説明

振幅制限増幅回路

【課題】差動入力を可能とし、入力される信号電力の損失を低減させる。
【解決手段】外部入力端子1に入力側が接続された平均値検出回路5Aと、非反転入力端子が外部入力端子1に接続され、反転入力端子が平均値検出回路5Aの出力側に接続された差動型振幅制限増幅回路4Aと、外部入力端子2に入力側が接続された平均値検出回路5Bと、非反転入力端子が外部入力端子2に接続され、反転入力端子が平均値検出回路5Bの出力側に接続され、差動出力端子対が差動型振幅制限増幅回路4Aの差動出力端子対に対して同相の組合せで並列接続された差動型振幅制限増幅回路4Bとを備える1段目差動増幅回路3A、および1段目差動増幅回路3Aの差動出力端子対の一方の端子に入力側が接続された平均値検出回路5Cと、非反転入力端子が平均値検出回路5Cの出力側に接続され、反転入力端子が1段目差動増幅回路3Aの差動出力端子対の他方の端子に接続された差動型振幅制限増幅回路7とを備える2段目差動増幅回路6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠的な光信号を送受信する光伝送装置において受信信号を瞬時に振幅制限増幅する振幅制限増幅回路に関し、振幅制限増幅回路の前段の前置増幅回路が差動出力端子を有する場合に、差動接続を可能とする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、高速大容量の光伝送システムの需要が高まっている。アクセスネットワークにおいては、FTTHが普及し始めており、日本においてはPON(Passive Optical Network)システムが導入されている。PONは、パワースプリッタを用いて分岐した光ファイバ網を用いて、1つの局内装置に複数のユーザ装置を接続するネットワーク構成であるため、ユーザ装置から局内装置に向かっての上り通信は、間欠的なバースト信号となることから、バースト伝送技術が用いられている。PONにおける上り通信用のバースト受信器は、各々のユーザ装置から送られてくるパワーも位相も異なる光信号を電気信号に変換し、瞬時に参照電位を抽出して、後段の論理回路が処理できる歪の少ない論理信号に等化増幅する増幅回路が必要となる。
【0003】
このように瞬時に参照電位を抽出する振幅制限増幅回路としては、非特許文献1にあるような、ピーク検出回路を用いて瞬時に信号のトップレベルとボトムレベルを抽出し、その平均電位を参照電位として与える回路が提案されているが、ピーク検出回路の性質として、次のバースト信号入力時に保持しているピーク値をリセットする必要があり、外部からリセット信号を入力する必要があることから、回路構成が複雑になるという問題があった。この問題を解決するために、平均値検出回路を用いてリセット信号を不要化する構成(図7)が提案されている(特許文献1)。
【0004】
図7中の符号は、1は外部入力端子、3は1段目差動増幅回路、4,7は差動型振幅制限増幅回路、5,5Cは平均値検出回路、6は2段目差動増幅回路、8,9は出力端子、を示す。平均値検出回路5,5Cは、例えば、入出力間に直列接続された抵抗と出力側と接地間に接続された容量とからなるローパスフィルタで構成される。アルファベットA〜Fは、図8中に示す電圧波形の回路上の観測部位を示す。図8中のアルファベットA〜Fは、図7中の対応するアルファベットA〜Fで示した部位における電圧波形を示す。
【0005】
外部入力端子1に入力される信号は分岐された後に、一方は直接、差動型振幅制限増幅回路4の差動入力端子対の一方の端子(図7では非反転入力側)に入力され、他方は平均値検出回路5を介して他方の端子(図7では反転入力側)に入力される。図8では、外部入力端子1に入力される信号が、結合容量を介して接続された場合を想定し、電圧波形Aのベースラインが結合容量の電荷蓄積に応じて変化する状態を示している。平均値検出回路5が十分に高速に設計されている場合、平均値検出回路5を介した電圧波形Bが、電圧波形Aのベースライン変動に追随するため、差動型振幅制限増幅回路4における同相除去により、電圧波形Dには信号の先頭部付近を除いてベースライン変動の影響による波形の歪が生じない。
【0006】
しかしながら、平均値検出回路5を高速化した場合、同符号連続に対し平均値検出回路5の出力電位が高速に応答して、偏った値を出力してしまう。差動型振幅制限増幅回路4の出力信号は、振幅制限がかかって出力されるため、振幅方向の変動は生じないものの、波形のクロスポイントが大きくずれることとなり、波形のデューティサイクルが符号に応じて大きく変動することになる。
【0007】
差動型振幅制限増幅回路4の差動出力端子対の一方の端子(図7では反転出力側)の信号は、直接、2段目差動増幅回路6の差動型振幅制限増幅回路7の差動入力端子対の一方の端子(図7では反転入力側)に入力され、他方の端子(図7では非反転出力側)の信号は、2段目の平均値検出回路5Cを介して差動型振幅制限増幅回路7の他方の端子(図7では非反転入力側)に入力される。
【0008】
2段目の平均値検出回路5Cの出力(電圧波形C)は、1段目のそれ(電圧波形B)と時定数が同じであれば、ほぼ同様の変動をもって差動型振幅制限増幅回路7に参照電位として入力されるが、信号は反転信号(電圧波形D)が入力されるため、出力される電圧波形E,Fには、1段目で生じたデューティ変動と逆の変動が生じる。このため、デューティ変動が相殺されて元の正常なデューティサイクルの信号となって出力される。図8の最下段の電圧波形は、電圧波形E,Fを拡大したものであるが、長い同符号連続の後でも正常なデューティサイクルで波形が出力されていることが分かる。
【0009】
