携帯情報端末機
【課題】 多機能化が進んだ場合であっても、部品点数を増大させることなく小型化を実現でき、且つ筐体を回転させる簡単な操作で、使用する機能の変更を実現できる。
【解決手段】 操作キーを配置した第1の筐体2と、液晶面を配置した第2の筐体4とが2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機1において、第1筐体と第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、第2筐体内で、2軸ヒンジの回転軸7を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサ6a〜6dと、第1筐体内で、磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁石9とを有して構成され、第1筐体又は第2筐体の厚さ方向に対向して配置される上記磁気センサ6aと6d、6bと6cは、互いが検出する磁力線の検出方向11aと11d、11bと11cが反対方向となるように設けられる。
【解決手段】 操作キーを配置した第1の筐体2と、液晶面を配置した第2の筐体4とが2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機1において、第1筐体と第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、第2筐体内で、2軸ヒンジの回転軸7を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサ6a〜6dと、第1筐体内で、磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁石9とを有して構成され、第1筐体又は第2筐体の厚さ方向に対向して配置される上記磁気センサ6aと6d、6bと6cは、互いが検出する磁力線の検出方向11aと11d、11bと11cが反対方向となるように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能携帯情報端末機に係り、特に第1筐体と第2筐体とが開閉及び回転自在に結合されて、それらの相対位置が検出可能な折り畳み式携帯情報端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末機、特に折り畳み方式携帯電話機が急速に普及している。こうした携帯情報端末機は社会のニーズに伴って単なる通話機能のみでなく、電子メールの送受信、インターネット等のブラウザ、カメラ撮影、TV放送受信等の多機能化が進んでいる。
【0003】
こうした多機能化に伴って、携帯情報端末機の利用態様に応じてその筐体間の相対位置が、従来の折り畳み式携帯情報端末機の開閉動作とは異なって変動をする携帯情報端末機が商品化されている。例えば、カメラ撮影時に表示面を配置した筐体が回転してデジタルカメラのようになる携帯情報端末機や、カメラ撮影時に表示面を配置した筐体が開閉及び回転してデジタルビデオカメラのようになる携帯情報端末機等である。
【0004】
このような携帯情報端末機における機能変更の操作や、機能自体の操作は、従来、操作キーの組み合わせや、操作キーの長押し等の特殊且つ複雑な方法で実施されるのが一般的であった。このため、今後、携帯情報端末機の多機能化に伴って、その操作が更に複雑化し、利用者への負担が増すことが考えられる。
【0005】
こうした問題解決にあたり、例えば特許文献1では、第1筐体と第2筐体との相対回転位置関係を、筐体間の連結部に配置した相対回転位置検出部材により検出し、制御部がその相対回転位置に対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、使用する機能を変更する携帯情報端末機が開示されている。
【0006】
同様に、特許文献2や特許文献3では、第1筐体と第2筐体とが2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、開閉方向、回転方向の相対位置を、各筐体内に配置した磁石と磁気センサにより構成された相対位置検出部材により検出し、制御部がその相対位置に対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、使用する機能を変更する携帯情報端末機が開示されている。
【0007】
特許文献2に記載された携帯情報端末機について詳しく述べると、この携帯情報端末機は、図13に示すように、その相対位置検出部材が回転位置検出部材と開閉検出部材とで構成されている。このうち、回転位置検出部材は、第2筐体としての表示側筐体120内において2軸ヒンジ115の回転中心と同心上に配置された半リング状磁石119と、この半リング状磁石119の回転動作に伴う軌跡上で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線に対称となるように、且つ携帯情報端末機を開いた状態で磁力線に反応する方向が前記磁石119から発生する磁力線の向きと同一となるように、第1筐体としての操作側筐体140内に配置された磁気センサ116a、116bとで構成される。また、開閉検出部材は、表示側筐体120内においてその先端で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線からずらすように配置された磁石190と、操作側筐体140内で、且つ表示面130と操作キー141が対向するように折り畳まれたときに上記表示側筐体120の先端の磁石190と近づき対向する位置に配置された磁気センサ116fとで構成される。
【0008】
前記回転位置検出部材は、その磁気センサ116a、116bが半リング状磁石119に近づき対向することにより検出信号を発生し、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態において当該表示側筐体120の回転状態毎に、前記磁石119に近づき対向する磁気センサ116a、116bの組み合わせが異なる。このため、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態において、当該表示側筐体120の相対回転位置に対応して異なった検出信号の組み合わせを発生する。
【0009】
携帯情報端末機の制御部は、前記検出信号の組み合わせに対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態における操作側筐体140との相対回転位置に対応して使用する機能を変更する機能、例えば、携帯情報端末機の表示側筐体120を開き回転させない状態では、従来の折り畳み式携帯情報端末機と同様に縦長画面となり(図13(A))、当該表示側筐体120を開き時計回りに90°回転させた状態では、利用者がカメラ撮影、TV放送閲覧をし易いように表示面130が横長画面となり(図13(B))、当該表示側筐体120を開き反時計回りに90°回転させた状態では、利用者がこの状態でカメラ撮影、TV放送閲覧をし易いように、時計回りに回転させた状態と上下反対の横長画面となり(図13(C))、当該表示側筐体120を開き180°回転させた状態では、回転させない状態と上下反対の縦長画面となる(図13(D))等を実現している。
【0010】
次に、特許文献3に記載された携帯情報端末について詳しく述べる。この携帯情報端末機は、図14に示すように、操作側筐体140の側面にカメラ113を配置しており、その回転位置検出部材は、特許文献2に記載された携帯情報端末機の回転位置検出部材に加えて、前記半リング状磁石119の回転動作に伴う軌跡上で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線上に磁気センサ116eを新たに配置して構成される。この回転位置検出部材は、携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させ、且つ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態では、前記新たに追加した磁気センサ116eのみが磁石119に近づき対向するので、特許文献2での回転状態に、携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させ、且つ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態を付け加えた状態に対応した異なる検出信号の組み合わせを発生する。
【0011】
この携帯情報端末機の制御部は、前記検出信号の組み合わせに対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、特許文献2での相対回転位置関係と、当該携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させて時計回り又は反時計回りに90°回転させた位置関係とにそれぞれ対応して、使用する機能を変更する機能を有する。例えば、当該制御部は、特許文献2と同様に、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態においては両筐体120、140の相対回転位置に対応して画面表示を変更する機能を実現し、更に表示側筐体120を90°開閉させ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態では、利用者が操作側筐体140のカメラ113で、あたかもデジタルビデオカメラを使用して対象物を撮影しているかのように表示面130が横画面となり、またその撮影した画像を自動に記録部に記録する機能等を実現している。
【特許文献1】特開2003−8695号公報
【特許文献2】特開2003−174495号公報
【特許文献3】特開2003−244293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の携帯情報端末機では筐体間が回転する携帯情報端末機についてのみ記載されており、回転及び開閉自在の携帯情報端末機については記載されていない。
【0013】
そこで、特許文献1の携帯情報端末機と従来の折り畳み式携帯情報端末機の筐体間の相対開閉位置検出手段とを組み合わせて、第1筐体と第2筐体が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置がある所定の開閉角度の時に、筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機、例えば筐体間が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置が0°のときには、筐体の回転に連動して画面表示方向を変更し、相対開閉位置が90°の角度のときには、筐体を回転させても利用者が見やすいように画面表示方向を変更しない携帯情報端末機を実現した場合、この携帯情報端末機は多機能化、形状変更により部品点数が多くなり、当該携帯情報端末機が大型化するという問題がある。その理由は、相対開閉位置検出手段であるセンサと当該センサが反応する部材とを筐体内、例えば2軸ヒンジの開閉軸等に、相対回転位置検出手段とは別に用意する必要があるためである。
【0014】
また、上述のように、特許文献1の携帯情報端末機と従来の折り畳み式携帯情報端末機の筐体間の相対開閉位置検出手段とを組み合わせて、第1筐体と第2筐体が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置がある所定の開閉角度の時に、筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機を実現した場合、制御部(CPU)への負荷が増加するという問題がある。その理由は、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときにおいても、上記携帯情報端末機は、常に、筐体間の相対回転位置を検出し、検出信号が出力されている。これに伴い、制御部(CPU)は相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを、利用者には変更しているように見えないが、実際にはその都度変更しているためである。
【0015】
更に、特許文献2や特許文献3の携帯情報端末機を発展させた、より優れた携帯情報端末機の実現が嘱望されている。つまり、携帯情報端末機の利用の態様に応じて、利用者が使いやすいように、当該携帯情報端末機の筐体の相対位置を変更し、更に、筐体間の相対位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機に関し、表示面を配置した第2筐体としての表示側筐体と、操作キー及びカメラをその表面又は裏面に別々に配置した第1筐体としての操作側筐体とが2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体の開閉位置を考慮して筐体間の相対位置を検出し、その検出状態により使用する機能、特に表示画面の方向等を切り替える携帯情報端末機の実現が要請されている。
