説明

携帯端末

【課題】所望しない有用コンテンツの授受が実施されてしまうことを防止する。
【解決手段】有用コンテンツの授受を行うすれ違い通信処理手段1071とを備える携帯端末1001において、無線データ通信が可能である他の携帯端末1001から、該携帯端末1001を携行する遊技者の遊技履歴を取得し、該取得した遊技履歴が、遊技履歴に関する提供許諾条件を満たすか否かを判定する判定手段1055と、を備え、すれちがい通信処理手段1071は、判定手段1055により提供許諾条件を満たすと判定されたことを条件に、遊技履歴を取得した携帯端末1001に対して有用コンテンツを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が携行可能であって、使用者が所有する有用コンテンツを授受することのできる携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技の勝敗や収支等を管理するために遊技者が携行するゲーム装置において、該ゲーム装置に内蔵された無線通信ユニットなどを利用して他のゲーム装置との間で無線通信(すれ違い通信)を行い、各遊技者が「収支帳」で入力したオリジナル単語や、娘キャラクタの名前、遊技者のプロフィール情報など、各種の有用コンテンツをそれぞれ交換できるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−233196号公報(第8頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、有用コンテンツの授受が、すれ違い通信が可能なゲーム装置との間で制限なく実施されてしまうため、例えば、自身の遊技への習熟度が高い場合において、習熟度が未だ低い他の遊技者が所持する携帯端末(ゲーム装置)とのすれ違い通信が実施されてしまうと、自身の習熟度に適合しない有用コンテンツが授受されてしまう、つまり、自分が所望しない有用コンテンツの授受が実施されてしまう場合があり、これら所望しない有用コンテンツの授受が実施されてしまうことを防止することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者が所望しない有用コンテンツの授受が実施されてしまうことを防止することのできる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の携帯端末は、
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末(例えば、図23における端末B)との無線データ通信を行う無線データ通信手段(無線LANモジュール部1071)と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるとき(無線データ通信が確立したとき)に、該携帯端末と有用コンテンツ(特典)の授受を行う通信処理手段(制御部1055が図23のすれ違い通信処理を行う部分)とを備える携帯端末(端末Aの携帯端末1001)であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの提供を許諾する提供許諾条件(特典提供条件)を記憶する提供許諾条件記憶手段(メモリ部1060のEEPROM)と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末(端末B)から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を、前記無線データ通信手段を介して取得する遊技履歴情報取得手段(遊技履歴情報送信要求を送信して端末Bから遊技履歴情報を受信する部分)と、
前記遊技履歴情報取得手段にて取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記提供許諾条件記憶手段に記憶されている提供許諾条件を満たすか否かを判定する判定手段(制御部1055が、図23の特典提供条件を充足しているか否かを判定する部分)と、
を備え、
前記通信処理手段は、前記判定手段により提供許諾条件を満たすと判定されたこと(特典提供条件を充足していると判定されたこと)を条件に、前記遊技履歴情報を取得した携帯端末(端末B)に対して前記有用コンテンツ(特典)を送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、他の携帯端末から取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、有用コンテンツを提供することを許諾する遊技者の遊技履歴に関する提供許諾条件を満たすか否かが判定され、満たすと判定されたことを条件に有用コンテンツが送信されるようになるので、有用コンテンツが、遊技者が所望しない他の遊技者の携帯端末に送信されてしまうことを防止できる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の携帯端末は、
