説明

携帯端末

【課題】開状態及び閉状態のいずれの場合にもアンテナ感度の低下を抑制することができる携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、操作部側筐体2及び表示部側筐体3と、開閉センサ45と、操作部側筐体2に配置されグランド部35、給電部36及び信号処理部37を有する回路部32と、操作部側筐体2に配置されグランド部35に接続された第1の導電部31と、表示部側筐体3に配置され給電部36に接続された第2の導電部33と、アンテナ素子61と、閉状態の場合にアンテナ素子61に対応して配置されたレシーバ22と、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に接続する第1の接続状態と第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に遮断する第2の接続状態とを選択可能に構成されたスイッチ部51と、開状態が検出された場合には第1の接続状態を選択し、閉状態が検出された場合には第2の状態を選択する制御部44と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末としての携帯電話機には、第1の筐体、第2の筐体、及び第1の筐体と第2の筐体とを連結する連結部を備え、使用態様に応じて連結部を介して開状態と閉状態とに移行可能に構成される折り畳み型のものが知られている。このような折り畳み型の携帯電話機では、アンテナを介して外部と通信を行う通信機能を有している。
【0003】
例えば、特許文献1には、閉状態においては、第1の筐体内に配置されたアンテナ素子をアンテナとして利用できると共に、開状態においては、第1の筐体に配置された第1の導電部と第2の筐体に配置された第2の導電部のいずれか一方を給電し、いずれか他方をグランド(接地状態)にすることにより、第1の導電部と第2の導電部のいずれか一方をアンテナとして利用できる携帯電話機が提案されている。
【特許文献1】特開2007−104468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された携帯電話機では、第1の筐体及び第2の筐体が折り畳まれた閉状態のときに、アンテナ素子と重なり合う位置に第2の導電部が位置するため、アンテナ素子を利用した場合のアンテナ感度の低下が生じてしまうという問題があった。かかる課題を解決しようと、閉状態においてアンテナ素子と重なり合う位置に第2の導電部を配置させない構成とした場合には、第1の導電部の長さに比して、第2の導電部の長さが短くなるため、開状態において第1の導電部と第2の導電部のいずれか一方をアンテナとして利用した場合のアンテナ感度の低下が生じてしまうという問題があった。
【0005】
従って、本発明は、開状態及び閉状態のいずれの場合にもアンテナ感度の低下が抑制される携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開状態と閉状態との間を移動可能に連結された第1の筐体及び第2の筐体と、前記開状態及び前記閉状態を検出する検出部と、前記第1の筐体又は前記第2の筐体のいずれか一方に配置され、グランド部、給電部並びに前記グランド部及び給電部に接続された信号処理部を有する回路部と、前記第1の筐体に配置され、前記回路部の前記グランド部と前記給電部のいずれか一方に接続された第1の導電部と、前記第2の筐体に配置され、前記回路部の前記グランド部と前記給電部のいずれか他方に接続された第2の導電部と、前記第1の筐体に配置されたアンテナ素子と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉状態の場合に、前記アンテナ素子に対応して前記第2の筐体に配置された電子部品と、前記第2の導電部と前記電子部品とを高周波的に接続する第1の接続状態と、前記第1の接続状態に比して前記第2の導電部と前記電子部品とを高周波的に遮断する第2の接続状態とを選択可能に構成されたスイッチ部と、前記検出部により前記開状態が検出された場合には、前記スイッチ部により前記第1の接続状態を選択し、前記閉状態が検出された場合には、前記スイッチ部により前記第2の接続状態を選択する制御部と、を備える携帯端末に関する。
【0007】
また、携帯端末は、コイル又はコンデンサを有する高周波遮断部を更に備え、前記第2の導電部と前記電子部品とは、前記第2の接続状態において前記高周波遮断部を介して接続され、前記電子部品は、音声の入力又は音声の出力が可能に構成されると共に、前記閉状態において露出して前記第2の筐体に配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記電子部品は、前記第2の導電部と前記第2の筐体の長さ方向において隣接して配置され、前記アンテナ素子は、前記第1の導電部と前記第1の筐体の長さ方向において隣接して配置され、前記第1の導電部の前記第1の筐体の長さ方向に沿う方向における長さと前記アンテナ素子の前記第1の筐体の長さ方向に沿う方向における長さとの和により得られる長さは、前記第2の導電部の前記第2の筐体の長さ方向に沿う方向における長さと前記電子部品の前記第2の筐体の長さ方向に沿う方向における長さとの和により得られる長さと略同一であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の携帯端末によれば、開状態及び閉状態のいずれの場合にもアンテナ感度の低下が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、本発明の好ましい一実施形態に係る携帯端末としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯電話機1を開いた状態を示す外観斜視図である。
