説明

抗炎症剤及び抗炎症用皮膚外用剤

【課題】安全性が良好な新規な抗炎症剤及び抗炎症用皮膚外用剤の提供。
【解決手段】シダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナムディスカラー(Blechnum discolor)の抽出物を有効成分とする抗炎症剤、及びそれを含有する抗炎症用皮膚外用剤。当該抗炎症剤は、β−ヘキソサミニダーゼの遊離を伴う脱顆粒抑制能を有するので、放出される顆粒に含まれるヒスタミン等の薬理活性物質よって引き起こされる炎症を抑制又は改善するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な抗炎症剤及び抗炎症用皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物由来の成分は、安全性が良好であることから、皮膚外用剤、食品及び医薬等の薬効成分として種々利用されている。シダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナム ディスカラー(Blechnum discolor)から得られた抽出物についても、皮膚外用剤等への利用が種々提案されている(特許文献1〜4)。
しかし、上記いずれの特許文献にも該抽出物の抗炎症作用についての記載はない。
【特許文献1】特開2005−232131号公報
【特許文献2】特開2003−321377号公報
【特許文献3】特開2003−095910号公報
【特許文献4】特開2002−020232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、安全性が良好な新規な抗炎症剤及び抗炎症用皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前記課題を解決するため、シダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナム ディスカラー(Blechnum discolor)の抽出物を有効成分とする抗炎症剤、及びそれを有効成分として含有する抗炎症用皮膚外用剤を提供する。
本発明の抗炎症剤は、β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害能を有する。
また、本発明の抗炎症剤は、β−ヘキソサミニダーゼの遊離を伴う脱顆粒に対する抑制能を有する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、植物由来の安全性の良好な抗炎症剤、及び抗炎症用皮膚外用剤を提供することができる。本発明の抗炎症剤は、β−ヘキソサミニダーゼの遊離を伴う脱顆粒抑制能を有するので、放出される顆粒に含まれるヒスタミン等の薬理活性物質よって引き起こされる炎症を抑制又は改善するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明は、ニュージーランド原産のシダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナム ディスカラー(Blechnum discolor)の抽出物(以下「ブレクナム ディスカラー抽出物」という場合がある)を有効成分とする抗炎症剤に関する。本発明に用いられる前記ブレクナム ディスカラー抽出物は、一般的な方法で調製することができる。抽出部位についても特に制限はなく、前記シダ植物の根、茎、幹、葉、胞子等のいずれの部分の抽出物であってもよいし、二箇所以上の部分から得られた抽出物を混合して用いてもよく、又は二箇所以上の部分から異なる溶媒により抽出された抽出物を二種以上混合して用いてもよい。
【0007】
前記ブレクナム ディスカラー抽出物は、ブレクナム ディスカラーの根、茎、幹、葉もしくは胞子などの一箇所又は二箇所以上を、適当な溶媒によって抽出することによって得られる。これらの部分に乾燥、細切、圧搾又は醗酵等の処理を適宜に施した後,抽出処理を行なってもよい。抽出は、前記シダ植物を低温ないし加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。
抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。水と低級アルコールとの混合液を用いるのが好ましい。
【0008】
前記ブレクナム ディスカラー抽出物は、そのまま抗炎症剤として用いることができる。また、所望により、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に抗炎症剤として用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0009】
前記ブレクナム ディスカラー抽出物の好ましい調製方法の例としては、濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール又は1,3−ブチレングリコールを用い、室温で、又は加温して1〜5日間抽出を行った後、濾過し、得られた濾液を更に一週間程放置して熟成させ、再び濾過を行う方法が挙げられる。但し、抽出法はこれに限定されるものではない。
【0010】
前記ブレクナム ディスカラー抽出物は、液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態であってもよい。抽出溶媒を含む液状の抽出物を、減圧乾燥、又は凍結乾燥などにより乾固させて固体状とした後に用いることもできる。また、スプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0011】
炎症が引き起こされるメカニズムについては、複数のものが解明されている。そのひとつとして、抗原刺激によって細胞からヒスタミン等の生理活性物質を含む顆粒が放出される脱顆粒が関与していることが知られている。本発明の抗炎症剤は、この脱顆粒を抑制することによって、炎症を抑制又は改善する効果を奏する。この脱顆粒抑制能を直接的に確認するのは困難であるが、本発明者らは、後述する実施例により、本発明の抗炎症剤が、脱顆粒時に放出されるβ−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害能を示すことを確認し、本発明の抗炎症剤には脱顆粒抑制性能があり、脱顆粒によって引き起こされる炎症に対して、抑制又は改善効果を有することを明らかとした。
