説明

接合装置、接合方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】金属の接合部を有する基板同士の接合を効率よく行い、基板接合処理のスループットを向上させる。
【解決手段】接合装置40は、接合ユニット70と熱処理ユニット71を一体に接続した構成を有している。接合ユニット70は、重合ウェハWを載置して熱処理する第1の熱処理板110と、第1の熱処理板110上の重合ウェハWを押圧する加圧機構90とを有している。熱処理ユニット70は、重合ウェハWを吸着保持して熱処理する第2の熱処理板140と、重合ウェハWを載置して熱処理する第3の熱処理板150と、接合ユニット70と熱処理ユニット71との間で重合ウェハWを搬送する2本の搬送アーム161、161とを有している。各ユニット70、71は、その内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の接合部を有する基板同士を接合する接合装置、接合方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置し、これら半導体デバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、また配線遅延が大きくなることが懸念される。
【0003】
そこで、半導体デバイスを3次元に積層する3次元集積技術を用いることが提案されている。この3次元集積技術においては、例えば貼り合わせ装置を用いて、2枚の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)の貼り合わせが行われる。貼り合わせ装置は、例えば上面にウェハを載置する固定テーブルと、この固定テーブルに対向して配置され、下面にウェハを吸着保持して昇降可能な可動テーブルとを有している。固定テーブルと可動テーブル内には、それぞれヒータが内蔵されている。そしてこの貼り合わせ装置では、2枚のウェハを重ね合わせた後、ヒータによりウェハを加熱しながら、固定テーブルと可動テーブルにより荷重をかけてウェハを押圧し、2枚のウェハが貼り合わせられる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−207436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2枚のウェハを接合する際、ウェハ表面に形成された金属の接合部同士を接合する場合がある。かかる場合、接合部を高温の所定の温度で加熱しながら押圧する必要がある。すなわち、先ずウェハを所定の温度まで加熱する前熱処理工程と、その後ウェハの温度を所定の温度に維持した状態で当該ウェハを押圧する接合工程と、その後ウェハを冷却する後熱処理工程とを順次行う必要がある。
【0006】
しかしながら、この場合、特許文献1の貼り合わせ装置を用いると、2枚のウェハを接合するのに多大な時間を要する。
【0007】
先ず前熱処理工程において、前記所定の温度が高温であるため、ウェハを所定の温度まで加熱するのに時間がかかる。しかも、ウェハを急速に加熱すると接合部同士が均一に加熱されないおそれがあるため、所定の加熱速度以下でウェハを冷却する必要がある。また、前記所定の温度が高温であるため、後熱処理工程でも高温のウェハを冷却するのに時間がかかる。しかも、接合部同士を合金化して接合する場合、ウェハを急速に冷却すると接合部の強度や物性が変わるおそれがあるため、所定の冷却速度以下でウェハを冷却する必要がある。さらに、接合工程にかかる時間は、接合部に用いられる材料等によって決まるため短縮することができない。
【0008】
このように金属の接合部を有するウェハ同士の接合には多大な時間を要するため、ウェハ接合処理のスループットの低下を招いていた。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、金属の接合部を有する基板同士の接合を効率よく行い、基板接合処理のスループットを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、金属の接合部を有する基板同士を接合する接合装置であって、前記接合部を当接させて基板を重ねた重合基板を熱処理する第1の熱処理板と、前記第1の熱処理板上の重合基板を当該第1の熱処理板側に押圧する加圧機構と、内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する第1の減圧機構とを備えた接合ユニットと、前記接合ユニットで処理される前の重合基板を熱処理する第2の熱処理板と、前記接合ユニットで処理された後の重合基板を熱処理する第3の熱処理板と、内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する第2の減圧機構とを備えた熱処理ユニットと、を有し、前記接合ユニットと前記熱処理ユニットは、気密に接続されていることを特徴としている。
【0011】
本発明の接合装置によれば、接合ユニットと熱処理ユニットにおいて、重合基板を順次処理することができる。すなわち、先ず、熱処理ユニットにおいて、重合基板を第2の熱処理板によって加熱する。その後、接合ユニットに重合基板を搬送し、当該接合ユニットにおいて、所定の真空度の雰囲気下で、重合基板を第1の熱処理板に載置して当該重合基板を所定の温度に維持しながら、重合基板を前記第1の熱処理板側に押圧して当該重合基板を接合する。その後、熱処理ユニットに重合基板を搬送し、当該熱処理ユニットにおいて、重合基板を第3の熱処理板によって冷却する。そして、接合ユニットにおいて一の重合基板を処理している間、熱処理ユニットにおいて他の重合基板を並行して処理することができる。このように本発明によれば、前記所定の温度が高温であっても、2つの重合基板に対して同時に効率よく処理を行うことができるので、基板接合処理のスループットを向上させることができる。
