説明

折戸及び開き戸

【課題】折戸又は開き戸を閉じる際に木口面間の隙間に指を挟むことを効果的に防止でき、仮に挟んだ場合にも指に与える衝撃を低減でき、構造が簡単であり、既存の折戸に対しても指挟み防止機能を容易に追加でき、戸板の木口面同士の衝突の衝撃を吸収させることができる折戸を提供する。
【解決手段】蝶番によって折畳み自在に連結される複数の戸板を備える折戸であって、この戸板には、木口面及び各木口面間にわたる部分に変形可能な軟質弾性シートが被着され、この軟質弾性シートは、少なくとも各木口面間にわたる部分が前記木口面を閉じた際の木口面間の間隙距離の半分より大きい厚さを備えてなり、軟質弾性シートは、折戸が閉じる際に接近する各木口面の幅方向の蝶番側から自由端側へ移動するよう変形し、各木口面が開く際に自由端側から蝶番側へ変形が自復するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の戸板が折畳み自在に連結されている折戸及び蝶番によって開閉自在に連結される戸板と支持部材とを備えた開き戸に関する。
【背景技術】
【0002】
折戸は、一般に、蝶番で戸板が連結されて構成されており、これを閉じる際には、連結された戸板の側端面(木口面)も閉じる。このため、折戸が閉じる際に側端面間に指が挟まれてしまうことがある。開き戸についても同様に、閉じる際に支持部材の端面と戸板の側端面との間に指が挟まれてしまうことがある。このような折戸や開き戸の指挟み防止構造として、下記のごとき公知文献が存在する。
【0003】
特許文献1には、折戸の隣接する扉の側面に、合成樹脂含浸紙、合成樹脂コート紙等の強化紙や合成樹脂製シートからなる、指挟み防止用の屈曲性シートを配設、固定することが開示されている。この屈曲性シートは、隣接する扉の中間部分において突出している中間屈曲部を有し、この中間屈曲部により、折戸を閉じた際に扉の側面間に指が挟まれることを防止しようとするものである。
【0004】
特許文献2には、折戸の隣接する折戸パネルの側端面に中空状変形体を固定することが開示されている。折戸パネルの側端面間に指が挟まれると中空状変形体が指に合わせて変形することで、挟まれた指が強く圧迫され怪我することを防ごうとするものである。
【0005】
特許文献3には、戸構造の隣接する戸パネルの蝶番が取付けられる主面(対向面)にそれぞれ突出部を備えた木口部材を設けて隙間を遮蔽すること及びこの木口部材の対向面の一部を傾斜面とすることが開示されている。このような構造により、手指が隙間に入ることを防止し、傾斜した面によって指を外部に押し出すことにより、手指が戸パネル間に挟まれることを防止しようとするものである。
【0006】
特許文献4には、折戸の連結部に上下方向に沿って介在される棒状部材を設け、折戸の閉動時に棒状部材を折戸の折畳み支点から遠ざかるように移動させる構造が開示されている。この構造は、折戸の閉動時に指を連結部の間隙から外部へ押し出して指詰めを防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−270313号公報
【特許文献2】特開2008−308892号公報
【特許文献3】特開2009−41317号公報
【特許文献4】特開2010−31628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された構造によると、指挟み防止用の屈曲性シートが薄い紙や樹脂からなるので、その中間屈曲部も薄く軟質であり、この部分に指が挟まれてしまうことを防止できない。しかも、薄い屈曲性シートゆえに、指が挟まれた際の衝撃を吸収できない。また、蝶番が戸板に対して掘り込み型で設けられているなどして戸板の隣接する側面間の間隙が小さい場合に、折戸を勢いよく閉じると側面同士が衝突することがある。このとき、屈曲性シートが薄いために衝突の衝撃を吸収できず、大きな衝突音の発生や、扉の破損を招く恐れがある。
【0009】
特許文献2に開示された構造によると、側端面間に指を挟みこむこと自体を防止することができない。また、中空状変形体を設けるためには、側端面を深く削る必要があるため、この中空状変形体を既存の折戸に対して容易に設けることができない。
【0010】
特許文献3に開示された構造によると、側端面部材に例え傾斜面を設けても、この傾斜した面によって指を確実に外部に押し出すことは難しく、側端面部材が硬い材質で形成されているため指挟みが起こる。
【0011】
特許文献4に開示された構造によると、折戸を閉じる際に硬質の棒状部材と折戸の連結部の間に指を挟まれることがあり、指挟みを完全には防止できない。棒状部材を移動させるための機構を設けなくてはならず、構造が複雑となり製造コストが増大するのみならず、故障が発生し易い。また、既存の折戸に対して設けることは、手間を要するため、難しい。さらに、折戸が閉まる際にその連結部の面にかかる衝撃により、故障も招く恐れもある。
【0012】
上記した問題点に鑑み、本願発明者らは、連結された戸板の側端面に指を挟まれることを確実に防止する技術を開発すべく鋭意研究を進めてきた。特許文献3の側端面部材の材質にかえて、特許文献1の中間屈曲部や特許文献2の中空状変形体のような軟質の部材を用いると、指が挟みこまれた際には指にかかる衝撃が緩和され、指を引き抜き易くなる。しかしながら、傾斜面が指を外部に押し出す作用はかえって弱くなり、結果的には指が挟み込まれることを有効に防止できない。
【0013】
特許文献4の棒状部材の材質にかえて、特許文献1や特許文献2で採用されている軟質の部材を用いた場合も、棒状部材が指を折戸の連結部の外部に押し出す作用は弱くなる。さらに、折戸の連結部と棒状部材との間に指を挟まれることは防止できない。
【0014】
本願発明者らは、これらの問題は軟質の部材は指を押し出す作用を有効に兼ね備えることができないために生じると考察した。そこで、軟質の部材を用いて側端面(木口面)から指を確実に押し出すことのできる技術を開発すべく、さらに研究した。
【0015】
本発明は上述した背景に基づいて開発されたものであり、その目的は、折戸や開き戸を閉じる際に木口面間又は支持部材端面と木口面との間の隙間に指を挟むことを効果的に防止でき、仮に挟んだ場合にも指に与える衝撃を低減できる指挟み防止機能を備えた折戸及び開き戸を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、構造が簡単で既存の折戸や開き戸に対しても指挟み防止機能を容易に追加でき、戸板の木口面同士の衝突の衝撃を吸収させる作用を兼ね備えた折戸及び開き戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の折戸は、蝶番によって折畳み自在に連結される複数の戸板を備える折戸であって、この戸板には、木口面及び各木口面間にわたる部分に変形可能な軟質弾性シートが被着され、この軟質弾性シートは、少なくとも各木口面間にわたる部分が前記木口面を閉じた際の木口面間の間隙距離の半分より大きい厚さを備えてなり、軟質弾性シートは、折戸が閉じる際に接近する各木口面の幅方向の蝶番側から自由端側へ移動するよう変形し、各木口面が開く際に自由端側から蝶番側へ変形が自復するように構成されている。
【0018】
戸板を折畳んで折戸を閉じる際に、戸板の両木口面上の軟質弾性シートが戸板の木口面間に挟まれ、この軟質弾性シート自体も折畳まれて重なる。即ち、折戸が閉まるに従って隣接する木口面が接近して閉じ合わされるが、その際、木口面上の軟質弾性シートは、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へ向かって順次折重なり、木口面間に挟まれて行く。このとき、軟質弾性シートは変形可能で、木口面にまたがる部分では、重なった軟質弾性シートの厚さの合計が、木口面間の間隙距離より大きくなっているので、厚さと間隙距離との差によって生じた木口面間の間隙距離に収まりきらない部分が余剰部となり、木口面間が閉まって行くに従って、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へその余剰部が移動するよう変形する。木口面間に指が挿入されている場合、この軟質弾性シートの変形により、指がその変形方向に押し出され、従って、木口面間から完全に押し出される。さらに、この軟質弾性シートは、押し出されるまでの間に指に加えられる力の衝撃を吸収する。これらの作用によって、折戸への指挟みを防止することができる。折戸を開く際には、木口面間が開き軟質弾性シートへの印加圧力が除かれるので、自由端側の端縁から蝶番側の端縁の方向へ変形が自復する。即ち、折戸を開けば、軟質弾性シートは再び元の形状に戻る。
【0019】
軟質弾性シートは、戸板の木口面間にわたって設けられているので、木口面間の指をそれが入り込んでいる箇所に関わらず押し出すことができる。従って、戸板同士の隙間に指が入り込むことがなく、この隙間への指挟みを防止できる。軟質弾性シートによって戸板の木口面が保護され、折戸を急に閉じた際に木口面に加わる衝撃が吸収される。また、単一の軟質弾性シートを被着するのみでよいため、戸板の隙間や蝶番を隠蔽するので美観を損ねることがなく、設置が容易である。さらに、軟質弾性シートを被着するのみで良いため、既存の折戸に対して設置することができ、しかも、製造コストや設置コストを安価とすることができる。
【0020】
軟質弾性シートはゲルシートであることが好ましい。ゲル状であると折戸の閉止時にきわめて変形しやすく、指を押し出しやすく衝撃を吸収できる。また、折戸を開いた時には元の形状に戻ることができ、力が加わらないときは一定の形状を維持する。シートであると同一の構造を木口面のような長尺に対して容易に設置することができ、除去も容易である。
【0021】
軟質弾性シートは、均一の厚さを有していることも好ましい。軟質弾性シートの全面にわたって木口面の隙間よりも大きな厚さを有しているので、その容積が最も大きくなり、折戸を閉じた際に指を押し出す作用が強く、指や戸板に加わる衝撃を有効に吸収できる。均一な厚さなので、製造や設置が特に容易である。
【0022】
