接続構造
【課題】回路面積の増加および接合工程の複雑化を抑制することが可能な接続構造を提供する。
【解決手段】この接続構造は、接続端子1aを有する基板1と、基板1の接続端子1aと電気的に接続される接続端子2bを有するとともに、基板1と樹脂層3を介して接合されるように構成されたフレキシブルプリント基板2と、基板1のフレキシブルプリント基板2に対する接合部分、および、フレキシブルプリント基板2の基板1との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、樹脂層3を構成する樹脂の流動方向を制御する絶縁体(流動方向制御部材)2dとを備える。
【解決手段】この接続構造は、接続端子1aを有する基板1と、基板1の接続端子1aと電気的に接続される接続端子2bを有するとともに、基板1と樹脂層3を介して接合されるように構成されたフレキシブルプリント基板2と、基板1のフレキシブルプリント基板2に対する接合部分、および、フレキシブルプリント基板2の基板1との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、樹脂層3を構成する樹脂の流動方向を制御する絶縁体(流動方向制御部材)2dとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造に関し、特に、基板と電気部材との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接続構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ガラス基板とフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits)とを接着剤により接合することによって、ガラス基板上の第1の配線とフレキシブルプリント基板上の第2の配線とを接続する接続構造が開示されている。上記特許文献1に開示された接続構造では、ガラス基板とフレキシブルプリント基板とを第1の接着剤により接合するとともに、第1の接着剤が基板間からはみ出るのを抑制するために基板間の隙間部分に第2の接着剤を配置し、さらに第2の接着剤が配置された領域に封止樹脂を配置するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−286790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された接続構造では、第1の接着剤が基板間からはみ出るのを抑制するために基板間に第2の接着剤および封止樹脂を別途配置するように構成されている。このため、ガラス基板にフレキシブルプリント基板を接合する際に、第2の接着剤および封止樹脂を配置する分だけ回路面積が増加するとともに、接合工程が複雑化するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、回路面積の増加および接合工程の複雑化を抑制することが可能な接続構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による接続構造は、第1端子部を有する基板と、基板の第1端子部と電気的に接続される第2端子部を有するとともに、基板と樹脂層を介して接合されるように構成された電気部材と、基板の電気部材に対する接合部分、および、電気部材の基板との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御する流動方向制御部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一の局面による接続構造では、上記のように、基板および電気部材のいずれか一方に流動方向制御部材を設けることによって、別途接着剤および封止剤などを設けることなく樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御することができる。したがって、別途接着剤および封止剤を設けない分だけ電気部材を配置するための領域を小さくすることができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による接続構造を説明するための断面図である。図2および図3は、本発明の第1実施形態による接続構造を説明するための図である。
【0011】
第1実施形態では、本発明における接続構造の一例として、基板1に対してフレキシブルプリント基板2を接続する構造について説明する。なお、フレキシブルプリント基板2は、本発明の「電気部材」および「配線基板」の一例である。
【0012】
第1実施形態における接続構造では、図1〜図3に示すように、基板1は接続端子1aを備えている。フレキシブルプリント基板2は、配線基板部2aと、配線基板部2aに設けられた接続端子2bおよび導電層2cとを備えている。導電層2cは、フレキシブルプリント基板2に形成される配線と同一材料からなるとともに、配線の形成時に同時に形成される。また、フレキシブルプリント基板2の導電層2cは、たとえば、ポリイミド樹脂層などからなる絶縁層2dにより覆われている。また、導電層2cおよび導電層2cを覆う絶縁層2dは、平面的にみて、図2および図3のY方向に延びるように構成されている。なお、第1実施形態における接続端子1aおよび接続端子2bは、それぞれ、本発明における「第1端子部」および「第2端子部」の一例である。
【0013】
また、基板1の接続端子1aとフレキシブルプリント基板2の接続端子2bとは面接触していることにより電気的に接続されている。また、この状態において、基板1とフレキシブルプリント基板2とは、基板1と配線基板部2aとの間に配置された樹脂層3により互いに接合された状態になるように構成されている。なお、樹脂層3は、基板1と配線基板部2aとの接着剤としての機能を有する。具体的には、第1実施形態においては、樹脂層3は、NCF(Non−Conductive Film(非導電性フィルム))樹脂またはNCP(Non−Conductive Paste(非導電性ペースト))樹脂などにより構成されている。
【0014】
ここで、第1実施形態では、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3の流動方向を制御する流動方向制御部材としての機能を有する。具体的には、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3を構成する樹脂の流動を抑制したい方向に対して略垂直な方向(第1実施形態ではY方向)に延びるように配置されている。これにより、流動した樹脂は配線基板部2aからZ1方向に突出した形状である絶縁層2dに接触してX方向への流動が規制されるとともに、導電層2cおよび絶縁層2dが延びる方向(Y方向)に沿って樹脂層3を形成する樹脂が流動するように構成されている。つまり、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3を構成する樹脂が流動した際の所望の抑制方向(第1実施形態ではX方向)に略垂直に設けられていることになる。なお、第1実施形態では、接続端子1aおよび2bの長手方向に沿ったY方向に延びるように導電層2cおよび絶縁層2dが設けられる。
【0015】
また、第1実施形態では、基板1と配線基板部2aとの接合時において、絶縁層2d(流動方向制御部材)の矢印Z1方向に突出した長さL1は、基板1と配線基板部2aとの間隔L2よりも小さくなるように構成されている。
【0016】
図4および図5は、本発明の第1実施形態による接続構造において、基板1とフレキシブルプリント基板2との接続時(接合時)における動作を説明するための図である。
【0017】
基板1とフレキシブルプリント基板2とを接合する際には、図4に示すように、基板1とフレキシブルプリント基板2との間に樹脂層3を構成する樹脂を配置するとともに、図5に示すように、フレキシブルプリント基板2をZ1方向に移動させることにより樹脂層3を構成する樹脂が基板1およびフレキシブルプリント基板2により挟み込まれる。そして、基板1およびフレキシブルプリント基板2により圧力が加えられた樹脂が圧力に応じて流動する。
【0018】
ここで、第1実施形態では、Y方向に延びるように形成された絶縁層2dによって、X方向への樹脂(樹脂層3を構成する樹脂)の流動が規制されるとともに、この樹脂の流動は略Y方向のみとなる。なお、第1実施形態におけるX方向およびY方向は、本発明における「第1方向」および「第2方向」の一例である。
【0019】
そして、基板1およびフレキシブルプリント基板2が互いに接合された状態において加熱処理が行われることにより樹脂層3を構成する樹脂が硬化する。そして、これにより、基板1およびフレキシブルプリント基板2とが接着された状態となる。