【0012】
前記第2の熱処理板は前記第3の熱処理板の上方に対向して配置され、前記第2の熱処理板は前記重合基板を吸着保持して熱処理し、前記第3の熱処理板は前記重合基板を載置して熱処理してもよい。
【0013】
前記熱処理ユニットは、当該熱処理ユニットと前記接合ユニットとの間で前記重合基板を水平方向に搬送し、且つ前記第2の熱処理板と前記第3の熱処理板との間で前記重合基板を鉛直方向に搬送する搬送アームを有していてもよい。
【0014】
前記搬送アームは、鉛直方向に2本配置されていてもよい。
【0015】
前記加圧機構は、前記第1の熱処理板上の重合基板に当接して熱処理しつつ、当該重合基板を押圧する押圧部材を有していてもよい。
【0016】
前記接合ユニットは、前記第1の熱処理板上の重合基板を冷却する冷却板を有していてもよい。
【0017】
前記熱処理ユニットは、前記第3の熱処理板上の重合基板を冷却する冷却板を有していてもよい。
【0018】
前記加圧機構は前記接合ユニットの天板に設けられ、前記天板は鉛直方向に移動自在でああってもよい。
【0019】
別な観点による本発明は、金属の接合部を有する基板同士を接合する接合方法であって、熱処理ユニットにおいて、前記接合部を当接させて基板を重ねた重合基板を第1の温度まで加熱する前熱処理工程と、その後、接合ユニットに前記重合基板を搬送し、当該接合ユニットにおいて、所定の真空度の雰囲気下で、前記重合基板を第1の熱処理板に載置して当該重合基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に維持しながら、前記重合基板を前記第1の熱処理板側に押圧して当該重合基板を接合する接合工程と、その後、前記熱処理ユニットに前記重合基板を搬送し、当該熱処理ユニットにおいて、前記重合基板を前記第2の温度よりも低い第3の温度に冷却する後熱処理工程と、を有し、一の重合基板に前記接合工程を行っている間、他の重合基板に前記前熱処理工程又は前記後熱処理工程を行うことを特徴としている。
【0020】
また別な観点による本発明によれば、前記接合方法を接合装置によって実行させるために、当該接合装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0021】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、金属の接合部を有する基板同士の接合を効率よく行い、基板接合処理のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態にかかる接合装置を備えた接合システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】本実施の形態にかかる接合システムの内部構成の概略を示す側面図である。
【図3】重合ウェハの断面図である。
【図4】接合装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図5】接合装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図6】保持アームの保持部が第2の熱処理板に収容され、重合ウェハが第2の熱処理板に載置される様子を示す説明図である。
【図7】ウェハ接合処理の主な工程を示すフローチャートである。
【図8】接合装置における重合ウェハの温度、重合ウェハにかけられる荷重、及び各ユニット内の雰囲気の圧力の経時変化を示すグラフである。
【図9】第2の熱処理板に重合ウェハが吸着保持される様子を示す説明図である。
【図10】第1の搬送アームから保持アームに重合ウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図11】保持アームから第1の熱処理板に重合ウェハが載置される様子を示す説明図である。
【図12】第1の熱処理板上の重合ウェハが押圧され接合される様子を示す説明図である。
【図13】保持アームから第2の搬送アームに重合ウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図14】第2の搬送アームから第3の熱処理板に重合ウェハが載置される様子を示す説明図である。
【図15】他の実施の形態にかかる熱処理ユニットの構成の概略を示す横断面図である。
【図16】他の実施の形態にかかる熱処理ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図17】他の実施の形態にかかる接合システムの構成の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる接合装置を有する接合システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、接合システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
【0025】
接合システム1では、図3に示すように例えば2枚の基板としてのウェハW、Wを接合する。以下、上側に配置されるウェハを「上ウェハW」といい、下側に配置されるウェハを「下ウェハW」という場合がある。各ウェハW、Wは、金属の接合部J、Jをそれぞれ複数有している。そして、各接合部J、Jを当接させウェハW、Wを重ね合わせて重合基板としての重合ウェハWを形成し、ウェハW、W同士を接合する。なお、本実施の形態では、例えば接合部Jにはアルミニウムが用いられ、接合部Jにはゲルマニウムが用いられる。
【0026】
