振動緩衝掛止機構を備えるウエハ・コンテナ及び扉
軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナは、上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分を備える。筐体内に1つ以上のウエハ支持部が設けられるとともに、筐体の底面上に運動連結部が設けられる。このコンテナは開放前面を密封閉止するための扉を備える。扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備える。掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムと、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は密封可能なウエハ・コンテナに関する。より詳細には、本発明はウエハ・コンテナ用の扉掛止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハのスケールは次第に大きくなりつつあり、今や製造設備においては、集積回路などの半導体デバイスの製造に300mmウエハが利用されることが一般的である。集積回路自身の寸法も大きくなりつつあり、回路密度が増大している。結果として、回路を破壊し得る粒子状汚染物質の寸法は非常に小さくなり、半導体ウエハの製造、処理、輸送及び保管の全段階を通じて厳密な粒子制御が必要である。
【0003】
通常、ウエハは、開放前面の掛止部により固定された扉を備える、密封された前面開放ウエハ・コンテナに保管され、輸送される。典型的には、この扉は手動で又はロボットにより除去されることが可能である。このようなウエハ・コンテナは、当該産業においては前面開放一体型ポッド(front−opening unified pod)の頭字語であるFOUPとして、また、前面開放搬送ボックス(front−opening shipping box)の頭字語であるFOSBとして知られている。この種のコンテナの扉は、精密に配置された鍵を備えるロボット・インタフェースにより操作される。この鍵は、掛止機構を操作して扉をコンテナ部分から除去するため、また、コンテナ部分に配置するために、扉の前面に挿入される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
理想的には、ウエハ・コンテナ掛止機構は一定の特性を有する。まず最初に、確実に、かつ、一貫して扉を掛止及び掛止解除するように動作することが所望される。これに加えて、動作中に部品の滑動接触などにより生成され得る粒子の放出を最少化するよう、掛止機構が製造及び設計されていることが所望される。さらに、掛止機構は製造、組立及び洗浄が容易であることが所望される。また、これらの掛止機構は、動作部の相対速度の変化が制御されており、滑らかに動作することが所望される。多くの典型的な既存のウエハ・コンテナ掛止機構では、構成要素の比較的急な減速が示される。そうした機構の一部では、例えば、動作部は道程端にて固定の停止部と衝突する。その結果、衝撃及び振動が生じる。この衝撃及び振動は、コンテナ内の面上に静止している粒子を「舞い上がらせる(launch)」ように作用することにより、そうした粒子を後にウエハ上に降下させ、汚染及び損傷を発生させる。当該産業において必要とされているのは、速度及び振動の制御特性の改良された掛止機構を備えるウエハ・コンテナである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、当該産業における速度制御及び振動制御特性の改良された扉掛止機構を備えるウエハ・コンテナの必要に応じる。本発明の一実施形態では、軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナは、上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分を備える。筐体内に1つ以上のウエハ支持部が設けられるとともに、筐体の底面上に運動連結部が設けられる。このコンテナは開放前面を密封閉止するための扉を備える。扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備える。掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムと、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備える。
【0006】
本発明の一実施形態では、掛止機構は、第1の好適な位置及び第2の好適な位置に向けて掛止機構を付勢するための付勢ばねを備える。動作中に掛止機構により生成される振動を緩衝するため、この付勢ばねは動作可能にシャーシと結合されている第2の部分を備える。所望の場合、コンテナ内のウエハから接地するための電気的な経路を提供するために、カム及びばねは導電性材料から形成され、ばねの第2の部分は扉の内面上のウエハ・クッションと結合されてよい。
【0007】
本発明の他の実施形態では、掛止機構は、カム内に形成される穴内に係合されるカム追従部分を有する、1つ以上の掛止アームを備える。この穴は、カム追従部分を係合させ、ばねの位置する穴の端部に向かうカム追従部分の動作に対向する付勢力を提供するように、一方又は両方の端部の近傍に設けられる、ばねを備える。
【0008】
本発明の実施形態では、複数のウエハを保持するためのウエハ・コンテナは、コンテナ部分に対し密封可能に取り付けられ、密封された基板コンテナを形成する扉を備える。この扉は、経済的な製造、高信頼性の動作、滑らか、かつ、静かな動作、及び扉の密封に有効な封止を可能とする、緩衝及び位置決定手段を有する掛止機構を備える。好適な実施形態では、好適な回転可能なカムは熱可塑性プラスチック材料から形成されており、カム追従部を係合させるための穴その他の構造を備える。カム追従部係合構造は、内部的な一体化フィンガー形状緩衝ばねである。掛止アームのカム追従部分はカム追従部係合構造を係合させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の1つの特徴及び利点は一体化ばねである。この一体化ばねは、速度制御、位置決定及び緩衝の特性をこの掛止機構に提供するために取り付けられる構成要素として成型される。