【0020】
第1実施形態では、上記のように、フレキシブルプリント基板2に設けられた絶縁層2dを樹脂層3を構成する樹脂の流動方向(X方向)を規制するように構成することによって、樹脂層3を構成する樹脂のX方向への流動を、別途接着剤および封止剤などを設けることなく制御することができる。したがって、別途接着剤および封止剤を設けない分だけフレキシブルプリント基板2を配置するための領域を小さくすることができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【0021】
また、上記第1実施形態では、平面的にみて、導電層2cおよび絶縁層2dをY方向に延びるように構成することによって、樹脂層3を構成する樹脂は、X方向への流動が規制されながら、Y方向に沿って流動する。したがって、接続端子1aおよび接続端子2bが、樹脂層3を構成する樹脂のX方向への流動に伴ってX方向(接続端子1aおよび2bの短手方向)に互いにずれるのを抑制することができる。これによって、接続端子1aおよび接続端子2bに接触不良が発生するのを抑制することができる。また、樹脂層3を構成する樹脂の流動は略Y方向に沿って流動するように規制されるので、たとえ接続端子1aおよび2bにずれが生じたとしても、そのずれはY方向に沿って生じることになる。その一方で、第1実施形態では、接続端子1aおよび2bは、Y方向に延びるように設けられているので、接続端子1aおよび2bにY方向のずれが生じたとしても接続状態を維持することができる。また、このとき、たとえば、予め接続端子1aおよび接続端子2bを樹脂層3を構成する樹脂の流動に伴ってずれる分だけ互いにずらして配置させておくことにより、樹脂層3を構成する樹脂が流動する際に接続端子1aおよび接続端子2bの接続状態を容易に維持させることができる。
【0022】
また、上記第1実施形態では、絶縁層2d(流動方向制御部材)の矢印Z1方向に突出した長さL1を、基板1とフレキシブルプリント基板2との接合時における間隔L2よりも小さくなるように構成する。このように構成することによって、絶縁層2dが基板1に接触する前に、確実に接続端子1aおよび接続端子2bを接続させることができる。また、絶縁層2dが矢印Z1方向に突出した分だけ基板間から樹脂層3を構成する樹脂が流出するのを抑制することができる。また、樹脂層3を構成する樹脂が流出するのを抑制することができるので、たとえば、流出した樹脂が接合された基板の厚みよりも盛り上がることに起因して、盛り上がった分だけ全体的な厚みが増加するのを抑制することができる。
【0023】
(第2実施形態)
図6〜図9は、本発明の第2実施形態による接続構造を説明するための図である。この第2実施形態では、基板1に対してフレキシブルプリント基板2を接続する構造について説明した第1実施形態とは異なり、基板1に対してチップスケールパッケージ方式により形成されたチップ(LSI)4を接続する構造について説明する。なお、チップ4は、本発明の「電気部材」および「電子部品」の一例である。
【0024】
第2実施形態における接続構造では、チップ4は、接続端子4aを備えている。また、第2実施形態では、チップ4は、平面的にみて、チップ4の両端部および各接続端子4a間に、それぞれ、流動方向制御部材4bを備えている。流動方向制御部材4bは、たとえば、配線を絶縁するためのソルダーレジストなどと同じ絶縁材料により形成されている。具体的には、たとえば、アクリレート系樹脂層、硫酸バリウムおよびシリカなどを混合した絶縁材料により形成される。
【0025】
また、第2実施形態では、各々の流動方向制御部材4bは、第1実施形態と同様に、接続端子1aおよび接続端子4aの長手方向に沿ったY方向に延びるように設けられているとともに、チップ4に対してZ1方向に突出するように形成されている。また、基板1の接続端子1aとチップ4の接続端子4aとは電気的に接続されるとともに、この状態において基板1とチップ4とが樹脂層3aにより接着される。また、基板1とチップ4との接合時において、流動方向制御部材4bのZ1方向に突出した長さL3は、基板1と流動方向制御部材4bとの長さL4よりも小さくなるように構成されている。
【0026】
なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0027】
また、第2実施形態において、基板1とチップ4とを接合する際には、第1実施形態と同様に、チップ4をZ1方向に移動させることにより樹脂層3aが基板1およびチップ4により挟み込まれる。そして、基板1およびチップ4により圧力が加えられた樹脂層3aが圧力に応じて流動する。このとき、第2実施形態では、チップ4の両端部および各接続端子4a間に設けられた流動方向制御部材4bにより、樹脂層3aのX方向への流動が規制されるとともにY方向に流動される。
【0028】
なお、第2実施形態のその他の動作は第1実施形態と同様である。
【0029】
第2実施形態では、上記のように、基板1にチップ4を接続する場合であっても、チップ4に形成された流動方向制御部材4bにより樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動を規制することができる。したがって、第1実施形態と同様に、別途接着剤および封止剤を設けることなく基板1およびチップ4を接合することができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、この場合も別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【0030】
また、上記第2実施形態では、平面的にみて、チップ4の両端部に加えて各接続端子4a間にも流動方向制御部材4bを設けることによって、より確実に樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動を規制することができる。したがって、樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動によって接続端子1aおよび接続端子4aがX方向(接続端子1aおよび4a)に互いにずれることをより確実に抑制することができるので、接続端子1aおよび接続端子4aに接触不良が発生するのを抑制することができる。また、たとえ接続端子1aおよび4aにずれが生じたとしても、そのずれは接続端子1aおよび4aの長手方向であるY方向に沿って生じることになるので、十分に接続状態を維持することができる。
【0031】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0032】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態の構成を説明するための断面図である。この第3実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、流動方向制御部材4bの先端部分の幅を小さくした例について説明する。
【0033】
第3実施形態における接続構造では、チップ4に接続端子4aおよび流動方向制御部材4cが形成されている。ここで、流動方向制御部材4cは、根元部分の幅の大きさよりも先端部分の幅の大きさの方が小さくなるように、先端部分が丸型の面取り形状に形成されている。
【0034】
なお、第3実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0035】
第3実施形態では、上記のように、流動方向制御部材4cの先端部分の幅の大きさを根元部分の幅の大きさに比べて小さくなるように構成する。このように構成することによって、樹脂層3aを構成する樹脂のうちで流動方向制御部材4cによって押しのけられる樹脂の量が、流動方向制御部材4cの幅の大きさが小さくなる分だけ少なくなるので、その分、樹脂層3aを構成する樹脂の流動が発生しにくくすることができる。したがって、接続端子1aおよび接続端子4aにずれが生じることを抑制することができる。
【0036】
なお、第3実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0037】
(第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態による接続構造を説明するための平面図である。この第4実施形態では、平面的にみて、基板1の両端部および各接続端子4a間に流動方向制御部材4b(4c)を設けた第2および第3実施形態とは異なり、基板1の接続端子1aを囲むように配置された流動方向制御部材40aおよび40bを備えたチップ40について説明する。
【0038】
第4実施形態における接続構造では、チップ40は、平面的にみて、チップ40のX方向側の各端部近傍にそれぞれ流動方向制御部材40aを備えているとともに、チップ40のY方向の各端部近傍にそれぞれ流動方向制御部材40bを備えている。また、流動方向制御部材40aはY方向に延びるように形成されているとともに、流動方向制御部材40bはX方向に延びるように形成されている。また、流動方向制御部材40aと流動方向制御部材40bとの間には、樹脂層3bを構成する樹脂が流動されるための間隔が設けられている。
【0039】
なお、第4実施形態のその他の構成は、第2および第3実施形態と同様である。
【0040】
また、第4実施形態において、基板1とチップ40とにより樹脂層3bを構成する樹脂が加圧された際には、流動方向制御部材40aにより樹脂層3bを構成する樹脂のX方向への流動が規制されるとともに、流動方向制御部材40bにより樹脂層3bを構成する樹脂のY方向への流動が規制される。
【0041】
ここで、第4実施形態では、樹脂層3bを構成する樹脂は、流動方向制御部材40aと流動方向制御部材40bとの間に設けられた間隔に向かう方向に流動する。具体的には、樹脂層3bを構成する樹脂は、接続端子1aおよび接続端子4aが形成されている領域から矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向に向かって放射状に流動するとともに、各方向に流動する樹脂は、それぞれ略同程度(均一)の量となる。なお、第4実施形態におけるX方向およびY方向は、それぞれ、本発明における「第1方向」の一例である。また、第4実施形態における矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向は、それぞれ、本発明における「第2方向」の一例である。
【0042】
なお、第4実施形態のその他の動作は、第2および第3実施形態と同様である。
【0043】
第4実施形態では、上記のように、樹脂層3bを構成する樹脂は接続端子1aおよび接続端子4aが形成された領域から矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向に向かって放射状に流動するとともに、それぞれ流動する量が略同程度(均一)になることによって、接続端子1aおよび接続端子4aには、流動に伴って加えられる各方向毎の力がほぼ均等の大きさになる。したがって、接続端子1aおよび接続端子4aの間にずれが生じるのをより有効に抑制することができる。
【0044】
なお、第4実施形態のその他の効果は、第2および第3実施形態と同様である。
【0045】
(第5実施形態)
図12は、本発明の第5実施形態による接続構造を説明するための図である。この第5実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、基板1上の流動方向制御部材4bに対向する位置に、流動方向制御部材4bがはめ込み可能な溝部1bが形成された例について説明する。なお、第4実施形態の溝部1bは、本発明における「凹部」の一例である。
【0046】
第5実施形態における接続構造では、基板1上において、チップ4の流動方向制御部材4bに対向する位置に、流動方向制御部材4bがはめ込み可能な溝部1bが形成されている。また、基板1およびチップ4が樹脂層3cにより接合状態である際に、チップ4上の接続端子4aが形成された面と基板1の溝部1bの底面部分との距離L5よりも流動方向制御部材4bのZ方向における長さL6の方が小さくなるように形成されている。なお、第4実施形態では、第2実施形態と異なり、チップ4の接続端子4a間には流動方向制御部材4bは設けられていないことにより、接続端子4a間に配置される流動方向制御部材4bに対応する溝部1bも設けられていない。
【0047】
なお、第5実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0048】
第5実施形態では、上記のように、基板1上において、チップ4に形成された流動方向制御部材4bに対向する位置に流動方向制御部材4bが嵌め込み可能な溝部1bを形成することによって、溝部1bの深さ分だけ流動方向制御部材4bの長さを大きくすることができる。これにより、流動方向制御部材4bの長さを大きくした分、基板1およびチップ4を接合する際に、チップ4の接続端子4aが樹脂(樹脂層3cを構成する樹脂)に接触するよりもより早い段階で流動方向制御部材4bをこの樹脂に接触させることができる。その結果、チップ4の接続端子4aが樹脂層3cを構成する樹脂に接触する段階では、すでに樹脂層3cを構成する樹脂が十分流動された状態となるので、その分、接続端子4aに加えられる樹脂の流動による力を低減することができる。すなわち、チップ4の接続端子4aが基板1の接続端子1aに対してずれるのを抑制することができる。
【0049】
なお、第5実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0050】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態による接続構造を説明するための図である。この第6実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、基板1上にチップ4の位置ずれを抑制する位置決め部1cを備えた例について説明する。
【0051】
第6実施形態における接続構造では、基板1上に、チップ4の位置ずれを抑制するための位置決め部1cが形成されている。具体的には、位置決め部1cは、矢印Z2方向に突出するように形成されているとともに、基板1およびチップ4の接合状態時に流動方向制御部材4bをX方向の外側から挟むような位置に配置されている。また、位置決め部1cは、流動方向制御部材4bとともに樹脂層3dを構成する樹脂がX方向に流動するのを抑制する機能を有する。
【0052】
なお、第6実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0053】
第6実施形態では、上記のように、基板1上に流動方向制御部材4bを挟むような位置に位置決め部1cを形成することによって、基板1およびチップ4の接合状態時において流動方向制御部材4bがX方向に移動するのを抑制することができる。また、位置決め部1cを基板1の表面から矢印Z2方向に突出するように形成することにより、基板1およびチップ4を接合する際に、流動方向制御部材4bのみならず位置決め部1cによっても樹脂層3dを構成する樹脂がX方向に流動するのを抑制することができる。
【0054】
なお、第6実施形態におけるその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0055】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態による接続構造を説明するための図である。この第7実施形態では、基板1とチップ4との接合時に流動方向制御部材4bの長さL3が基板1およびチップ4間の距離L4よりも小さくなる例を示した第2実施形態とは異なり、基板1とチップ4との接合時に、基板1およびチップ4間の距離と流動方向制御部材4dの長さとが略同程度になる例について説明する。
【0056】
第7実施形態における接続構造では、基板1とチップ4との接合時において、基板1およびチップ4間の距離と流動方向制御部材4dの長さとが略同程度(L7)になるように構成されている。具体的には、流動方向制御部材4dは、接続端子1aおよび4aよりも硬度が低く、かつ、硬化した樹脂層3eよりも硬度が高い材料により形成されている。なお、基板1とチップ4との接合前の段階における流動方向制御部材4dの長さは、上記基板1とチップ4との接合時における長さ(L7)よりも大きい。また、第7実施形態において、流動方向制御部材4dを形成する材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニール、アクリル、ポリカーボネート、ナイロン、アセタールおよびポリイミドなどの樹脂が挙げられる。
【0057】
なお、第7実施形態におけるその他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0058】
また、基板1とチップ4とを接合する際には、まず、流動方向制御部材4dの先端部分が基板1に接触するとともに、この先端部分が基板1により押圧されて変形する。そして、接続端子1aと接続端子4aとが接触した状態で、樹脂層3eを構成する樹脂を加熱および圧着することにより基板1およびチップ4が互いに固定される。これにより、流動方向制御部材4dは、先端部分が変形した状態で、基板1およびチップ4間の距離と略同程度(L7)に形成される。