接合システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数のウェハW、W、重合ウェハWをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出されるカセットステーション2と、ウェハW、W、重合ウェハWに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
【0027】
カセットステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、接合システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。
【0028】
カセットステーション2には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路20上を移動自在なウェハ搬送装置21が設けられている。ウェハ搬送装置21は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットC、C、Cと、後述する処理ステーション3の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
【0029】
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数例えば3つのブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3のカセットステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられている。
【0030】
例えば第1の処理ブロックG1には、例えば純水などの洗浄液によってウェハW、Wの表面を洗浄する洗浄装置30、ウェハW、Wの位置調整をして重ね合わせ、これらウェハW、Wを仮接合して重合ウェハWを形成するアライメント装置31がカセットステーション2側からこの順で配置されている。
【0031】
例えば第2の処理ブロックG2には、重合ウェハWを接合する複数、例えば4つの接合装置40〜43が設けられている。接合装置40〜43は、水平方向のY方向(図1中の左右方向)に一列に並べて配置されている。
【0032】
例えば第3の処理ブロックG3には、図2に示すようにウェハW、W、重合ウェハWのトランジション装置50、ウェハW、W、重合ウェハWの熱処理を行う熱処理装置51〜53が下から順に4段に設けられている。
【0033】
図1に示すように第1のブロックG1〜第3のブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置60が配置されている。
【0034】
ウェハ搬送装置60は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置60は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2及び第3のブロックG3内の所定の装置にウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
【0035】
次に、上述した接合装置40〜43の構成について説明する。接合装置40は、図4及び図5に示すように接合ユニット70と熱処理ユニット71とを有している。接合ユニット70と熱処理ユニット71は、ゲートバルブ72を介して、水平方向のY方向(図4及び図5中の左右方向)に並べて一体且つ気密に接続されている。
【0036】
接合ユニット70は、内部を密閉することができる処理容器80を有している。処理容器80は、容器本体81と天板82がシールドベローズ83によって接続された構成を有している。シールドベローズ83は鉛直方向に伸縮自在に構成され、このシールドベローズ83によって天板82は鉛直方向に移動自在になっている。
【0037】
容器本体81の熱処理ユニット71側の側面には重合ウェハWの搬入出口84が形成され、当該搬入出口84には上述したゲートバルブ72が設けられている。
【0038】
容器本体81の側面には吸気口85が形成されている。吸気口85には、処理容器80の内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ86に連通する吸気管87が接続されている。なお、本実施の形態においては、吸気口85、真空ポンプ86、吸気管87で第1の減圧機構を構成している。
【0039】
処理容器80の内部であって天板82には、後述する第1の熱処理板110上の重合ウェハWを第1の熱処理板110側に押圧する加圧機構90が設けられている。加圧機構90は、重合ウェハWに当接して押圧する押圧部材91と、天板82に環状に取り付けられた支持部材92と、押圧部材91と支持部材92を接続し、鉛直方向に伸縮自在の加圧ベローズ93とを有している。押圧部材91の内部には、例えば給電により発熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。そして、加圧機構90の内部、すなわち押圧部材91、加圧ベローズ93、支持部材92及び天板82で囲まれた内部空間に例えば圧縮空気を給気又は吸気することで、加圧ベローズ93が伸縮し押圧部材91が鉛直方向に移動自在になっている。なお、加圧機構90の内部には圧縮空気が封入されるため、この圧縮空気による内圧に耐えるように、加圧機構90の加圧ベローズ93の剛性は、処理容器80のシールドベローズ83の剛性より大きくなっている。
【0040】