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末(例えば、図24における端末B)との無線データ通信を行う無線データ通信手段(無線LANモジュール部1071)と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるとき(無線データ通信が確立したとき)に、該携帯端末と有用コンテンツ(特典)の授受を行う通信処理手段(制御部1055が図24のすれ違い通信処理を行う部分)とを備える携帯端末(端末Aの携帯端末1001)であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの獲得を行う獲得条件(特典獲得条件)を記憶する獲得条件記憶手段(メモリ部1060のEEPROM)と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末(端末B)から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を、前記無線データ通信手段を介して取得する遊技履歴情報取得手段(遊技履歴情報送信要求を送信して端末Bから遊技履歴情報を受信する部分)と、
前記遊技履歴情報取得手段にて取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記獲得条件記憶手段に記憶されている獲得条件を満たすか否かを判定する判定手段(制御部1055が、図24の特典獲得条件を充足しているか否かを判定する部分)と、
前記判定手段により獲得条件を満たすと判定されたことを条件に、前記遊技履歴情報を取得した携帯端末(端末B)に対して有用コンテンツの獲得要求を送信する獲得要求送信処理手段(端末Aの制御部1055が特典提供要求を送信する部分)と、
を備え、
前記通信処理手段は、前記獲得要求の送信に応じて返信される有用コンテンツを受信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、他の携帯端末から取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、有用コンテンツの獲得を所望する遊技者の遊技履歴に関する獲得条件を満たすか否かが判定され、満たすと判定されたことを条件に獲得要求が送信されて有用コンテンツが受信されるようになるので、遊技者が所望しない他の遊技者の携帯端末からの有用コンテンツが受信されてしまうことを防止できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の携帯端末は、
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末(例えば、図26における端末A)との無線データ通信を行う無線データ通信手段(無線LANモジュール部1071)と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるとき(無線データ通信が確立したとき)に、該携帯端末と有用コンテンツ(特典)の授受を行う通信処理手段(端末Bの制御部1055が図26のすれ違い通信処理を行う部分)とを備える携帯端末(端末Bの携帯端末1001)であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの利用を許諾する利用条件(特典獲得条件)を記憶する利用条件記憶手段(メモリ部1060のEEPROM)と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末(端末A)から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報と前記有用コンテンツ(特典ID)とを、前記無線データ通信手段を介して受信する通信処理手段(図26において端末Aから遊技履歴情報・特典提供条件・特典IDとを受信する部分)と、
前記通信処理手段にて受信した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記利用条件記憶手段に記憶されている利用条件を満たすか否かを判定する判定手段(図26において端末Bの制御部1055が、特典獲得条件を充足しているか否かを判定する部分)と、
を備え、
前記判定手段により利用条件を満たすと判定されたことを条件に、前記通信処理手段にて当該遊技履歴情報とともに受信した有用コンテンツの利用を許諾する(図26において、端末Bの制御部1055が、受信した特典IDの利用を許諾する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有用コンテンツとともに他の携帯端末から取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、利用条件を満たすか否かが判定され、満たすと判定されたことを条件に、該遊技履歴情報とともに受信した有用コンテンツの利用が許諾されるようになるので、遊技者が利用を所望しない他の遊技者の携帯端末からの有用コンテンツの受信があっても、これら利用を所望しない有用コンテンツが利用可能に携帯端末に存在しまうことを防止できる。
【0009】
本発明の手段1の携帯端末は、請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末であって、