以上、説明した動作により、この回路構成では結合容量を介して信号を入力しても、応答性能の劣化が生じないばかりか、平均値検出回路の高速化が可能であるため、高速なバースト応答性能を実現できる。
【非特許文献1】M.Nakamura,N.Isbihara,Y.Akazawa and H.kimura,"A Wide-dynamic-range and extremely high-sensitivity CMOS optical receiver IC using feed-fowrard auto-bias adjustment," 1994 IEEE Custom Integrated Circuit Conference Proceeding,pp.629-632.
【特許文献1】特開2004−88525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この機能を実現するには、1段目差動増幅回路3で差動型振幅制限増幅回路4の差動入力端子対の一方の端子へ入力する信号と平均値検出回路に入力する信号が同相の信号である必要があるため、外部入力端子1は1つとなってしまう。一方、振幅制限増幅回路の前段に接続される前置増幅回路は、動作の安定性、同相雑音の除去などの目的で、差動出力インターフェースが採用されることが多い。図9に、振幅制限増幅回路の前段の前置増幅回路が差動出力構成の場合の接続状態を示す。
【0011】
図9において、15は光電気変換素子、16は前置増幅回路、17は結合容量、18は終端回路、を示す。前置増幅回路16の差動出力のどちらか一方(図9では反転出力側)の信号は入力不能となり、終端回路18で終端されるため、信号電力の半分を捨ててしまう構成となってしまう。
【0012】
以上のように、従来技術の振幅制限増幅回路は、前段の前置増幅回路が差動出力の場合、非反転出力端子か反転出力端子かどちらか一方からの出力信号しか入力できないため、入力振幅が低下する。このため、低い最小入力振幅を実現するために高い線形利得や広い非線形ダイナミックレンジを確保する必要があった。
【0013】
本発明の目的は、従来技術に対し差動入力を可能とし、入力される信号電力の損失を低減した振幅制限増幅回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の振幅制限増幅回路は、第1の外部入力端子に入力側が接続された第1の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第1の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第1の平均値検出回路の出力側に接続された第1の差動型振幅制限増幅回路と、第2の外部入力端子に入力側が接続された第2の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第2の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第2の平均値検出回路の出力側に接続され、差動出力端子対が前記第1の差動型振幅制限増幅回路の差動出力端子対に対して同相の組合せで並列接続された第2の差動型振幅制限増幅回路とを備える1段目差動増幅回路、該1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子に入力側が接続された第3の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第3の平均値検出回路の出力側に接続され、他方の端子が前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子に接続された第3の差動型振幅制限増幅回路とを備える2段目差動増幅回路、を有することを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の振幅制限増幅回路において、前記1段目差動増幅回路を、第1の外部入力端子に入力側が接続された第1の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第1の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第1の平均値検出回路の出力側に接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第1群の差動増幅回路と、第2の外部入力端子に入力側が接続された第2の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第2の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第2の平均値検出回路の出力側に接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第2群の差動増幅回路と、前記第1群の差動増幅回路の終段の差動増幅回路の差動出力端子対と前記第2群の差動増幅回路の終段の差動増幅回路の差動出力端子対を同相で並列接続した各端子に差動入力端子対が接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第3群の差動増幅回路と、を備える別の1段目差動増幅回路に置き換えた、ことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、第1の外部入力端子に入力側が接続された第4の平均値検出回路と、第2の外部入力端子に入力側が接続された第5の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