【0012】
本発明は、本発明の抗炎症剤、即ち前記ブレクナム ディスカラー抽出物、を有効成分として含有する皮膚外用剤にも関する。本発明の皮膚外用剤は、前記ブレクナム ディスカラー抽出物による高い抗炎症作用を示すので、皮膚に適用することにより皮膚の炎症を抑制又は改善する作用を示す、抗炎症用皮膚外用剤として有用である。本発明の皮膚外用剤における前記ブレクナム ディスカラー抽出物(乾燥固形物)の含有量は、好ましくは0.00001〜5質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.001〜0.5%である。この範囲内であれば、前記ブレクナム ディスカラー抽出物を安定に配合することができ、かつ高い抗炎症効果を発揮することができる。又、溶液として抽出物を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0013】
本発明の皮膚外用剤は、前記ブレクナム ディスカラー抽出物を抗炎症剤として、常法に従い、種々の形態の基剤に配合して製剤化することにより調製できる。更に、前記ブレクナム ディスカラー抽出物を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、抗炎症効果をより高めた、もしくは抗炎症効果とともに他の薬効も奏する皮膚外用剤を調製することができる。他の薬効剤の例には、美白剤、紫外線防御剤、抗菌剤、他の抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、及び保湿剤などが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0014】
前記美白剤の例には、アスコルビン酸又はその誘導体、アルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物等が含まれる。
【0015】
紫外線防御剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0016】
抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0017】
他の抗炎症剤としては、例えば、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
【0018】
細胞賦活剤は肌荒れの改善等の目的で用いられ、例えば、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等が挙げられる。
【0019】
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制等の作用を有しており、例えば、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0020】
保湿剤としては、例えば、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
【0021】
また、本発明の皮膚外用剤には、本発明の抗炎症剤以外の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、アミノ酸、脂質、糖、ホルモン、酵素、核酸などの生理活性物質等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、皮膚外用剤等の製造に通常使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、活性酸素除去剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、他のビタミン類等を必要に応じて用いることができる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤は、パウダー、パウダーファンデーション等の粉体;石けん、リップスティック等の固体;クリーム、乳液、クリームファンデーション等の乳化物;化粧水、美容液等の液体;など、種々の形態の化粧料組成物であるのが好ましい。但し、これらに限定されるものではない。
【0023】
また、本発明の抗炎症剤は、皮膚外用剤の有効成分以外にも、食品及び医薬等の有効成分としても有用である。
【実施例】
【0024】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[例1:ブレクナム ディスカラー抽出液の調製]
シダ目シシガシラ科ヒリュウシダ属ブレクナム ディスカラーの全草を刻んだのちに粉砕し、エチルアルコール含量30vol%の水−エチルアルコール混合液を加え、約90℃にて還流抽出処理を2時間行った後、吸引濾過した(濾液1)。残留物について、エチルアルコール含量30vol%の水−エチルアルコール混合液で洗浄し、その後吸引濾過した(濾液2)。濾液1及び2を合わせて、減圧濃縮し、濃縮液を得た。この濃縮液に水及び無水エチルアルコールを適量加え、エチルアルコール濃度を調整し、冷所に放置して3日間以上熟成させ、生じたオリや沈殿を吸引濾過して除去した。これをさらに冷所に放置して3日間以上熟成させ、さらに生じたオリや沈殿を吸引濾過して除去すると同時にエチルアルコール含量50vol%の水−エチルアルコール混合液を加えて、ブレクナム ディスカラー抽出液(乾燥固形分濃度3%)を調製した。
この抽出液にさらにエチルアルコール含量50vol%の水−エチルアルコール混合液を添加して、試験液1(上記ブレクナム ディスカラー抽出液1%溶液、乾燥固形分濃度は3×10-2%)及び試験液2(上記ブレクナム ディスカラー抽出液0.1%溶液、乾燥固形分濃度は3×10-3%)をそれぞれ調製した。
【0025】
[例2:抗炎症作用試験]
抗原刺激により惹起されたラット好塩基球白血病細胞(RBL−2H3)の脱顆粒の際に、ヒスタミン等とともに放出されるβ−ヘキソサミニダーゼ(hexosaminidase)の遊離量を測定し、それを脱顆粒の指標として、ブレクナム ディスカラー抽出液の抗炎症作用の有無を確認した。具体的には以下の試験を行った。
