説明

携帯端末装置による情報共有システム

【課題】 携帯端末装置100を用いて、オンデマンドで必要な情報を取得できる簡便、且つ安全な情報共有システムを実現すること。
【解決手段】 サーバ装置200に対して、端末登録部111は自己の識別情報の登録を求め、共有情報登録部113は、自己のユーザ情報の登録を求め、ペアリング登録部112は、識別情報を登録された他の携帯端末装置100との間で、上記ユーザ情報の共有登録を求め、共有情報参照部114は、ユーザ情報の共有を許可された他の携帯端末装置100のユーザ情報の参照を求め、サーバ装置200に対して、端末登録部209は、携帯端末装置100を登録し、共有情報登録部211は、ユーザ情報を登録し、ペアリング登録部210は、ユーザ情報の共有許可を許可し、共有情報参照部212は、ユーザ情報の参照を認める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の携帯端末装置がサーバ装置を経由して、容易に安全に情報を共有できる携帯端末装置による情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いつでもどこでも使用できる携帯端末装置を用いて、オンデマンドで必要な情報を取得できる携帯端末装置による簡便、且つ安全な情報共有システムの実現が望まれている。一例として消費者のホームサーバ装置に消費者の所有物に関連する情報を格納し、商品購入時に参照するシステムが提案されている(特許文献1参照)。また、一般向けのオンラインストレージサービスシステムとしては、ネットワーク上に配設されるサーバ装置を介して、グループメンバ間で情報を共有できるシステム等も公知である。
【特許文献1】特開2005−63065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のシステムには、以下のような解決すべき課題が残されていた。例えば、消費者のホームサーバ装置に消費者の所有物に関連する情報を格納し、商品購入時に参照するシステムを構成したとする。かかる場合には、このような特定な用途のために機能する専用のホームサーバ装置(その消費者が管理するサーバ装置)を必要とする。また、そのホームサーバ装置を管理する消費者が、そのホームサーバ装置に自己の全ての所有物情報を予め格納しなければならない。また、オンラインストレージサービスシステムでは、ネットワーク上でのグループメンバを情報共有相手とするため、相手が本当に信頼できる相手なのか否かの判断がしにくいため、個人情報などを公開する場合に、情報の漏洩や不正利用などの脅威に巻き込まれる可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ネットワークに接続する複数の携帯端末装置の各々が、他の携帯端末装置のユーザに関連するユーザ情報を上記ネットワークに接続するサーバ装置から取得する携帯端末装置による情報共有システムであって、上記携帯端末装置は、上記サーバ装置に自己の識別情報の登録を求める第1の端末登録部と、上記サーバ装置に自己のユーザ情報の登録を求める第1の共有情報登録部と、上記サーバ装置に前記識別情報を登録された他の携帯端末装置との間で、上記ユーザ情報の共有登録を求める第1のペアリング登録部と、上記サーバ装置に上記ユーザ情報の共有を許可された他の携帯端末装置のユーザ情報の参照を求める第1の共有情報参照部とを備え、上記サーバ装置は、上記第1の端末登録部の登録要求に基づいて上記携帯端末装置を登録する第2の端末登録部と、上記第1の共有情報登録部の登録要求に基づいてユーザ情報を登録する第2の共有情報登録部と、上記第1のペアリング登録部の登録要求に基づいて上記ユーザ情報の共有許可を許可する第2のペアリング登録部と、上記第1の共有情報参照部の参照要求に基づいてユーザ情報の参照を認める第2の共有情報参照部とを備えることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
第1の共有情報参照部は、上記ユーザ情報の共有を許可された他の携帯端末装置の上記識別情報を上記ICタグから取得し、参照要求に含めてユーザ情報の参照を求めることが出来るので、ユーザは、ユーザ情報の共有を許可された情報共有相手を、互いの携帯端末装置を近接させるだけで設定できるので利便性を損なわないという効果を得る。更に、各携帯端末装置、及びサーバ装置にそれぞれ認証部をそなえているので安全にサーバ装置上で情報共有を行えるという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の携帯端末装置による情報共有システムは以下のように構成される。