【0059】
なお、第7実施形態のその他の動作は、第2実施形態と同様である。
【0060】
第7実施形態では、上記のように、流動方向制御部材4dが基板1およびチップ4の両方に接触した状態になるように形成することによって、流動方向制御部材4dが基板1およびチップ4のいずれか一方にのみ接触した状態である場合よりも、基板1およびチップ4の接合時の強度を増加させることができる。また、流動方向制御部材4dを変形させながら基板1およびチップ4を接合するように構成することによって、流動方向制御部材4dの長さにばらつきが生じた場合であっても、確実に基板1およびチップ4の両側に接触した状態によって基板1およびチップ4を接合させることができる。したがって、流動方向制御部材4dの加工ばらつきに起因して基板1およびチップ4の接合時の強度が低下するのを抑制することができる。
【0061】
なお、第7実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0062】
(第8実施形態)
図15は、本発明の第8実施形態による接続構造を説明するための図である。この第8実施形態では、チップ4側に流動方向制御部材4bを設けた第2実施形態とは異なり、基板1側に流動方向制御部材1dを設ける例について説明する。
【0063】
第8実施形態における接続構造では、基板1は接続端子1aおよび流動方向制御部材1dを備えている。また、流動方向制御部材1dは、基板1のX方向側の各端部近傍と、接続端子1a間とにそれぞれ設けられている。そして、基板1の接続端子1aとチップ4の接続端子4aとが面接触した状態で基板1とチップ4とが樹脂層3fを介して接合されている。
【0064】
なお、第8実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0065】
第8実施形態では、上記のように、流動方向制御部材1dを基板1側に設けた場合であっても、樹脂層3fを構成する樹脂がX方向に流動するのを規制することができる。したがって、この場合においても別途接着剤および封止剤を設ける必要がない分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、第2実施形態と同様に、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になることを抑制することができる。
【0066】
なお、第8実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0067】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0068】
たとえば、第1実施形態では、基板にフレキシブルプリント基板を接続する例を示すとともに、第2〜第8実施形態では、基板にチップを接続する例を示したが、本発明はこれに限らず、第2〜第8実施形態において示した接続構造を第1実施形態においても適用可能であるとともに、第1実施形態において示した接続構造を第2〜第8実施形態の各々においても適用可能である。
【0069】
また、第1実施形態では、平面的にみて、フレキシブルプリント基板の各端部に流動方向制御部材を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、流動方向制御部材をフレキシブルプリント基板の各端部のみならず接続端子間にも設けてもよい。
【0070】
また、第5実施形態では、平面的にみて、チップの各端部に流動方向制御部材を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、流動方向制御部材をチップの各端部のみならず接続端子間にも設けてもよい。
【0071】
また、第1〜第8実施形態では、樹脂層をNCF(非導電性フィルム)樹脂またはNCP(非導電性ペースト)樹脂により構成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、ACF(Anisotropic Conductive Film(異方性導電性フィルム))樹脂、または、ACP(Anisotropic Conductive Paste(異方性導電性ペースト))樹脂などにより構成してもよい。また、この場合、基板側の接続端子と電気部材(FPCおよびチップ)側の接続端子とは直接接触していなくても導電性粒子を介して接触していればよい。
【0072】
また、電気部材の一例として、第1実施形態においてフレキシブルプリント基板(FPC)を用いるとともに、第2〜第8実施形態においてチップを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、基板の接続部分(接続端子)に対する接続部分(接続端子)を備えた電気部材であれば適用可能である。また、たとえば、基板の接続端子に対して接続可能な電気部材の一例としては、配線基板およびチップの他に、たとえば、コイルの接続端子またはコンデンサなどの回路素子の接続端子などが挙げられる。また、このような電気部材を本発明の取付構造を適用して接続したデバイスの一例として、たとえば、アクチュエータ用コイル、高周波用アンテナまたは基板内蔵用コンデンサなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図3】図2の100−100線に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図14】本発明の第7実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 基板
1a 接続端子(第1端子部)
1b 溝部(凹部)
1c 位置決め部
1d 流動方向制御部材
2 フレキシブルプリント基板(電気部材)(配線基板)
2b 接続端子(第2端子部)
2d 絶縁体(流動方向制御部材)
4a 接続端子(第1端子部)
4 チップ(電気部材)(電子部品)
4b 流動方向制御部材
4c 流動方向制御部材
4d 流動方向制御部材
40 チップ(電気部材)(電子部品)
40a 流動方向制御部材
40b 流動方向制御部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造に関し、特に、基板と電気部材との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接続構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ガラス基板とフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits)とを接着剤により接合することによって、ガラス基板上の第1の配線とフレキシブルプリント基板上の第2の配線とを接続する接続構造が開示されている。上記特許文献1に開示された接続構造では、ガラス基板とフレキシブルプリント基板とを第1の接着剤により接合するとともに、第1の接着剤が基板間からはみ出るのを抑制するために基板間の隙間部分に第2の接着剤を配置し、さらに第2の接着剤が配置された領域に封止樹脂を配置するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−286790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された接続構造では、第1の接着剤が基板間からはみ出るのを抑制するために基板間に第2の接着剤および封止樹脂を別途配置するように構成されている。このため、ガラス基板にフレキシブルプリント基板を接合する際に、第2の接着剤および封止樹脂を配置する分だけ回路面積が増加するとともに、接合工程が複雑化するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、回路面積の増加および接合工程の複雑化を抑制することが可能な接続構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による接続構造は、第1端子部を有する基板と、基板の第1端子部と電気的に接続される第2端子部を有するとともに、基板と樹脂層を介して接合されるように構成された電気部材と、基板の電気部材に対する接合部分、および、電気部材の基板との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御する流動方向制御部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一の局面による接続構造では、上記のように、基板および電気部材のいずれか一方に流動方向制御部材を設けることによって、別途接着剤および封止剤などを設けることなく樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御することができる。したがって、別途接着剤および封止剤を設けない分だけ電気部材を配置するための領域を小さくすることができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による接続構造を説明するための断面図である。図2および図3は、本発明の第1実施形態による接続構造を説明するための図である。
