説明

携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造

【課題】 本発明の課題は、装着されたカード型情報デバイスの取り出しが良好に行われるとともに、その装着孔が暗所においても明瞭に視認でき、カード型情報デバイスの脱着が容易かつ円滑に行える携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造を提供することにある。
【解決手段】 本発明に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、カード型情報デバイスscを装着して情報の授受を行う携帯情報端末1のカード型情報デバイスの収納構造であって、装着したカード型情報デバイスscに当接し、該カード型情報デバイスscの取り出し時の移動を制動する規制部6rを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に装着して情報の読取、書込みを行うカード型情報デバイスを収納するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カード形状を呈する磁気記録情報媒体として、SD(Secure Digital)カードと呼称されるカード型情報デバイスの規格が開発されている。
【0003】
このカード型情報デバイスに各種の情報データを格納し、その後、パソコンに装着して各種の情報データを取り込み当該情報データの伝送を行なったり、或いは、オーディオ機器にカード型情報デバイスを装着して音楽を格納し、屋外にて該カード型情報デバイスを携帯型オーディオ機器等に装填して音楽を聴取することが行われている。
【0004】
このカード型情報デバイスは、これらのパソコン、オーディオ機器等の装着孔に装着されて、情報の読取、書き込みが行われている。
【0005】
ところで、装着したカード型情報デバイスを取り外すに際しては、利用者が、カード型情報デバイスを内方に押圧することにより、カード型情報デバイスを内部のバネ機構の付勢力により外方に付勢して取り外している。 この際、カード型情報デバイスが過度に勢い良く飛び出たりする場合があるため、バネ力を調整する機構を適用して、飛び出し力を適切に加減している。
【0006】
一方、携帯電話機等の携帯情報端末に対応する小型のミニカード型情報デバイスとして、ミニSDカード、SIM(Subscriber Identity Module)カード、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード等が開発されている。
【0007】
この携帯情報端末は、小型かつ偏平な構造が要求され、使用されるミニカード型情報デバイスの装着孔が小さいため、スペース的な余裕がなく、バネ力を調整する構造は取り得ない。
【0008】
特に、ミニSDカードは、小さいため、手でも取り出しにくい。そのため、ある程度勢い良く飛び出るように構成されている。
【0009】
なお、出願人が認識している従来技術は上述のものであり、文献公知発明について掌握しているものはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述のパソコン、オーディオ機器等においては、カード型情報デバイスが過度に勢い良く飛び出たりすることが起こっても、その装着孔が大きいため、バネ力を調整する構造をとることにより飛び出し力を調整できる。 また、カード型情報デバイス自体に一定の重さがあるため、その飛び出し力の加減が行い易く、カード型情報デバイスの飛び出し等の問題も、比較的生じにくい。
【0011】
一方、携帯情報端末等の小型情報機器においては、使用するミニカード型情報デバイスが取り出しにくいため、ある程度勢い良く飛び出るように構成されている。 また、ミニカード型情報デバイス自体の重さも比較的軽量であるため、その飛出し力の加減が行い難い。
【0012】
そのため、ミニカード型情報デバイスを取り出す際に、ミニカード型情報デバイスが勢い良く飛び出し過ぎ、利用者の目に当ったり、落下したりすることが発生しており、安全性および品質の点で問題を有している。
【0013】
また、小型情報機器に用いるミニカード型情報デバイスは小さいため、その装着孔も小さく、夜間等の暗がりにおいては、その装着孔が見えにくく、ミニカード型情報デバイスの脱着が容易でなく、改善が望まれている。
【0014】
本発明は上記実状に鑑み、装着されたカード型情報デバイスの取り出しが良好に行われるとともに、その装着孔が暗所においても明瞭に視認でき、カード型情報デバイスの脱着が容易かつ円滑に行える携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、カード型情報デバイスを装着して情報の授受を行う携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造であって、前記装着したカード型情報デバイスに当接し、該カード型情報デバイスの取出し時の移動を制動する規制部を設けている。
【0016】
本発明の請求項2に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、請求項1に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造において、前記規制部は、操作キーを形成するキーパッドが貼り付けられたキーラバーの一部に設けている。
【0017】
本発明の請求項3に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、請求項2記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造において、前記キーラバーは、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光している。
