裏当て16および圧縮パネル17は、前記ピボット部分の一方の枢動方向の動きを制限するために、複数対の協働ジョイントによって相互に連結される。2つの接合部はそれぞれ、フレキシブルヒンジによって連接された2つのセグメント151および152を備え、第1のセグメント151は一端でフレキシブルヒンジによって裏当て16に連結され、第2のセグメント152は第2のセグメント152の他端でフレキシブルヒンジによって圧縮パネル17に連結され、圧縮パネルが枢動されると、圧縮パネル17、裏当て16、第1のセグメント151および第2のセグメント152は「4棒機構」のように作用する。図15aは平坦な活性化前の位置にある装置を示しており、この位置ではジョイントのセグメント151および152は裏当て16および圧縮パネル17と共に平らになる。図15bは、圧縮パネル17が第1の区画を部分的に圧搾して第1の区画を第2の区画と融合させる位置まで圧縮パネル17を折り畳んだ、装置150を示す。このときアームが折り畳まれ、第2のセグメント152は、圧縮パネル17が裏当て16の方へさらに折り重なるのを妨げ、それによってパッケージ9の意図的でないもしくは制御されない圧縮、および装置150が活性化したときのパッケージの中身の爆発を防止するようにする。装置150の中身を投与するためには、a)ジョイントが反対位置にひっくり返されるか、またはb)セグメント151およびセグメント152との間のヒンジが破断される必要がある。装置が活性化された時点での中身の爆発をなくす他の機械的ストッパが実装されうることは、当業者には明らかであろう。
【0062】
次に図16を参照すると、フレキシブルパッケージ9が使用時にのみ剛性裏当てによって支持される、別の好ましい実施形態160が示されている。図16aは、活性化前の構成での装置160を示している。パッケージ9が、第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”の周辺で封止された第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”から形成されて、第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”が混合シール22によって隔てられた製品区画12および第2の区画21を形成するようにする。出口シール13が第2の区画21および流体移送装置14を切り離している。流体移送装置14の近位端部はポーチインサート装備品の形をとり、2つの可撓性の壁11’および11”の間に封止される。流体移送装置14の遠位端部は皮下注射針101であり、皮下注射針101は使用前の状態で裏当て16と圧縮パネル17との間に閉じ込められ、このことは針プロテクタとして働く。流体移送装置14は側方に延びるプラットホーム162をさらに備え、プラットホーム162にはリビングヒンジ18を介して第1のフラップ16および第2のフラップ17が接合されていて、裏当て16および圧縮パネル17はそれぞれ、逆方向にパッケージ9の方へ約180度枢動できるようにする。裏当て16および圧縮パネル17はそれぞれ、裏当て16および圧縮パネル17の遠位端部から裏当て16および圧縮パネル17の近位端部に向かって延びる片持ち梁ばね部分163をさらに備える。
【0063】
図16bは、裏当て16および圧縮パネル17の回転中の中間位置を示す。裏当て16および圧縮パネル17は、裏当て16および圧縮パネル17のヒンジ18を中心にパッケージ9に向かって枢動され、それによって針101を露出させる。
【0064】
図16cは、裏当て16および圧縮パネル17の遠位端部が互いに触れるように裏当て16および圧縮パネル17が完全に折り返された後の装置160を示す。この位置では、裏当て16はパッケージ9を支持しており、圧縮パネル17はパッケージ9を圧縮パネル16に対して部分的に圧搾していて製品区画12を第2の区画21と融合させ、出口シール13を分離させ、流体移送装置14との流体的な連通を確立させる。この配置は、融合された区画12’の中身のごくわずかな部分がこの位置で流体移送装置14を介して放出できるようなものである。一実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17のこの位置までの回転では脆弱なシールが分離することはなく、融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通は確立されていない。一実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17のこの位置までの回転では出口シール13を部分的に分離させるだけであり、したがって融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通は確立されていない。別の実施形態では、出口シール13はシール力が流体移送装置14に向かって次第に低下するように作られ、脆弱なシール13は融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通が確立されることのないように部分的に分離されるが、出口シール13の残り部分を分離させるための力は、脆弱なシール13の最初の部分を分離させるために必要であった力より低い。
【0065】
図16dは投与段階にある装置160を示す。ユーザの指が別の場所に移されて片持ち梁163を圧迫することにより、片持ち梁163が融合された区画12’をたわませ、さらに圧搾し、それによって裏当て16および圧縮パネル17が互いに接触し、融合された区画が空になるまで中身をしぼり出させる。一実施形態では、片持ち梁ばね163は、接合部18のそばの少なくとも1つの追加位置で破断可能なブリッジを介して連結され、破断可能なブリッジは、a)融合された区画12’の意図的でない圧搾を回避するために初期抵抗を与え、b)装置160が改ざんされていない証拠として働く。
【0066】
装置160は、装置160の操作を2つの主要段階(すなわち活性化および投与)に分けることにより、意図的でない投与(または爆発)を回避するための機構を提供するが、これには前記2つの段階の間に指を別の場所に移す必要がある。
【0067】
次に図17を参照すると、装置170が活性化されたときに中身が爆発するのを回避するために投与通路内に流量調整器を備える別の好ましい実施形態170が示されている。図17aは、図10の実施形態100と類似のパッケージ9を示す、装置の第1の面の全体図であり、この場合、パッケージ11の配置は、流体通路13が折り目線18から離れる方向を向くように反対方向に回転させられる。
【0068】
図17bおよび図17bの拡大詳細図である図17cは、第1のフラップ16の表面のエンボス加工されたチャネル170を示す装置170の分解図であり、このチャネル170は、区画12の第2の壁74で覆って封止されたときに、動的流量調整器として働く閉鎖流路を形成する。チャネル171の遠位端部にあるレセプタクル部分175はパッケージ9内の流体通路13と連通し、前記パッケージ9が圧搾されたときにパッケージ9から放出する流体を受け入れる。チャネル171の迷路状部172は、チャネル171のレセプタクル175と調整直線部分173との間で連通する。チャネルの近位端部(この図の右側)は、チャネル171に入った流れがチャネル171を通って針101の中へ進むように、針ハブ102を収容するための開口部を備える。迷路状部172の目的は、流量の増大とともに増大する圧力減衰を引き起こすことである。
【0069】
図17dは、活性化直後の装置を示す装置170の流れチャネル171に沿った部分断面図である。装置170は既に活性化されており、比較的高い圧力が融合された区画12’内に発生している。この状況は、脆弱なシール13を破断させために必要であった比較的大きな力をユーザの指が裏当て16および圧縮パネル17に依然として及ぼしているときに、装置170が活性化された後の瞬時に起こる可能性がある。図17dを再び参照すると、高圧条件の下では、流れは、融合された区画12’からレセプタクル175を通って迷路状部172の中へ進み、そこでかなりの圧力を失い、したがって、調整ストレッチ173内で受け入れられた流れは融合された区画12’内の圧力より実質的に低い。融合された区画12’内の流体と調整ストレッチ173内の流れとの間の圧力差の結果、パッケージは変形され、したがって、追加の壁73の部分は調整直線部173の中へ下方に広がり、調整直線部173の断面は縮小される。パッケージのゆがみは放出する流体の流量を減少させ、それによって流体移送装置14を通る投与可能流体の爆発を防止する。
【0070】
図17eは投与局面にある装置170を示す。指によって与えられる力は(活性状態から投与状態に)調節され、融合された区画12内の圧力は下げられるので、融合された区画12と調整直線部173との間の圧力差が低下して、追加の壁74が引っ込み、調整チャネル171内での流量制限を軽減する。この実施形態の利点は、活性化中に流体中身が爆発するのを回避するための有効な手段が、中身を患者に投与する間に流れに対する抵抗に大きな影響を及ぼさずに実現されることである。パッケージ9と調整直線部173との間の十分な圧力差が生じて第2の壁74を流路171の中へそるように効果的に操作する限り、迷路状部分172をなくすことができることが、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、エラストマー片が流れチャネル内に収容される。エラストマー片は、エラストマー片内に埋め込まれた流れチャネルを備えており、この配置は、追加の壁73がエラストマー片を圧迫してエラストマー片内のチャネルの断面を調整し、それによって流れを調整するためのものである。融合された区画内の圧力を利用して流れを動的に調節するための他の配置が存在し、この実施形態で提供される配置は一例にすぎないことが、当業者には明らかであろう。
【0071】
他の実施形態では、装置は、対象とする最初の使用の完了後の製品区画の再補充を回避するための一方向弁を備える。他の実施形態では、装置は活性化からの経過期間を示す時間指示器を備える。装置は、子供が装置を操作するのが困難であり、それによって偶発的投与または針刺しを回避するように、子供用保護をさらに含むことができる。
【0072】