ATCC(American Tissue Culture Collection)から購入したRBL−2H3細胞を、10%ウシ子牛血清(FCS)含有イーグルMEM培地(MEM、シグマ社)で、5%CO2の存在下に37℃で培養した。次に、細胞培養用24ウェル平底マイクロプレート(400μL培地/ウェル)に、2.0×105細胞ずつ播種し、1時間培養した後、ラットモノクローナル抗体DNP−IgE抗体(シグマ社)を培養液に加え(終濃度:0.45μg/mL)、5%CO2の存在下に37℃で24時間培養することによって細胞を感作させた。その後、感作した細胞を500μLのシラガニアン(siraganian)緩衝液(119mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、0.4mmol/L MgCl2、25mmol/L ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、40mmol/L NaOH、pH7.2)で2回洗浄し、400μLの5.6mmol/L グルコース、1mmol/L CaCl2、0.1%BSA含有シラガニアン緩衝液を加えて5%CO2の存在下に37℃で10分間予備加温した。次に、上記で調製した試験液1及び2をそれぞれ4μL加え、10分後に抗原(DNP−BSA)を下記表に示す濃度でそれぞれ加えて30分間インキュベートして細胞を刺激した。10分間氷冷して反応を止めた後、上清50μLを96ウェル平底マイクロプレートに移し、0.1mol/L クエン酸緩衝液に溶解した1mmol/L p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド(PNAG)50μLを加えて混和後、37℃で1時間反応させた。反応液に200μLの反応停止緩衝液(0.1mmol/L NaCO3/Na2CO3、pH10.0)を加えて混和し、マイクロプレートリーダー(モデル550、バイオ−ラッド社)で吸光度を測定した(測定波長:405nm、参照波長:655nm)。得られた吸光度から、β−ヘキソサミニダーゼ遊離率を算出した。なお、細胞内全β−ヘキソサミニダーゼの測定には、0.5%TritonX−100中で超音波処理することによって破砕した細胞の懸濁液を遠心分離した上清を用いた。
【0026】
陽性対照として、抗炎症剤として使用されているトラニラスト(陽性対照試験液1:0.5mg/mL、陽性対照試験液2:0.2mg/mL)を用いて、上記と同様にしてβ−ヘキソサミニダーゼ遊離率を求めた。
なお、各試験液を添加した試料中のβ−ヘキソサミニダーゼ遊離率を、以下の式に従って求めた。
【0027】
【数1】

【0028】
さらに算出した各試料のβ−ヘキソサミニダーゼ遊離率から、各試験液のβ−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率を、以下の式に従って算出した。
【0029】
【数2】

【0030】
下記表中に、各試験液を添加した試料及び無添加の試料(コントロール)のβ−ヘキソサミニダーゼ遊離率、並びに各試験液については、β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率(表中の括弧内の値)を示す。表中、β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率は、カッコ内に記載した。なお、β−ヘキソサミニダーゼ遊離率が低いほど脱顆粒が抑制されていることを示し、即ち、その値が小さいほど、抗炎症能がより高いことを意味する。一方、β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率は、脱顆粒抑制率の指標になり、その値が大きいほど、脱顆粒抑制能がより高く、即ち抗炎症能がより高いことを意味する。
【0031】
【表1】

【0032】
上記表1に示す結果から、例1で調製したブレクナム ディスカラー抽出液は、β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害能を示すことが理解できる。特に試験液1は、抗炎症剤として実用されているトラニラストと同等の高いβ−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率を示すことが理解できる。
【0033】
[β−ヘキソサミニダーゼ活性直接阻害効果についての確認実験]
上記結果により明らかになった、ブレクナム ディスカラー抽出液のβ−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害が、脱顆粒抑制によるものであるのか、又はβ−ヘキソサミニダーゼ直接阻害によるものかを明らかにする目的で以下の実験を行った。
方法:
細胞内全β−ヘキソサミニダーゼの測定に用いた、0.5%Triton−X100(PBS緩衝液)中で超音波処理することによって破砕した細胞を遠心分離した上清を酵素液とした。この酵素液に対し、例1で調製したブレクナム ディスカラー抽出液を下記表に示す濃度で添加した際の、β−ヘキソサミニダーゼ活性を測定した。具体的には、上記酵素液50μLに、下記表に示す濃度のブレクナム ディスカラー抽出液を0.5μLを添加し、0.1M クエン酸緩衝液に溶解した1mmol/L p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド(PNAG)50μLを加えて混和後、37℃で1時間反応させた。反応溶液に200μLの反応停止緩衝液(0.1mol/L NaHCO3/Na2CO3、pH10.0)を加えて混和し、マイクロプレートリーダー(モデル550、バイオ−ラッド社)で吸光度を測定した(測定波長:405nm、参照波長:655nm)。参考波長を差し引いた測定波長の比から、β−ヘキソサミニダーゼの比活性を算出した。
【0034】
結果:
上記測定結果を以下の表に示す。
【表2】

【0035】
上記表に示す結果から、ブレクナム ディスカラー抽出液は、乾燥固形分濃度0.03%までの濃度(高いβ−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害能を示した濃度)で、β−ヘキソサミニダーゼそのものに対しては阻害効果を持たないことが理解できる。
従って、ブレクナム ディスカラー抽出液はβ−ヘキソサミニダーゼを直接阻害するのではなく、RBL−2H3細胞の脱顆粒を抑制することによって、β−ヘキソサミニダーゼの遊離を阻害していることが明らかになった。