前記提供許諾条件(特典提供条件)または前記獲得条件(特典獲得条件)または前記利用条件(特典獲得条件)は、前記遊技履歴に含まれる、遊技において実施した単位遊技数(1ゲーム)に関する単位遊技数条件(ゲーム数の条件)を少なくとも含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技履歴のうち、単位遊技数に基づく遊技頻度を基準とした有用コンテンツの授受、例えば、単位遊技数が少ないことで遊技頻度が低い遊技者との有用コンテンツの授受を防止することができる。
尚、単位遊技数には、パチンコ遊技機において単位遊技となる可変表示の数である始動回数や、スロットマシンにおいて単位遊技となる1ゲームのゲーム数が含まれる。
【0010】
本発明の手段2の携帯端末は、請求項1〜3、手段1のいずれかに記載の携帯端末であって、
前記提供許諾条件(特典提供条件)または前記獲得条件(特典獲得条件)または前記利用条件(特典獲得条件)は、前記遊技履歴に含まれる、所定の課題(ミッション)または所定の達成条件を満たしたことに基づいて遊技者に付与される達成情報(レベル)に関する達成情報条件(レベルまたはミッションの条件)を少なくとも含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技履歴のうち、達成情報に基づく遊技習熟度を基準とした有用コンテンツの授受、例えば、達成情報を有しないことで遊技習熟度が低い遊技者との有用コンテンツの授受を防止することができる。
尚、達成情報には、所定の課題を達成したことを示す該課題のミッション番号や、所定の達成条件であるレベル条件を達成したことにより遊技者に付与されるレベルやレベルに準じた称号等の情報が含まれる。
【0011】
本発明の手段3の携帯端末は、請求項1〜3、手段1、手段2のいずれかに記載の携帯端末であって、
前記提供許諾条件(特典提供条件)または前記獲得条件(特典獲得条件)または前記利用条件(特典獲得条件)は、遊技機の機種毎(図22のすれ違い通信設定で、機種毎に条件を設定する部分)に記憶され、
前記遊技履歴情報取得手段は、各機種の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を取得し(各機種IDに対応する遊技履歴データを含む遊技履歴情報を取得する部分)、
前記判定手段は、前記遊技履歴情報取得手段が取得した遊技履歴情報から特定される機種の遊技履歴が、当該機種に対応する提供許諾条件または獲得条件または利用条件を満たすか否かを判定する(例えば、図23または図24における端末Aの制御部1055が、取得した遊技履歴情報に特典提供条件または特典獲得条件に該当する機種IDが含まれているか否かを判定し、含まれている場合には、該機種IDに対応する遊技履歴データと特典提供条件または特典獲得条件とを対比して、特典提供条件または特典獲得条件を充足するか否かを判定する部分や、図26における端末Bの制御部1055が、端末Aから受信した遊技履歴情報に特典獲得条件に該当する機種IDが含まれているか否かを判定し、含まれている場合には、該機種IDに対応する遊技履歴データと特典獲得条件とを対比して、特典獲得条件を充足するか否かを判定する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、各機種について設定された提供許諾条件または獲得条件と、当該機種の遊技履歴に基づいて、提供許諾条件または獲得条件を満たすか否かが判定されるので、設定された機種の遊技履歴を有しない他の遊技者、つまり、設定された機種の遊技機を遊技していない他の遊技者との有用コンテンツの授受が実施されてしまうことを防止できる。
【0012】
本発明の手段4の携帯端末は、請求項1〜3、手段1〜手段3のいずれかに記載の携帯端末であって、
携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段(メモリ部1060のEEPROM)と、
前記提供許諾条件または前記獲得条件または前記利用条件を、前記遊技履歴情報記憶手段に記憶された遊技履歴情報から特定される遊技履歴の範囲内において遊技者が設定するための条件設定手段(制御部1055が、図22におけるすれ違い通信設定画面において、遊技履歴の範囲内の選択メニューをポップアップウインドウに表示して設定を受付ける部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者は、提供許諾条件または獲得条件に自分の意志を反映できるようになるとともに、これら提供許諾条件または獲得条件として、自分の遊技履歴と解離した条件を遊技者が設定してしまうことで、有用コンテンツの不適切な授受が実施されてしまうことも防止できる。
【0013】
本発明の手段5の携帯端末は、請求項1〜3、手段1〜手段4のいずれかに記載の携帯端末であって、
前記判定手段が、前記提供許諾条件(特典提供条件)または前記獲得条件(特典獲得条件)または前記利用条件(特典獲得条件)を満たさないと判定したときに、該満たさないと判定した条件を遊技者が把握可能に出力する出力手段(例えば、図23または図24における端末Aの制御部1055が、図25(b)や図25(c)のすれ違い通信結果画面を表示出力する部分や、図26における端末Bの制御部1055が、獲得不能画面2を表示する部分)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、提供許諾条件または獲得条件を満たさないことによって有用コンテンツの授受が実施されないときに、有用コンテンツの授受が実施されない原因となった提供許諾条件または獲得条件を遊技者が把握できるようになるので、これら提供許諾条件または獲得条件を満たそうとする遊技者の意欲を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の携帯端末1001が適用された遊技システムの一例を示す図である。