次に図18を参照すると、別の好ましい実施形態180が示されている。ここで、裏当て16は、製品区画12の直下に位置し、かつ裏当て16内に第2の圧縮パネル182を画定する第2の折り目線181を有する。パッケージ9は、裏当て16および前記第2の圧縮パネル182によって支持される。この配置は、フラップ182は、第1の区画12の方へ(製品区画12から離れた平坦位置からではない)枢動するようにしか操作することができず、それによって第1の区画12に圧力がかかるようにするものである。一実施形態では、第2の圧縮パネル182の折畳みは第1の区画12を圧搾するように働いて、第1の区画12を第2の区画21および/または追加の区画に融合させる。別の実施形態では、第3のフラップ182の折畳みは、第1の区画12を圧搾し、それによって脆弱なシール13を破断させ、流体移送装置14との流体的な連通を確立するように働く。別の実施形態では、第1の圧縮パネル17が取り除かれ、第2の圧縮パネル182は製品を投与するために働く。図18aは活性化前の位置にある装置180を示す。裏当て19の肩部183およびフラップ182は、フラップ182が下方にかつ製品区画から離れる向きに枢動するのを阻止する。図18bは、フラップ182が回転させられ、第1の区画12が第2の区画21と融合した後の装置180を示す。
【0073】
したがって、本開示は、本開示の例示的な実施形態を対象とするある程度の特殊性を伴って説明してきた。しかしながら、本開示は従来技術に照らして解釈される以下の特許請求の範囲によって規定され、したがって、本明細書に含まれる本発明の概念から逸脱することなく本開示の例示的な実施形態に変更または修正を加えることができることが理解されるべきである。
【図1a−1b】
【図1c−1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d−2e】
【図2f−2g】
【図2h】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充填済み製品を投与するための装置に関する。より詳細には、本開示は、前記パッケージの製品が1つまたは複数の薄膜または箔の区画の中に貯蔵されている単位用量充填済みのパッケージを備える充填済み製品を投与(液供給)するための装置に関する。
【発明の要約】
【0002】
製品を貯蔵しかつ投与するための装置が、少なくとも1つの第1の可撓性の壁を備え、かつ投与可能流体で充填された少なくとも1つの第1の区画を有する充填済み単位用量パッケージと、少なくとも1つの剛性裏当て(backing)と、製品を前記流体区画から目標位置へ所望の方法で移動させるための流体移送装置とを備える。使用の前に、前記製品は、脆弱な出口シールにより前記流体移送装置から密封して隔てられる。脆弱なシールは破られて、投与可能流体と流体移送装置との間が流体的に連通される。この構成は、前記剛性裏当てが前記パッケージを圧搾するように操作され、それによって前記投与可能流体を流体移送装置から投与させる。
【背景技術】
【0003】
本開示は、パッケージが少なくとも1つのチャンバの周辺で密封された薄膜または箔(ともに以後、「ウェブ」と称することもある)の各部分から構成される投与パッケージ、ならびに前記チャンバを破断させて前記パッケージの中身が投与されるのを可能にする手段の分野に関する。
【0004】
米国特許第5,131,760号明細書は、流体材料を収容することができるパッケージを開示しており、流体材料は、親指および人差し指からパッケージに指圧を加えてパッケージを制御された様式で破断させ、それによってパッケージ内に入れられた流体材料を放出することにより、パッケージから放出されることが可能である。パッケージは、パッケージから流体材料を放出する速度および方法を制御するように、収容チャンバが指圧によって破断させられた後で収容チャンバから放出された流体材料を受け入れるチャンバを備える。米国特許第5,131,760号明細書によって教示されている装置の一欠点は、パッケージのサイズがそもそも実質的に大きく、収容チャンバが出口チャンバに融合されたときにさらに拡張されることである。このことは、可撓性の壁を指または手のひらで直接押し下げることによりパッケージの中身を効果的にしぼり出すことを困難にする。したがって、より効果的で実用的なしぼり出し能力をもつ投与パッケージを有することが望ましい。さらに、米国特許第5,131,760号明細書は、パッケージの出口にある皮下注射針やノズルなどの流体移送装置を開示しておらず、したがってパッケージの用途が限定される。
【0005】
米国特許第5,176,634号明細書および米国特許第6,203,535号明細書はそれぞれ、希釈剤および薬剤を貯蔵しかつ混合するためのフレキシブル容器を開示している。この容器は脆弱なシールによって隔てられた複数の区画を組み込んでおり、複数の区画の中には希釈剤および薬剤が貯蔵される。シールは前記容器を操作することによって破断させられ、それによって中身を混合する。追加の脆弱なシールが、合わせられた希釈剤と薬剤の区画を、標準的IV配置(standard IV arrangement)から患者に送出するための出口区画から隔てる。これらの特許は、重力IV応用例(gravitational IV applications)の諸実施形態を教示しており、単位用量投与器応用例において(例えば、投与可能流体の量が5ml未満であるが、むしろ0.5mlに近い場合)いくつかの欠点がある。米国特許第5,131,760号明細書の欠点について上述したように、出口区画と投与可能流体区画が融合すると、コンタクトを投与するために押し下げられる必要があるパッケージのサイズが増大して、効果的に実行するのを不便にする。上記の発明では、脆弱なシールの破断は、希釈剤の区画を折り畳んで投与可能流体の区画を加圧することによって実現される。この折畳み手法は、後で明示する本開示のいくつかの実施形態で実用的となりうるが、2ml程度の小さい希釈剤区画、いくつかの実施形態では0.5ml程度の小さい希釈剤区画に対しては一般に実用的でない。さらに、米国特許第5,176,634号明細書および米国特許第6,203,535号明細書は、中身を強制送出するための手段を開示していない。
【0006】
米国特許第4,955,871号明細書は、単回使用使い捨てシリンジを開示している。シリンジには、製品区画が、1対の凸型ドームを形成する拡張中心部分を有する2枚のフレキシブル熱可塑性材料シートで形成される。ドームはどちらも、2本の指で直接力を加えることにより圧縮可能である。本発明に基づく製品が現在、Becton Dickinson and Company(Franklin Lakes、NJ(フランクリンレイクス、ニュージャージー州))によってUniject(商標)という製品名で商品化されている。
【0007】
このシリンジ内に入れられた用量の圧搾速度は、ユーザの指腹の生理機能とパッケージに対する指の押下げとに依存し、したがって、完全なもしくは一貫した用量送出を確保することができない。この実施形態のもう1つの欠点は、装置は装置の一端で2本の指の間に保持されるが、針は装置の他端で薄膜だけが2つの端部の間で連通した状態で固定されることである。したがって、針およびユーザの手の中の堅さの制御が限定される。
【0008】
本開示では、流体移送装置は、剛性裏当てを介してユーザの手と流体移送装置とを連通させる剛性裏当てを組み込むことにより、堅さおよび正確さを有する。
【発明の概要】
【0009】
本開示は好ましくは、少なくとも1つの第1の可撓性の壁を備え、かつ投与可能流体で予め充填された少なくとも1つの物質区画を有するパッケージと、少なくとも1つの剛性裏当てと、製品を前記流体区画から目標位置へ所望の方法で移動させるための流体移送装置と、を備える充填済み単位用量製品投与装置を開示する。使用の前に、投与可能製品は、流体移送装置から脆弱な出口シール(以後、「出口シール」と称することもある)によって密封して隔てられる。使用時に出口シールが破られて、投与可能製品と流体移送装置との間が流体的に連通される。この配置は、前記剛性裏当てが前記パッケージから流体移送装置を介して製品を効果的にしぼり出すのを促進するためのものである。
【0010】
本開示では、投与可能流体区画が、投与可能流体区画の可撓性の壁を指で圧迫することにより直接的または間接的に圧搾される。区画の「フットプリント」は、前記区画の中身を効果的に放出するために圧搾される必要があるはずの区画の実面積と見なすことができる。多くの可撓性の壁パッケージの構造では、「フットプリント」は投与可能流体区画の周辺であり、前記可撓性の壁はその周辺で第2の壁に封止される。
【0011】
パッケージは、パッケージの少なくとも1つの区画内の製品を加圧するように押し下げることができる少なくとも1つの可撓性の壁を備える。パッケージからの製品のしぼり出しは、可撓性の壁を剛性裏当てに対して直接押し下げることにより、あるいは可撓性の壁を剛性裏当てに対して押し下げる圧縮パネルなどの器具によって行うことができる。可撓性の壁は、2種類のシール、すなわち永久シールおよび脆弱なシールを形成するように、少なくとも1つの区画の周辺で少なくとも1つの追加の壁に封止される。永久シールは、前記区画と隣接する区画との間または区画と流体移送装置との間を流体的に連通するようにシールを破断させる必要がある場合を除いて、区画の周辺で取り付けられる。米国特許第6,203,535号明細書、米国特許第5,176,634号明細書、および米国特許第5,131,760号明細書は、脆弱なシールと永久シールを組み合わせてフレキシブルパッケージを形成する材料および方法を開示しており、上記特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。脆弱なシールおよび永久シールをパッケージの指定領域に制御された方法で作るのに適した1つの多層膜材料が、PerfecSeal(Oshkosh、WI(オシュコシュ、ウィスコンシン州))からのX203−2113−Lである。この材料の接着層は、約130℃で密封するが弱いボンドを形成し、約170℃で封止されると強い永久ボンドを形成する。いくつかの実施形態では、パッケージは、脆弱なシールによって隔てられた、投与可能な製品の様々な物質を収容する多数の区画を備えており、脆弱なシールは破断させられて、操作中にそれらの区画が融合され物質が混合されて投与可能製品にすることができるようにする。いくつかの実施形態では、前記区画のうちの少なくとも1つは希釈剤を収容し、前記区画のうちの少なくとも1つは乾燥物質を収容する。乾燥物質は、自由流動性粉末、圧縮粉末、顆粒、球粒、固体、丸剤、凍結乾燥ケーキ、固体マトリックスに取り付けられたコーティング、固体マトリックスに関係する乾燥物質などの形をとることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの区画が希釈剤を収容し、少なくとも1つの追加の区画が乾燥形状のワクチンまたは薬剤を収容する。これらの区画は、ワクチンまたは薬剤を再構成するために、投与する前に融合される。
【0012】