【実施例】
【0007】
図1は、携帯端末装置による情報共有システムのシステム構成図である。
図に示すように、本システムは、携帯端末装置100と、サーバ装置200と、ネットワーク300により構成される。図中、携帯端末装置100は、一台のみネットワーク300に接続されているが、これは、説明上の便宜を図っているためであって、実際のシステムでは、多数台接続される。
【0008】
携帯端末装置100は、入力手段101と、表示手段102と、ID情報取得手段103と、通信手段104と、認証部105と、ID情報106と、MPU107と、ROM108と、RAM109と、記憶部110と、端末登録部111と、ペアリング登録部112と、共有情報登録部113と、共有情報参照部114と、情報共有アプリケーション取得部115とを備える移動体通信用の端末装置である。
【0009】
入力手段101は、10キーパッドなどを有し、ユーザから入力情報を受入れる機構スイッチである。表示手段102は、ユーザに携帯端末装置100内部の制御情報や、入力手段101に対する入力ガイド情報などを表示する表示画面である。ID情報取得手段103は、他の同種の携帯端末装置のID情報を取得する手段である。一例として、ここではID情報106を取得する無線タグリーダを用いる。
【0010】
通信手段104は、携帯端末装置100をネットワーク300へ通信(無線)接続し、パケット通信を行うインタフェース手段である。認証部105は、携帯端末装置のユーザが所有者本人であることを認証するための個人認証手段である。この認証方式についてはここでは規定しないが、生体認証(虹彩、指紋など)やパスワード認証などを想定している。本実施例では携帯端末装置を携帯電話に限定して説明する。
【0011】
ID情報106は、携帯端末装置100を識別可能な情報である。この情報は、装置に内臓または装着されたデバイスに格納されているものと想定しているが、その保持形態については規定しない。本実施例では、携帯電話に装着された無線タグに格納されているとして説明する。無線タグ規格の種類には、NFC、Felicaなどがある。ID情報取得手段103では、主に、(1)近距離無線通信を使用して取得する、または、(2)公衆網のデータ通信を介して取得する、の2通りを想定しているが、その規格については規定しない。(1)近距離無線通信では、無線タグで使用されるもの(NFC、Felica)、ZigBee、Bluetooth、無線LANなどが考えられる。(2)公衆網のデータ通信では、携帯電話網のパケット通信、無線LANを介したインターネット利用、または、PCと連携した形でのインターネット利用なども考えられる。本実施例では、上記のように携帯端末装置100に無線タグリーダが装着されているものとして説明する。
【0012】
MPU107は、記憶部110にインストールされている情報共有アプリケーションソフト110aを実行することによって、端末登録部111と、ペアリング登録部112と、共有情報登録部113と、共有情報参照部114と、情報共有アプリケーション取得部115とを起動・生成するマイクロプロセッシングユニットである。又、ROM108に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって装置全体を制御するマイクロプロセッシングユニットでもある。
【0013】
ROM108は、MPU107が実行することによって装置全体を制御する制御プログラム、及び制御データを予め格納するリードオンリメモリである。情報共有アプリケーション取得部115はROM108に含まれていてもよい。RAM109は、MPU107が、制御プログラムを実行する中で必要になる演算領域を提供するランダムアクセスメモリである。
【0014】
記憶部110は、その内部に情報共有アプリケーションソフト110aと、認証情報110bとを格納する不揮発性のメモリである。情報共有アプリケーションソフト110aは、MPU107が、端末登録部111と、ペアリング登録部112と、共有情報登録部113と、共有情報参照部114とを起動・生成するために実行する制御プログラムの集合であり、ユーザ操作によって、ネットワーク300を介してサーバ装置200からダウンロードされ、格納される。又、認証情報110bは、上記のように携帯端末装置の所有者本人の生体認証(虹彩、指紋など)やパスワード認証などに必要なデータである。このデータは、予めユーザによって格納される。端末登録部111とペアリング登録部112と共有情報登録部113と共有情報参照部114は情報共有アプリケーションソフト110aに含まれていてもよい。また、情報共有アプリケーション取得部115は記憶部に含まれるソフトウェアであってもよい。
