説明

携帯型車両用充電装置

【課題】本発明は、携帯型車両用充電装置に関するもので、充電時の盗難を抑制することを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケース1と、この本体ケース1に設けた入力端子16および出力端子18と、前記入力端子16から本体ケース1外に引き出された入力線11と、前記出力端子18から本体ケース1外に引き出された出力線13と、前記本体ケース1内において前記入力端子16と出力端子18間に接続した通電路と、この通電路に接続された充電池23、および制御部22と、この制御部22に接続したPLC(パワー・ライン・コミュニケーション)通信制御部21、および警報手段24とを備え、前記制御部22は、前記入力線11から入力端子16への通電後、前記出力端子18から出力線13への通電が断たれると、前記警報手段24による警報を発する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型車両用充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型車両用充電装置は、本体ケースと、この本体ケースに設けた入力端子および出力端子と、前記入力端子から本体ケース外に引き出された入力線と、前記出力端子から本体ケース外に引き出された出力線と、前記本体ケース内において前記入力端子と出力端子間に接続した通電路と、この通電路に接続された制御部とを備えた構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−004542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例の携帯型車両用充電装置は、入力端子に接続した入力線を自宅や、充電ステーションのコンセントに接続し、また出力端子に接続した出力線を自動車の自動車用電池に接続し、これにより自動車用電池への充電を行うようになっていた。
【0005】
この充電は少なくとも1時間以上かかるため、その間、使用者はこの充電場所から離れることが多く、この時に携帯型車両用充電装置自体が盗難に合うことがあった。
【0006】
そこで本発明は、充電時の盗難を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた入力端子および出力端子と、前記入力端子から本体ケース外に引き出された入力線と、前記出力端子から本体ケース外に引き出された出力線と、前記本体ケース内において前記入力端子と出力端子間に接続した通電路と、この通電路に接続された充電池、および制御部と、この制御部に接続したPLC(パワー・ライン・コミュニケーション)通信制御部、および警報手段とを備え、前記制御部は、前記入力線から入力端子への通電後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた入力端子および出力端子と、前記入力端子から本体ケース外に引き出された入力線と、前記出力端子から本体ケース外に引き出された出力線と、前記本体ケース内において前記入力端子と出力端子間に接続した通電路と、この通電路に接続された充電池、および制御部と、この制御部に接続したPLC通信制御部、および警報手段とを備え、前記制御部は、前記入力線から入力端子への通電後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成としたものであるので、充電時の盗難を抑制することができる。
【0009】
すなわち、本発明において、前記制御部は、充電時に、前記入力線から入力端子への通電をした後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成としたものであるので、充電開始後に、出力線を自動車から引き抜いた場合には、前記警報手段から警報が発され、これにより、充電時の盗難を抑制することができる。
【0010】
また、本発明においては、本体ケース内に充電池を設けているので、出力線よりも先に入力線を引き抜いても、前記充電池の電力により、この時にも、前記警報手段から警報が発され、これにより、充電時の盗難を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる携帯型車両用充電装置の正面図
【図2】同背面図
【図3】同制御ブロック図
【図4】同充電状態の一例を示す図
【図5】同充電状態の他例を示す図
【図6】同動作フローチャート
【図7】本発明の実施の形態2にかかる携帯型車両用充電装置の動作フローチャート
【図8】本発明の実施の形態3にかかる携帯型車両用充電装置の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1において、1は本発明の実施の形態1にかかる携帯型車両用充電装置の本体ケースで、この本体ケース1は直方体形状となっている。
【0014】
そして、この本体ケース1の前面2の中央部分には入力部3が設けられ、また入力部3の左側には外部コンセント4が設けられ、さらに入力部3右側には記録メディア(図3の5a)の接続口5が設けられている。
【0015】
また、本体ケース1の下面6には脚7が設けられ、さらに本体ケース1の上面8には持ち手9が設けられている。
【0016】
また、本体ケース1の右面10からは入力線11が本体ケース1内から引き出されており、さらに本体ケース1の左面12からは出力線13が本体ケース1内から引き出されている。
【0017】
また、本体ケース1の後面14には、図2に示すごとく、移動時に活用する車輪15が設けられている。
【0018】
図3は本体ケース1内に設けられた制御ブロックを示しており、本体ケース1内に設けた入力端子16からは、前記入力線11が本体ケース1外へと引き出されており、この入力線11の先端にはプラグ17が接続されている。
【0019】
