折り畳みラベル
【課題】折り畳みラベルに多くの情報を記載する場合でも、情報をわかりやすく表示することができ、かつ、折り畳んだ状態でのラベルの浮き上がりを低減させることのできる折り畳みラベルを提供する。
【解決手段】折り畳みラベル1では、一枚のラベル用紙2の折り畳みと抜き加工によりに連続体として形成された複数層のラベル3が、裏面に接着剤層21を有するラベル台紙20の表面に取り外し可能に接着されている。折り畳まれたラベル連続体2の展開形状は、抜き穴5により角が丸められたラベル3がその抜き穴5と折線4とを介して複数行複数列に連なった形状を有する。
【解決手段】折り畳みラベル1では、一枚のラベル用紙2の折り畳みと抜き加工によりに連続体として形成された複数層のラベル3が、裏面に接着剤層21を有するラベル台紙20の表面に取り外し可能に接着されている。折り畳まれたラベル連続体2の展開形状は、抜き穴5により角が丸められたラベル3がその抜き穴5と折線4とを介して複数行複数列に連なった形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品説明等が表示されるラベルであって、折り畳まれて、ビン、缶、箱などの容器の表面に貼付される折り畳みラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の使用方法、取扱方法、キャンペーン情報、関連製品の案内等を印刷した紙片を折り畳んで当該商品の容器の表面に貼付する折り畳みラベルは、消費者の目にとまりやすく、消費者が必ず商品と共に持ち帰ることになるため、広く使用されている。
【0003】
このような折り畳みラベルには、矩形のラベル用紙を折り畳み、その底面を支持薄板に接着し、支持薄板と折り畳んだラベル用紙全体を感圧性接着フィルムで覆ったもの(特許文献1)や、はがき付きラベル用紙を折り畳み、その最上層の一端を台紙に接着すると共に、最下層を台紙に剥離可能に接着したもの(特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−9893号公報
【特許文献2】特開2002−59676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、矩形のラベル用紙を折り畳んだ紙面では、限られた紙面の折り畳みラベルに多くの情報を記載する場合、小さい文字で情報を詰め込むことになるため読みづらく、インパクトのないものになりやすい。
【0006】
一方、文字を小さくせずに情報を詰め込むには紙面を広くすることになり、折り畳み回数を多くしなければならないため、折り畳んだ状態でラベルが変形したり、折り畳みラベルの折り目が厚く膨らんだりすることにより、折り畳みラベルが、それを貼る容器から浮き上がりやすくなるという問題が生じる。
【0007】
これに対し、本発明は、折り畳みラベルに多くの情報を記載する場合でも、情報をわかりやすく表示することができ、かつ、折り畳んだ状態でのラベルの浮き上がりを低減させることのできる折り畳みラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、折り畳みラベルの展開形状を、抜き加工により角が丸められたラベルが折線と抜き穴を介して複数行複数列に連なったものとすることにより、折り畳まれた個々のラベルを一枚ずつの独立したパネルのように目立たせることができ、それにより情報をわかりやすく表示でき、消費者が情報を容易に判別し、内容を理解しやすくなること、また、折り畳んだ状態でのラベルの浮き上がりも低減できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、一枚のラベル用紙の折り畳みと抜き加工により連続体として形成された複数層のラベルが、裏面に接着剤層を有するラベル台紙の表面に取り外し可能に接着されている折り畳みラベルであって、ラベル連続体の展開形状が、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状を有する折り畳みラベルを提供する。
【0010】
また、本発明は、上記折り畳みラベルの製造方法として、一枚のラベル用紙を互いに交差する方向に合計で複数回折り畳む工程、
裏面に接着剤層を有するラベル台紙用シートの表面に接着剤を塗工する工程、
接着剤を塗工したラベル台紙用シートと、前記折り畳んだラベル用紙とを積層して接着する工程、
ラベル台紙用シートと、折り畳んだラベル用紙との積層物に抜き加工を行うことにより、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状のラベル連続体を形成する工程、
