説明

接合された同心管

異なる性質を有する二以上の同心層を備えた管状物は、主に焼結時の収縮によって発生する圧縮力および摩擦力により、そして場合によっては機械的な連結により、製造時に互いに接合される。同心管は、強力な結合を実現するのに、互いに接着、化学結合または焼結結合される必要がない。このことは、例えばセラミックと金属のような異なる材料同士の接合を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の表明
本発明は、米国エネルギー省により、ローレンス・バークレー国立研究所の管理および運営を行うカリフォルニア大学評議会に与えられた契約DE−AC02−05CH11231のもと政府支援を受けてなされたものである。
発明の分野
本発明は、同心状に配置された管状物の接合に関し、固体酸化物燃料電池などの高温電気化学的装置において重要な用途を有する。本発明は、製造時の焼結の際に一方の管が他方の管に関して半径方向に収縮する方法により管状物を作製し、得られた物が半径方向において変化する性質を有するような状況に関連する。
【背景技術】
【0002】
背景
固体電気化学的装置は通常、2つの多孔質電極、つまり陽極および陰極と、両電極の間に設けられた緻密質固体電解質膜とを備えた電池である。典型的な固体酸化物燃料電池の場合、例えば、陽極は燃料に晒され、陰極は別の密閉装置内で酸化剤に晒されているため、燃料と酸化剤の混合は避けられる。
【0003】
電解質膜は通常、固体酸化物燃料電池の用途では、セラミック酸素イオン伝導体で構成される。別の実施態様、例えば気体分離装置では、固体膜は、イオン電子混合伝導体(“MIEC”)で構成されてもよい。多孔質陽極は、電池の燃料側の電解質膜と接触したセラミック、金属、またはセラミック−金属複合体(“サーメット”)の層であってもよい。多孔質陰極は、典型的には、イオン電子混合伝導性(MIEC)の金属酸化物、あるいは電子伝導性の金属酸化物(すなわちMIEC金属酸化物)とイオン伝導性の金属酸化物の混合物の層である。
【0004】
固体酸化物燃料電池は通常、電解質膜のイオン伝導性を最大にするために、約650℃〜約1000℃の温度で動作される。酸素イオンは、適切な温度では、電解質の結晶格子を通って容易に移動する。
【0005】
各燃料電池が比較的小さな電圧を発生するため、複数の燃料電池は、装置出力の増加に関連し得る。そのようなアレイまたはスタックは一般に、管状または平面的デザインを有する。平面的デザインは典型的には、導電性の相互接続体(interconnect)の上に順番に積み重ねて配置された平面的な陽極−電解質−陰極を有する。しかし、平面的デザインは一般に、装置を密閉することおよび平面スタックを多様化すること(manifolding)が複雑であるために、重大な安全性および信頼性の問題があると認識されている。長い多孔質の支持管と、支持管の上に設けられた電極および電解質層とを利用する管状デザインでは、装置に必要とされる封止(seal)の数が減少する。燃料または酸化剤は、管内部の溝または管外部を巡る溝を通過する。
【0006】
このような管状の燃料電池のデザインを実行するために、多様な性質を示す多層膜を用いて同心管構造を製造することは、特に高温電気化学装置の分野では日常的である。層間の結合は、典型的には、化学結合または焼結結合によって行われる。これは、互いに結合することができる材料の種類を限定する。例えば、セラミック層と金属層は一般に、化学的または焼結的手段では互いに容易に結合しない。加えて、全ての層を単一の未処理体として製造し、その後に共焼結する従来の製造手順では、外側同心層の適用前に内側同心層の外側を点検するのに望ましい機会は得られない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、高温で動作する装置内での使用に適した同心管構造を接合するための技術の改良が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、複数の同心管構造を接合して複合管構造を形成する方法を提供することにより、この要求に対処するものである。その方法は、内側管構造および外側管構造を同心状に配置することと、同心状に配置した前記管構造を焼結することで、外側管構造が半径方向に収縮して内側構造に機械的に接合し、複合管構造が形成されることとを備える。
【0009】
本発明は、異なる性質を有する二以上の同心層を備えた管状物の製造を容易にする。同心層は、主に圧縮力および摩擦力により、そして場合によっては機械的な連結により、製造時に互いに接合される。つまり、同心管は、強力な結合を実現するのに、互いに接着、化学結合または焼結結合される必要がない。このことは、例えばセラミックと金属のような異なる材料同士の接合を容易にする。本発明の更なる利点は、外側同心層の適用前に内側同心層の外側を点検するための機会である。これにより、内側同心層の品質保証の機会が得られる。これは、全ての層を単一の未処理体として製造し、その後に共焼結する製造手順では不可能なことである。
【0010】
また、この製造方法は、内側構造と外側構造の間に追加の構造を組み込み、その後に一緒に接合してより複雑な構造を形成することが可能である。
本発明のこれらの特徴および他の特徴ならびに利点を、以下の説明において図面を参照しながら更に詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
詳細な説明
ここに、本発明の特定の実施形態をより詳細に参照する。特定の実施形態の例を添付の図面に示している。これらの特定の実施形態と組み合わせて本発明を記載するが、本発明をこのような特定の実施形態に限定するものではないことを理解されたい。逆に、添付の特許請求の範囲に含まれ得る代替例、変形例および均等物が含まれるものとする。以下の記載において、本発明の全般的な理解を得るために、数多くの具体的な詳細が示されている。これらの具体的な詳細の一部または全てを用いずに、本発明を実施してもよい。また、いたずらに本発明が分かりにくくならないよう、周知の工程操作は詳細に記載していない。
