説明

押圧キー構造、及び、電子機器

【課題】携帯端末などの電子機器において、押圧キーの操作感、スイッチ周辺の美観を向上できる押圧キー構造を提供する。
【解決手段】携帯端末30は、タッチパネル12と、タッチパネル12に貫通形成された開孔16a〜16cに押下げ及び復帰可能に挿通された押圧キー15a〜15cと、ガイド部材27とを備えている。ガイド部材27は、その一部であるリング状部27d〜27fが開孔16a〜16cと押圧キー15a〜15cとの間に介装配置され、当該リング状部27d〜27fで押圧キー15a〜15cを案内する。ガイド部材27は、透明なアクリル樹脂から形成され、押圧キー15a〜15cに端末内部のLED31から光を照射すると、押圧キー15a〜15cの周辺が明るく照らされて見える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧キー構造、及び、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末などの小型の電子機器において、図6(a)に示す携帯端末20のように、表示画面と操作パネルとを兼ねるタッチパネル12を採用した製品が急増している。この携帯端末には、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)などが含まれる。
【0003】
このようなタッチパネル12は、表示された内容を参照しながら手軽に情報を入力することができるため、ユーザにとって利便性が良好である。しかしながら、その一方で、押下による操作ストロークが殆どないため操作感覚が乏しく、誤操作されることも多い。このため、このような電子機器には、操作を確実とするため、タッチパネル12に対して、機械式の押圧キーが併設されることがある。
【0004】
図6(b)に示すように、タッチパネル12は、抵抗膜方式のタッチパネルであり、+Z側(厚さ方向の上方)の最上層に配置され、十分な柔軟性を有する矩形状のフィルム部材13と、その下層に配置され、ガラス板、アクリル板などの硬質な材料からなる支持部材としての支持基板14と、からなる。フィルム部材13は、上層から、PET(Polyethylene terephthalate)樹脂からなるフィルム13a、ITO(酸化インジウムスズ)からなる透明導電膜13b、薄く形成された絶縁性のあるドットスペーサ13c、ITOからなる透明導電膜13dが順に層を形成して構成されている。フィルム部材13の操作面(+Z側の表面)に圧力が付与されなければ、2層の透明導電膜13b、13dの間隔はそれらに挟まれるドットスペーサ13cによって一定に保たれる。
【0005】
タッチパネル12の表面(XY面)の中央領域には、表示画面と操作部とを兼ねる矩形状のタッチパネル画面12aが設けられている。このタッチパネル画面12aには、携帯端末20の各種機能に対応する各種のアイコンが表示される。この機能としては、通信機能(電話、インターネット、GPS(Global Positioning System))、内部機能(メモ帳、辞書、ゲーム)などが挙げられる。
【0006】
タッチパネル画面12aの表面が指やタッチペン(スタイラス)で接触されたときには、その接触箇所が凹み、当該接触箇所にて2層の透明導電膜13a、13cが接触する。すると、透明導電膜13a、13cの両端に配置された電極(図示せず)を介して電流が流れ、そのときに発生する電圧値をA−Dコンバータ(図示せず)を利用して検知することで当該接触位置が検出される。その接触位置にアイコンが存在する場合には、携帯端末20に搭載されたCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及び送受信機などの周辺機器(図示せず)によって、当該アイコンに割り当てられた携帯端末20の各種機能が実現される。
【0007】
図6(a)に示すように、タッチパネル画面12aの−Y側(下方)のタッチパネル12内の領域には、+X側(左側)から、X軸に沿って、3つの押圧キー25a、25b、25cが配置されている。これは、タッチパネル12には、上述したように誤操作され易い問題があるので、一部の重要な操作をこれら押圧キー25a〜25cに割り当てるためである。このような押し下げ式のメカニカルスイッチによるものは押し下げによる操作ストロークが十分に確保できるため、上述したような不具合がなく、入力操作性に優れるという利点がある。
【0008】
また、図6(a)に示すように押圧キー25a〜25cがタッチパネル12内に配置されているのは、意匠性の観点のほか、できる限り携帯端末20の小型化を図りつつ、タッチパネル画面12aの配置スペースを広く確保するためである。このため、タッチパネル12に開孔16a、16b、16cを貫通形成し、この開孔16a〜16cに、それぞれ、押圧キー25a〜25cを挿通配置している(例えば、特許文献1を参照)。
【0009】
図7に示すように、押圧キー25a〜25cの−Z側(厚さ方向の下方)には、キーラバー18が配設されており、キーラバー18の−Z側には、押圧キー25a〜25cごとに押しスイッチ19が配線基板11c上に配設されている。押しスイッチ19の内部には、押しスイッチ19を原点位置に復帰させる付勢部材(図示せず)が設けられている。