【0036】
[例3:クレンジングクリームの調製例]
以下の組成のクレンジングクリームを、以下の方法で調製した。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 3.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 2.0
(4)ミツロウ 1.5
(5)ワセリン 6.0
(6)流動パラフィン 40.0
(7)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(9)防腐剤 適量
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)プロピレングリコール 10.0
(12)ポリエチレングリコール20000 0.5
(13)カルボキシビニルポリマー1%溶液 5.0
(14)精製水 残量
(15)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.1
(16)香料 適量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0037】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(15)及び(16)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
【0038】
調製したクレンジングクリームは、メイク汚れとのなじみがよく、すっきりとメイク汚れが落ち、肌には適度なうるおいとエモリエント感があり、べたつきのないクレンジングクリームであった。
【0039】
[実施例4:洗顔料の調製]
以下の組成の洗顔料を以下の方法で製造した。
(成分) %
(1)ラウリン酸 5.0
(2)ミリスチン酸 18.5
(3)ステアリン酸 6.0
(4)グリセリン 12.0
(5)ポリエチレングリコール1500 5.0
(6)水酸化カリウム 6.5
(7)精製水 残量
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
(9)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.8
(10)ポリオキシエチレン(7.5E.O.)ラウリル
エーテル 2.0
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 5.0
(13)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.1
(14)香料 適量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0040】
(製法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.成分(6)及び(7)を加熱溶解する。
C.成分(8)〜(11)を加熱溶解する。
D.AにBを加え混合後、更にCを加え混合する。
E.Dを冷却後、成分(12)、(13)及び(14)を加え混合し、洗顔料を得た。
【0041】
調製した洗顔料は、豊かでコクのある泡立ちで、汚れ落ちもよく、すっきりと洗いあがり、肌にうるおいが残る洗顔料であった。
【0042】
[実施例5:化粧水1(溶解型)の調製]
以下の組成の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(4)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.05
(5)グリセリン 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 8.0
(7)精製水 残量
(8)エチルアルコール 10.0
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
*1 実施例1で調製した抽出液
【0043】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(11)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
【0044】
調製した化粧水は、みずみずしい使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0045】
[実施例6:化粧水2(油可溶化型)の調製]
以下の組成物の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)メドウホーム油 0.05
(2)ホホバ油 0.05
(3)香料 適量
(4)防腐剤 適量
(5)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.0
(7)エチルアルコール 8.0
(8)グリセリン 5.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)ポリエチレングリコール1500 0.1
(11)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.2
(12)精製水 残量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0046】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、化粧水を得る。
【0047】
調製した化粧水は、なめらかな使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0048】
[実施例7:化粧水3(乳化型)の調製]
以下の組成の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.08
(2)スクワラン 0.02
(3)セスキオレイン酸ソルビタン 0.05
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.05
(5)ポリオキシエチレン(8E.O.)アルキル(12〜15)
エーテルリン酸 0.1
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)エチルアルコール 8.0