を備える方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の折り畳みラベルによれば、ラベル連続体の展開形状が、角が丸められたラベルが折線と抜き穴を介して複数行複数列に連なった形状を有するので、個々のラベルが一枚ずつの独立したパネルのように認識される。したがって、パネルごとに所定の表示項目を記載することにより、その項目ごとの認識が容易となり、折り畳みラベル全体で伝える情報もわかりやすくなり、消費者が内容を理解しやすくなる。
【0012】
また、本発明の折り畳みラベルによれば、折り畳んだ状態で積層されているラベルの角部が抜き加工により丸く形成されているため、個々のラベルに、折り畳んだことによる歪みが溜まりにくく、平坦性が維持され、曲面部を有する容器に貼り付けた場合にも端部からの浮き上がりも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、一実施例の折り畳みラベルの平面図(a)、及び断面図(b)である。
【図1B】図1Bは、表示例(図柄)を記載した図1Aの折り畳みラベルの展開図(a)、及び折畳みラベルを取り外した状態のラベル台紙(b)である。
【図2】図2は、図1Aの折り畳みラベルを貼着した缶状容器の斜視図(a)及びその部分断面図(b)である。
【図3A】図3Aは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3B】図3Bは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3C】図3Cは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3D】図3Dは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3E】図3Eは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3F】図3Fは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3G】図3Gは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図4】図4は帯状のラベル台紙に複数の折り畳みラベルを配列させたものがロール状に巻かれている折り畳みラベルロールの斜視図である。
【図5】図5は、異なる実施例の折り畳みラベルの平面図(a)及び断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施例の折り畳みラベル1の平面図(a)及び断面図(b)である。この折り畳みラベル1は、一枚のラベル用紙2x(図3A参照)の折り畳みと抜き加工により、連続体として形成された複数層のラベル3が、ラベル台紙20(図1B(b)参照)の表面に取り外し可能に接着されたものである。
【0016】
ラベル3は、後述するラベル用紙2xの折り畳みと抜き加工による抜き穴により、角が丸められた矩形、円、楕円等の角が丸められた形状を有している。また、本発明においてラベル3は折線4と抜き穴5を介して互いに連続し、複数行複数列の連続体を形成しており、本実施例では、図1B(a)に示すように、2行4列のラベル連続体2を形成している。このため、この折り畳みラベル1によれば、ラベル台紙20から折り畳まれたラベル連続体2を取り外し、それを広げることにより、個々のラベル3が折線4だけでなく、抜き穴5によって独立的なパネルとして認識されるので、ラベル3ごとに所定の情報を記載することにより、項目ごとの認識が容易となり、折り畳みラベル全体に記載されている情報も理解しやすくなる。また、上下に連なる一列のラベル3を一つのユニットとして、ユニットごとに表示内容を展開していくことができ、これによっても表示内容を視覚的にわかりやすくすることができる。例えば、図1B(a)に示すように、上方のラベル3aにイメージ情報を記載し、下側のラベル3bにその説明文を記載し、いわゆる雪だるまを模したようなものを一つのユニットとして、複数ユニットを一行に並べることにより、製品の取り扱い方法などを、順序立ててわかりやすく表示することができる。
なお、ラベル3の連続体の形態としては、ラベル用紙2xの折畳み回数や畳んだ状態でのラベル断面の厚さ、使用時に消費者がラベルを広げる操作の点から、縦方向には2行〜4行程度、また横のつながり方向では2列〜10行程度、特に3列〜8列程度の範囲とすることが好ましい。