【0010】
押しスイッチ19は、押圧キー15a〜15cがユーザの手指によって押圧力を付与されると、キーラバー18の−Z側に突設された突起18aを介して押し下げられる。そして、配線基板11cに設けられた電気的接点が接続される。そして、押しスイッチ19の押圧力が解放されると、不勢部材の付勢力によって押圧キー15a〜15cは+Z側に押し戻され、原点位置に復帰する。そして、配線基板11cに設けられた電気的接点が開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−116861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、このようなタッチパネル12は、図6(b)に示すように、操作面側に配設されるフィルム部材13と、該フィルム部材13の裏面に配設される支持基板14とを含んでいる。そして、フィルム部材13と支持基板14との間に、開孔16a〜16c内部において段差が生じることがあった(図8参照)。
【0013】
このため、押圧キー25a〜25cを押し下げた後、当該押圧キー25a〜25cが原点位置に復帰する途中などで、図8に示すように、押圧キー25a〜25cの周縁部が、開孔16a〜16cの内部でフィルム部材13の下面に潜り込んだり、押圧キー25a〜25cの側面が、フィルム部材13の段差に引っかかって停止することがあった。
【0014】
このような現象は、このようなタッチパネル12を有する携帯端末20(電子機器)において、押圧キー25a〜25cのタクト感(操作感)を損なうことになり、好ましくない。
【0015】
本発明は上述した問題を鑑みてなされたものであり、電子機器において、押圧キーの操作感が向上する押圧キー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る押圧キー構造は、
押圧キーと、
ガイド部材と、を備え、
前記押圧キーは、電子機器に配設されるタッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通され、
前記ガイド部材は、少なくともその一部が前記開孔と前記押圧キーとの間に介装配置され、当該一部で当該押圧キーの移動を案内するものである、
ことを特徴とする。
【0017】
前記タッチパネルは、操作面に配設されるフィルム部材と、該フィルム部材の裏面に積層される支持部材と、を含み、前記ガイド部材は、前記支持部材に一体的に接合していることが好ましい。
【0018】
前記タッチパネルは、操作面に配設されるフィルム部材と、該フィルム部材の裏面に積層される支持部材と、を含み、前記ガイド部材は、前記支持部材に接着剤により接着されていることが好ましい。
【0019】
前記ガイド部材は、光を透過可能な光透過材料から形成され、前記押圧キーの周辺を前記電子機器の内部から光照射する光源が設けられ、前記ガイド部材を通して前記光源からの光を視認可能としたことが好ましい。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電子機器は、
タッチパネルと、
押圧キーと、
ガイド部材と、を備え、
前記押圧キーは、前記タッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通され、
前記ガイド部材は、少なくともその一部が前記開孔と前記押圧キーとの間に介装配置され、当該一部で当該押圧キーの移動を案内するものである、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る電子機器は、タッチパネルと、該タッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通された押圧キーとを備えた電子機器であって、第1の観点に係る押圧キー構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子機器において、押圧キーの操作感が向上する押圧キー構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は、本発明の実施形態1に係る携帯端末の外観を示す正面図であり、(b)は、同携帯端末の外観を示す側面図である。
【図2】図1(a)及び(b)の携帯端末の押圧キー周辺を拡大した分解斜視図である。
【図3】図1(a)のIII−III線矢視断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る押圧キーの動作を説明するための模式断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る押圧キーの構造を説明するための図であり、図1(a)のIII−III線矢視断面図に対応する断面図である。
【図6】(a)は、参考例に係る携帯端末の外観を示す正面図であり、(b)は、タッチパネルの断面構造を説明するための断面図である。
【図7】図6(a)のVII−VII線矢視断面図である。