【0010】
本発明のさらなる1つの特徴及び利点は、必要に応じて筐体に係合し、レベル・アームを拘束するために、掛止アームが掛止アームから鋭角に延びる一体化フィンガーばねを備えることである。
【0011】
本発明の別の特徴及び利点は、一体成型されたばねにより組立用の構成要素の数が最小化されるため、粒子を蓄積及び捕捉し得る構成要素連結継手の数が最小化されることである。
【0012】
本発明の1つの利点及び特徴は、振動緩衝機能のため掛止機構がより滑らかに、かつ、静かに動作し、より少ない粒子しか舞い上がらせないことである。
図1を参照する。本発明の一実施形態による前面開放ウエハ・コンテナ10は、一般に、上面12a、底面12b、一対の対向する側面12c,12d、背面12e、及び開放前面13を有する筐体部分12を備える。開放前面13は、開放内面14を囲んでいる。図1aに示すように、筐体部分12の内側には、軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハ15aを保持するための、1つ以上のウエハ支持部15が配置されてよい。当業者には周知であるように、処理装置の一部15cとインタフェースするために、底面12b上に運動連結部(kinematic coupling)15bが設けられてよい。本明細書にて開示の扉掛止機構と共に用いるのに適切な前面開放コンテナの他の構成は、米国特許第6,644,477号明細書、米国特許第6,267,245号明細書、米国特許第6,216,874号明細書、米国特許第6,206,196号明細書、米国特許第6,010,008号明細書及び米国特許第5,944,194号明細書に開示されている。これらの明細書の全ては本発明の所有者らにより共に所有されている。これらの明細書の全てを引用により本明細書に完全に援用する。
【0013】
再び図1,1aを参照する。ウエハ・コンテナ10はさらに、開放前面13を密封閉止するための扉16を備える。扉16は一般にシャーシ18を備え、シャーシ18は前側面即ち外側面20と、背側面即ち内側面22とを有する。前側面20は掛止機構28を覆うパネル26を備える。掛止機構28は、パネル26内に形成されている鍵穴30を通じて操作される。筐体部分12の扉枠40と密封的に係合するために、シール38が扉16の周辺部39の周囲に設けられる。ウエハ15aを係合し拘束するための1つ以上のウエハ・クッション(図示せず)が、扉16の内側面22上に設けられてもよい。そうしたウエハ・クッションの種々の構成は、先に引用により本明細書に援用した引用文献に記載されている。
【0014】
ここで図2,3,4を参照する。掛止機構28を露出するように、蓋26を除いて扉16を示す。本発明の一実施形態の掛止機構28は、一般に、回転可能なカム50、掛止アーム52、掛止部材54及び付勢ばね58を備える。掛止機構28は一般に扉筐体62に配置されている。扉筐体62はシャーシ18の面64と、パネル26の内面65とにより画定される。柱66は扉筐体62内に設けられ、面64とパネル26の内面65との間に延びている。掛止アーム52は長尺穴67を有する。掛止アーム52がX軸方向に沿って側方方向に滑動可能であり、かつ、Y軸方向への移動を拘束されるように、柱66は滑動的に長尺穴67内に受容される。Z軸方向においては、掛止アーム52は原理的にシャーシ18の面64とパネル26の内面65との近くに位置する。
【0015】
図6,7に示す本発明の実施形態では、弾性部材67が掛止アーム52上に設けられ、掛止アーム52から延びてシャーシ18の面64を係合してもよい。弾性部材67は、掛止機構26の動作中に生成される振動を緩衝するよう二重に作用する場合もあり、また、Z軸方向において掛止アーム52をより精密に配置するよう作用する場合もある。弾性部材67が掛止アームの一部として一体に形成されてもよく、掛止アーム52に取り付けられる別個の構成要素であってもよいことは認められるであろう。
【0016】
カム50は、面64から外側に向かって掛止筐体62へと延びる柱68の軸a−aの周囲に回転可能に装着される。一般に、掛止アーム52は基端部70にカム追従部69を備える。カム追従部69は滑動的にカム50の長尺穴76内に係合する。一般に穴76は、カム50が回転されてカム追従部69が穴76内で滑動するに従い、カム50の回転方向に応じて掛止アーム52がカム50に対して内側又は外側に向かって側方方向に滑動するように構成される。代替の実施形態では、カム50を貫通しない溝その他の構造が同一又は類似の効果を有する穴76の代わりに設けられてよいことは認められるであろう。掛止部材54は掛止アーム52の末端部72に設けられる。動作中、これらの掛止部材54は、筐体部分12上の位置に扉16を固定するために、扉枠40において掛止受容凹部42を係合するように、掛止アーム52により伸縮される。一部の実施形態では、掛止部材54は旋回アセンブリを備えてもよい。そうした旋回部材を備える掛止機構は、米国特許第5,628,683号明細書及び米国特許第6,000,732号明細書に開示されている。これらの明細書の各々は本発明の所有者に譲り渡されている。これらの明細書の各々を引用により本明細書に完全に援用する。そうした旋回掛止部により、掛止部材54が最初に扉筐体から「Y」方向に延び、続いて「Z」方向にコンテナ部分から離れて移動し、扉を扉枠の中へ引き込み扉枠との密封を確保することが可能となる。この動作は一般に米国特許第4,995,430号明細書、「改良型掛止機構を備える密封可能な輸送可能コンテナ(Sealable Transportable Container Having Improved Latch Mechanism)」に開示されている。この明細書の譲受人は本出願と共通である。この明細書も引用により本明細書に完全に援用する。
【0017】