(9)ジプロプレングリコール 8.0
(10)グリセリン 4.0
(11)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.1
(12)精製水 残量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0049】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得る。
【0050】
調製した化粧水は、みずみずしくすっきりとした使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することのより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる化粧水であった。
【0051】
[実施例8:乳液の調製]
以下の組成の乳液を以下の方法により調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 0.2
(8)防腐剤 適量
(9)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(11)トリエタノールアミン 0.5
(12)1,3−ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)ポリエチレングリコール6000 0.5
(15)精製水 残量
(16)カルボキシビニルポリマー1%溶液 8.0
(17)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.2
(18)香料 適量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0052】
(製法)
A.成分(1)〜(10)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(11)〜(15)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(16)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(17)及び(18)を加え混合し、乳液を得る。
【0053】
調製した乳液は、みずみずしくなめらかな使用感があり、肌のうるおいとエモリエンと感に優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる乳液であった。
【0054】
[実施例9:クリームの調製]
以下の組成のクレームを以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 適量
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)グリセリン 2.0
(17)ポリエチレングリコール20000 0.5
(18)精製水 残量
(19)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 5.0
(20)ブレクナム ディスカラー抽出液*2 1.0
(21)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2 実施例1で調製した抽出液
【0055】
(製法)
A.成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(19)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(20)及び(21)を加え混合し、乳液を得る。
【0056】
調製したクリームは、コクのあるなめらかな使用感があり、肌のエモリエント感に優れ、連日肌に適用すると、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームであった。
【0057】
[実施例10:美容液(可溶化型)の調製]
以下の組成の美容液を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(2)メドウホーム油 0.05
(3)ホホバ油 0.05
(4)防腐剤 適量
(5)香料 適量
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(7)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.5
(8)エチルアルコール 5.0
(9)グリセリン 4.0
(10)ジプロピレングリコール 8.0
(11)1,3−ブチレングリコール 8.0
(12)乳酸ナトリウム 0.5
(13)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(14)ヒドロキシエチルセルロース 0.08
(15)アルギン酸ナトリウム 0.05
(16)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.1
(17)精製水 残量
*1 実施例1で調製した抽出液
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(17)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
【0059】
調製した美容液は、みずみずしくもなめらかでマイルドな使用感があり、肌のうるおいやエモリエント感に優れ、連日肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる美容液であった。
【0060】
[実施例11:パック(ピールオフ型)の調製]
以下の組成のパックを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ポリビニルアルコール 12.0
(2)メチルセルロース 0.1
(3)グリセリン 3.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)精製水 残量
(6)香料 適量
(7)防腐剤 適量
(8)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.0