軟質弾性シートは、木口面間にわたる部分に凸状の肉厚部を有しているか、木口面間にわたる部分に厚さの最も大きい部分を有する凸状となっていることも好ましい。指を押し出す作用が木口面間にわたって設けられた部分で最も強くなり、指を深く挟みこむことが防止される。木口面間にわたって設けられた部分から離れると軟質弾性シートが肉薄になっているので、肉厚部又は厚さの最も大きい部分がその離れる方向に変形しやすく、特に指を押し出しやすい。
【0023】
本発明によれば、蝶番によって開閉自在に連結される戸板と支持部材とを備えた開き戸であって、戸板の木口面、支持部材の端面及び木口面と前記端面との間にわたる部分に変形可能な軟質弾性シートが被着され、軟質弾性シートは、少なくとも木口面と端面との間にわたる部分が開き戸を閉じた際の木口面及び端面間の間隙距離の半分より大きい厚さを備え、軟質弾性シートは、開き戸が閉じる際に接近する木口面及び端面間の幅方向の蝶番側から自由端側へ移動するよう変形し、開き戸が開く際に自由端側から蝶番側へ変形が自復するように構成されている開き戸が提供される。
【0024】
開き戸を閉じる際に、端面及び木口面上の軟質弾性シートが端面及び木口面の間に挟まれ、この軟質弾性シート自体も折畳まれて重なる。即ち、開き戸が閉まるに従って隣接する端面及び木口面が接近して閉じ合わされるが、その際、端面及び木口面上の軟質弾性シートは、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へ向かって順次折重なり、端面及び木口面間に挟まれて行く。このとき、軟質弾性シートは変形可能で、端面及び木口面にまたがる部分では、重なった軟質弾性シートの厚さの合計が、端面及び木口面間の間隙距離より大きくなっているので、厚さと間隙距離との差によって生じた端面及び木口面間の間隙距離に収まりきらない部分が余剰部となり、端面及び木口面間が閉まって行くに従って、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へその余剰部が移動するよう変形する。端面及び木口面間に指が挿入されている場合、この軟質弾性シートの変形により、指がその変形方向に押し出され、従って、端面及び木口面間から完全に押し出される。さらに、この軟質弾性シートは、押し出されるまでの間に指に加えられる力の衝撃を吸収する。これらの作用によって、開き戸への指挟みを防止することができる。開き戸を開く際には、端面及び木口面間が開き軟質弾性シートへの印加圧力が除かれるので、自由端側の端縁から蝶番側の端縁の方向へ変形が自復する。即ち、開き戸を開けば、軟質弾性シートは再び元の形状に戻る。
【0025】
軟質弾性シートはゲルシートであることが好ましい。ゲル状であると開き戸の閉止時にきわめて変形しやすく、指を押し出しやすく衝撃を吸収できる。また、開き戸を開いた時には元の形状に戻ることができ、力が加わらないときは一定の形状を維持する。シートであると同一の構造を端面及び木口面のような長尺に対して容易に設置することができ、除去も容易である。
【0026】
軟質弾性シートは、均一の厚さを有していることも好ましい。軟質弾性シートの全面にわたって端面及び木口面の隙間よりも大きな厚さを有しているので、その容積が最も大きくなり、開き戸を閉じた際に指を押し出す作用が強く、指や戸板に加わる衝撃を有効に吸収できる。均一な厚さなので、製造や設置が特に容易である。
【0027】
軟質弾性シートは、端面及び木口面間にわたる部分に凸状の肉厚部を有しているか、端面及び木口面間にわたる部分に厚さの最も大きい部分を有する凸状となっていることも好ましい。指を押し出す作用が端面及び木口面間にわたって設けられた部分で最も強くなり、指を深く挟みこむことが防止される。端面及び木口面間にわたって設けられた部分から離れると軟質弾性シートが肉薄になっているので、肉厚部又は厚さの最も大きい部分がその離れる方向に変形しやすく、特に指を押し出しやすい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、戸板を折畳んで折戸を閉じる際に、戸板の両木口面上の軟質弾性シートが戸板の木口面間に挟まれ、この軟質弾性シート自体も折畳まれて重なる。即ち、折戸が閉まるに従って隣接する木口面が接近して閉じ合わされるが、その際、木口面上の軟質弾性シートは、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へ向かって順次折重なり、木口面間に挟まれて行く。このとき、軟質弾性シートは変形可能で、木口面にまたがる部分では、重なった軟質弾性シートの厚さの合計が、木口面間の間隙距離より大きくなっているので、厚さと間隙距離との差によって生じた木口面間の間隙距離に収まりきらない部分が余剰部となり、木口面間が閉まって行くに従って、蝶番側の端縁から自由端側の端縁の方向へその余剰部が移動するよう変形する。木口面間に指が挿入されている場合、この軟質弾性シートの変形により、指がその変形方向に押し出され、従って、木口面間から完全に押し出される。さらに、この軟質弾性シートは、押し出されるまでの間に指に加えられる力の衝撃を吸収する。これらの作用によって、折戸への指挟みを防止することができる。折戸を開く際には、木口面間が開き軟質弾性シートへの印加圧力が除かれるので、自由端側の端縁から蝶番側の端縁の方向へ変形が自復する。即ち、折戸を開けば、軟質弾性シートは再び元の形状に戻る。