【0017】
また、この折り畳みラベル1によれば、折り畳まれたラベル用紙2xの抜き加工により、ラベル台紙20に積層されている個々のラベル3は角が丸められた形状となっているので、折り畳みによりラベル3の隅が集まる部分は抜き穴5となっている。このため、個々のラベル3は、ラベル用紙2xの折り畳みにより積層されているにも関わらず平坦性を維持し易く、特に折り畳みラベルを曲面部に貼り付けた場合にも、折り畳まれたラベル連続体2がラベル台紙20から浮き上がりにくく、ラベル台紙20が容器から浮き上がりにくい。また、ラベルが矩形である場合に生じ易い角部や端部の歪みや変形も生じない。
【0018】
この折り畳みラベル1では、最上層のラベル3pの一辺にミシン目や、ハーフカット等の切断誘導線6を介して半月形の糊代片7が延設されており、糊代片7がラベル台紙20に強接着剤層8で強接着されている。ここで、強接着とは、通常の使用状態では剥離しない程度に強く接着されていることをいう。この強接着剤層8による接着領域は、容器へのラベル貼付工程や輸送時におけるラベル打ち抜き端部のめくれや破損の点から、糊代片7の全面とせず、切断誘導線6と反対側の端部領域とすることが好ましい。
【0019】
また、この折り畳みラベル1では、糊代片7と反対側で最上層のラベル3pに連続するラベルが最下層のラベル3qとなり、最下層のラベル3qがラベル台紙20に弱接着剤層9で剥離可能に弱接着されている。ここで、弱接着とは、外力が加わらない場合には接着状態を維持するが、人が指で摘み上げることにより容易に剥離できる程度に接着されていることをいう。接着剤層には、エマルジョン系接着剤、ホットメルト等の汎用的な接着剤が使用できる。なお、図5に示す折り畳みラベル1Bのように、糊代片7と最上層のラベル3pとの間に切断誘導線6を設けていない場合には糊代片7とラベル台紙20との接着部分を弱接着剤層9としても良い。
【0020】
上述の折り畳みラベル1、1Bのように折線4で繋がる最上層のラベル3pと最下層のラベル3qとの間に残りのラベルが挟まれ、最上層のラベル3pが糊代片7を介してラベル台紙20の一端側に接着され、糊代片7と反対側で最上層のラベル3pに連続する最下層のラベル3qがラベル台紙20の他端側に接着されることにより、ラベル3の積層物全体がラベル台紙20上に保持される。
【0021】
ラベル用紙2xとしては、折り畳んだ際に重なり部が浮き上がらず、しっかりとして折目を付けやすい点から、坪量50〜100g/m2の上質紙、両面アート紙、合成紙等を使用することが好ましい。
【0022】
一方、ラベル台紙20は、裏面に接着剤層21を有し、接着剤層21上には剥離紙22が積層されている。ラベル台紙20としては、発泡PET、合成紙、紙等を使用することができる。
【0023】
ラベル台紙20の形状は、糊代片7の貼着部側とその反対側に、ラベル3の積層領域となるラベル台紙20の中央部領域23から突出した突出片24、25を有している。これらの突出片24、25は、互いに対称形とすることができ、突出方向側端部の幅(即ち、突出方向に直交する方向の幅)L1が、その突出片24、25の基部の幅L2に対して広く、これら突出片24、25と中央部領域23とのなす角度θが鋭角となっている。このように突出方向側端部の幅L1を広くして突出片24、25をラベル台紙20の中央領域23から突出させることにより、図2(a)に示すように、折り畳みラベル1のラベル台紙20を円筒状の容器30の側面、即ち、曲率を有する面に貼着した場合にも、ラベル連続体2の折り畳みの反発による剥がれを効果的に防止することができる。また、突出片24の基部の幅L2を狭め、そこにラベル連続体2の切断誘導線6を一致させることにより、消費者は、(i)図2(a)に矢印aで示したように、切断誘導線6を破断して折り畳まれているラベル連続体2をラベル台紙20から取り外すこと、あるいは(ii)最上層のラベル3pの切断誘導線6と反対側の縁部がラベル台紙20から突出していることから、まず、図2(b)に矢印bで示したように、最上層のラベル3pの切断誘導線6と反対側の縁部から折り畳まれたラベル連続体2を引き上げ、切断誘導線6を破断し、折り畳まれたラベル連続体2をラベル台紙20から取り外すことを容易に認識することができる。
【0024】