【0012】
本発明は、複数の同心管構造を接合して複合管構造を形成する方法を提供する。その方法は、内側管構造および外側管構造を同心状に配置することと、同心状に配置した管構造を焼結することで、外側管構造が半径方向に収縮して内側構造に機械的に接合し、複合管構造が形成されることとを備える。本発明は、異なる性質を有する二以上の同心層を備えた管状物の製造を容易にする。管は円形断面である必要はない。層同士は、主に圧縮力および摩擦力により、そして場合によっては機械的な連結により、製造時に互いに接合される。つまり、同心管は、強力な結合を実現するのに、互いに接着、化学結合または焼結結合される必要がない。このことは、例えばセラミックと金属のような異なる材料同士の接合を容易にする。
【0013】
本発明は、固体酸化物燃料電池などの高温電気化学的装置の製造において有効に用いられ、主にこの実施形態に関連して本発明をここに記載する。電気化学電池は一般に、多孔質の陽極と多孔質の陰極の間に設けられたイオン伝導性の電解質を、それぞれの集電体(current collector)とともに備える。例示の目的で電気化学電池の例として燃料電池を用いるが、本発明はそれに限定されず、電気化学電池が、酸素発生装置、合成ガス(syn-gas)発生装置もしくは水素ガス分離装置、または他の類似の電気化学装置であってもよいことは理解されよう。
【0014】
当該技術分野で用いられている以下の一般的な材料の略語は、次のような記載で用いられることもある。
“YSZ” (ZrO(Y ここで、0.88≧X≧0.97であり、0.03≦y≦0.12である。好ましい材料は、市販の(ZrO0.92(Y0.08、または(ZrO0.90(Y0.10である。
【0015】
“SSZ” (ZrO1−2X(Sc、(ZrO1−2X(ScX−z(Y、または(ZrO1−2X−z(Sc(CeO 0<X≦0.25であり、0<z≦1である。好ましいSSZ材料としては、(ZrO0.9(Sc0.05、(ZrO0.9(Sc0.045(Y0.005、および(ZrO0.9(Sc0.05(CeO0.01が挙げられる。
【0016】
“LSM” La1−XSrMn3−δ 1≧X≧0.05であり、0.95≦y≦1.15である。(δは、完全な化学量論からのわずかな偏差を意味する値として定義される。)好ましいLSM材料としては、La0.8Sr0.2MnO、La0.65Sr0.30MnO3−δ、およびLa0.45Sr0.55MnO3−δが挙げられる。
【0017】
“SYTO” Sr1−XTiO3−δ ここで、0.5≧X≧0であり、0≦Z≦5である。(δは、完全な化学量論からのわずかな偏差を意味する値として定義される。)好ましいSYTO材料としては、Sr0.880.08TiOが挙げられる。
【0018】
“CGO” (CeO1−2X(Gd ここで、0≦X≦0.25である。好ましいCGO材料としては、Ce0.8Gd0.21.9およびCe0.9Gd0.11.95が挙げられる。
【0019】
“LSGM” La0.8Sr0.2Ga0.85Mg0.152.825
本発明を、図1および図2に概略的に示す。多孔質の管状体は、焼結時に半径方向の収縮を受ける。本発明は、この収縮を利用して同心管を互いに接合する。独立した多孔質の管状物100の焼結時、管状物は、管の長さに沿って、また断面平面において収縮する。断面の周囲長および直径の両方が、それぞれ図1の矢印102,104で示すとおり、焼結時に減少する。収縮は一般に、時間、および焼結温度の上昇につれて増加する。半径方向の収縮は、半径方向の圧縮焼結力(compressive sintering force)に伴って起こる。この力を利用することで、管が互いに機械的に結合し、同心管同士の間に非常に強固な嵌合が得られる。要するに、内側管の上に外側管を“収縮包装”することができる。
【0020】
管状の固体酸化物燃料電池の場合、外側電極に密着する外側集電体(“CC”)を有することが望ましい。CCは、電極の表面との間で電子を交換するための低抵抗の電気的接続を提供し、CCと電極の間の界面は、熱サイクル、機械的振動などに対して耐性がなくてはならない。それゆえ、CCと電極の間の電気的接続および機械的接続はいずれも強固でなければならない。本発明によるCCの焼結に関連する半径方向の圧縮焼結力は、この接続を提供することが可能である。
【0021】
図2は、接合された同心管構造を製作するための本発明の方法を断面図で示している。外側構造は、焼結の前に内側構造の回りに押し付けて、あるいは巻き付けて、あるいは滑らせて、あるいその他の方法で同心状に配置されうる。焼結の以前、外側構造は内側構造に機械的に接触していてもよいが、両者の間に強固な結合はない。外側CC202は、矢印206で示されるとおり、焼結により電池本体204に収縮嵌合される。
【0022】
図3A〜図3Dは、本発明により製造された管構造、この場合SOFCの断面概略図を示す。図3Aにおいて、内側CC302(例えば、多孔質金属、多孔質セラミックまたは多孔質サーメット)、内側電極304(例えば、電池の用意の後に触媒で浸潤させられる多孔質LSM/YSZ、多孔質Ni/YSZ、または多孔質YSZ)、および電解質306(例えば、緻密に焼結する多孔質YSZ)で構成された三層管300が共焼結される。図3Bにおいて、次に、電解質306の外表面に外側電極308(例えば、電池の用意の後に触媒で浸潤させられる多孔質LSM/YSZ、多孔質Ni/YSZ、または多孔質YSZ)が塗布(apply)される。あるいは、図3Aを参照して記載するように、外側電極は焼結の前に塗布されてもよい。
【0023】
図3Cおよび図3Dは、本発明の主な態様を示している。図3Cにおいて、未処理の外側CC管310(例えば、多孔質金属)は、内側管構造301の周りに同心状に配置される。その後、同心管を焼成し、その際、外側CC310が焼結して外側電極308上に収縮し、図3Dに示された構造を形成する。ステンレス鋼の外側CC管の場合、焼成(焼結)は、真空雰囲気下または還元雰囲気下(例えば、4%H2/96%Ar)において900〜1400℃(好ましくは1200〜1300℃)で0.5〜5時間(好ましくは2〜4時間)行うことができる。