【0015】
端末登録部111は、サーバ装置200に対して携帯端末装置100の登録を要求する部分である。ペアリング登録部112は、サーバ装置200に対して所定の携帯端末装置とのペアリング登録を要求する部分である。共有情報登録部113は、サーバ装置200に対して共有情報の登録を要求する部分である。共有情報参照部114は、サーバ装置200に対して共有情報の提供を要求する部分である。情報共有アプリケーション取得部115は、サーバ装置200から情報共有アプリケーションソフト207bをダウンロードし記憶部110に格納する部分である。
【0016】
サーバ装置200は、入力手段201と、表示手段202と、通信手段203と、CPU204と、ROM205と、RAM206と、記憶部207と、情報共有アプリケーション提供部208と、端末登録部209と、ペアリング登録部210と、共有情報登録部211と、共有情報参照部212と、認証部213とを備える大容量のハードディスクを有する共有情報登録・提供装置である。
【0017】
入力手段201は、キーボードスイッチなどを有し、ユーザから入力情報を受入れる機構スイッチである。表示手段202は、ユーザにサーバ装置200内部の制御情報や、入力手段201に対する入力ガイド情報などを表示するCRTなどの表示画面である。通信手段203は、サーバ装置200を所定のネットワークプロトコルに基づいてネットワーク300へ通信(無線)接続し、パケット通信を行うインタフェース手段である。
【0018】
CPU204は、記憶部207に格納されている情報共有サービスソフト207aを実行することにより、情報共有アプリケーション提供部208と、端末登録部209と、ペアリング登録部210と、共有情報登録部211と、共有情報参照部212とを起動・生成するセントラルプロセッシングユニットである。又、ROM205に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって装置全体を制御するセントラルプロセッシングユニットでもある。
【0019】
ROM205は、CPU204が実行することによって装置全体を制御する制御プログラム、及び制御データを予め格納するリードオンリメモリである。RAM206は、CPU204が、制御プログラムを実行する中で必要になる演算領域を提供するランダムアクセスメモリである。
【0020】
記憶部207は、その内部に情報共有サービスソフト207aと、情報共有アプリケーションソフト207bと、情報共有テーブル207cとを格納する不揮発性のメモリである。情報共有サービスソフト207aは、CPU204が実行することによって、情報共有アプリケーション提供部208、端末登録部209、ペアリング登録部210、共有情報登録部211、共有情報参照部212とを起動・生成する制御プログラムの集合である。情報共有アプリケーションソフト207bは、記憶部207に予め格納され、ユーザ操作によって、ネットワーク300を介してサーバ装置200からダウンロードされ、上記情報共有アプリケーションソフト110aとして記憶部110に格納される制御プログラムの集合である。記憶部207には、更に、実際にユーザの共有情報が格納される領域である情報共有テーブル207cが確保される。情報共有アプリケーション提供部208と端末登録部209とペアリング登録部210と、共有情報登録部211と、共有情報参照部212は情報共有サービスソフト207aに含まれていてもよい。
【0021】
情報共有アプリケーション提供部208は、CPU204の制御に基づいてシステム内で公開されている情報共有アプリケーションソフト207b(図1)を携帯端末装置100のユーザの要求に基づいてダウンロードさせる部分である。端末登録部209は、携帯端末装置100の端末登録部111による登録要求に基づいて情報共有テーブル207cに共有情報の登録枠を確保する部分である。ペアリング登録部210は、携帯端末装置100のペアリング登録部112によるペアリング登録要求に基づいて所定の携帯端末装置100との間でペアリング登録を実行する部分である。共有情報登録部211は、携帯端末装置100の共有情報登録部113による登録要求に基づいて共有情報を情報共有テーブル207cに登録する部分である。共有情報参照部212は、携帯端末装置100の共有情報参照部114による参照要求に基づいて情報共有テーブル207cに登録されている共有情報を提供する部分である。認証部213は、上記各種登録を求める携帯端末装置100のユーザが所有者本人であることを認証するための個人認証手段である。この認証方式についてはここでは規定しないが、生体認証(虹彩、指紋など)やパスワード認証などを想定している。この認証情報としては、上記端末登録部209が、携帯端末装置100の端末登録部111による端末登録要求時に送信されてくる認証情報の特徴値が用いられる。この認証情報の特徴値は情報共有テーブル207cに格納されている。