【図8】参考例に係る携帯端末の押圧キーの動作を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る押圧キー構造、及び、電子機器について、以下、図を参照しながら説明する。以下の各実施形態では、電子機器として、タッチパネルを有する携帯端末を例として説明する。この携帯端末は、以下に特に説明する場合を除き、背景技術で説明した携帯端末20と同様な構造及び機能を有するものである。
【0024】
<実施形態1>
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態1に係る携帯端末10は、扁平な直方体形状に構成されている。携帯端末10は、ケーシング本体11と、ケーシング本体11の+Z側(厚さ方向の上方)の表面に配置された矩形状のタッチパネル12と、を備えている。
【0025】
ケーシング本体11は、アルミニウムなどの軽量金属からなり、矩形箱状の収容ケース11bを備えている。収容ケース11bには、携帯端末10の通信機能(電話、インターネット、GPS(Global Positioning System))、内部機能(音楽再生、メモ帳、辞書、ゲーム)などの各種機能を実現するための電子部品やそれら電子部品を保持するための構造部品が収容されている。また、収容ケース11bの周縁部には、タッチパネル12を囲むように矩形枠状のラバー部材11aが配置されている。そして、タッチパネル12は、収容ケース11bの内部を閉塞するように収容ケース11bの+Z側に配置されている。このタッチパネル12は、参考例の携帯端末20のタッチパネル12と同様、抵抗膜方式のタッチパネルである(図6(b)参照)。
【0026】
図2に示すように、携帯端末10には、タッチパネル画面12aの−Y側領域において、タッチパネル12に開孔16a、16b、16cが貫通形成されている。そして、開孔16a、16b、16cをそれぞれ挿通して押圧キー15a、15b、15cが配設されている。押圧キー15a〜15cの−Z側(厚さ方向の下方)には、ゴム製のキーラバー18が配設されており、キーラバー18の−Z側には、押圧キー15a〜15cごとに押しスイッチ19が配置されている(図3参照)。押しスイッチ19は、収容ケース11bに収容された配線基板11c上に設けられている。また、押しスイッチ19の内部には、押しスイッチ19の表面を原点位置に復帰させる付勢部材(図示せず)が設けられている。
【0027】
押しスイッチ19は、押圧キー15a〜15cがユーザの手指によって押圧力を付与されると、キーラバー18の−Z側に突設された突起18aを介して押し下げられる。そして、配線基板11cに設けられた電気的接点が接続される。そして、押しスイッチ19の押圧力が解放されると、不勢部材の付勢力によって押圧キー15a〜15cは+Z側に押し戻され、原点位置に復帰する。そして、配線基板11cに設けられた電気的接点が開放される。そして、この電気的接点の接続及び開放によって、CPU、及び、CPUに接続された送受信装置、スピーカなどの周辺機器が、押圧キー15a〜15cに割り当てられた各種の機能を実現する。ここでは、押圧キー15aには、通信・内部機能モード切換機能、押圧キー15bには、電源オンオフ機能、押圧キー15cには、通常・マナーモード切換機能がそれぞれ割り当てられている。
【0028】
さらに、本実施形態1の携帯端末10では、図2及び図3に示すように、開孔16a〜16cと押圧キー15a〜15cとの間の隙間に、一部であるリング状部17d、17e、17fが介装配置され、そのリング状部17d、17e、17fで当該押圧キー15a〜15cの移動を案内するガイド部材17が配置されている。
【0029】
詳しくは、ガイド部材17は、ゴム、エラストマーなどの柔軟性のある材料を用いて全体が矩形状に形成されている。図2に示すように、ガイド部材17では、平板状の本体部位17gに、+Z側にリング状部17d〜17fが突出形成されている。リング状部17d〜17fは、押圧キー15a〜15cにそれぞれ対応している。また、リング状部17d〜17fの内壁面は、本体部位17gを貫通する貫通孔17a、17b、17cに連通している。そして、図3に示すように、押圧キー15a〜15cは、それぞれ、貫通孔17a〜17c(リング状部17d〜17f)を挿通している。また、ガイド部材17の本体部位17gは、キーラバー18と、タッチパネル12との間に介在するように配置されている。
【0030】
さらに、ガイド部材17は、タッチパネル12の支持基板14の裏面にエポキシ系の接着剤又は両面接着テープによって接着されている。これにより、タッチパネル12とガイド部材17とが一体的に接合され、押圧キー15a〜15cを操作しても、ガイド部材17が動く不具合が発生しない。なお、ここでのタッチパネル12の支持基板14とガイド部材17との接合には、このような接着剤による接合の他、例えばスナップフィットなどの機械的な接合も適用できる。
【0031】
ところで、背景技術で説明した参考例の携帯端末20では、押圧キー15a〜15cが押し下げられた後、原点位置に復帰する途中で、図8に示すように、その周縁部が、開孔16a〜16cの内部でフィルム部材13の下面に潜り込んで停止する不具合が生じることがあった。
【0032】