【0024】
外側管を内側管に焼結する前に、外側電極の外側または外側CCの内側のどちらかに、追加の材料層を適用することが可能である。この層が微細な導電性材料(例えば、LSM、LaCrO3、Pr2NiO4、直径25μm未満の金属粒子、例えばAg、Au、Cu、Mo、Pt、FeCr、NiCr、およびそれらの合金など)で構成されている場合、外側電極と外側CCの間の電気的な接続を改善することができる。さらに、この層は、電極材料とCC材料の間の化学的相互作用を遮断することができる。例えば、NiCr系またはFeCr系のCCからCr種が電極に移動するのを遮断することが望ましい場合がある。
【0025】
同じ焼結プロトコルに供したときに内側管構造が外側CCよりも収縮しない場合には、両方の管を単一の工程で共焼結することができる。そのような場合、両方の管は同時に収縮するが、外側管がより大きく収縮して内側管を締め付けることになる。
【0026】
本発明の実施態様は、同心管のそれぞれに適した適切な焼結プロトコルおよび選ばれた多孔性を備えるため、そのような多孔性および焼結プロトコルと結びついた適切な収縮により、所望の結果が得られる。例えば、外側管が電気化学装置の集電体として機能する場合、外側管は、(a)反応物および生成物の流れが通るのを可能にするのに十分な孔空間と、(b)機械的完全性および効率的な集電を確実にするよう良好に接続される粒子とを備えなければならない。焼結工程において、外側管はまず、自由焼結を受けて内側管に接触するまで収縮し、その後、拘束焼結を受ける。
【0027】
外側管と内側管の間の初期の間隙が十分に小さくなるように選択することで、自由焼結時の半径方向の収縮でその間隙は埋まり、内側管と外側管が確実に接触する。適切な間隙は、含まれる材料の自由焼結特性に依存し、ここに提供されるパラメータを与えられた当業者により容易に把握することができる。一般に適切な間隙は、外側管の内径の約0〜32%、好ましくは0〜18%の範囲内である。
【0028】
自由焼結および拘束焼結の期間の間、外側管の形態は変化する。一般には、粒子が互いに焼結して孔容積が減少する。そのため、最終生成物において多孔質の外側管が望ましい場合、例えば、SOFC CCの場合には、焼結時の孔容積の低下を可能にするのに十分なだけ、外側管の未処理密度が低くなるよう制御しながら、最終構造における十分な孔空間を保つことが重要である。しかし、外側管の未処理密度は、未処理の外側管の取扱い強度を確保するためには十分高くなければならない。半径方向の収縮、粒子間の焼結、および孔容積の減少の度合いは、加熱速度、焼結温度、および焼結時間などの焼結プロトコルのパラメータにより調整することができる。一般には、焼結温度および/または焼結時間が増大することにより、半径方向の収縮は増加し、粒子焼結は増大し、孔容積は減少する。材料選択および焼結工程に適切なパラメータは、ここに開示したものを与えられた当業者により容易に把握することができる。以下に示す実施例は、これらのパラメータの幾つかの例示を提供する。
【0029】
図4は、図3A〜図3Dを参照して記載した本発明の方法により製造される固体酸化物燃料電池の管要素の界面の拡大断面図である(1000倍)。外側CC402(外側管構造)は、内側管構造(外側電極404、電解質406、内側電極408、および内側CC410)と良好に結合した。外側CC402の金属粒子と外側電極404のYSZ粒子の間の機械的な連結を、図4の矢印で示した部分に視覚化している。この材料の特定の組合わせでは、外側CC420と外側電極404の間に化学的結合または焼結結合が存在しないことに留意されたい。外側CC402の収縮および焼結時に、これらの層の間を密着させる半径方向の圧縮力のみにより、結合されている。
【0030】
一般に本発明のSOFCの実施態様では、内側CCおよび外側CCは、多孔質の金属(例えば、FeCr、NiCr、Ni、Cu、Ag、Auなど、FeCr、NiCr、Ni、Cu、Ag、Auなどに基づく合金、およびこれらの混合物)またはサーメット(例えば、Ni/YSZ、Cu/YSZ、NiCr/YSZ、Ni/SSZ、Cu/SSZ、NiCr/SSZ、Ni/CGO、SYTO/YSZなど)であってもよい。電解質は、セラミック(例えば、YSZ、SSZ、CGO、LSGMなど)である。電極は、金属、サーメットまたはセラミック(例えば、Ni、Co、Ru、Cu、Pt、Ag、CeO、Cu/YSZ、Ni/YSZ、LSM/YSZなど)であってもよい。例えば、本発明の幾つかの好ましい実施形態は、(a)陽極支持構造(例えば、Ni/YSZ支持体上の薄いYSZ電解質)、(b)電解質支持構造(例えば、薄い内側電極および厚いYSZ支持体)、または(c)金属支持構造(例えば、ステンレス鋼支持体上の薄いYSZ電解質および薄い内側電極)を備えた内側管上に外側の金属製集電管を接合させることを含む。加えて、外側電極は、電池構造の組立ての際、もしくはその後に塗布(apply)してもよく、あるいは外側CCを塗布した後に、浸潤または他の手段により塗布してもよい。
【0031】
参照により本明細書中に組み込まれる同一出願人による国際特許出願PCT/US2005/043109号に記載されているように、本発明により達成される機械的結合は、装飾材料の使用によって補完することが可能である。例えば、本発明により得られる機械的接合に加えて、セラミック(例えば、YSZ)粒子で装飾された金属(例えば、FeCr、NiCr、Ni、Cuなど、FeCr、NiCr、Ni、Cuなどに基づく合金、およびこれらの混合物)で構成された外側管構造により、焼結結合を形成してもよい。この方法によれば、金属の表面がセラミックの粒子で装飾されて複合体が形成される。装飾は、延性の高い材料の表面に延性の低い材料を、機械的埋設、含浸、押し出し、押し込み(forcing)、あるいはその他の方法で結合させることを含む。例えば、セラミックを金属の表面に押し出すことにより、金属体または金属粒子の表面をセラミック粒子で装飾することができる。