子に前記第5の平均値検出回路の出力信号と前記第1の外部入力端子に入力された信号を合成した信号が入力し、他方の端子に前記第4の平均値検出回路の出力信号と前記第2の外部入力端子に入力された信号を合成した信号が入力する第4の差動型振幅制限増幅回路とを具備する1段目差動増幅回路、該1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子に入力側が接続された第6の平均値検出回路と、前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子に入力側が接続された第7の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子に前記第6の平均値検出回路の出力信号と前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子の出力信号を合成した信号が入力し、他方の端子に前記第7の平均値検出回路の出力信号と前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子の出力信号を合成した信号が入力する第5の差動型振幅制限増幅回路とを具備する2段目差動増幅回路、を有することを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1又は請求項2に記載の1段目差動増幅回路と、請求項3に記載の2段目差動増幅回路とを縦続接続したことを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項3に記載の1段目差動増幅回路と、請求項1に記載の2段目差動増幅回路とを縦続接続したことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の振幅制限増幅回路において、前記2段目差動増幅回路の後段に、ヒステリシス比較回路を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来回路の1段目差動増幅回路を2組設けて出力信号を合成したり、入力信号をあらかじめ分岐して平均値検出した信号を他方の入力信号と合成したりすることで、従来技術と同等の機能を実現しつつ、差動入力インターフェースを実現することができるので、差動入力信号の電力損失を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<第1の実施例>
図1に本発明の第1の実施例の振幅制限増幅回路を示す。図中の符号1,2は外部入力端子、3Aは1段目差動増幅回路、4A,4Bは差動型振幅制限増幅回路、5A,5B,5Cは平均値検出回路、6は2段目差動増幅回路、7は差動型振幅制限増幅回路を示す。
【0017】
本実施例では、図7で説明した従来回路の1段目差動増幅回路を2組設け、差動型振幅制限増幅回路4A,4Bの差動出力端子対を同相の組合せで並列接続することで、その出力信号を合成している。図1中、外部入力端子1に前置増幅回路の非反転出力信号を、外部入力端子2に反転出力信号を入力した場合、図1中下側の差動型振幅制限増幅回路4Bの非反転出力には反転信号が、反転出力には非反転信号が出力される。よって、上側の差動型振幅制限増幅回路4Aの非反転出力端子と、下側の差動型振幅制限増幅回路4Bの反転出力端子を接続し、上側の差動型振幅制限増幅回路4Aの反転出力端子と、下側の差動型振幅制限増幅回路4Bの非反転出力端子を接続すれば、差動入力信号の電力損失を生じずに、2段目差動増幅回路6に信号を出力することができることは明白である。
【0018】
本実施例では簡単のために、平均値検出回路5A,5Bを差動型振幅制限増幅回路4A,4Bの反転入力端子側に設けた例を示したが、非反転入力端子側に設けても同様の効果が得られる。また、各差動型振幅制限増幅回路4A,4Bで非反転入力端子側か反転入力端子側かを任意に選んだ場合でも、2つの差動型振幅制限増幅回路4A,4Bの出力端子間の接続を同相の組み合わせどうしで並列接続すれば同様の効果が得られる。
【0019】
図2に、本実施例の振幅制限増幅回路と、その前段の前置増幅回路16が差動出力構成の場合の接続状態を示す。17A,17Bは結合容量である。このように差動インターフェースで接続可能であるため、従来技術と比べて電力損失を低減できることが分かる。
【0020】
<第2の実施例>
図3に本発明の第2の実施例の振幅制限増幅回路を示す。図3において、図1におけるものと同様のものには同じ符号をつけた。10は外部入力端子1,2からの差動入力信号を合成して出力する差動型振幅制限増幅回路、11A,11B,12A,12B,13,14は差動増幅回路、を示す。本実施例の1段目差動増幅回路3Bは、第1の実施例のように従来回路の1段目差動増幅回路3を2組設けた差動増幅回路3Aとする構成の代わりに、2組の差動入力信号を中間段で合成して出力する差動型振幅制限増幅回路10を用いている。第1実施例と同様の効果が得られることは明白である。
【0021】
図3中、便宜上、外部入力端子1,2からの差動入力信号を合成して出力する差動型振幅制限増幅回路10を、差動増幅回路4段で構成する例を示したが、増幅段の段数は任意で構わない。また、差動増幅回路12A,12Bの出力部で信号を同相合成する例を示したが、任意の中間段の差動増幅回路(図3では例えば差動増幅回路11A,11Bや差動増幅回路13)の出力部で同相合成しても同様の効果が得られる。
【0022】
<第3の実施例>