【0011】
図1に示すように、携帯電話機1は、第1の筐体としての操作部側筐体2と、第2の筐体としての表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、ヒンジ機構を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことで開閉状態を形成可能に構成される。
即ち、携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転(回動)することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態である開状態にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態である閉状態にしたりできる。
【0012】
操作部側筐体2は、その外面がフロントケース2aとリアケース2bとにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部としてのマイク12とが、それぞれ露出するように構成される。
【0013】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0014】
マイク12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側とは反対の外端部(下端部)側に配置される。つまり、マイク12は、携帯電話機1の開状態において一方の外端部側に配置される。
【0015】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
【0016】
表示部側筐体3は、その外面がフロントケース3aとリアケース3bとにより構成される。表示部側筐体3におけるフロントケース3aには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22とが、それぞれ露出して配置される。ここで、表示部21は、液晶パネル、この液晶パネルを駆動する駆動回路、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部等から構成される。
【0017】
次いで、図2及び図3により、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。図2は、携帯電話機1を開いた状態における内部を模式的に示す正面図である。図3は、携帯電話機1を閉じた状態における内部を模式的に示す正面図である。
尚、図2及び図3においては、仮想的に、操作部側筐体2の内部の構成部材について、第1の導電部31、回路部32、アンテナ部60等のみを示すと共に、表示部側筐体3の内部の構成部材について、第2の導電部33、スイッチ部51、レシーバ22等のみを示している。
【0018】
図2及び図3に示すように、操作部側筐体2は、その内部に、詳細にはフロントケース2aとリアケース2bとの間に、第1の導電部31、回路部32及びアンテナ部60と、を備えている。本実施形態では、第1の導電部31及び回路部32は、それぞれ、回路基板50により構成されている。
【0019】
第1の導電部31は、回路基板50における回路部32を除く領域に形成されたグランドパターンにより構成される。
回路部32は、グランド部35と、給電部36と、グランド部35及び給電部36に接続された信号処理部37とを備える。グランド部35は、第1の導電部31に接続されている。給電部36は、表示部側筐体3に配置された第2の導電部33に高周波的に接続されており、この第2の導電部33に給電を行う。信号処理部37は、RF回路を含んだ無線回路、整合回路、制御回路等によって構成されている。この信号処理部37では、給電部36から供給された信号に対して所定の処理が実行される。
【0020】
アンテナ部60は、アンテナ素子61と、このアンテナ素子61に接続されたサブ給電部62と、このサブ給電部62に接続されたサブスイッチ部63と、このサブスイッチ部63に接続されたグランド部64及び信号処理部37と、を備える。
アンテナ素子61は、操作部側筐体2における連結部4との反対側の端部(図2に示す下端部)に設けられている。このアンテナ素子61は、操作部側筐体2の長さ方向において第1の導電部31と長さ方向に隣接して配置されている。
【0021】
アンテナ素子61は、導電性材料によって平面視で略L字形となるように形成されており、操作部側筐体2の長手方向に延びた第1片61aと、第1片61aから操作部側筐体2の幅方向(図2に示す左右方向)に一体的に延びた第2片61bとを備えている。第2片61bは第1片61aよりも長く且つ幅広となっており、アンテナの放射素子として機能する。
