説明

搬送装置およびこれを備えた箱詰め装置

【課題】所定の姿勢を保持しつつ物品をスムーズに搬送して生産性を大幅に向上させることが可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、商品Xを搬送する取り込みコンベア11と、取り込みコンベア11が商品Xを搬送する搬送方向aと交差する方向における取り込みコンベア11の搬送面の端部側において、商品Xとそれぞれ当接して商品Xを搬送方向aに搬送する一対のサイドコンベア12・13と、を有している。一対のサイドコンベア12・13は、一対のサイドコンベア12・13の搬送面が取り込みコンベア11の搬送面となす角度のうち少なくとも一方の角度が鋭角となるように、サイドコンベア12とサイドコンベア13とが対向配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置、およびこれを備えた箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スナック菓子のような物品は、所定の姿勢で所定個数ごとに集積された後、ダンボール箱等に箱詰めにされて出荷される。
このような箱詰め作業等に用いられる搬送装置には、生産性を向上させるために搬送速度をより速くすることが求められている。
例えば、特許文献1には、容器の側面形状が平行でないカップ麺の容器を高速で搬送する搬送装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−315114号公報(平成16年11月11日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の搬送装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された搬送装置では、搬送対象物がカップ麺の容器であるため、搬送方向から見て、狭持コンベアを逆ハの字状にベルトコンベアの上部に設ける必要がある。そのため、物品を搬送する際、物品の上方向へのずれを適切に抑制して所定の姿勢を保持しつつ物品を搬送することができないおそれがあった。
【0004】
本発明の課題は、所定の姿勢を保持しつつ物品をスムーズに搬送して生産性を大幅に向上させることが可能な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る搬送装置は、第1搬送部と、一対の第2搬送部と、を備えている。第1搬送部は、物品を所定の方向に搬送する。一対の第2搬送部は、第1搬送部が物品を搬送する搬送方向と交差する方向における第1搬送部の搬送面の両端側において、物品とそれぞれ当接して搬送方向に物品を搬送する。一対の第2搬送部は、一対の第2搬送部の搬送面が第1搬送部の搬送面とそれぞれなす角度のうち少なくとも一方が鋭角となるように、一方の第2搬送部と他方の第2搬送部とが対向して配置されている。
【0006】
ここでは、一対の第2搬送部は、第1搬送部が物品を搬送する搬送方向と交差する方向における第1搬送部の搬送面の両端側において物品とそれぞれ当接しており、一方の第2搬送部と他方の第2搬送部とが対向するように配置されている。そして、一対の第2搬送部の2つの搬送面が第1搬送部の搬送面とそれぞれなす角度のうち、少なくも一方の角度が鋭角となっている。
【0007】
ここで、第1搬送部および第2搬送部には、例えば、コンベアや搬送ローラが含まれる。
通常、食料品等の物品は、例えば、コンベアによって物品の下面側を支持されながら搬送される。また、このようなコンベアでは、生産性を向上させるためにより速い搬送速度で物品を搬送することが要求される。しかし、搬送速度を所定の速度よりも速くすると、例えば、コンベア間を物品が受け渡される場合や、コンベアから下流側の受け渡し機構へ物品を受け渡す場合において、コンベアの搬送面上で物品が立ち上がる(ウイリー)、あるいは、コンベアの搬送面上で搬送面と平行な方向(以下、横方向)に物品が回転するといった現象が発生して物品を所定の姿勢で搬送することができなくなる。そこで、従来から、このようなコンベアでは、例えば、ガイドをコンベアの両端側に搬送方向に沿って略垂直に設けて横方向への物品のずれを抑制して、次工程へ物品を受け渡す際に物品が所定の姿勢となるようにしていた。
【0008】
しかし、このようなガイドを搬送装置に設けると物品がガイドに接触しながら搬送されるため、摩擦抵抗によって物品の搬送速度が低下して物品が搬送されるピッチ、すなわち搬送間隔に乱れが生じる。また、このようなガイドでは、搬送される物品の上方向、すなわち、搬送面に対して略垂直上向き方向へのずれを抑制できないため、物品が立ち上がった状態となり所定の姿勢で物品を搬送することができなくなるおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明に係る物品を搬送する搬送装置では、一対の第2搬送部は、第1搬送部が物品を搬送する搬送方向と交差する方向における第1搬送部の搬送面の両端側において、物品とそれぞれ当接して搬送方向に物品を搬送する。そして、一対の第2搬送部は、一方の第2搬送部と他方の第2搬送部とが対向配置されており、一対の第2搬送部の搬送面が第1搬送部の搬送面とそれぞれなす角度のうち、少なくとも一方の角度が鋭角となっている。
【0010】
これにより、例えば、第1搬送部が物品の下面側を搬送するとともに、一対の第2搬送部が第1搬送部の搬送面の両端側を搬送される物品の両側面部(以下、物品の両側面部)に対して物品の斜め上方からそれぞれ当接しつつ物品を搬送することができる。