ここで図2,8を参照する。本発明の一実施形態による付勢ばね80の形態のばね58を示す。付勢ばね80は一般に主部分81と、副部分90とを備える。ブッシング84,86は主部分81の各端部に配置される。ブッシング84は、カム50から延びる柱87上に回転可能に結合されており、ブッシング86は、シャーシ18の面64から延びる柱88に回転可能に結合されている。動作中、主部分81は、掛止状態と掛止解除状態とに対応する第1の好適な位置と第2の好適な位置とに向けて、カム50を、したがって、掛止機構28を付勢するように機能する。このことは、本明細書の以下に、及び、「掛止機構に付勢されるウエハ・キャリア扉及びばね(WAFER CARRIER DOOR AND SPRING BIASED LATCHING MECHANISM)」と題された同時継続中の米国特許出願第10/318,374号明細書に、詳細に記載されている。本発明の所有者らにより共に所有されているこの明細書を、引用により本明細書に完全に援用する。
【0018】
本発明の一実施形態では、付勢ばねの副部分90は、ブッシング86にて主部分81に取り付けられるか、或いは、ブッシング86にて主部分81と一部品となるように、一体に形成される。副部分90は弾性であり、主部分81より断面積が30%〜90%小さいため、主部分81より低いばね定数を有し得る。副部分90は末端部94に柱92を有する。柱92は、シャーシ18の面64から延びる柱98に設けられた開口部96内に受容される。動作中、副部分は、第1の好適な位置と第2の好適な位置との間での掛止機構26の移動中に生じ得る、ばね80の主部分81における振動を緩衝する効果を提供する。
【0019】
コンテナ内のウエハからの接地用の電気的な経路を提供することが所望される本発明の実施形態では、カム50及び付勢ばね80はカーボンを充填した熱可塑性プラスチックなどの導電性材料から形成されてよい。上述のように、副部分90は扉16上の導電性ウエハ・クッションと導電性に接続されてもよい。ウエハ支持部15にウエハ15aが支持されている筐体部分12と、扉16が係合されるとき、導電性ウエハ・クッションはウエハと係合して、ウエハからカム50へと導電性の経路が提供される。続いてカム50は、ロボット把持装置により、電気的に接地されている鍵と係合される。
【0020】
図3,4の実施形態では、穴76には、各端部102,104に近付くように内部で延びる一対の緩衝ばね100が設けられる。ばね100は、好適にはカム50と一部品となるように一体に成型されるが、別個の構造体であってもよい。動作中、カム50が回転されてカム追従部69が端部102,104のいずれかに接近するに従い、ばね100は最初にカム追従部69に係合し、カム追従部69に接触して滑動を開始する。カム追従部69が端部102,104のより近くへ移動するに従い、ばね100は外側に向かって圧縮されて、カム追従部69に対する付勢の量を増大させることにより、摩擦を増大させる。この摩擦の増大により、カム追従部69がさらに端部102,104に向かって移動するに従い、カム追従部69は制御された方式により減速される傾向にあり、道程の終端における衝撃力及び振動の転移を最小化するように動作する。さらに、曲端部106が各ばね100上に設けられてよい。曲端部106は、カム追従部69が端部102,104のいずれかに位置するとき、好適な位置に機構を保持するための移動止め(detent)を提供するために、カム追従部69に適合するように形成される。当然のことながら、他の実施形態において、機構の道程の一端においてのみ減速及び緩衝を提供することが所望される場合、ばね100は穴76の端部102にのみ、或いは、端部104にのみ設けられてよいことが認められるであろう。
【0021】
掛止機構26の全動作を一般に図5a,5b,5cに連続的に示す。図5cに示すように掛止位置即ち第1の好適な位置では、ばね80は中央を過ぎ、カム50を右回り方向に付勢している。5bの中間の位置では、ばね80はほぼ中央にあり、右回り方向、左回り方向のいずれにもカム50を付勢していない。掛止解除位置即ち第2の好適な位置に対応
する図5aでは、ばね80は中央を反対方向に過ぎ、カム50を左回り方向に付勢している。カム50ひいては掛止機構26が、図5a,5cの第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動されるに従い、付勢ばね80の主部分81は掛止機構26の動作部に速度制御を提供し、付勢ばね80の副部分90は機構が道程端に到達するに従い生成される振動を緩衝する。
【0022】
本明細書において認められる種々の構成要素は、ウエハ・コンテナにおける使用に適切な特性を有する適切な熱可塑性プラスチックその他の材料から成型されてよい。好適な熱可塑性プラスチックには、カーボン繊維フィラー又はカーボン粉体フィラーを含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート又は当該技術分野において周知の他の適切な熱可塑性プラスチックが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】前面開放ウエハ・キャリアの斜視図。
【図1a】処理装置の一部の上に位置する前面開放ウエハ・コンテナの代替の一実施形態の斜視図。
【図2】前面蓋の除去されたウエハ・コンテナ扉の斜視図。
【図3】本発明の一実施形態によるウエハ・コンテナ掛止機構の前立面図。
【図4】図3に示すウエハ・コンテナ扉の隅部の斜視図。
【図5a】掛止部が掛止解除位置にある本発明による掛止機構の平面図。
【図5b】中間の位置にある図5aの掛止機構を示す図。
【図5c】完全な掛止位置にある図5aの掛止機構を示す図。
【図6】一体化ばねフィンガーを示す掛止アームの一部分の斜視図。
【図7】一体化ばねフィンガーを示す掛止アームの端部の一部分の側立面図。
【図8】本発明の一実施形態による付勢ばねの斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明は密封可能なウエハ・コンテナに関する。より詳細には、本発明はウエハ・コンテナ用の扉掛止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハのスケールは次第に大きくなりつつあり、今や製造設備においては、集積回路などの半導体デバイスの製造に300mmウエハが利用されることが一般的である。集積回路自身の寸法も大きくなりつつあり、回路密度が増大している。結果として、回路を破壊し得る粒子状汚染物質の寸法は非常に小さくなり、半導体ウエハの製造、処理、輸送及び保管の全段階を通じて厳密な粒子制御が必要である。
【0003】
