説明

携帯型電子機器システム、電力伝送ケーブル、及び携帯型電子機器

【課題】電子機器を携帯するユーザの負担を軽減させるとともに、正規品であるか否かの認証をより精度良く行うことができる電力伝送ケーブルを提供する。
【解決手段】バッテリの識別情報に基づいて電力供給の制御を行う携帯型電子機器100のバッテリ装着部110に接続される本体コネクタ310が一端に形成され、バッテリに接続されるバッテリコネクタ350が他端に形成された電力伝送ケーブル300において、本体コネクタ310は、バッテリ装着部110に装着されたか否かを判断する装着判断部と、電力を携帯型電子機器100に供給する供給制御手段330と、携帯型電子機器100と通信を行う通信端子321と、起動した携帯型電子機器100から送信されてくるこの携帯型電子機器の識別情報に応じた認証情報を携帯型電子機器100へ送信し、認証情報に応じて携帯型電子機器100に電力供給の制御を開始させる認証処理手段335とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの識別情報に基づいた電力供給の制御を行う携帯型電子機器システム、電力伝送ケーブル、及び携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、携帯型電子機器は、その機器本体に直接装着されるバッテリからの供給電力によって駆動する。また、このような携帯型電子機器のうち、特に携帯型のビデオカムコーダには、撮像画像の高画質化や長時間動作などの要求によって比較的大容量のバッテリが用いられる。そして、このようなビデオカムコーダは、そのバッテリの重量も大きくなるため、携帯するユーザへの負担を増大させる。
【0003】
また、ビデオカムコーダには、被写体を照光するライトや音声などを検出するマイクなどの付属機器が取り付けられる。例えば、ビデオカムコーダに高照度特性を有するライトを取り付けるものとする。このような場合において、ライトには、その電力消費量が比較的大きいため、ビデオカムコーダから電源を供給せずにこのライト専用のバッテリが直接装着される。このため、ライトやマイクなどの付属機器が取り付けられたビデオカムコーダは、ビデオカムコーダ単体と比べて重くなるので、携帯するユーザへの負担をさらに増大させることとなる。
【0004】
従来から、このような携帯型電子機器を携帯するユーザの負担を軽減させるために、機器本体に直接装着されるバッテリを一端のコネクタに接続して他端のコネクタを機器本体に接続して電力を伝送するケーブルが使用されている(特許文献1)。具体的に、このようなケーブルを用いることによって、ユーザは、バッテリが接続されたコネクタを腰部に取り付けて、機器本体を保持する腕や肩などへの負担を軽減することができる。
【0005】
また、携帯型電子機器と、この携帯型電子機器へ電力を供給するバッテリとの間では、従来からバッテリが、特定の携帯型電子機器に対応する正規品であるか否かの認証を行っている。これは、正規品でないバッテリの中に、過放電や過電流などを防止する保護回路を備えていないものがあるからである。
【0006】
このため、従来から、正規品である専用バッテリには、電力供給用の正極及び負極端子に加えて、そのバッテリの識別情報などを出力する情報出力端子を備えている。そして、携帯型電子機器は、情報出力端子から出力されるバッテリの識別情報に基づいて、装着されたバッテリが専用バッテリであるか否かの認証処理を行っている。
【0007】
また、従来の専用電力伝送ケーブルには、電力を供給するための+−極の2つの電力伝送線に加えて、バッテリの情報出力端子から出力されるバッテリの識別情報などを伝送する情報信号線が設けられている。このため、携帯型電子機器とその専用バッテリとの間では、専用電力伝送ケーブルを介してもバッテリ情報に基づいた認証処理を行うことができる。
【0008】
また、専用バッテリ、専用電力伝送ケーブルのコネクタ、及び携帯型電子機器のバッテリ装着部の形状は、正規品同士のみで装着可能となるように、それぞれ設計されている。
【0009】
【特許文献1】特開平4―142171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
携帯型電子機器、その専用電力伝送ケーブルのコネクタ、及び専用バッテリのそれぞれの形状を、正規品であるか否かの認証を行うように設計しても、このような形状を模倣した非正規品を製造することは容易である。すなわち、形状に専用性を施すだけでは、正規品であるか否かの認証を精度良く行うことができない。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、電子機器を携帯するユーザの負担を軽減させるとともに、正規品であるか否かの認証をより精度良く行うことができる携帯型電子機器システム、電力伝送ケーブル、及び携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための手段として、本発明は、バッテリ装着部に設けられた情報入力端子に入力されるバッテリの識別情報に基づいて、このバッテリからの電力供給を制御する携帯型電子機器と、一端に、上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に接続されるとともに、このバッテリ装着部に設けられた情報入力端子と電気的に接続される情報出力端子が設けられた本体コネクタが形成され、他端に上記バッテリと接続されるバッテリコネクタが形成され、このバッテリの電力とこのバッテリの識別情報とを伝送する電力伝送ケーブルとを備える携帯型電子機器システムであって、上記電力伝送ケーブルの本体コネクタは、上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に装着されたか否かを判断するコネクタ側装着判断部と、上記バッテリと接続された上記バッテリコネクタから伝送されてくる電力を上記携帯型電子機器に供給するコネクタ側供給制御手段と、上記携帯型電子機器と通信を行うコネクタ側通信端子と、上記コネクタ側装着判断部が上記バッテリ装着部に装着されたと判断したときに、上記コネクタ側供給制御手段に上記携帯型電子機器へ電力を供給させ、その後起動した上記携帯型電子機器から上記コネクタ側通信端子へ送信されてくるこの携帯型電子機器の識別情報とこの電力伝送ケーブルの識別情報とを照合して認証が成功したときに認証情報を上記コネクタ側通信端子から上記携帯型電子機器へ送信する本体コネクタ側認証処理手段とを有し、上記携帯型電子機器は、上記バッテリ又は上記本体コネクタが上記バッテリ装着部に装着されたかを判断する本体側装着判断部と、上記本体コネクタが上記バッテリ装着部に装着されたときに、上記本体コネクタのコネクタ側通信端子と電気的に接続される本体側通信端子と、上記本体側装着判断部が上記バッテリ装着部に上記本体コネクタが装着されたと判断したとき、上記携帯型電子機器の識別情報を上記本体側通信端子からこの本体コネクタのコネクタ側通信端子へ送信し、その後このコネクタ側通信端子から上記本体側通信端子へ送信されてくる認証情報に応じて、電力供給の制御を開始する本体側供給制御手段とを有する。
【0013】
また、本発明は、バッテリ装着部に設けられた情報入力端子に入力されるバッテリの識別情報に基づいて電力供給の制御を行う携帯型電子機器のバッテリ装着部に接続されるとともに、このバッテリ装着部の情報入力端子と電気的に接続される情報出力端子が設けられた本体コネクタが一端に形成され、上記バッテリに接続されるバッテリコネクタが他端に形成され、このバッテリの電力とこのバッテリの識別情報とを伝送する電力伝送ケーブルであって、上記本体コネクタは、上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に装着されたか否かを判断する装着判断部と、上記バッテリと接続された上記バッテリコネクタから伝送されてくる電力を上記携帯型電子機器に供給する供給制御手段と、上記携帯型電子機器と通信を行う通信端子と、上記装着判断部が上記バッテリ装着部に装着されたと判断したときに、上記供給制御手段に上記携帯型電子機器へ電力を供給させ、その後起動された上記携帯型電子機器から上記通信端子に送信されてくるこの携帯型電子機器の識別情報とこの本体コネクタの識別情報とを照合して認証が成功したときに認証情報を上記通信端子から上記携帯型電子機器へ送信し、上記送信した認証情報に応じて上記携帯型電子機器に電力供給の制御を開始させる認証処理手段とを備える。
【0014】
また、本発明は、バッテリの識別情報に基づいてこのバッテリからの電力供給を制御する携帯型電子機器であって、上記バッテリ及びこのバッテリが接続された電力伝送ケーブルのコネクタが装着され、上記バッテリの識別情報が入力される情報入力端子と、上記コネクタと通信を行う通信端子とが設けられたバッテリ装着部と、上記バッテリ又は上記電力伝送ケーブルのコネクタのいずれか一方が上記バッテリ装着部に装着されたかを判断する装着判断部と、上記装着判断部により上記電力伝送ケーブルが装着されたと判断されたときに、この携帯型電子機器の識別情報を上記通信端子から上記電力伝送ケーブルへ送信し、その後上記電力伝送ケーブルから上記通信端子へ送信されてくる認証情報に応じて、上記バッテリの識別情報に基づいた電力供給の制御を開始する供給制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、携帯型電子機器とバッテリとの間を電力伝送ケーブルを介して接続することによって、携帯するユーザの負担を軽減させることができる。さらに、本発明は、携帯型電子機器から電力伝送ケーブルへ識別情報を通信し、これらの識別情報に基づいて認証処理を行って、認証が成功した後に携帯型電子機器が電力供給の制御を開始するので、携帯型電子機器に接続されるバッテリ及び電力伝送ケーブルが正規品であるか否かの認証を精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本実施形態において、本発明に係る携帯型電子機器システムは、その一例として、次に示すようなものから構成される。
【0018】
図1は、被写体像を撮像するカムコーダ1000と、カムコーダ1000に装着されるライト100と、このライト100に電力を供給するライト用バッテリ200と、ライト用バッテリ200からライト100へ電力を供給するライト用ケーブル300とを示す概略図である。ここで、ライト100は、本発明に係る携帯型電子機器の一例として用いられるものである。また、ライト用ケーブル300は、本発明に係る電源供給ケーブルの一例として用いられるものである。
【0019】
カムコーダ1000は、この装置に装着されたバッテリから供給される電力によって、被写体像を撮像する携帯型の撮像装置である。
【0020】
ライト100は、カムコーダ1000が撮像する被写体を照光する携帯型の光源装置であって、カムコーダ1000に取り付けられて用いられるものである。また、ライト100には、ライト用バッテリ200及びライト用ケーブル300が着脱可能に装着されるバッテリ装着部110が形成されている。
【0021】
ライト用バッテリ200は、ライト100へ電力を供給する電源装置であって、具体的にはリチウムイオンバッテリなどの二次電池である。また、ライト用バッテリ200は、後述のように、ライト100のバッテリ装着部110及びライト用ケーブル300との間でそれぞれ着脱可能な形状の係合部を有している。
【0022】
ライト用ケーブル300は、ライト100との間で着脱可能に接続されるライト側コネクタ310と、ライト用バッテリ200との間で着脱可能に接続されるバッテリ側コネクタ350と、このバッテリ側コネクタ350からライト側コネクタ310へ電力を供給するケーブル部340とから構成される。
