説明

接着剤用樹脂組成物、これを含有する接着剤、接着シート及びこれを接着層として含むプリント配線板

【課題】 各種プラスチックフィルムへの接着性、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性を有し、高温高湿度下での接着力の維持、常温流通にも対応できるBステージ接着シートのシートライフ確保を達成することができる接着剤用樹脂組成物を得る。
【解決手段】 カルボキシル基を含有し、酸価(単位:当量/106g)が100以上1000以下であり、数平均分子量が5.0×10以上1.0×10以下であり、ガラス転移温度が−10℃以上70℃以下であるポリウレタン樹脂(a)、
窒素原子を含有するエポキシ樹脂(b)、
ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(c)、
を含有し、前記樹脂(b)の配合比率が、樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の0.1質量%以上20質量%以下である接着剤用樹脂組成物。これを含有する接着剤、接着シート、配線板用積層体およびプリント配線板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種プラスチックフィルムへの接着性や、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性、耐熱性、耐湿性、シートライフ等に優れた樹脂組成物、これを含有する接着剤およびこれを接着層として含むプリント配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野で接着剤は使用されているが使用目的の多様化により、従来使用されてきた接着剤よりも各種プラスチックフィルムへの接着性や、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性、耐熱性、耐湿性、シートライフ等、更なる高性能化が求められている。例えば、フレキシブルプリント配線板(以下FPCと略すことがある)を始めとする回路基板用の接着剤としては、エポキシ/アクリルブタジエン系接着剤や、エポキシ/ポリビニルブチラール系接着剤等が使用されている。これらの回路基板用接着剤には、ハンダ耐熱性、接着性、加工性、電気特性、保存性が求められる。
【0003】
特に最近の配線の高密度化やフレキシブルプリント配線板の多層化に伴い、使用環境が高温高湿化しており、高温高湿度下での接着性の向上が強く求められている。従来のエポキシ/アクリルブタジエン系接着剤や、エポキシ/ポリビニルブチラール系接着剤では、特に、高温高湿度下での接着性、加工性が不良で、また、金属やプラスチックフィルムの接着性も十分ではなかった。また常温でも流通できるような安定したシートライフの確保はできていなかった(特許文献1、2、3、4参照)。
【0004】
また、特許文献5においては、特定のポリエステル・ポリウレタンとエポキシ樹脂を主成分とする接着剤用樹脂組成物が開示されている。ここに示されている組成物によって、シートライフ、高温下での接着性は向上可能であるが、高温且つ高湿度下での接着性を十分に満足するものでは無かった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−291964号公報
【特許文献2】特開2003−313526号公報
【特許文献3】特開2005−139387号公報
【特許文献4】特開2005―139391号公報
【特許文献5】特開平11―116930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題はこれら従来の接着剤が抱えている各問題点を改良することであり、具体的には各種プラスチックフィルムへの接着性や、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性、高温高湿度下での接着性に優れた接着剤を得ることができ、かつBステージのシートが例え高温高湿下で流通された後も使用されても良好な特性の維持が可能なシートライフが良好な樹脂組成物、これを含有する接着剤およびこれを接着層として含むプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1) カルボキシル基を含有し、酸価(単位:当量/106g)が100以上1000以下であり、数平均分子量が5.0×10以上1.0×10以下であり、ガラス転移温度が−10℃以上70℃以下であるポリウレタン樹脂(a)、
窒素原子を含有するエポキシ樹脂(b)、
ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(c)、
を含有し、前記樹脂(b)の配合比率が、樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の0.1質量%以上20質量%以下である接着剤用樹脂組成物。
(2) 前記樹脂(b)がグリシジルジアミン構造を有する、(1)記載の樹脂組成物。
(3) 樹脂(c)の配合比率が、樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の60質量%以上99.9質量%以下である、(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記樹脂(a)が、
ポリエステルポリオール(d)、
1つのカルボン酸基と2つの水酸基を有する化合物(e)、
ポリイソシアネート(f)
の反応によって得られるものである(1)〜(3)いずれかに記載の樹脂組成物。
(5) (1)〜(4)いずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着剤。
(6) (1)〜(4)いずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着シート。
(7) 複数の板状体および/または箔状体を接着層で貼り合わせた積層体であって、該接着層の少なくとも一部が(1)〜(4)いずれかに記載の樹脂組成物を含むことを特徴とするプリント配線板用積層体。
(8) (7)に記載の積層体を構成要素として含むプリント配線板。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、各種プラスチックフィルムへの接着性や、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性、高温高湿度下での接着性に優れた接着剤を得ることができ、かつBステージのシートライフが良好な樹脂組成物、これを含有する接着剤、接着シートおよびこれを接着層として含むプリント配線板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)の数平均分子量は、5.0×10以上1.0×10である。数平均分子量が5.0×10未満だと塗布直後の密着性が不充分で作業性が悪くなり、数平均分子量が1.0×10を超えると、塗布時の溶液粘度が高すぎて、均一な塗膜が得られないことがある。好ましくは下限分子量8.0×10、さらに望ましくは下限分子量1.0×10、好ましくは上限分子量5.0×10、さらに望ましくは上限分子量3.5×10である。