そのため、例えば、ガイドをコンベアの両端側に搬送方向に沿って設ける場合と比較して、物品が搬送される際に搬送速度が低下して物品の搬送間隔が乱れることを抑制することができる。また、一対の第2搬送部が物品を斜め上方から下方にそれぞれ押し付けながら物品を搬送することで、物品の横方向へのずれを抑制しつつ、物品の上方向へのずれも抑制することができる。
この結果、従来よりも速い搬送速度で所定の姿勢を保持しつつ物品をスムーズに搬送することができるので、生産性を大幅に向上させることができる。
【0011】
第2の発明に係る搬送装置は、第1の発明に係る搬送装置であって、物品は、軟包材によって形成された袋である。
通常、このようなコンベア等の搬送装置では、軟包材によって形成された袋を搬送する場合がある。
【0012】
しかし、このような軟包材によって形成された袋(以下、袋)をコンベアによって搬送すると、上記のように、袋が立ち上がったり、回転するといった現象が顕著に発生するという問題があった。
そこで、本発明に係る搬送装置によって、軟包材によって形成された袋を搬送する。
これにより、例えば、第1搬送部が袋の下面側を搬送するとともに、一対の第2搬送部が第1搬送部の搬送面の両端側を搬送される袋の両側面部に対して袋の斜め上方からそれぞれ当接しつつ袋を搬送することができる。
このため、所定の姿勢を保持しつつ、従来よりも袋をスムーズに搬送することができる。
【0013】
第3の発明に係る搬送装置は、第1または第2の発明に係る搬送装置であって、一対の第2搬送部は、物品の搬送方向から見て、一方の第2搬送部と他方の第2搬送部とが略ハの字状となるように配置されている。
【0014】
ここでは、一対の第2搬送部は、略ハの字状となるように配置されている。
これにより、例えば、第1搬送部が物品の下面側を支持しつつ搬送するとともに、一対の第2搬送部が上記物品の両側面部に対して物品の斜め上方から略対称にそれぞれ当接しつつ、物品を搬送することができる。
そのため、物品の横方向と上方向とへのずれをそれぞれさらに効果的に抑制することができる。
【0015】
第4の発明に係る搬送装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、物品は、端部と中央部とにおける厚みが異なっている。
ここでは、物品の厚みが端部と中央部とにおいて異なっている。
通常、このような搬送装置によって搬送される物品のうち、例えば、スナック菓子等を袋詰めにした袋詰め商品の中には、端部と中央部とにおける袋の厚みが異なるものがある。
【0016】
このような袋によって包装されたスナック菓子には、単に、袋に詰め込まれているだけの物も存在する。そのため、例えば、袋を搬送する際、外力が少し袋に加わると、袋内のスナック菓子が一箇所に偏る場合がある。より具体的には、例えば、搬送方向に対して、上流側や下流側、あるいは搬送方向と交差する方向にスナック菓子が偏る場合がある。このような状態で袋を搬送することは、上記のように袋が立ち上がる、または、回転するといった現象の要因となる。
【0017】
そこで、本発明に係る搬送装置によって、端部と中央部とにおいて厚みが異なる物品を搬送する。
これにより、例えば、袋の端部の厚みが中央部よりも薄くなっている場合において、袋の厚みが薄い両端部付近を一対の第2搬送部によって斜め上方から下方に押さえながら袋を搬送することができる。このため、例えば、袋内のスナック菓子が搬送方向の上流側、あるいは下流側に偏っている場合には、第1搬送部の搬送面上で袋が立ち上がることを抑制しつつ、所定の姿勢で袋を搬送することができる。また、例えば、袋内のスナック菓子が搬送方向と交差する方向に偏っている場合には、第1搬送部の搬送面上で袋が回転することを抑制しつつ所定の姿勢で袋を搬送することができる。
この結果、例えば、端部の厚みが中央部よりも薄くなっている袋を搬送する際に、所定の姿勢を保持したままスムーズに袋を搬送することができる。
【0018】
第5の発明に係る搬送装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、一対の第2搬送部は、第1搬送部よりも搬送速度が速い。
このため、例えば、上記物品の両側面部に対して斜め上方からそれぞれ当接する一対の第2搬送部の搬送速度を、例えば、5m/min程度、物品の下面側と接する第1搬送部よりも速くすることができる。
【0019】
これにより、一対の第2搬送部と第1搬送部の搬送速度が等速度である場合と比較して、一対の第2搬送部の搬送速度が第1搬送部の搬送速度よりも速いため、例えば、物品を搬送する際に上記物品の両側面部をより強い力で下方へ押しつけることができる。そのため、第1搬送部において物品が搬送される際に、第1搬送部の搬送面と平行な方向に物品が回転したり、あるいは、第1搬送部の搬送面上で物品が立ち上がったりしてしまうことをより効果的に抑制することができる。
【0020】
また、例えば、四角形状の物品が上流側のコンベアから、所定の姿勢よりも搬送面に対して平行な方向にやや回転した状態、すなわち所定の姿勢よりも斜めになった状態で搬送されてくる場合がある。このような場合には、例えば、上流側の物品の両端部のうち、先に一方の端部が第2搬送部と当接して搬送されるため、第1搬送部の搬送面の中心側に物品を回転させる力、すなわち所定の姿勢に物品を戻す力が働く。そのため、物品が所定の姿勢よりもやや回転した状態で上流側から搬送されて来た場合でも、物品を所定の姿勢に戻しつつ搬送することができる。
これにより、物品を所定の姿勢に保持しつつ、よりスムーズに搬送することができる。
【0021】
第6の発明に係る搬送装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、一対の第2搬送部は、一対の第2搬送部の搬送面が第1搬送部の搬送面となす角度が75°以上85°以下となるようにそれぞれ配置されている。