これに対し、本実施形態1の携帯端末10では、図4に示すように、押圧キー15a〜15cが押し下げられ、押しスイッチ19の不勢部材の付勢力によって+Z側に押し戻されるときに、ガイド部材17のリング状部17d〜17fによって案内されつつ移動する。このため、押圧キー15a〜15cは、図4に示すように、斜め上方から押圧力を付与されても、フィルム部材13の下面に潜り込んだり、フィルム部材13の側面の段差部に接触したりして停止することなく、スムーズに原点位置に復帰する。
【0033】
このように本実施形態1に係る押圧キー構造では、開孔16a〜16cと押圧キー15a〜15cとの間に、当該押圧キー15a〜15cの移動を案内するようにガイド部材17のリング状部17d〜17fを介装配置している。このため、押圧キー15a〜15cは、その操作時に、ガイド部材17(リング状部17d〜17f)で案内され、その周縁部が開孔16a〜16c内部で停止する不具合が発生しない。この結果、押圧キー15a〜15cのタクト感が損なわれることがなく、常に快適な操作感覚が得られるようになる。
【0034】
また、本実施形態1に係る押圧キーの案内方法では、携帯端末10に配設されるタッチパネル12に形成された開孔16a〜16cに押下げ及び復帰可能に押圧キー15a〜15cを挿通するステップと、開孔16a〜16cと押圧キー15a〜15cとの間に、ガイド部材17の少なくとも一部を介装配置するステップと、ガイド部材17の一部で押圧キー15a〜15cの移動を案内しつつ、前記押圧キー15a〜15cを押し下げるステップと、ガイド部材17のリング状部17d〜17fで押圧キー15a〜15cの移動を案内しつつ、当該押圧キー15a〜15cを原点位置に復帰させるステップと、を備えている。このように、押圧キー15a〜15cは、その操作時に、ガイド部材17(リング状部17d〜17f)で案内され、その周縁部が開孔16a〜16c内部で停止する不具合が発生しない。この結果、押圧キー15a〜15cのタクト感が損なわれることがなく、常に快適な操作感覚が得られるようになる。
【0035】
また、本実施形態1によれば、押圧キー15a〜15cは、ガイド部材17で案内されるので、フィルム部材13の開孔16a〜16c内部の露出断面に縒れ(よれ)などの損傷が発生することがなく、タッチパネル12の外観品位を長期間維持することができる。
【0036】
また、本実施形態1によれば、押圧キー15a〜15cは、ガイド部材17で案内されるので、フィルム部材13の開孔16a〜16c内部の露出断面に手指が接触することがなく、押圧キー15a〜15cの操作感を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態1によれば、押圧キー15a〜15cは、ガイド部材17で案内されるので、当該押圧キー15a〜15cの操作時に、その側面が開孔16a〜16c内部の段差に接触する不具合が発生しない。この結果、押圧キー15a〜15cのタクト感が損なわれることがなく、常に快適な操作感覚が得られるようになる。
【0038】
<実施形態2>
本実施形態2の携帯端末30は、図5に示すように、ガイド部材27が、光を透過可能な光透過材料から形成されている点、押圧キー15aの周辺を携帯端末30の内部から光照射する光源としてのLED(Light Emitting Diode)31を備えている点、及び、キーラバー28には、LED31からの光を透過させる透孔32が貫通形成されている点以外は、実施形態1の携帯端末10と同様な構成及び機能を備えたものであるので、対応する部材には同一又は対応する符号を付してその説明を省略する。
【0039】
本実施形態2の携帯端末30では、その内部から光照射する光源としての複数のLED31が配線基板11cに配設されている。このLED31は、押圧キー15a〜15c及び開孔16a〜16cごとに設けられている。そして、LED31で押圧キー15a〜15cを照明すると、ガイド部材27を通して各LED31からの光を視認可能となる。本実施形態のガイド部材27は、光を透過可能な光透過材料であるアクリル樹脂から形成されている。ガイド部材27の光透過材料としては、その他、低結晶性のナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、PET樹脂、ポリカーボネート樹脂なども使用できる。本実施形態2の貫通孔27a〜27cは、実施形態1の貫通孔17a〜17cに対応し、リング状部27d〜27fは、実施形態1のリング状部17d〜17fに対応し、突起28aは実施形態1の突起18aに対応する。
【0040】
LED31は、配線基板11cに設けられたCPU(図示せず)に不図示のドライバを介して接続されている。そして、LED31は、当該CPUからの制御信号に基づき、所定のタイミングで通電され、発光する。すると、キーラバー28の透孔32を通して、LED31からの光がガイド部材27に入射する。これにより、ガイド部材27内で散乱光が光り輝いて見えるとともに、押圧キー15a〜15cの周辺が照明されるようになる。
【0041】
本実施形態2では、LED31は、押圧キー15a〜15cの操作と連動し、当該押圧キー15a〜15cが押し下げられたタイミングで発光し、所定時間(=1sec)後に当該発光を停止するように構成されている。
【0042】