【0016】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、多機能化が進んだ場合であっても、部品点数を増大させることなく小型化を実現できる携帯情報端末機を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、多機能化が進んだ場合であっても、筐体を回転させるという簡単な操作で、使用する機能の変更を実現できる携帯情報端末機を提供することにある。
【0018】
本発明の更に他の目的は、制御部が筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する機能を有する場合であっても、この制御部への負荷を軽減できる携帯情報端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1に記載の発明は、操作部を配置した第1の筐体と、表示部を配置した第2の筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサが配置された前記筐体の回転動作に伴う前記磁気センサの回転軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項2に記載の発明は、操作部を配置した第1の筐体と、表示部を配置した第2の筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられ、更に、前記相対位置検出手段が発生する前記第1筐体と前記第2筐体間の相対位置に対応した検出信号の組み合わせに対応して、起動するアプリケーション・プログラムを変更して使用する機能を変更する制御部を有することを特徴とするものである。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記磁力発生源は、その中心が可動接合部材の回転軸と同一位置となるように配置された半リング形状の磁石であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記磁気センサは、可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上で、当該磁気センサを配置した筐体の幅方向の中心線に対して対称となる位置に配置されたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の磁気センサは、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、発生する検出信号の組合せを変更せず同一とするよう構成されたことを特徴とするものである。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記第1筐体が操作キー及びカメラを備えた操作側筐体であり、前記第2筐体が表示面を備えた表示側筐体であり、前記可動接合部材が、前記操作側筐体と前記表示側筐体とを開閉及び回転自在に結合する2軸ヒンジであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1乃至6に記載の発明によれば、第1筐体又は第2筐体の厚さ方向に対向して配置される磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことから、第2筐体を開いて回転させた場合と閉じて回転させた場合とで、複数の磁気センサが発生する検出信号の組合せが異なる。このため、第1筐体と第2筐体間の開閉状態を考慮しつつ、これらの筐体の回転状態を検出できる。
【0026】
請求項1乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合され、これらの第1筐体と第2筐体とが所定範囲の開閉角度のときに、これら第1筐体と第2筐体との相対回転位置が検出できるので、相対回転位置検出手段とは別に相対開閉位置検出手段を設ける必要がない。このため、第1筐体と第2筐体間の相対回転位置及び相対開閉位置を検出できると共に、携帯情報端末機を小型化できる。
【0027】
請求項2乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体が所定範囲の開閉角度にあるときにのみ、相対位置検出手段がこれらの第1筐体と第2筐体間の相対回転位置を検出し、この検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムが制御部に設定されているので、前記相対回転位置に応じたアプリケーション・プログラムが起動する。このため、携帯情報端末機の利用者が、複雑な操作を実施しなくても、第1筐体と第2筐体がある特定の開閉状態にあるときに、これらの筐体を相対的に回転させるという簡単な動作で、携帯情報端末機の操作や使用する機能の切替えを実施できる。
【0028】
請求項2乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、複数の磁気センサが検出信号の組合せを変更しないので、このとき制御部は、筐体間の相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更しない。この結果、制御部の負荷を軽減できる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、操作キー及びカメラを備えた操作側筐体と、表示面を備えた表示側筐体とが、2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体間の開閉位置を考慮した筐体間の相対回転位置により、使用する機能を切り替えて変更できる携帯情報端末機を実現できる。これは、操作側筐体と表示側筐体とがある特定の開閉状態にあるときにのみ、相対位置検出手段が操作側筐体と表示側筐体間の相対回転位置を検出し、その検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムが制御部に設定されているので、前記筐体間の相対位置に応じてアプリケーション・プログラムが起動するためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る携帯情報端末機の一実施形態であり、特にその筐体間の相対位置検出手段の構成を透視して示す平面図である。
【0032】
図1において、携帯情報端末機1は、操作キー21(図9(A))を配置した第1筐体(操作側筐体)2と、表示面としての液晶面3を配置した第2筐体(表示側筐体)4とが、開閉及び回転可能な可動接合部材としての2軸ヒンジ5によって結合されている。これらの第1筐体2、第2筐体4内に、相対位置検出手段としての磁気センサ6a〜6d及び磁石9が配設されている。
【0033】
第2筐体4の内部には、2軸ヒンジ5の回転軸7を中心とした同心周回上に、磁気センサ6a、6b、6c及び6dが配置されている。これらの磁気センサは、例えばホール素子である。このうち、磁気センサ6a、6bは、前記2軸ヒンジ5の開閉軸8に直交する第2筐体4の中心軸10に対し左右対称で、上記開閉軸8に対して同一角度α、例えばα=45°の位置に配置されている。同様に、磁気センサ6c、6dは、上記開閉軸8に直交する第2筐体4の中心軸10に対し左右対称で、上記開閉軸8に対して同一角度α、例えばα=45°の位置であり、前記磁気センサ6b、6aの裏側にそれぞれ対向して配置されている。ここで、α=45°としたのは、第2筐体4を第1筐体2に対し90°相対回転させる毎に第2筐体4の液晶面3の画面を切り替えるので、この画面切り替えのタイミングが第2筐体4の回転方向の違いに依存せず同一となるからである。また、上記αはα=30°又はα=60°等であってもよい。
【0034】
更に、第2筐体4の表面側に配置された磁気センサ6a、6bは、通過する磁力線の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに検出信号を出力し、磁力線に反応してこの磁力線を検出する方向(以後磁力線検出方向と称する)が、第2筐体4の表面に対し垂直で、且つ第2筐体4の裏面へ向かう一方向に設定され、図3の如く液晶面3が下を向いているときに検出信号を発生(出力)する。また、第2筐体4の裏面側に配置された磁気センサ6c、6dは、通過する磁束密度がある特定の値を超えたときに検出信号を出力し、前記磁力線検出方向が第2筐体4の裏面に対し垂直で、且つ第2筐体4の表面へ向かう一方向に設定され、図7の如く液晶面3が上を向いているときに検出信号を発生(出力)する。
【0035】
また、第1筐体2の内部には、その厚さ方向にN極、S極を着磁し、当該第1筐体2の平面方向に対し垂直方向に磁力線12(図2)を発生する、磁力線発生源としての磁石9が配置されている。この磁石9は、前記磁気センサ6a〜6dを配置した同心周回と同一半径の半リング形状であり、その半リング形状の中心が2軸ヒンジ5の回転軸7と同一位置となるように配置され、例えばネオジウムにて構成される。この磁石9により、第2筐体4の回転動作に伴う磁気センサ6a〜6dの回転軌跡上に磁界が発生する。
【0036】
磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4の相対位置に対応して検出信号を出力し、この磁気センサ6a〜6dの検出信号の出力状態の組み合わせに対応するアプリケーション・プログラムが、制御部としてのCPU15にあらかじめ設定されている。このCPU15は、第1筐体2又は第2筐体4の内部に配置され、本実施形態では第1筐体2内に配置されている。上記CPU15は、更に、磁気センサ6a〜6dの検出信号の出力状態の組み合わせに対応して起動する上記アプリケーション・プログラムを変更し、携帯情報端末機1の使用する機能を変更する。
【0037】
次に、図1及び図2を用い、前記磁気センサ6a〜6dの配置位置等について詳細に説明する。この図2は、図1に示す携帯情報端末機1において特に相対位置検出手段の構成を示す図1のII矢視断面図である。
【0038】
第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6aと6d、磁気センサ6bと6cは、互いが検出する磁力線検出方向が、前述の如く反対方向となるように設けられる。つまり、図2において、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6a、6dは、それぞれの磁力線検出方向11a、11dが第2筐体4の平面(表面、裏面)方向に対し垂直で、且つ上下反対を向くように配置される。同様に、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6b、6cも、それぞれの磁力線検出方向11b、11cが第2筐体4の平面(表面、裏面)方向に垂直で、且つ上下反対を向くように配置される。
【0039】
上記磁石9が磁気センサ6a〜6dに近づいた場合、磁石9から発生する磁力線が磁気センサ6a〜6dを通過し、その磁力線のうち磁気センサ6a〜6dの磁力線検出方向成分の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに、磁気センサ6a〜6dは検出信号を発生する。
【0040】
即ち、第1筐体2と第2筐体4の相対回転動作に伴い、第2筐体の同一平面内に配置された磁気センサ6aと6b、もしくは磁気センサ6cと6dは磁石9に近づく組み合わせが変化する。このとき、磁石9からの磁力線の向きと磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向とが同一となった磁気センサ6a〜6dのみが検出信号を発生する。また、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置された磁気センサ6aと6d、もしくは磁気センサ6bと6cは、互いの磁力線検出方向が反対方向を向くように配置されているので、携帯情報端末機1の第2筐体4を開いて回転させた場合と、第2筐体4を閉じて回転させた場合とで、検出信号を発生する磁気センサ6a〜6dの組み合わせが異なる。
【0041】
第1筐体2と第2筐体4の開閉動作に伴い、磁気センサ6a〜6dが磁石9から離れるときには、磁気センサ6a〜6dが検出する磁石9からの磁力線12の磁束密度が疎になる(磁力線が弱くなる)とともに、磁気センサ6a〜6dが磁石9から発生する磁力線の向きに対して傾くので、磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向成分が小さくなる方向に変化する(図8(C))。このため、磁気センサ6a〜6dはある所定範囲の開閉角度(後述の検出限界開閉角度以下の開閉角度)のときのみ検出信号を発生する。
【0042】
このように、磁石9から発生する磁力線のうち磁気センサ6a〜6dの磁力線検出方向成分の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生することを利用して、磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置及び開閉状態を検出する。