通常、ウエハは、開放前面の掛止部により固定された扉を備える、密封された前面開放ウエハ・コンテナに保管され、輸送される。典型的には、この扉は手動で又はロボットにより除去されることが可能である。このようなウエハ・コンテナは、当該産業においては前面開放一体型ポッド(front−opening unified pod)の頭字語であるFOUPとして、また、前面開放搬送ボックス(front−opening shipping box)の頭字語であるFOSBとして知られている。この種のコンテナの扉は、精密に配置された鍵を備えるロボット・インタフェースにより操作される。この鍵は、掛止機構を操作して扉をコンテナ部分から除去するため、また、コンテナ部分に配置するために、扉の前面に挿入される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
理想的には、ウエハ・コンテナ掛止機構は一定の特性を有する。まず最初に、確実に、かつ、一貫して扉を掛止及び掛止解除するように動作することが所望される。これに加えて、動作中に部品の滑動接触などにより生成され得る粒子の放出を最少化するよう、掛止機構が製造及び設計されていることが所望される。さらに、掛止機構は製造、組立及び洗浄が容易であることが所望される。また、これらの掛止機構は、動作部の相対速度の変化が制御されており、滑らかに動作することが所望される。多くの典型的な既存のウエハ・コンテナ掛止機構では、構成要素の比較的急な減速が示される。そうした機構の一部では、例えば、動作部は道程端にて固定の停止部と衝突する。その結果、衝撃及び振動が生じる。この衝撃及び振動は、コンテナ内の面上に静止している粒子を「舞い上がらせる(launch)」ように作用することにより、そうした粒子を後にウエハ上に降下させ、汚染及び損傷を発生させる。当該産業において必要とされているのは、速度及び振動の制御特性の改良された掛止機構を備えるウエハ・コンテナである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、当該産業における速度制御及び振動制御特性の改良された扉掛止機構を備えるウエハ・コンテナの必要に応じる。本発明の一実施形態では、軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナは、上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分を備える。筐体内に1つ以上のウエハ支持部が設けられるとともに、筐体の底面上に運動連結部が設けられる。このコンテナは開放前面を密封閉止するための扉を備える。扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備える。掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムと、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備える。
【0006】
本発明の一実施形態では、掛止機構は、第1の好適な位置及び第2の好適な位置に向けて掛止機構を付勢するための付勢ばねを備える。動作中に掛止機構により生成される振動を緩衝するため、この付勢ばねは動作可能にシャーシと結合されている第2の部分を備える。所望の場合、コンテナ内のウエハから接地するための電気的な経路を提供するために、カム及びばねは導電性材料から形成され、ばねの第2の部分は扉の内面上のウエハ・クッションと結合されてよい。
【0007】
本発明の他の実施形態では、掛止機構は、カム内に形成される穴内に係合されるカム追従部分を有する、1つ以上の掛止アームを備える。この穴は、カム追従部分を係合させ、ばねの位置する穴の端部に向かうカム追従部分の動作に対向する付勢力を提供するように、一方又は両方の端部の近傍に設けられる、ばねを備える。
【0008】
本発明の実施形態では、複数のウエハを保持するためのウエハ・コンテナは、コンテナ部分に対し密封可能に取り付けられ、密封された基板コンテナを形成する扉を備える。この扉は、経済的な製造、高信頼性の動作、滑らか、かつ、静かな動作、及び扉の密封に有効な封止を可能とする、緩衝及び位置決定手段を有する掛止機構を備える。好適な実施形態では、好適な回転可能なカムは熱可塑性プラスチック材料から形成されており、カム追従部を係合させるための穴その他の構造を備える。カム追従部係合構造は、内部的な一体化フィンガー形状緩衝ばねである。掛止アームのカム追従部分はカム追従部係合構造を係合させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の1つの特徴及び利点は一体化ばねである。この一体化ばねは、速度制御、位置決定及び緩衝の特性をこの掛止機構に提供するために取り付けられる構成要素として成型される。
【0010】
本発明のさらなる1つの特徴及び利点は、必要に応じて筐体に係合し、レベル・アームを拘束するために、掛止アームが掛止アームから鋭角に延びる一体化フィンガーばねを備えることである。
【0011】
本発明の別の特徴及び利点は、一体成型されたばねにより組立用の構成要素の数が最小化されるため、粒子を蓄積及び捕捉し得る構成要素連結継手の数が最小化されることである。
【0012】
本発明の1つの利点及び特徴は、振動緩衝機能のため掛止機構がより滑らかに、かつ、静かに動作し、より少ない粒子しか舞い上がらせないことである。
図1を参照する。本発明の一実施形態による前面開放ウエハ・コンテナ10は、一般に、上面12a、底面12b、一対の対向する側面12c,12d、背面12e、及び開放前面13を有する筐体部分12を備える。開放前面13は、開放内面14を囲んでいる。図1aに示すように、筐体部分12の内側には、軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハ15aを保持するための、1つ以上のウエハ支持部15が配置されてよい。当業者には周知であるように、処理装置の一部15cとインタフェースするために、底面12b上に運動連結部(kinematic coupling)15bが設けられてよい。本明細書にて開示の扉掛止機構と共に用いるのに適切な前面開放コンテナの他の構成は、米国特許第6,644,477号明細書、米国特許第6,267,245号明細書、米国特許第6,216,874号明細書、米国特許第6,206,196号明細書、米国特許第6,010,008号明細書及び米国特許第5,944,194号明細書に開示されている。これらの明細書の全ては本発明の所有者らにより共に所有されている。これらの明細書の全てを引用により本明細書に完全に援用する。