【0029】
軟質弾性シートは、戸板の木口面間にわたって設けられているので、木口面間の指をそれが入り込んでいる箇所に関わらず押し出すことができる。従って、戸板同士の隙間に指が入り込むことがなく、この隙間への指挟みを防止できる。軟質弾性シートによって戸板の木口面が保護され、折戸を急に閉じた際に木口面に加わる衝撃が吸収される。また、単一の軟質弾性シートを被着するのみでよいため、戸板の隙間や蝶番を隠蔽するので美観を損ねることがなく、設置が容易である。さらに、軟質弾性シートを被着するのみで良いため、既存の折戸に対して設置することができ、しかも、製造コストや設置コストを安価とすることができる。
【0030】
軟質弾性シートは、端面及び木口面間にわたって設けられているので、端面及び木口面間の指をそれが入り込んでいる箇所に関わらず押し出すことができる。従って、端面及び木口面間の隙間に指が入り込むことがなく、この隙間への指挟みを防止できる。軟質弾性シートによって端面及び木口面が保護され、開き戸を急に閉じた際に端面及び木口面に加わる衝撃が吸収される。また、単一の軟質弾性シートを被着するのみでよいため、開き戸の隙間や蝶番を隠蔽するので美観を損ねることがなく、設置が容易である。さらに、軟質弾性シートを被着するのみで良いため、既存の開き戸に対して設置することができ、しかも、製造コストや設置コストを安価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態の折戸の全体を概略的に表す斜視図及びその一部を拡大して水平断面を示す斜視図である。
【図2】図1の折戸を開いた時の要部を示す水平断面図である。
【図3】図2の折戸を閉じる際の要部の作用を示す水平断面図である。
【図4】図3の折戸をさらに閉じる際の要部の作用を示す水平断面図である。
【図5】図4の折戸を完全に閉じた際の要部を示す水平断面図である。
【図6】図1の実施形態の他の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の折戸を開いた時の要部の作用を示す水平断面図である。
【図8】図7の折戸を閉じる時の要部の作用を示す水平断面図である。
【図9】図8の折戸をさらに閉じる時の要部の作用を示す水平断面図である。
【図10】図9の折戸を完全に閉じた際の要部を示す水平断面図である。
【図11】図7の実施形態の他の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【図12】図7の実施形態の一変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【図13】図7の実施形態の他の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【図14】図7の実施形態のさらに他の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【図15】図7の実施形態のまたさらに他の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係る折戸について図面を参照して説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の折戸の全体を概略的に表す斜視図及びその一部を拡大して水平断面を示す斜視図、図2は図1の折戸を開いた時の要部を示す水平断面図、図3は図2の折戸を閉じる際の要部の作用を示す水平断面図、図4は図3の折戸をさらに閉じる際の要部の作用を示す水平断面図、図5は図4の折戸を完全に閉じた際の要部を示す水平断面図である。
【0034】
本実施形態の折戸1は、複数の戸板10A及び10Bを備え、これらは複数(図示では2つ)の蝶番20によって折畳み自在に連結されている。本実施形態においては、戸板10A及び10Bは、上端部分及び下端部分がそれらの上方及び下方にそれぞれ敷かれたレールR1及びR2に図示しないランナを介して移動自在に支持されている折戸である。戸板10Bの上下方向に中程の高さで戸板10Aと連結された端部の近くには、折戸用取手40が設けられ、この折戸用取手40を手前に引くことで戸板10A及び10Bが蝶番20の方向に折畳まれて折戸1が閉じられるように構成されている。
【0035】
蝶番20は、この部分を回動軸として戸板10A及び10Bが水平方向に互いに回動自在に連結する機能を有しており、本実施形態では、金属材料又は樹脂材料製の2枚羽根型の一般的な蝶番(背押しなし型)で構成されている。この蝶番20は軸部23と羽根部21とを備え、羽根部21が戸板10A及び10Bの戸面に木ネジ22で固着されている。
【0036】