【0043】
前記制御部15は、前述のように、磁気センサ6a〜6dが発生する検出信号の組み合わせに対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更し、使用する機能を第1筐体2と第2筐体4の相対位置に対応して変更する。上記磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4とが、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときには、後述の如く検出信号の組み合わせを変更せず同一となるよう構成される。
【0044】
尚、図1の2軸ヒンジ5は当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0045】
次に、携帯情報端末機1における相対位置検出手段(磁気センサ6a〜d及び磁石9)の動作、及び使用する機能の切り替え動作を図3〜図8、図11及び図12を用いて説明する。
【0046】
図3で携帯情報端末機1は、液晶面3が下を向き、第1筐体2と第2筐体4とが互いに重なった相対位置となり、従来の折り畳み式携帯情報端末機を折り畳んだ状態と同様である(以後、この状態を第1状態とする)。
【0047】
この第1状態においては、磁石9が磁気センサ6a、6bに近づき、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6a、6bを通過し、磁力線12の方向が磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと同一であることから、当該磁気センサ6a、6bは、自己を通過する磁束密度が当該磁気センサ6a、6bが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、それぞれ検出信号を出力する。また、この第1状態では、前記磁力線12の向きは、磁気センサ6c、6dにおける磁力線検出方向11c、11dと反対方向を向くので、この磁気センサ6c、6dは検出信号を出力しない。
【0048】
次に、第2筐体4を図3に示す上記第1状態から、2軸ヒンジ5の開閉軸8を支点として180°開き、図4に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、従来の折り畳み式携帯情報端末機を開いた状態と同様となる(以後、この状態を第2状態とする)。
【0049】
この第2状態においては、磁石9が磁気センサ6a〜6dから離れ、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6a〜6dを通過しないことから、当該磁気センサ6a〜6dは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えることがないので、全て検出信号を出力しない。
【0050】
次に、第2筐体4を図4に示す上記第2状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点して時計回りに90°回転し、図5に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4とは互いに時計方向へ90°の角度をなす相対回転位置になる(以後、この状態を第3状態とする)。
【0051】
この第3状態においては、磁石9が磁気センサ6cに近づき、磁力線12が磁気センサ6cを通過し、磁力線12の方向が磁気センサ6cにおける磁力線検出方向11cと同一となることから、当該磁気センサ6cは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6cが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、検出信号を出力する。また、この第3状態では、前記磁力線12の向きが、磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。更に、磁石9が磁気センサ6dから離れ、磁石9より発生する磁力線12が上記磁気センサ6dを通過しないことから、当該磁気センサ6dは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えないので、検出信号を出力しない。
【0052】
次に、第2筐体4を図4に示す第2状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点して反時計回りに90°回転し、図6に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4は互いに反時計回り方向に90°の角度をなす相対回転位置になる(以後、この状態を第4状態とする)。
【0053】
この第4状態においては、磁石9が磁気センサ6dに近づき、磁力線12が磁気センサ6dを通過し、この磁力線12の方向が磁気センサ6dにおける磁力線検出方向11dと同一になることから、当該磁気センサ6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、検出信号を出力する。また、この第4状態では、上記磁力線12の向きが磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。更に、磁石9が磁気センサ6cから離れ、磁石9より発生する磁力線12が上記磁気センサ6cを通過しないことから、当該磁気センサ6cは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えないので、検出信号を出力しない。
【0054】
次に、第2筐体4を図5に示す第3状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点にして時計回りに90°、又は第2筐体4を図6に示す第4状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点にして反時計回りに90°更に回転して図7に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4とが互いに重なった相対回転位置となる(以後、この状態を第5状態とする)。
【0055】
この第5状態において、磁石9が磁気センサ6c、6dに近づき、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6c、6dを通過し、その磁力線12の方向が磁気センサ6c、6dにおける磁力線検出方向11c、11dと同一となることから、当該磁気センサ6c、6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6c、6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、それぞれ検出信号を出力する。また、この第5状態では、前記磁力線12の向きが磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。
【0056】
以下同様に考え、第2筐体4を第1状態から時計回りに90°回転させた状態を第6状態、第2筐体4を第1状態から反時計回りに90°回転させた状態を第7状態(図10(E))、第2筐体4を第6状態から更に時計回りに90°回転、又は第2筐体4を第7状態から更に反時計回りに90°回転させた状態を第8状態(図9(C))、第2筐体4を第1状態から90°付近に開閉し、更に任意の角度に回転させた状態を第9状態(図8、図10(G)、図10(H))とした時に、各状態における磁気センサ6a〜6dがそれぞれ発生(出力)する検出信号の出力状況は、図11に示すとおりである。この検出信号の出力状況は、第1状態から第7状態においては、磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせが異なっており、また、第2状態と第8状態と第9状態においては、磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせが同様となっている。
【0057】
ここで、第1筐体2と第2筐体4間の回転動作に伴う、ある状態から他の状態への変更途中における磁気センサ6a〜6dからの検出信号について述べる。当該携帯情報端末機1においては、磁石9が磁気センサ6a〜6dのうちのどれかに近づきもしくは離れ、磁石9からの磁力線12が、磁気センサ6a〜6dのうちのどれかを通過しもしくは通過しないことにより、いずれの磁気センサ6a〜6d検出信号を出力しもしくは出力しなくなるまで、以前の状態と同様の検出信号を出力する。
【0058】
特に、図8に示す第9状態について述べると、第2筐体4のどの回転角度においても、磁石9が磁気センサ6a〜6dから離れ、この磁石9から発生する磁力線12は磁気センサ6a〜6dを通過しない。このことから、磁気センサ6a〜6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることにならないので、全て検出信号を出力せず、第2状態及び第8状態の磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせと同様になる。
【0059】
この第9状態では、両筐体2、4間の開閉角度が変化して、この開閉角度の変化に伴い変化する磁気センサ6a〜6dを通過する磁力線12の、当該磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向11a〜11d成分の磁束密度12Aが、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生するある特定の値となる開閉角度(以後検出限界開閉角度とする)まで、当該検出信号を出力し続ける(図8(C))。両筐体2、4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度を超えて、磁気センサ6a〜6dを通過する磁力線12の、当該磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向11a〜11d成分の磁束密度12Aが、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生する上記特定の値よりも低くなると、当該磁気センサ6a〜6dは、検出信号を出力しなくなる。
【0060】
したがって、携帯情報端末機1の磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度より小さい場合には、これらの筐体2、4間の相対回転位置の変化に対応して検出信号の組み合わせを変化する状態となり、また、第1筐体2と第2筐体4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度より大きい場合には、これらの筐体2、4間の相対回転位置が変化しても、検出信号の組み合わせを変化しない状態となる。
【0061】
これらの検出信号を基に、前記CPU15は、第1筐体2と第2筐体4間の相対位置を図11に示すような位置検出状態A〜Gとして識別する。このCPU15には、上記位置検出状態A〜Gのそれぞれに対応するアプリケーション・プログラム、例えば図12に示すように、表示面としての液晶面3における画面表示方向変更機能等が記憶されているので、携帯情報端末機1は、そのCPU15による位置検出状態A〜G、即ち第1筐体2と第2筐体4間の相対位置に対応して使用する機能を変更することができる。
【0062】
尚、第1筐体2と第2筐体4間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態、例えば、図11に示すように、CPU15が同一の位置検出状態Bとして識別する第2状態、第8状態及び第9状態にあるときには、磁気センサ6a〜6dは、検出信号の組合せを変更せずに同一とし続け、この場合には全ての磁気センサ6a〜6dから検出信号が発生していない状態となる。
【0063】
上述のように、携帯情報端末機1が、第1筐体2と第2筐体4間の相対位置に対応して使用する機能を変更する例を、図9及び図10に基づいて更に説明する。
【0064】