【図2】実施例に用いた携帯端末1001の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施例の遊技システムに用いた遊技機の一例としてのスロットマシンの正面図である。
【図4】スロットマシンにおいて入賞として定められた役の構成を示す図である。
【図5】遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。
【図6】レベル別、ゲーム数別のポイント付与数を示す図である。
【図7】2次元コードの出力状況を示す図である。
【図8】各画面において基本画面に戻るまでの時間を示す図である。
【図9】(a)はパスワード解析テーブルを示す図であり、(b)はパスワードの解析手順を示す図である。
【図10】2次元コードの構成を示す図である。
【図11】スロットマシンが搭載する液晶表示器の表示状況を示す図である。
【図12】通常演出選択率及び特定演出選択率を示す図である。
【図13】スロットマシンが搭載する液晶表示器の表示状況を示す図である。
【図14】スロットマシンが搭載する液晶表示器の表示状況を示す図である。
【図15】スロットマシンが搭載する液晶表示器の表示状況を示す図である。
【図16】本実施例の遊技システムに用いた管理装置である管理サーバが備える遊技者データベース、遊技履歴データベース、特典データベース及び仮登録データベースの構成を示す図である。
【図17】会員登録時に携帯端末、管理サーバのやり取りを示す図である。
【図18】実施例において会員登録せずに遊技を行う場合のスロットマシン、携帯端末、管理サーバのやり取りを示す図である。
【図19】パスワードを入力して遊技を行う場合のスロットマシン、携帯端末、管理サーバのやり取りを示す図である。
【図20】パスワードを入力せずに遊技を行う場合のスロットマシン、携帯端末、管理サーバのやり取りを示す図である。
【図21】特典を入手する場合の携帯端末、管理サーバのやり取りを示す図である。
【図22】(a)、(b)は、携帯端末に表示されるすれ違い通信設定画面を示す図である。
【図23】すれ違い通信おける携帯端末間のやり取りの例を示す図である。
【図24】すれ違い通信おける携帯端末間のやり取りの例を示す図である。
【図25】(a)、(b)は、携帯端末に表示されるすれ違い通信結果画面を示す図である。
【図26】すれ違い通信おける携帯端末間のやり取りの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る携帯端末を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明の携帯端末が適用された遊技システムは、図1に示すように、遊技場に設置された本発明の遊技機の一例であるスロットマシン1と、インターネットに接続された管理サーバ1000と、から構成され、スロットマシン1と、管理サーバ1000と、は2次元コード読み取り機能及びインターネットへの接続機能を備える携帯端末1001を介してデータのやり取りを行うことが可能とされている。
【0017】
はじめに、本実施例に用いた携帯端末1001について説明すると、携帯端末1001は、通常の無線による通話機能に加えて、携帯電話会社(キャリア)の基地局並びにゲートウェイサーバを介してインターネット網に接続できるインターネット接続機能や、カメラ機能、他の携帯端末1001との無線LAN通信機能等を備える通常の携帯電話端末である。
【0018】
携帯端末1001の構成について、図2に基づいてより詳細に説明する。図2において、音声入力部1051は、マイク1065からのアナログ音声信号をディジタル信号に変換するための部位であり、マイクアンプ、フィルタ、A/D変換器、等で構成される。音声出力部1052は、受信したディジタル音声信号に基づいてスピーカ1066またはイヤレシーバ1067を駆動するための部位であり、D/A変換器、フィルタ、スピーカアンプ、等で構成される。ディジタル信号処理部1053は、ディジタル音声信号のエンコード、および、ディジタル音声信号へのデコードを行うための部位(通信信号処理部)であり、DSP(Digital Signal Processor)を中心とした畳み込み符号化、スロットインターリーブ、遅延検波、畳み込み復号化、等の各種専用回路で構成される。
【0019】
また、RF入出力部1054は、電話機用アンテナ1062を介して携帯電話会社の基地局と高周波電波の送受信を行う部位であり、直交変調器、ゲインアンプ、パワーアンプ、ダイバーシティー、ミキサー、IF復調器、アンテナ共用器等で構成される。
【0020】
音声入力部1051から入力されてディジタル音声信号に変換された入力音声は、ディジタル信号処理部1053により、誤り訂正符号化、インターリーブ、拡散、D/A変換などの処理を行い、その処理により生成した送信ベースバンド信号をRF入出力部1054へ送る。そして、該RF入出力部1054内の直交変調器は、該送信ベースバンド信号により局部発振信号を変調して送信高周波信号を生成し、さらにその送信高周波信号を増幅した後にアンテナ共用器を通じて電話機用アンテナ1062から基地局に送信する。