【0022】
ネットワーク300は、携帯端末装置100とサーバ装置200間でデータ通信を行う際の通信路を意味するが、具体的な構成については規定しない。本実施例では、携帯電話網(パケット通信)+IP通信網として説明する。
【0023】
以下に実施例の動作について説明する。まず、本情報共有サービスの用途について説明する。ユーザAとユーザBは、親族/親友などの非常に近しい間柄で、利便性向上のため、互いに相手に関する情報を参照したいと希望しているものとする。例えば、ユーザAとユーザBは兄弟であって、互いの子供にプレゼントを贈り合う機会が多く、本、おもちゃ、衣服などを贈る場合に、相手の子供の年齢や衣服のサイズなどの情報が必要になる。直接相手に電話して尋ねても良いが、プレゼントを贈る機会毎に尋ねる必要があるし、相手もその時の状況(すぐに電話に出られない等)によって即時に答えられないことも考えられる。
【0024】
また、他にも同様の間柄の相手がいる場合には、更に問合せ/応答の機会が増える。従って、2者間で簡単に情報を共有するためのサービスが期待される。情報共有に当たっては、(1)情報共有の当事者が、互いに情報共有の意志を確認しながら簡単にシステムに登録できる仕組み、及び、(2)なりすまし等により他者に情報が漏洩しないためのセキュリティ対策が必要である。本発明により、これらを解決することが可能である。
【0025】
本発明の動作は、携帯端末装置100の情報共有アプリケーションソフト110aをMPU107が実行することにより稼動する。以下に、情報共有アプリケーションソフト110aに含まれる4つの主な機能である、端末登録部111、ペアリング登録部112、共有情報登録部113、共有情報参照部114の動作について説明する。これらの機能は、すべてサーバ装置200上の情報共有サービスソフト207aと連携して動作する。但し、以下の動作説明では、サーバ装置200が、既に稼動しているものとする。
【0026】
図2は、ユーザと携帯端末装置との関連説明図である。
図に示すように、ユーザAが、ID情報−001の携帯端末装置(電話)100(図1)を、ユーザBが、ID情報−002の携帯端末装置(電話)100(図1)を、ユーザCが、ID情報−003の携帯端末装置(電話)100(図1)を、それぞれ保持しているものとして説明する。まず、各ユーザは、情報共有サービスを利用するのに先立って、同サービス上で公開されている情報共有アプリケーションソフト207b(図1)をサーバ装置200(図1)からダウンロードし、携帯端末装置(電話)100の記憶部110(図1)に情報共有アプリケーションソフト110aとして格納する。情報共有アプリケーションソフト110aは、予め携帯端末装置(電話)100の認証部105(図1)と連携して動作することになっているものとする。
【0027】
以下にユーザAが保持するID情報−001の携帯端末装置(電話)100(図1)をサーバ装置200に登録する動作について説明する。
図3は、端末登録シーケンスである。
図のステップS1−1からステップS1−5までステップ順にID情報−001の携帯端末装置(電話)100(図1)をサーバ装置200に登録する動作について説明する。
【0028】
ステップS1−1
ユーザAの操作によって、MPU107(図1)が、情報共有アプリケーションソフト110a(図1)を実行し、端末登録部111(図1)が起動する。
【0029】
ステップS1−2
認証部105(図1)が動作を開始し、認証手段(虹彩認証など)と認証情報(ユーザAの虹彩情報など)を使用して本人認証が行われる。本人認証に成功すると次へ進む。ここで本人認証に失敗した場合には以下のシーケンスは中止される。
【0030】
ステップS1−3
ユーザが入力手段101(図1)を操作してユーザ名を入力すると、ID情報−001、ユーザ名A、及び認証情報の特徴値(ハッシュ値等)が通信手段104(図1)からネットワーク300(図1)を介してサーバ装置200(図1)に送られる。