折り畳みラベル1は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、図3Aに示すように、ラベル用紙2xに所定の情報を印刷する。なお、図中の破線は、後の抜き加工により形成するラベル連続体2の展開形状を示している。次に、ラベル用紙2xを、一点鎖線で示す長手方向の2つの折線で矢印のように折り畳む。次いで、図3Bに示すように、先の折線と直交する方向の一点鎖線で示す折線により、ラベル用紙2xを折り畳み、さらに図3C、図3Dに示すように、ラベル用紙2xを一点鎖線で示す折線により順次矢印のように2つ折り畳む。こうして折り畳みラベルの2個分の折り畳み物10を得る。
なお、この折り畳み物10の弱接着剤層9の形成位置には、例えば、接着力の調整のために剥離用のニスを塗布しておくことが好ましい。
【0025】
一方、図3Eに示すように、裏面に接着剤層21と剥離紙22を有する長尺のラベル台紙20を用意し、上述の折り畳み物10の配置予定位置の強接着剤層8の形成位置に、例えばエマルジョン系接着剤等の強接着剤層形成用の接着剤を帯状に塗工し、また、弱接着剤層9の形成位置に例えばホットメルト接着剤等の弱接着剤層形成用の接着剤を帯状に塗工する。
【0026】
次いで、図3Fに示すように、上述の折り畳み物10を積層し、折り畳み物10とラベル台紙20とを接着する。そして、これに抜き加工を行い、ラベル台紙20上の折り畳まれたラベルの積層領域と、非積層領域(即ち、ラベル台紙20のみの領域)を同時に打ち抜くことにより、図3Gに示すように、剥離紙22上に折り畳みラベル1が2列に所定間隔で配列したシートを得る。これを長手方向にスリットし、ロール状に巻き取ることにより、図4に示すように折り畳みラベルロール11を得ることができる。こうして得られる折り畳みラベル1は剥離紙22が剥がされ、図2に示すように、容器30等の表面に貼着される。
【0027】
なお、上述した折り畳みラベルの製造方法は、一枚のラベル用紙から2個の折り畳んだラベルを打ち抜く方法であるが、本発明において折り畳みラベルの製造方法はこれに限られず、例えば、一枚のラベル用紙から折り畳みラベルを1個ずつ打ち抜くようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の折り畳みラベルは、ビン、缶、箱などの容器の表面に、その容器に係る商品の情報を記載した紙面を貼付するために有用である。
【符号の説明】
【0029】
1、1B 折り畳みラベル
2 ラベル連続体
2x ラベル用紙
3 ラベル
3a 上方のラベル
3b 下側のラベル
3p 最上層のラベル
3q 最下層のラベル
4 折線
5 抜き穴
6 切断誘導線
7 糊代片
8 強接着剤層
9 弱接着剤層
10 折り畳み物
11 折り畳みラベルロール
20 ラベル台紙
21 接着剤層
22 剥離紙
23 ラベル台紙の中央部領域
24 糊代片側の突出片
25 糊代片と反対側の突出片
30 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品説明等が表示されるラベルであって、折り畳まれて、ビン、缶、箱などの容器の表面に貼付される折り畳みラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の使用方法、取扱方法、キャンペーン情報、関連製品の案内等を印刷した紙片を折り畳んで当該商品の容器の表面に貼付する折り畳みラベルは、消費者の目にとまりやすく、消費者が必ず商品と共に持ち帰ることになるため、広く使用されている。
【0003】
このような折り畳みラベルには、矩形のラベル用紙を折り畳み、その底面を支持薄板に接着し、支持薄板と折り畳んだラベル用紙全体を感圧性接着フィルムで覆ったもの(特許文献1)や、はがき付きラベル用紙を折り畳み、その最上層の一端を台紙に接着すると共に、最下層を台紙に剥離可能に接着したもの(特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−9893号公報
【特許文献2】特開2002−59676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、矩形のラベル用紙を折り畳んだ紙面では、限られた紙面の折り畳みラベルに多くの情報を記載する場合、小さい文字で情報を詰め込むことになるため読みづらく、インパクトのないものになりやすい。
【0006】
一方、文字を小さくせずに情報を詰め込むには紙面を広くすることになり、折り畳み回数を多くしなければならないため、折り畳んだ状態でラベルが変形したり、折り畳みラベルの折り目が厚く膨らんだりすることにより、折り畳みラベルが、それを貼る容器から浮き上がりやすくなるという問題が生じる。
【0007】