流体移送装置は、製品をパッケージから目標位置まで好ましい形で運ぶのに適した任意の機構とすることができる。流体移送装置はパッケージの壁の中または間に形成することができ、あるいは流体移送装置は挿入物または装備品としてパッケージに関係する部品または組立体とすることができる。別法として、流体移送装置は、可撓性の壁と剛性裏当てとの間に実装することができ、あるいは剛性裏当て内に、または付着物として剛性裏当てに実装することもできる。流体移送装置は、点滴器;スプレーノズル;局所、眼、鼻、もしくは耳の塗布器、点滴器または噴霧器;中身を表面に薄く塗るためのブラシ、スポンジ、または他の吸収性媒体;チューブ、カニューレ、または毛細管;組織に挿入するための針、剛性もしくは可撓性のカニューレまたは他の鋭い物体;流体系と連通するためのコネクタ、ルアー・スリップ・コネクタ、ルアー・ロック・コネクタ;上記を組み合わせたもの;上記のうちの1つに対する延長部、連結器、またはコネクタ;などの様々な形または様式をとることができる。
【0013】
剛性裏当ては少なくとも1つの剛性部材で作ることができ、剛性部材に対してパッケージを圧搾して製品を流体移送装置から放出させることができる。いくつかの実施形態では、剛性裏当てはまたパッケージの少なくとも1つの区画の圧搾を支援して、送出前に複数の区画を融合させたり、出口シールを破断させ流体移送装置との流体的な連通を確立させたりする。剛性裏当ては、ユーザの手と流体移送装置との間に堅固な身体的コミュニケーションをさらに提供し、したがって、剛性裏当てを手に持つユーザは、流体移送装置の投与端部を移動させ位置付けることに対する正確かつ繊細な制御を行い、このことは、流体移送装置が、取り扱いに感受性および正確性を必要とする皮下注射針、点眼器または他の流体移送装置である場合に特に重要である。
【0014】
いくつかの実施形態では、パッケージは剛性裏当てに永久的に付着される。他の実施形態では、パッケージは使用時に剛性裏当てに取り付けられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、剛性裏当てはパッケージの壁のうちの1つとなる。
【0016】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、使用の前後に流体移送装置に対する保護および流体移送装置からの保護となる。
【0017】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、パッケージを破断させたときに投与可能な流体が流体移送装置を通って爆発するのを防止するための流量調整器を収容する。
【0018】
いくつかの実施形態では、剛性裏当ては、流体移送装置からパッケージ内への逆流を防止するための逆止め弁を収容する。
【0019】
別の実施形態では、米国特許第6,203,535号明細書で提案されているような剥離可能なフレキシブルカバーが、製品または物質の露光量をさらに低減するとともに、パッケージからおよびパッケージへの酸素または湿気の移動を低減するために、パッケージの表面に取り付けられ、1つまたは複数の区画の少なくとも一部を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パッケージが単一の区画を備え、流体移送装置がルアー・スリップ・コネクタの形状を有する挿入装備品である、好ましい一実施形態を示す図である。
【図2】パッケージが脆弱なシールによって隔てられた2つの区画を備え、流体移送装置がルアー・スリップ・コネクタの形状の挿入装備品である、好ましい一実施形態を示す図である。
【図3】パッケージが2つの区画を備え、各区画が別個の出口シールを介して流体移送装置に連結される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図4】流体移送装置がパッケージの壁に取り付けられた外部装備品である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図5】流体移送装置がパッケージの壁によって形成される、別の好ましい実施形態を示す図である。パッケージは、複数の区画の周辺で互いに封止された2枚の材料シートを備える。
【図6】パッケージが、区画の周辺で裏当てに封止された1枚の材料シートを備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図7】流体移送装置がパッケージと裏当てとの間に形成される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図8】流体移送装置がパッケージと裏当てとの間に埋め込まれ、パッケージが複数の区画を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図9】流体移送装置が裏当て内に埋め込まれる、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図10】流体移送装置が、プラスチックハブを介してパッケージと連通する皮下注射針である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図11】流体移送装置が、プラスチックハブなしにパッケージと連通する皮下注射針である、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図12】装置が滅菌針ラップを備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図13】使用の最後に流体移送装置破断機構を備える別の好ましい実施形態を示す図である。
【図14】裏当てが、圧縮パネルを所望の位置で裏当てに対して偏倚させるためのばね機能を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図15】裏当てに対する圧縮パネルの動きを制限するためのラッチングアームを備える別の好ましい実施形態を示す図である。
【図16】パッケージが裏当ての表面に取り付けられる、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図17】装置が流量調整器を備える、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図18】貯蔵所製品区画が裏当ての折り目線の上に配置される、別の好ましい実施形態を示す図である。
【図19】圧縮パネルを具備していない別の好ましい実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、本開示の好ましくは充填済み単位用量投与パッケージの形をとる装置(以後、「装置」)10の好ましい一実施形態が示されている。図1aおよび図1aの詳細図である図1bは、活性化前の装置10の全体を示す図である。装置10は一般に、1回用量の投与可能製品で予め充填された、可撓性の壁11によって部分的に画定された製品区画12を備えるパッケージ9と、製品を目標の位置に対して所望の方法で連通させるための流体移送装置14と、パッケージ9を支持する剛性裏当て16とを備えている。裏当て16は、ヒンジ18を介して圧縮パネル17に接合される。圧縮パネル17は、ヒンジ18に沿って回転し、かつ区画12を押し下げ、前記製品を流体移送装置14から投与させるように操作することができる。装置10は、活性化するまで区画12内の投与可能製品を流体移送装置14から密封して隔てる脆弱な出口シール13をさらに備え、前記出口シールは、製品区画12が事前定義した圧力閾値を超えて加圧されたときに破断可能である。第1の可撓性の壁11は、前記第1の区画12の第1の周辺マージン部15に沿って永久的に封止されるとともに、前記第1の区画12の第2の周辺マージン部に沿って非永久的に封止されて、前記製品区画12と前記流体移送装置14との間に位置する脆弱な出口シール13を画定し、したがって、前記出口シールが破断させられたときに、製品と前記流体移送装置14との間に流体的な連通が確立される。一実施形態では、この構成は、パッケージ9を押し下げることにより製品区画12内に圧力が生じ、この圧力が、第1の可撓性の壁11と区画12の第2の壁との間の脆弱なシールを切り離すことにより出口シール13を破断させて、流体移送装置14で製品の流体的な連通を確立し、それによって装置10を活性化して製品を目標位置に規定された方法で投与するためのものである。区画12は、親指によって、またはパッケージ9が前記圧縮パネル16と裏当て17との間に挟まれるように剛性裏当て17の上に圧縮パネル17を折り畳むことによって直接圧搾することができる。あるいは、パッケージ9は、前記装置を操作するために作られた別の機械もしくは器具によって、または必要に応じて他の手段によって押し下げることができる。
【0022】
パッケージ9は、前記製品区画12の周辺で封止された薄膜や箔などの薄いラミネート(一般に「ウェブ」と称する)で作られた少なくとも1つの可撓性の壁11を備えていて、製品区画12内の圧力を受けて分離する前記周辺の一部13上のシールを有するが、シール15の残り部分は製品区画12内の限界圧力を受けて分離することのない永久シールである。永久シール15は出口シール13に沿って連続しており、したがって、出口シール13を破断させると流体通路が形を成し、流体移送装置14と共に投与可能流体を確実に流通させる。
【0023】
いくつかの実施形態では、可撓性の壁11は、製品区画12および出口シール13が剛性裏当て19と可撓性の壁11との間に形成されるように、剛性裏当て19に直接封止される。
【0024】
別の実施形態では、パッケージ9は、区画12および出口シール13が可撓性の壁11と追加の壁との間に形成され挿置されるように可撓性の壁11が少なくとも1つの追加の壁(図示せず)に封止されることによって確立される。かかる実施形態の利点は、パッケージがより一般的なフォーム・フィル・シール(Form−Fill−Seal)またはフィル・シール・ライン(Fill−Seal line)上に製造されうるとともに、後続の製造段階で裏当てに導入されうることである。
【0025】
別の実施形態では、区画12および出口シール13が可撓性の壁11と剛性裏当て16との間に部分的に形成され、かつ可撓性の壁11と少なくとも1つの追加の壁との間に部分的に形成されるように、特定の前述の実施形態を組み合わせたものが作られる。
【0026】