【0018】
本発明の請求項4に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、カード型情報デバイスを装着して情報の授受を行う携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造であって、カード型情報デバイスを脱着するに際して外方に外され、かつ、該外方に外した場合に抜け止めとなるストッパ部と前記カード型情報デバイスの装着時にその装着口を閉塞するとともに前記カード型情報デバイスの取出し時に前記装着口を開放する蓋部と前記カード型情報デバイスの取出し時に該カード型情報デバイスに当接して移動を制動する規制部とを有するキャップ体を具備している。
【0019】
本発明の請求項5に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、
請求項4に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造において、前記キャップ体は、前記カード型情報デバイスの収納時には該カード型情報デバイスに当接しない。
【0020】
本発明の請求項6に関わる携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造は、請求項4または請求項5に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造において、前記キャップ体は、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光している。
【0021】
本発明の請求項7に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、情報の授受を行うカード型情報デバイスを装着する収納構造を設けた携帯情報端末であって、装着したカード型情報デバイスに当接し、該カード型情報デバイスの取出し時の移動を制動する規制部を設けている。
【0022】
本発明の請求項8に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、請求項7に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末において、前記規制部は、操作キーを形成するキーパッドが貼り付けられたキーラバーの一部に設けている。
【0023】
本発明の請求項9に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、請求項8記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末において、前記キーラバーは、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光している。
【0024】
本発明の請求項10に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、情報の授受を行うカード型情報デバイスを装着する収納構造を設けた携帯情報端末であって、カード型情報デバイスを脱着するに際して外方に外され、かつ、該外方に外した場合に抜け止めとなるストッパ部と前記カード型情報デバイスの装着時にその装着口を閉塞するとともに前記カード型情報デバイスの取出し時に前記装着口を開放する蓋部と前記カード型情報デバイスの取出し時に該カード型情報デバイスに当接して移動を制動する規制部とを有するキャップ体を具備している。
【0025】
本発明の請求項11に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、請求項10に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末において、前記キャップ体は、前記カード型情報デバイスの収納時には該カード型情報デバイスに当接しない。
【0026】
本発明の請求項12に関わるカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末は、請求項10または請求項11に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末において、前記キャップ体は、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光している。
【発明の効果】
【0027】
以上、詳述した如く、本発明によれば、カード型情報デバイスの取出しに際して制動する規制部を設けたので、カード型情報デバイスの飛び出しが制動され、適度な勢いで取出せる。 また、携帯情報端末を落とした際に、携帯情報端末内に装着されたカード型情報デバイスが制動され、飛び出ることを防止できる。
【0028】
また、ストッパ部と蓋部とカード型情報デバイスの取出し時に該カード型情報デバイスに当接して移動を制動する規制部とを有するキャップ体を備えるので、蓋部により外部の粉塵等の機器内部への侵入を防止できるとともに、狭いスペースでカード型情報デバイスの飛び出しを制動する規制部を設けることができる。
【0029】
加えて、キャップ体は、カード型情報デバイスの収納時には該カード型情報デバイスに当接しないので、カード型情報デバイスにキャップ体による負荷が加わることがなく、変形等が防止される。
【0030】
また、キーラバーおよびキャップ体は、それぞれ、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いてカード型情報デバイスの装着口を照光するので、暗所においても該装着口が明るく光り、明瞭に視認することが可能で、カード型情報デバイスの装着、取り出しが容易かつ円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0032】