また、処理容器80の内部であって天板82には、後述する第1の搬送アーム160又は第2の搬送アーム161と第1の熱処理板110との間で重合ウェハWを受け渡すための保持アーム100が設けられている。したがって、保持アーム100は、天板82の移動に伴って鉛直方向に移動自在になっている。保持アーム100は、例えば重合ウェハWの同一円周上に等間隔に4本設けられ、当該重合ウェハWの外周部を4箇所で保持するようになっている。保持アーム100は、図6に示すように天板82から鉛直方向下方に延伸し、その下端部が屈曲して水平方向内側に延伸した支持部101と、支持部101に支持され、重合ウェハWを保持する保持部102とを有している。保持部102は、水平方向内側に突出し、重合ウェハWの外周部下面を保持する突出部材103と、当該突出部材103から鉛直方向上方に延伸し、重合ウェハWの外周部側面をガイドするガイド部材104とを有している。また、ガイド部材104上端の内側面は、下側から上側に向かってテーパ状に拡大している。
【0041】
図5に示すように処理容器80の内部であって加圧機構90の下方には、当該加圧機構90に対向する位置に、重合ウェハWを載置して熱処理する第1の熱処理板110が設けられている。第1の熱処理板110には、例えば給電により発熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。第1の熱処理板110の加熱温度は、例えば後述する制御部200により制御される。また、第1の熱処理板110の外周部には、図6に示すように保持アーム100から第1の熱処理板110に重合ウェハWを受け渡した状態で、当該保持アーム100の保持部102を収容するための切欠き溝111が形成されている。切欠き溝111は、図4に示すように第1の熱処理板110の外周部に例えば4箇所に形成されている。
【0042】
図5に示すように第1の熱処理板110の下面側には、重合ウェハWを冷却する冷却板120が設けられている。冷却板120には、例えばペルチェ素子や水冷ジャケットなどの冷却部材(図示せず)が内蔵されている。冷却板120の冷却温度は、例えば後述する制御部200により制御される。
【0043】
熱処理ユニット71は、図4及び図5に示すように内部を密閉することができる処理容器130を有している。処理容器130のウェハ搬送領域D側の側面には重合ウェハWの搬入出口131が形成され、当該搬入出口131にはゲートバルブ132が設けられている。また、処理容器130の接合ユニット70側の側面には重合ウェハWの搬入出口133が形成され、当該搬入出口133には上述したゲートバルブ72が設けられている。
【0044】
処理容器130の底面には吸気口134が形成されている。吸気口134には、処理容器130の内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ135に連通する吸気管136が接続されている。なお、本実施の形態においては、吸気口134、真空ポンプ135、吸気管136で第2の減圧機構を構成している。
【0045】
処理容器130の内部であって天井面には、重合ウェハWを熱処理する第2の熱処理板140が設けられている。第2の熱処理板140には、例えば給電により発熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。第2の熱処理板140の加熱温度は、例えば後述する制御部200により制御される。また、第2の熱処理板140の下面には、重合ウェハWを吸引して吸着保持するための吸引口141が複数形成されている。
【0046】
処理容器130の内部であって底面には、第2の熱処理板140に対向する位置に重合ウェハWを熱処理する第3の熱処理板150が設けられている。第3の熱処理板150には、例えば給電により発熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。また、第3の熱処理板150には、後述する第2の搬送アーム161から第3の熱処理板150に重合ウェハWを受け渡した状態で、当該第2の搬送アーム161のアーム部174を収容するための切欠き溝151が形成されている。切欠き溝151は、Y方向(図4及び図5の左右方向)に延伸し、例えば2箇所に形成されている。
【0047】
第3の熱処理板150の下面側には、重合ウェハWを冷却する冷却板152が設けられている。冷却板152には、例えばペルチェ素子や水冷ジャケットなどの冷却部材(図示せず)が内蔵されている。冷却板152の冷却温度は、例えば後述する制御部200により制御される。
【0048】
第2の熱処理板140と第3の熱処理板150との間には、例えば2本の搬送アーム160、161が鉛直方向に配置されている。以下、上側に配置される搬送アームを「第1の搬送アーム160」といい、下側に配置される搬送アームを「第2の搬送アーム161」という場合がある。なお、搬送アームの数は2本に限定されず、例えば1本であってもよい
【0049】
第1の搬送アーム160は、重合ウェハWの裏面を保持し、Y方向に延伸する2本のアーム部170、170と、当該アーム部170、170を支持する支持部171とを有している。アーム部170は、重合ウェハWの裏面、すなわち下ウェハWの裏面に形成された溝(図示せず)に配置されて当該重合ウェハWを保持できる。支持部171の基端部には、処理容器130の天井面に設けられY方向に沿って延伸するレール172上を移動自在の駆動部173が取り付けられている。この駆動部173により、第1の搬送アーム160は、熱処理ユニット71と接合ユニットとの間を水平方向に移動自在であると共に、第2の熱処理板140と第3の熱処理板150との間を鉛直方向に移動自在になっている。なお、アーム部170は、重合ウェハWの裏面を吸着保持する吸着パッドを有していてもよい。
【0050】