つまり、携帯情報端末機1は、図9(A)及び図9(B)に示すように、第2筐体4を開いて回転させない状態(図4の第2状態と同様)では、利用者が第1筐体2の表面又は裏面に配置したカメラ13により、従来の折り畳み式携帯情報端末機と同様に対象物を縦長画面で撮影でき、また、図9(C)に示すように、第2筐体4を閉じて180°回転させ、第1筐体2の上記カメラ13及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(状態8と同様)では、利用者が上記カメラ13により自分を縦長画面で撮影でき、また、図10(D)に示すように、第2筐体4を開いて時計回りに90°回転させ、第1筐体2の操作キー21及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(図5の第3状態と同様)では、利用者が第1筐体2の上記カメラ13により対象物を横長画面で撮影でき、またTV放送閲覧がし易いように横長画面となり、また、図10(E)に示すように、第2筐体4を閉じて反時計回りに90°回転させ、第1筐体2の上記カメラ13及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(状態7と同様)では、利用者が第1筐体2の上記カメラ13により、自分を横長画面(時計回りに90°回転状態と同方向を向いた横画面)で撮影でき、また、図10(F)に示すように、第2筐体4を開いて180°回転させた状態(図7の第5状態と同様)では、第2筐体4を開いて回転させない状態と上下反対の縦長画面となり、また逆に、図10(G)及び図10(H)に示すように、第2筐体4をある所定の角度、例えば90°開いた状態(図8の第9状態と同様)では、第2筐体4の回転位置を検出せず、利用者が机上に携帯情報端末機1を置いて使用し易いように、第2筐体4がどの回転角度においても、当該第2筐体4を180°開き回転させない状態と同様の縦長画面とすることができる。
【0065】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば次の効果を奏する。
【0066】
(1)第1筐体2又は第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6a〜6dは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことから、第2筐体4を開いて回転させた場合と閉じて回転させた場合とで、複数の磁気センサ6a〜6dが発生する検出信号の組合せが異なる。このため、第1筐体2と第2筐体4間の開閉状態を考慮しつつ、これらの筐体2、4の回転状態を検出できる。
【0067】
(2)第1筐体2と第2筐体4とが2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合され、相対位置検出手段(磁気センサ6a〜6d、磁石9)により、第1筐体2と第2筐体4とが所定範囲の開閉角度のときに、これら第1筐体2と第2筐体4の相対回転位置を検出できるので、相対回転位置検出手段とは別に相対開閉位置検出手段を設ける必要がない。このため、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置及び相対開閉位置を検出できると共に、携帯情報端末機1を小型化できる。
【0068】
(3)第1筐体2と第2筐体4が所定範囲の開閉角度(検出限界開閉角度以下の開閉角度)にあるときにのみ、相対位置検出手段(磁気センサ6a〜6d、磁石9)がこれらの第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置を検出し、この検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムがCPU15に設定されているので、上記相対回転位置に応じたアプリケーション・プログラムが起動する。このため、携帯情報端末機1の利用者が、複雑な操作を実施しなくても、第1筐体2と第2筐体4が上記所定範囲の開閉角度にあるときに、これらの筐体2、4を相対的に回転させるという簡単な動作で、携帯情報端末機1の操作や使用する機能の切替えを実施できる。
【0069】
(4)第1筐体2と第2筐体4が、使用する機能の変更を行わない開閉状態(例えば位置検出状態B)にあるときに、複数の磁気センサ6a〜6dが検出信号の組合せを変更しないので、このときCPU15は、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更せず、同一のアプリケーション・プログラムを維持する。この結果、CPU15の負荷を軽減できる。
【0070】
(5)操作キー21及びカメラ13を備えた第1筐体2としての操作側筐体と、液晶面3を備えた第2筐体4としての表示側筐体とが、2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体2、4間の開閉位置を考慮した筐体2、4間の相対回転位置により、使用する機能を切り替えて変更できる携帯情報端末機1を実現できる。これは、操作側筐体(第1筐体2)と表示側筐体(第2筐体4)とがある特定の開閉状態(検出限界開閉角度以下の開閉角度状態)にあるときにのみ、相対位置検出手段としての磁気センサ6a〜6d及び磁石9が操作側筐体(第1筐体2)と表示側筐体(第2筐体4)間の相対回転位置を検出し、その検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムがCPU15に設定されているので、上記筐体2、4間の相対位置に応じてアプリケーション・プログラムが起動するためである。
【0071】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、第1筐体2に磁石を、第2筐体4に磁気センサ6a〜6dをそれぞれ配置するものを述べたが、第1筐体2に磁気センサ6a〜6dを、第2筐体4に磁石をそれぞれ配置するものであってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、図1に示すように、磁石9が半リング形状に形成されていたが、例えば上記半リング形状の磁石9と同幅の複数の平面板状磁石を、その中心を2軸ヒンジ5の回転軸7と同一位置にし、その半径を、磁気センサ6a〜6dが配置された同心周回と同一の同心周回上に並べて配置したり、また、磁気センサ6a〜6dの回転動作に伴う周回軌跡を全て含むような大きさの1枚の平面板状磁石を配置したりする等、上記磁気センサ6a〜6dの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させる磁力発生源であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の活用例として、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯情報端末機であって、筐体間が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に連結され、電子メール送受信、インターネット等のブラウザ、カメラ撮影、TV放送受信等多様な機能をもつ携帯情報端末機である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る携帯情報端末機の一実施形態であり、特にその筐体間の相対位置検出手段の構成を透視して示す平面図である。
【図2】図1の携帯情報端末機において特に相対位置検出手段の構成を示す図1のII矢視断面図である。
【図3】図1の携帯情報端末機において、液晶面を下にし、この液晶面側の第2筐体を折り畳んだ状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図3(A)のIII矢視断面図である。
【図4】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開いた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図4(A)のIV矢視断面図である。
【図5】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開き、更に時計回りに90°回転させた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図5(A)のV矢視断面図である。
【図6】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開き、更に反時計回りに90°回転させた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図6(A)のVI矢視断面図である。
【図7】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を折り畳んだ状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図7(A)のVII矢視断面図である。
【図8】図1の携帯情報端末機において、液晶面側の第2筐体の開閉途中を示し、(A)が開閉角度略90度での2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図8(A)のVIII矢視断面図、(C)が開閉角度を図8(A)に比べ狭くした場合の図8(B)に対応する断面図である。
【図9】図1の携帯情報端末機が適用された携帯情報端末機の図であり、(A)が第2筐体を開いた状態の透視平面図、(B)が図9(A)の2軸ヒンジ部を拡大した図9(A)のIX矢視断面図、(C)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を閉じた状態で180°回転させて表示面を上とした透視平面図である。
【図10】(D)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を開いた状態で時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(E)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を閉じた状態で反時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(F)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を開いた状態で180°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(G)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を90°開閉させた状態の斜視図、(H)が図9(G)の状態から第2筐体を反時計回りに90°回転(操作側筐体を時計回りに90°回転)させた状態の斜視図である。
【図11】図1に示す筐体間の相対位置に対する各磁気センサからの検出信号と、CPUによる位置検出状態を示す図表である。
【図12】図11の位置検出状態に対応する第2筐体液晶面の画面表示方向を示す図表である。
【図13】従来の携帯情報端末機(特許文献2に記載)であり、(A)が第2筐体(表示側筐体)を開いた状態の平面図、(B)が第2筐体を開いた状態で時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた平面図、(C)が第2筐体を開いた状態で反時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた平面図、(D)が第2筐体を開いた状態で時計回り又は反時計回りに180°回転させて表示面を上に向けた平面図である。
【図14】従来の携帯情報端末機(特許文献3に記載)であり、(A)が第2筐体(表示側筐体)を開いた状態の平面図、(B)が第2筐体を開いた状態から時計回りに90°回転させて操作面を上に向けた平面図、(C)が図14(B)で表示面を上に向けた平面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯情報端末機
2 第1筐体
3 液晶面(表示面)
4 第2筐体
5 2軸ヒンジ(可動接合部材)
6a〜6f 磁気センサ(相対位置検出手段)
9 磁石(相対位置検出手段)
15 CPU(制御部)
11a〜11d 磁気センサにおける磁力線検出方向
12 磁石から発生する磁力線(磁界)
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能携帯情報端末機に係り、特に第1筐体と第2筐体とが開閉及び回転自在に結合されて、それらの相対位置が検出可能な折り畳み式携帯情報端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末機、特に折り畳み方式携帯電話機が急速に普及している。こうした携帯情報端末機は社会のニーズに伴って単なる通話機能のみでなく、電子メールの送受信、インターネット等のブラウザ、カメラ撮影、TV放送受信等の多機能化が進んでいる。
【0003】
こうした多機能化に伴って、携帯情報端末機の利用態様に応じてその筐体間の相対位置が、従来の折り畳み式携帯情報端末機の開閉動作とは異なって変動をする携帯情報端末機が商品化されている。例えば、カメラ撮影時に表示面を配置した筐体が回転してデジタルカメラのようになる携帯情報端末機や、カメラ撮影時に表示面を配置した筐体が開閉及び回転してデジタルビデオカメラのようになる携帯情報端末機等である。
【0004】
このような携帯情報端末機における機能変更の操作や、機能自体の操作は、従来、操作キーの組み合わせや、操作キーの長押し等の特殊且つ複雑な方法で実施されるのが一般的であった。このため、今後、携帯情報端末機の多機能化に伴って、その操作が更に複雑化し、利用者への負担が増すことが考えられる。