【0031】
ステップS1−4
サーバ装置200(図1)では、端末登録部209(図1)が、通信手段203を介してID情報−001、ユーザ名A、及び認証情報の特徴値(ハッシュ値等)を受入れてID情報−001をキーとする領域を新たに情報共有テーブル207c(図1)に確保して、ユーザ名Aと認証情報の特徴値を保存する。
【0032】
ステップS1−5
登録が完了すると登録完了通知OKが、登録に失敗すると登録失敗通知NGが、通信手段203からネットワーク300を介して携帯端末装置100(ユーザA)へ送信される。この通知は、表示手段102(図1)に表示されシーケンスを終了する。
【0033】
尚、携帯端末装置100(ユーザA)/サーバ装置200間で認証情報や個人情報などの秘密情報を通信する際には、通信路を暗号化してセキュリティを高めるものとする(以下同様)。
【0034】
次にペアリング登録の処理を示す。本発明におけるペアリングとは、本情報共有サービスにより、2つの携帯電話間で情報共有を可能にすることを意味する。また、ペアリング登録とは、ペアリングしたことをサーバ装置へ登録することを意味する。
【0035】
ここでは、既に、ユーザAが保持するID情報−001の携帯電話(図2)とユーザBが保持するID情報−002の携帯電話(図2)が既にペアリング登録されている状態から、新たに、ユーザAが保持するID情報−001の携帯電話(図2)とユーザCが保持するID情報−003の携帯電話(図2)をペアリング登録することを想定して説明する。
【0036】
図4は、ペアリング登録前の情報共有テーブルである。
この図は、ユーザAが保持するID情報−001の携帯電話(図2)とユーザBが保持するID情報−002の携帯端末電話(図2)がペアリング登録されている場合における、サーバ装置上での情報共有テーブルの内容を示している。ユーザAの携帯電話とユーザBの携帯電話がペアリング登録されているばかりでなく、ユーザAのユーザB向けの共有情報(タイトル「基本情報」、登録日時「06/3/20、11:11」、共有情報「ユーザAの基本情報[住所、最寄り駅、勤務先]」)が既に登録されている。また、ユーザCの携帯電話(図2)の電話登録は既に完了している。この状態から、ユーザAがユーザCとペアリング登録する方法を説明する。尚、情報共有テーブルには、各携帯電話の登録時に認証情報の特徴値が格納されている。
【0037】
図5は、ペアリング登録シーケンスである。
図のステップS2−1(A)、及びステップS2−1(B)〜ステップS2−4(A)、及びステップS2−4(B)までステップ順にペアリング登録の動作について説明する。
【0038】
ステップS2−1(A)、及び並行して動作するステップS2−1(C)
今、ユーザAがID情報−001の携帯電話を、ユーザCがID情報−003の携帯電話をそれぞれ保有しているとする。まず、ユーザA、及びユーザCの操作によって、それぞれのMPU107(図1)が、それぞれの情報共有アプリケーションソフト110a(図1)を実行し、それぞれのペアリング登録部112(図1)が起動する。
【0039】
ステップS2−2(A)、及び並行して動作するステップS2−2(C)
認証部105(図1)により本人認証が求められる。ユーザA、ユーザCは、各々の携帯電話において、本人認証を実施する。両者ともに本人認証に成功すると、ペアリング実施可能になる。いずれかが本人認証に失敗するとペアリング不可になる。本実施例では、ペアリング登録は、双方の携帯電話に装着された無線タグ内のID情報を他方の無線タグリーダで読み出し、各々、他方のID情報をサーバ装置200に登録することにより実施される。例えば、ユーザAの携帯電話は、無線タグリーダ機能でユーザCの携帯電話の無線タグ内のID情報−003を読み出し、それを、ユーザAの携帯電話のID情報−001、ユーザAの認証情報の特徴値、と共にサーバ装置へ送る。同様に、ユーザCの携帯電話は、無線タグリーダ機能でユーザAの携帯電話の無線タグ内のID情報−001を読み出し、それを、ユーザCの携帯電話のID情報−003、ユーザCの認証情報の特徴値とともにサーバ装置へ送る。
【0040】
ステップS2−3(A)、及び並行して動作するステップS2−3(C)
サーバ装置200の認証部213(図1)は、ユーザAの認証情報の特徴値と照合して認証し、ペアリング登録部210(図1)がID情報−001をキーとする領域で、ユーザCの携帯電話のID情報−003及びユーザ名Cを登録する。同様にサーバ装置200の認証部213は、ユーザCの認証情報の特徴値と照合して認証し、ペアリング登録部210(図1)がID情報−003をキーとする領域で、ユーザAの携帯電話のID情報−001及びユーザ名Aを登録する。