【0011】
第1実施形態では、本発明における接続構造の一例として、基板1に対してフレキシブルプリント基板2を接続する構造について説明する。なお、フレキシブルプリント基板2は、本発明の「電気部材」および「配線基板」の一例である。
【0012】
第1実施形態における接続構造では、図1〜図3に示すように、基板1は接続端子1aを備えている。フレキシブルプリント基板2は、配線基板部2aと、配線基板部2aに設けられた接続端子2bおよび導電層2cとを備えている。導電層2cは、フレキシブルプリント基板2に形成される配線と同一材料からなるとともに、配線の形成時に同時に形成される。また、フレキシブルプリント基板2の導電層2cは、たとえば、ポリイミド樹脂層などからなる絶縁層2dにより覆われている。また、導電層2cおよび導電層2cを覆う絶縁層2dは、平面的にみて、図2および図3のY方向に延びるように構成されている。なお、第1実施形態における接続端子1aおよび接続端子2bは、それぞれ、本発明における「第1端子部」および「第2端子部」の一例である。
【0013】
また、基板1の接続端子1aとフレキシブルプリント基板2の接続端子2bとは面接触していることにより電気的に接続されている。また、この状態において、基板1とフレキシブルプリント基板2とは、基板1と配線基板部2aとの間に配置された樹脂層3により互いに接合された状態になるように構成されている。なお、樹脂層3は、基板1と配線基板部2aとの接着剤としての機能を有する。具体的には、第1実施形態においては、樹脂層3は、NCF(Non−Conductive Film(非導電性フィルム))樹脂またはNCP(Non−Conductive Paste(非導電性ペースト))樹脂などにより構成されている。
【0014】
ここで、第1実施形態では、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3の流動方向を制御する流動方向制御部材としての機能を有する。具体的には、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3を構成する樹脂の流動を抑制したい方向に対して略垂直な方向(第1実施形態ではY方向)に延びるように配置されている。これにより、流動した樹脂は配線基板部2aからZ1方向に突出した形状である絶縁層2dに接触してX方向への流動が規制されるとともに、導電層2cおよび絶縁層2dが延びる方向(Y方向)に沿って樹脂層3を形成する樹脂が流動するように構成されている。つまり、導電層2cおよび絶縁層2dは、樹脂層3を構成する樹脂が流動した際の所望の抑制方向(第1実施形態ではX方向)に略垂直に設けられていることになる。なお、第1実施形態では、接続端子1aおよび2bの長手方向に沿ったY方向に延びるように導電層2cおよび絶縁層2dが設けられる。
【0015】
また、第1実施形態では、基板1と配線基板部2aとの接合時において、絶縁層2d(流動方向制御部材)の矢印Z1方向に突出した長さL1は、基板1と配線基板部2aとの間隔L2よりも小さくなるように構成されている。
【0016】
図4および図5は、本発明の第1実施形態による接続構造において、基板1とフレキシブルプリント基板2との接続時(接合時)における動作を説明するための図である。
【0017】
基板1とフレキシブルプリント基板2とを接合する際には、図4に示すように、基板1とフレキシブルプリント基板2との間に樹脂層3を構成する樹脂を配置するとともに、図5に示すように、フレキシブルプリント基板2をZ1方向に移動させることにより樹脂層3を構成する樹脂が基板1およびフレキシブルプリント基板2により挟み込まれる。そして、基板1およびフレキシブルプリント基板2により圧力が加えられた樹脂が圧力に応じて流動する。
【0018】
ここで、第1実施形態では、Y方向に延びるように形成された絶縁層2dによって、X方向への樹脂(樹脂層3を構成する樹脂)の流動が規制されるとともに、この樹脂の流動は略Y方向のみとなる。なお、第1実施形態におけるX方向およびY方向は、本発明における「第1方向」および「第2方向」の一例である。
【0019】
そして、基板1およびフレキシブルプリント基板2が互いに接合された状態において加熱処理が行われることにより樹脂層3を構成する樹脂が硬化する。そして、これにより、基板1およびフレキシブルプリント基板2とが接着された状態となる。
【0020】
第1実施形態では、上記のように、フレキシブルプリント基板2に設けられた絶縁層2dを樹脂層3を構成する樹脂の流動方向(X方向)を規制するように構成することによって、樹脂層3を構成する樹脂のX方向への流動を、別途接着剤および封止剤などを設けることなく制御することができる。したがって、別途接着剤および封止剤を設けない分だけフレキシブルプリント基板2を配置するための領域を小さくすることができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【0021】
また、上記第1実施形態では、平面的にみて、導電層2cおよび絶縁層2dをY方向に延びるように構成することによって、樹脂層3を構成する樹脂は、X方向への流動が規制されながら、Y方向に沿って流動する。したがって、接続端子1aおよび接続端子2bが、樹脂層3を構成する樹脂のX方向への流動に伴ってX方向(接続端子1aおよび2bの短手方向)に互いにずれるのを抑制することができる。これによって、接続端子1aおよび接続端子2bに接触不良が発生するのを抑制することができる。また、樹脂層3を構成する樹脂の流動は略Y方向に沿って流動するように規制されるので、たとえ接続端子1aおよび2bにずれが生じたとしても、そのずれはY方向に沿って生じることになる。その一方で、第1実施形態では、接続端子1aおよび2bは、Y方向に延びるように設けられているので、接続端子1aおよび2bにY方向のずれが生じたとしても接続状態を維持することができる。また、このとき、たとえば、予め接続端子1aおよび接続端子2bを樹脂層3を構成する樹脂の流動に伴ってずれる分だけ互いにずらして配置させておくことにより、樹脂層3を構成する樹脂が流動する際に接続端子1aおよび接続端子2bの接続状態を容易に維持させることができる。
【0022】
また、上記第1実施形態では、絶縁層2d(流動方向制御部材)の矢印Z1方向に突出した長さL1を、基板1とフレキシブルプリント基板2との接合時における間隔L2よりも小さくなるように構成する。このように構成することによって、絶縁層2dが基板1に接触する前に、確実に接続端子1aおよび接続端子2bを接続させることができる。また、絶縁層2dが矢印Z1方向に突出した分だけ基板間から樹脂層3を構成する樹脂が流出するのを抑制することができる。また、樹脂層3を構成する樹脂が流出するのを抑制することができるので、たとえば、流出した樹脂が接合された基板の厚みよりも盛り上がることに起因して、盛り上がった分だけ全体的な厚みが増加するのを抑制することができる。
【0023】
(第2実施形態)
図6〜図9は、本発明の第2実施形態による接続構造を説明するための図である。この第2実施形態では、基板1に対してフレキシブルプリント基板2を接続する構造について説明した第1実施形態とは異なり、基板1に対してチップスケールパッケージ方式により形成されたチップ(LSI)4を接続する構造について説明する。なお、チップ4は、本発明の「電気部材」および「電子部品」の一例である。
【0024】
第2実施形態における接続構造では、チップ4は、接続端子4aを備えている。また、第2実施形態では、チップ4は、平面的にみて、チップ4の両端部および各接続端子4a間に、それぞれ、流動方向制御部材4bを備えている。流動方向制御部材4bは、たとえば、配線を絶縁するためのソルダーレジストなどと同じ絶縁材料により形成されている。具体的には、たとえば、アクリレート系樹脂層、硫酸バリウムおよびシリカなどを混合した絶縁材料により形成される。
【0025】