【0005】
こうした問題解決にあたり、例えば特許文献1では、第1筐体と第2筐体との相対回転位置関係を、筐体間の連結部に配置した相対回転位置検出部材により検出し、制御部がその相対回転位置に対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、使用する機能を変更する携帯情報端末機が開示されている。
【0006】
同様に、特許文献2や特許文献3では、第1筐体と第2筐体とが2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、開閉方向、回転方向の相対位置を、各筐体内に配置した磁石と磁気センサにより構成された相対位置検出部材により検出し、制御部がその相対位置に対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、使用する機能を変更する携帯情報端末機が開示されている。
【0007】
特許文献2に記載された携帯情報端末機について詳しく述べると、この携帯情報端末機は、図13に示すように、その相対位置検出部材が回転位置検出部材と開閉検出部材とで構成されている。このうち、回転位置検出部材は、第2筐体としての表示側筐体120内において2軸ヒンジ115の回転中心と同心上に配置された半リング状磁石119と、この半リング状磁石119の回転動作に伴う軌跡上で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線に対称となるように、且つ携帯情報端末機を開いた状態で磁力線に反応する方向が前記磁石119から発生する磁力線の向きと同一となるように、第1筐体としての操作側筐体140内に配置された磁気センサ116a、116bとで構成される。また、開閉検出部材は、表示側筐体120内においてその先端で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線からずらすように配置された磁石190と、操作側筐体140内で、且つ表示面130と操作キー141が対向するように折り畳まれたときに上記表示側筐体120の先端の磁石190と近づき対向する位置に配置された磁気センサ116fとで構成される。
【0008】
前記回転位置検出部材は、その磁気センサ116a、116bが半リング状磁石119に近づき対向することにより検出信号を発生し、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態において当該表示側筐体120の回転状態毎に、前記磁石119に近づき対向する磁気センサ116a、116bの組み合わせが異なる。このため、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態において、当該表示側筐体120の相対回転位置に対応して異なった検出信号の組み合わせを発生する。
【0009】
携帯情報端末機の制御部は、前記検出信号の組み合わせに対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態における操作側筐体140との相対回転位置に対応して使用する機能を変更する機能、例えば、携帯情報端末機の表示側筐体120を開き回転させない状態では、従来の折り畳み式携帯情報端末機と同様に縦長画面となり(図13(A))、当該表示側筐体120を開き時計回りに90°回転させた状態では、利用者がカメラ撮影、TV放送閲覧をし易いように表示面130が横長画面となり(図13(B))、当該表示側筐体120を開き反時計回りに90°回転させた状態では、利用者がこの状態でカメラ撮影、TV放送閲覧をし易いように、時計回りに回転させた状態と上下反対の横長画面となり(図13(C))、当該表示側筐体120を開き180°回転させた状態では、回転させない状態と上下反対の縦長画面となる(図13(D))等を実現している。
【0010】
次に、特許文献3に記載された携帯情報端末について詳しく述べる。この携帯情報端末機は、図14に示すように、操作側筐体140の側面にカメラ113を配置しており、その回転位置検出部材は、特許文献2に記載された携帯情報端末機の回転位置検出部材に加えて、前記半リング状磁石119の回転動作に伴う軌跡上で、且つ携帯情報端末機の幅方向の中心線上に磁気センサ116eを新たに配置して構成される。この回転位置検出部材は、携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させ、且つ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態では、前記新たに追加した磁気センサ116eのみが磁石119に近づき対向するので、特許文献2での回転状態に、携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させ、且つ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態を付け加えた状態に対応した異なる検出信号の組み合わせを発生する。
【0011】
この携帯情報端末機の制御部は、前記検出信号の組み合わせに対応してアプリケーション・プログラムを起動することにより、特許文献2での相対回転位置関係と、当該携帯情報端末機の表示側筐体120を90°開閉させて時計回り又は反時計回りに90°回転させた位置関係とにそれぞれ対応して、使用する機能を変更する機能を有する。例えば、当該制御部は、特許文献2と同様に、携帯情報端末機の表示側筐体120を開いた状態においては両筐体120、140の相対回転位置に対応して画面表示を変更する機能を実現し、更に表示側筐体120を90°開閉させ時計回り又は反時計回りに90°回転させた状態では、利用者が操作側筐体140のカメラ113で、あたかもデジタルビデオカメラを使用して対象物を撮影しているかのように表示面130が横画面となり、またその撮影した画像を自動に記録部に記録する機能等を実現している。
【特許文献1】特開2003−8695号公報
【特許文献2】特開2003−174495号公報
【特許文献3】特開2003−244293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の携帯情報端末機では筐体間が回転する携帯情報端末機についてのみ記載されており、回転及び開閉自在の携帯情報端末機については記載されていない。
【0013】
そこで、特許文献1の携帯情報端末機と従来の折り畳み式携帯情報端末機の筐体間の相対開閉位置検出手段とを組み合わせて、第1筐体と第2筐体が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置がある所定の開閉角度の時に、筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機、例えば筐体間が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置が0°のときには、筐体の回転に連動して画面表示方向を変更し、相対開閉位置が90°の角度のときには、筐体を回転させても利用者が見やすいように画面表示方向を変更しない携帯情報端末機を実現した場合、この携帯情報端末機は多機能化、形状変更により部品点数が多くなり、当該携帯情報端末機が大型化するという問題がある。その理由は、相対開閉位置検出手段であるセンサと当該センサが反応する部材とを筐体内、例えば2軸ヒンジの開閉軸等に、相対回転位置検出手段とは別に用意する必要があるためである。
【0014】
また、上述のように、特許文献1の携帯情報端末機と従来の折り畳み式携帯情報端末機の筐体間の相対開閉位置検出手段とを組み合わせて、第1筐体と第2筐体が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、筐体間の相対開閉位置がある所定の開閉角度の時に、筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機を実現した場合、制御部(CPU)への負荷が増加するという問題がある。その理由は、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときにおいても、上記携帯情報端末機は、常に、筐体間の相対回転位置を検出し、検出信号が出力されている。これに伴い、制御部(CPU)は相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを、利用者には変更しているように見えないが、実際にはその都度変更しているためである。
【0015】
更に、特許文献2や特許文献3の携帯情報端末機を発展させた、より優れた携帯情報端末機の実現が嘱望されている。つまり、携帯情報端末機の利用の態様に応じて、利用者が使いやすいように、当該携帯情報端末機の筐体の相対位置を変更し、更に、筐体間の相対位置に対応して使用する機能を変更する携帯情報端末機に関し、表示面を配置した第2筐体としての表示側筐体と、操作キー及びカメラをその表面又は裏面に別々に配置した第1筐体としての操作側筐体とが2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体の開閉位置を考慮して筐体間の相対位置を検出し、その検出状態により使用する機能、特に表示画面の方向等を切り替える携帯情報端末機の実現が要請されている。
【0016】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、多機能化が進んだ場合であっても、部品点数を増大させることなく小型化を実現できる携帯情報端末機を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、多機能化が進んだ場合であっても、筐体を回転させるという簡単な操作で、使用する機能の変更を実現できる携帯情報端末機を提供することにある。
【0018】
本発明の更に他の目的は、制御部が筐体間の相対回転位置に対応して使用する機能を変更する機能を有する場合であっても、この制御部への負荷を軽減できる携帯情報端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1に記載の発明は、操作部を配置した第1の筐体と、表示部を配置した第2の筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサが配置された前記筐体の回転動作に伴う前記磁気センサの回転軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項2に記載の発明は、操作部を配置した第1の筐体と、表示部を配置した第2の筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられ、更に、前記相対位置検出手段が発生する前記第1筐体と前記第2筐体間の相対位置に対応した検出信号の組み合わせに対応して、起動するアプリケーション・プログラムを変更して使用する機能を変更する制御部を有することを特徴とするものである。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記磁力発生源は、その中心が可動接合部材の回転軸と同一位置となるように配置された半リング形状の磁石であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記磁気センサは、可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上で、当該磁気センサを配置した筐体の幅方向の中心線に対して対称となる位置に配置されたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の磁気センサは、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、発生する検出信号の組合せを変更せず同一とするよう構成されたことを特徴とするものである。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記第1筐体が操作キー及びカメラを備えた操作側筐体であり、前記第2筐体が表示面を備えた表示側筐体であり、前記可動接合部材が、前記操作側筐体と前記表示側筐体とを開閉及び回転自在に結合する2軸ヒンジであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1乃至6に記載の発明によれば、第1筐体又は第2筐体の厚さ方向に対向して配置される磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことから、第2筐体を開いて回転させた場合と閉じて回転させた場合とで、複数の磁気センサが発生する検出信号の組合せが異なる。このため、第1筐体と第2筐体間の開閉状態を考慮しつつ、これらの筐体の回転状態を検出できる。
【0026】