【0023】
一般的にライト100は、上述したライト用ケーブル300を介さずにライト用バッテリ200と直接接続して使用する。しかし、上述したように、ライト100は、ライト用ケーブル300を介してライト用バッテリ200から電力が供給されるようにすることで、次の具体例に示すようにユーザの負担を軽減することができる。
【0024】
例えば、ライト用ケーブル300は、そのバッテリ側コネクタ350をユーザの腰部に取り付けられることによって、カムコーダ1000本体を保持するユーザの腕や肩などへの負担を軽減することができる。
【0025】
すなわち、ユーザの腕や肩などに負荷される荷重は、ライト用ケーブル300を介してライト用バッテリ200から電力を供給することで、ライト100とライト用バッテリ200とを直接接続した場合に比べて、ライト用バッテリ200の重量分軽減されることになるからである。また、ライト100とライト用バッテリ200とを直接接続した場合に比べて、そのカムコーダ1000全体での重量のバランスも良くすることができるからである。
【0026】
また、ライト100は、そのバッテリ装着部110に装着されたバッテリが、次のような理由によってライト用バッテリ200であるか否かの認証を行い、認証が成功した場合にのみ、電力を供給して動作する。
【0027】
また、ライト100とライト用ケーブル300のライト側コネクタ310とが係合される係合部の形状は、後述するように、正規品同士のみで着脱可能となるように設計されている。
【0028】
しかしながら、このような係合部の形状を正規品同士のみで装着可能となるように設計しても、このような形状を模倣してライト100との間で着脱可能な形状の係合部を有する電力伝送ケーブルを製造することは容易である。すなわち、このような従来のライト100及びライト用ケーブル300では、正規品であるか否かの認証の度合いが不十分である。
【0029】
本実施形態では、後述する識別情報に基づいて、正規品であるか否かの認証処理を行うライト100及びライト用ケーブル300の構成と動作に注目して以下のとおり説明する。
【0030】
ライト100には、図2に示すように、例えば、ライト100の背面側に設けられているバッテリ装着部110にライト用バッテリ200が矢印Aの方向へスライドすることにより装着される。また、このバッテリ装着部110は、ライト用バッテリ200以外に、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310が着脱可能な形状を有している。
【0031】
具体的には、このバッテリ装着部110は、図3に示すような形状を有することにより、ライト用バッテリ200が装着されて電力が供給可能となる。
【0032】
ライト100のバッテリ装着部110には、装着されたライト用バッテリ200の底面212a(図5参照)と密接するバッテリ載置面111と、このバッテリ載置面111の略中心部に形成された凹部112とが設けられている。また、バッテリ載置面111には、ライト用バッテリ200及びライト側コネクタ310を装着方向Aにガイドするためのガイド凸部113が形成されている。
【0033】
また、凹部112は、後述するように、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310に形成された凸部312(図7参照)と密接する。また、この凹部112には、ライト側コネクタ310が装着されたときに押圧される押圧部114が設けられている。すなわち、この押圧部114は、ライト用バッテリ200が装着されたときには押圧されず、ライト側コネクタ310が装着されたときに押圧されるようになっている。このような押圧部114の押圧動作によって、ライト用バッテリ200又はライト側コネクタ310がバッテリ装着部に装着されたか否かが、後述する供給制御部によって判断される。
【0034】
また、バッテリ装着部110には、装着されたライト用バッテリ200及びライト側コネクタ310を固定するための突起部115,116が、バッテリ載置面111の長手方向に相対してそれぞれ形成されている。また、この突起部115と突起部116との間には、バッテリ載置面111に対して直交方向に移動可能であって、装着されたライト用バッテリ200又はライト側コネクタ310を、この移動によってロックをしたり、このロックを解除するロック用突起部117が設けられている。
【0035】
また、バッテリ装着部110には、その装着端に、電気的な接続を行う端子部118が形成されている。具体的な端子部118の構成に関しては後述する。
【0036】
上述した構成を有するバッテリ装着部110に装着されるライト用バッテリ200は、図4に示すように、上ケース211と底ケース212とからなるケース210を有する。
【0037】
このライト用バッテリ200の上ケース211には、その上面211aの幅方向の略中心部から装着方向に沿って、ガイド溝211bが形成されている。このガイド溝211bは、ライト用バッテリ200が電子機器に設けられたバッテリ収納部に収納されるときに、その収納方向へガイドするための溝である。
【0038】
このライト用バッテリ200の底ケース212には、ライト100のバッテリ装着部110に対する装着方向(長手方向)の前面部220に、ケース210の幅方向の両側に第1の出力端子221及び第2の出力端子222がそれぞれ配置され、この第2の出力端子222に隣接して情報出力端子223が配設されている。
【0039】
この第1の出力端子221及び第2の出力端子222は電力を供給するときの電源電極として機能する。また、情報出力端子223は、ライト用バッテリ200の識別情報やこのバッテリの残電力量などの情報信号を出力する。
【0040】