【0010】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)の酸価(単位:当量/10g)は100以上1000以下である。酸価が100当量/10g未満だと、硬化金属系基材への密着性が不充分になる傾向にある。酸価が1000当量/10gを超えると、ポリウレタン製造時のウレタン反応が遅くなったり、溶液粘度が高くなったりするので生産性が悪くなることがある。また、エステル結合の耐久性に悪影響を与えることも予想される。好ましくは酸価の下限は150当量/10g、より好ましくは酸価の下限は200当量/10g、さらに好ましくは酸価の下限は400当量/10gである。好ましい上限は900当量/10g、より好ましい上限は800当量/10g、さらに好ましい上限は700当量/10gである。酸価を導入する方法は、ポリウレタンを構成するポリエステルポリオールに多官能のカルボン酸を原料に使用して酸価を付与する方法、鎖延長剤にカルボン酸を含有するジオールを使用する方法等がある。
【0011】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)のガラス転移温度は、−10℃以上70℃以下である。ガラス転移温度が−10℃未満だと、高温での接着性が不十分になる傾向がある。ガラス転移温度が70℃を超えると、基材との貼り合せが不十分になり、また常温での弾性率が高くなり、常温での接着性が不十分になる傾向がある。好ましくはガラス転移温度の下限は5℃、より好ましくはガラス転移温度の下限は10℃、さらに好ましくはガラス転移温度の下限は15℃である。好ましい上限は50℃、より好ましい上限は55℃、さらに好ましい上限は60℃である。ガラス転移温度を制御する方法は、構成成分のポリエステルジオールのガラス転移温度を制御する方法、ポリウレタンを構成するポリイソシアネートの含有量を制御する方法、等がある。
【0012】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)は、その原料としてポリエステルポリオール(d)、ポリイソシアネート(f)、と、鎖延長剤を使用することが好ましい。
【0013】
該ポリエステルポリオール(d)は、組成における全酸成分の合計量を100%としたとき、芳香族酸が30モル%以上であることが好ましく、より好ましくは45モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上である。芳香族酸が30モル%未満の場合、塗膜の凝集力が弱く、各種基材への接着強度の低下が見られる。
【0014】
芳香族酸の例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が例示できる。また、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸、スルホテレフタル酸、および/またはそれらの金属塩、アンモニウム塩などのスルホン酸基又はスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)バレリック酸などの芳香族オキシカルボン酸等を挙げることができる。これらのうちでもテレフタル酸、イソフタル酸、およびその混合物が塗膜の凝集力を上げる点で特に好ましい。
【0015】
なおその他の酸成分としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水物などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0016】
一方、グリコ−ル成分は脂肪族グリコ−ル、脂環族グリコ−ル、芳香族含有グリコール、エ−テル結合含有グリコ−ルなどよりなることが好ましく、脂肪族グリコ−ルの例としては、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル等を挙げることができ、脂環族グリコ−ルの例としては、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジオ−ル、トリシクロデカンジメチロール、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、等を挙げることができる。エ−テル結合含有グリコ−ルの例としては、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、さらに、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド付加物も必要により使用しうる。芳香族含有グリコールの例としてはパラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等の、ビスフェノ−ル類の2つのフェノ−ル性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコ−ル類等を例示できる。
【0017】
また、分子構造の中に、水酸基とカルボキシル基を有する、オキシカルボン酸化合物もポリエステル原料として使用することができ、5−ヒドロキシイソフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシフェニチルアルコール、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)バレリック酸等を例示できる。
【0018】
本発明で使用されるポリエステルポリオール(d)中には、必要により分岐骨格を導入する目的で、0.1〜5モル%程度の3官能以上のポリカルボン酸類および/又はポリオ−ル類を共重合しても構わない。特に硬化剤と反応させて硬化塗膜を得る場合、分岐骨格を導入することにより、樹脂の末端基濃度(反応点)が増え、架橋密度が高い、強度な塗膜を得ることができる。その場合の3官能以上のポリカルボン酸の例としてはトリメリット酸、トリメシン酸、エチレングルコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)などの化合物等、が使用でき、一方3官能以上のポリオ−ルの例としてはグリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル等が使用できる。3官能以上のポリカルボン酸および/またはポリオ−ルを使用する場合は、全酸成分あるいは全グリコ−ル成分に対し0.1〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%の範囲で共重合するのが良く、5モル%を越えると塗膜の破断点伸度などの力学物性の低下が生じることがあり、また重合中にゲル化を起こす可能性がある。
【0019】