また、第2実施形態では、各々の流動方向制御部材4bは、第1実施形態と同様に、接続端子1aおよび接続端子4aの長手方向に沿ったY方向に延びるように設けられているとともに、チップ4に対してZ1方向に突出するように形成されている。また、基板1の接続端子1aとチップ4の接続端子4aとは電気的に接続されるとともに、この状態において基板1とチップ4とが樹脂層3aにより接着される。また、基板1とチップ4との接合時において、流動方向制御部材4bのZ1方向に突出した長さL3は、基板1と流動方向制御部材4bとの長さL4よりも小さくなるように構成されている。
【0026】
なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0027】
また、第2実施形態において、基板1とチップ4とを接合する際には、第1実施形態と同様に、チップ4をZ1方向に移動させることにより樹脂層3aが基板1およびチップ4により挟み込まれる。そして、基板1およびチップ4により圧力が加えられた樹脂層3aが圧力に応じて流動する。このとき、第2実施形態では、チップ4の両端部および各接続端子4a間に設けられた流動方向制御部材4bにより、樹脂層3aのX方向への流動が規制されるとともにY方向に流動される。
【0028】
なお、第2実施形態のその他の動作は第1実施形態と同様である。
【0029】
第2実施形態では、上記のように、基板1にチップ4を接続する場合であっても、チップ4に形成された流動方向制御部材4bにより樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動を規制することができる。したがって、第1実施形態と同様に、別途接着剤および封止剤を設けることなく基板1およびチップ4を接合することができるので、その分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、この場合も別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になるのを抑制することができる。
【0030】
また、上記第2実施形態では、平面的にみて、チップ4の両端部に加えて各接続端子4a間にも流動方向制御部材4bを設けることによって、より確実に樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動を規制することができる。したがって、樹脂層3aを構成する樹脂のX方向への流動によって接続端子1aおよび接続端子4aがX方向(接続端子1aおよび4a)に互いにずれることをより確実に抑制することができるので、接続端子1aおよび接続端子4aに接触不良が発生するのを抑制することができる。また、たとえ接続端子1aおよび4aにずれが生じたとしても、そのずれは接続端子1aおよび4aの長手方向であるY方向に沿って生じることになるので、十分に接続状態を維持することができる。
【0031】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0032】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態の構成を説明するための断面図である。この第3実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、流動方向制御部材4bの先端部分の幅を小さくした例について説明する。
【0033】
第3実施形態における接続構造では、チップ4に接続端子4aおよび流動方向制御部材4cが形成されている。ここで、流動方向制御部材4cは、根元部分の幅の大きさよりも先端部分の幅の大きさの方が小さくなるように、先端部分が丸型の面取り形状に形成されている。
【0034】
なお、第3実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0035】
第3実施形態では、上記のように、流動方向制御部材4cの先端部分の幅の大きさを根元部分の幅の大きさに比べて小さくなるように構成する。このように構成することによって、樹脂層3aを構成する樹脂のうちで流動方向制御部材4cによって押しのけられる樹脂の量が、流動方向制御部材4cの幅の大きさが小さくなる分だけ少なくなるので、その分、樹脂層3aを構成する樹脂の流動が発生しにくくすることができる。したがって、接続端子1aおよび接続端子4aにずれが生じることを抑制することができる。
【0036】
なお、第3実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0037】
(第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態による接続構造を説明するための平面図である。この第4実施形態では、平面的にみて、基板1の両端部および各接続端子4a間に流動方向制御部材4b(4c)を設けた第2および第3実施形態とは異なり、基板1の接続端子1aを囲むように配置された流動方向制御部材40aおよび40bを備えたチップ40について説明する。
【0038】
第4実施形態における接続構造では、チップ40は、平面的にみて、チップ40のX方向側の各端部近傍にそれぞれ流動方向制御部材40aを備えているとともに、チップ40のY方向の各端部近傍にそれぞれ流動方向制御部材40bを備えている。また、流動方向制御部材40aはY方向に延びるように形成されているとともに、流動方向制御部材40bはX方向に延びるように形成されている。また、流動方向制御部材40aと流動方向制御部材40bとの間には、樹脂層3bを構成する樹脂が流動されるための間隔が設けられている。
【0039】
なお、第4実施形態のその他の構成は、第2および第3実施形態と同様である。
【0040】
また、第4実施形態において、基板1とチップ40とにより樹脂層3bを構成する樹脂が加圧された際には、流動方向制御部材40aにより樹脂層3bを構成する樹脂のX方向への流動が規制されるとともに、流動方向制御部材40bにより樹脂層3bを構成する樹脂のY方向への流動が規制される。
【0041】
ここで、第4実施形態では、樹脂層3bを構成する樹脂は、流動方向制御部材40aと流動方向制御部材40bとの間に設けられた間隔に向かう方向に流動する。具体的には、樹脂層3bを構成する樹脂は、接続端子1aおよび接続端子4aが形成されている領域から矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向に向かって放射状に流動するとともに、各方向に流動する樹脂は、それぞれ略同程度(均一)の量となる。なお、第4実施形態におけるX方向およびY方向は、それぞれ、本発明における「第1方向」の一例である。また、第4実施形態における矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向は、それぞれ、本発明における「第2方向」の一例である。
【0042】
なお、第4実施形態のその他の動作は、第2および第3実施形態と同様である。
【0043】
第4実施形態では、上記のように、樹脂層3bを構成する樹脂は接続端子1aおよび接続端子4aが形成された領域から矢印A1方向、矢印A2方向、矢印A3方向および矢印A4方向に向かって放射状に流動するとともに、それぞれ流動する量が略同程度(均一)になることによって、接続端子1aおよび接続端子4aには、流動に伴って加えられる各方向毎の力がほぼ均等の大きさになる。したがって、接続端子1aおよび接続端子4aの間にずれが生じるのをより有効に抑制することができる。
【0044】
なお、第4実施形態のその他の効果は、第2および第3実施形態と同様である。
【0045】
(第5実施形態)
図12は、本発明の第5実施形態による接続構造を説明するための図である。この第5実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、基板1上の流動方向制御部材4bに対向する位置に、流動方向制御部材4bがはめ込み可能な溝部1bが形成された例について説明する。なお、第4実施形態の溝部1bは、本発明における「凹部」の一例である。
【0046】
第5実施形態における接続構造では、基板1上において、チップ4の流動方向制御部材4bに対向する位置に、流動方向制御部材4bがはめ込み可能な溝部1bが形成されている。また、基板1およびチップ4が樹脂層3cにより接合状態である際に、チップ4上の接続端子4aが形成された面と基板1の溝部1bの底面部分との距離L5よりも流動方向制御部材4bのZ方向における長さL6の方が小さくなるように形成されている。なお、第4実施形態では、第2実施形態と異なり、チップ4の接続端子4a間には流動方向制御部材4bは設けられていないことにより、接続端子4a間に配置される流動方向制御部材4bに対応する溝部1bも設けられていない。