金属は、セラミック粒子の周りで変形し、摩擦、応力、および/または機械的な連結により、セラミック粒子が金属表面から容易に除去されるのを防ぐ。装飾は一般に、装飾表面を部分的に覆い、例えば、延性の高い材料の表面積の約10〜80%を、延性の低い材料で装飾する。一部の具体的で有用な部分的範囲は、30〜60%、約50%、または約20〜30%の面積の領域を被覆することである。同心状に配置した管の焼結時、外側管構造が収縮して内側管構造と機械的に結合すると同時に、外側管構造の上のセラミック装飾が内側管構造のセラミック(例えば、外側電極または電解質)に結合してさらに強固な結合を形成する。この接合法は、化学的に互いに不活性な異なる材料(例えば、金属とセラミック)を接合するのに適していると同時に、この二つの材料をシャープな界面で強力に結合させる。焼結結合を向上させるためには、装飾される材料の表面に装飾する材料の凝集体を形成するべく、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などの結合剤を装飾時に混合媒体に添加してもよい。
【0032】
本発明により達成される機械的結合は、ろう材料の使用によって補完することも可能である。例えば、外側管の内側、内側管の外側、あるいは2つの管の間にろうを配置することができる。外側管を内側管の上に焼成する際、ろうが溶融して内側管と外側管が結合し、2つの管の間に強力な接合が出来上がる。ろうは、管同士の間に封止領域を提供することもできる。もちろん、管の全長にわたってろうが延びている必要はなく、むしろ限られた領域、例えば管の端部近くに帯状に配置してもよい。適切なろうとしては、限定するものではないが、Ag、Au、Cu、Ni、Ti、Pd、Pt、Cr、およびそれらの合金に基づくものが挙げられる。Ti、Hf、V、Zrなどの追加の元素をろう中に存在させることにより、セラミック表面の湿潤性を向上させてもよい。例えば、YSZ外側表面を有する内側管と金属で構成された外側管の間に、Tiを含有したAg−Cuろうを配置し、2つの管の間の結合および封止を改善することができる。
【0033】
もちろん、電極/電解質/結合/ろう付け/導電層のいずれかまたは全てを外側管の内側に適用し、内側管の上に収縮させることも可能である。金属管の全てまたは一部を、焼結後に緻密化するような適切な材料にすることも可能である。これは、封止、嵌合、フランジ、マニホールドなどを生成するのに、あるいは電池の内側または外側の電流を交換する高導電性接触領域を付与するのに望ましい。
【0034】
先に示したとおり、外側管が内側管に接触するまで収縮すると、外側管の焼結が拘束されることになる。したがって、外側管の収縮総量は、自由焼結の場合(すなわち、内側管によって収縮が拘束されない場合)よりも小さくなる。内側管と未処理の外側管の間の間隙の幅を選択することにより、外側管の収縮(すなわち、自由焼結の量対拘束焼結の量)を制御することができる。これは、焼結された外側管の性質を制御するうえで有用となり得る。例えば、焼結体の密度は、所定の未処理密度での収縮総計に応じて上昇する。したがって、小さい間隙の幅を選択した場合、外側管が少しだけ収縮するので、外側管を自由焼結させた場合に得られるよりも低密度を有することになる。
【0035】
収縮総量を制御することは、異なる自由焼結収縮を示す層を共焼結する場合にも有用となり得る。例えば、薄い多孔質の未処理セラミック層を、多孔質の金属未処理管の上に支持させることができる。セラミックフィルムを緻密化するのに必要な収縮が金属支持体の自由焼結収縮よりもかなり小さい場合、セラミックフィルムが緻密化した後に金属支持体を焼結し続けると、フィルム中に大きな圧縮応力が発生する可能性がある。このような応力は、セラミックフィルム中にゆがみまたはその他の欠陥を引き起こす可能性がある。セラミック/金属の未処理構造の自由焼結された内径よりも大きな内側管を挿入することにより、セラミックフィルムの緻密化に必要とされるのに近い値にまで未処理の構造の収縮を制限することができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、半径方向の圧縮焼結力を利用して、内側管構造と外側管構造の間の部材を捕捉することもできる。本発明のこの態様の実施形態を、図5A〜図5Bの長手方向断面図に示す。継手502は、焼結前、外側管部材504(例えば、多孔質の金属集電体)と内側管部材506(例えば、図3Bに示した燃料電池電極/電解質構造)の間に配置されている。焼結後、継手502は、図5Bに示すとおり、内側管506と外側管504の間に捕捉される。この技術を利用して、管構造を互いに接合したり支持ハウジングに接合したりすることができるし、流体マニホルドを内側管に提供することができる。
【0037】
好ましくは、継手502は、継手が内側管の上に収縮し、かつ、外側管が継手の上に収縮するように、それ自体が焼結時に若干の収縮を受ける。これにより、管同士の間に継手を捕捉する堅実性が向上する。収縮時に完全密度にまで焼結するわずかに多孔質の未処理の継手は、焼結前は内側管506の周りに緩く嵌合するが、焼結後には気密になり得るため、好ましい。あるいは、状況次第では、内側管の上に非常に強固に嵌合し、焼結時に収縮しない継手を用いてもよい。
【0038】
更に他の例では、継手および外側管は単一の部材であってもよい。例えば、管の本体は焼結後も依然として多孔質であるが、管の端部は焼結時に緻密化するように、外側管を構成することにより、基本的に継手として有用になる。もちろん、管の本体と継手部分の厚さが同じである必要はない。継手部分は、焼結時に緻密化する突起、フランジなどを含んでいてもよい。つまり単一の工程で、多孔質の外側管および継手を、内側管に接合させることができる。内側管が焼成時に収縮する場合には、このような継手は、内側管の一体化された部分にもなり得る。さらに、焼成後に2つの管の両方が緻密化する領域の管同士の間にろうを配置した場合、気密封止を実現することができる。これらの選択肢は、緻密質領域のうちの少なくとも1つが金属である場合に、特に興味深い。適切な金属は、FeCr、NiCr、Ni、Ag、Cu、ならびにそれらの合金および混合物であってもよい。