剛性裏当ては、ヒンジ18を形成し、かつ折り目線を画定する薄いフレキシブル部分を介して、一端に沿って長方形圧縮パネル17に接合された長方形フラップ16を備える。適用要件および好ましい製造形式に応じて、ヒンジ18は、成形リビングヒンジ(living hinge:一体ヒンジ)として、あるいは当技術分野で知られる他の形および種類の回転ヒンジまたはフレキシブルジョイントの解決法で製造することができる。剛性裏当て16は、成形プラスチック、プラスチックシートもしくはボード(単層、多層、押出し、吹出し、ラミネートなど)、金属薄板、鋳造合金、板紙、複合材料、セラミック、または上記の組合せを含む様々な材料および様々なプロセスで作ることができる。いくつかの実施形態では、リビングヒンジ18は裏当てと一体に成形することができる。他の実施形態では、裏当て16および圧縮パネルは1つの一体成形部品として作ることができる。裏当て16がシートまたはボードから作られる場合、リビングヒンジを形成するための薄い部分は、指定された折り目線に沿って壁厚の局所カットアウト(機械加工、蒸着、レーザ切断など)部分で形成することにより、バルク材の組成物から特定の材料を選択的に除去すること(熱可塑性樹脂を熱で除去し、後ろにある熱硬化性繊維またはマッシュを残すことなど)により、あるいは二次部分の圧縮または加熱成形により、成形することができる。裏当て16がシート材料から作られる場合、リビングヒンジは前記シートの平坦部分によって形成することができるが、裏当て16および圧縮パネル17は裏当て16および圧縮パネル17の縁部を折り畳むことによって強化される。いくつかの実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17の剛性に対するリビングヒンジ18の可撓性は、局部熱処理、選択的表面処理、選択的組成変化などの材料処理により少なくとも部分的に実現される。いくつかの実施形態では、リビングヒンジ18は、剛性裏当て16と圧縮パネル17との間に指定された折り目線に沿って挿置された追加の可撓性材料の層によって形成することができる。一実施形態では、この可撓性の層はラベルである。追加の層は、折り目線に最も近い縁部に沿って局所的に取り付けることができ、あるいは、追加の層は、裏当て16および/または圧縮パネル17のより広い部分またはファセット全体を覆うことができる。追加された層には所望のグラフィックスまたは情報を予め印刷することができる。他の諸実施形態では、リビングヒンジ部分18は弾性材料から作ることができる。弾性材料部分は、予め製作しフラップ間に取り付けること、共成形、共押出し、インサート成形などを含む、当技術分野で知られる手段のうちの1つを用いて形成することができる。一実施形態では、パッケージ9の壁が裏当てとなるように実質的に剛性である。一実施形態では、パッケージ9の壁が圧縮パネルとなるように実質的に剛性でありかつ広がる。折畳みヒンジ18は、軸線が折り目線に沿ってフラップ16および17のそれぞれの中の固定物(穴など)を通り抜けるドアヒンジ、あるいは様々なプラスチック製品において一般的なソケットおよびメニスカス配置の形をとるなどの他の方法で形成されうることが、当業者には明らかであろう。裏当て16および圧縮パネル17は任意の形状を有することができ、図1で明らかな大部分が薄い長方形形状に限定されるものではない。
【0027】
流体移送装置14は、カップまたは注ぎ口をフレキシブルパッケージに連結させるための、ポーチ容器内に一般的に使用されているポーチインサート装備品(pouch insert fitment)の形を有する近位端部を備える。この装備品は、活性化すると、流体通路13内を流れる製品が制限されて流体移送装置14の内部通路の中へ流れるように、可撓性の壁11と追加の壁(図示せず)との間に液密に封止される。装備品14の遠位端部は、薬物送達または流体管理と関連している医療用流体系に一般的に使用されるオス型ルアー・スリップ・コネクタの形状である。ルアー・スリップ・コネクタ14は、製品を標的に直接投与するための注ぎ口として、あるいは皮下注射針ハブや注入系のY部位注入点などの別の装置またはシステムのメス型ルアーコネクタと連通するために使用することができる。したがって、ルアー・スリップ・コネクタの形をとる流体移送装置14は、本開示の投与パッケージ10の種々の可能な応用例を作り出す。一実施形態では、この装置は皮下注射針を受け入れ、医療用シリンジとして機能する。別の実施形態では、装置10は、Y部位を通じて注入セットに導入するための充填済み単位用量の薬剤である。流体移送装置は、パッケージを再封止するための交換可能なクロージャを具備することができる。他の実施形態では、流体移送装置14の遠位端部は、装備品14に直接取り付けられた皮下注射針;チューブ、毛細管もしくはホースに対するコネクタ;ルアー・ロック・コネクタ;皮膚などの表面に局所塗布するための泡または他の吸収性パッド;スプレーヘッド;鼻噴霧器または点鼻器;経口点滴器または点眼器;灌注ノズル;ミニ針または針;極微針または極微針アレイ;ジェット式注射器;あるいは上記のうちの1つに対する延長部/結合ユニットなどの別の形状のものである。
【0028】
次に図1cおよび図1cの拡大詳細図である図1dを参照すると、装置10は活性化後の状態で示されており、この状態では、出口シール13が分離されており(両図から脆弱部分が図1aおよび図1bに比べて膨らんでいることが分かる)、流体的な連通が区画12と流体移送装置14との間に確立されている。出口シールは、区画12に直接力を加えること(例えば、親指で押し下げること)、剛性裏当て19を折り畳み、製品区画を圧搾するかまたはこの手法にかなう別の器具によること、のどちらかによって切り離されていることが理解されるべきである。出口シール13は、シールを切り離すのに要する力が永久シール15を切り離すのに要する力より小さくなるように製造された部分と定義される。米国特許第5,176,634号明細書、米国特許第6,203,535号明細書、および米国特許第5,131,760号明細書は、他の永久シールのパッケージ内に脆弱なシールの選択領域を製造するための材料、方法およびプロセスを開示している。脆弱なシールに対する1つの懸念は、脆弱なシール13を破断させた瞬間に、脆弱なシールを破断させるために生成された過度の圧力が流体移送装置14を通る製品の爆発を引き起こすことである。一実施形態では、区画12と流体移送装置14の出口との間の流体通路の少なくとも一部が、通路の断面積を限定すること、流路の長さを延長すること、あるいは抗力および圧力降下を増大させる流路内の特徴を適当に配置することにより、流量制限器として働く。別の実施形態では、出口シール13は、シールの強度が流路の方向に沿って次第にまたは漸進的に低下していくように作られる。したがって、一定の限界圧力が脆弱なシールの分離を始めるために必要であるが、分離の後続する前部は、脆弱部分13が完全に引き離され、そして製品区画12と流体移送装置14との間に流体的な連通が確立されるまでは、切り離すなどのためにさらに低い圧力を必要とし、その時点で流体通路13は開け放たれ、投与流れに対する抵抗は比較的低い。
【0029】
図1eは投与方向にある装置を示し、この方向では、圧縮パネル17が剛性裏当て16の上に折り重ねられて、区画12が圧縮パネル17と剛性裏当て16との間で圧搾されうるようにする。
【0030】
別の実施形態では、装置は、装置を使い始めてからパッケージ9の再補充を防止するための一方向弁を組み込んでいる。この弁は、流体移送装置内に、または流体通路内もしくは区画内に組み込むことができ、パッケージの壁の間に、パッケージと裏当てとの間に、または裏当て内に形成または配置することができる。
【0031】
次に図19を参照すると、圧縮パネルを具備していない別の好ましい実施形態が示されている。パッケージ9は、親指を直接押し下げることにより、または別個の圧縮パネルを押し下げることにより圧搾することができる。一実施形態では、装置は、パッケージ9を押し下げるための圧縮パネルを具備する装置を操作するために作られた器具に関連する。圧縮パネルは、図1において明らかな平坦なパッドに限定されるものでなく、曲面パネルやローラなどの当技術分野で知られる他の形をとることもできる。
【0032】
次に図2を参照すると、図1の実施形態と類似している別の好ましい実施形態20が示されている。この場合、第1の区画12は第1の物質を収容しており、フレキシブルパッケージ9は第2の物質で充填された第2の区画21を備える。活性化前に、この2つの区画は、第2の脆弱なシール13(以後、「混合シール」と称することもある)によって密封して隔てられており、第2の脆弱なシール13は、使用時に区画12および21の一方または両方を加圧することによって破断させられる。第1の物質および第2の物質は、投与する前に混合されて投与製品(または混合製品)を形成する必要がある。図2aは静止位置にある装置20を示し、活性化前に第1の区画12および第2の区画21が混合シール22によって隔てられているのを示している。図2bに、可撓性の壁11の形をより詳細に示している装置20の部分上面図を示す。混合シールのパターンは鋸歯に似ており、鋸歯は活性化中に応力集中を引き起こして混合シール22の破断を促進する。
【0033】
図2cに装置20の活性化前の状態の部分側面図を示す。製品区画12および第2の区画21は、比較的深い形(すなわち、小さい密封フットプリントを有する深い空洞)を有する。流体ポーチまたはブリスタは一般に比較的浅く作られており、現在の区画12および21の独特の形状は、活性化および投与中に押下げ面を縮小して物質の圧力を高くし、かつ製品のしぼり出しをより効果的にするために有利である。区画12および12が深い空洞であると押込み移動距離を長くすることも可能になり、それによって連続的な圧力を提供して、2つの区画12および21が1つの連続的チャンバを形成するまでに脆弱なシール22を端から端まで破断させることが可能になる。区画がこの実施形態での区画に比べて浅い従来のポーチの場合、初期破断後、脆弱なシール全体を強制的に切り離すのを可能にするさらなる押込み移動距離はないはずなので、脆弱なシールを完全に破断させるのはさらに困難になる。
【0034】
図2dおよび図2dの拡大詳細図である図2eは、活性化前(すなわち、出口シールを破断させる前)の状態にある、パッケージ9の第2の区画21と第1の区画12とを融合させた後の装置20を示している。新しい融合した区画12’(以後、依然として「区画12」または「製品区画」と称することもある)は、元のパッケージの区画12および21の中身の混合を促進する連続チャンバの形をとる。いくつかの実施形態では、第2の物質は、隅にこびり付き、かつ溶解しにくい傾向がある乾燥粉末、ゲル、またはペーストもしくは固体であり、融合された区画12’の滑らかな一体形状は第2の物質と第1の物質を混合するのを促進する。図2eでは、出口シール13は活性化前に平らになった状態にあることが明らかである。出口シール13を切り離すのに必要な圧力は混合シール22を切り離すのに必要な圧力よりも高く、したがって、混合シール22を完全に切り離し2つの区画12および21の中身を完全に混合する前に装置20が活性化されて投与可能製品を形成する状況を回避する。
【0035】