【0013】
再び図1,1aを参照する。ウエハ・コンテナ10はさらに、開放前面13を密封閉止するための扉16を備える。扉16は一般にシャーシ18を備え、シャーシ18は前側面即ち外側面20と、背側面即ち内側面22とを有する。前側面20は掛止機構28を覆うパネル26を備える。掛止機構28は、パネル26内に形成されている鍵穴30を通じて操作される。筐体部分12の扉枠40と密封的に係合するために、シール38が扉16の周辺部39の周囲に設けられる。ウエハ15aを係合し拘束するための1つ以上のウエハ・クッション(図示せず)が、扉16の内側面22上に設けられてもよい。そうしたウエハ・クッションの種々の構成は、先に引用により本明細書に援用した引用文献に記載されている。
【0014】
ここで図2,3,4を参照する。掛止機構28を露出するように、蓋26を除いて扉16を示す。本発明の一実施形態の掛止機構28は、一般に、回転可能なカム50、掛止アーム52、掛止部材54及び付勢ばね58を備える。掛止機構28は一般に扉筐体62に配置されている。扉筐体62はシャーシ18の面64と、パネル26の内面65とにより画定される。柱66は扉筐体62内に設けられ、面64とパネル26の内面65との間に延びている。掛止アーム52は長尺穴67を有する。掛止アーム52がX軸方向に沿って側方方向に滑動可能であり、かつ、Y軸方向への移動を拘束されるように、柱66は滑動的に長尺穴67内に受容される。Z軸方向においては、掛止アーム52は原理的にシャーシ18の面64とパネル26の内面65との近くに位置する。
【0015】
図6,7に示す本発明の実施形態では、弾性部材67が掛止アーム52上に設けられ、掛止アーム52から延びてシャーシ18の面64を係合してもよい。弾性部材67は、掛止機構26の動作中に生成される振動を緩衝するよう二重に作用する場合もあり、また、Z軸方向において掛止アーム52をより精密に配置するよう作用する場合もある。弾性部材67が掛止アームの一部として一体に形成されてもよく、掛止アーム52に取り付けられる別個の構成要素であってもよいことは認められるであろう。
【0016】
カム50は、面64から外側に向かって掛止筐体62へと延びる柱68の軸a−aの周囲に回転可能に装着される。一般に、掛止アーム52は基端部70にカム追従部69を備える。カム追従部69は滑動的にカム50の長尺穴76内に係合する。一般に穴76は、カム50が回転されてカム追従部69が穴76内で滑動するに従い、カム50の回転方向に応じて掛止アーム52がカム50に対して内側又は外側に向かって側方方向に滑動するように構成される。代替の実施形態では、カム50を貫通しない溝その他の構造が同一又は類似の効果を有する穴76の代わりに設けられてよいことは認められるであろう。掛止部材54は掛止アーム52の末端部72に設けられる。動作中、これらの掛止部材54は、筐体部分12上の位置に扉16を固定するために、扉枠40において掛止受容凹部42を係合するように、掛止アーム52により伸縮される。一部の実施形態では、掛止部材54は旋回アセンブリを備えてもよい。そうした旋回部材を備える掛止機構は、米国特許第5,628,683号明細書及び米国特許第6,000,732号明細書に開示されている。これらの明細書の各々は本発明の所有者に譲り渡されている。これらの明細書の各々を引用により本明細書に完全に援用する。そうした旋回掛止部により、掛止部材54が最初に扉筐体から「Y」方向に延び、続いて「Z」方向にコンテナ部分から離れて移動し、扉を扉枠の中へ引き込み扉枠との密封を確保することが可能となる。この動作は一般に米国特許第4,995,430号明細書、「改良型掛止機構を備える密封可能な輸送可能コンテナ(Sealable Transportable Container Having Improved Latch Mechanism)」に開示されている。この明細書の譲受人は本出願と共通である。この明細書も引用により本明細書に完全に援用する。
【0017】
ここで図2,8を参照する。本発明の一実施形態による付勢ばね80の形態のばね58を示す。付勢ばね80は一般に主部分81と、副部分90とを備える。ブッシング84,86は主部分81の各端部に配置される。ブッシング84は、カム50から延びる柱87上に回転可能に結合されており、ブッシング86は、シャーシ18の面64から延びる柱88に回転可能に結合されている。動作中、主部分81は、掛止状態と掛止解除状態とに対応する第1の好適な位置と第2の好適な位置とに向けて、カム50を、したがって、掛止機構28を付勢するように機能する。このことは、本明細書の以下に、及び、「掛止機構に付勢されるウエハ・キャリア扉及びばね(WAFER CARRIER DOOR AND SPRING BIASED LATCHING MECHANISM)」と題された同時継続中の米国特許出願第10/318,374号明細書に、詳細に記載されている。本発明の所有者らにより共に所有されているこの明細書を、引用により本明細書に完全に援用する。
【0018】
本発明の一実施形態では、付勢ばねの副部分90は、ブッシング86にて主部分81に取り付けられるか、或いは、ブッシング86にて主部分81と一部品となるように、一体に形成される。副部分90は弾性であり、主部分81より断面積が30%〜90%小さいため、主部分81より低いばね定数を有し得る。副部分90は末端部94に柱92を有する。柱92は、シャーシ18の面64から延びる柱98に設けられた開口部96内に受容される。動作中、副部分は、第1の好適な位置と第2の好適な位置との間での掛止機構26の移動中に生じ得る、ばね80の主部分81における振動を緩衝する効果を提供する。
【0019】
コンテナ内のウエハからの接地用の電気的な経路を提供することが所望される本発明の実施形態では、カム50及び付勢ばね80はカーボンを充填した熱可塑性プラスチックなどの導電性材料から形成されてよい。上述のように、副部分90は扉16上の導電性ウエハ・クッションと導電性に接続されてもよい。ウエハ支持部15にウエハ15aが支持されている筐体部分12と、扉16が係合されるとき、導電性ウエハ・クッションはウエハと係合して、ウエハからカム50へと導電性の経路が提供される。続いてカム50は、ロボット把持装置により、電気的に接地されている鍵と係合される。