本発明で使用されるポリエステルポリオール(d)中には、必要によりカルボキシル基を導入する目的で、0.1〜10モル%程度の酸付加を行うことができる。酸付加にモノカルボン酸、ジカルボン酸、多官能カルボン酸化合物を用いると、エステル交換により分子量の低下が起こるので、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、オルソフタル酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)などの化合物が使用できる。本発明で使用されるポリエステルポリオール(d)を構成する全酸成分を100モル%としたとき、10モル%以上の酸付加を行うと、ゲル化を起こすことがあり、またポリエステルの解重合を起こし樹脂分子量を下げてしまうことがある。酸付加はポリエステル重縮合後、バルク状態で直接行う方法と、ポリエステルを溶液化し付加する方法がある。バルク状態での反応は、速度が速いが、多量に付加するとゲル化が起こることがあり、かつ高温での反応になるので、酸素ガスを遮断し酸化を防ぐなどの注意が必要である。一方、溶液状態での付加は、反応は遅いが、多量のカルボキシル基を安定に導入することができる。
【0020】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)の製造に使用するポリイソシアネート(f)は、ジイソシアネート、その二量体(ウレトジオン)、その三量体(イソシアヌレート、トリオール付加物、ビューレット)等の一種、またはそれら二種以上の混合物であってもよい。例えば、ジイソシアネート成分としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネ−トメチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられるが、透明蒸着フィルムへの用途等では黄変性が問題となる場合が多いので、脂肪族・脂環族のジイソシアネートが好ましい。さらに入手の容易さと経済的な理由で、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
【0021】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)を製造する上で、必要により鎖延長剤を使用しても良い。鎖延長剤としては、ポリエステルポリオール(d)の構成成分として既に記載した低分子量ジオールや、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等の1つのカルボン酸と2つの水酸基を有する化合物(e)等が挙げられる。その中で、酸価導入の容易さと、汎用溶剤への溶解性からジメチロールブタン酸が好ましい。また、水酸基導入の容易さから、トリメチロールプロパンの使用も好ましい。
【0022】
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a)の製造方法としては、前記ポリエステルポリオール(d)及び前記ポリイソシアネート(f)、必要により前記鎖延長剤を一括して反応容器に仕込んでも良いし、分割して仕込んでも良い。いずれにしても、系内のポリエステルポリオール、鎖延長剤の水酸基価の合計と、ポリイソシアネートのイソシアネート基の合計について、イソシアネート基/水酸基の官能基の比率が1以下で反応させる。またこの反応は、イソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在下または非存在下に反応させることにより製造することができる。その溶媒としては、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチルなど)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなど)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)およびこれらの混合溶媒が挙げられるが、環境負荷の低減の観点から、酢酸エチルやメチルエチルケトンが好ましい。反応装置としては、撹拌装置の具備した反応缶に限らず、ニーダー、二軸押出機のような混合混練装置も使用できる。
【0023】
ウレタン反応を促進させる為、通常のウレタン反応において用いられる触媒、たとえば錫系触媒(トリメチルチンラウレート、ジメチルチンジラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジヒドロキサイド、スタナスオクトエートなど)、鉛系触媒(レッドオレート、レッド−2−エチルヘキソエートなど)アミン系触媒(トリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホリン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセンなど)等を使用することができる。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、窒素原子を含有するエポキシ樹脂(b)を必須とする。窒素原子を含有するエポキシ樹脂(b)としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサノン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等のグリシジルアミン系などが挙げられる。これら窒素原子を含有エポキシ樹脂の(b)の配合量はエポキシ樹脂全体の0.1質量%以上20質量%以下である。配合量が0.1質量%より少なくなるとBステージ状態での流動性が高くなり過ぎ、加工時に発泡等の不良が発生しやすい。又、硬化物の可とう性が高すぎ、高温高湿下での接着性が低下する。配合量が20質量%より多くなると、過度に剛直性が高くなり、接着性が低下する傾向にある。また、保存中に架橋反応が進み易く、シートライフが低下する。好ましくは配合量の下限は1質量%、より好ましくは2質量%である。好ましい上限は10質量%、よりの好ましくは5質量%である。
【0025】
本発明の樹脂組成物は、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(c)を必須とする。バルキーなジシクロペンタジエン骨格を持つエポキシ樹脂からなる硬化塗膜は、極めて吸湿率が小さく、また、硬化塗膜の架橋密度を下げて、剥離時の応力を緩和させることができる為、高湿度下での接着性が更に向上する。ジシクロペンタジエン骨格を持つエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全体の60重量%以上が好ましく、より好ましくは75重量%以上、さらに好もしくは90重量%以上である。ジシクロペンタジエン骨格を持つエポキシ樹脂を60重量%以上含むことで、より優れた高温高湿下での接着性を発現することができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物に配合するエポキシ樹脂として、その他のエポキシも併用することができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテルタイプ、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイプ、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の脂環族あるいは脂肪族エポキサイドが挙げられる。エポキシ化合物の配合量はポリウレタン樹脂(a)100重量部に対して5〜30重量部の配合量であることが好ましい。この範囲であればポリウレタン樹脂(a)とエポキシ化合物の反応点のバランスが合うため、強固な接着性能を得ることができる。