請求項1乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合され、これらの第1筐体と第2筐体とが所定範囲の開閉角度のときに、これら第1筐体と第2筐体との相対回転位置が検出できるので、相対回転位置検出手段とは別に相対開閉位置検出手段を設ける必要がない。このため、第1筐体と第2筐体間の相対回転位置及び相対開閉位置を検出できると共に、携帯情報端末機を小型化できる。
【0027】
請求項2乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体が所定範囲の開閉角度にあるときにのみ、相対位置検出手段がこれらの第1筐体と第2筐体間の相対回転位置を検出し、この検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムが制御部に設定されているので、前記相対回転位置に応じたアプリケーション・プログラムが起動する。このため、携帯情報端末機の利用者が、複雑な操作を実施しなくても、第1筐体と第2筐体がある特定の開閉状態にあるときに、これらの筐体を相対的に回転させるという簡単な動作で、携帯情報端末機の操作や使用する機能の切替えを実施できる。
【0028】
請求項2乃至6に記載の発明によれば、第1筐体と第2筐体が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、複数の磁気センサが検出信号の組合せを変更しないので、このとき制御部は、筐体間の相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更しない。この結果、制御部の負荷を軽減できる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、操作キー及びカメラを備えた操作側筐体と、表示面を備えた表示側筐体とが、2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体間の開閉位置を考慮した筐体間の相対回転位置により、使用する機能を切り替えて変更できる携帯情報端末機を実現できる。これは、操作側筐体と表示側筐体とがある特定の開閉状態にあるときにのみ、相対位置検出手段が操作側筐体と表示側筐体間の相対回転位置を検出し、その検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムが制御部に設定されているので、前記筐体間の相対位置に応じてアプリケーション・プログラムが起動するためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る携帯情報端末機の一実施形態であり、特にその筐体間の相対位置検出手段の構成を透視して示す平面図である。
【0032】
図1において、携帯情報端末機1は、操作キー21(図9(A))を配置した第1筐体(操作側筐体)2と、表示面としての液晶面3を配置した第2筐体(表示側筐体)4とが、開閉及び回転可能な可動接合部材としての2軸ヒンジ5によって結合されている。これらの第1筐体2、第2筐体4内に、相対位置検出手段としての磁気センサ6a〜6d及び磁石9が配設されている。
【0033】
第2筐体4の内部には、2軸ヒンジ5の回転軸7を中心とした同心周回上に、磁気センサ6a、6b、6c及び6dが配置されている。これらの磁気センサは、例えばホール素子である。このうち、磁気センサ6a、6bは、前記2軸ヒンジ5の開閉軸8に直交する第2筐体4の中心軸10に対し左右対称で、上記開閉軸8に対して同一角度α、例えばα=45°の位置に配置されている。同様に、磁気センサ6c、6dは、上記開閉軸8に直交する第2筐体4の中心軸10に対し左右対称で、上記開閉軸8に対して同一角度α、例えばα=45°の位置であり、前記磁気センサ6b、6aの裏側にそれぞれ対向して配置されている。ここで、α=45°としたのは、第2筐体4を第1筐体2に対し90°相対回転させる毎に第2筐体4の液晶面3の画面を切り替えるので、この画面切り替えのタイミングが第2筐体4の回転方向の違いに依存せず同一となるからである。また、上記αはα=30°又はα=60°等であってもよい。
【0034】
更に、第2筐体4の表面側に配置された磁気センサ6a、6bは、通過する磁力線の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに検出信号を出力し、磁力線に反応してこの磁力線を検出する方向(以後磁力線検出方向と称する)が、第2筐体4の表面に対し垂直で、且つ第2筐体4の裏面へ向かう一方向に設定され、図3の如く液晶面3が下を向いているときに検出信号を発生(出力)する。また、第2筐体4の裏面側に配置された磁気センサ6c、6dは、通過する磁束密度がある特定の値を超えたときに検出信号を出力し、前記磁力線検出方向が第2筐体4の裏面に対し垂直で、且つ第2筐体4の表面へ向かう一方向に設定され、図7の如く液晶面3が上を向いているときに検出信号を発生(出力)する。
【0035】
また、第1筐体2の内部には、その厚さ方向にN極、S極を着磁し、当該第1筐体2の平面方向に対し垂直方向に磁力線12(図2)を発生する、磁力線発生源としての磁石9が配置されている。この磁石9は、前記磁気センサ6a〜6dを配置した同心周回と同一半径の半リング形状であり、その半リング形状の中心が2軸ヒンジ5の回転軸7と同一位置となるように配置され、例えばネオジウムにて構成される。この磁石9により、第2筐体4の回転動作に伴う磁気センサ6a〜6dの回転軌跡上に磁界が発生する。
【0036】
磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4の相対位置に対応して検出信号を出力し、この磁気センサ6a〜6dの検出信号の出力状態の組み合わせに対応するアプリケーション・プログラムが、制御部としてのCPU15にあらかじめ設定されている。このCPU15は、第1筐体2又は第2筐体4の内部に配置され、本実施形態では第1筐体2内に配置されている。上記CPU15は、更に、磁気センサ6a〜6dの検出信号の出力状態の組み合わせに対応して起動する上記アプリケーション・プログラムを変更し、携帯情報端末機1の使用する機能を変更する。
【0037】
次に、図1及び図2を用い、前記磁気センサ6a〜6dの配置位置等について詳細に説明する。この図2は、図1に示す携帯情報端末機1において特に相対位置検出手段の構成を示す図1のII矢視断面図である。
【0038】
第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6aと6d、磁気センサ6bと6cは、互いが検出する磁力線検出方向が、前述の如く反対方向となるように設けられる。つまり、図2において、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6a、6dは、それぞれの磁力線検出方向11a、11dが第2筐体4の平面(表面、裏面)方向に対し垂直で、且つ上下反対を向くように配置される。同様に、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6b、6cも、それぞれの磁力線検出方向11b、11cが第2筐体4の平面(表面、裏面)方向に垂直で、且つ上下反対を向くように配置される。
【0039】
上記磁石9が磁気センサ6a〜6dに近づいた場合、磁石9から発生する磁力線が磁気センサ6a〜6dを通過し、その磁力線のうち磁気センサ6a〜6dの磁力線検出方向成分の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに、磁気センサ6a〜6dは検出信号を発生する。
【0040】
即ち、第1筐体2と第2筐体4の相対回転動作に伴い、第2筐体の同一平面内に配置された磁気センサ6aと6b、もしくは磁気センサ6cと6dは磁石9に近づく組み合わせが変化する。このとき、磁石9からの磁力線の向きと磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向とが同一となった磁気センサ6a〜6dのみが検出信号を発生する。また、第2筐体4の厚さ方向に対向して配置された磁気センサ6aと6d、もしくは磁気センサ6bと6cは、互いの磁力線検出方向が反対方向を向くように配置されているので、携帯情報端末機1の第2筐体4を開いて回転させた場合と、第2筐体4を閉じて回転させた場合とで、検出信号を発生する磁気センサ6a〜6dの組み合わせが異なる。
【0041】
第1筐体2と第2筐体4の開閉動作に伴い、磁気センサ6a〜6dが磁石9から離れるときには、磁気センサ6a〜6dが検出する磁石9からの磁力線12の磁束密度が疎になる(磁力線が弱くなる)とともに、磁気センサ6a〜6dが磁石9から発生する磁力線の向きに対して傾くので、磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向成分が小さくなる方向に変化する(図8(C))。このため、磁気センサ6a〜6dはある所定範囲の開閉角度(後述の検出限界開閉角度以下の開閉角度)のときのみ検出信号を発生する。
【0042】
このように、磁石9から発生する磁力線のうち磁気センサ6a〜6dの磁力線検出方向成分の密度(磁束密度)がある特定の値を超えたときに、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生することを利用して、磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置及び開閉状態を検出する。
【0043】
前記制御部15は、前述のように、磁気センサ6a〜6dが発生する検出信号の組み合わせに対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更し、使用する機能を第1筐体2と第2筐体4の相対位置に対応して変更する。上記磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4とが、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときには、後述の如く検出信号の組み合わせを変更せず同一となるよう構成される。
【0044】
尚、図1の2軸ヒンジ5は当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0045】
次に、携帯情報端末機1における相対位置検出手段(磁気センサ6a〜d及び磁石9)の動作、及び使用する機能の切り替え動作を図3〜図8、図11及び図12を用いて説明する。
【0046】
図3で携帯情報端末機1は、液晶面3が下を向き、第1筐体2と第2筐体4とが互いに重なった相対位置となり、従来の折り畳み式携帯情報端末機を折り畳んだ状態と同様である(以後、この状態を第1状態とする)。
【0047】
この第1状態においては、磁石9が磁気センサ6a、6bに近づき、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6a、6bを通過し、磁力線12の方向が磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと同一であることから、当該磁気センサ6a、6bは、自己を通過する磁束密度が当該磁気センサ6a、6bが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、それぞれ検出信号を出力する。また、この第1状態では、前記磁力線12の向きは、磁気センサ6c、6dにおける磁力線検出方向11c、11dと反対方向を向くので、この磁気センサ6c、6dは検出信号を出力しない。
【0048】
次に、第2筐体4を図3に示す上記第1状態から、2軸ヒンジ5の開閉軸8を支点として180°開き、図4に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、従来の折り畳み式携帯情報端末機を開いた状態と同様となる(以後、この状態を第2状態とする)。
【0049】
この第2状態においては、磁石9が磁気センサ6a〜6dから離れ、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6a〜6dを通過しないことから、当該磁気センサ6a〜6dは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えることがないので、全て検出信号を出力しない。
【0050】
次に、第2筐体4を図4に示す上記第2状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点して時計回りに90°回転し、図5に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4とは互いに時計方向へ90°の角度をなす相対回転位置になる(以後、この状態を第3状態とする)。
【0051】