(10)エチルアルコール 13.0
(11)ブレクナム ディスカラー抽出液*1 0.1
*1 実施例1で調製した抽出液
【0061】
(製法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.成分(6)〜(10)を混合溶解する。
C.Aを冷却後、B及び(11)を加え混合し、パックを得た。
【0062】
調製したパックは、伸びひろがりがよく、肌に適度な緊張感を付与し、パックを剥がした後の肌にはべたつきはなく、高いうるおいとはりがでるパックであった。
【0063】
[実施例12:マッサージクリームの調製]
以下の組成のマッサージクリームを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(5)パルミチン酸セチル 1.0
(6)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 4.0
(7)ワセリン 20.0
(8)流動パラフィン 28.0
(9)メチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(10)水酸化ナトリウム 0.1
(11)ジプロピレングリコール 7.0
(12)カルボキシビニルポリマー1%溶液 5.0
(13)精製水 残量
(14)ブレクナム ディスカラー抽出液*2 0.2
(15)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:実施例1で調製した抽出液
【0064】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(14)及び(15)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
【0065】
調製したマッサージクリームは、なめらかでコクのある使用感があり、マッサージ効果に優れ、肌のたるみやはり、弾力性の低下を防ぐ効果の高いマッサージクリームであった。
【0066】
[実施例13:クリームファンデーション(W/O型)の調製]
以下の組成のクリームファンデーションを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)セリサイト 8.0
(2)酸化チタン 10.0
(3)ベンガラ 1.0
(4)黄色酸化鉄 2.2
(5)雲母チタン 2.0
(6)黒酸化鉄 0.1
(7)有機変成ベントナイト*1 0.5
(8)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性
オルガノポリシロキサン*2 2.0
(9)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン*3 2.0
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.0
(11)オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸のシリコーン溶液*4 3.0
(13)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
(14)1,3−ブチレングリコール 5.0
(15)ジグリセリン 2.0
(16)グリセリン 2.0
(17)キサンタンガム 0.2
(18)塩化ナトリウム 0.2
(19)精製水 残量
(20)ブレクナム ディスカラー抽出液*5 0.1
(21)香料 適量
*1:ベントン38(NLエンダストリー社製)
*2:アビルEM−90(ゴールドシュミット社製)
*3:KF−6017(信越化学工業社製)
*4:KF−7312J(信越化学工業社製)
*5:実施例1で調製した抽出液
【0067】
(製法)
A:成分(8)〜(13)を混合する。
B:成分(14)〜(19)を混合する。
C:Aに成分(1)〜(7)を添加し混合分散する。
D:Cに成分(20)及び(21)を加えクリームファンデーション(W/O型)を得た。
【0068】
調製したクリームファンデーションは、べたつき感のないなめらかな使用感があり、肌への付着性に優れ、美しい仕上がりとなり、また、連日肌に適用すると、肌にエモリエント感を付与し、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームファンデーションであった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、植物由来の安全性の良好な抗炎症剤、及び抗炎症用皮膚外用剤を提供することができる。本発明の抗炎症剤は、β−ヘキソサミニダーゼの遊離を伴う脱顆粒抑制能を有するので、放出される顆粒に含まれるヒスタミン等の薬理活性物質よって引き起こされる炎症を抑制又は改善するのに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナム ディスカラー(Blechnum discolor)の抽出物を有効成分とする抗炎症剤。
【請求項2】
β−ヘキソサミニダーゼ遊離阻害能を有することを特徴とする請求項1に記載の抗炎症剤。
【請求項3】
β−ヘキソサミニダーゼの遊離を伴う脱顆粒に対する抑制能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の抗炎症剤。
【請求項4】
シダ目シシガシラ科(Blechnaceae)ヒリュウシダ属(Blechnum)ブレクナム ディスカラー(Blechnum discolor)の抽出物を含有する抗炎症用皮膚外用剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗炎症剤を有効成分として含有する抗炎症用皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−215251(P2009−215251A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62077(P2008−62077)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【出願人】(597175651)新日本薬業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】