ここでは、物品を搬送する一対の第2搬送部の搬送面が第1搬送部の搬送面となす角度は75°以上85以下となるように配置されている。
これにより、物品を搬送する際に、物品の横方向と上方向とへのずれをそれぞれ物品の種々の形状に応じてより効果的に抑制することができる。
【0022】
第7の発明に係る搬送装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、物品の搬送方向と交差する方向における一対の第2搬送部の取り付け位置を調節する調節機構をさらに備えている。
これにより、搬送装置は、搬送される物品のサイズに応じて一対の第2搬送部の位置を調節することができる。
この結果、様々なサイズの物品をスムーズに搬送することができる。
【0023】
第8の発明に係る箱詰め装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る搬送装置と、搬送装置から物品を受け取って所定の位置に順に起立姿勢で並べる受け渡し機構と、所定の位置に順に起立姿勢で並べられた物品を所定の箱に詰め込む詰め込み機構と、を備えている。
【0024】
これにより、上記発明に係る搬送装置によって物品を受け渡し機構に対してスムーズに搬送することができるため、箱詰め装置の生産性を大幅に向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る搬送装置によれば、従来よりも速い搬送速度で所定の姿勢を保持しつつ物品をスムーズに搬送することができるので、生産性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係る箱詰め装置1について、図1〜図6を用いて説明すれば以下の通りである。
[箱詰め装置1全体の構成]
本発明の実施の形態に係る箱詰め装置1は、図1および図2に示すように、スナック菓子(図6参照)Zを納めた軟包材によって形成された四角形状の袋(物品)である商品Xを搬送してダンボール箱(所定の箱)Yに箱詰めにするための装置である。箱詰め装置1は、搬送装置10と、受け渡し機構20と、箱詰め機構(詰め込み機構)30と、を備えている。
【0027】
ここで、上記商品Xは、図3等に示すように、端部の厚みが中央部の厚みよりも薄くなっている。
[搬送装置10の構成]
搬送装置10は、箱詰め装置1における最上流側に配置されており、図2に示すように、上流側のコンベア100から搬送されてくる商品Xを順次下流側へ搬送方向a(図4参照)に沿って搬送する。そして、搬送装置10は、図3に示すように、取り込みコンベア11(第1搬送部)と、一対のサイドコンベア(第2搬送部)12・13と調節機構14と、を有している。
【0028】
取り込みコンベア11は、箱詰め装置1の最上流側に配置されており、上流側のコンベア100から搬送されてくる商品Xを搬送方向aに沿って下流側へ搬送する。
ここで、コンベア100は、搬送方向aに沿って両端側にガイド101を有している。そして、コンベア100の搬送速度は、取り込みコンベア11の搬送速度よりも遅くなるように設定されている。また、上流側のコンベア100の搬送面は、取り込みコンベア11の搬送面よりも摩擦抵抗が小さくなっており、搬送面上を多少滑らせながら商品Xを搬送させることができる。このため、コンベア100はガイド101に商品Xを当接させつつ搬送することで、商品Xを所定の姿勢に整えながら下流側の搬送装置10へ商品Xを受け渡すことができる。
【0029】
一対のサイドコンベア12・13は、図3に示すように、商品Xの搬送方向aから見て、略ハの字状に取り込みコンベア11の上方に配置されている。そして、一対のサイドコンベア12・13の搬送面と取り込みコンベア11の搬送面とのなす角度α、βがそれぞれ約80度となるようにセットされている。
また、サイドコンベア12・13は、商品Xの搬送方向aと交差する方向における取り込みコンベア11の搬送面の両端側において、商品Xとそれぞれ当接して商品Xを所定の速度で下流側へ搬送方向aに沿って搬送する。また、一対のサイドコンベア12・13は、取り込みコンベア11よりも搬送速度が、約5m/min速くなるように設定されている。
【0030】
このように、角度α、βが約80度となるように一対のサイドコンベア12・13を配置することで、商品Xの形状に応じて、搬送中における商品Xの取り込みコンベア11の搬送面と平行な方向(横方向)と取り込みコンベア11の搬送面に対して略垂直上向き方向(上方向)とへのずれを効果的に抑制しつつ商品Xを搬送することができる。
また、これにより、取り込みコンベア11が商品Xの下面側を支持して搬送方向aに沿って搬送するとともに、一対のサイドコンベア12・13が取り込みコンベア11の搬送面の両端側を搬送される商品Xの両側面部に対して斜め上方から略対称にそれぞれ当接して搬送方向aに沿って商品Xを搬送することができる。そのため、袋の端部が中央部より薄くなっている商品Xを一対のサイドコンベア12・13によって斜め上方から押さえながら搬送することができる。
【0031】
さらに、上記のように一対のサイドコンベア12・13の方が取り込みコンベア11よりも搬送速度が速いので、一対のサイドコンベア12・13と取り込みコンベア11とが、等速度で商品Xを搬送する場合よりも、より強い力で取り込みコンベア11の搬送面に商品Xを押し付けることができる。これにより、商品Xが取り込みコンベア11の搬送面において、搬送面と平行な方向、すなわち横方向にスピンしたり、略垂直上向き、すなわち上方向に立ち上がるといった現象を効果的に抑制することができる。
【0032】