第2の搬送アーム161も、第1の搬送アーム160と同様の構成を有している。すなわち、第2の搬送アーム161は、重合ウェハWの裏面を保持し、Y方向に延伸する2本のアーム部174、174と、当該アーム部174、174を支持する支持部175とを有している。アーム部174は、重合ウェハWの裏面に形成された溝(図示せず)に配置されて当該重合ウェハWを保持できる。支持部175の基端部には、処理容器130の底面に設けられY方向に沿って延伸するレール176上を移動自在の駆動部177が取り付けられている。この駆動部177により、第2の搬送アーム161は、熱処理ユニット71と接合ユニットとの間を水平方向に移動自在であると共に、第2の熱処理板140と第3の熱処理板150との間を鉛直方向に移動自在になっている。なお、アーム部174も、重合ウェハWの裏面を吸着保持する吸着パッドを有していてもよい。
【0051】
なお、接合装置41〜43の構成は、上述した接合装置40の構成と同様であるので説明を省略する。
【0052】
以上の接合システム1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合装置40〜43における重合ウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム1における後述の接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
【0053】
次に、以上のように構成された接合システム1を用いて行われる重合ウェハWの接合処理方法について説明する。図7は、かかるウェハ接合処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
【0054】
先ず、複数枚の上ウェハWを収容したカセットC、下ウェハWを収容したカセットC、及び空のカセットCが、カセットステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置21によりカセットC内の上ウェハWが取り出され、処理ステーション3の第3のブロックG3の例えばトランジション装置50に搬送される。
【0055】
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置60によって第1のブロックG1の洗浄装置30に搬送され、洗浄液によって上ウェハWの表面が洗浄される(図7の工程S1)。その後上ウェハWは、ウェハ搬送装置60によってアライメント装置31に搬送される。
【0056】
上ウェハWに続いて、ウェハ搬送装置21によりカセットC内の下ウェハWが取り出され、トランジション装置50に搬送される。次に下ウェハWは、ウェハ搬送装置60によって洗浄装置30に搬送され、洗浄液によって下ウェハWの表面が洗浄される(図7の工程S2)。その後下ウェハWは、ウェハ搬送装置60によってアライメント装置31に搬送される。
【0057】
上ウェハWと下ウェハWがアライメント装置31に搬送されると、これらウェハW、Wは位置調整され重ね合わされる。なお、ウェハW、Wの一方又は双方にはこれらを重ね合わせる前に例えば接着剤を予め塗布しておき、重ね合わせ時に接着することで仮接合され、重合ウェハWが形成される(図7の工程S3)。
【0058】
その後、重合ウェハWは、ウェハ搬送装置60によって第2のブロックG2の接合装置40に搬送される。図8は、接合装置40における重合ウェハWの温度(図8中の“Temp”)、重合ウェハWにかけられる荷重(図8中の“Force”)、及び各ユニット70、71内の雰囲気の圧力(図8中の“VAC”)の経時変化を示している。
【0059】
接合装置40では、先ず、熱処理ユニット71のゲートバルブ132を開き、ウェハ搬送装置60によって重合ウェハWが第2の熱処理板140の下方に搬入される。続いて、図9に示すように重合ウェハWをウェハ搬送装置60から第1の搬送アーム160に受け渡した後、第1の搬送アーム160を上昇させ、重合ウェハWを第2の熱処理板140の下面に当接させる。そして、第2の熱処理板140の吸引口141から重合ウェハWを吸引し、第2の熱処理板140の下面で重合ウェハWを吸着保持する。その後、ゲートバルブ132を閉じ、真空ポンプ135によって処理容器80の内部の雰囲気が減圧される。その後、第2の熱処理板140によって重合ウェハWが第1の温度、例えば350℃まで加熱される(図7の工程S4)。このとき、重合ウェハWの接合部J、J同士を均一に加熱するため、所定の加熱速度、例えば10〜50℃/分の加熱速度で加熱される。なお、処理容器80の内部を接合ユニット70内の圧力にまで減圧されると、吸引口141からの重合ウェハWの吸引を停止する。このとき、重合ウェハWは第1の搬送アーム160により第2の熱処理板140の下面に当接維持される。
【0060】
重合ウェハWが第1の温度まで加熱されると、ゲートバルブ72を開く。続いて、駆動部173によって第1の搬送アーム160を下降させた後、当該第1の搬送アーム160を接合ユニット70に移動させ、重合ウェハWが第1の熱処理板110の上方に搬送される。このとき、保持アーム100は、第1の搬送アーム160の下方に待機している。
【0061】
その後、図10に示すように保持アーム100を上昇させるか、又は第1の搬送アーム160を下降させ、第1の搬送アーム160から保持アーム100の保持部102に重合ウェハWが受け渡される。このとき、保持部102のガイド部材104上端の内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているため、例えば第1の搬送アーム160上の重合ウェハWがガイド部材104の内側面からずれて配置されていても、重合ウェハWはガイド部材104に円滑に保持される。その後、第1の搬送アーム160を熱処理ユニット71に移動させ、ゲートバルブ72を閉じる。
【0062】