また、ライト用バッテリ200の底ケース212の周囲には、図5に示すように、リブを有するガイド穴208A,208B(総称してガイド穴208という。)と、ガイド穴209A,209B(総称してガイド穴209という。)とが、底ケース212の長手方向に相対して、それぞれ形成されている。これらのガイド穴208,209は、ライト100のバッテリ装着部110に装着したとき、このバッテリ装着部110に設けられている突起部115,116にそれぞれ係合される。
【0041】
さらに、ガイド穴208とガイド穴209との間には、ライト100のバッテリ装着部110に装着したときにロック用突起部117と係合するロック穴207が形成されている。
【0042】
また、ライト用バッテリ200の底ケース212には、図5に示すように、その底面212aに、ガイド溝201、識別用凹部202,203,204,205が形成されている。また、この底面212aには、ガイド溝201から識別用凹部202にかけて沿うようにガイド溝206が形成されている。
【0043】
ここで、ライト用バッテリ200は、底ケース212に形成されているガイド溝201,206が、ライト100のバッテリ装着部110に設けられた突起部と係合するか否かによって、ライト100に適合したバッテリであるか否かが判断される。また、ライト用バッテリ200は、この底ケース212に設けられた各識別用凹部202,203,204,205の有無により、このバッテリの機能が示されるようになっている。
【0044】
続いて、ライト100のバッテリ装着部110にライト用ケーブル300のライト側コネクタ310が装着されるときの機械的及び電気的な接続関係について説明する。
【0045】
図6は、バッテリ装着部110の端子部118側を拡大して示した斜視図である。ライト100におけるバッテリ装着部110の端子部118には、ライト用バッテリ200が装着されたときに、その前面部220に対向する突当面121が形成されている。この突当面121には、第1の接続端子122、第2の接続端子123、第3の接続端子124、及び第4の接続端子125が配設されている。
【0046】
第1及び第2の接続端子122,123は、バッテリ装着部110の幅方向の両側に位置した状態で、突当面121にそれぞれ設けられている。すなわち、第1及び第2の接続端子122,123は、ライト用バッテリ200の第1及び第2の出力端子221,222とそれぞれ電気的に接続される。
【0047】
また、第3の接続端子124は、バッテリ装着部110のバッテリ載置面111から突出した状態で設けられた弾性変位可能な導電性金属片からなり、ライト用バッテリ200の情報出力端子223に押圧されて電気的に接続されるようになっている。すなわち、第3の接続端子124は、ライト用バッテリ200の情報出力端子223から出力される情報が入力される情報入力端子として機能する端子である。
【0048】
また、第4の接続端子125は、バッテリ装着部110のバッテリ載置面111から突出した状態で設けられた弾性変位可能な導電性金属片からなり、後述するように、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310が装着された状態で、このコネクタに設けられた端子との間で、電気的に接続されるようになっている。
【0049】
この端子部118は、ライト用バッテリ200の着脱方向a1,a2に移動されるシャッタ板126によって開閉されるようになっている。このシャッタ板126は、第1の端子122、第2の端子123、第3の端子124、及び第4の端子125を覆うことで、これらの端子を外部から保護するためのものであって、ライト用バッテリ200の装着によりこれらの端子を開放し、ライト用バッテリ200が取り外されると元の位置に復帰するために図示しないバネによる弾性力が付与されている。
【0050】
また、バッテリ載置面111には、装着されるライト用バッテリ200の底ケース212のガイド溝201に係合する位置にガイド凸部127が形成されている。このガイド凸部127は、バッテリ載置面111の長手方向と平行に形成されており、ライト用バッテリ200を着脱方向にガイドする。
【0051】
このように、バッテリ装着部110のバッテリ載置面111は、ライト用バッテリ200及びライト側コネクタ310のみが係合する形状を有している。
【0052】
続いて、ライト用ケーブル300の構成について、図7を参照して詳細に説明する。
【0053】
まず、ライト100のバッテリ装着部110に装着されるライト側コネクタ310の構成について説明する。
【0054】
ライト側コネクタ310には、バッテリ装着部110に装着されたときに、そのバッテリ載置面111と密接する基準面311が形成されている。ここで、この基準面311には、バッテリ装着部110に装着したときに、そのバッテリ装着部110の凹部112に密接する凸部312が形成されている。また、基準面311には、その略中央部から装着端に向けてガイド凹部313が形成されている。
【0055】
また、凸部312には、バッテリ装着部110に装着したときに、このバッテリ装着部110の凹部112に押圧される押圧部314が設けられている。
【0056】
また、ライト側コネクタ310には、リブを有するガイド穴315,316が、基準面311の長手方向の相対した位置にそれぞれ形成されている。これらのガイド穴315,316は、バッテリ装着部110に装着されたときに、このバッテリ装着部110に設けられている突起部115,116にそれぞれ係合される。
【0057】
さらに、ガイド穴315とガイド穴316との間には、バッテリ装着部110に装着されたときに、このバッテリ装着部110のロック用突起部117と係合して、バッテリ装着部110に装着されたライト側コネクタ310のスライドを規制するためのロック穴317が形成されている。
【0058】
また、ライト側コネクタ310には、装着方向の前面部に、基準面311の幅方向の両側に第1の出力端子318及び第2の出力端子319がそれぞれ配置されている。また、ライト側コネクタ310には、第1の出力端子318に隣接した情報出力端子320と、第2の出力端子319に隣接したコネクタ側通信端子321とがそれぞれ配設されている。