これに対し、本発明は、折り畳みラベルに多くの情報を記載する場合でも、情報をわかりやすく表示することができ、かつ、折り畳んだ状態でのラベルの浮き上がりを低減させることのできる折り畳みラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、折り畳みラベルの展開形状を、抜き加工により角が丸められたラベルが折線と抜き穴を介して複数行複数列に連なったものとすることにより、折り畳まれた個々のラベルを一枚ずつの独立したパネルのように目立たせることができ、それにより情報をわかりやすく表示でき、消費者が情報を容易に判別し、内容を理解しやすくなること、また、折り畳んだ状態でのラベルの浮き上がりも低減できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、一枚のラベル用紙の折り畳みと抜き加工により連続体として形成された複数層のラベルが、裏面に接着剤層を有するラベル台紙の表面に取り外し可能に接着されている折り畳みラベルであって、ラベル連続体の展開形状が、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状を有する折り畳みラベルを提供する。
【0010】
また、本発明は、上記折り畳みラベルの製造方法として、一枚のラベル用紙を互いに交差する方向に合計で複数回折り畳む工程、
裏面に接着剤層を有するラベル台紙用シートの表面に接着剤を塗工する工程、
接着剤を塗工したラベル台紙用シートと、前記折り畳んだラベル用紙とを積層して接着する工程、
ラベル台紙用シートと、折り畳んだラベル用紙との積層物に抜き加工を行うことにより、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状のラベル連続体を形成する工程、
を備える方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の折り畳みラベルによれば、ラベル連続体の展開形状が、角が丸められたラベルが折線と抜き穴を介して複数行複数列に連なった形状を有するので、個々のラベルが一枚ずつの独立したパネルのように認識される。したがって、パネルごとに所定の表示項目を記載することにより、その項目ごとの認識が容易となり、折り畳みラベル全体で伝える情報もわかりやすくなり、消費者が内容を理解しやすくなる。
【0012】
また、本発明の折り畳みラベルによれば、折り畳んだ状態で積層されているラベルの角部が抜き加工により丸く形成されているため、個々のラベルに、折り畳んだことによる歪みが溜まりにくく、平坦性が維持され、曲面部を有する容器に貼り付けた場合にも端部からの浮き上がりも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、一実施例の折り畳みラベルの平面図(a)、及び断面図(b)である。
【図1B】図1Bは、表示例(図柄)を記載した図1Aの折り畳みラベルの展開図(a)、及び折畳みラベルを取り外した状態のラベル台紙(b)である。
【図2】図2は、図1Aの折り畳みラベルを貼着した缶状容器の斜視図(a)及びその部分断面図(b)である。
【図3A】図3Aは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3B】図3Bは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3C】図3Cは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3D】図3Dは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3E】図3Eは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3F】図3Fは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図3G】図3Gは折り畳みラベルの製造方法の説明図である。
【図4】図4は帯状のラベル台紙に複数の折り畳みラベルを配列させたものがロール状に巻かれている折り畳みラベルロールの斜視図である。
【図5】図5は、異なる実施例の折り畳みラベルの平面図(a)及び断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施例の折り畳みラベル1の平面図(a)及び断面図(b)である。この折り畳みラベル1は、一枚のラベル用紙2x(図3A参照)の折り畳みと抜き加工により、連続体として形成された複数層のラベル3が、ラベル台紙20(図1B(b)参照)の表面に取り外し可能に接着されたものである。