本発明の実施例である携帯情報端末の一種である折畳み式の携帯電話機1を、図1に示す。 図1(a)は、側面図であり、図1(b)は、そのA方向矢視図である。
【0033】
携帯電話機1は、図1(a)、(b)に示すように、各種の操作キーを備えるとともに制御用の回路基板等を収納した下筐体3と、液晶表示装置を設置した上筐体2とを具備し、これら下筐体3と上筐体2とはヒンジ部4を介して開閉自在に連結され、機器筐体を構成している。
【0034】
この携帯電話機1は、別体のミニSDカード等のミニカード型情報デバイスscを装着して、各種情報の読取、書き込み等を行っている。
【0035】
図1(c)は、図1(b)のB−B線断面の主要構成を示した概念図である。
【0036】
ミニカード型情報デバイスsc は、利用者が、図1(c)の矢印αに示すように、カード型デバイス装着口3hから下筐体3内に挿入することにより、ロック機構(図示せず)によりロックされ下筐体3内に装着される。
【0037】
この下筐体3は、互いに組み付けられる内ケース3Iと外ケース3Oとを具備しており、これら内ケース3Iおよび外ケース3Oは、ともに樹脂材料を射出成形することによって所定の形状に製造されている。
【0038】
下筐体3の一側面には、内ケース3Iおよび外ケース3Oの一部が切り欠かれ、ミニカード型情報デバイスsc を装着するためのカード型デバイス装着口3hが形成されている。
【0039】
下筐体3内には、回路パターンが印刷されるとともに各種電子部品が実装される回路基板5が配設されており、この回路基板5には、カード型デバイス装着口3hを照光する光源であるLED5iが実装され、夜間等の暗がりにおいてもカード型デバイス装着口3hを視認できるように構成されている。
【0040】
また、LED5iが実装された回路基板5の他方面には、ミニカード型情報デバイスsc を収納するためのスロットケースcが半田付けされ固定されている。 該スロットケースcは、ステンレス鋼板の薄板を用いて板金により一側面および下面が開放された偏平な箱型形状を呈するように形成され、回路基板5とともにミニカード型情報デバイスsc を収納する偏平の直方体様の空間を画成している。
【0041】
また、図1(c)のC部拡大図である図2(a)に示すように、内ケース3Iには開口が形成され、様々な操作を行う際に押圧される操作キーkが複数、外側に露出している。 これら操作キーkは、ABS等の樹脂製のキーパッドで形成され、これら複数のキーパッドは、例えばシリコンゴムなどの光透過性の性質を有する材料で成形されたキーラバー6に接合されている。
【0042】
このキーラバー6は、利用者の操作キーkの押圧動作により回路基板5上に実装された接点スイッチ(図示せず)をオン・オフできるように回路基板5に近接して配設されている。
【0043】
また、回路基板5に固定されたスロットケースcの外側には、電磁波をシールドするために良導体である薄肉のステンレス鋼板のシールド板spが取り付けられている。
【0044】
シールド板spの外方には、外ケース3Oのバッテリー収納部3O1を形成する隔壁が設けられており、このバッテリー収納部3O1内には、バッテリーbaが装填され、外ケース3Oに係合するバッテリーリッドblによって該バッテリーbaが覆われている。
【0045】
図3は、スロットケースcが固定された回路基板5とキーラバー6とミニカード型情報デバイスsc とを示した分解図である。
【0046】
ミニカード型情報デバイスscは、矢印α方向に移動させて、カード型デバイス装着口3h(図1、図2参照)に連なるケース口c1からスロットケースc内に装着される。
【0047】
ここで、キーラバー6の一部には、抑えリブ(規制部)6rが突出して形成されており、図2(a)に示すように、この抑えリブ6rが、スロットケースc内に装着されたミニカード型情報デバイスsc に当接するように構成されている。
【0048】
このキーラバー6は、弾性的性質を有し、抑えリブ6rは、スロットケースc内に装着されたミニカード型情報デバイスsc に図2(a)に示す矢印f方向の弾性力を加えることになる。 キーラバー6は、比較的大きな静止摩擦係数、動摩擦係数を有するのでミニカード型情報デバイスsc の取出し時の移動、すなわち飛び出しに際して摩擦抵抗を付与し、その移動を制動することができる。
【0049】
なお、回路基板5には、抑えリブ6rが挿通するための切欠き5kが形成されている。
【0050】
上述した構成において、利用者が、下筐体3内に装着されたミニカード型情報デバイスsc を取り出すに際しては、図2(a)に示す矢印β方向の押圧力を、カード型デバイス装着口3hから露出したミニカード型情報デバイスsc の端部に加える。 すると、ミニカード型情報デバイスsc が、下筐体3内に設置されたバネ機構(図示せず)の外方向への付勢力により、図2(b)に示すように、外側に飛び出すが、キーラバー6の抑えリブ6rにより抑えられているため、その摩擦抵抗により飛び出しの運動が制動され、適切な勢いで外側に取り出すことができる。
【0051】
ここで、下筐体3内の回路基板5には、LED(光源)5iが実装されており、その光を透光性のキーラバー6を透過させ導き、カード型デバイス装着口3hを照光している。 そのため、夜間等の暗がりにおいても、ミニカード型情報デバイスscの装着および取り出しを滞りなく行うことができる。
【0052】
図4には、上述の構成において、回路基板5にLED5iを実装しない場合の変形例を示している。 図4(a)は、変形例を示す拡大断面図であり、図4(b)は、変形例においてミニカード型情報デバイスが飛び出した状態を示す拡大断面図である。
【0053】
本構成は、回路基板5にLED5iを実装しないこと以外は、上述の構成と全く同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0054】