図2fおよび図2fの詳細図である図2gは、製品区画12’がさらに加圧され(区画12および21を融合させるために使用される圧力より高い圧力)、出口シール13が破断した後の、活性化前の状態での装置20を示す。図2gでは、流体通路13は脆弱な出口シールが破断した後で膨らんでいることが明らかである。別の実施形態では、出口シール13の破断力閾値は混合シール22の破断力閾値より高くない。
【0036】
図2hは投与位置にある装置20を示しており、この位置では、圧縮パネル17が裏当て16の上に折り重ねられて製品区画12’を圧搾し、製品を流体移送装置14から投与させる。いくつかの実施形態では、一連の逐次ステップとして上に例示した混合ステップ、活性化ステップ、および投与ステップが組み合わされて、裏当て16の上に圧縮パネル17を折り重ね、かつ押し下げる単一の連続的に流れる動作になり、上記の順序を引き起こす。
【0037】
別の実施形態では、投与パッケージは、第2の区画21がするのと同じ方法で第1の区画12に融合される少なくとももう1つの区画を備える。実施形態20は、完成された製品の安定性が、使用時まで特定の第1の物質を製品の第2の物質から隔てたままにすることにより延長されうる場合に、特に有利である。一実施形態では、第2の区画は、送出前に希釈剤で再構成される必要があるワクチンや抗生物質などの乾燥医療用物質を収容する。他の実施形態では、第2の物質は、細い針を通じて送出されるようにするために第1の物質で希釈される必要がある厚いゲルフォームの生物薬剤(第2の物質の貯蔵寿命を延ばす)である。
【0038】
次に図3を参照すると、パッケージ9は、図1の単一区画の実施形態10で行われたのと同じ方法で活性化および投与が並行して行われる2つの第1の区画12’および12”を備える、別の好ましい実施形態30が示されている。流体通路13は、少なくとも1つの出口シールを具備するものであり、区画12’および12”を相互連結するとともに、区画12’および12”の中身を流体移送装置14へ導く。区画12’および12”のそれぞれが、図2の実施形態20で示されているように、製品を形成するように第1の区画12’および12”に融合されるべき対をなす物質区画を組み込むことができることが、当業者には明らかであろう。さらに、実施形態30に類似の実施形態が、単一パッケージまたは複数パッケージで実施される3つ以上の区画を並列に備えることができることが、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、区画12’および12”に対する流体通路13の共通部分は、流体移送装置14に到達する前に2つの区画12’および12”の製品の混合を促進する特徴を備える。別の実施形態では、流体移送装置は、製品の物質を混合するための混合要素を備える。混合要素は、パッケージ9の壁の間、パッケージ9と裏当て16との間、および裏当て16の中、のうちの1つまたは複数で、少なくとも部分的に配置または形成することができる。
【0039】
次に図4aを参照すると、流体移送装置41が可撓性の壁11の外側に接合されたフィッティングである、別の好ましい実施形態40が示されている。図4bは装置40の分解図である。装備品41の近位端部は、流体通路13の開口部42のまわりで壁11の表面に封止するためのフランジの形をとる。流体移送装置41の遠位端部はルアー・スリップ・コネクタの形をとる。
【0040】
次に図5を参照すると、流体移送装置51が単に先端部51のような形状の流体通路13の遠位端部である、別の好ましい実施形態50が示されている。図5aは、流体通路13が裏当て16の折り目線18につながるような配置を示しており、この配置では、裏当て16と圧縮パネル17との間にあるヒンジ部分18の開口部52が流体通路13の投与先端部51を受け入れる。したがって、流体移送装置51はパッケージ9内に一体化される。図5bは装置50の投与位置を示す。圧縮パネル17は、融合された製品区画(図示せず)が2つの区画の間に圧搾されるように、裏当て16の上に折り重ねられる。投与先端部51は、装置50が折り畳まれたときに開口部52の中で中身を標的に好都合に投与できることを示す。この配置の利点は、この配置が、製造装置に製造コストおよび複雑性を追加する、上記の実施形態のうちのいくつかに組み込まれる装備品を回避することである。図5cは、可撓性の壁11で封止して区画12を形成する第2の壁53を示している装置50の分解図である。投与先端部51は、a)長いもしくは短い先端部、b)幅の広いもしくは狭い出口、c)単一もしくは複数の出口、d)灌注、滴下もしくは噴霧先端部、e)局所塗布器または点滴器、などを具備する特定の応用例を支持するように様々な形状で形成することができる。
【0041】
次に図6を参照すると、図2の実施形態20とほぼ同じ別の好ましい実施形態60が示されており、この場合、図6aに示されているように、可撓性の壁11が裏当て16および圧縮パネル17を可撓性の壁11全体で覆う。圧縮パネル17は、区画のフットプリントと一致するように作ることができる。さらに、図6bに分解図で示されているように、可撓性の壁11は、裏当て16に対して直接封止してパッケージ9(製造区画12、第2の脆弱なシール22、第2の区画21および脆弱なシール13を具備する)を形成する。裏当て16は、実質的に剛性の薄膜または箔シートから作ることができ、グラフィックスやテキストなどの情報を印刷することができる。
【0042】
次に図7を参照すると、流体移送装置が裏当て16内に部分的に埋め込まれる、別の好ましい実施形態70が示されている。図7aは、活性化前の位置にある装置70を示している。流体通路13は折り目線18と向かい合っており、折り目線18では裏当て16と圧縮パネル17との間にある開口部52がフレキシブルパッケージ9の先のとがった先端部を受け入れる。流体通路13は前記先端部72の前で終わり、それによって出口チャネルをわずかに阻止し、先端部72への製品の流れを制限する。図7bは投与位置にある装置70を示す。投与先端部72は折り目線18の開口部52を通って出てきて、製品の好都合な投与が可能になる。
【0043】
図7cおよび図7cの詳細図である図7dは装置70の分解図である。可撓性の壁11は第2の壁73に対して封止されてパッケージ9を形成する。第2の壁73の貫通孔74が流体通路13の遠位端部に位置合せされていて、出口シール13が分離されたときに、製品9が流体通路13を流れ、追加の壁73の貫通孔74から出るようにする。流体移送装置は裏当て16の溝71であり、溝71は、孔74と投与先端部72との間に閉鎖された流体通路を形成するように追加の壁73で覆って封止される。したがって、流体通路は、剛性裏当てとパッケージ9との間に部分的に挿置される。投与先端部は、溝71の遠位端部と追加の壁73の縁部との間に形成される。溝の遠位端部は、単一ノズル、複数ノズル、長いもしくは短いノズル、灌注ノズル、滴剤ノズル、スプレーノズルなどを含む、所望の投与パターンを生成する様々な形状で形成することができる。したがって、流体移送装置の少なくとも一部は、剛性裏当てとパッケージ9との間に部分的に挿置される。
【0044】
次に図8を参照すると、図7の実施形態70とほぼ同じである別の好ましい実施形態80が示されており、この場合、実施形態80は、図8aで明らかなように、複数の第1の区画12’および12”と追加の区画21’および21”とを並列に備える。図8bは装置80の分解図であり、上部にパッケージ9で封止されると上記の区間と投与先端部72との間に閉鎖された流体通路を形成するT字形溝81を露出している。一実施形態では、溝81は、異なる融合される区画から降りてくる流れの混合を増進するための特徴をさらに備える。類似の実施形態が、1つまたは複数のパッケージで実施される、並列になった3組以上の区画を具備できることが、当業者には明らかであろう。
【0045】
次に図9を参照すると、別の好ましい実施形態90が示されている。実施形態90は上記の実施形態70と実質的に類似しており、この場合、流体移送装置は裏当て16に完全に埋め込まれる。図9aは活性化前の位置にある装置90を示し、この位置では投与先端部91が折り目線18の開口部52内に見られる。
【0046】
図9bは投与位置にある装置90を示し、この位置では裏当て19が折り畳まれ、投与先端部91が開口部52から出てきて融合された区画から製品を好都合に投与する。
【0047】
図9cおよび図9cの拡大詳細図である図9dは装置90の分解図である。第2の壁73の孔74は、点滴器の形状で投与先端部91につながる裏当て16の内部流体通路93と連通する裏当て16の孔91に位置合せされる。投与先端部は様々な形で形成することができ、追加の部品を受け入れて、灌注、スプレー、ジェットなどの特定用途向けの所望のノズル形状を形成することができる。あるいは、流体移送装置は単に、上述の種類のノズルに対するアダプタ、コネクタまたは延長部とすることもできる。したがって、実施形態90は、裏当て16内に一体化された流体移送装置と、裏当て内に部分的に一体化された流体通路と、を例示している。
【0048】
流体移送装置は、製品区画または融合された区画から投与先端部までの流体通路が、a)可撓性の壁11と少なくとも1つの追加の壁との間、b)可撓性の壁11と裏当て16との間、c)裏当て16内の内部通路の中を通り、さらにd)裏当て16と連通する付加構成要素を挿通するように、図5、図7および図9に示されている流体装置を組み合わせたものとすることができることが、当業者には明らかであろう。
【0049】
次に図10を参照すると、装置100が単位用量充填済み再構成および送出皮下注射器(unit−dose prefilled reconstitution and delivery hypodermic syringe)である、別の好ましい実施形態100が示されている。図10は、図9の実施形態90の装置と形および機能が似ている装置100の第1の面を示す。
【0050】
図10bは、活性化前の状態にある装置100の第2の面を示しており、流体移送装置は皮下注射針101を組み込んでいて皮下注射針101の近位端部が針ハブ102に連結されていることが分かる。針ハブ102は裏当て16の開口部内に液密に収容され、活性化後に製品を受け入れる。圧縮パネル17の凹所103は針101の遠位端部を収容するとともに、針101に対する機械的損傷からの保護ならびにユーザに対する針刺しからの保護を提供する。
【0051】
図10cは、活性化前段階における装置100の断面図である。第2の区画21は、乾燥粉末や凍結乾燥ワクチンもしくは薬剤などの活性医療用成分105を収容し、製品区画12は、使用時に乾燥活性成分105を再構成するための希釈剤104を収容する。連通チャネル13(この位置では平らにされ封止されている)は、針101と流体連通しているハブ102の垂直チャネル106につながっており、この配置は、活性化後、融合された区画が押し下げられたときにフレキシブルパッケージ9からの流体が針101へ厳密に流れるようなものである。