【0016】
ラベル3は、後述するラベル用紙2xの折り畳みと抜き加工による抜き穴により、角が丸められた矩形、円、楕円等の角が丸められた形状を有している。また、本発明においてラベル3は折線4と抜き穴5を介して互いに連続し、複数行複数列の連続体を形成しており、本実施例では、図1B(a)に示すように、2行4列のラベル連続体2を形成している。このため、この折り畳みラベル1によれば、ラベル台紙20から折り畳まれたラベル連続体2を取り外し、それを広げることにより、個々のラベル3が折線4だけでなく、抜き穴5によって独立的なパネルとして認識されるので、ラベル3ごとに所定の情報を記載することにより、項目ごとの認識が容易となり、折り畳みラベル全体に記載されている情報も理解しやすくなる。また、上下に連なる一列のラベル3を一つのユニットとして、ユニットごとに表示内容を展開していくことができ、これによっても表示内容を視覚的にわかりやすくすることができる。例えば、図1B(a)に示すように、上方のラベル3aにイメージ情報を記載し、下側のラベル3bにその説明文を記載し、いわゆる雪だるまを模したようなものを一つのユニットとして、複数ユニットを一行に並べることにより、製品の取り扱い方法などを、順序立ててわかりやすく表示することができる。
なお、ラベル3の連続体の形態としては、ラベル用紙2xの折畳み回数や畳んだ状態でのラベル断面の厚さ、使用時に消費者がラベルを広げる操作の点から、縦方向には2行〜4行程度、また横のつながり方向では2列〜10行程度、特に3列〜8列程度の範囲とすることが好ましい。
【0017】
また、この折り畳みラベル1によれば、折り畳まれたラベル用紙2xの抜き加工により、ラベル台紙20に積層されている個々のラベル3は角が丸められた形状となっているので、折り畳みによりラベル3の隅が集まる部分は抜き穴5となっている。このため、個々のラベル3は、ラベル用紙2xの折り畳みにより積層されているにも関わらず平坦性を維持し易く、特に折り畳みラベルを曲面部に貼り付けた場合にも、折り畳まれたラベル連続体2がラベル台紙20から浮き上がりにくく、ラベル台紙20が容器から浮き上がりにくい。また、ラベルが矩形である場合に生じ易い角部や端部の歪みや変形も生じない。
【0018】
この折り畳みラベル1では、最上層のラベル3pの一辺にミシン目や、ハーフカット等の切断誘導線6を介して半月形の糊代片7が延設されており、糊代片7がラベル台紙20に強接着剤層8で強接着されている。ここで、強接着とは、通常の使用状態では剥離しない程度に強く接着されていることをいう。この強接着剤層8による接着領域は、容器へのラベル貼付工程や輸送時におけるラベル打ち抜き端部のめくれや破損の点から、糊代片7の全面とせず、切断誘導線6と反対側の端部領域とすることが好ましい。
【0019】
また、この折り畳みラベル1では、糊代片7と反対側で最上層のラベル3pに連続するラベルが最下層のラベル3qとなり、最下層のラベル3qがラベル台紙20に弱接着剤層9で剥離可能に弱接着されている。ここで、弱接着とは、外力が加わらない場合には接着状態を維持するが、人が指で摘み上げることにより容易に剥離できる程度に接着されていることをいう。接着剤層には、エマルジョン系接着剤、ホットメルト等の汎用的な接着剤が使用できる。なお、図5に示す折り畳みラベル1Bのように、糊代片7と最上層のラベル3pとの間に切断誘導線6を設けていない場合には糊代片7とラベル台紙20との接着部分を弱接着剤層9としても良い。
【0020】
上述の折り畳みラベル1、1Bのように折線4で繋がる最上層のラベル3pと最下層のラベル3qとの間に残りのラベルが挟まれ、最上層のラベル3pが糊代片7を介してラベル台紙20の一端側に接着され、糊代片7と反対側で最上層のラベル3pに連続する最下層のラベル3qがラベル台紙20の他端側に接着されることにより、ラベル3の積層物全体がラベル台紙20上に保持される。
【0021】
ラベル用紙2xとしては、折り畳んだ際に重なり部が浮き上がらず、しっかりとして折目を付けやすい点から、坪量50〜100g/m2の上質紙、両面アート紙、合成紙等を使用することが好ましい。
【0022】
一方、ラベル台紙20は、裏面に接着剤層21を有し、接着剤層21上には剥離紙22が積層されている。ラベル台紙20としては、発泡PET、合成紙、紙等を使用することができる。
【0023】