図4に本発明の第3の実施例の振幅制限増幅回路を示す。図4において、図1におけるものと同様のものには同じ符号をつけた。本実施例は、1段目差動増幅回路3Cに差動型振幅制限増幅回路4を1つしか用いずに実施している。外部入力端子1,2を各々分岐して一方に平均値検出回路5Dを、他方に平均値検出回路5Eを接続する。外部入力端子1に接続された平均値検出回路5Dの出力を分岐後の外部入力端子2側に、外部入力端子2に接続された平均値検出回路5Eの出力を分岐後の外部入力端子1側に合成すれば、外部入力端子1,2の一方に信号を、他方にその信号から抽出した平均値を参照電位として与える従来技術の回路構成と同様の効果を、差動型振幅制限増幅回路4を1段目差動増幅回路3Cに1つしか用いずに実現することができる。
【0023】
図4では、2段目差動増幅回路6Aの差動型振幅制限増幅回路7の入力部も、平均値検出回路5F,5Gを用い、1段目と同様の回路設計思想を適用し対称構成にした例を示している。差動増幅回路の入力端子の一方に信号を、他方にその信号の反転信号の平均値を入力した場合の動作は、信号に直接信号自身の平均値を合成して入力するに等しいので、差動型振幅制限増幅回路7の差動入力端子対では、差動の各々の入力信号を分岐し、平均値検出回路5F,5Gで平均値を検出した後に、それを再び元の信号に合成して入力する構成とすることで、第1の実施例、第2の実施例の2段目差動増幅回路6と同様の機能を差動増幅回路6Aに実現している。
【0024】
本実施例の特徴としては、回路構成が非反転・反転側で対称な形を取ることができるので、回路内部に発生する電磁界が電界中和点を持ち安定的な動作が可能になるなど、特に集積回路などに応用した場合にメリットが得られる。
【0025】
<第4の実施例>
図5に本発明の第4の実施例を示す。図5において、図1におけるものと同様のものには同じ符号をつけた。第1の実施例から第3の実施例までに示した1段目差動増幅回路3A,3B、3Cは、各々回路構成は異なるがその機能は等しい。また同様に、2段目差動増幅回路も、第1、第2の実施例に示した差動増幅回路6と第3の実施例に示した差動増幅回路6Aとは同一の機能を有する。従って、第1の実施例から第3の実施例までに示した1段目差動増幅回路3A,3B、3Cと2段目差動増幅回路6,6Aは、任意の組み合わせで使用しても同様の効果が得られる。本実施例は便宜上、第3の実施例の1段目差動増幅回路3Cと第1の実施例の2段目差動増幅回路6を接続した例を示しているが、その他の組み合わせで用いても良い。
【0026】
<第5の実施例>
図6に本発明の第5の実施例を示す。図6において、図1におけるものと同様のものには同じ符号をつけた。19はヒステリシス比較回路、を示す。本発明の振幅制限増幅回路は、1段目差動増幅回路が平均値検出回路5A,5B,5D,5Eの帯域内の低周波成分に関して同相入力となるため、長い無信号区間が続いた場合、差動増幅回路がバランスしてしまい、出力信号の中間レベルに雑音を出力してしまう。ヒステリシス比較回路19を最終段に用いることで、信号が入力されるまでの間、差動増幅回路の非反転出力を“L”、反転出力側を“H”に固定することができる。
【0027】
なお、本実施例では第3の実施例の振幅制限増幅回路を用いているが、他の実施例のものにヒステリシス比較回路19を適用しても、同様の効果が得られる。
【0028】
<まとめ>
以上、各実施例で説明したように、従来回路の1段目差動増幅回路を2組設けて出力信号を合成したり、入力信号をあらかじめ分岐し、平均値検出した信号を他方の入力信号と合成したりすることで、従来技術と同等の機能を実現しつつ、差動入力インターフェースを実現することができるので、差動入力信号の電力損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例の振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例の振幅制限増幅回路と、その前段の前置増幅回路が差動出力構成の場合の接続状態を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施例の振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施例の振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施例の振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施例の振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のバースト対応振幅制限増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図8】従来のバースト対応振幅制限増幅回路の動作原理を示す波形図である。
【図9】従来のバースト対応振幅制限増幅回路と、その前段の前置増幅回路が差動出力構成の場合の接続状態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0030】
1,2:外部入力端子、3,3A,3B,3C:1段目差動増幅回路、4,4A,4B:差動型振幅制限増幅回路、5,5A〜5G:平均値検出回路、6,6A:2段目差動増幅回路、7:差動型振幅制限増幅回路、8,9:出力端子、10:差動型振幅制限増幅回路、11A,11B,12A,12B,13,14:差動増幅回路、15:光電気変換素子、16:前置増幅回路、17,17A,17B:結合容量、18:終端回路、19:ヒステリシス比較回路。