この第3状態においては、磁石9が磁気センサ6cに近づき、磁力線12が磁気センサ6cを通過し、磁力線12の方向が磁気センサ6cにおける磁力線検出方向11cと同一となることから、当該磁気センサ6cは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6cが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、検出信号を出力する。また、この第3状態では、前記磁力線12の向きが、磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。更に、磁石9が磁気センサ6dから離れ、磁石9より発生する磁力線12が上記磁気センサ6dを通過しないことから、当該磁気センサ6dは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えないので、検出信号を出力しない。
【0052】
次に、第2筐体4を図4に示す第2状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点して反時計回りに90°回転し、図6に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4は互いに反時計回り方向に90°の角度をなす相対回転位置になる(以後、この状態を第4状態とする)。
【0053】
この第4状態においては、磁石9が磁気センサ6dに近づき、磁力線12が磁気センサ6dを通過し、この磁力線12の方向が磁気センサ6dにおける磁力線検出方向11dと同一になることから、当該磁気センサ6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、検出信号を出力する。また、この第4状態では、上記磁力線12の向きが磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。更に、磁石9が磁気センサ6cから離れ、磁石9より発生する磁力線12が上記磁気センサ6cを通過しないことから、当該磁気センサ6cは、自己を通過する磁束密度が検出信号を発生するある特定の値を超えないので、検出信号を出力しない。
【0054】
次に、第2筐体4を図5に示す第3状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点にして時計回りに90°、又は第2筐体4を図6に示す第4状態から、2軸ヒンジ5の回転軸7を支点にして反時計回りに90°更に回転して図7に示す状態とする。このとき、携帯情報端末機1は、液晶面3が上を向き、第1筐体2と第2筐体4とが互いに重なった相対回転位置となる(以後、この状態を第5状態とする)。
【0055】
この第5状態において、磁石9が磁気センサ6c、6dに近づき、磁石9より発生する磁力線12が磁気センサ6c、6dを通過し、その磁力線12の方向が磁気センサ6c、6dにおける磁力線検出方向11c、11dと同一となることから、当該磁気センサ6c、6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6c、6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることになるので、それぞれ検出信号を出力する。また、この第5状態では、前記磁力線12の向きが磁気センサ6a、6bにおける磁力線検出方向11a、11bと反対方向を向くので、当該磁気センサ6a、6bは検出信号を出力しない。
【0056】
以下同様に考え、第2筐体4を第1状態から時計回りに90°回転させた状態を第6状態、第2筐体4を第1状態から反時計回りに90°回転させた状態を第7状態(図10(E))、第2筐体4を第6状態から更に時計回りに90°回転、又は第2筐体4を第7状態から更に反時計回りに90°回転させた状態を第8状態(図9(C))、第2筐体4を第1状態から90°付近に開閉し、更に任意の角度に回転させた状態を第9状態(図8、図10(G)、図10(H))とした時に、各状態における磁気センサ6a〜6dがそれぞれ発生(出力)する検出信号の出力状況は、図11に示すとおりである。この検出信号の出力状況は、第1状態から第7状態においては、磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせが異なっており、また、第2状態と第8状態と第9状態においては、磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせが同様となっている。
【0057】
ここで、第1筐体2と第2筐体4間の回転動作に伴う、ある状態から他の状態への変更途中における磁気センサ6a〜6dからの検出信号について述べる。当該携帯情報端末機1においては、磁石9が磁気センサ6a〜6dのうちのどれかに近づきもしくは離れ、磁石9からの磁力線12が、磁気センサ6a〜6dのうちのどれかを通過しもしくは通過しないことにより、いずれの磁気センサ6a〜6d検出信号を出力しもしくは出力しなくなるまで、以前の状態と同様の検出信号を出力する。
【0058】
特に、図8に示す第9状態について述べると、第2筐体4のどの回転角度においても、磁石9が磁気センサ6a〜6dから離れ、この磁石9から発生する磁力線12は磁気センサ6a〜6dを通過しない。このことから、磁気センサ6a〜6dは、自己を通過する磁束密度が、当該磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生するある特定の値を超えることにならないので、全て検出信号を出力せず、第2状態及び第8状態の磁気センサ6a〜6dからの検出信号の組み合わせと同様になる。
【0059】
この第9状態では、両筐体2、4間の開閉角度が変化して、この開閉角度の変化に伴い変化する磁気センサ6a〜6dを通過する磁力線12の、当該磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向11a〜11d成分の磁束密度12Aが、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生するある特定の値となる開閉角度(以後検出限界開閉角度とする)まで、当該検出信号を出力し続ける(図8(C))。両筐体2、4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度を超えて、磁気センサ6a〜6dを通過する磁力線12の、当該磁気センサ6a〜6dにおける磁力線検出方向11a〜11d成分の磁束密度12Aが、磁気センサ6a〜6dが検出信号を発生する上記特定の値よりも低くなると、当該磁気センサ6a〜6dは、検出信号を出力しなくなる。
【0060】
したがって、携帯情報端末機1の磁気センサ6a〜6dは、第1筐体2と第2筐体4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度より小さい場合には、これらの筐体2、4間の相対回転位置の変化に対応して検出信号の組み合わせを変化する状態となり、また、第1筐体2と第2筐体4間の開閉角度が上記検出限界開閉角度より大きい場合には、これらの筐体2、4間の相対回転位置が変化しても、検出信号の組み合わせを変化しない状態となる。
【0061】
これらの検出信号を基に、前記CPU15は、第1筐体2と第2筐体4間の相対位置を図11に示すような位置検出状態A〜Gとして識別する。このCPU15には、上記位置検出状態A〜Gのそれぞれに対応するアプリケーション・プログラム、例えば図12に示すように、表示面としての液晶面3における画面表示方向変更機能等が記憶されているので、携帯情報端末機1は、そのCPU15による位置検出状態A〜G、即ち第1筐体2と第2筐体4間の相対位置に対応して使用する機能を変更することができる。
【0062】
尚、第1筐体2と第2筐体4間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態、例えば、図11に示すように、CPU15が同一の位置検出状態Bとして識別する第2状態、第8状態及び第9状態にあるときには、磁気センサ6a〜6dは、検出信号の組合せを変更せずに同一とし続け、この場合には全ての磁気センサ6a〜6dから検出信号が発生していない状態となる。
【0063】
上述のように、携帯情報端末機1が、第1筐体2と第2筐体4間の相対位置に対応して使用する機能を変更する例を、図9及び図10に基づいて更に説明する。
【0064】
つまり、携帯情報端末機1は、図9(A)及び図9(B)に示すように、第2筐体4を開いて回転させない状態(図4の第2状態と同様)では、利用者が第1筐体2の表面又は裏面に配置したカメラ13により、従来の折り畳み式携帯情報端末機と同様に対象物を縦長画面で撮影でき、また、図9(C)に示すように、第2筐体4を閉じて180°回転させ、第1筐体2の上記カメラ13及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(状態8と同様)では、利用者が上記カメラ13により自分を縦長画面で撮影でき、また、図10(D)に示すように、第2筐体4を開いて時計回りに90°回転させ、第1筐体2の操作キー21及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(図5の第3状態と同様)では、利用者が第1筐体2の上記カメラ13により対象物を横長画面で撮影でき、またTV放送閲覧がし易いように横長画面となり、また、図10(E)に示すように、第2筐体4を閉じて反時計回りに90°回転させ、第1筐体2の上記カメラ13及び第2筐体4の液晶面3を利用者側に向けた状態(状態7と同様)では、利用者が第1筐体2の上記カメラ13により、自分を横長画面(時計回りに90°回転状態と同方向を向いた横画面)で撮影でき、また、図10(F)に示すように、第2筐体4を開いて180°回転させた状態(図7の第5状態と同様)では、第2筐体4を開いて回転させない状態と上下反対の縦長画面となり、また逆に、図10(G)及び図10(H)に示すように、第2筐体4をある所定の角度、例えば90°開いた状態(図8の第9状態と同様)では、第2筐体4の回転位置を検出せず、利用者が机上に携帯情報端末機1を置いて使用し易いように、第2筐体4がどの回転角度においても、当該第2筐体4を180°開き回転させない状態と同様の縦長画面とすることができる。
【0065】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば次の効果を奏する。
【0066】
(1)第1筐体2又は第2筐体4の厚さ方向に対向して配置される磁気センサ6a〜6dは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことから、第2筐体4を開いて回転させた場合と閉じて回転させた場合とで、複数の磁気センサ6a〜6dが発生する検出信号の組合せが異なる。このため、第1筐体2と第2筐体4間の開閉状態を考慮しつつ、これらの筐体2、4の回転状態を検出できる。
【0067】
(2)第1筐体2と第2筐体4とが2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合され、相対位置検出手段(磁気センサ6a〜6d、磁石9)により、第1筐体2と第2筐体4とが所定範囲の開閉角度のときに、これら第1筐体2と第2筐体4の相対回転位置を検出できるので、相対回転位置検出手段とは別に相対開閉位置検出手段を設ける必要がない。このため、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置及び相対開閉位置を検出できると共に、携帯情報端末機1を小型化できる。
【0068】
(3)第1筐体2と第2筐体4が所定範囲の開閉角度(検出限界開閉角度以下の開閉角度)にあるときにのみ、相対位置検出手段(磁気センサ6a〜6d、磁石9)がこれらの第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置を検出し、この検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムがCPU15に設定されているので、上記相対回転位置に応じたアプリケーション・プログラムが起動する。このため、携帯情報端末機1の利用者が、複雑な操作を実施しなくても、第1筐体2と第2筐体4が上記所定範囲の開閉角度にあるときに、これらの筐体2、4を相対的に回転させるという簡単な動作で、携帯情報端末機1の操作や使用する機能の切替えを実施できる。
【0069】
(4)第1筐体2と第2筐体4が、使用する機能の変更を行わない開閉状態(例えば位置検出状態B)にあるときに、複数の磁気センサ6a〜6dが検出信号の組合せを変更しないので、このときCPU15は、第1筐体2と第2筐体4間の相対回転位置に対応して起動するアプリケーション・プログラムを変更せず、同一のアプリケーション・プログラムを維持する。この結果、CPU15の負荷を軽減できる。
【0070】
(5)操作キー21及びカメラ13を備えた第1筐体2としての操作側筐体と、液晶面3を備えた第2筐体4としての表示側筐体とが、2軸ヒンジ5により開閉及び回転自在に結合され、これらの筐体2、4間の開閉位置を考慮した筐体2、4間の相対回転位置により、使用する機能を切り替えて変更できる携帯情報端末機1を実現できる。これは、操作側筐体(第1筐体2)と表示側筐体(第2筐体4)とがある特定の開閉状態(検出限界開閉角度以下の開閉角度状態)にあるときにのみ、相対位置検出手段としての磁気センサ6a〜6d及び磁石9が操作側筐体(第1筐体2)と表示側筐体(第2筐体4)間の相対回転位置を検出し、その検出状態に対応して起動するアプリケーション・プログラムがCPU15に設定されているので、上記筐体2、4間の相対位置に応じてアプリケーション・プログラムが起動するためである。