また、本体ケース1内に設けた出力端子18からは、前記出力線13が本体ケース1外へと引き出されており、この出力線13の先端にはプラグ19が接続されている。
【0020】
また、前記本体ケース1内において前記入力端子16と出力端子18間に接続した通電路には、AC/DCコンバータ20が介在され、このAC/DCコンバータ20の入力側にはPLC通信制御部21が接続され、またAC/DCコンバータ20の出力側には制御部22、充電池23、警報手段24等が接続されている。なお、制御部22の動作プログラムは、記憶部22aに、書き込まれている。
【0021】
また、充電池23と図1の外部コンセント4とは、DC/ACコンバータ25を介して接続されている。
【0022】
さらに、図1の入力部3からの指示は、制御部22に伝達され、指示内容によって、この制御部22によりPLC通信制御部21、充電池23、警報手段24、DC/ACコンバータ25が制御されるようになっている。
【0023】
また、この図3には、図1の接続口5に挿入された記録メディア5aも記載されており、この記録メディア5aに対する読み、書きも制御部22によって行われるようになっている。
【0024】
また、記録メディア5aの上方に記載された無線通信部22bも制御部22によって制御され、外部機器(図示せず)との通信制御が行われるようになっている。
【0025】
図4は、携帯型車両用充電装置を用いて自動車26の自動車用電池(図示せず)に充電している状態を示したもので、入力線11の先端に設けたプラグ17は、家庭のコンセント27に接続されている(図6のS1)。
【0026】
また、出力線13先端のプラグ19は、自動車26の充電口(図示せず)を介して前記自動車用電池(図示せず)に接続されている(図6のS2)。
【0027】
この状態で、携帯型車両用充電装置の入力部3から暗証番号を入力すると、PLC通信制御部21からその暗証番号が、入力線11、プラグ17、家庭のコンセント27を介して、家庭内のPLC通信制御部(図示せず)に伝達され、この暗号が正しければ、家庭用のコンセント27からのAC電源供給が開始される(図6のS3)。
【0028】
携帯型車両用充電装置の本体ケース1内では、図3のAC/DCコンバータ20にてDC電源への変換が行われ、このDC電源が出力線13、プラグ19、自動車26の充電口(図示せず)を介して前記自動車用電池(図示せず)に供給され、充電が行われる。
【0029】
なお、このDC電源は充電池23の充電も行うことになる。
【0030】
さて、このように充電を行っている時にも、制御部22は、出力線13先端のプラグ19が、自動車26の充電口(図示せず)に適切に接続されているか、否かを監視している(図6のS4)。
【0031】
この監視は、例えば出力線13先端のプラグ19が、自動車26の充電口(図示せず)に適切に接続され、通電が開始されて以降、この出力線13への通電が継続されているか、否かによって監視している。
【0032】
そして、この監視によって、出力線13先端のプラグ19が、自動車26の充電口(図示せず)から外れたと判定した時には、警報手段24による警報が発せられることになる。
【0033】
このため、使用者がこの充電場所から離れている時に、この携帯型車両用充電装置が盗難に合うのを抑制することができる(図6のS5)。
【0034】
また、このような盗難時に、プラグ19よりも先にプラグ17が外された場合でも、出力線13への通電が断たれるので、警報手段24による警報が発せられることになる。
【0035】
なお、この時には、携帯型車両用充電装置自体への通電も断たれるが、携帯型車両用充電装置の本体ケース1内に充電池23が設けられているので、充電池23の電力により、制御部22が継続的に稼働し、警報手段24による警報を発することが出来る。
【0036】
このため、この時にも、この携帯型車両用充電装置が盗難に合うのを抑制することができる。
【0037】
そして、この充電により、自動車26の自動車用電池(図示せず)への充電が完了したことが、自動車26内のPLC通信制御部(図示せず)から出力線13を介してPLC通信制御部21に送信されると、制御部22は充電の完了を検出し(図6のS6)、例えばAC/DCコンバータ20の機能を停止させ、充電を完了させる(図6のS7)。
【0038】
なお、本実施形態の携帯型車両用充電装置は、その本体ケース1内に充電池23を設けているので、電源の無い野外においても、図1の外部コンセント4に電子機器を接続すれば、充電池23のDC電源は、DC/ACコンバータ25によって、AC電源に変換され、その電子機器に供給されるので、この屋外においても、使用が可能となる。
【0039】
また、本実施形態の携帯型車両用充電装置は、例えば、50L程度のクーラーボックスと同じ大きさであるので、これを自動車26内に常備しておけば、自動車用電池(図示せず)が上がってしまった場合でも、出力線13先端のプラグ19を、自動車26の充電口に接続し、入力部3により、緊急通電を選択すれば、数10キロの走行は可能となる。
【0040】
図5は、同充電状態の他例を示すもので、これはマンションや、スーパーマーケットの充電ステーションで、自動車26に充電を行おうとするものである。
【0041】
この時にも、上述のごとく、携帯型車両用充電装置の入力部3から暗証番号を入力すると、PLC通信制御部21からその暗証番号が、入力線11、プラグ17、充電ステーションのコンセント27a、あるいは27b、あるいは27cを介して、充電ステーションのPLC通信制御部21aに伝達され、この暗号が正しければ、コンセント27a、あるいは27b、あるいは27cからのAC電源供給が開始される。
【0042】
以降の動作は、図6と同様になっており、この充電ステーションにおいても、携帯型車両用充電装置が盗難に合うのを抑制することができる。
【0043】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2にかかる携帯型車両用充電装置の動作フローチャートを示し、記憶部22aに書き込まれた動作プログラムを、書き換えるだけで、実行できる。