蝶番20によって連結された戸板10A及び10Bの側端面は、折戸を閉めた際に互いに対向する端面であり、以下、これら端面を木口面11A及び11Bと称する。また、これら隣接する木口面11A及び11Bの蝶番20側の端縁を端縁11A及び11Bとし、木口面11A及び11Bの端縁11A及び11Bとは反対側の端縁、即ち木口面の自由端側の端縁、を端縁11A及び11Bと称する。
【0037】
戸板10A及び10Bの木口面11A及び11B間にわたって軟質弾性シート30が被着されている。より具体的には、小口面11A及び11Bには取付部材37A及び37Bが固着され、この取付部材37A及び37Bに対して連続する1枚の軟質弾性シート30が固着されている。この軟質弾性シート30は、自在に変形可能なシートである。ここで「弾性」とは外部から圧力を加えられると変形し、圧力を除かれると元の形状に戻る性質であり、「軟質弾性」とは弾性を持つ素材のうち特に軟質で、ほぼ自由な形状や大きさに変形可能なものである。こうした性質を備えた素材には、弾性と軟質性の高いゲル、軟質ゴム、その他のエラストマー化合物、又はそれらの素材や軟質の合成樹脂によってスポンジ状等の軟質で弾性を備える形状に形成されたものなどがある。ゲルとしては、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコン系エラストマー及びオレフィン系エラストマーがある。ゲルの厚みは0.5〜10mmから選択でき、1.0〜3.0mmが望ましい。本実施形態の軟質弾性シート30には、スチレン系エラストマーを構成素材とするゲルで、厚み1.0mmに形成されたゲルシートを用いている。ゲルの物性としては、今回はJIS K 6251で測定した引張り強さが2.4、100%引っ張り応力が0.1MPa、破断伸びが1600%のものを使用したが、これらの値に限らない。
【0038】
この軟質弾性シート30は、図1及び図2に示すように、水平方向には、折戸1を開いたときに生じる戸板10A及び10Bの隙間12を覆うように、これら戸板10A及び10Bの木口面11A及び11B上及び木口面間にわたって連続して被着されている。軟質弾性シート30は、木口面11A及び11Bの上下方向の全面に渡って被着されていることが望ましいが、指挟み防止に必要な上下方向領域にのみ被着しても良い。
【0039】
本実施形態では、図2に示すように、軟質弾性シート30の、戸板の木口面11A及び11B間にまたがる部分を隙間領域31とし、木口面上に被着されている部分を木口面領域32及び33とすると、少なくとも隙間領域31における軟質弾性シート30及び取付部材37A又は37Bの合計の厚さdは、図5に示すように、折戸1を閉じた際に戸板10A及び10Bの木口面11A及び11B間の間隙距離Dの半分より大きくなる(d>D/2)ように構成されている。この間隙距離Dは、蝶番20の厚さや取付け構造によって決定される。なお、本実施形態においては、軟質弾性シート30は隙間領域31並びに木口面領域32及び33全体に渡って均一の厚さdを有している。
【0040】
本実施形態では、軟質弾性シート30の木口面領域32及び33は、それぞれ取付部材37A及び37Bに対して被着されている。取付部材37A及び37Bは、小口面11A及び11Bに固着させやすい薄板状の部材で、樹脂などからなり、例えば硬質のゴムやエラストマーからなる。本実施形態では硬質のエラストマーを構成素材とするものを使用している。取付部材37A及び37Bは、小口面11A及び11Bに固着されている。本実施形態では取付部材37A及び37Bにプライマーを塗布してから両面テープを貼付け、小口面11A及び11Bに固着している。
【0041】
次に、本実施形態の折戸1の動作及び作用効果について、図2〜図5を用いて説明する。
【0042】
折戸1を開いた状態では、図2に示すように、木口面11A及び11Bは、互いにほぼ平行な状態となっている。折戸1を閉じ始めると、図3の矢印Cに示すように、木口面11A及び11Bは、ほぼ平行な状態から互いに接近し始め、その水平断面が略V字状となる。その際、軟質弾性シート30の木口面領域32及び33が、木口面11A及び11B間に挟みこまれ折畳まれて行く。折戸1がさらに閉まって行くと、軟質弾性シート30は、図3に示すように、木口面11A及び11B間に挟まれて圧力を受け、その一部である余剰部35が端縁11A及び11B側から端縁11A及び11B方向に移動するよう変形する。従って、余剰部35は、折戸1が閉まるにつれて、自由端側の端縁11A及び11Bの方向rへと押し出されて行く。
【0043】
このとき、図3及び図4に示すように、木口面11A及び11B間に指Tが挿入されていると、この指Tは軟質弾性シート30の余剰部35に押されて方向rと同じ方向Rへ押し出される。本実施形態では、木口面11A及び11Bが閉じるに従って、軟質弾性シート30のより多くの部分が圧力を受けるので余剰部35が増大し、より大きな力で指Tが方向Rに押し出される。図5に示すように、折戸1がさらに閉じ、木口面11A及び11Bが互いに対向する状態となると、指Tが木口面間から外部に完全に押し出されるので、戸板10A及び10B間への指挟みが確実に防止される。