【0052】
図10dは、パッケージ9の第1の区画12および第2の区画21が12’に融合されて製品を作り出した後の装置100を示す。
【0053】
図10eは、出口シール13が破断させられて(図10dに比べて膨らまされて示されている)、針ハブ102と共に流体通路(13)を形成している、活性化後の装置100を示す。
【0054】
図10fは投与位置にある装置を示しており、この位置では融合された区画12’が裏当て16と圧縮パネル17との間で圧搾されて、製品を区画12’から針101を通ってしぼり出す。裏当て16の上に圧縮パネル17を折り重ねることにより、針101は患者に好都合に当てるように露出される。図10cと図10fの間に提示されている一連の逐次ステップは、裏当て16の上に圧縮パネル17を単に折り重ねることによる1つの連続的な動作として実行されうることが当業者には明らかであろう。針101は、針ハブをなくすために裏当て16と直接関連することができることも当業者には明らかであろう。
【0055】
次に図11を参照すると、図10の実施形態100と実質的に類似している別の好ましい実施形態が示されており、この場合、針101は裏当て16に直接取り付けられ、それによってハブ(図10内の102)をなくす。針111の近位端部は流体通路13の方へ直角に曲げられている。この実施形態では、針101は、接着剤112などの当技術分野で知られる手段のうちの1つで裏当て16に取り付けられる。
【0056】
次に図12を参照すると、装置120が一体の滅菌カバーを備える、別の好ましい実施形態が示されている。図12aは、装置120が裏当て16の凹面123に直接付着された剥離滅菌カバー121を備えていて、針のまわりに無菌領域を形成し、使用時まで針を滅菌状態に保ち、かつ保護され続けることを示している。一実施形態では、装置120は、装置全体120に対する追加の滅菌上包装なしに、この構成で滅菌され、それによって流体移送装置101は使用時まで滅菌したままである。一実施形態では、製品120はガンマ線によって滅菌される。別の実施形態では、カバー121は通気性のあるウェブ(Tyvec、Dupontなど)から作られ、製品120はETOによって滅菌される。凹面123のまわりの壁は、カバー121を保護する空洞を形成する。ルースタブ122が使用の前のカバー121の剥離を容易にする。
【0057】
図12bは、カバー121が取り除かれた後の装置120を示す。リビングヒンジ18は、リビングヒンジ18が凹面123と共に連続平面を形成して、カバー121を取り付けるための平面を提供するように配置される。カバー121は、接着層または溶接によって、あるいは当技術分野で知られる任意の他の手段によって凹面123に取外し可能に接合することができる。針101は針ハブ102に連結され、針ハブ102は、図10の実施形態100と同じ方法で裏当て16に連結される。針は、圧縮パネル17が折り畳まれてパッケージ9を圧搾するまで、圧縮パネル17の溝103の中で保護される。
【0058】
図13は、製品130の使用の終わりに針101を破断するための機構を備える別の好ましい実施形態130を示している。図13aは、圧縮パネル17が裏当て16と完全に接触するまで圧縮パネル17が矢印の方向に完全に回転させられ、製品が完全にしぼり出される、投与段階の最後における装置130を示している。リビングヒンジは裏当て16の厚みのほぼ中線に位置しており、したがって圧縮パネル17は平らな使用前の位置から両方に回転することができる。針101が現れて、針101を患者に対して導入するのに好都合である。
【0059】
図13bは、圧縮パネル17が図13aの逆方向に、矢印の方向に(すなわち、折り目線18を中心に約360度)回転させられて圧縮パネル17および裏当て16の反対側を接触させ、流体移送装置101を圧縮パネル17で使用不能にした後の装置130を示している。針101の近位端部は裏当て16に固定されているので、圧縮パネル17が回転すると針が曲がり破断せざるを得なくなり、したがって装置130は再利用することができなくなり、すなわちパッケージ中の残存製品が誤用されることはない。さらに、この位置では、針101の先端は製品が廃棄された後で針刺しを引き起こすことから保護される。一実施形態では、装置130は裏当て16および圧縮パネル17を廃棄位置でラッチする特徴を備えていて、装置130がこの位置に折り畳まれると、フラップを分離できないようにするとともに、針に到達できないようにもする。
【0060】
次に図14を参照すると、別の好ましい実施形態が示されている。裏当て16と圧縮パネル17との間に張架する2つの一体のばね141は、圧縮パネルが裏当て16に対して第1および第2の角度位置に偏倚させられるように、折り目線18に対してオフセット位置に配置される。一実施形態では、ばね141は、圧縮パネル17が裏当て16と共に平らになる第1の安定位置、および圧縮パネル17が投与位置で裏当て16の上に折り重ねられる第2の安定位置に偏倚する。別の実施形態では、第1の安定位置は、圧縮パネル17が裏当て16の上に部分的に折り重ねられたときであり、装置140がパッケージから取り除かれ、平坦位置から解除されると、圧縮パネル17は半折畳み位置にカチッと閉まるようにするものである。
【0061】
図15は別の好ましい実施形態を示す。この場合、剛性裏当て16および圧縮パネルはヒンジ18によって相互に連結される。さらに、裏当て16および圧縮パネル17は、前記ピボット部分の一方の枢動方向の動きを制限するために、複数対の協働ジョイントによって相互に連結される。2つの接合部はそれぞれ、フレキシブルヒンジによって連接された2つのセグメント151および152を備え、第1のセグメント151は一端でフレキシブルヒンジによって裏当て16に連結され、第2のセグメント152は第2のセグメント152の他端でフレキシブルヒンジによって圧縮パネル17に連結され、圧縮パネルが枢動されると、圧縮パネル17、裏当て16、第1のセグメント151および第2のセグメント152は「4棒機構」のように作用する。図15aは平坦な活性化前の位置にある装置を示しており、この位置ではジョイントのセグメント151および152は裏当て16および圧縮パネル17と共に平らになる。図15bは、圧縮パネル17が第1の区画を部分的に圧搾して第1の区画を第2の区画と融合させる位置まで圧縮パネル17を折り畳んだ、装置150を示す。このときアームが折り畳まれ、第2のセグメント152は、圧縮パネル17が裏当て16の方へさらに折り重なるのを妨げ、それによってパッケージ9の意図的でないもしくは制御されない圧縮、および装置150が活性化したときのパッケージの中身の爆発を防止するようにする。装置150の中身を投与するためには、a)ジョイントが反対位置にひっくり返されるか、またはb)セグメント151およびセグメント152との間のヒンジが破断される必要がある。装置が活性化された時点での中身の爆発をなくす他の機械的ストッパが実装されうることは、当業者には明らかであろう。
【0062】
次に図16を参照すると、フレキシブルパッケージ9が使用時にのみ剛性裏当てによって支持される、別の好ましい実施形態160が示されている。図16aは、活性化前の構成での装置160を示している。パッケージ9が、第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”の周辺で封止された第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”から形成されて、第1の可撓性の壁11’および第2の互恵的可撓性の壁11”が混合シール22によって隔てられた製品区画12および第2の区画21を形成するようにする。出口シール13が第2の区画21および流体移送装置14を切り離している。流体移送装置14の近位端部はポーチインサート装備品の形をとり、2つの可撓性の壁11’および11”の間に封止される。流体移送装置14の遠位端部は皮下注射針101であり、皮下注射針101は使用前の状態で裏当て16と圧縮パネル17との間に閉じ込められ、このことは針プロテクタとして働く。流体移送装置14は側方に延びるプラットホーム162をさらに備え、プラットホーム162にはリビングヒンジ18を介して第1のフラップ16および第2のフラップ17が接合されていて、裏当て16および圧縮パネル17はそれぞれ、逆方向にパッケージ9の方へ約180度枢動できるようにする。裏当て16および圧縮パネル17はそれぞれ、裏当て16および圧縮パネル17の遠位端部から裏当て16および圧縮パネル17の近位端部に向かって延びる片持ち梁ばね部分163をさらに備える。
【0063】
図16bは、裏当て16および圧縮パネル17の回転中の中間位置を示す。裏当て16および圧縮パネル17は、裏当て16および圧縮パネル17のヒンジ18を中心にパッケージ9に向かって枢動され、それによって針101を露出させる。
【0064】
図16cは、裏当て16および圧縮パネル17の遠位端部が互いに触れるように裏当て16および圧縮パネル17が完全に折り返された後の装置160を示す。この位置では、裏当て16はパッケージ9を支持しており、圧縮パネル17はパッケージ9を圧縮パネル16に対して部分的に圧搾していて製品区画12を第2の区画21と融合させ、出口シール13を分離させ、流体移送装置14との流体的な連通を確立させる。この配置は、融合された区画12’の中身のごくわずかな部分がこの位置で流体移送装置14を介して放出できるようなものである。一実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17のこの位置までの回転では脆弱なシールが分離することはなく、融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通は確立されていない。一実施形態では、裏当て16および圧縮パネル17のこの位置までの回転では出口シール13を部分的に分離させるだけであり、したがって融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通は確立されていない。別の実施形態では、出口シール13はシール力が流体移送装置14に向かって次第に低下するように作られ、脆弱なシール13は融合された区画12’と流体移送装置との間に流体的な連通が確立されることのないように部分的に分離されるが、出口シール13の残り部分を分離させるための力は、脆弱なシール13の最初の部分を分離させるために必要であった力より低い。
【0065】