【0059】
この第1の出力端子318及び第2の出力端子319は、バッテリ装着部110に装着したときに、このバッテリ装着部110の第1の端子122及び第2の端子123と電気的に接続されて、電源電極として機能する。また、この情報出力端子320及びコネクタ側通信端子321は、バッテリ装着部110に装着したときに、このバッテリ装着部110の第3の接続端子124及び第4の接続端子125とそれぞれ電気的に接続される。
【0060】
次に、ライト用バッテリ200を装着するバッテリ側コネクタ350の構成について説明する。
【0061】
このバッテリ側コネクタ350には、装着されたライト用バッテリ200の底面212aと密接するバッテリ載置面351と、このバッテリ載置面351の略中央部に形成された凹部352とが設けられている。
【0062】
バッテリ載置面351には、装着されたライト用バッテリ200の底面212aを装着方向にガイドするためのガイド凸部353が形成されている。
【0063】
また、バッテリ側コネクタ350には、装着されたライト用バッテリ200のガイド穴208,209とそれぞれ係合する突起部354,355が形成されている。また、この突起部354と突起部355との間には、バッテリ載置面351に対する垂直方向に移動可能で、ライト用バッテリ200のロック穴207に係合されるロック用突起部357が設けられている。
【0064】
また、バッテリ側コネクタ350には、その装着端側に、ライト用バッテリ200との間で電気的な接続を行う端子部358が形成されている。この端子部358は、複数の入力端子からなり、これらの端子を外部から保護するためにシャッタ板360が設けている。ここで、端子部358は、第1の接続端子358a、第2の接続端子358b、第3の接続端子358cが配設されている。
【0065】
第1及び第2の接続端子358a,358bは、バッテリ載置面351の幅方向の両側に位置した状態でそれぞれ設けられている。すなわち、第1及び第2の接続端子358a,358bは、ライト用バッテリ200の第1及び第2の出力端子221,222とそれぞれ電気的に接続される。
【0066】
また、第3の接続端子358cは、バッテリ載置面351から突出した状態で設けられた弾性変位可能な導電性金属片からなり、ライト用バッテリ200の情報出力端子223に押圧されて電気的に接続されるようになっている。
【0067】
また、バッテリ載置面351には、装着されるライト用バッテリ200の底ケース212のガイド溝201に係合する位置にガイド凸部359が形成されている。このガイド凸部359は、バッテリ載置面351の長手方向と平行に形成されており、ライト用バッテリ200を着脱方向にガイドする。
【0068】
このようにして、バッテリ側コネクタ350には、ライト用バッテリ200の底ケース212の底面212aと係合する係合面を有しており、ライト用バッテリ200が装着したときに、ライト用バッテリ200の第1の出力端子221、第2の出力端子222、及び情報出力端子223から出力される電力及び情報を、ケーブル部340を介してライト側コネクタ310へ伝送する。
【0069】
<ライト100とライト用ケーブル300と間で行われる認証処理>
上述したように、ライト100のバッテリ装着部110の形状は、ライト用バッテリ200及びライト用ケーブル300のライト側コネクタ310のみにそれぞれ係合するように形成されている。
【0070】
しかしながら、ライト100のバッテリ装着部110に装着可能なバッテリ及びコネクタを模倣することは容易である。よって、本実施の形態に係るライト100及びライト用ケーブル300では、正規品同士が電気的に接続されたか否かを精度良く認証するために、次に示すような処理を行う。
【0071】
ライト100は、図8に示すように、バッテリ装着部110にライト側コネクタ310が装着されたか否かの装着判断処理を行うとともに、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310との間で認証処理を行う供給制御部150を備えている。また、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310には、バッテリ装着部に装着されたか否かを判断する装着判断処理を行うとともに、ライト100へ電力を供給を制御する供給制御スイッチ330と、ライト100の供給制御部150との間で認証処理を行う認証処理部335とを備えている。
【0072】
ここで、ライト100と、ライト用バッテリ200と、ライト用ケーブル300との間の電気的な接続関係について説明する。
【0073】
前提として、ライト用ケーブル300では、ライト側コネクタ310がライト100のバッテリ装着部110に装着されており、バッテリ側コネクタ350にライト用バッテリ200が装着されているものとする。また、ライト用バッテリ200は、第1の出力端子221をこのバッテリの基準電圧+Bの出力端とし、第2の出力端子222をこのバッテリのGND端とし、情報出力端子223をこのバッテリの情報IBの出力端とする。ライト用バッテリ200は、これらの端子から、基準電圧+Bとバッテリ情報IBとを、ライト用ケーブル300を介してライト100に供給する。
【0074】
ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310において、供給制御スイッチ330は、FET素子などによって構成され、ケーブル部340及びバッテリ側コネクタ350を介してライト用バッテリ200の第1の出力端子221と、このライト側コネクタ310の第1の出力端子318と、それぞれ電気的に接続されている。この供給制御スイッチ330は、スイッチをオン/オフして、第1の出力端子318側に基準電圧+Bを供給するか否かを切り換える。また、この供給制御スイッチ330は、認証処理部335と接続されている。