その後、図11に示すように保持アーム100を下降させて、重合ウェハWを第1の熱処理板110に載置する。このとき、保持アーム100の保持部102は、第1の熱処理板110の切欠き溝111に収容される。
【0063】
その後、第1の熱処理板110によって重合ウェハWが第2の温度、例えば430℃まで加熱される。重合ウェハWは、例えば10〜50℃/分の加熱速度で加熱される。なお、処理容器80の内部の雰囲気は、所定の真空度、例えば0.1Paの真空度に維持されている。
【0064】
その後、重合ウェハWの温度を第2の温度に維持しながら、図12に示すように加圧機構90に圧縮空気を供給し、押圧部材91を下降させる。そして、押圧部材91を重合ウェハWに当接させ、当該重合ウェハWを所定の荷重、例えば50kNで第1の熱処理板110側に押圧する。そして、重合ウェハWが所定の時間、例えば10分間押圧され、重合ウェハWが接合される(図7の工程S5)。なお、重合ウェハWの温度は、例えば押圧部材91内のヒータや冷却板120を用いて第2の温度に維持してもよい。
【0065】
その後、第1の熱処理板110によって重合ウェハWが例えば350℃まで冷却される。重合ウェハWは、接合部J、Jの強度や物性が変わるのを防止するため、所定の冷却速度、例えば10〜50℃/分の冷却速度で冷却される。なお、重合ウェハWの冷却は、例えば押圧部材91内のヒータや冷却板120を用いてもよい。
【0066】
重合ウェハWが350℃まで冷却されると、保持アーム100を上昇させ、第1の熱処理板110から保持アーム100に重合ウェハWが受け渡される。続いて、ゲートバルブ74を開く。そして、駆動部177によって第2の搬送アーム161を保持アーム100の下方であって第1の熱処理板110の上方に移動させる
【0067】
その後、図13に示すように保持アーム100を下降させるか、又は第2の搬送アーム161を上昇させ、保持アーム100から第2の搬送アーム161に重合ウェハWが受け渡される。その後、第2の搬送アーム161を熱処理ユニット71に移動させ、ゲートバルブ72を閉じる。
【0068】
その後、図14に示すように第2の搬送アーム161を下降させて、重合ウェハWを第3の熱処理板150上に載置する。このとき、第2の搬送アーム161のアーム部174は、第3の熱処理板150の切欠き溝151に収容される。そして、第3の熱処理板150によって重合ウェハWが第3の温度、例えば200℃まで冷却される(図7の工程S6)。このとき、冷却板152によって重合ウェハWを冷却してもよい。
【0069】
その後、第2の搬送アーム161を上昇させ、第3の熱処理板150から第2の搬送アーム161に重合ウェハWが受け渡される。また、熱処理ユニット71内の圧力を大気圧に開放した後に、続いてゲートバルブ132を開き、第2の搬送アーム161からウェハ搬送装置60に受け渡され、接合装置40から重合ウェハWが搬出される。
【0070】
その後、重合ウェハWは、ウェハ搬送装置60によって第3のブロックG3の熱処理装置51に搬送され、所定の温度に温度調節される(図7の工程S7)。その後、重合ウェハWは、ウェハ搬送装置60によってトランジション装置50に搬送され、その後カセットステーション2のウェハ搬送装置21によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送される。こうして、一連の重合ウェハWの接合処理が終了する。
【0071】
なお、接合装置40では、接合ユニット70において一の重合ウェハWに工程S5の接合処理が行われている間、熱処理ユニット71において他の重合ウェハWに工程S4の前熱処理又は工程S6の後熱処理が行われる。かかる場合、先ず、接合ユニット70において重合ウェハWT1に工程S5の接合処理が行われている間、熱処理ユニット71において重合ウェハWT2に工程S4の前熱処理が行われる。その後、第2の搬送アーム161によって工程S5の接合処理が行われた重合ウェハWT1を接合ユニット70から熱処理ユニット71へ搬送した後、第1の搬送アーム160によって工程S4の前熱処理が行われた重合ウェハWT2を熱処理ユニット71から接合ユニット70へ搬送する。そして、重合ウェハWT2に工程S5の接合処理が行われている間、重合ウェハWT1に工程S6の後熱処理が行われる。また、重合ウェハWT2に工程S5の接合処理が行われている間、工程S6の後熱処理が行われた重合ウェハWT1を熱処理ユニット71から搬出すると共に、次の重合ウェハWT3を熱処理ユニット71に搬入し、当該重合ウェハWT3に工程S4の前熱処理が行われる。こうして一の接合装置40において、2つの重合ウェハWに対する処理が並行して行われる。
【0072】
以上の実施の接合装置1によれば、接合ユニット70と熱処理ユニット71において、重合ウェハWを順次処理することができる。すなわち、先ず、熱処理ユニット71で行われる工程S4において、重合ウェハWを第2の熱処理板140の下面に吸着保持して第1の温度に加熱する。その後、接合ユニット70で行われる工程S5において、重合ウェハWを第1の熱処理板110に載置して当該重合ウェハWを所定の温度である第2の温度に維持しながら、加圧機構90によって重合ウェハWを第1の熱処理板110側に押圧して当該重合ウェハWを接合する。その後、熱処理ユニット71で行われる工程S6において、重合ウェハWを第3の熱処理板170に載置して冷却する。そして、接合ユニット70において一の重合ウェハWを処理している間、熱処理ユニット71において他の重合ウェハWを並行して処理することができる。また、熱処理ユニット71での工程S6の終了後、当該熱処理ユニット71内の圧力を大気圧に開放してゲートバルブ132を開き、重合ウェハWを搬出し、続いてゲートバルブ132を開けたまま重合ウェハWを搬入して工程S4を開始することにより、さらにスループットが向上する。このように本実施の形態によれば、第2の温度が高温であっても、2つの重合ウェハWに対して同時に効率よく処理を行うことができるので、ウェハ接合処理のスループットを向上させることができる。