【0027】
本発明に使用するエポキシ樹脂の硬化反応に、硬化触媒を使用することができる。例えば2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールや2−フェニル−4−メチルイミダゾールや1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物やトリエチルアミンやトリエチレンジアミンやN’−メチル−N−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジンや1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7や1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5や6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等の3級アミン類及びこれらの三級アミン類をフェノールやオクチル酸や四級化テトラフェニルボレート塩等でアミン塩にした化合物、トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートやジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート等のカチオン触媒、トリフェニルフォスフィン等が挙げられる。これらのうちが1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7や1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5や6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等の3級アミン類及びこれらの三級アミン類をフェノールやオクチル酸等や四級化テトラフェニルボレート塩でアミン塩にした化合物が熱硬化性及び耐熱性、金属への接着性、配合後の保存安定性の点で好ましい。その際の配合量はポリウレタン樹脂(a)100重量部に対して0.01〜1.0重量部の配合量であることが好ましい。この範囲であればポリウレタン樹脂(a)とエポキシ化合物の反応に対する効果が一段と増し、強固な接着性能を得ることができる。
【0028】
本発明の樹脂組成物は、そのままで、あるいは更に各種硬化性樹脂、添加剤を配合して接着剤組成物とすることができる。硬化性樹脂としてはシリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、イソシアネート樹脂などが挙げられる。
【0029】
フェノール樹脂としてはたとえばアルキル化フェノール類、クレゾール類のホルムアルデヒド縮合物を挙げることが出来る。具体的にはアルキル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)フェノール、p-tert- アミルフェノール、4、4'-sec- ブチリデンフェノール、p-tert- ブチルフェノール、o-,m-,p-クレゾール、p-シクロヘキシルフェノール、4,4'-イソプロピリデンフェノール、p-ノニルフェノール、p-オクチルフェノール、3-ペンタデシルフェノール、フェノール、フェニル-o- クレゾール、p-フェニルフェノール、キシレノールなどのホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
【0030】
アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加物、さらにこれらの炭素原子数が1〜6のアルコールによるアルキルエーテル化合物を挙げることができる。具体的にはメトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロールN,N-エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられるが好ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、およびメチロール化ベンゾグアナミンであり、それぞれ単独または併用して使用することができる。
【0031】
イソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記する場合がある)、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する場合がある)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0032】
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3-ジクロロ-2-プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t-ブタノール、t-ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピルラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
【0033】
本発明の接着剤組成物には必要に応じてシリカを配合しても良い。シリカを配合することにより耐熱性の特性が向上するため非常に好ましい。シリカとしては一般に疎水性シリカと親水性シリカが知られているが、ここでは耐吸湿性を付与する上でジメチルジクロロシランやヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン等で処理を行った疎水性シリカの方が良い。シリカの平均粒子径は3μm以下が好ましい。より好ましくは50nm以下である。平均粒子径が3μmより大きいと分散不良や接着不良を起こし、耐熱性や接着性が低下する場合がある。シリカの配合量はポリエステル100重量部に対して0.05〜30重量部の配合量であることが好ましい。0.05重量部未満であると耐熱性を向上させる効果が発揮しない場合がある。一方30重量部を越えるとシリカの分散不良が生じたり溶液粘度が高くなりすぎて作業性に不具合が生じたり或いは接着性が低下する場合がある。
【0034】