【0022】
サブ給電部62は、アンテナ素子61に給電を行う。サブスイッチ部63は、グランド部64とアンテナ素子61とを電気的に接続するグランド部接続状態と、信号処理部37とアンテナ素子61とを電気的に接続する信号処理部接続状態とを選択可能に構成されている。このサブスイッチ部63は、制御部44(図4参照)の制御に従って動作する。サブスイッチ部63の具体的な動作については、後述する。
【0023】
表示部側筐体3は、操作部側筐体2に重なる状態を形成可能に操作部側筐体2に連結部4を介して連結されている。表示部側筐体3は、その内部に、詳細にはフロントケース3aとリアケース3bとの間に、第2の導電部33と、電子部品としてのレシーバ22と、スイッチ部51と、を備えている。
第2の導電部33は、表示部側筐体3の内部に配置された回路基板上に形成されたグランドパターンにより構成される。
【0024】
レシーバ22は、表示部側筐体3における連結部4と反対の端部側(図2に示す上側)に配置される。レシーバ22は、表示部側筐体3の長さ方向において、第2の導電部33と隣接して配置される。また、レシーバ22は、携帯電話機1の閉状態において、操作部側筐体2のアンテナ素子61(アンテナ素子61の第2片61b)と略重なり合う位置に配置されている(図3参照)。
【0025】
次に、スイッチ部51について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、携帯電話機1の開状態におけるスイッチ部51の接続状態を示す回路図である。図5は、携帯電話機1の閉状態におけるスイッチ部51の接続状態を示す回路図である。
スイッチ部51は、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に接続する第1の接続状態(図4参照)と、第1の接続状態に比して第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に遮断する第2の接続状態(図5参照)と、を選択可能に構成される。
【0026】
具体的には、スイッチ部51は、図4及び図5に示すように、並列して配置される2つのスイッチ回路52を備えている。2つのスイッチ回路52は、それぞれ、第2の導電部33側の第1スイッチ素子53と、レシーバ22側の第2スイッチ素子54と、これらの第1スイッチ素子53及び第2スイッチ素子54を接続する2本の接続線55a、55bとを有している。各スイッチ回路52における2本の接続線55a、55bは並列となっており、一方の接続線55aには、高周波遮断部57が挿入されている。他方の接続線55bは、対応している第1スイッチ素子53及び第2スイッチ素子54を接続している。高周波遮断部57としては、高周波を遮断するコイル又はコンデンサを有するものが用いられる。
このスイッチ部51は、制御部44の制御に従って動作する。
【0027】
次に、制御部44によるスイッチ部51及びサブスイッチ部63の制御について、図6を参照しながら説明する。図6は、制御部44によるスイッチ部51及びサブスイッチ部63の制御を説明するための携帯電話機1の機能ブロック図である。
携帯電話機1は、開閉状態に応じてスイッチ部51及びサブスイッチ部63を切り替えるための構成として、検出部としての開閉センサ45と、制御部44と、を備える。
【0028】
開閉センサ45は、携帯電話機1の開閉状態を検出する。この開閉センサ45は、操作部側筐体2に配置される磁石と表示部側筐体3に配置されるホール素子(いずれも図示せず)とにより構成され、携帯電話機1の開閉状態を検出する。具体的には、開閉センサ45は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との位置関係の違いに伴う磁気の強弱を検出し、検出された結果に基づいて、携帯電話機1が開状態であるか閉状態であるかを判別する。
【0029】
制御部44は、開閉センサ45により検出された携帯電話機1の開閉状態に応じてスイッチ部51及びサブスイッチ部63を制御する。具体的には、制御部44は、開閉センサ45により携帯電話機1の開状態が検出された場合には、接続線55bにより第2の導電部33とレシーバ22とを接続するようにスイッチ部51を制御して、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に接続する(図4参照)。また、この場合、制御部44は、グランド部64とアンテナ素子61とを電気的に接続するようにサブスイッチ部63を制御して、アンテナ部60をグランド部接続状態とする。
【0030】
また、制御部44は、開閉センサ45により携帯電話機1の閉状態が検出された場合には、接続線55aにより第2の導電部33とレシーバ22とを接続するようにスイッチ部51を制御して、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に遮断する(図5参照)。また、この場合、制御部44は、信号処理部37とアンテナ素子61とを電気的に接続するようにサブスイッチ部63を制御して、アンテナ部60を信号処理部接続状態とする。尚、第2の導電部33とレシーバ22とが高周波的に遮断された第2の接続状態においても、第2の導電部33とレシーバ22との間には、低周波の電流は流れるように構成されている。