【0075】
また、認証処理部335は、ケーブル部340及びバッテリ側コネクタ350を介してライト用バッテリ200の第1の出力端子218と、このライト側コネクタ310のコネクタ側通信端子321と、それぞれ電気的に接続されている。
【0076】
また、ライト側コネクタ310は、図9に示すように、基準電圧+Bの電圧値を調整して認証処理部335に供給する電圧調整部336を備えている。また、認証処理部335は、供給制御スイッチ330と、押圧部314が有する電流スイッチ314aと接続されている。この電流スイッチ314aは、バッテリ装着部110に装着したときにこのバッテリ装着部110の凹部112に押圧されて電気的に接続される切換回路である。そして、この電流スイッチ314aは、その一端が認証処理部335のGND端に接続され、他端がライト用バッテリ200のGND端と電気的に接続されている。認証処理部335は、押圧部314が押圧されると電流スイッチ314aがオンになり、認証処理部335に電流が流れて、後述する認証処理工程が開始される。すなわち、認証処理部335は、押圧部314の押圧動作により、バッテリ装着部110にライト側コネクタ310が装着されたか否かを判断する。
【0077】
また、認証処理部335は、供給制御スイッチ330と電気的に接続されており、後述する認証結果に応じて、この供給制御スイッチ330を制御する。
【0078】
ライト100の供給制御部150には、第1の接続端子122を介して基準電力+Bが供給される。また、この供給制御部150は、第3及び第4の接続端子124,125と電気的に接続されている。この供給制御部150は、第3の接続端子124を介してライト用バッテリ200の情報が供給される。この供給制御部150は、第4の接続端子125を介してライト側コネクタ310の認証処理部335に後述するライト識別情報を送信する。
【0079】
次に、ライト側コネクタ310の認証処理部335と、ライト100の供給制御部150との間で行われる認証処理の処理工程について図10を参照して説明する。なお、この認証処理部335及び供給制御部150は、例えば、マイクロコンピュータなどのプロセッサによって実装され、これらのプロセッサが次に示すフローチャートに応じたプログラムを実行することによって、処理が実行される。また、以下に示すフローチャートでは、認証処理部335と供給制御部150との間で通信を行いながら処理が行われるので、時系列に沿って各処理工程を説明する。
【0080】
ステップS101において、認証処理部335は、ライト側コネクタ310がバッテリ装着部110に装着されることにより、押圧部314が押圧されて電流スイッチ314aがオンになることで電流が流れて起動する。
【0081】
ステップS102において、認証処理部335は、供給制御スイッチ330をオンにして、ライト側コネクタ310からライト100へ基準電圧+Bを供給して、この後ライト100から送信されてくるライト識別情報を受信するために待機して、ステップS103に進む。
【0082】
続いて、ステップS103の処理工程の説明に先立ち、電力供給側であるライト100の供給制御部150の処理工程について説明する。
【0083】
ステップS201において、供給制御部150は、ライト側コネクタ310から基準電圧+Bの電圧信号が供給されることによって起動して、ステップS202の処理工程に進む。
【0084】
ステップS202において、供給制御部150は、バッテリ装着部110に設けられている押圧部114が押圧されているかを判断する。供給制御部150は、押圧部114が押圧されているときにはバッテリ装着部110にライト側コネクタ310が接続されていると判断してステップS203に進む。また、供給制御部150は、押圧部114が押圧されていないときにはバッテリ装着部110にライト側コネクタ310が接続されていると判断して、ライト側コネクタ310との認証処理を終了し、その後、ライト用バッテリ200から供給されるバッテリの識別情報に基づいた認証処理を開始する。
【0085】
ステップS203において、供給制御部150は、このライト100のライト識別情報をバッテリ装着部110に形成されている第4の接続端子125から、ライト側コネクタ310へ送信する。具体的に、ライト識別情報とは、出荷時などにおいて予め、このライトの機種に応じて設定された情報である。ここで、このライト100のライト識別情報は、供給制御部150に設けられた内部メモリなどに記録されており、本処理工程において供給制御部150により、ライト側コネクタ310へ送信される。
【0086】
なお、供給制御部150は、ステップS203の終了後、ライト側コネクタ310から送信されてくる認証情報を受信するために待機して、ステップS204へ進む。
【0087】
続いて、ステップS204の処理工程の説明に先立ち、電力供給元側であるライト側コネクタ310の処理工程について説明する。
【0088】
ステップS103において、認証処理部335は、ライト100の供給制御部150からコネクタ側通信端子321を介して送信されてくるライト識別情報を受信したか否かを判断する。ここで、ライト側コネクタ310は、ライト識別情報を受信しないときステップS104へ進み、ライト識別情報を受信したときにステップS105へ進む。
【0089】
ステップS104において、認証処理部335は、ライト100に基準電圧+Bを供給してから待機可能時間を経過しているか否かを判断する。ここで待機可能時間とは、ライト100への電力供給の開始時点から、その後ライト100からライト識別情報を受信するまでに最大限待機可能な時間である。認証処理部335は、この待機可能時間を経過していないときにはステップS103に戻り、この待機可能時間を経過しているときにはステップS107へ進む。