【0041】
ステップS2−4(A)、及び並行して動作するステップS2−4(C)
ペアリング登録が完了すると登録完了通知OKが、ペアリング登録に失敗すると登録失敗通知NGが、通信手段203(図1)からネットワーク300を介してユーザAの携帯電話へ送信される。この通知は、表示手段102(図1)に表示されシーケンスを終了する。同様に、ペアリング登録が完了すると登録完了通知OKが、ペアリング登録に失敗すると登録失敗通知NGが、通信手段203(図1)からネットワーク300を介してユーザCの携帯電話へ送信される。この通知は、表示手段102(図1)に表示されシーケンスを終了する。
【0042】
図6は、ペアリング登録後の情報共有テーブルである。
この図は、ユーザAの携帯電話とユーザCの携帯電話のペアリング登録完了後の情報共有テーブルを示す。ID情報−001をキーとする領域とID情報−003をキーとする領域の各々において、互いのペアリング相手の領域が確保されている。
【0043】
次に、共有情報登録の処理を示す。ここで、共有情報登録とは、携帯電話が本情報共有サービスに情報を登録して、他の携帯電話に公開することを意味する。
図7は、共有情報登録前の情報共有テーブルである。
この図は、情報共有登録前の、サーバ装置上の情報共有テーブルの状態を示す。ID情報−001をキーとする領域では、既に、ユーザB向け及びユーザC向けに共有情報(タイトル「基本情報」、登録日時「06/3/20、11:11」、共有情報「ユーザAの基本情報[住所、最寄り駅、勤務先]」)が登録されている。この状態から、ユーザAがユーザB向けに共有情報(タイトル「家族情報」、ユーザAの家族情報[家族の名前、性別、年齢、衣服サイズ]」)を登録する方法について説明する。
【0044】
図8は、共有情報登録シーケンスである。
ステップS3−1〜ステップS3−9までステップ順に共有情報登録の動作について説明する。
ステップS3−1
ユーザAの携帯電話のMPU107(図1)が、情報共有アプリケーションソフト110a(図1)を実行し、共有情報登録部113(図1)を起動する。
【0045】
ステップS3−2
認証部105(図1)によって本人認証が求められる。ユーザAは、携帯電話において、本人認証を実施する。本人認証に成功すると、共有情報登録部113(図1)は、まず、サーバ装置200に、ID情報−001とユーザAの認証情報の特徴値を送る。
【0046】
ステップS3−3
サーバ装置200で認証部213(図1)が認証を行なう。サーバ装置200での認証に成功すると、サーバ装置200の共有情報登録部211(図1)からユーザAの携帯電話に、予めペアリング登録された共有相手のリストが送られる。
【0047】
ステップS3−4
共有情報登録部113(図1)は、携帯電話の表示手段102(図1)に情報共有相手選択画面を表示する。情報共有テーブル(図7)では、現在、ユーザAのペアリング相手として、ユーザBとユーザCが登録されているので、情報共有相手選択画面では、ユーザBとユーザCが表示される。
【0048】
ステップS3−5
本画面において、まず、ユーザAに対して情報共有相手の選択が求められる。情報共有相手は複数選択することも可能だが、ここではユーザBが選択されたと仮定する。
【0049】
ステップS3−6
次に、共有情報登録部113(図1)は、携帯電話の表示手段102(図1)に情報登録画面を表示する。
【0050】
ステップS3−7
ユーザAが入力手段101(図1)と表示手段102(図1)を用いて情報登録画面上で、共有したい情報、タイトルを入力する。ここでは、共有情報(タイトル「家族情報」、共有情報「ユーザAの家族情報[家族の名前、性別、年齢、衣服サイズ]」)を入力する。すると、共有情報登録部113(図1)は、通信手段104を介してサーバ装置に、ID情報−001、共有相手B、共有情報(タイトル「家族情報」、共有情報「ユーザAの家族情報[家族の名前、性別、年齢、衣服サイズ]」)を送信する。
【0051】
ステップS3−8
サーバ装置200では、共有情報登録部211(図1)がID情報−001をキーとする領域の中の、共有相手Bの領域に受信した共有情報を登録する。この時、共有情報には登録日時が付与される。
【0052】
ステップS3−9
登録が完了すると登録完了通知OKが、登録に失敗すると登録失敗通知NGが、通信手段203からネットワーク300を介して携帯端末装置100(ユーザA)へ送信される。この通知は、表示手段102(図1)に表示されシーケンスを終了する。