【0071】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、第1筐体2に磁石を、第2筐体4に磁気センサ6a〜6dをそれぞれ配置するものを述べたが、第1筐体2に磁気センサ6a〜6dを、第2筐体4に磁石をそれぞれ配置するものであってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、図1に示すように、磁石9が半リング形状に形成されていたが、例えば上記半リング形状の磁石9と同幅の複数の平面板状磁石を、その中心を2軸ヒンジ5の回転軸7と同一位置にし、その半径を、磁気センサ6a〜6dが配置された同心周回と同一の同心周回上に並べて配置したり、また、磁気センサ6a〜6dの回転動作に伴う周回軌跡を全て含むような大きさの1枚の平面板状磁石を配置したりする等、上記磁気センサ6a〜6dの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させる磁力発生源であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の活用例として、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯情報端末機であって、筐体間が2軸ヒンジにより開閉及び回転自在に連結され、電子メール送受信、インターネット等のブラウザ、カメラ撮影、TV放送受信等多様な機能をもつ携帯情報端末機である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る携帯情報端末機の一実施形態であり、特にその筐体間の相対位置検出手段の構成を透視して示す平面図である。
【図2】図1の携帯情報端末機において特に相対位置検出手段の構成を示す図1のII矢視断面図である。
【図3】図1の携帯情報端末機において、液晶面を下にし、この液晶面側の第2筐体を折り畳んだ状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図3(A)のIII矢視断面図である。
【図4】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開いた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図4(A)のIV矢視断面図である。
【図5】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開き、更に時計回りに90°回転させた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図5(A)のV矢視断面図である。
【図6】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を開き、更に反時計回りに90°回転させた状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図6(A)のVI矢視断面図である。
【図7】図1の携帯情報端末機において、液晶面を上にし、この液晶面側の第2筐体を折り畳んだ状態を示し、(A)が2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図7(A)のVII矢視断面図である。
【図8】図1の携帯情報端末機において、液晶面側の第2筐体の開閉途中を示し、(A)が開閉角度略90度での2軸ヒンジ付近の透視平面図、(B)が図8(A)のVIII矢視断面図、(C)が開閉角度を図8(A)に比べ狭くした場合の図8(B)に対応する断面図である。
【図9】図1の携帯情報端末機が適用された携帯情報端末機の図であり、(A)が第2筐体を開いた状態の透視平面図、(B)が図9(A)の2軸ヒンジ部を拡大した図9(A)のIX矢視断面図、(C)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を閉じた状態で180°回転させて表示面を上とした透視平面図である。
【図10】(D)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を開いた状態で時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(E)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を閉じた状態で反時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(F)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を開いた状態で180°回転させて表示面を上に向けた透視平面図、(G)が図9(A)の携帯情報端末機の第2筐体を90°開閉させた状態の斜視図、(H)が図9(G)の状態から第2筐体を反時計回りに90°回転(操作側筐体を時計回りに90°回転)させた状態の斜視図である。
【図11】図1に示す筐体間の相対位置に対する各磁気センサからの検出信号と、CPUによる位置検出状態を示す図表である。
【図12】図11の位置検出状態に対応する第2筐体液晶面の画面表示方向を示す図表である。
【図13】従来の携帯情報端末機(特許文献2に記載)であり、(A)が第2筐体(表示側筐体)を開いた状態の平面図、(B)が第2筐体を開いた状態で時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた平面図、(C)が第2筐体を開いた状態で反時計回りに90°回転させて表示面を上に向けた平面図、(D)が第2筐体を開いた状態で時計回り又は反時計回りに180°回転させて表示面を上に向けた平面図である。
【図14】従来の携帯情報端末機(特許文献3に記載)であり、(A)が第2筐体(表示側筐体)を開いた状態の平面図、(B)が第2筐体を開いた状態から時計回りに90°回転させて操作面を上に向けた平面図、(C)が図14(B)で表示面を上に向けた平面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯情報端末機
2 第1筐体
3 液晶面(表示面)
4 第2筐体
5 2軸ヒンジ(可動接合部材)
6a〜6f 磁気センサ(相対位置検出手段)
9 磁石(相対位置検出手段)
15 CPU(制御部)
11a〜11d 磁気センサにおける磁力線検出方向
12 磁石から発生する磁力線(磁界)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を配置した第1筐体と、表示部を配置した第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、
前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサが配置された前記筐体の回転動作に伴う前記磁気センサの回転軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、
前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことを特徴とする携帯情報端末機。
【請求項2】
操作部を配置した第1筐体と、表示部を配置した第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、
前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、
前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられ、
更に、前記相対位置検出手段が発生する前記第1筐体と前記第2筐体間の相対位置に対応した検出信号の組み合わせに対応して、起動するアプリケーション・プログラムを変更して使用する機能を変更する制御部を有することを特徴とする携帯情報端末機。
【請求項3】
前記磁力発生源は、その中心が可動接合部材の回転軸と同一位置となるように配置された半リング形状の磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末機。
【請求項4】
前記磁気センサは、可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上で、当該磁気センサを配置した筐体の幅方向の中心線に対して対称となる位置に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【請求項5】
前記複数の磁気センサは、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、発生する検出信号の組合せを変更せず同一とするよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【請求項6】
前記第1筐体が操作キー及びカメラを備えた操作側筐体であり、前記第2筐体が表示面を備えた表示側筐体であり、前記可動接合部材が、前記操作側筐体と前記表示側筐体とを開閉及び回転自在に結合する2軸ヒンジであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【請求項1】
操作部を配置した第1筐体と、表示部を配置した第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、
前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサが配置された前記筐体の回転動作に伴う前記磁気センサの回転軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、
前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられたことを特徴とする携帯情報端末機。
【請求項2】
操作部を配置した第1筐体と、表示部を配置した第2筐体とが可動接合部材により開閉及び回転自在に結合された携帯情報端末機において、
前記第1筐体と前記第2筐体の相対位置を検出する相対位置検出手段は、前記第1筐体内又は前記第2筐体内で、前記可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上に配置された複数の磁気センサと、当該磁気センサを配置した筐体とは別筐体内で、前記磁気センサの回転動作に伴う軌跡上に磁界を発生させるように配置された磁力発生源とを有して構成され、
前記第1筐体又は前記第2筐体の厚さ方向に対向して配置される前記磁気センサは、互いが検出する磁力線の方向が反対方向となるように設けられ、
更に、前記相対位置検出手段が発生する前記第1筐体と前記第2筐体間の相対位置に対応した検出信号の組み合わせに対応して、起動するアプリケーション・プログラムを変更して使用する機能を変更する制御部を有することを特徴とする携帯情報端末機。
【請求項3】
前記磁力発生源は、その中心が可動接合部材の回転軸と同一位置となるように配置された半リング形状の磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末機。
【請求項4】
前記磁気センサは、可動接合部材の回転軸を中心とした同心周回上で、当該磁気センサを配置した筐体の幅方向の中心線に対して対称となる位置に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【請求項5】
前記複数の磁気センサは、筐体間が、使用する機能の変更を行わない開閉状態にあるときに、発生する検出信号の組合せを変更せず同一とするよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【請求項6】
前記第1筐体が操作キー及びカメラを備えた操作側筐体であり、前記第2筐体が表示面を備えた表示側筐体であり、前記可動接合部材が、前記操作側筐体と前記表示側筐体とを開閉及び回転自在に結合する2軸ヒンジであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯情報端末機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−38777(P2006−38777A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222704(P2004−222704)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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