なお、中には、上流側から所定の姿勢よりも搬送面と平行な方向にやや回転した状態で搬送されてくる商品Xもある。このような場合には、商品Xの上流側の両端部のうちいずれか一方の端部が先に、サイドコンベア12・13のうちいずれか一方の搬送面と当接して搬送されるため、取り込みコンベア11の搬送面の中心側に商品Xを移動させる力が働く。これにより、商品Xが所定の姿勢よりもやや回転した状態で上流側から搬送されてきても、搬送装置10は、商品Xを所定の搬送姿勢に戻しつつ下流側に搬送することができる。
【0033】
さらに、図6(b)に示すように、商品Xの内容物であるスナック菓子Zが袋内において偏っている場合には、一対のサイドコンベア12・13が商品Xに当接しつつ搬送することによって袋内のスナック菓子Zの偏りをならして図6(a)に示す均一な状態に近づけつつ商品Xを搬送することができるという効果もある。
調節機構14は、搬送装置10の上部に配置されており、搬送方向aと交差する方向における一対のサイドコンベア12・13の取り付け位置を調節するスライドレール15と位置決めストッパ16とを有しており、一対のサイドコンベア12・13の搬送方向aと交差する方向における取り付け位置を調節する。
【0034】
スライドレール15は、一対のサイドコンベア12・13の上方のフレーム1bに設けられており、搬送方向aと交差する方向における一対のサイドコンベア12・13の取り付け位置を調整する。
位置決めストッパ16は、スライドレール15上方のフレーム1bを貫通するように設けられており、スライドレール15に取り付けられた一対のサイドコンベア12・13を固定する。
【0035】
これにより、搬送装置10は、搬送される商品Xの大きさに応じて一対のサイドコンベア12・13の取り付け位置を調節することができる。
また、このように、取り込みコンベア11と一対のサイドコンベア12・13とによって、3方向から商品Xに当接して商品Xを加速するため、例えば、通常のコンベアによる搬送のように、1方向からのみ商品Xと当接しつつ搬送する場合よりも、より大きな加速度で商品Xを搬送することができる。このため、一方向から商品Xと当接して商品Xを搬送する場合よりも、所定の速度に商品Xが到達するために必要な搬送距離を短くすることができる。
【0036】
[受け渡し機構20の構成]
受け渡し機構20は、搬送装置10の直下流側に配置されており、上流側の搬送装置10から搬送方向aに沿って下流側へ搬送されてくる商品Xを受け取って所定の位置Qに起立姿勢で袋を順次並べる。そして、受け渡し機構20は、支持プレート21と、4台の受け渡し台22と、を有している。
【0037】
支持プレート21は、図1および図4に示すように、搬送装置10の下流側において、搬送方向aと略対向するように、本体ケース1aの側面部に取り付けられており、中央部に有している回転軸23によって回転可能に支持されている円形プレートである。
4台の受け渡し台22は、搬送装置10の直下流側において、支持プレート21の側面部に円状にそれぞれ配置されており、櫛歯状の載置面をそれぞれ有している。また、受け渡し台22は、それぞれ回転軸を有しており、回転可能に支持プレート21にそれぞれ取り付けられている。
【0038】
ここで、受け渡し台22の動作についてより具体的に説明する。
まず、図1に示す位置P1において、受け渡し台22は、上流側の搬送装置10から搬送されてくる商品Xを略水平状態で受け取る。この際、受け取った商品Xは図示しない吸引装置によって受け渡し台22の載置面に固定された状態で保持される。
次に、支持プレート21が回転軸23を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する。この間に、受け渡し台22は回転軸22aを中心にして商品Xが起立姿勢となるように約90°回転方向eの方向に回転して図1に示す位置P2に移動する。そして、下流側の所定の位置Qに商品Xを起立姿勢で搬送する。この際、所定の位置にはバケット41・42(後段にて詳述)のうち、いずれか一方が配置されており、商品Xを起立姿勢のまま受け取る。
【0039】
さらに、受け渡し台22は、図1に示す位置P2から支持プレート21が回転軸23を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する間に、受け渡し台22が約90°回転方向eの方向に回転軸22aを中心に回転して図1に示す位置P3に移動する。同様にして、受け渡し台22は、位置P3から位置P4に移動する。さらに、受け渡し台22は、位置P4から位置P1へ同様に移動して、再び上流側から搬送されてくる商品Xを略水平状態で受け取る。
【0040】
このような動作を支持プレート21の側面部に配置された4台の受け渡し台22が順次行うことによって、上流側の搬送装置10から搬送される商品Xを下流側の所定の位置Qに起立姿勢で搬送することができる。
[箱詰め機構30の構成]
箱詰め機構30は、図1に示すように、受け渡し機構20の直下流側に配置されており、搬送機構40と排出装置50とを有している。そして、箱詰め機構30は、所定の位置Qにおいて、上流側の受け渡し機構20から起立姿勢で受け渡される商品Xを搬送方向b(図4参照)に沿って排出位置Rまで起立姿勢を保持したまま所定の個数ずつ搬送する。さらに、箱詰め機構30は、上記のように、所定の個数ずつ排出位置Rまで商品Xが搬送されてくると、排出位置Rの側面側にセットされているダンボール箱Y(図4参照)へ商品Xを集積状態のまま排出して商品Xを所定の個数ずつ順次箱詰めにする。
【0041】
(搬送機構40の構成)
搬送機構40は、図1および図5に示すように、バケット41・42と保持部材44とを有しており、上流側の受け渡し機構20から所定の位置Qに起立姿勢で搬送される商品Xを順に受け取って所定の個数ずつ下流側の排出位置Rへ搬送する。