ラベル台紙20の形状は、糊代片7の貼着部側とその反対側に、ラベル3の積層領域となるラベル台紙20の中央部領域23から突出した突出片24、25を有している。これらの突出片24、25は、互いに対称形とすることができ、突出方向側端部の幅(即ち、突出方向に直交する方向の幅)L1が、その突出片24、25の基部の幅L2に対して広く、これら突出片24、25と中央部領域23とのなす角度θが鋭角となっている。このように突出方向側端部の幅L1を広くして突出片24、25をラベル台紙20の中央領域23から突出させることにより、図2(a)に示すように、折り畳みラベル1のラベル台紙20を円筒状の容器30の側面、即ち、曲率を有する面に貼着した場合にも、ラベル連続体2の折り畳みの反発による剥がれを効果的に防止することができる。また、突出片24の基部の幅L2を狭め、そこにラベル連続体2の切断誘導線6を一致させることにより、消費者は、(i)図2(a)に矢印aで示したように、切断誘導線6を破断して折り畳まれているラベル連続体2をラベル台紙20から取り外すこと、あるいは(ii)最上層のラベル3pの切断誘導線6と反対側の縁部がラベル台紙20から突出していることから、まず、図2(b)に矢印bで示したように、最上層のラベル3pの切断誘導線6と反対側の縁部から折り畳まれたラベル連続体2を引き上げ、切断誘導線6を破断し、折り畳まれたラベル連続体2をラベル台紙20から取り外すことを容易に認識することができる。
【0024】
折り畳みラベル1は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、図3Aに示すように、ラベル用紙2xに所定の情報を印刷する。なお、図中の破線は、後の抜き加工により形成するラベル連続体2の展開形状を示している。次に、ラベル用紙2xを、一点鎖線で示す長手方向の2つの折線で矢印のように折り畳む。次いで、図3Bに示すように、先の折線と直交する方向の一点鎖線で示す折線により、ラベル用紙2xを折り畳み、さらに図3C、図3Dに示すように、ラベル用紙2xを一点鎖線で示す折線により順次矢印のように2つ折り畳む。こうして折り畳みラベルの2個分の折り畳み物10を得る。
なお、この折り畳み物10の弱接着剤層9の形成位置には、例えば、接着力の調整のために剥離用のニスを塗布しておくことが好ましい。
【0025】
一方、図3Eに示すように、裏面に接着剤層21と剥離紙22を有する長尺のラベル台紙20を用意し、上述の折り畳み物10の配置予定位置の強接着剤層8の形成位置に、例えばエマルジョン系接着剤等の強接着剤層形成用の接着剤を帯状に塗工し、また、弱接着剤層9の形成位置に例えばホットメルト接着剤等の弱接着剤層形成用の接着剤を帯状に塗工する。
【0026】
次いで、図3Fに示すように、上述の折り畳み物10を積層し、折り畳み物10とラベル台紙20とを接着する。そして、これに抜き加工を行い、ラベル台紙20上の折り畳まれたラベルの積層領域と、非積層領域(即ち、ラベル台紙20のみの領域)を同時に打ち抜くことにより、図3Gに示すように、剥離紙22上に折り畳みラベル1が2列に所定間隔で配列したシートを得る。これを長手方向にスリットし、ロール状に巻き取ることにより、図4に示すように折り畳みラベルロール11を得ることができる。こうして得られる折り畳みラベル1は剥離紙22が剥がされ、図2に示すように、容器30等の表面に貼着される。
【0027】
なお、上述した折り畳みラベルの製造方法は、一枚のラベル用紙から2個の折り畳んだラベルを打ち抜く方法であるが、本発明において折り畳みラベルの製造方法はこれに限られず、例えば、一枚のラベル用紙から折り畳みラベルを1個ずつ打ち抜くようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の折り畳みラベルは、ビン、缶、箱などの容器の表面に、その容器に係る商品の情報を記載した紙面を貼付するために有用である。
【符号の説明】
【0029】
1、1B 折り畳みラベル
2 ラベル連続体
2x ラベル用紙
3 ラベル
3a 上方のラベル
3b 下側のラベル
3p 最上層のラベル
3q 最下層のラベル
4 折線
5 抜き穴
6 切断誘導線
7 糊代片
8 強接着剤層
9 弱接着剤層
10 折り畳み物
11 折り畳みラベルロール
20 ラベル台紙
21 接着剤層
22 剥離紙
23 ラベル台紙の中央部領域
24 糊代片側の突出片
25 糊代片と反対側の突出片