上記構成によれば、携帯電話機1内に装着されたミニカード型情報デバイスsc を、キーラバー6の一部に形成された抑えリブ6rを当接させ抑えるので、ミニカード型情報デバイスsc の取り出しに際して抑えリブ6rによる摩擦抵抗を受け制動され、適切な勢いで外側に取り出せる。 そのため、過度な勢いで飛び出て利用者の目に当ったり、落としたりすることを防止できる。
【0055】
加えて、携帯電話機1を落とした場合にも、装着されたミニカード型情報デバイスsc が抑えリブ6rにより抑えられているため静摩擦抵抗を受け、携帯電話機1内から飛び出ることが防止できる。
【0056】
また、携帯電話機1の内部に、ミニカード型情報デバイスscを装着するためのカード型デバイス装着口3hを照光するLED5iを回路基板5に設置し、その光をキーラバー6を透過させるので、小型かつ偏平なスペースしかないカード型デバイス装着口3h近傍域においても、LED5iの光を有効にカード型デバイス装着口3hに導くことができ、照光できる。
【0057】
そのため、夜間等の暗がりにおいても、カード型デバイス装着口3hが明るく見え、ミニカード型情報デバイスscの装着、取り出しを容易かつ円滑に行うことができる。
【0058】
なお、実施例1においては、キーラバー6の一部に抑えリブ6rを形成して規制部とし、ミニカード型情報デバイスscに当接させ摩擦抵抗でミニカード型情報デバイスscの飛び出しを制動する構成としたが、例えば、規制部を別体に形成して下筐体3の一部に固定する、或いは、規制部を非弾性材の摩擦係数の大きな部材で形成する等が可能であり、ミニカード型情報デバイスscの飛び出し移動を制動する規制部であれば、上述の実施例に限定されるものではない。
【0059】
また、実施例1においては、カード型デバイス装着口3hを照光するLED5iを回路基板5に設置する場合を例示したが、内ケース3Iの一部に設置するなど、必ずしも回路基板5に設けなくともよい。
【実施例2】
【0060】
本発明の実施例2を、概念的側断面図の図5を用いて説明する。
【0061】
実施例2は、実施例1のミニカード型情報デバイスscの制動方法を変更したものであり、これ以外の構成は、実施例1と同様であるから、同様な構成要素には、′(ダッシュ)を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0062】
実施例2においては、図5 (a)に示すように、ミニカード型情報デバイスsc を装着した際に、カード型デバイス装着口3h′を閉塞する蓋部21cを有する装着口キャップ材(キャップ体)21を備えている。
【0063】
この装着口キャップ材21は、例えばエラストマーなどの合成ゴム等の材料を用いて製造されており、蓋部21cに加えて、装着口キャップ材21の抜け出し防止のためのストッパ部21sと、ミニカード型情報デバイスsc を取り出す際にミニカード型情報デバイスsc に当接し摩擦抵抗を付与し制動する凸状の当接部(規制部)21tを有して構成されている。
【0064】
図5(a)に示すように、ミニカード型情報デバイスsc が、下筐体3′内に装着されている場合には、装着口キャップ材21の当接部21tは回路基板5′の下方に位置し、ミニカード型情報デバイスsc に対しては非接触である。 従って、ミニカード型情報デバイスscに当接部21tからの圧力が加わることがないので負荷がかからず、ミニカード型情報デバイスscの変形等が防止される。
【0065】
ミニカード型情報デバイスscを取り出すに際しては、図5(a)に示す状態から、利用者が、装着口キャップ材21を爪で引っ掛けて外す。
【0066】
すると、装着口キャップ材21は、図5(b)に示すように、外方に移動しストッパ部21sが内ケース3I′の一部に係止し装着口キャップ材21は制止される。
【0067】
この状態において、ミニカード型情報デバイスscの下面に装着口キャップ材21の当接部21tが当接して力を加える。
【0068】
続いて、利用者が、ミニカード型情報デバイスscの端部を矢印α′に示すように押圧すると、ミニカード型情報デバイスsc が内部のバネ機構(図示せず)により付勢され、ミニカード型情報デバイスsc が外方に勢いよく飛び出そうとする。 しかし、この際、ミニカード型情報デバイスsc 下面にキャップ材21の当接部21tが当接しており、摩擦力を加えるので飛び出しが制動され、適切な勢いで取り出すことができる。
【0069】
そのため、ミニカード型情報デバイスsc が、利用者の目に当ったり落としたりすることなく、良好に取り出すことができる。
【0070】
加えて、実施例2においても、装着口キャップ材21を透光性材料で形成し、LED等の光源の光を、装着口キャップ材21内を透過させて導き、カード型デバイス装着口3h′を内部から照光するように構成することもできる。
【0071】
この場合、実施例1と同様に、暗所においてもカード型デバイス装着口3h′が光るので、ミニカード型情報デバイスsc の装着、取り出しを容易かつ円滑に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の活用例として、携帯電話機を例示したが、携帯電話機以外のPHS(Personal handy-hone System)等の通信機器、あるいは電子辞書やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末に限らず、カード型情報デバイスを用いる情報機器であれば、本発明を有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】(a)、(b)、および(c)は、本発明に関わる実施例の携帯電話機の側面図、図1(a)のA方向矢視図、および図1(b)のB−B線断面の概念図。
【図2】(a)および(b)は、図1(c)のC部拡大図、および(a)図に示すミニカード型情報デバイスが飛び出した状態を示す拡大図。
【図3】実施例1のスロットケースが固定された回路基板とキーラバーとミニカード型情報デバイスとを示す分解斜視図。