バケット41・42は、図1に示すように、搬送機構40における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられている一対の回転軸45・46の間をそれぞれ独立して走行して、上流側の所定の位置Qから下流側の排出位置Rまで商品Xを搬送する。また、バケット41・42は、それぞれ複数の底板47を組み合わせて構成されている。バケット41・42において、商品Xを起立姿勢に保持するため、上流側の端部の底板47には仕切り板43がそれぞれ設けられている。
【0042】
保持部材44は、図1および図5に示すように、バケット41・42における下流側の底板47を覆うようにそれぞれ配置されており、商品Xを起立姿勢で保持する背板44aが設けられている。また、保持部材44は、バケット41・42と独立してそれぞれ走行することができる。さらに、保持部材44は、それぞれ高さを変更することもできる。そのため、バケット41・42における下流側の底板47をそれぞれ一部追い越す、すなわちオーバーラップすることができる。
【0043】
これにより、バケット41・42において、それぞれ背板44aと仕切り板43との間隔を変更することができる。このため、バケット41・42においてそれぞれ一度に搬送する商品Xの上記所定の個数を適宜変更することができる。
なお、図2に示すように、仕切り板43および背板44aと、4台の受け渡し台22の載置面とは、それぞれ互い違いに櫛歯状に形成されており、交差可能になっている。
【0044】
ここで、バケット41・42における商品Xの搬送方法について、バケット41を例に挙げて図1および図5を用いて以下においてより具体的に説明する。
上流側の受け渡し台22から商品Xが搬送されてくると、直下流側に配置されているバケット41は、所定の間隔だけ下流側に移動することによって、図1に示すように、商品Xを起立姿勢で保持したまま受け取ることができる。そして、図5に示すように、バケット41において、上流側から受け渡された商品Xが所定の個数になると、下流側の排出位置Rまで商品Xを起立姿勢のまま搬送方向bに沿って搬送する。この際、図1に示すように、バケット41の搬送方向bにおける直上流側に待機していたバケット42が下流側に速やかに移動して、上記バケット41と同様に受け渡し台22から商品Xを順に起立姿勢で受け取る。
【0045】
また、図1に示すように、バケット41・42において、複数の底板47は上流側から下流側に向かって所定の角度で傾斜しており、商品Xを搬送する際に下流側の底板47のほうがより高くなるように配置されている。このため、バケット41の上流側の底板47にバケット42の下流側の底板47が一部オーバーラップ状態となって重なることができるようになっている。
【0046】
これにより、バケット42は、所定の位置Qにより近い位置で待機することができるので、バケット41が下流側の排出位置Rへ移動すると速やかに搬送方向bにおける下流側に移動して、上流側から商品Xを受け取ることができる。なお、バケット41も同様にしてバケット42の上流側の底板47に一部重なることができるようになっている。
次に、バケット41は、後段にて詳述する排出装置50によってバケット41に起立姿勢で載置されている商品Xがダンボール箱Y(図4参照)に排出されると、搬送機構40上をさらに搬送方向bの方向に移動する。そして、バケット41は、搬送機構40の下流側の端部まで移動すると搬送機構40の下部に回り込んで搬送方向bと反対の方向に移動してバケット42の搬送方向bにおける直上流側まで移動して待機する。そして、バケット42が所定の個数だけ上流側から商品Xを受け取って排出位置Rへ移動すると、速やかに搬送方向bにおける下流側へ移動して上記と同様に商品Xを上流側から順に所定の個数だけ受け取る。
【0047】
これにより、商品Xを下流側の排出位置Rまで起立姿勢のまま搬送することができる。
(排出装置50の構成)
排出装置50は、図1および図4に示すように、搬送機構40の下流側の排出位置Rの近傍に配置されており、本体ケース1aの上部に設けられた駆動モータによって駆動される押し出し板51を有している。
【0048】
押し出し板51は、搬送機構40の下流側において、側面側近傍に配置されており、バケット41・42によって上流側から順次搬送されてくる商品Xを搬送方向b(図4参照)と略直交する搬送方向c(図4参照)の方向に押し出す。そして、箱詰め装置1の側面側に配置されているダンボール箱Yへ商品Xを順次搬出して箱詰めする。
このようにして、搬送装置10によって商品Xを受け渡し機構20に対してスムーズに搬送することができるため、箱詰め装置1の生産性を大幅に向上させることができる。
【0049】
[箱詰め装置1の特徴]
(1)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、図3に示すように、商品Xを搬送する取り込みコンベア11と、取り込みコンベア11が商品Xを搬送する搬送方向aと交差する方向における取り込みコンベア11の搬送面の端部側において、商品Xとそれぞれ当接して商品Xを搬送方向aに搬送する一対のサイドコンベア12・13と、を有している。
【0050】
通常、インスタント麺等の食料品は、軟包材によって形成された袋に袋詰めにされた状態で各工程を搬送される。この際、例えば、搬送速度の異なるコンベア間を受け渡される場合や、下流側の次工程に袋を受け渡す際に、コンベアの搬送面上において、袋が立ち上がってウイリー状態となる場合や、袋がスピンする場合がある。こうした搬送トラブルに対して、従来は、コンベアの両側面部に略垂直にガイドを設けていた。
【0051】