【0044】
つまり、基本的な構造は図1〜図4に示した構造となっており、この実施形態2では、図7のごとく、S1とS2の間で、入力部3によって暗証番号を設定する(図7のS8)ことが特徴となっている。
【0045】
つまり、図7のS5により、警報手段24による警報が発された場合には、入力部3により暗証番号を入力すれば(図7のS9)、この警報を停止することが出来るようにした(図7のS10)ものである。
【0046】
つまり、充電中にもかかわらず、うっかり出力線13先端のプラグ19を自動車26の充電口から外してしまった場合でも、警報手段24からの警報が発せられることになるが、この時には、入力部3により暗証番号を入力すれば(図7のS9)、この警報を停止することが出来るようにした(図7のS10)ものである。
【0047】
また、充電が完了後も、入力部3により暗証番号を入力する前に、出力線13先端のプラグ19を自動車26の充電口から外すと、この時にも警報手段24による警報が発される(図7のS11)。
【0048】
したがって、充電が完了後も、入力部3により暗証番号を入力し(図7のS12)、充電を完了する(図7のS13)。
【0049】
この実施形態2においても、充電中に出力線13先端のプラグ19を自動車26の充電口から外された場合には、警報手段24からの警報が発せられるので、携帯型車両用充電装置が盗難に合うのを抑制することができる。
【0050】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3にかかる携帯型車両用充電装置の動作フローチャートを示し、記憶部22aに書き込まれた動作プログラムを、書き換えるだけで、実行できる。
【0051】
つまり、基本的な構造は図1〜図4、図7に示した構造となっており、この実施形態3では、図8のごとく、S2の次に、入力部3によって充電時間を設定する(図8のS14)ことが特徴となっている。
【0052】
つまり、充電時間を予め設定するものであり、先ずは充電時間が確認され(図8のS15)、この充電時間が完了する(図8のS16)と、充電が完了となる(図8のS7)。
【0053】
そして、この実施形態3においても、充電中に出力線13先端のプラグ19を自動車26の充電口から外された場合には、警報手段24からの警報が発せられるので、携帯型車両用充電装置が盗難に合うのを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた入力端子および出力端子と、前記入力端子から本体ケース外に引き出された入力線と、前記出力端子から本体ケース外に引き出された出力線と、前記本体ケース内において前記入力端子と出力端子間に接続した通電路と、この通電路に接続された充電池、および制御部と、この制御部に接続したPLC通信制御部、および警報手段とを備え、前記制御部は、前記入力線から入力端子への通電後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成としたものであるので、充電時の盗難を抑制することができる。
【0055】
すなわち、本発明において、前記制御部は、充電時に、前記入力線から入力端子への通電をした後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成としたものであるので、充電開始後に、出力線を自動車から引き抜いた場合には、前記警報手段から警報が発され、これにより、充電時の盗難を抑制することができる。
【0056】
また、本発明においては、本体ケース内に充電池を設けているので、出力線よりも先に入力線を引き抜いても、前記充電池の電力により、この時にも、前記警報手段から警報が発され、これにより、充電時の盗難を抑制することができる。
【0057】
したがって、携帯型車両用充電装置として、広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0058】
1 本体ケース
2 前面
3 入力部
4 外部コンセント
5 接続口
5a 記録メディア
6 下面
7 脚
8 上面
9 持ち手
10 右面
11 入力線
12 左面
13 出力線
14 後面
15 車輪
16 入力端子
17 プラグ
18 出力端子
19 プラグ
20 AC/DCコンバータ
21 PLC通信制御部
22 制御部
22a 記憶部
22b 無線通信部
23 充電池
24 警報手段
25 DC/ACコンバータ
26 自動車
27,27a,27b,27c コンセント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースに設けた入力端子および出力端子と、前記入力端子から本体ケース外に引き出された入力線と、前記出力端子から本体ケース外に引き出された出力線と、前記本体ケース内において前記入力端子と出力端子間に接続した通電路と、この通電路に接続された充電池、および制御部と、この制御部に接続したPLC(パワー・ライン・コミュニケーション)通信制御部、および警報手段とを備え、前記制御部は、前記入力線から入力端子への通電後、前記出力端子から出力線への通電が断たれると、前記警報手段による警報を発する構成とした携帯型車両用充電装置。
【請求項2】
警報手段による警報解除入力を行う入力部を有する請求項1に記載の携帯型車両用充電装置。
【請求項3】
入力部は、暗証情報を入力する構成とした請求項2に記載の携帯型車両用充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−44744(P2012−44744A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182035(P2010−182035)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】