【0039】
図6A〜図6Bに示す本発明の別の態様によれば、例えば、外側管604の収縮により提供される基本的な力によって外側管と内側管の間、あるいは管と継手608の間に良好な結合が提供されるのに十分でない状況などには、内側管606の周りの外側管の収縮に伴う半径方向の圧縮力を補完してもよい。追加の半径方向の圧縮焼結力は、外側管604よりも焼結時の自由収縮または半径方向の圧縮力の大きい材料からなる追加管またはリング602によって提供することができる。外側管604の外側にこのような管またはリング602を配置した場合、焼結時に管および/または継手の押し込みを助けることができる。追加の管またはリング602は、焼結後に除去することができるし、あるいは管装置の機能を妨げない場合にはそのまま残すこともできる。
【0040】
図6Aおよび図6Bはそれぞれ、焼結前および焼結後の本発明の態様を示している。焼結時に高度の収縮および/または高度の半径方向の圧縮力を示す材料からなるリング/管602を用いて、外側の未処理管構造604と内側管構造606の間に配置された継手608の周りで圧縮を補助している。矢印610は、リング/管602により提供される圧縮力を表す。リング/管602を、外側管604の長さに沿って延長することにより余分の圧縮力を提供し、内側管604と外側管606を接合させることもできる。
【0041】
図7A〜図7Bに示した本発明のさらなる態様によれば、外側管と内側管の間の機械的な連結は、内側管の表面が滑らかでない場合に向上する可能性がある。例えば、内側管の表面は、突起、リブ、隆起線(ridge)、波形(corrugation)、くぼみなどを有していてもよい。これが収縮すると、外側管が内側管の形状の周りで変形して機械的な連結が提供される。このような筋書きの一つを図7A〜図7Bに示す。図7Aは、本発明により焼結前の外側管706の内側に設けられた突起704とともに、内側管702を示している。図7Bは、焼結後の複合管構造708を示している。外側管706は、収縮後は突起704に密着し、管同士が互いに回転またはスライドできないように機械的な連結を提供する。
実施例
以下の実施例は、本発明の具体的な実施形態の構造的および性能的な詳細を例示して提供するために示す。実施例は、本発明の態様を具体化するために、そしてより明瞭に例示するために示しており、限定するためのものではない。
【0042】
図4に示された構造を達成するための方法を記載する。この場合、内側管は、多孔質の金属支持層(内側CC)、内側電極、および緻密質のYSZ電解質を含んでいた。内側管を外側管に挿入する前に、外側電極を塗料として内側管に塗布した。塗料は、YSZ粉末、水性アクリル酸結合剤、およびポリメタクリル酸メチル造孔剤粒子からなるものであった。外側管(外側CC)を脱結合(debind)し、素焼き(bisque fired)して、内側管の周りにはめた後、2つの管を一緒に焼結した。焼結の際、図4で明白なように、外側電極と外側CCの間の密着が得られ、外側電極は内側管の電解質の上に焼結した。脱結合および素焼き工程は必須ではなく、一般には、結合剤の選定および外側管を焼結する前に必要な取り扱いの種類に依存することに留意されたい。ここに記載した工程の前に、内側管を予め1300℃で焼結した。したがって、内側管は、外側管の焼結時にほとんど収縮しなかった(<2%)。
【0043】
以下の表には、未処理の外側管、焼結プロセス、および得られた外側管の幾つかのパラメータを示している。外側管を用意して、内側管の周りに同心状に嵌合させると、その外径は0.9cmであった。
【0044】
【表1】

外側管は、寸法が45〜53μmの水噴霧した434合金ステンレス鋼粒子から作製した。その粒子をアクリル酸結合剤(15重量%アクリル酸水溶液)および造孔剤(ポリエチレングリコール300)と、金属10g:アクリル酸溶液2g:造孔剤2gの比で混合した。得られた混合物を乾燥し、粉砕して、凝集サイズ<150μmでふるいにかけた。得られた粉末を管状の金型に入れ、20kpsiで静圧プレスした。外側管の内径が内側管の外径よりも大きくなるように、金型のマンドレルの口径を選択した。未処理の圧縮管の部分を内側管と同程度の長さに切断した。その後、未処理の管を空気中、525℃で1時間、脱結合して(加熱速度0.5℃/分)、アクリル酸およびポリエチレングリコール300を除去した。その後、管を還元雰囲気下(4%H/96%Ar)、1000℃で2時間素焼きした(加熱速度200℃/時間)。素焼きの際、管は最小限に焼結し、取り扱い強度が向上したが、収縮は3%未満であった。
【0045】
素焼きの後、外側管を内側管(塗布された外側電極を含む)の周りにはめて、両者を上記の表のプロトコルに従って一緒に焼結した。焼結の際、塗布した外側電極が内側管の電解質の上に焼結し、外側管は内側管の上に収縮して、外側管と内側管の外層の間に機械的結合および密着が得られた。
【0046】
同様の結果が、外側管として金属の混合物を用いた場合に実現した。例えば、90重量%434合金/10重量%Cuを、上記実施例の純粋な434合金と置き換えることができた。この方法は、例えば焼結プロトコルを調整することにより、広範囲の金属またはサーメットの外側管に拡張することができる。
【0047】
この実施例において、外側管を内側管の上に焼結した後に、外側電極用の触媒(例えば、LSM)を浸潤することができる。浸潤は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる同時継続の国際特許出願PCT/US2006/015196号に示したような技術により達成することができる。多孔質構造(例えば、イオン伝導性材料から形成されたもの)に前駆体溶液(例えば、電子伝導性材料用)を浸潤させることにより複合体(例えば、混合された電極)を形成する方法で、単回の浸潤により多孔質構造の上またはその内部に微粒子層が得られる。その方法は、少なくとも1種の金属塩および界面活性剤を含んだ溶液を形成することと、その溶液を加熱して溶媒をほぼ蒸発させ、濃縮された塩および界面活性剤溶液を形成すること(例えば、約70〜130℃の間)と、濃縮溶液を多孔質構造に浸潤させて複合体を生成することと、複合体を加熱して塩および界面活性剤をほぼ分解し、酸化物および/または金属粒子にすること(例えば、500℃よりも高いが100℃未満、例えば800℃)を備える。その結果が、多孔質構造の孔壁の上の微粒子層である。好ましい実施形態において、微粒子層は、連続的な網目状である。これは、触媒が外側管の焼結に必要な高温還元条件に晒される必要がないため、有利である。