【0020】
図3,4の実施形態では、穴76には、各端部102,104に近付くように内部で延びる一対の緩衝ばね100が設けられる。ばね100は、好適にはカム50と一部品となるように一体に成型されるが、別個の構造体であってもよい。動作中、カム50が回転されてカム追従部69が端部102,104のいずれかに接近するに従い、ばね100は最初にカム追従部69に係合し、カム追従部69に接触して滑動を開始する。カム追従部69が端部102,104のより近くへ移動するに従い、ばね100は外側に向かって圧縮されて、カム追従部69に対する付勢の量を増大させることにより、摩擦を増大させる。この摩擦の増大により、カム追従部69がさらに端部102,104に向かって移動するに従い、カム追従部69は制御された方式により減速される傾向にあり、道程の終端における衝撃力及び振動の転移を最小化するように動作する。さらに、曲端部106が各ばね100上に設けられてよい。曲端部106は、カム追従部69が端部102,104のいずれかに位置するとき、好適な位置に機構を保持するための移動止め(detent)を提供するために、カム追従部69に適合するように形成される。当然のことながら、他の実施形態において、機構の道程の一端においてのみ減速及び緩衝を提供することが所望される場合、ばね100は穴76の端部102にのみ、或いは、端部104にのみ設けられてよいことが認められるであろう。
【0021】
掛止機構26の全動作を一般に図5a,5b,5cに連続的に示す。図5cに示すように掛止位置即ち第1の好適な位置では、ばね80は中央を過ぎ、カム50を右回り方向に付勢している。5bの中間の位置では、ばね80はほぼ中央にあり、右回り方向、左回り方向のいずれにもカム50を付勢していない。掛止解除位置即ち第2の好適な位置に対応
する図5aでは、ばね80は中央を反対方向に過ぎ、カム50を左回り方向に付勢している。カム50ひいては掛止機構26が、図5a,5cの第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動されるに従い、付勢ばね80の主部分81は掛止機構26の動作部に速度制御を提供し、付勢ばね80の副部分90は機構が道程端に到達するに従い生成される振動を緩衝する。
【0022】
本明細書において認められる種々の構成要素は、ウエハ・コンテナにおける使用に適切な特性を有する適切な熱可塑性プラスチックその他の材料から成型されてよい。好適な熱可塑性プラスチックには、カーボン繊維フィラー又はカーボン粉体フィラーを含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート又は当該技術分野において周知の他の適切な熱可塑性プラスチックが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】前面開放ウエハ・キャリアの斜視図。
【図1a】処理装置の一部の上に位置する前面開放ウエハ・コンテナの代替の一実施形態の斜視図。
【図2】前面蓋の除去されたウエハ・コンテナ扉の斜視図。
【図3】本発明の一実施形態によるウエハ・コンテナ掛止機構の前立面図。
【図4】図3に示すウエハ・コンテナ扉の隅部の斜視図。
【図5a】掛止部が掛止解除位置にある本発明による掛止機構の平面図。
【図5b】中間の位置にある図5aの掛止機構を示す図。
【図5c】完全な掛止位置にある図5aの掛止機構を示す図。
【図6】一体化ばねフィンガーを示す掛止アームの一部分の斜視図。
【図7】一体化ばねフィンガーを示す掛止アームの端部の一部分の側立面図。
【図8】本発明の一実施形態による付勢ばねの斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナであって、
上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分と、
筐体部分内の1つ以上のウエハ支持部と、
筐体部分の底面上の運動連結部と、
開放前面を密封閉止するための扉と、
扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備えることとからなるコンテナ。
【請求項2】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
ばねは熱可塑性プラスチック材料から形成される請求項2に記載のコンテナ。
【請求項5】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項4に記載のコンテナ。
【請求項6】
熱可塑性プラスチック材料は導電性フィラーを含有する請求項4に記載のコンテナ。
【請求項7】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項8】
振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項7に記載のコンテナ。
【請求項9】
掛止機構は、動作可能にカム及びシャーシと結合されている第1の弾性部分を有し、かつ、第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる、付勢ばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該付勢ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項8に記載のコンテナ。
【請求項10】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及び付勢ばねは導電性であることと、
付勢ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項9に記載のコンテナ。
【請求項11】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項12】
軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナであって、