30 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のラベル用紙の折り畳みと抜き加工により連続体として形成された複数層のラベルが、裏面に接着剤層を有するラベル台紙の表面に取り外し可能に接着されている折り畳みラベルであって、ラベル連続体の展開形状が、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状を有する折り畳みラベル。
【請求項2】
最上層のラベルの一辺に切断誘導線を介して糊代片が延設され、糊代片がラベル台紙に強接着されると共に、糊代片と反対側で最上層のラベルに連続するラベルが最下層のラベルとなってラベル台紙に剥離可能に接着されている請求項1記載の折り畳みラベル。
【請求項3】
ラベル台紙は、糊代片の貼着部側とその反対側とに、ラベルの積層領域から突出した突出片を有し、突出片の突出方向側端部の幅が、その基部の幅に対して広い請求項2記載の折り畳みラベル。
【請求項4】
一枚のラベル用紙を、互いに交差する方向に合計で複数回折り畳む工程、
裏面に接着剤層を有するラベル台紙用シートの表面に接着剤を塗工する工程、
接着剤を塗工したラベル台紙用シートと、前記折り畳んだラベル用紙とを積層して接着する工程、
ラベル台紙用シートと、折り畳んだラベル用紙との積層物に抜き加工を行うことにより、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった展開形状のラベル連続体を形成する工程、
を備える請求項1記載の折り畳みラベルの製造方法。
【請求項5】
抜き加工を行う工程において、前記ラベル台紙用シートを、折り畳まれたラベル用紙の積層領域と共に非積層領域で打ち抜くことにより、ラベル台紙に、折り畳まれたラベル連続体の積層領域から突出した突出片を形成する請求項4記載の折り畳みラベルの製造方法。
【請求項1】
一枚のラベル用紙の折り畳みと抜き加工により連続体として形成された複数層のラベルが、裏面に接着剤層を有するラベル台紙の表面に取り外し可能に接着されている折り畳みラベルであって、ラベル連続体の展開形状が、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった形状を有する折り畳みラベル。
【請求項2】
最上層のラベルの一辺に切断誘導線を介して糊代片が延設され、糊代片がラベル台紙に強接着されると共に、糊代片と反対側で最上層のラベルに連続するラベルが最下層のラベルとなってラベル台紙に剥離可能に接着されている請求項1記載の折り畳みラベル。
【請求項3】
ラベル台紙は、糊代片の貼着部側とその反対側とに、ラベルの積層領域から突出した突出片を有し、突出片の突出方向側端部の幅が、その基部の幅に対して広い請求項2記載の折り畳みラベル。
【請求項4】
一枚のラベル用紙を、互いに交差する方向に合計で複数回折り畳む工程、
裏面に接着剤層を有するラベル台紙用シートの表面に接着剤を塗工する工程、
接着剤を塗工したラベル台紙用シートと、前記折り畳んだラベル用紙とを積層して接着する工程、
ラベル台紙用シートと、折り畳んだラベル用紙との積層物に抜き加工を行うことにより、抜き穴により角が丸められたラベルがその抜き穴と折線とを介して複数行複数列に連なった展開形状のラベル連続体を形成する工程、
を備える請求項1記載の折り畳みラベルの製造方法。
【請求項5】
抜き加工を行う工程において、前記ラベル台紙用シートを、折り畳まれたラベル用紙の積層領域と共に非積層領域で打ち抜くことにより、ラベル台紙に、折り畳まれたラベル連続体の積層領域から突出した突出片を形成する請求項4記載の折り畳みラベルの製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4】
【図5】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−221296(P2011−221296A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90614(P2010−90614)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(592233347)シーレックス株式会社 (19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(592233347)シーレックス株式会社 (19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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