【0048】
図4に示したものと類似の構造を、100〜700℃の熱サイクルにかけ、700℃で90時間超の間、空気中で酸化したが、外側管と内側管の間の接触に損失はなかった。
ステンレス鋼の外側集電管を、上記方法により、同様に陽極支持管状SOFC構造および電解質支持管状SOFC構造に適用した。陽極支持管は、Ni/YSZ(約1mm厚)の上に支持された薄い緻密質のYSZ電解質(約25μm厚)を含んでいた。電解質支持管は、薄い内側電極(約25μm厚)を備えた緻密質のYSZ電解質層(約1μm厚)を含んでいた。両方の例で、ステンレス鋼外側管を焼結する前に、外側電極を内側管の外表面に塗布した。ステンレス鋼外側管は、陽極支持内側管および電解質支持内側管のいずれの場合も、内側管に良好に接合された。なお、この方法を利用して、外側集電管を陰極支持電池構造に適用することが可能であることは明らかである。
【0049】
内側管および外側管の高さおよび直径、ならびに外側管の焼結前に両者の間に得られる間隙を様々な寸法にすると、これまで記載したものと同様の構造が得られた。
結論
こうして本発明は、異なる性質を有する二以上の同心層を備えた管状物の製造を容易にする。層は、主に圧縮力および摩擦力により、そして場合によっては機械的な連結により、製造時に互いに接合される。つまり、同心管は、強力な結合を実現するのに、互い接着結合、化学結合または焼結結合される必要がない。このことは、例えばセラミックと金属のような異なる材料同士の接合を容易にする。本発明の更なる利点は、外側同心層の適用前に内側同心層の外側を点検するための機会である。さらに、この製造方法は、内側構造と外側構造の間に追加の構造を組み込み、その後に一緒に接合してより複雑な構造を形成させることが可能である。
【0050】
本発明は、主に管状の固体酸化物燃料電池に関連して記載したが、より広範な適用性が見込まれる。本発明は、管状物が高温(900℃を超える)の方法により生成され、管が製造時に半径方向に収縮して、得られた物が半径方向において変化する性質を有するような状況に関連する。そのような性質としては、限定するものではないが、孔径、総空隙率、化学組成、電子絶縁性または電子伝導性、熱絶縁性または熱伝導性、耐摩耗性などが挙げられる。
【0051】
上述した本発明を、理解を明瞭にするために若干詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および改良を実行し得ることは、明白であろう。本発明の方法および組成物の両方を実行する多くの代替法が存在することに留意すべきである。したがって本発明の実施形態は、例示であり、限定とみなすべきではなく、本発明は本明細書に示された詳細により限定されるものではない。
【0052】
本明細書に引用された全ての参考文献は、全ての目的のために参照により組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】自由焼結を受ける管の断面図を示す。
【図2】本発明による、予め焼結された内側管に焼結された外側管の断面図を示す。
【図3A】本発明により製造された管構造、この場合SOFCの断面概略図を示す。
【図3B】本発明により製造された管構造、この場合SOFCの断面概略図を示す。
【図3C】本発明により製造された管構造、この場合SOFCの断面概略図を示す。
【図3D】本発明により製造された管構造、この場合SOFCの断面概略図を示す。
【図4】図3A〜3Dを参照して記載した本発明の方法により製造された固体酸化物燃料電池の管要素の界面の拡大図である。
【図5A】半径方向の圧縮焼結力を用いて内側管構造と外側管構造の間の部材を捕捉する本発明の一態様の実施形態を示す。
【図5B】半径方向の圧縮焼結力を用いて内側管構造と外側管構造の間の部材を捕捉する本発明の一態様の実施形態を示す。
【図6A】追加の管またはリングにより内側管の周りの外側管の収縮に関連する半径方向の圧縮力が補完される本発明の一態様の実施形態を示す。
【図6B】追加の管またはリングにより内側管の周りの外側管の収縮に関連する半径方向の圧縮力が補完される本発明の一態様の実施形態を示す。
【図7A】内側管の表面が突起を有する場合に外側管と内側管の間の機械的な連結が向上する本発明の一態様の実施形態を示す。
【図7B】内側管の表面が突起を有する場合に外側管と内側管の間の機械的な連結が向上する本発明の一態様の実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の同心管構造を接合して複合管構造を形成する方法であって、
内側管構造および外側管構造を同心状に配置することと、
同心状に配置した前記管構造を焼結することで、外側管構造が半径方向に収縮して内側構造に機械的に接合し、複合管構造が形成されることと
を備える方法。
【請求項2】