【図4】(a)および(b)は、実施例1の変形例である拡大断面図、および(a)図に示すミニカード型情報デバイスが飛び出した状態を示す拡大断面図。
【図5】(a)および(b)は、本発明に関わる実施例2の携帯電話機の要部断面概念図、および(a)図においてミニカード型情報デバイスを取り出した状態を示す要部断面概念図。
【符号の説明】
【0074】
1…携帯電話機(携帯情報端末)、
6…キーラバー、
6r…抑えリブ(規制部)、
21…装着口キャップ材(キャップ体)、
21c…蓋部、
21s…ストッパ部、
21t…当接部(規制部)、
3h、3h′…カード型デバイス装着口(カード型情報デバイスの装着口)、
5i…LED(光源)、
k…操作キー、
sc…ミニカード型情報デバイス(カード型情報デバイス)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード型情報デバイスを装着して情報の授受を行う携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造であって、
前記装着したカード型情報デバイスに当接し、該カード型情報デバイスの取出し時の移動を制動する規制部を設けた
ことを特徴とする携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項2】
前記規制部は、操作キーを形成するキーパッドが貼り付けられたキーラバーの一部に設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項3】
前記キーラバーは、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光する
ことを特徴とする請求項2記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項4】
カード型情報デバイスを装着して情報の授受を行う携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造であって、
カード型情報デバイスを脱着するに際して外方に外され、かつ、該外方に外した場合に抜け止めとなるストッパ部と前記カード型情報デバイスの装着時にその装着口を閉塞するとともに前記カード型情報デバイスの取出し時に前記装着口を開放する蓋部と前記カード型情報デバイスの取出し時に該カード型情報デバイスに当接して移動を制動する規制部とを有するキャップ体を
具備することを特徴とする携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項5】
前記キャップ体は、前記カード型情報デバイスの収納時には該カード型情報デバイスに当接しない
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項6】
前記キャップ体は、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光する
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の携帯情報端末のカード型情報デバイスの収納構造。
【請求項7】
情報の授受を行うカード型情報デバイスを装着する収納構造を設けた携帯情報端末であって、
装着したカード型情報デバイスに当接し、該カード型情報デバイスの取出し時の移動を制動する規制部を設けた
ことを特徴とするカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。
【請求項8】
前記規制部は、操作キーを形成するキーパッドが貼り付けられたキーラバーの一部に設けた
ことを特徴とする請求項7に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。
【請求項9】
前記キーラバーは、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光する
ことを特徴とする請求項8記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。
【請求項10】
情報の授受を行うカード型情報デバイスを装着する収納構造を設けた携帯情報端末であって、
カード型情報デバイスを脱着するに際して外方に外され、かつ、該外方に外した場合に抜け止めとなるストッパ部と前記カード型情報デバイスの装着時にその装着口を閉塞するとともに前記カード型情報デバイスの取出し時に前記装着口を開放する蓋部と前記カード型情報デバイスの取出し時に該カード型情報デバイスに当接して移動を制動する規制部とを有するキャップ体を
具備することを特徴とするカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。
【請求項11】
前記キャップ体は、前記カード型情報デバイスの収納時には該カード型情報デバイスに当接しない
ことを特徴とする請求項10に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。
【請求項12】
前記キャップ体は、透光性材料を用いて形成され、内部に配設された光源からの光を導いて前記カード型情報デバイスの装着口を照光する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のカード型情報デバイスの収納構造を設けた携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−127828(P2006−127828A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312265(P2004−312265)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】