上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分と、
筐体部分内の1つ以上のウエハ支持部と、
筐体部分の底面上の運動連結部と、
開放前面を密封閉止するための扉と、
扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための手段を含むこととからなるコンテナ。
【請求項13】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
振動を緩衝するための手段は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項14】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項13に記載のコンテナ。
【請求項15】
ばねは熱可塑性プラスチック材料から形成される請求項13に記載のコンテナ。
【請求項16】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項15に記載のコンテナ。
【請求項17】
熱可塑性プラスチック材料は導電性フィラーを含有する請求項15に記載のコンテナ。
【請求項18】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
振動を緩衝するための手段は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項19】
振動を緩衝するための手段は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項18に記載のコンテナ。
【請求項20】
掛止機構は、動作可能にカム及びシャーシと結合されている第1の弾性部分を有し、かつ、第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる、付勢ばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該付勢ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項19に記載のコンテナ。
【請求項21】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及び付勢ばねは導電性であることと、
付勢ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項20に記載のコンテナ。
【請求項22】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
振動を緩衝するための手段は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項23】
ウエハ・コンテナ用の扉であって、
シャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備えることとからなる扉。
【請求項24】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【請求項25】
ウエハ・クッション部分を含むことと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項24に記載の扉。
【請求項26】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項24に記載の扉。
【請求項27】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【請求項28】
振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項27に記載の扉
【請求項29】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【請求項1】
軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナであって、
上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分と、
筐体部分内の1つ以上のウエハ支持部と、
筐体部分の底面上の運動連結部と、
開放前面を密封閉止するための扉と、
扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備えることとからなるコンテナ。
【請求項2】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
ばねは熱可塑性プラスチック材料から形成される請求項2に記載のコンテナ。
【請求項5】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項4に記載のコンテナ。
【請求項6】
熱可塑性プラスチック材料は導電性フィラーを含有する請求項4に記載のコンテナ。
【請求項7】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項8】
振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項7に記載のコンテナ。
【請求項9】
掛止機構は、動作可能にカム及びシャーシと結合されている第1の弾性部分を有し、かつ、第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる、付勢ばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該付勢ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項8に記載のコンテナ。
【請求項10】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及び付勢ばねは導電性であることと、
付勢ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項9に記載のコンテナ。
【請求項11】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項1に記載のコンテナ。