【0073】
また、加圧機構90の押圧部材91の内部にはヒータが内蔵され、接合ユニット70には冷却板120が設けられているので、接合ユニット70で行われる工程S5において、重合ウェハWの温度の微調整を行うことができ、当該重合ウェハWの温度を確実に第2の温度に維持することができる。また、重合ウェハWの加熱又は冷却も迅速に行うことができる。
【0074】
また、熱処理ユニット71には冷却板152が設けられているので、熱処理ユニット71で行われる工程S6において、重合ウェハWの温度の微調整を行うことができ、重合ウェハWの冷却速度を所定の冷却速度に維持することができる。したがって、重合ウェハWにおける接合部J、Jの強度や物性が変わるのを防止することができる。
【0075】
また、熱処理ユニット71に第2の熱処理板140と第3の熱処理板150が設けられているので、一の熱処理ユニット71において工程S4の重合ウェハWの前熱処理と工程S6の重合ウェハWの後熱処理を共に行うことができる。したがって、これら工程S4と工程S6を別のユニットで行う必要がないので、接合装置40〜43のフットプリントを小さくすることができる。また、接合装置40〜43の構成を簡素化し、接合装置40〜43の製造コストを低廉化することもできる。
【0076】
また、熱処理ユニット71は、2本の搬送アーム160、161を有しているので、接合ユニット70と熱処理ニット71との間の重合ウェハWの搬送を効率よく行うことができる。これによって、ウェハ接合処理のスループットをさらに向上させることができる。
【0077】
また、加圧機構90は処理容器80の天板82に設けられ、天板82と加圧機構90は一体的に鉛直方向に移動自在になっている。ここで、上述したように、加圧機構90の加圧ベローズ93の剛性は処理容器80のシールドベローズ83の剛性より大きくなっている。本実施の形態によれば、天板82を下降させた上で、加圧機構90の押圧部材91を下降させることができるので、加圧ベローズ93の剛性の剛性が大きくても重合ウェハWを所定の荷重で確実に押圧することができる。
【0078】
以上の実施の形態の接合装置40〜43では、第1の搬送アーム160のレール172と第2の搬送アーム161のレール176は、それぞれ熱処理ユニット71の処理容器130の天井面と底面に設けられていたが、図15及び図16に示すようにレール172、176は共に処理容器130の底面に設けられていてもよい。かかる場合、レール172がレール176の外側に配置される。また、支持部171、175は、それぞれ駆動部173、177から鉛直方向に延伸し、その上端部が屈曲して水平方向に延伸している。かかる構成により、支持部171、175は、互いに干渉することなく水平方向及び鉛直方向に移動することができる。
【0079】
以上の実施の形態の接合装置40〜43において、第2の熱処理板140と第3の熱処理板150との間に遮熱板を設けてもよい。この遮蔽板によって、第2の熱処理板140によって重合ウェハWに工程S4の前熱処理を行う際に、第3の熱処理板150からの熱が影響を及ぼすことがない。また、第3の熱処理板150によって重合ウェハWに工程S6の後熱処理を行う際にも、第2の熱処理板140からの熱が影響を及ぼすことがない。
【0080】
以上の実施の形態の接合システム1において、図17に示すように第1の処理ブロックG1に検査装置210をさらに設けてもよい。検査装置210は、接合装置40〜43で接合された重合ウェハWが適切に接合されているかどうかを検査することができる。かかる場合、検査装置210において重合ウェハWが適切に接合されていないと判断された場合、例えば接合装置40〜43における処理条件を補正することができる。
【0081】
また、以上の実施の形態の接合システム1において、図17に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣に、ウェハ搬送装置220を設けてもよい。ウェハ搬送装置220は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置220は、ウェハW、W、重合ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3の処理ブロックG3内のトランジション装置50、熱処理装置51〜53にウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。かかる場合、第3の処理ブロックG3内でのウェハW、W、重合ウェハWの搬送にウェハ搬送装置60を用いる必要がないので、ウェハ接合処理のスループットをさらに向上させることができる。
【0082】
また、以上の実施の形態では、接合システム1に4つの接合装置40〜43が設けられていたが、接合装置の数は任意に変更することができる。
【0083】
また、以上の実施の形態では、洗浄装置30においてウェハW、Wの表面を洗浄液によって洗浄、すなわちウェット洗浄していたが、ドライ洗浄を行ってもよい。ドライ洗浄をする場合、例えば洗浄装置30内にプラズマを励起させ、当該プラズマによってウェハW、Wの表面を洗浄してもよい。
【0084】
また、以上の実施の形態では、接合部J、Jにそれぞれアルミニウムとゲルマニウムが用いられていたが、他の金属を用いた場合にも本発明を適用することができる。かかる場合、接合部J、Jに用いられる金属の種類に応じて、接合ユニット70における処理条件、例えば重合ウェハWの加熱温度や押圧荷重などが決定される。また、以上の実施の形態では、ウェハW、Wに金属の接合部J、Jが設けられていたが、基板自体が金属の場合にも本発明を適用することができる。さらに、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも本発明を適用することができる。