【0031】
以上の携帯電話機1では、第1の導電部31における操作部側筐体2の長さ方向における長さと、アンテナ素子61における操作部側筐体2の長さ方向における長さとの和によって得られる長さL1は、第2の導電部33における表示部側筐体3の長さ方向における長さと、レシーバ22における表示部側筐体3の長さ方向における長さとの和によって得られる長さL2と略等しく(L1=L2)なっている(図2参照)。
また、携帯電話機1は、表示部側筐体3における第2の導電部33が給電部36に電気的に接続されているため、アンテナの放射素子として機能し、操作部側筐体2における第1の導電部31がグランド部35に電気的に接続されているため、アンテナのグランド部として機能する。このため、表示部側筐体3及び操作部側筐体2の全体によって1個のアンテナ(例えば、ダイポールアンテナ)が構成されている。
【0032】
次に、図2〜図5により、本実施形態の携帯電話機1の開状態及び閉状態それぞれにおける動作について説明する。
【0033】
図2及び図4に示すように、携帯電話機1の開状態では、制御部44は、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に接続するようにスイッチ部51を制御する。また、この場合、制御部44は、グランド部64とアンテナ素子61とを電気的に接続するようにサブスイッチ部63を制御して、アンテナ部60をグランド部接続状態とする。これにより、表示部側筐体3では、第2の導電部33及びレシーバ22がアンテナとして機能する。また、操作部側筐体2では、第1の導電部31及びアンテナ素子61がグランドとして機能する。即ち、携帯電話機1の開状態においては、図2に示すように、サブスイッチ部63がグランド部64とアンテナ素子61とを接続したグランド部接続状態となっているので、第1の導電部31のグランドがアンテナ素子38により延長され、大きなグランドとなる。
【0034】
一方、図3及び図5に示すように、携帯電話機1の閉状態では、制御部44は、第2の導電部33とレシーバ22とを高周波的に遮断するようにスイッチ部51を制御する。また、この場合、制御部44は、信号処理部37とアンテナ素子61とを電気的に接続するようにサブスイッチ部63を制御して、アンテナ部60をアンテナ処理部接続状態とする。これにより、携帯電話機1の閉状態では、アンテナ素子61を含むアンテナ部60がアンテナとして機能する。
【0035】
以上説明した本実施形態の携帯電話機1によれば、以下のような効果を奏する。
携帯電話機1の開状態では、操作部側筐体2の第1の導電部31とアンテナ素子38とがグランド部に接続され、表示部側筐体3の第2の導電部33とレシーバ22とが高周波的に接続されるため、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の全体によってアンテナ(例えば、ダイポールアンテナ)が構成される。これにより、開状態における携帯電話機1のアンテナ感度を向上させられる。また、携帯電話機1の閉状態では、レシーバ22が高周波的に遮断される。よって、レシーバ22とアンテナ素子38とが重なっても、レシーバ22の存在に起因するアンテナ素子61のアンテナ感度の低下を抑制することができる。よって、閉状態における携帯電話機1のアンテナ感度を向上させられる。
つまり、本実施形態の携帯電話機1によれば、開状態及び閉状態のいずれの場合にもアンテナ感度の低下を抑制することができる。
【0036】
また、携帯電話機1の閉状態においても、低周波の電流は、接続線55bを介してレシーバ22と第2の導電部33との間を流れるため、レシーバ22の機能は停止されない。
【0037】
また、携帯電話機1の閉状態では、レシーバ22にコイル又はコンデンサを有する高周波遮断部57が接続されるため、ノイズが除去され、レシーバ22の良好な音声出力が可能となる。
【0038】
また、第1の導電部31における操作部側筐体2の長さ方向における長さと、アンテナ素子61(第1片61a)における操作部側筐体2の長さ方向における長さとの和によって得られる長さL1と、第2の導電部33における表示部側筐体3の長さ方向における長さと、レシーバ22における表示部側筐体3の長さ方向における長さとの和によって得られる長さL2とを略等しく(L1=L2)構成した。これにより、開状態において第1の導電部31、第2の導電部33及びレシーバ22により構成されるダイポールアンテナのアンテナ感度の向上を図れる。
【0039】
本実施形態の携帯電話機1は、地上波デジタル放送の信号、CDMA(CodeDivision Multiple Access)通信の信号、GPS(Global Positioning System)通信の信号、無線LANによる信号、RFIDによる信号等に対応できる。