前記焼結の以前、前記内側管構造は、焼結された管部材からなり、前記外側管構造は、未処理のまたは素焼きされた管部材からなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記焼結の以前、前記内側管構造は、未処理のまたは素焼きされた管部材からなり、前記外側管構造は、自由焼結時に内側管部材よりも高度に線収縮する未処理のまたは素焼きされた管部材からなる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記内側管構造は単一の管部材である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記内側管構造は複数の同心層を備える請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記内側管構造および外側管構造は、孔径、総空隙率、化学組成、電子絶縁性または電子伝導性、イオン絶縁性またはイオン伝導性、熱絶縁性または熱伝導性、耐摩耗性、およびそれらの組合せからなる群から選択される異なる性質を有する部材からなる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複合構造は固体酸化物燃料電池構造である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記内側管構造は、金属、セラミックおよびサーメットからなる群から選択される材料からなる同心層を備える請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記外側管構造は金属からなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記金属は多孔質金属である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記多孔質金属は、FeCr、NiCr、Ni、Ag、Cuならびにそれらの合金および混合物からなる群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記内側管構造の外面には、一以上の機械的な連結構造が設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記一以上の機械的な連結構造機構は、突起、リブ、隆起線、波形、くぼみ、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記外側管構造は、前記一以上の機械的な連結構造に係合するように変形する請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記内側管構造および外側管構造の間には、それらに機械的に接合した中間部材が設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記中間部材は緻密質金属から形成されている請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記中間部材は、管構造が他の物体に接合するのを容易にする請求項15または16のいずれか一方に記載の方法。
【請求項18】
前記内側管構造または外側管構造の一部分は、焼成時に緻密化する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
緻密な前記一部分は金属であって、管構造が他の物体に接合するのを容易にする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記外側管構造の周りに第3の部材を同心状に配置することと、
焼結時に前記外側管構造よりも大きく第3の管部材が収縮することによって引き起こされる半径方向の圧縮力により、前記外側管構造に半径方向の圧縮力を加えることと
を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の部材はリングである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の部材は管である請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記内側構造および外側構造は、半径方向の圧縮力のみで接合される請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記内側構造および外側構造は、半径方向の圧縮力に加えて、焼結結合により接合される請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記焼結結合は、セラミック粒子で装飾された金属からなる外側管構造を用いて行われる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記内側管構造は、
多孔質金属からなる管状の内側集電層と、
前記内側集電層に隣接し、多孔質セラミック電解質からなる内側電極層と、
前記内側電極層に隣接し、緻密質セラミックからなる電解質層と、
前記電解質層に隣接し、多孔質セラミック電解質からなる外側電極層と
を備える請求項9に記載の方法。
【請求項27】
前記内側構造および外側構造は、半径方向の圧縮力に加えて、ろう付けまたは液相焼結により接合される請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記ろうまたは液相はCuまたはその合金からなる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ろうまたは液相はAgまたはその合金からなる請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ろうまたは液相はMoまたはその合金からなる請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の層のうちの一つは緻密質電解質である請求項5に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の層は厚さが様々であり、前記複数の層のうち最も厚い層が緻密質電解質である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