しかし、このようなガイドでは、搬送される袋の上方向、搬送面に対して略垂直上向き方向へのずれを抑制できないので、袋が立ち上がった状態となり所定の姿勢で搬送することができないおそれがあった。
そこで、本実施形態の搬送装置10では、上記一対のサイドコンベア12・13は、一対のサイドコンベア12・13の搬送面が取り込みコンベア11の搬送面となす角度のうち少なくとも一方の角度が鋭角となるように、サイドコンベア12とサイドコンベア13とが対向配置されている。
【0052】
これにより、取り込みコンベア11が商品Xの下面側を支持して搬送方向aに沿って搬送するとともに、一対のサイドコンベア12・13が取り込みコンベア11の搬送面の両端側を搬送される商品Xの両側面部に対して斜め上方から当接して搬送方向aに沿って商品Xを搬送することができる。
このため、一対のサイドコンベア12・13が商品Xを斜め上方から下方にそれぞれ押し付けながら商品Xを搬送することで、商品Xの横方向へのずれを抑制しつつ、商品Xの上方向へのずれも抑制することができる。
【0053】
この結果、従来よりも速い速度で所定の姿勢を保持しつつ商品Xをスムーズに搬送することができるので、生産性を大幅に向上させることができる。
また、コンベアの両端側にガイドを設ける場合と比べて、商品Xを搬送する際にガイドと商品Xとの摩擦抵抗によって商品Xの搬送速度が低下して商品Xの搬送間隔が乱れることを抑制することができる。
【0054】
なお、このように、取り込みコンベア11と一対のサイドコンベア12・13とによって、3方向から商品Xに当接して商品Xを加速するため、例えば、通常のコンベアによる搬送のように、1方向からのみ商品Xと当接しつつ搬送する場合よりも、より大きな加速度で商品Xを搬送することができる。このため、一方向から商品Xと当接して商品Xを搬送する場合よりも、商品Xが所定の速度に到達するために必要な搬送距離を短くすることができるという効果を得ることもできる。
【0055】
(2)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10において、スナック菓子Zを納めた軟包材によって形成された袋である商品Xを搬送する。
通常、軟包材によって形成された袋(以下、袋)をコンベア等を用いて搬送する際には、袋が搬送中に立ち上がる、または、回転するといった現象が顕著に発生して所定の姿勢を保持しつつ袋を搬送することができない場合があった。
【0056】
そこで、本実施形態の搬送装置10を用いて商品Xを搬送する。
これにより、取り込みコンベア11が商品Xの下面側を支持して搬送方向aに沿って搬送するとともに、一対のサイドコンベア12・13が取り込みコンベア11の搬送面の両端側を搬送される商品Xの両側面部に対して斜め上方からそれぞれ当接して搬送方向aに沿って商品Xを搬送することができる。
【0057】
そのため、所定の姿勢を保持しつつ、商品Xを従来よりもスムーズに搬送することができる。
(3)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、図3に示すように、一対のサイドコンベア12・13は、商品Xの搬送方向aから見てサイドコンベア12とサイドコンベア13とが略ハの字状となるように配置されている。
【0058】
これにより、取り込みコンベア11が商品Xの下面側を支持して搬送方向aに沿って搬送するとともに、一対のサイドコンベア12・13が取り込みコンベア11の搬送面の両端側を搬送される商品Xの両側面部に対して斜め上方から略対称にそれぞれ当接して搬送方向aに沿って商品Xを搬送することができる。
そのため、商品Xの横方向と上方向とへのずれをそれぞれさらに抑制することができる。
【0059】
(4)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10において、図3に示すように、端部と中央部とにおける厚みが異なっている商品Xを搬送する。
通常、スナック菓子を袋詰めにした袋では、袋の厚みが中央部と端部とにおいて異なっているものが多い。このような袋では内容物を単に袋に詰め込んだだけのものが多く存在する。こうした袋では、多少の外力が加わると簡単に袋が変形して内容物が袋内の一箇所に偏る場合がある。そして、このような状態の袋をコンベアによって搬送すると、上記のように袋がウイリーしたりスピンを起こす要因となる。
【0060】
そこで、本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10によって、商品Xを搬送する。
これにより、袋の厚みが薄い商品Xの両端部付近を一対のサイドコンベア12・13によって斜め上方から押さえながら袋を搬送することができる。そのため、商品Xを搬送する際、上記のように商品Xがウイリーしたりスピンすることを抑制することができる。
【0061】
この結果、所定の姿勢を保持しつつ端部と中央部とにおける厚みが異なる商品Xを搬送することができる。
(5)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、図3に示すように、一対のサイドコンベア12・13は取り込みコンベア11よりも搬送速度が速い。
【0062】
このため、一対のサイドコンベア12・13と取り込みコンベア11とが等速度で商品Xを搬送する場合と比較して、より強い力で取り込みコンベア11の搬送面に商品Xを押し付けることができる。
これにより、商品Xが取り込みコンベア11の搬送面において、搬送面と平行な方向にスピンしたり、略垂直上向きに立ち上がるといった現象を効果的に抑制することができる。
【0063】