【0044】
特に本実施形態では、軟質弾性シート30の隙間領域31は、厚さdが、図5に示す折戸1が完全に閉じた際の木口面11A及び11B間の間隙距離Dの半分よりも大きいために、折重なった軟質弾性シート30の木口面領域32及び33の厚さの合計d×2は木口面間の間隙距離Dよりも大きくなっている。即ち、図3に示すように、余剰部35は、厚さd×2と間隙距離Dとの差によって生じた、木口面間の間隙距離Dに収まりきらない軟質弾性シート30の一部となっている。
【0045】
このように、本実施形態では、軟質弾性シート30が均一に厚さdを有するので、図3に示すように、木口面が閉じるに従って厚さd×2と間隙距離Dとの差によって生じた余剰部35が増大し続けることになる。
【0046】
折戸1を開く際には、上述の説明とは逆に、木口面11A及び11Bは、図4で示す方向Oに互いに離間して行き、従って、軟質弾性シート30の余剰部35は、木口面11A及び11Bから受けていた圧力が解除されるので、自由端側の端縁11A及び11Bから蝶番20側の端縁11A及び11Bの方向へ変形が自復する。そのため、軟質弾性シート30は、図2に示す状態へその形状が回復する。
【0047】
なお、図2に示すように、折戸1が開いている時には、戸板10A及び10Bの間の隙間12は、戸板10A及び10Bの木口面間にわたって設けられている軟質弾性シート30により覆われているため、戸板10A及び10Bの木口面間を介して隙間12に指が入り込むことはない。そのため、折戸1が閉じる際も、回動する戸板10A及び10Bによって指が隙間12に送り込まれることもない。
【0048】
さらに、本実施形態によれば、軟質弾性シート30がゲルシートであるため、この折戸1を閉じる時に指Tに対して戸板10A及び10Bから印加される圧力が緩和されている。また、折戸1が急激に閉じる際に木口面11A及び11Bが衝突する際の衝撃も緩和される。
【0049】
本実施形態の折戸1を形成するには、折戸を新たに製造する際に戸板に軟質弾性シート30を固着させても良いし、既存の又は既に設置されている折戸の戸板に軟質弾性シート30を固着させても良い。即ち、戸板の両木口面11A及び11Bに対して、両面テープ等で軟質弾性シート30を貼付するのみで本実施形態の折戸を形成することができる。本実施形態では、軟質弾性シート30が均一な厚さの長方形の長尺のゲルシートであるため、輸送や取り扱いが容易であり、固着の際に戸板の木口面の上下方向の長さに合わせて切断し固着するのみで良いため、作業が極めて容易であり、製造が簡単かつ安価に行える。
【0050】
本実施形態の他の変更態様においては、図6に示すように、取付部材37C及び37Dが、それぞれ取付部材係止部37E及び37Fによって木口面11A及び11Bに係止されている。図6に示した例では、取付部材係止部37E及び37Fは取付部材37C及び37Dの木口面11A及び11Bの幅方向略中央に長手方向に沿って設けられたガスケット構造となっている。木口面11A及び11Bには、このガスケット構造が嵌合可能な溝状の挿入部11C及び11Dが穿たれている。取付部材係止部37E及び37Fをそれぞれ挿入部11C及び11Dに嵌合することによって、取付部材37C及び37Dが木口面11A及び11Bに固着される。
【0051】
本実施形態の一変更態様においては、戸板の木口面11A及び11B上に軟質弾性シート30を被着する際に、例えば各種粘着テープ、特に両面テープ等が用いられる。なお、軟質弾性シート30を戸板に固着し得る方法であれば、いかなる方法であっても良いことはもちろんである。例えば、釘、タッカー、ネジなどを用いて固定することもできる。
【0052】
本実施形態の他の変更態様においては、蝶番が戸板10A及び10Bに対して掘り込み型で設けられる。このような蝶番は、木口面11A及び11Bの離間距離Dが非常に小さい場合にも適用できる。
【0053】
[第2の実施形態]
図7は本発明の第2の実施形態の折戸を開いた時の要部の作用を示す水平断面図、図8は図7の折戸を閉じる時の要部の作用を示す水平断面図、図9は図8の折戸をさらに閉じる時の要部の作用を示す水平断面図、図10は図9の折戸を完全に閉じた際の要部を示す水平断面図である。本実施形態では、軟質弾性シート30Aが、木口面11A及び11B間にわたって設けられた部分である隙間領域31に凸状の肉厚部34を有している。なお、第1の実施形態と構成及び作用効果がほぼ同様である要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
肉厚部34は、折戸を閉じた際に戸板10A及び10Bの木口面11A及び11B間の間隙距離Dの半分より大きい厚さd(d>D/2)を備えており、本実施形態のように、隙間領域31のみに形成されていても良いし、それよりも広い幅に渡って形成されていても良い。軟質弾性シート30Aのその他の部分はこの肉厚部34より薄い均一な厚さを有している。肉厚部34の断面形状は任意であるが、隙間領域31の中央36を頂点とする凸形状に形成されていることが望ましい。これにより、隙間領域31において軟質弾性シート30Aを変形して押し出す作用が最も強くなる。なお、本実施形態において、肉厚部34は隙間領域31の部分のみに半円状に突出した断面を有するように形成されている。