【請求項12】
軸方向に整合し、ほぼ平行に離間した配置に複数のウエハを保持するためのコンテナであって、
上面、底面、一対の対向する側面、背面、及び開放前面を有する筐体部分と、
筐体部分内の1つ以上のウエハ支持部と、
筐体部分の底面上の運動連結部と、
開放前面を密封閉止するための扉と、
扉はシャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための手段を含むこととからなるコンテナ。
【請求項13】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
振動を緩衝するための手段は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項14】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項13に記載のコンテナ。
【請求項15】
ばねは熱可塑性プラスチック材料から形成される請求項13に記載のコンテナ。
【請求項16】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項15に記載のコンテナ。
【請求項17】
熱可塑性プラスチック材料は導電性フィラーを含有する請求項15に記載のコンテナ。
【請求項18】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
振動を緩衝するための手段は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項19】
振動を緩衝するための手段は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項18に記載のコンテナ。
【請求項20】
掛止機構は、動作可能にカム及びシャーシと結合されている第1の弾性部分を有し、かつ、第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる、付勢ばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該付勢ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項19に記載のコンテナ。
【請求項21】
扉はウエハ・クッション部分を備えることと、
カム及び付勢ばねは導電性であることと、
付勢ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項20に記載のコンテナ。
【請求項22】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
振動を緩衝するための手段は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項12に記載のコンテナ。
【請求項23】
ウエハ・コンテナ用の扉であって、
シャーシと、シャーシ上の動作可能な掛止機構とを備えることと、
掛止機構は掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるように選択的に回転可能なカムを備え、かつ、掛止機構を第1の好適な位置と第2の好適な位置との間で移動させるときに生成される振動を緩衝するための1つ以上の振動緩衝部とを備えることとからなる扉。
【請求項24】
掛止機構は第1の好適な位置及び第2の好適な位置の各々に向かって掛止機構を推進させるための付勢力を提供するように設けられる第1の弾性部分を有するばねを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は動作可能にシャーシと結合されている該ばねの第2の弾性部分を備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【請求項25】
ウエハ・クッション部分を含むことと、
カム及びばねは導電性であることと、
ばねの第2の弾性部分は導電性にウエハ・クッション部分と結合されていることとを含む請求項24に記載の扉。
【請求項26】
ばねの第1の弾性部分及び第2の弾性部分は一部品となるように一体に形成される請求項24に記載の扉。
【請求項27】
カムはカム内に形成される、第1の及び第2の対向する端部を有する長尺穴を備えることと、
掛止機構は滑動的に長尺穴内に係合されるカム追従部分を有する、側方方向に滑動可能な1つ以上の掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第1の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第1の端部の近傍に設けられるばねを備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【請求項28】
振動緩衝部は、カム追従部分を係合させ、長尺穴の第2の端部に向かうカム追従部分の動作に抵抗する付勢力を働かせるように、長尺穴の第2の端部の近傍に設けられる第2のばねを含む請求項27に記載の扉
【請求項29】
掛止機構は動作可能にカムと結合されている掛止アームを含むことと、
1つ以上の振動緩衝部は掛止アームとシャーシとの間に延びる弾性部材を備えることとを含む請求項23に記載の扉。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2007−531984(P2007−531984A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539704(P2006−539704)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037162
【国際公開番号】WO2005/047726
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037162
【国際公開番号】WO2005/047726
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
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