本発明の接着剤組成物には必要に応じてシランカップリング剤を配合しても良い。シランカップリング剤を配合することにより金属への接着性や耐熱性の特性が向上するため非常に好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されないが、不飽和基を有するもの、グリシジル基を有するもの、アミノ基を有するものなどが挙げられる。不飽和基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等を挙げることができる。グリシジル基を有するシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのうち耐熱性の観点からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有したシランカップリング剤がさらに好ましい。シランカップリング剤の配合量はポリエステル100重量部に対して0.5〜20重量部の配合量であることが好ましい。0.5重量部未満であると耐熱性不良となる場合がある。一方、20重量部を越えると耐熱性不良や接着性不良なる場合がある。
【0035】
本発明の接着剤組成物には必要に応じ、臭素系、リン系、窒素系、水酸化金属化合物等の難燃剤、レベリング剤、顔料、染料等の添加剤を適宜配合することができる。
【0036】
本発明において、接着性シートとは、基材と本発明の接着剤組成物、または基材と本発明の接着剤組成物と離型基材から構成されるものである。接着性シートは接着剤組成物によって基材を被接着材に接着させる機能を有する。接着性シートの基材は、接着後、被接着材の保護層としての機能する。また接着性シートの基材として離型性基材を使用すると、離型性基材を離型して、さらに別の被接着材に接着剤層を転写することができる。
【0037】
本発明の接着剤組成物を、常法に従い、各種基材に塗布、乾燥せしむることにより、本発明の接着性シートを得ることができる。また乾燥せしめた後、接着剤層に離型基材を貼付けると、基材への裏移りを起こすことなく巻き取りが可能になり操業性に優れるとともに、接着剤層が保護されることから保存性に優れ、使用も容易である。また離型基材に塗布、乾燥せしめた後、必要に応じて別の離型基材を貼付すれば、接着剤層そのものを他の基材に転写することも可能になる。
【0038】
ここで、本発明の組成物を塗布する基材としては、特に限定されるものではないが、フィルム状樹脂、金属板、金属箔、紙類等を挙げることができる。フィルム状樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、オレフィン系樹脂等を例示することができる。金属板および金属箔の素材としては、SUS、銅、アルミ、鉄、亜鉛等の各種金属、及びそれぞれの合金、めっき品等を例示することができる、紙類として上質紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙等を例示することができる。また複合素材として、ガラスエポキシ等を例示することができる。接着剤組成物との接着力、耐久性から、本発明の組成物を塗布する基材としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、SUS鋼板、銅箔、アルミ箔、ガラスエポキシが好ましい。
【0039】
また本発明の組成物を塗布する離型基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、上質紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙などの紙の両面に、クレー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの目止剤の塗布層を設け、さらにその各塗布層の上にシリコーン系、フッ素系、アルキド系の離型剤が塗布されたもの、及び、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等の各種オレフィンフィルム単独、及びポリエチレンテレフタレート等のフィルム上に上記離型剤を塗布したものが挙げられるが、塗布された接着剤層との離型力、シリコーンが電気特性に悪影響を与える等の理由から、上質紙の両面にポリプロピレン目止処理しその上にアルキド系離型剤を用いたもの、ポリエチレンテレフタレート上にアルキド系離型剤を用いたものが好ましい。
【0040】
なお、本発明において接着剤組成物を基材上にコーティングする方法としては、特に限定されないが、コンマコーター、リバースロールコーター等が挙げられる。もしくは、必要に応じて、プリント配線板構成材料である圧延銅箔、またはポリイミドフィルムに直接もしくは転写法で接着剤フィルム層を設けることもできる。乾燥後の接着剤フィルム厚みは、必要に応じて、適宜変更されるが、好ましくは5〜200μmの範囲である。接着フィルム厚が5μm未満では、接着強度が不十分である。200μm以上では乾燥が不十分で、残留溶剤が多くなり、プリント配線板製造のプレス時にフクレを生じるという問題点が挙げられる。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥後の残留溶剤率は1%以下が好ましい。1%以上では、プリント配線板プレス時に残留溶剤が発泡して、フクレを生じるという問題点が挙げられる。
【0041】
本発明における「プリント配線板」は、導体回路を形成する金属箔と樹脂層とから形成された積層体を構成要素として含むものである。プリント配線板は、例えば、金属張積層体を用いてサブトラクティブ法などの従来公知の方法により製造される。必要に応じて、金属箔によって形成された導体回路を部分的、或いは全面的にカバーフィルムやスクリーン印刷インキ等を用いて被覆した、いわゆるフレキシブル回路板(FPC)、フラットケーブル、テープオートメーティッドボンディング(TAB)用の回路板などを総称している。
【0042】
本発明のプリント配線板は、プリント配線板として採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、基材フィルム層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の4層から構成されるプリント配線板とすることができる。また例えば、基材フィルム層、接着剤層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の5層から構成されるプリント配線板とすることができる。プリント配線板は必要に応じて補強材で補強することがあり、その場合、補強材、接着剤層が基材フィルム層の下に設けられる。
【0043】
さらに、必要に応じて、上記のプリント配線板を2つもしくは3つ以上積層した構成とすることもできる。
【0044】