なお、中には、上流側から所定の姿勢よりも搬送面と平行な方向にやや回転した状態で搬送されてくる商品Xもある。このような場合には、商品Xの上流側の両端部のうちいずれか一方の端部が先に、サイドコンベア12およびサイドコンベア13のいずれか一方の搬送面と当接して搬送されるため、取り込みコンベア11の搬送面の中心側に商品Xを移動させる力が働く。これにより、商品Xが所定の姿勢よりもやや回転した状態で上流側から搬送されてきても、搬送装置10は、商品Xを所定の搬送姿勢に戻しつつ下流側に搬送することができる。
【0064】
(6)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、図3に示すように、一対のサイドコンベア12・13の搬送面は、取り込みコンベア11の搬送面となす角度α、βがそれぞれ約80度となるようにセットされている。
これにより、角度α、βが約80度となるように一対のサイドコンベア12・13を配置することで、商品Xの形状に応じて、商品Xの横方向と上方向とへのずれを効果的に抑制することができる。
【0065】
(7)
本実施形態の箱詰め装置1に備えられた搬送装置10では、図3に示すように、一対のサイドコンベア12・13の搬送方向aと交差する方向における取り付け位置を調節する調節機構14を有している。
これにより、搬送装置10は、搬送される商品Xの大きさに応じて一対のサイドコンベア12・13の取り付け位置を調節することができる。
【0066】
(8)
本実施形態の箱詰め装置1は、図1に示すように、搬送装置10と、搬送装置10から商品Xを受け取って所定の位置Qに順に起立姿勢で並べる受け渡し機構20と、所定の位置Qに順に起立姿勢で並べられた袋を段ボール箱Yに詰め込む箱詰め機構30と、を有している。これにより、搬送装置10によって商品Xを受け渡し機構20に対してスムーズに搬送することができるため、箱詰め装置1の生産性を大幅に向上させることができる。
【0067】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、搬送装置10において、一対のサイドコンベア12・13の搬送面は、取り込みコンベア11の搬送面となす角度α、βがそれぞれ約80度となるようにセットされている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
例えば、角度α、βは、搬送する袋の形状に合わせていずれか一方の角度だけ鋭角となるように、取り付け角度を調整しても良い。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、搬送装置10において、一対のサイドコンベア12・13の搬送面は、取り込みコンベア11の搬送面となす角度α、βがそれぞれ約80度となるようにセットされている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
例えば、角度α、βは、搬送する袋の形状や一対のサイドコンベア12・13の搬送速度の設定に合わせて、85°以上95°以下となるようにそれぞれ取り付け角度を調整しても良い。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態では、搬送装置10において搬送される商品Xは、端部と中央部とにおける厚みが異なっている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
例えば、搬送装置10において搬送する物品は、端部と中央部とにおける厚みがほぼ均一となっていても良い。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態では、一対のサイドコンベア12・13は、取り込みコンベア11よりも搬送速度が速い例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
例えば、商品Xをスムーズに搬送することができる場合には、一対のサイドコンベア12・13と取り込みコンベア11とにおける搬送速度が等速度であっても良い。
但し、この場合には、一対のサイドコンベア12・13の搬送速度が取り込みコンベア11の搬送速度よりも速い場合と比べて、取り込みコンベア11の搬送面に商品Xを押し付ける力が小さくなるので、上記実施形態のように一対のサイドコンベア12・13の搬送速度が取り込みコンベア11の搬送速度よりも速いほうがより好ましい。
【0072】
(E)
上記実施形態では、調節機構14は、一対のサイドコンベア12・13の搬送方向aと交差する方向における取り付け位置を調節する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、搬送装置10において、商品Xだけ搬送する場合には、調節機構14を設けなくてもよい。
【0073】
この場合には、搬送装置10の簡素化を図ることができるので、装置のコストを抑えることができる。
また、例えば、調節機構14において、さらに一対のサイドコンベア12・13の搬送面と取り込みコンベア11の搬送面とのなす角度α、βをそれぞれ調節する角度調節機構を設けてもよい。
【0074】
この場合には、搬送装置10において、オペレータが商品Xの搬送状況に応じて角度α、βの微調整を行なうことができる。
(F)
上記実施形態では、箱詰め装置1において搬送装置10を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
例えば、搬送装置10は、他の産業機械に設けてもよい。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(G)
上記実施形態では、搬送装置10において、一対の第2搬送部が一対のサイドコンベア12・13である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