最も外側の層が緻密質電解質である請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記電解質はYSZまたはSSZである請求項31〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記電解質はCGOまたはLSGMである請求項31〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記外側管構造は複数の同心層を備える請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記外側管構造の複数の管状層のうちの一つは、焼結時に緻密化する多孔質電解質である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記電解質はYSZまたはSSZである請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記電解質はCGOまたはLSGMである請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記外側管構造は単一の管部材である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記管部材は多孔質金属からなる請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記多孔質金属は、FeCr、NiCr、Ni、Ag、Cuならびにそれらの合金および混合物からなる群から選択される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記複数の層のうちの一つは、多孔質電解質、多孔質MIEC、電解質とMIECの多孔質混合物、または電解質と金属の多孔質混合物からなる請求項5に記載の方法。
【請求項44】
前記複数の層は厚さが様々であり、最も厚い層が多孔質電解質、多孔質MIEC、電解質とMIECの多孔質混合物、または電解質と金属の多孔質混合物からなる請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の層のうち最も外側の層が多孔質電解質、多孔質MIEC、電解質とMIECの多孔質混合物、または電解質と金属の多孔質混合物からなる請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記電解質はYSZまたはSSZである請求項43〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記MIECはCGOまたはSYTOである請求項43〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記金属は、FeCr、NiCr、Ni、Cuならびにそれらの合金および混合物からなる群から選択される請求項43〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
最も外側の層は、外側管の半径方向の収縮を引き起こすのと同じ焼成工程時に内側管に焼結される請求項26または43〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記外側管構造は二以上の同心層を備える請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記外側管構造の最も内側の層は、多孔質電解質、多孔質MIEC、電解質とMIECの多孔質混合物、または電解質と金属の多孔質混合物である請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記電解質は、YSZおよびSSZからなる群から選択される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記MIECはCGOまたはSYTOである請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記金属は、FeCr、NiCr、Ni、Cuならびにそれらの合金および混合物からなる群から選択される請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記複数の層のうちの一つは多孔質金属である請求項5に記載の方法。
【請求項56】
前記多孔質金属は、FeCr、NiCr、Ni、Cuならびにそれらの合金および混合物からなる群から選択される請求項55に記載の方法。
【請求項57】
焼結の以前、外側部材と内側部材の間には、導電性材料からなる多孔質層が配置される請求項1に記載の方法。
【請求項58】
前記導電性材料からなる層は、Ag、Au、Cu、Mo、Pt、FeCr、NiCrまたはそれらの合金からなる請求項57に記載の方法。
【請求項59】
焼結前の前記導電性材料の粒子サイズは25μm未満である請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記焼結は、900℃を超えるまで前記構造を加熱することにより行われる請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記加熱は、還元雰囲気下または真空雰囲気下で行われる請求項60に記載の方法。
【請求項62】
請求項1〜61のいずれかに記載の方法により製造される複合管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2009−544502(P2009−544502A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521730(P2009−521730)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029580
【国際公開番号】WO2008/016345
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(500210903)ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア (31)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】