A,B,C,D,E,F:図7中では図8に示した電圧波形の回路上の観測部位を示し、図8中では、図7に示した回路上の対応するアルファベットで示した部位における電圧波形を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外部入力端子に入力側が接続された第1の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第1の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第1の平均値検出回路の出力側に接続された第1の差動型振幅制限増幅回路と、第2の外部入力端子に入力側が接続された第2の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第2の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第2の平均値検出回路の出力側に接続され、差動出力端子対が前記第1の差動型振幅制限増幅回路の差動出力端子対に対して同相の組合せで並列接続された第2の差動型振幅制限増幅回路とを備える1段目差動増幅回路、
該1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子に入力側が接続された第3の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第3の平均値検出回路の出力側に接続され、他方の端子が前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子に接続された第3の差動型振幅制限増幅回路とを備える2段目差動増幅回路、
を有することを特徴とする振幅制限増幅回路。
【請求項2】
請求項1に記載の振幅制限増幅回路において、前記1段目差動増幅回路を、
前記第1の外部入力端子に入力側が接続された前記第1の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第1の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第1の平均値検出回路の出力側に接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第1群の差動増幅回路と、
前記第2の外部入力端子に入力側が接続された前記第2の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子が前記第2の外部入力端子に接続され、他方の端子が前記第2の平均値検出回路の出力側に接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第2群の差動増幅回路と、
前記第1群の差動増幅回路の終段の差動増幅回路の差動出力端子対と前記第2群の差動増幅回路の終段の差動増幅回路の差動出力端子対を同相で並列接続した各端子に差動入力端子対が接続された初段の差動増幅回路および該初段の差動増幅回路の後段に縦続接続された0段又は1段以上の差動増幅回路からなる第3群の差動増幅回路と、
からなる別の1段目差動増幅回路に置き換えた、
ことを特徴とする振幅制限増幅回路。
【請求項3】
第1の外部入力端子に入力側が接続された第4の平均値検出回路と、第2の外部入力端子に入力側が接続された第5の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子に前記第5の平均値検出回路の出力信号と前記第1の外部入力端子に入力された信号を合成した信号が入力し、他方の端子に前記第4の平均値検出回路の出力信号と前記第2の外部入力端子に入力された信号を合成した信号が入力する第4の差動型振幅制限増幅回路とを具備する1段目差動増幅回路、
該1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子に入力側が接続された第6の平均値検出回路と、前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子に入力側が接続された第7の平均値検出回路と、差動入力端子対の一方の端子に前記第6の平均値検出回路の出力信号と前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の一方の端子の出力信号を合成した信号が入力し、他方の端子に前記第7の平均値検出回路の出力信号と前記1段目差動増幅回路の差動出力端子対の他方の端子の出力信号を合成した信号が入力する第5の差動型振幅制限増幅回路とを具備する2段目差動増幅回路、
を有することを特徴とする振幅制限増幅回路。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の1段目差動増幅回路と、請求項3に記載の2段目差動増幅回路とを縦続接続したことを特徴とする振幅制限増幅回路。
【請求項5】
請求項3に記載の1段目差動増幅回路と、請求項1に記載の2段目差動増幅回路とを縦続接続したことを特徴とする振幅制限増幅回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の振幅制限増幅回路において、
前記2段目差動増幅回路の後段に、ヒステリシス比較回路を接続したことを特徴とする振幅制限増幅回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−28263(P2010−28263A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184530(P2008−184530)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】