【0053】
図9は、共有情報登録後、及び、参照時の情報共有テーブルである。
上記シーケンスが終了すると図に示すように、サーバ装置200の情報共有テーブル207cに、共有情報(タイトル「家族情報」、共有情報「ユーザAの家族情報[家族の名前、性別、年齢、衣服サイズ]」)が格納される。
【0054】
次に、共有情報参照の処理をしめす。共有情報参照とは、携帯電話が本情報共有サービスに登録されている他の携帯電話から情報を参照することを意味する。ここでは、図9の情報共有テーブルの状態において、ユーザBが、ユーザAの家族情報を参照する方法について説明する。
【0055】
図10は、共有情報参照シーケンスである。
ステップS4−1〜ステップS4−9までステップ順に共有情報参照の動作について説明する。
ステップS4−1
MPU107(図1)が、情報共有アプリケーションソフト110a(図1)を実行し、共有情報参照部114(図1)を起動する。
【0056】
ステップS4−2
認証部105(図1)により本人認証が求められる。ユーザBは、携帯電話において、本人認証を実施する。本人認証に成功すると、まず、共有情報参照部114(図1)がサーバ装置200に、ID情報−002とユーザBの認証情報の特徴値を送る。
【0057】
ステップS4−3
サーバ装置200では、認証部213(図1)は、ID情報−002をキーとする領域で、Bの認証情報の特徴値と照合して認証する。サーバ装置200での認証に成功すると、サーバ装置200から携帯電話に、予めID情報−002をキーとする領域でペアリング登録されている共有相手のリスト(AとC)が送られる。
【0058】
ステップS4−4
携帯電話の表示手段102(図1)に共有情報参照部114(図1)は、情報共有相手選択画面を表示させる。本画面においてユーザBが情報共有相手Aを選択すると、携帯電話からサーバ装置200へ情報共有相手Aが送信される。
【0059】
ステップS4−5
サーバ装置200では、共有情報参照部212(図1)が、ID情報−001をキーとする領域の、情報共有相手としての(002、B)の領域に格納されている情報のタイトルと登録日時(基本情報[06/3/20、11:11]、家族情報[06/4/1、9:49])を携帯電話へ送り返す。
【0060】
ステップS4−6
携帯電話画面では、それらのタイトル(及び登録日時)の一覧リストが、表示手段102(図1)の情報選択画面に表示される。
【0061】
ステップS4−7
本画面でユーザがタイトル(「家族情報」)を選択すると、携帯電話からサーバ装置200へ、タイトル(「家族情報」)が送られる。
【0062】
ステップS4−8
サーバ装置200では、対応する共有情報(ユーザAの家族情報[名前、性別、年齢、衣服サイズ])を携帯電話へ送り返す。
【0063】
ステップS4−9
その後、携帯電話画面において、ユーザAの家族情報が表示され、シーケンスが終了する。
【0064】
以上説明したように、本発明により、ユーザは、サーバ装置上での情報共有相手を、互いの携帯端末装置を近接させ、本人認証を行うだけで設定でき、また、利便性を損なわずに安全にサーバ装置上で情報共有を行えるという効果を得る。更に、サーバ装置上で情報共有を行うことで、携帯端末上の記憶領域の容量に制限されることなく、いつでもどこでも必要な情報を取得することができ、必要時に格納されていなかった情報についても、即時に携帯端末でコミュニケーションすることにより、相手に情報を登録してもらえるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0065】
上記実施例の説明では、本発明を、携帯電話に適用した場合に限定して説明したが、本発明はこの例に限定されるものでは無い。即ち、PDAや営業端末等に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】携帯端末装置による情報共有システムのシステム構成図である。
【図2】ユーザと携帯端末装置との関連説明図である。
【図3】端末登録シーケンスである。
【図4】ペアリング登録前の情報共有テーブルである。
【図5】ペアリング登録シーケンスである。
【図6】ペアリング登録後の情報共有テーブルである。
【図7】共有情報登録前の情報共有テーブルである。
【図8】共有情報登録シーケンスである。
【図9】共有情報登録後、及び、参照時の情報共有テーブルである。
【図10】共有情報参照シーケンスである。
【符号の説明】
【0067】
100 携帯端末装置