本発明の樹脂組成物はプリント配線板の各接着剤層に好適に使用することが可能である。特に本発明の樹脂組成物を接着剤として使用すると、プリント配線板を構成する基材に対して高い接着性を有し、かつ高温高湿度下においても高い接着性を維持することが可能である。特に耐ハンダ性を評価する高温領域において、低い貯蔵弾性率を維持しながら、高い架橋密度を得ることができるので、加湿状態での耐ハンダ性試験における水分の蒸発による衝撃を十分に緩和することが可能であり、金属箔層とカバーフィルム層間の接着剤、および基材フィルム層と補強材層間の接着に適している。特に、SUS板のように剛直な補強材を使用した場合、加湿状態でのハンダづけの際の基材フィルム層と補強材層間の接着剤層に及ぶ衝撃は強大であり、そのような場合の接着に用いる樹脂組成物として好適である。
【0045】
本発明のプリント配線板において、基材フィルムとしては、従来からプリント配線板の基材として使用されている任意の樹脂フィルムが使用可能である。基材フィルムの樹脂としては、ハロゲンを含む樹脂を用いてもよく、ハロゲンを含まない樹脂を用いてもよい。環境問題の観点から、好ましくは、ハロゲンを含まない樹脂であるが、難燃性の観点からは、ハロゲンを含む樹脂を用いることもできる。基材フィルムは、好ましくは、ポリイミドフィルムまたはポリアミドイミドフィルムであることが好ましい。
【0046】
本発明に用いる金属箔としては、回路基板に使用可能な任意の従来公知の導電性材料が使用可能である。材質としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、スチール箔、及びニッケル箔などを使用することができ、これらを複合した複合金属箔や亜鉛やクロム化合物など他の金属で処理した金属箔についても用いることができる。好ましくは、銅箔である。
【0047】
金属箔の厚みについては特に限定はないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは、3μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。また、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。厚さが薄すぎる場合には、回路の充分な電気的性能が得られにくい場合があり、一方、厚さが厚すぎる場合には回路作製時の加工能率等が低下する場合がある。
【0048】
金属箔は、通常、ロール状の形態で提供されている。本発明のプリント配線板を製造する際に使用される金属箔の形態は特に限定されない。リボン状の形態の金属箔を用いる場合、その長さは特に限定されない。また、その幅も特に限定されないが、250〜500cm程度であるのが好ましい。
【0049】
カバーフィルムとしては、プリント配線板用の絶縁フィルムとして従来公知の任意の絶縁フィルムが使用可能である。例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの各種ポリマーから製造されるフィルムが使用可能である。より好ましくは、ポリイミドフィルムまたはポリアミドイミドフィルムであり、さらに好ましくは、ポリイミドフィルムである。
【0050】
ポリイミドフィルムは、その樹脂成分としてポリイミド樹脂を主成分とする。樹脂成分のうち、90重量%以上がポリイミドであることが好ましく、95重量%以上がポリイミドであることがより好ましく、98重量%以上がポリイミドであることがさらに好ましく、99重量%以上がポリイミドであることが特に好ましい。ポリイミド樹脂としては、従来公知の任意の樹脂を使用することができる。
【0051】
カバーフィルムの素材樹脂としては、ハロゲンを含む樹脂を用いてもよく、ハロゲンを含まない樹脂を用いてもよい。環境問題の観点から、好ましくは、ハロゲンを含まない樹脂であるが、難燃性の観点からは、ハロゲンを含む樹脂を用いることもできる。
【0052】
補強材としては、SUS板、アルミニウム板等の金属板、ポリイミドフィルム、ガラス繊維をエポキシ樹脂で硬化した板等が使用される。
【0053】
本発明のプリント配線板は、上述した各層の材料を用いる以外は、従来公知の任意のプロセスを用いて製造することができる。
【0054】
好ましい実施態様では、カバーフィルム層に接着剤層を積層した半製品(以下、「カバーフィルム側半製品」という)を製造する。他方、基材フィルム層に金属箔層を積層して所望の回路パターンを形成した半製品(以下、「基材フィルム側2層半製品」という)または基材フィルム層に接着剤層を積層し、その上に金属箔層を積層して所望の回路パターンを形成した半製品(以下、「基材フィルム側3層半製品」という)を製造する(以下、基材フィルム側2層半製品と基材フィルム側3層半製品とを合わせて「基材フィルム側半製品」という)。このようにして得られたカバーフィルム側半製品と、基材フィルム側半製品とを貼り合わせることにより、4層または5層のプリント配線板を得ることができる。さらに補強材層に接着剤層を積層した半製品(以下、「補強材側半製品」という)を製造し、必要に応じて、プリント配線板の基材フィルム層に貼り合わせ補強することができる。また、補強材と基材フィルム間に用いる接着剤を離型基材に塗布し、プリント配線板の基材フィルム裏面に転写し、補強材と貼りあわせることもできる。
【0055】
基材フィルム側半製品は、例えば、
(A)前記金属箔に基材フィルムとなる樹脂の溶液を塗布し、塗膜を初期乾燥する工程
(B)(A)で得られた金属箔と初期乾燥塗膜との積層物を熱処理・乾燥する工程(以下、「熱処理・脱溶剤工程」という)
を含む製造法により得られる。
【0056】
金属箔層における回路の形成は、従来公知の方法を用いることができる。アクティブ法を用いてもよく、サブトラクティブ法を用いてもよい。好ましくは、サブトラクティブ法である。
【0057】
得られた基材フィルム側半製品は、そのままカバーフィルム側半製品との貼り合わせに使用されてもよく、また、離型フィルムを貼り合わせて保管した後にカバーフィルム側半製品との貼り合わせに使用してもよい。
【0058】
カバーフィルム側半製品は、例えば、カバーフィルムに接着剤を塗布して製造される。必要に応じて、塗布された接着剤における架橋反応を行うことができる。好ましい実施態様においては、接着剤層を半硬化させる。
【0059】
得られたカバーフィルム側半製品は、そのまま基材側半製品との貼り合わせに使用されてもよく、また、離型フィルムを貼り合わせて保管した後に基材フィルム側半製品との貼り合わせに使用してもよい。
【0060】
基材フィルム側半製品とカバーフィルム側半製品とは、それぞれ、例えば、ロールの形態で保管された後、貼り合わされて、プリント配線板が製造される。貼り合わせる方法としては、任意の方法が使用可能であり、例えば、プレスまたはロールなどを用いて貼り合わせることができる。また、加熱プレス、または加熱ロ−ル装置を使用するなどの方法により加熱を行いながら両者を貼り合わせることもできる。
【0061】
補強材側半製品は、例えば、ポリイミドフィルムのように柔らかく巻き取り可能な補強材の場合、補強材に接着剤を塗布して製造されることが好適である。また、例えばSUS、アルミ等の金属板、ガラス繊維をエポキシ樹脂で硬化させた板等のように硬く巻き取りできない補強板の場合、予め離型基材に塗布した接着剤を転写塗布することによって製造されることが好適である。また、必要に応じて、塗布された接着剤における架橋反応を行うことができる。好ましい実施態様においては、接着剤層を半硬化させる。