【0047】
なお、第5実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0048】
第5実施形態では、上記のように、基板1上において、チップ4に形成された流動方向制御部材4bに対向する位置に流動方向制御部材4bが嵌め込み可能な溝部1bを形成することによって、溝部1bの深さ分だけ流動方向制御部材4bの長さを大きくすることができる。これにより、流動方向制御部材4bの長さを大きくした分、基板1およびチップ4を接合する際に、チップ4の接続端子4aが樹脂(樹脂層3cを構成する樹脂)に接触するよりもより早い段階で流動方向制御部材4bをこの樹脂に接触させることができる。その結果、チップ4の接続端子4aが樹脂層3cを構成する樹脂に接触する段階では、すでに樹脂層3cを構成する樹脂が十分流動された状態となるので、その分、接続端子4aに加えられる樹脂の流動による力を低減することができる。すなわち、チップ4の接続端子4aが基板1の接続端子1aに対してずれるのを抑制することができる。
【0049】
なお、第5実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0050】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態による接続構造を説明するための図である。この第6実施形態では、チップ4に流動方向制御部材4bを形成した第2実施形態の構成において、基板1上にチップ4の位置ずれを抑制する位置決め部1cを備えた例について説明する。
【0051】
第6実施形態における接続構造では、基板1上に、チップ4の位置ずれを抑制するための位置決め部1cが形成されている。具体的には、位置決め部1cは、矢印Z2方向に突出するように形成されているとともに、基板1およびチップ4の接合状態時に流動方向制御部材4bをX方向の外側から挟むような位置に配置されている。また、位置決め部1cは、流動方向制御部材4bとともに樹脂層3dを構成する樹脂がX方向に流動するのを抑制する機能を有する。
【0052】
なお、第6実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0053】
第6実施形態では、上記のように、基板1上に流動方向制御部材4bを挟むような位置に位置決め部1cを形成することによって、基板1およびチップ4の接合状態時において流動方向制御部材4bがX方向に移動するのを抑制することができる。また、位置決め部1cを基板1の表面から矢印Z2方向に突出するように形成することにより、基板1およびチップ4を接合する際に、流動方向制御部材4bのみならず位置決め部1cによっても樹脂層3dを構成する樹脂がX方向に流動するのを抑制することができる。
【0054】
なお、第6実施形態におけるその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0055】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態による接続構造を説明するための図である。この第7実施形態では、基板1とチップ4との接合時に流動方向制御部材4bの長さL3が基板1およびチップ4間の距離L4よりも小さくなる例を示した第2実施形態とは異なり、基板1とチップ4との接合時に、基板1およびチップ4間の距離と流動方向制御部材4dの長さとが略同程度になる例について説明する。
【0056】
第7実施形態における接続構造では、基板1とチップ4との接合時において、基板1およびチップ4間の距離と流動方向制御部材4dの長さとが略同程度(L7)になるように構成されている。具体的には、流動方向制御部材4dは、接続端子1aおよび4aよりも硬度が低く、かつ、硬化した樹脂層3eよりも硬度が高い材料により形成されている。なお、基板1とチップ4との接合前の段階における流動方向制御部材4dの長さは、上記基板1とチップ4との接合時における長さ(L7)よりも大きい。また、第7実施形態において、流動方向制御部材4dを形成する材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニール、アクリル、ポリカーボネート、ナイロン、アセタールおよびポリイミドなどの樹脂が挙げられる。
【0057】
なお、第7実施形態におけるその他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0058】
また、基板1とチップ4とを接合する際には、まず、流動方向制御部材4dの先端部分が基板1に接触するとともに、この先端部分が基板1により押圧されて変形する。そして、接続端子1aと接続端子4aとが接触した状態で、樹脂層3eを構成する樹脂を加熱および圧着することにより基板1およびチップ4が互いに固定される。これにより、流動方向制御部材4dは、先端部分が変形した状態で、基板1およびチップ4間の距離と略同程度(L7)に形成される。
【0059】
なお、第7実施形態のその他の動作は、第2実施形態と同様である。
【0060】
第7実施形態では、上記のように、流動方向制御部材4dが基板1およびチップ4の両方に接触した状態になるように形成することによって、流動方向制御部材4dが基板1およびチップ4のいずれか一方にのみ接触した状態である場合よりも、基板1およびチップ4の接合時の強度を増加させることができる。また、流動方向制御部材4dを変形させながら基板1およびチップ4を接合するように構成することによって、流動方向制御部材4dの長さにばらつきが生じた場合であっても、確実に基板1およびチップ4の両側に接触した状態によって基板1およびチップ4を接合させることができる。したがって、流動方向制御部材4dの加工ばらつきに起因して基板1およびチップ4の接合時の強度が低下するのを抑制することができる。
【0061】
なお、第7実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0062】
(第8実施形態)
図15は、本発明の第8実施形態による接続構造を説明するための図である。この第8実施形態では、チップ4側に流動方向制御部材4bを設けた第2実施形態とは異なり、基板1側に流動方向制御部材1dを設ける例について説明する。
【0063】
第8実施形態における接続構造では、基板1は接続端子1aおよび流動方向制御部材1dを備えている。また、流動方向制御部材1dは、基板1のX方向側の各端部近傍と、接続端子1a間とにそれぞれ設けられている。そして、基板1の接続端子1aとチップ4の接続端子4aとが面接触した状態で基板1とチップ4とが樹脂層3fを介して接合されている。
【0064】
なお、第8実施形態のその他の構成および動作は、第2実施形態と同様である。
【0065】
第8実施形態では、上記のように、流動方向制御部材1dを基板1側に設けた場合であっても、樹脂層3fを構成する樹脂がX方向に流動するのを規制することができる。したがって、この場合においても別途接着剤および封止剤を設ける必要がない分、回路面積が増加するのを抑制することができる。また、第2実施形態と同様に、別途接着剤および封止剤を塗布する工程が不要であるので、接合工程が複雑になることを抑制することができる。
【0066】
なお、第8実施形態のその他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0067】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0068】
たとえば、第1実施形態では、基板にフレキシブルプリント基板を接続する例を示すとともに、第2〜第8実施形態では、基板にチップを接続する例を示したが、本発明はこれに限らず、第2〜第8実施形態において示した接続構造を第1実施形態においても適用可能であるとともに、第1実施形態において示した接続構造を第2〜第8実施形態の各々においても適用可能である。
【0069】
また、第1実施形態では、平面的にみて、フレキシブルプリント基板の各端部に流動方向制御部材を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、流動方向制御部材をフレキシブルプリント基板の各端部のみならず接続端子間にも設けてもよい。
【0070】
また、第5実施形態では、平面的にみて、チップの各端部に流動方向制御部材を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、流動方向制御部材をチップの各端部のみならず接続端子間にも設けてもよい。
【0071】