図16dは投与段階にある装置160を示す。ユーザの指が別の場所に移されて片持ち梁163を圧迫することにより、片持ち梁163が融合された区画12’をたわませ、さらに圧搾し、それによって裏当て16および圧縮パネル17が互いに接触し、融合された区画が空になるまで中身をしぼり出させる。一実施形態では、片持ち梁ばね163は、接合部18のそばの少なくとも1つの追加位置で破断可能なブリッジを介して連結され、破断可能なブリッジは、a)融合された区画12’の意図的でない圧搾を回避するために初期抵抗を与え、b)装置160が改ざんされていない証拠として働く。
【0066】
装置160は、装置160の操作を2つの主要段階(すなわち活性化および投与)に分けることにより、意図的でない投与(または爆発)を回避するための機構を提供するが、これには前記2つの段階の間に指を別の場所に移す必要がある。
【0067】
次に図17を参照すると、装置170が活性化されたときに中身が爆発するのを回避するために投与通路内に流量調整器を備える別の好ましい実施形態170が示されている。図17aは、図10の実施形態100と類似のパッケージ9を示す、装置の第1の面の全体図であり、この場合、パッケージ11の配置は、流体通路13が折り目線18から離れる方向を向くように反対方向に回転させられる。
【0068】
図17bおよび図17bの拡大詳細図である図17cは、第1のフラップ16の表面のエンボス加工されたチャネル170を示す装置170の分解図であり、このチャネル170は、区画12の第2の壁74で覆って封止されたときに、動的流量調整器として働く閉鎖流路を形成する。チャネル171の遠位端部にあるレセプタクル部分175はパッケージ9内の流体通路13と連通し、前記パッケージ9が圧搾されたときにパッケージ9から放出する流体を受け入れる。チャネル171の迷路状部172は、チャネル171のレセプタクル175と調整直線部分173との間で連通する。チャネルの近位端部(この図の右側)は、チャネル171に入った流れがチャネル171を通って針101の中へ進むように、針ハブ102を収容するための開口部を備える。迷路状部172の目的は、流量の増大とともに増大する圧力減衰を引き起こすことである。
【0069】
図17dは、活性化直後の装置を示す装置170の流れチャネル171に沿った部分断面図である。装置170は既に活性化されており、比較的高い圧力が融合された区画12’内に発生している。この状況は、脆弱なシール13を破断させために必要であった比較的大きな力をユーザの指が裏当て16および圧縮パネル17に依然として及ぼしているときに、装置170が活性化された後の瞬時に起こる可能性がある。図17dを再び参照すると、高圧条件の下では、流れは、融合された区画12’からレセプタクル175を通って迷路状部172の中へ進み、そこでかなりの圧力を失い、したがって、調整ストレッチ173内で受け入れられた流れは融合された区画12’内の圧力より実質的に低い。融合された区画12’内の流体と調整ストレッチ173内の流れとの間の圧力差の結果、パッケージは変形され、したがって、追加の壁73の部分は調整直線部173の中へ下方に広がり、調整直線部173の断面は縮小される。パッケージのゆがみは放出する流体の流量を減少させ、それによって流体移送装置14を通る投与可能流体の爆発を防止する。
【0070】
図17eは投与局面にある装置170を示す。指によって与えられる力は(活性状態から投与状態に)調節され、融合された区画12内の圧力は下げられるので、融合された区画12と調整直線部173との間の圧力差が低下して、追加の壁74が引っ込み、調整チャネル171内での流量制限を軽減する。この実施形態の利点は、活性化中に流体中身が爆発するのを回避するための有効な手段が、中身を患者に投与する間に流れに対する抵抗に大きな影響を及ぼさずに実現されることである。パッケージ9と調整直線部173との間の十分な圧力差が生じて第2の壁74を流路171の中へそるように効果的に操作する限り、迷路状部分172をなくすことができることが、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、エラストマー片が流れチャネル内に収容される。エラストマー片は、エラストマー片内に埋め込まれた流れチャネルを備えており、この配置は、追加の壁73がエラストマー片を圧迫してエラストマー片内のチャネルの断面を調整し、それによって流れを調整するためのものである。融合された区画内の圧力を利用して流れを動的に調節するための他の配置が存在し、この実施形態で提供される配置は一例にすぎないことが、当業者には明らかであろう。
【0071】
他の実施形態では、装置は、対象とする最初の使用の完了後の製品区画の再補充を回避するための一方向弁を備える。他の実施形態では、装置は活性化からの経過期間を示す時間指示器を備える。装置は、子供が装置を操作するのが困難であり、それによって偶発的投与または針刺しを回避するように、子供用保護をさらに含むことができる。
【0072】
次に図18を参照すると、別の好ましい実施形態180が示されている。ここで、裏当て16は、製品区画12の直下に位置し、かつ裏当て16内に第2の圧縮パネル182を画定する第2の折り目線181を有する。パッケージ9は、裏当て16および前記第2の圧縮パネル182によって支持される。この配置は、フラップ182は、第1の区画12の方へ(製品区画12から離れた平坦位置からではない)枢動するようにしか操作することができず、それによって第1の区画12に圧力がかかるようにするものである。一実施形態では、第2の圧縮パネル182の折畳みは第1の区画12を圧搾するように働いて、第1の区画12を第2の区画21および/または追加の区画に融合させる。別の実施形態では、第3のフラップ182の折畳みは、第1の区画12を圧搾し、それによって脆弱なシール13を破断させ、流体移送装置14との流体的な連通を確立するように働く。別の実施形態では、第1の圧縮パネル17が取り除かれ、第2の圧縮パネル182は製品を投与するために働く。図18aは活性化前の位置にある装置180を示す。裏当て19の肩部183およびフラップ182は、フラップ182が下方にかつ製品区画から離れる向きに枢動するのを阻止する。図18bは、フラップ182が回転させられ、第1の区画12が第2の区画21と融合した後の装置180を示す。
【0073】
したがって、本開示は、本開示の例示的な実施形態を対象とするある程度の特殊性を伴って説明してきた。しかしながら、本開示は従来技術に照らして解釈される以下の特許請求の範囲によって規定され、したがって、本明細書に含まれる本発明の概念から逸脱することなく本開示の例示的な実施形態に変更または修正を加えることができることが理解されるべきである。
【図1a−1b】
【図1c−1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d−2e】
【図2f−2g】
【図2h】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の壁部分を有する少なくとも1つの第1の区画を備えるパッケージと、
流体移送装置と、
投与している間、前記パッケージから前記流体移送装置を介して製品をしぼり出すのを促進するように前記パッケージを支持する、前記パッケージに設けられた裏当てと
を備える投与装置。
【請求項2】
前記流体移送装置が、活性化前に前記製品から密封して隔てられ、活性化すると破断可能な流体通路を介して前記製品と流体的に連通して配置されている、請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記可撓性の壁部分が、前記第1の区画の第1の周辺マージン部に沿って永久的に封止されるとともに、前記第1の区画の第2の周辺マージン部に沿って非永久的に封止されて、前記第1の区画と前記流体移送装置との間に位置する少なくとも1つの第1の脆弱な出口シールを画定し、したがって、前記第1の脆弱なシールが破断させられたときに、前記パッケージと前記流体移送装置との間が流体的に連通する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項4】
前記パッケージの少なくとも一部を前記裏当てに対して圧縮するための圧縮パネルをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項5】
前記圧縮パネルが、前記裏当てに移動可能に接合される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項6】
前記裏当ておよび前記圧縮パネルの少なくとも一方が、前記少なくとも1つの第1の区画のフットプリントと一致するように構成される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項7】
前記第1の区画から脆弱な混合シールによって密封して隔てられた少なくとも1つの第2の区画をさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項8】
前記流体移送装置の少なくとも一部が、装備品を介して前記パッケージに接合される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項9】
複数のパッケージ、複数の区画、複数の通路、複数の流体移送装置、および複数の脆弱なシールのうちの少なくとも1つを有する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項10】
通路が、前記流体移送装置と共に前記第1の区画および前記第2の区画を相互連結する、請求項7に記載の投与装置。
【請求項11】
前記流体通路および前記流体移送装置の少なくとも一方が、前記剛性裏当てと前記パッケージとの間に少なくとも部分的に挿置されるか、前記剛性裏当て内に部分的に形成されるか、前記脆弱な壁部分と前記パッケージの第2の壁との間に少なくとも部分的に挿置されるか、または前記パッケージおよび前記裏当ての少なくとも一方の中に少なくとも部分的に一体化される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項12】
複数の区画と、前記複数の区画との間に配置された少なくとも1つの混合シールとをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項13】
前記パッケージが、複数の壁から形成され、前記複数の壁を備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項14】
前記裏当てが、前記少なくとも1つの第1の区画の壁を画定する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項15】
前記パッケージの前記壁の間に、前記パッケージと前記裏当てとの間に、または前記裏当て内に少なくとも部分的に配置された流量制御装置をさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項16】