【0062】
得られた補強材側半製品は、そのままプリント配線板裏面との貼り合わせに使用されてもよく、また、離型フィルムを貼り合わせて保管した後に基材フィルム側半製品との貼り合わせに使用してもよい。
【0063】
基材フィルム側半製品、カバーフィルム側半製品、補強剤側半製品はいずれも、本発明におけるプリント配線板用積層体である。
【実施例】
【0064】
以下、実施例により本発明を具体的に例示する。実施例中に単に部とあるのは質量部を示す。
【0065】
(物性評価方法)
(1)ポリエステル樹脂の組成
ポリエステル樹脂を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR分析により、酸成分、グリコール成分のモル比を求めた。
【0066】
(2)数平均分子量Mn
試料を、樹脂濃度が0.5%程度となるようにテトラヒドロフランで溶解および/または希釈し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過したものを測定用試料として、テトラヒドロフランを移動相とし示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィーにより分子量を測定した。流速は1mL/分、カラム温度は30℃とした。カラムには昭和電工製KF−802、804L、806Lを用いた。分子量標準には単分散ポリスチレンを使用した。
【0067】
(3)ガラス転移温度
示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定した。
【0068】
(4)酸価
試料0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、指示薬フェノールフタレインを用い、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、算出した(mgKOH/g)。
【0069】
(特性評価方法)
(1)剥離強度
後述する接着剤組成物を厚さ25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製、アピカル)に、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布し、130℃で3分乾燥した。この様にして得られた接着性フィルム(Bステージ品)を30μmの圧延銅箔と貼り合わせる際、圧延銅箔の光沢面が接着剤と接する様にして、160℃で35kgf/cm2の加圧下に30秒間プレスし、接着した。次いで140℃で4時間熱処理して硬化させて、剥離強度評価用サンプルを得た(初期評価用)。
接着性フィルム(Bステージ品)を、40℃、80%加湿下にて14日間放置後、上記条件にて圧延銅箔とプレス、熱処理して硬化させ、経時評価用のサンプルを得た。
【0070】
各特性の評価は以下の方法で行った;
剥離強度:25℃において、引張速度50mm/minで90°剥離試験を行ない、剥離強度を測定した。この試験は常温での接着強度を示すものである。
【0071】
(2)クリープ特性
後述する接着剤組成物を厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン)に、乾燥後の厚みが30μmとなる様に塗布し、130℃で3分乾燥した。このようにして得られた接着性フィルム(Bステージ品)を5mm幅に切断したものを、500μmのSUS304板と、160℃で5kgf/cm2の加圧下に30秒間プレスし、接着した。次いで140℃で4時間熱処理して硬化させて、クリープ特性評価用サンプルを得た(初期サンプル)。また、接着性フィルム(Bステージ品)を、40℃、80%加湿下にて14日間放置後、上記条件にてSUS板とプレス、熱処理して硬化させ、経時評価用のサンプルを得た。得られたサンプルを、60℃×90%雰囲気下、200gの錘をぶら下げ、30分間で剥がれた距離を測定した。なお錘のぶら下げ方は、剥離形態が180°剥離となるように行った。この試験は、高温高湿下での接着強度を示すもので、剥離のないものが好ましく、剥離距離が大きくなるほど、接着強度が低い。
【0072】
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂に使用したポリエステルポリオールAの重合例
撹拌器、温度計、流出用冷却器を装備した反応缶内に、テレフタル酸99.6部、イソフタル酸97.1部、アジピン酸43.8部、無水トリメリット酸2.88部、2−メチルー1,3−プロパンジオール186.0部、1,4−ブタンジオール84.0部、テトラブチルチタネート1.1部を仕込み、4時間かけて250℃まで徐々に昇温し、留出する水を系外に除きつつエステル化反応を行った。エステル化反応終了後30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行うと共に温度を240℃まで昇温し、更に1mmHg以下で1時間後期重合を行った。その後、窒素にて常圧に戻し、無水トリメリット酸2.88部を投入し、220℃で30分間反応させることによってポリエステル樹脂Aを得たこの様にして得られたポリエステルの組成、特性値を表1に示した。各測定評価項目は先述の方法に従った。
【0073】
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂に使用したポリエステルポリオールB、C、D、E、Fの重合例
ポリエステル樹脂Aの重合例と同様にして、表1に示す原料を用いて、ポリウレタン樹脂に使用したポリエステルポリオールB、C、D、E、Fを得た。この樹脂の組成、特性値を表1に示した。
【0074】
【表1】

【0075】
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂Iの重合例
温度計、撹拌機、還流式冷却管および蒸留管を具備した反応容器に表4に記載したポリエステルポリオールA100部、トルエン70部を仕込み溶解後、トルエン20部を蒸留させ、トルエン/水の共沸により反応系を脱水した。60℃まで冷却後、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)を9部、メチルエチルケトン50部を加えた。DMBAが溶解後、ヘキサメチレンジイソシアネートを8部、さらに反応触媒としてジブチルチンジラウレートを0.4部加え、80℃で3時間反応させてから、メチルエチルケトンとトルエンの同質量混合溶液を投入して固形分濃度を30質量%に調整し、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(I)の溶液を得た。ポリウレタン樹脂(I)の特性を表2に示す。ポリウレタン樹脂(I)の溶液を120℃で1時間乾燥することにより溶剤を除いたフィルムを用いて、クロロホルム中で水酸化カリウムのエタノール溶液により酸価を求めた。表2中、数平均分子量はテトラハイドロフランを溶媒としてゲル浸透クロマトグラフィーにより、ガラス転移温度は昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計により測定した。