【0090】
ステップS105において、認証処理部335は、ライト100から送信されてきたライト識別情報と、このライト用ケーブル300の識別情報(以下、ケーブル識別情報という。)とに基づいて、次に示す識別情報の照合処理を行う。ここで、ケーブル識別情報とは、ライト用ケーブル300の機種に応じて出荷時などに予め設定された情報である。また、ライト用ケーブル300がライト100に対応した機種であるため、ライト識別情報とケーブル識別情報とには、互いに共有した情報を有しているものとする。よって、認証処理部335は、識別情報の照合処理として、ライト識別情報及びケーブル識別情報から、共有情報があるか否かを判断する。そして、認証処理部335は、共有情報があるとき、すなわち本照合が成功したときにはステップS106へ進み、共有情報が無いとき、すなわち本照合が失敗したときにはステップS107へ進む。
【0091】
ステップS106において、認証処理部335は、ライト100へ認証が成功した旨の情報(以下、認証情報という。)を送信する。その後、認証処理部335は、ライト100の供給制御部150との認証処理を終了するとともに、供給制御スイッチ330をオンにした状態に維持させてライト100への電力供給を継続する。
【0092】
ステップS106において、認証処理部335は、供給制御スイッチ330をオンからオフにさせて、ライト100への電力供給を停止する。その後、認証処理部335は、ライト100との認証処理を終了する。
【0093】
続いて、ライト100の供給制御部150が行う処理について説明する。
【0094】
ステップS204において、供給制御部150は、ライト用ケーブル300のライト側コネクタ310から第4の接続端子125を介して送信されてくる認証情報を受信したか否かを判断する。ここで、供給制御部150は、認証情報を受信しないときはステップS205へ進み、ライト識別情報を受信したときには次のようにして、ライト側コネクタ310との認証処理を終了する。すなわち、供給制御部150は、ライト側コネクタ310との認証処理を終了するとともに、第3の接続端子124へ供給されるライト識別情報に基づき、ライト用ケーブル300を介して、ライト用バッテリ200との間で認証処理を開始することとなる。
【0095】
ステップS205において、供給制御部150は、ライト側コネクタ310へライト識別情報を送信してから待機可能時間を経過しているか否かを判断する。この待機可能時間とは、ライト識別情報を送信した後、ライト側コネクタ310から認証情報を受信するまでに最大限待機可能な時間である。供給制御部150は、この待機可能時間を経過していないときにはステップ204に戻り、この待機可能時間を経過しているときにはライト用ケーブル300との間の認証処理を終了する。なお、待機可能時間を経過していなくても、ライト側コネクタ310からの電力供給が停止したときには、ライト用ケーブル300との間の認証処理が終了される。
【0096】
なお、ライト100の供給制御部150は、上述したライト用ケーブル300との認証が成功すると、このライト用ケーブル300を介して伝送されてくるライト用バッテリ200の識別情報に基づいて認証処理を行う。そして、ライト100の供給制御部150は、ライト用バッテリ200との認証が成功すると、ライト用バッテリ200から供給される電力を使用して、通常動作、すなわち、被写体の照光動作を開始する。
【0097】
このようにして、ライト100及びライト用ケーブル300は、ライト側コネクタ310の認証処理部335が、装着されたライト100から送信されてくるライト識別情報に基づいて認証処理を行って(ステップS105)、認証が成功した後に携帯型電子機器が電力供給の制御を開始するので(ステップS106)、ライト100に接続されるライト用バッテリ200及びライト用ケーブル300が正規品であるか否かの認証を精度良く行うことができる。
【0098】
なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明を適用した携帯型電子機器システムの一例を示す概略図である。
【図2】バッテリ装着部にライト用バッテリが装着されたライトを示す斜視図である。
【図3】バッテリ装着部の形状を示す図である。
【図4】ライト用バッテリの外観を示す斜視図である。
【図5】ライト用バッテリの底面図である。
【図6】バッテリ装着部の端子部の形状を拡大して示す斜視図である。
【図7】ライト用ケーブルの各部の形状を示す斜視図である。
【図8】ライト用ケーブルを介したライトとライト用バッテリとの電気的な接続関係を示す概略図である。
【図9】ライト側コネクタの内部に設けられた各部の電気的な接続関係を示す概略図である。
【図10】ライトとライト用ケーブルとの間で行われる認証処理の処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
100 ライト、110 バッテリ装着部、111,351 バッテリ載置面、112,352 凹部、113,353、127、359 ガイド凸部、114、314 押圧部、115、116、354、355 突起部、117、357 ロック用突起部、118,358 端子部、121 突当面、122、358a 第1の接続端子、123,358b 第2の接続端子、124,358c 第3の接続端子、125 第4の接続端子、126,360 シャッタ板、150 供給制御部、200 ライト用バッテリ、201、206、211b ガイド溝、202、203、204、205 識別用凹部、207、317 ロック穴、208、209、315、316 ガイド穴、210 ケース、211 上ケース、211a 上面、212 底ケース、212a 底面、300 ライト用ケーブル、310 ライト側コネクタ、311 基準面、312 凸部、313 ガイド凹部、318 第1の出力端子、319 第2の出力端子、320 情報出力端子、321 コネクタ側通信端子、330 供給制御スイッチ、335 認証処理部、340 ケーブル部、350 バッテリコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ装着部に設けられた情報入力端子に入力されるバッテリの識別情報に基づいて、このバッテリからの電力供給を制御する携帯型電子機器と、