前記裏当てと前記パッケージとの間に少なくとも部分的に形成された流量調整器をさらに備え、前記パッケージ内の製品圧力が前記パッケージを変形させて前記流体通路を通る流れを制限する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項17】
前記流量調整器が、迷路状部を有するエンボス加工チャネルである、請求項16に記載の投与装置。
【請求項18】
前記流体移送装置が、針、ミニ針、極微針、コネクタ、取付け具、チューブ、点滴器、局所塗布器、スプレーヘッド、およびジェット式注射器のうちの少なくとも1つからなる群から選択される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項19】
前記パッケージが、前記圧縮パネルによって少なくとも部分的に支持される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項20】
前記圧縮パネルが、使用の前に前記流体移送装置の少なくとも一部を保護する、請求項4に記載の投与装置。
【請求項21】
前記流体移送装置の少なくとも一部を密封するように前記裏当てに取外し可能に接合されたカバーをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項22】
再封止可能な前記パッケージを備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項23】
前記流体移送装置が、使用後に使用不可にされる、請求項1に記載の投与装置。
【請求項24】
前記圧縮パネルが、使用後に前記流体移送装置を使用不可にする、請求項4に記載の投与装置。
【請求項25】
(a)製品を収容する少なくとも1つの第1の区画を備えるパッケージであって、前記第1の区画が可撓性の壁部分である、パッケージと、
流体移送装置と、
裏当てと
を備える装置を用意するステップと、
(b)前記パッケージを前記裏当てに対して圧縮して前記製品を前記流体移送装置から投与するステップと、
を備える方法。
【請求項26】
前記装置が(b)を実現するための圧縮パネルをさらに備え、前記方法が前記圧縮パネルで前記流体移送装置を使用不可にするステップをさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項1】
可撓性の壁部分を有する少なくとも1つの第1の区画を備えるパッケージと、
流体移送装置と、
投与している間、前記パッケージから前記流体移送装置を介して製品をしぼり出すのを促進するように前記パッケージを支持する、前記パッケージに設けられた裏当てと
を備える投与装置。
【請求項2】
前記流体移送装置が、活性化前に前記製品から密封して隔てられ、活性化すると破断可能な流体通路を介して前記製品と流体的に連通して配置されている、請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記可撓性の壁部分が、前記第1の区画の第1の周辺マージン部に沿って永久的に封止されるとともに、前記第1の区画の第2の周辺マージン部に沿って非永久的に封止されて、前記第1の区画と前記流体移送装置との間に位置する少なくとも1つの第1の脆弱な出口シールを画定し、したがって、前記第1の脆弱なシールが破断させられたときに、前記パッケージと前記流体移送装置との間が流体的に連通する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項4】
前記パッケージの少なくとも一部を前記裏当てに対して圧縮するための圧縮パネルをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項5】
前記圧縮パネルが、前記裏当てに移動可能に接合される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項6】
前記裏当ておよび前記圧縮パネルの少なくとも一方が、前記少なくとも1つの第1の区画のフットプリントと一致するように構成される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項7】
前記第1の区画から脆弱な混合シールによって密封して隔てられた少なくとも1つの第2の区画をさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項8】
前記流体移送装置の少なくとも一部が、装備品を介して前記パッケージに接合される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項9】
複数のパッケージ、複数の区画、複数の通路、複数の流体移送装置、および複数の脆弱なシールのうちの少なくとも1つを有する、請求項2に記載の投与装置。
【請求項10】
通路が、前記流体移送装置と共に前記第1の区画および前記第2の区画を相互連結する、請求項7に記載の投与装置。
【請求項11】
前記流体通路および前記流体移送装置の少なくとも一方が、前記剛性裏当てと前記パッケージとの間に少なくとも部分的に挿置されるか、前記剛性裏当て内に部分的に形成されるか、前記脆弱な壁部分と前記パッケージの第2の壁との間に少なくとも部分的に挿置されるか、または前記パッケージおよび前記裏当ての少なくとも一方の中に少なくとも部分的に一体化される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項12】
複数の区画と、前記複数の区画との間に配置された少なくとも1つの混合シールとをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項13】
前記パッケージが、複数の壁から形成され、前記複数の壁を備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項14】
前記裏当てが、前記少なくとも1つの第1の区画の壁を画定する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項15】
前記パッケージの前記壁の間に、前記パッケージと前記裏当てとの間に、または前記裏当て内に少なくとも部分的に配置された流量制御装置をさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項16】
前記裏当てと前記パッケージとの間に少なくとも部分的に形成された流量調整器をさらに備え、前記パッケージ内の製品圧力が前記パッケージを変形させて前記流体通路を通る流れを制限する、請求項1に記載の投与装置。
【請求項17】
前記流量調整器が、迷路状部を有するエンボス加工チャネルである、請求項16に記載の投与装置。
【請求項18】
前記流体移送装置が、針、ミニ針、極微針、コネクタ、取付け具、チューブ、点滴器、局所塗布器、スプレーヘッド、およびジェット式注射器のうちの少なくとも1つからなる群から選択される、請求項1に記載の投与装置。
【請求項19】
前記パッケージが、前記圧縮パネルによって少なくとも部分的に支持される、請求項4に記載の投与装置。
【請求項20】
前記圧縮パネルが、使用の前に前記流体移送装置の少なくとも一部を保護する、請求項4に記載の投与装置。
【請求項21】
前記流体移送装置の少なくとも一部を密封するように前記裏当てに取外し可能に接合されたカバーをさらに備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項22】
再封止可能な前記パッケージを備える、請求項1に記載の投与装置。
【請求項23】
前記流体移送装置が、使用後に使用不可にされる、請求項1に記載の投与装置。
【請求項24】
前記圧縮パネルが、使用後に前記流体移送装置を使用不可にする、請求項4に記載の投与装置。
【請求項25】
(a)製品を収容する少なくとも1つの第1の区画を備えるパッケージであって、前記第1の区画が可撓性の壁部分である、パッケージと、
流体移送装置と、
裏当てと
を備える装置を用意するステップと、
(b)前記パッケージを前記裏当てに対して圧縮して前記製品を前記流体移送装置から投与するステップと、
を備える方法。
【請求項26】
前記装置が(b)を実現するための圧縮パネルをさらに備え、前記方法が前記圧縮パネルで前記流体移送装置を使用不可にするステップをさらに備える、請求項25に記載の方法。
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c−7d】
【図8a】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c−9d】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【図1a1.11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図16d】
【図17a】
【図17b−17c】
【図17d】
【図17e】
【図18a】
【図18b】
【図19】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c−7d】
【図8a】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c−9d】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【図1a1.11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図16d】
【図17a】
【図17b−17c】
【図17d】
【図17e】
【図18a】
【図18b】
【図19】
【公表番号】特表2013−503019(P2013−503019A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527076(P2012−527076)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047189
【国際公開番号】WO2011/026050
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510178286)アクティヴパック, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047189
【国際公開番号】WO2011/026050
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510178286)アクティヴパック, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]