また、第1〜第8実施形態では、樹脂層をNCF(非導電性フィルム)樹脂またはNCP(非導電性ペースト)樹脂により構成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、ACF(Anisotropic Conductive Film(異方性導電性フィルム))樹脂、または、ACP(Anisotropic Conductive Paste(異方性導電性ペースト))樹脂などにより構成してもよい。また、この場合、基板側の接続端子と電気部材(FPCおよびチップ)側の接続端子とは直接接触していなくても導電性粒子を介して接触していればよい。
【0072】
また、電気部材の一例として、第1実施形態においてフレキシブルプリント基板(FPC)を用いるとともに、第2〜第8実施形態においてチップを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、基板の接続部分(接続端子)に対する接続部分(接続端子)を備えた電気部材であれば適用可能である。また、たとえば、基板の接続端子に対して接続可能な電気部材の一例としては、配線基板およびチップの他に、たとえば、コイルの接続端子またはコンデンサなどの回路素子の接続端子などが挙げられる。また、このような電気部材を本発明の取付構造を適用して接続したデバイスの一例として、たとえば、アクチュエータ用コイル、高周波用アンテナまたは基板内蔵用コンデンサなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図3】図2の100−100線に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による接続構造について説明するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態による接続構造について説明するための平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図14】本発明の第7実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態による接続構造について説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 基板
1a 接続端子(第1端子部)
1b 溝部(凹部)
1c 位置決め部
1d 流動方向制御部材
2 フレキシブルプリント基板(電気部材)(配線基板)
2b 接続端子(第2端子部)
2d 絶縁体(流動方向制御部材)
4a 接続端子(第1端子部)
4 チップ(電気部材)(電子部品)
4b 流動方向制御部材
4c 流動方向制御部材
4d 流動方向制御部材
40 チップ(電気部材)(電子部品)
40a 流動方向制御部材
40b 流動方向制御部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子部を有する基板と、
前記基板の第1端子部と電気的に接続される第2端子部を有するとともに、前記基板と樹脂層を介して接合されるように構成された電気部材と、
前記基板の前記電気部材に対する接合部分、および、前記電気部材の前記基板との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、前記樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御する流動方向制御部材とを備える、接続構造。
【請求項2】
前記流動方向制御部材は、平面的にみて、前記樹脂層を構成する樹脂の第1方向への流動を規制するように構成されている、請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記流動方向制御部材は、前記樹脂層を構成する樹脂の第1方向への流動を規制するとともに、前記樹脂層を構成する樹脂を第2方向へ流動するように配置されている、請求項1または2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記基板と前記電気部材とは、前記基板の第1端子部と前記電気部材の第2端子部とが互いに接触した状態で接合され、
前記流動方向制御部材は、前記基板の第1端子部が形成された面、または、前記電気部材の第2端子部が形成された面に対して垂直方向に突出するように構成され、
前記流動方向制御部材の突出する方向の長さは、前記基板および前記電気部材の接合時における前記流動方向制御部材の設けられる部分の前記基板と前記電気部材との間隔に対して、略同じかまたは短くなるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記流動方向制御部材の根元部分の幅の大きさよりも、前記流動方向制御部材の先端部分の幅の大きさの方が小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記基板および前記電気部材のうちで前記流動方向制御部材が形成されていない側の前記流動方向制御部材に対向する位置に設けられ、前記流動方向制御部材が嵌め込み可能な凹部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項7】
前記基板および前記電気部材のうちで前記流動方向制御部材が形成されていない側に設けられ、前記基板に対して前記電気部材の位置ずれを抑制する位置決め部をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項8】
前記電気部材は、電子部品または配線基板を含む、請求項1〜7に記載の接続構造。
【請求項1】
第1端子部を有する基板と、
前記基板の第1端子部と電気的に接続される第2端子部を有するとともに、前記基板と樹脂層を介して接合されるように構成された電気部材と、
前記基板の前記電気部材に対する接合部分、および、前記電気部材の前記基板との接合部分の少なくとも一方に設けられるとともに、前記樹脂層を構成する樹脂の流動方向を制御する流動方向制御部材とを備える、接続構造。
【請求項2】
前記流動方向制御部材は、平面的にみて、前記樹脂層を構成する樹脂の第1方向への流動を規制するように構成されている、請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記流動方向制御部材は、前記樹脂層を構成する樹脂の第1方向への流動を規制するとともに、前記樹脂層を構成する樹脂を第2方向へ流動するように配置されている、請求項1または2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記基板と前記電気部材とは、前記基板の第1端子部と前記電気部材の第2端子部とが互いに接触した状態で接合され、
前記流動方向制御部材は、前記基板の第1端子部が形成された面、または、前記電気部材の第2端子部が形成された面に対して垂直方向に突出するように構成され、
前記流動方向制御部材の突出する方向の長さは、前記基板および前記電気部材の接合時における前記流動方向制御部材の設けられる部分の前記基板と前記電気部材との間隔に対して、略同じかまたは短くなるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記流動方向制御部材の根元部分の幅の大きさよりも、前記流動方向制御部材の先端部分の幅の大きさの方が小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記基板および前記電気部材のうちで前記流動方向制御部材が形成されていない側の前記流動方向制御部材に対向する位置に設けられ、前記流動方向制御部材が嵌め込み可能な凹部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項7】
前記基板および前記電気部材のうちで前記流動方向制御部材が形成されていない側に設けられ、前記基板に対して前記電気部材の位置ずれを抑制する位置決め部をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項8】
前記電気部材は、電子部品または配線基板を含む、請求項1〜7に記載の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−267060(P2009−267060A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114401(P2008−114401)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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