【0085】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、金属の接合部を有する基板同士を接合する際に有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 接合システム
2 カセットステーション
3 処理ステーション
30 洗浄装置
31 アライメント装置
40〜43 接合装置
50 トランジション装置
51〜53 熱処理装置
70 接合ユニット
71 熱処理ユニット
80 処理容器
81 容器本体
82 天板
83 シールドベローズ
85 吸気口
86 真空ポンプ
87 給気管
90 加圧機構
91 押圧部材
92 支持部材
93 加圧ベローズ
100 保持アーム
110 第1の熱処理板
120 冷却板
130 処理容器
134 吸気口
135 真空ポンプ
136 吸気管
140 第2の熱処理板
150 第3の熱処理板
152 冷却板
160 第1の搬送アーム
161 第2の搬送アーム
170 アーム部
171 支持部
172 レール
173 駆動部
174 アーム部
175 支持部
176 レール
177 駆動部
200 制御部
、J 接合部
上ウェハ
下ウェハ
重合ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の接合部を有する基板同士を接合する接合装置であって、
前記接合部を当接させて基板を重ねた重合基板を熱処理する第1の熱処理板と、前記第1の熱処理板上の重合基板を当該第1の熱処理板側に押圧する加圧機構と、内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する第1の減圧機構とを備えた接合ユニットと、
前記接合ユニットで処理される前の重合基板を熱処理する第2の熱処理板と、前記接合ユニットで処理された後の重合基板を熱処理する第3の熱処理板と、内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する第2の減圧機構とを備えた熱処理ユニットと、を有し、
前記接合ユニットと前記熱処理ユニットは、気密に接続されていることを特徴とする、接合装置。
【請求項2】
前記第2の熱処理板は前記第3の熱処理板の上方に対向して配置され、
前記第2の熱処理板は前記重合基板を吸着保持して熱処理し、
前記第3の熱処理板は前記重合基板を載置して熱処理することを特徴とする、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記熱処理ユニットは、当該熱処理ユニットと前記接合ユニットとの間で前記重合基板を水平方向に搬送し、且つ前記第2の熱処理板と前記第3の熱処理板との間で前記重合基板を鉛直方向に搬送する搬送アームを有することを特徴とする、請求項2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記搬送アームは、鉛直方向に2本配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の接合装置。
【請求項5】
前記加圧機構は、前記第1の熱処理板上の重合基板に当接して熱処理しつつ、当該重合基板を押圧する押圧部材を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接合装置。
【請求項6】
前記接合ユニットは、前記第1の熱処理板上の重合基板を冷却する冷却板を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接合装置。
【請求項7】
前記熱処理ユニットは、前記第3の熱処理板上の重合基板を冷却する冷却板を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の接合装置。
【請求項8】
前記加圧機構は前記接合ユニットの天板に設けられ、
前記天板は鉛直方向に移動自在であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の接合装置。
【請求項9】
金属の接合部を有する基板同士を接合する接合方法であって、
熱処理ユニットにおいて、前記接合部を当接させて基板を重ねた重合基板を第1の温度まで加熱する前熱処理工程と、
その後、接合ユニットに前記重合基板を搬送し、当該接合ユニットにおいて、所定の真空度の雰囲気下で、前記重合基板を第1の熱処理板に載置して当該重合基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に維持しながら、前記重合基板を前記第1の熱処理板側に押圧して当該重合基板を接合する接合工程と、
その後、前記熱処理ユニットに前記重合基板を搬送し、当該熱処理ユニットにおいて、前記重合基板を前記第2の温度よりも低い第3の温度に冷却する後熱処理工程と、を有し、
一の重合基板に前記接合工程を行っている間、他の重合基板に前記前熱処理工程又は前記後熱処理工程を行うことを特徴とする、接合方法。
【請求項10】
請求項9のいずかに記載の接合方法を接合装置によって実行させるために、当該接合装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−151128(P2011−151128A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10142(P2010−10142)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】