【0055】
本実施形態において、軟質弾性シート30Aの肉厚部34は、その厚さが2.0mmであり、軟質弾性シート30Aのその他の部分は1.0mmの均一な厚さとなっている。軟質弾性シート30Aは、木口面11A及び11Bに対して直接被着されている。直接被着する手段は、軟質弾性シート30Aの表面が粘着性を有するよう表面処理されていても、両面テープ等を介していてもよい。
【0056】
本実施形態の折戸の動作及び作用効果について説明すると、図8に示すように、第1の実施形態の場合と同様に折戸を閉じる時に指Tが押し出されるが、隙間領域31に肉厚部34が設けられていることから、この隙間領域31の近くでは余剰部35Aの体積が大きく、指Tを方向Rに押し出す力がより強くなる。さらに、肉厚部34以外の部分の厚さd′は肉厚部34の厚さdよりも薄いために、軟質弾性シート30Aの変形が抵抗なく起こり、余剰部35Aが肉厚部34以外の方向に押し出されやすい。特に本実施形態では、肉厚部34が隙間領域31の中央36を頂点として半円状に突出した断面を有するように形成されているため、中央36で押し出す力が最も強く、指Tを蝶番側から押し出しやすくなっている。そのため、図8に示すように指Tが木口面間に深く入っている場合には特に指Tを強く押し出すことになるので、指Tを深く挟むことを特に有効に防止できる。
【0057】
本実施形態では、図9に示すさらに閉じている途中の状態では、厚さd′の薄い肉厚部34以外の部分は変形しないので、軟質弾性シート30Aに力をかけずに閉じる操作を続けることができる。軟質弾性シート30Aの変形が抵抗なく生じることで軟質弾性シート30Aが繰り返しの変形で破損しにくく長期間使用できる。さらに、図10に示す完全に閉じた状態では、余剰部35の体積が小さいために、木口面11A及び11B間から押し出される余剰部35が小さくなっている。そのため、折戸の美観を損なわない。
【0058】
本実施形態におけるその他の構成及び作用効果は第1の実施形態の場合と同じである。
【0059】
図11〜図15は、図7の第2の実施形態の変更態様として折戸の要部を示す水平断面図である。これらの変更態様では第2の実施形態の軟質弾性シート30Aにかえて、それぞれ軟質弾性シート30B、30C、30D、30E及び30Fが用いられている。
【0060】
図11の変更態様においては、軟質弾性シート30Bは、隣接する戸板10A及び10Bの木口面間にまたがる隙間領域のみに、その中央を頂点として矩形状に突出した断面を有するように形成された肉厚部を有している。この矩形状に突出した又は段差型の断面を有する肉厚部において、軟質弾性シート30Bの厚さdが間隙距離D(図5)の半分より大きくなっている。本変更態様におけるその他の構成及び作用効果は第2の実施形態の場合と同様である。
【0061】
図12の変更態様においては、軟質弾性シート30Cは、隣接する戸板10A及び10Bの木口面間にまたがる隙間領域のみに、その中央を頂点として三角状(小山状)に突出した断面を有するように形成された肉厚部を有している。この三角状に突出した断面を有する肉厚部において、軟質弾性シート30Cの厚さdが間隙距離D(図5)の半分より大きくなっている。本変更態様におけるその他の構成及び作用効果は第2の実施形態の場合と同様である。
【0062】
図13の変更態様においては、軟質弾性シート30Dは、隣接する戸板10A及び10Bの木口面間にまたがる隙間領域のみに、双三角状(双小山状)に突出した断面を有するように形成された肉厚部を有している。この双三角状に突出した断面を有する肉厚部において、軟質弾性シート30Dの厚さdが間隙距離D(図5)の半分より大きくなっている。本変更態様におけるその他の構成及び作用効果は第2の実施形態の場合と同様である。
【0063】
図14の変更態様においては、軟質弾性シート30Eは、隣接する戸板10A及び10Bの木口面間にまたがる隙間領域のみならず両木口面全体に渡って、隙間領域の中央を頂点となる三角状(小山状)の断面を有するような厚さに形成されている。この三角状の頂点における軟質弾性シート30Eの厚さdが間隙距離D(図5)の半分より大きくなっている。本変更態様におけるその他の構成及び作用効果は第2の実施形態の場合と同様である。
【0064】
図15の変更態様においては、軟質弾性シート30Fは、隣接する戸板10A及び10Bの木口面間にまたがる隙間領域のみならず両木口面全体に渡って、隙間領域の中央を頂点となる、なだらかな小山状の断面を有するような厚さに形成されている。この小山状の頂点における軟質弾性シート30Fの厚さdが間隙距離D(図5)の半分より大きくなっている。本変更態様におけるその他の構成及び作用効果は第2の実施形態の場合と同様である。
【0065】