【0076】
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂II〜XIの重合例
ポリウレタン樹脂Iの重合例と同様にして、表2に示す原料を用いて、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂II〜XIを得た。特性値を表2に示した。
【0077】
【表2】

【0078】
実施例1
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂I 100部(固形分のみの質量、溶剤は含まない。以下同様)、エポキシ樹脂ア[大日本インキ化学工業(株)製 HP7200−H(ジシクロペンタンジエン型エポキシ樹脂)]17.93部、エポキシ樹脂イ[三菱瓦斯化学(株)製 TETRAD−X(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン)]0.44部、を配合し、目的とする接着剤組成物を得た。なお、エポキシ樹脂は、MEK70%溶液として配合した。エポキシ樹脂の配合量は、ポリウレタンの酸価の総量の1.05倍のグリシジル基を含むように算出して決定した。接着評価試料を上述の方法で作製し、評価した結果を表3に示す。初期評価、経時評価ともに良好な結果を示している。
【0079】
実施例2〜9
実施例1と同じく、表3に示される樹脂種、配合量で試料を作製し、樹脂特性を評価した。なお、エポキシ樹脂ウは、東都化成社製 YDCN703(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)である。エポキシ樹脂の配合量は、ポリウレタンの酸価の総量の1.05倍のグリシジル基を含むように算出して決定した。評価した結果を表3に示す。初期評価、経時評価ともに良好な結果を示している。
【0080】
【表3】

【0081】
比較例1〜8
実施例1〜9と同様にして、表4に示される、樹脂種、配合量で試料を作製し、樹脂特性を評価した。
【0082】
【表4】

【0083】
比較例1は、ポリウレタンの酸価が小さく本発明の範囲外である。硬化物の架橋が不十分となり、凝集力が小さくなる為、室温の剥離強度も低く、高温高湿度下での接着性の指標となるクリープ特性も不良である。
【0084】
比較例2は、ポリウレタンの酸価が大きく本発明の範囲外である。硬化物の剛直性が過度に高くなる為、室温の剥離強度も低く、高温高湿度下での接着性の指標となるクリープ特性も不良である。
【0085】
比較例3は、ポリウレタンの分子量が小さく本発明の範囲外である。凝集力が小さくなる為、室温の剥離強度も低く、高温高湿度下での接着性の指標となるクリープ特性も不良である。
【0086】
比較例4は、ポリウレタンのガラス転移温度が高く本発明の範囲外である。基材との貼り合せが不十分となり、室温の剥離強度が不良である。
【0087】
比較例5は、ポリウレタンのガラス転移温度が低く本発明の範囲外である。耐熱性が低い為、クリープ特性が不良である。また、Bステージの安定性が不良であり、経時で
室温の剥離強度が大幅に低下する。
【0088】
比較例6、7は、窒素含有のエポキシ樹脂が配合されておらず本発明の範囲外である。硬化物の可とう性と剛直性のバランスが悪く、クリープ特性が不良である。
【0089】
比較例8は、窒素含有のエポキシ樹脂の配合量が多く本発明の範囲外である。過度に剛直性が高くなり、室温の剥離強度、クリープ特性共に不良である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明により、各種プラスチックフィルムへの接着性、銅、アルミ、ステンレス鋼などの金属への接着性、ガラスエポキシへの接着性を有し、高温高湿度下での接着力の維持、常温流通にも対応できるBステージ接着シートのシートライフ確保を達成することができる接着剤用樹脂組成物、これを含有する接着剤、接着性シートおよびこれを用いて接着した積層体を得ることができる。左記特性により、フレキシブルプリント配線(FPC)用途、特にハードディスクドライブ装置(HDD)の配線に使用されるFPC用途において有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基を含有し、酸価(単位:当量/106g)が100以上1000以下であり、数平均分子量が5.0×10以上1.0×10以下であり、ガラス転移温度が−10℃以上70℃以下であるポリウレタン樹脂(a)、
窒素原子を含有するエポキシ樹脂(b)、
ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(c)、
を含有し、前記樹脂(b)の配合比率が、樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の0.1質量%以上20質量%以下である接着剤用樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂(b)がグリシジルジアミン構造を有する、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
樹脂(c)の配合比率が、樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の60質量%以上99.9質量%以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記樹脂(a)が、
ポリエステルポリオール(d)、
1つのカルボン酸基と2つの水酸基を有する化合物(e)、
ポリイソシアネート(f)
の反応によって得られるものである請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着剤。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着シート。
【請求項7】
複数の板状体および/または箔状体を接着層で貼り合わせた積層体であって、該接着層の少なくとも一部が請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を含むことを特徴とするプリント配線板用積層体。
【請求項8】
請求項7に記載の積層体を構成要素として含むプリント配線板。



【公開番号】特開2010−84005(P2010−84005A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254367(P2008−254367)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】