一端に、上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に接続されるとともに、このバッテリ装着部に設けられた情報入力端子と電気的に接続される情報出力端子が設けられた本体コネクタが形成され、他端に上記バッテリと接続されるバッテリコネクタが形成され、このバッテリの電力とこのバッテリの識別情報とを伝送する電力伝送ケーブルとを備える携帯型電子機器システムにおいて、
上記電力伝送ケーブルの本体コネクタは、
上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に装着されたか否かを判断するコネクタ側装着判断部と、
上記バッテリと接続された上記バッテリコネクタから伝送されてくる電力を上記携帯型電子機器に供給するコネクタ側供給制御手段と、
上記携帯型電子機器と通信を行うコネクタ側通信端子と、
上記コネクタ側装着判断部が上記バッテリ装着部に装着されたと判断したときに、上記コネクタ側供給制御手段に上記携帯型電子機器へ電力を供給させ、その後起動した上記携帯型電子機器から上記コネクタ側通信端子へ送信されてくるこの携帯型電子機器の識別情報とこの電力伝送ケーブルの識別情報とを照合して認証が成功したときに認証情報を上記コネクタ側通信端子から上記携帯型電子機器へ送信する本体コネクタ側認証処理手段とを有し、
上記携帯型電子機器は、
上記バッテリ又は上記本体コネクタが上記バッテリ装着部に装着されたかを判断する本体側装着判断部と、
上記本体コネクタが上記バッテリ装着部に装着されたときに、上記本体コネクタのコネクタ側通信端子と電気的に接続される本体側通信端子と、
上記本体側装着判断部が上記バッテリ装着部に上記本体コネクタが装着されたと判断したとき、上記携帯型電子機器の識別情報を上記本体側通信端子からこの本体コネクタのコネクタ側通信端子へ送信し、その後このコネクタ側通信端子から上記本体側通信端子へ送信されてくる認証情報に応じて、電力供給の制御を開始する本体側供給制御手段とを有する携帯型電子機器システム。
【請求項2】
上記電力伝送ケーブルの本体コネクタには、上記バッテリ装着部に装着されたときに押圧される押圧部が形成され、
上記コネクタ側装着判断部は、上記押圧部の押圧動作に応じて、上記バッテリ装着部に装着されたか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器システム。
【請求項3】
上記携帯型電子機器のバッテリ装着部には、上記バッテリ又は上記本体コネクタのいずれか一方が上記バッテリ装着部に装着されたときに押圧される押圧部が形成され、
上記本体側装着判断部は、上記押圧部の押圧動作に応じて、上記バッテリ又は上記本体コネクタが上記バッテリ装着部に装着されたかを判断することを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器システム。
【請求項4】
バッテリ装着部に設けられた情報入力端子に入力されるバッテリの識別情報に基づいて電力供給の制御を行う携帯型電子機器のバッテリ装着部に接続されるとともに、このバッテリ装着部の情報入力端子と電気的に接続される情報出力端子が設けられた本体コネクタが一端に形成され、上記バッテリに接続されるバッテリコネクタが他端に形成され、このバッテリの電力とこのバッテリの識別情報とを伝送する電力伝送ケーブルにおいて、
上記本体コネクタは、
上記携帯型電子機器のバッテリ装着部に装着されたか否かを判断する装着判断部と、
上記バッテリと接続された上記バッテリコネクタから伝送されてくる電力を上記携帯型電子機器に供給する供給制御手段と、
上記携帯型電子機器と通信を行う通信端子と、
上記装着判断部が上記バッテリ装着部に装着されたと判断したときに、上記供給制御手段に上記携帯型電子機器へ電力を供給させ、その後起動された上記携帯型電子機器から上記通信端子に送信されてくるこの携帯型電子機器の識別情報とこの本体コネクタの識別情報とを照合して認証が成功したときに認証情報を上記通信端子から上記携帯型電子機器へ送信し、上記送信した認証情報に応じて上記携帯型電子機器に電力供給の制御を開始させる認証処理手段とを備える電力伝送ケーブル。
【請求項5】
バッテリの識別情報に基づいてこのバッテリからの電力供給を制御する携帯型電子機器において、
上記バッテリ及びこのバッテリが接続された電力伝送ケーブルのコネクタが装着され、上記バッテリの識別情報が入力される情報入力端子と、
上記コネクタと通信を行う通信端子とが設けられたバッテリ装着部と、
上記バッテリ又は上記電力伝送ケーブルのコネクタが上記バッテリ装着部に装着されたかを判断する装着判断部と、
上記装着判断部により上記電力伝送ケーブルが装着されたと判断されたときに、この携帯型電子機器の識別情報を上記通信端子から上記電力伝送ケーブルへ送信し、その後上記電力伝送ケーブルから上記通信端子へ送信されてくる認証情報に応じて、上記バッテリの識別情報に基づいた電力供給の制御を開始する供給制御手段とを備える携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−141795(P2008−141795A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322497(P2006−322497)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】