本発明の他の実施態様として、変形可能な軟質弾性シートを折戸以外の開き戸に設けることもできる。例えば、戸板が連結される支持部材の端面と戸板の木口面とが蝶番によって開閉自在に連結される開き戸にも適用できる。こうした開き戸には、支持部材が柱、壁又は戸板の取り付け枠であって、こうした支持部材の端面に戸板が連結される開き戸がある。この実施態様の場合、前述した木口面のうちの一方が、支持部材の端面にあたる他は、作用及び効果は上述した折戸での軟質弾性シートのものと同様である。
【0066】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明はこれらの実施形態の構成要素をそれぞれ組み合わせて実施することができ、ここに示された他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は家庭、建造物、施設など、折戸又は開き戸の使用されるあらゆる産業分野において有用なものである。
【符号の説明】
【0068】
1 折戸
10A、10B 戸板
11A、11B 木口面
11A、11A、11B、11B 端縁
11C、11D 挿入部
12 戸板の隙間
20 蝶番
21 羽根部
22 木ネジ
23 軸部
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F 軟質弾性シート
31 隙間領域
32、33 木口面領域
34 肉厚部
35、35A 余剰部
36 中間点
37A、37B、37C、37D 取付部材
37E、37F 取付部材係止部
40 折戸用取手
d、d′ 厚さ
D 間隙距離
C、r、R、O 方向
R1、R2 レール
T 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝶番によって折畳み自在に連結される複数の戸板を備える折戸であって、
前記戸板には、各木口面及び各木口面間にわたる部分に変形可能な軟質弾性シートが被着され、
該軟質弾性シートは、少なくとも各木口面間にわたる部分が前記木口面を閉じた際の該木口面間の間隙距離の半分より大きい厚さを備え、
前記軟質弾性シートは、前記折戸が閉じる際に接近する各木口面の幅方向の前記蝶番側から自由端側へ移動するよう変形し、各木口面が開く際に前記自由端側から前記蝶番側へ前記変形が自復するように構成されていることを特徴とする折戸。
【請求項2】
前記軟質弾性シートはゲルシートであることを特徴とする請求項1に記載の折戸。
【請求項3】
前記軟質弾性シートは、均一の厚さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の折戸。
【請求項4】
前記軟質弾性シートが前記隣接する木口面間にわたる部分に凸状の肉厚部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の折戸。
【請求項5】
前記軟質弾性シートが前記隣接する木口面間にわたる部分に厚さの最も大きい部分を有する凸状となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折戸。
【請求項6】
蝶番によって開閉自在に連結される戸板と支持部材とを備えた開き戸であって、
前記戸板の木口面、前記支持部材の端面及び前記木口面と前記端面との間にわたる部分に変形可能な軟質弾性シートが被着され、
該軟質弾性シートは、少なくとも前記木口面と前記端面との間にわたる部分が前記開き戸を閉じた際の前記木口面及び前記端面間の間隙距離の半分より大きい厚さを備え、
前記軟質弾性シートは、前記開き戸が閉じる際に接近する前記木口面及び前記端面間の幅方向の前記蝶番側から自由端側へ移動するよう変形し、前記開き戸が開く際に前記自由端側から前記蝶番側へ前記変形が自復するように構成されていることを特徴とする開き戸。
【請求項7】
前記軟質弾性シートはゲルシートであることを特徴とする請求項6に記載の開き戸。
【請求項8】
前記軟質弾性シートは、均一の厚さを有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の開き戸。
【請求項9】
前記軟質弾性シートが前記端面及び前記木口面間にわたる部分に凸状の肉厚部を有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の開き戸。
【請求項10】
前記軟質弾性シートが前記端面及び前記木口面間にわたる部分に厚さの最も大きい部分を有する凸状となっていることを特徴とする請求項6又は7に記載の開き戸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−7442(P2012−7442A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146587(P2010−146587)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000169329)アトムリビンテック株式会社 (81)
【Fターム(参考)】