【0040】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態では、回路部32を操作部側筐体2に配置しているが、表示部側筐体3に配置してもよい。この場合には、表示部側筐体3における第2の導電部を回路部のグランド部に接続する一方、操作部側筐体2における第1の導電部を回路部の給電部に接続することにより、上記実施形態と同様に動作することができる。
【0041】
また、本実施形態では、スイッチ部51によって第2の導電部33と接続される電子部品としてレシーバ22を用いたが、これに限らない。即ち、電子部品として、マイク、IrDA(Infrared Data Associatin)、カメラ、外部コネクタ等を用いてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、スイッチ部51を、並列に配置した2つのスイッチ回路52により構成したが、これに限らない。即ち、スイッチ部を、単一のスイッチ回路により構成してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、第1の導電部31及び第2の導電部33を、回路基板50により構成したが、これに限らない。即ち、第1の導電部31及び第2の導電部33を、シールドケース等によって構成してもよい。
【0044】
また、本実施形態では、本発明を携帯端末としての携帯電話機1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等の携帯端末に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機の開状態を模式的に示す正面図である。
【図3】携帯電話機の閉状態を模式的に示す正面図である。
【図4】携帯電話機の開状態におけるスイッチ部の接続状態を示す回路図である。
【図5】携帯電話機の閉状態におけるスイッチ部の接続状態を示す回路図である。
【図6】携帯電話機の制御の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体(第1の筐体)
3 表示部側筐体(第2の筐体)
4 連結部
22 レシーバ(電子部品)
31 第1の導電部
32 回路部
33 第2の導電部
35 グランド部
36 給電部
37 信号処理部
44 制御部
45 検出部
51 スイッチ部
57 高周波遮断部
60 アンテナ部
61 アンテナ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開状態と閉状態との間を移動可能に連結された第1の筐体及び第2の筐体と、
前記開状態及び前記閉状態を検出する検出部と、
前記第1の筐体又は前記第2の筐体のいずれか一方に配置され、グランド部、給電部並びに前記グランド部及び給電部に接続された信号処理部を有する回路部と、
前記第1の筐体に配置され、前記回路部の前記グランド部と前記給電部のいずれか一方に接続された第1の導電部と、
前記第2の筐体に配置され、前記回路部の前記グランド部と前記給電部のいずれか他方に接続された第2の導電部と、
前記第1の筐体に配置されたアンテナ素子と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉状態の場合に、前記アンテナ素子に対応して前記第2の筐体に配置された電子部品と、
前記第2の導電部と前記電子部品とを高周波的に接続する第1の接続状態と、前記第1の接続状態に比して前記第2の導電部と前記電子部品とを高周波的に遮断する第2の接続状態とを選択可能に構成されたスイッチ部と、
前記検出部により前記開状態が検出された場合には、前記スイッチ部により前記第1の接続状態を選択し、前記閉状態が検出された場合には、前記スイッチ部により前記第2の接続状態を選択する制御部と、を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
コイル又はコンデンサを有する高周波遮断部を更に備え、
前記第2の導電部と前記電子部品とは、前記第2の接続状態において前記高周波遮断部を介して接続され、
前記電子部品は、音声の入力又は音声の出力が可能に構成されると共に、前記閉状態において露出して前記第2の筐体に配置されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記電子部品は、前記第2の導電部と前記第2の筐体の長さ方向において隣接して配置され、
前記アンテナ素子は、前記第1の導電部と前記第1の筐体の長さ方向において隣接して配置され、
前記第1の導電部の前記第1の筐体の長さ方向に沿う方向における長さと前記アンテナ素子の前記第1の筐体の長さ方向に沿う方向における長さとの和により得られる長さは、前記第2の導電部の前記第2の筐体の長さ方向に沿う方向における長さと前記電子部品の前記第2の筐体の長さ方向に沿う方向における長さとの和により得られる長さと略同一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−154364(P2010−154364A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331584(P2008−331584)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】