例えば、商品Xを問題なく搬送できる場合には、一対のサイドコンベア12・13の代わりに搬送ローラ対を組み合わせて一対の第2搬送部として用いてもよい。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(H)
上記実施形態では、一対のサイドコンベア12・13は、取り込みコンベア11よりも搬送速度が約5m/min速い例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0077】
例えば、搬送する商品Xの重量やサイズに応じて、どの程度取り込みコンベア11よりも一対のサイドコンベア12・13の搬送速度を速くするかを適宜調整してもよい。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
(I)
上記実施形態では、搬送装置10において、軟包材によって形成された袋である商品Xを搬送する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0078】
例えば、搬送装置10において搬送可能なサイズである場合には、搬送装置10において、商品Xの代わりに紙箱を搬送してもよい。
この場合にも、上記実施形態に係る搬送装置10と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、所定の姿勢を保持しつつ物品をスムーズに搬送するという効果を奏することから、物品を搬送する搬送装置、およびこれを備えた箱詰め装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態に係る箱詰め装置の内部構成を示す側面図。
【図2】図1の断面Aにおける矢視断面図。
【図3】図2の断面Bにおける矢視断面図。
【図4】箱詰め装置における商品の搬送経路を示す模式図。
【図5】図1に含まれる商品の搬送経路を示す図。
【図6】図1に含まれる商品において、内容物のスナック菓子が袋内で均一となっている場合と袋内で偏っている場合とをそれぞれ一例ずつ示す商品の断面図。
【符号の説明】
【0081】
1 箱詰め装置
1a 本体ケース
1b フレーム
10 搬送装置
11 取り込みコンベア(第1搬送部)
12 サイドコンベア(第2搬送部)
13 サイドコンベア(第2搬送部)
14 調節機構
15 スライドレール
16 位置決めストッパ
20 受け渡し機構
21 支持プレート
22 受け渡し台
22a 回転軸
23 回転軸
30 箱詰め機構(詰め込み機構)
40 搬送機構
41 バケット
42 バケット
43 仕切り板
44 保持部材
44a 背板
45 回転軸
46 回転軸
47 底板
50 排出装置
51 押し出し板
100 コンベア
101 ガイド
X 商品
Y ダンボール箱(所定の箱)
Z スナック菓子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を所定の方向に搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部が前記物品を搬送する搬送方向と交差する方向における前記第1搬送部の搬送面の両端側において、前記物品とそれぞれ当接して前記搬送方向に前記物品を搬送する一対の第2搬送部と、
を備えており、
前記一対の第2搬送部は、前記一対の第2搬送部の搬送面が前記第1搬送部の前記搬送面とそれぞれなす角度のうち少なくとも一方が鋭角となるように、一方の前記第2搬送部と他方の前記第2搬送部とが対向して配置されている、
搬送装置。
【請求項2】
前記物品は、軟包材によって形成された袋である、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記一対の第2搬送部は、前記物品の前記搬送方向から見て、一方の前記第2搬送部と他方の前記第2搬送部とが略ハの字状となるように配置されている、
請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記物品は、端部と中央部とにおける厚みが異なっている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記一対の第2搬送部は、前記第1搬送部よりも搬送速度が速い、
請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記一対の第2搬送部は、前記一対の第2搬送部の前記搬送面が前記第1搬送部の前記搬送面となす角度が75°以上85°以下となるようにそれぞれ配置されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記物品の前記搬送方向と交差する前記方向における前記一対の第2搬送部の取り付け位置を調節する調節機構をさらに備えている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置から前記物品を受け取って所定の位置に順に起立姿勢で並べる受け渡し機構と、
前記所定の位置に順に前記起立姿勢で並べられた前記物品を所定の箱に詰め込む詰め込み機構と、
を備えている箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−227279(P2009−227279A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193135(P2006−193135)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】