101 入力手段
102 表示手段
103 ID情報取得手段
104 通信手段
105 認証部
106 ID情報
107 MPU
108 ROM
109 RAM
110 記憶部
110a 情報共有アプリケーションソフト
110b 認証情報
200 サーバ装置
201 入力手段
202 表示手段
203 通信手段
204 CPU
205 ROM
206 RAM
207 記憶部
207a 情報共有サービスソフト
207b 情報共有アプリケーションソフト
207c 情報共有テーブル
208 情報共有アプリケーション提供部
209 端末登録部
210 ペアリング登録部
211 共有情報登録部
212 共有情報参照部
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続する複数の携帯端末装置の各々が、他の携帯端末装置のユーザに関連するユーザ情報を前記ネットワークに接続するサーバ装置から取得する携帯端末装置による情報共有システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記サーバ装置に自己の識別情報の登録を求める第1の端末登録部と、
前記サーバ装置に自己のユーザ情報の登録を求める第1の共有情報登録部と、
前記サーバ装置に前記識別情報を登録された他の携帯端末装置との間で、前記ユーザ情報の共有登録を求める第1のペアリング登録部と、
前記サーバ装置に前記ユーザ情報の共有を許可された他の携帯端末装置のユーザ情報の参照を求める第1の共有情報参照部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記第1の端末登録部の登録要求に基づいて前記携帯端末装置を登録する第2の端末登録部と、
前記第1の共有情報登録部の登録要求に基づいてユーザ情報を登録する第2の共有情報登録部と、
前記第1のペアリング登録部の登録要求に基づいて前記ユーザ情報の共有許可を許可する第2のペアリング登録部と、
前記第1の共有情報参照部の参照要求に基づいてユーザ情報の参照を認める第2の共有情報参照部とを備えることを特徴とする携帯端末装置による情報共有システム。
【請求項2】
前記識別情報は、
前記ネットワーク中における前記複数の携帯端末装置の各々に付加される個別情報であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置による情報共有システム。
【請求項3】
前記識別情報は、
前記複数の携帯端末装置の各々が、それぞれ有するICタグに格納されていることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置による情報共有システム。
【請求項4】
前記第1の共有情報参照部は、前記ユーザ情報の共有しようとする他の携帯端末装置の前記識別情報を前記ICタグから取得し、ペアリング登録要求を含めることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置による情報共有システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、前記ユーザを個人認証する第1の認証部を更に備え、
前記自己の識別情報の登録、前記自己のユーザ情報の登録、前記ユーザ情報の共有許可、及び前記ユーザ情報の参照の内、少なくとも1つに対して前記第1の認証部による個人認証を実施可能要件とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置による情報共有システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記ユーザを個人認証する第2の認証部を更に備え、
前記自己の識別情報の登録、前記自己のユーザ情報の登録、前記ユーザ情報の共有許可、及び前記ユーザ情報の参照の内、少なくとも1つに対して前記第2の認証部による個人認証を実施可能要件とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置による情報共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−47022(P2008−47022A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223994(P2006−223994)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】