本実施形態2によれば、上記実施形態1と同様な作用効果が得られる上に、現在操作中の押圧キー15a〜15cの周辺のみがLED31からの光により照明されて見え、これにより操作性が高められるとともに、押圧キー15a〜15c周辺の美観が向上するようにもなる。
【0043】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
上述した各実施形態では、ガイド部材17(27)は、全体形状が矩形状であり、平板状の本体部位17gにリング状部17d〜17f(貫通孔17a〜17c)が形成されたものを例に挙げて説明した。しかしこれに限られず、ガイド部材は、互いに分離され、押圧キー15a〜15cの移動をそれぞれ案内する3つ(複数)のリング状の部材から構成されていてもよい。
【0044】
上述した各実施形態では、ガイド部材17(27)は、押圧キー15a〜15cと分離された構造のものとした。しかしこれに限られず、ガイド部材17は、押圧キー15a〜15cと一体化された構造のものであってもよい。即ち、ガイド部材は、押圧キーの一部であってもよい。
【0045】
上述した各実施形態では、タッチパネル12は、抵抗膜方式のものを採用した。しかしこれに限られず、タッチパネル12は、フィルム部材に形成された開孔に押圧キーが挿通配置されるものであれば、静電容量方式、静電結合方式など、その他の方式を採用することもできる。
【0046】
上述した実施形態2では、押圧キー15a〜15cの周辺を携帯端末30の内部から光照射する光源として、LEDを用いた。しかしこれに限られず、当該光源としては、その他、LD(Laser Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子などの、通電により発光する素子を使用することもできる。
【0047】
上述した実施形態では、電子機器としてタッチパネル12を備える携帯端末10、30を例に挙げて説明したが、電子機器はこれに限られず、タッチパネルを備えるものであれば、例えば、携帯音楽再生機、携帯型の電子辞書、小型のPC(Personal Computer)などであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10、30・・・携帯端末、11・・・ケーシング本体、12・・・タッチパネル、15a〜15c・・・押圧キー、16a〜16c・・・開孔、17・・・ガイド部材、17a〜17c、27a〜27c・・・貫通孔、17d〜17f、27d〜27f・・・リング状部、27・・・(アクリル樹脂からなる)ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧キーと、
ガイド部材と、を備え、
前記押圧キーは、電子機器に配設されるタッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通され、
前記ガイド部材は、少なくともその一部が前記開孔と前記押圧キーとの間に介装配置され、当該一部で当該押圧キーの移動を案内するものである、
ことを特徴とする押圧キー構造。
【請求項2】
前記タッチパネルは、操作面に配設されるフィルム部材と、該フィルム部材の裏面に積層される支持部材と、を含み、
前記ガイド部材は、前記支持部材に一体的に接合していることを特徴とする請求項1に記載の押圧キー構造。
【請求項3】
前記タッチパネルは、操作面に配設されるフィルム部材と、該フィルム部材の裏面に積層される支持部材と、を含み、
前記ガイド部材は、前記支持部材に接着剤により接着されていることを特徴とする請求項2に記載の押圧キー構造。
【請求項4】
前記ガイド部材は、光を透過可能な光透過材料から形成され、
前記押圧キーの周辺を前記電子機器の内部から光照射する光源が設けられ、
前記ガイド部材を通して前記光源からの光を視認可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の押圧キー構造。
【請求項5】
タッチパネルと、
押圧キーと、
ガイド部材と、を備え、
前記押圧キーは、前記タッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通され、
前記ガイド部材は、少なくともその一部が前記開孔と前記押圧キーとの間に介装配置され、当該一部で当該押圧キーの移動を案内するものである、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
タッチパネルと、該タッチパネルに形成された開孔に押下げ及び復帰可能に挿通された押圧キーとを備えた電子機器であって、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の押圧キー構造を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−187384(P2011−187384A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53618(P2010−53618)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】