【0021】
アンテナ共用器は、送信高周波信号と受信高周波信号とで1本の電話機用アンテナ1062を共用するためのものであり、直交変調器により変調された後に増幅された送信高周波信号を電話機用アンテナ1062へ送出する機能とともに、該電話機用アンテナ1062からの受信高周波信号をRF入出力部1054内のIF復調器へ送出する機能を備えたフィルタ回路により構成されている。
【0022】
電話機用アンテナ1062は、基地局との間で無線による高周波信号の送受信を行う。すなわち、前記直交変調器からアンテナ共用器を介して送られてきた送信高周波信号は、当該電話機用アンテナ1062から基地局へ送信される。一方、基地局から送信されてきた高周波信号は、当該電話機用アンテナ1062にて受信された後、アンテナ共用器を介してIF復調器へ送られる。そして、該IF復調器並びにゲインアンプは、送られてきた受信高周波信号を増幅し、さらに復調処理を行って得られた受信ベースバンド信号をディジタル信号処理部1053へ送る。
【0023】
この受信ベースバンド信号は、該ディジタル信号処理部1053内の通信信号処理部において該受信ベースバンド信号のA/D変換、逆拡散、デインターリーブ、誤り訂正等の処理を実施して受信音声ディジタル信号として音声出力部1052へ送ることで、該音声出力部1052にてD/A変換により受信した通話音声信号が生成、増幅されてスピーカ66またはイヤレシーバ1067から出力されることで、無線通話機能が提供される。
【0024】
尚、受信された信号が通話による音声データではなくて電子メールやインターネット上のWebサーバから配信されるウェブページ等のデータ信号である場合、ディジタル信号処理部1053において該受信ベースバンド信号のA/D変換、逆拡散、デインターリーブ、誤り訂正等の処理を実施したデータ信号(パケットデータ)が制御部1055に出力されることで、受信データに基づくページやメールが表示部1056に表示され、これらページにおける操作内容データ等や送信メールのデータ信号(パケットデータ)が、前述したディジタル音声信号に代えてディジタル信号処理部1053に送られることで、音声データと同様にこれら操作内容データ等や配信要求等の各種のデータ信号が電話機用アンテナ1062から基地局へ送信されることでインターネット接続機能や電子メール機能が形成されている。
【0025】
また、制御部1055は、携帯端末1001が有する各種機能を、各種のプログラムを実行することで実現するための部位であり、これら各種のプログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU;Central Processing Unit)等で構成されており、この制御部1055には、各種の情報を表示するための表示部1056や、所有者(会員遊技者)が各種の情報を入力するためのタッチパネル部1057や、制御部1055にて実行される各種の機能を提供するための各種プログラムや設定データ等を記憶するためのメモリ部1060や、その時点の時間情報や日付や曜日等のカレンダ情報(日付情報)等を出力するリアルタイムクロック(RTC)1061や、外部のデータ処理装置との間でシリアルデータ通信などを行うための外部I/F(インタフェース)部1058や、バッテリ電源を元に各ブロックに必要な動作電力を供給するための電源部1059や、電話やメールの着信や表示部1056への表示等を振動により報知するためのバイブレータ部1063や、電話やメールの着信を知らせたり、充電時のインジケータとして使用される発光ダイオード(以下、LED)部1064や、2次元バーコード等の画像を撮像するためのCCD(Charge Coupled Device)撮像部1068や、他の携帯端末や無線LANのアクセスポイントとの無線LAN通信(無線データ通信)を行うための無線LANモジュール部1071が接続され、これら各部の動作制御を制御部1055が実施できるようになっている。
【0026】
メモリ部60は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory;日本電気株式会社登録商標)などからなる。ROMは、当該携帯端末1001の基本的な機能を実現するためのプログラムや初期設定値や当該携帯端末1001に固有に付与された端末識別情報(SIMデータ)が保存(記憶)されている。RAMは、制御部1055(CPU)が作業領域として使用し、制御部1055(CPU)のプログラム実行中において必要に応じて計算途中のデータなどを記憶したり、他の各部と送受信するデータを一時的に記憶するために使用される。
【0027】
メモリ部1060を構成するEEPROMは、不揮発性メモリであって、管理サーバ1000からダウンロードしたすれ違い通信アプリ等の各種アプリケーションプログラムや、管理サーバ1000から取得した最新の遊技履歴情報等のデータや、電話番号や電子メールアドレス及びそれに対応した氏名、名称などの情報からなる電話帳データ、送受信された電子メールデータ、スケジュール帳データ、発着信の通信履歴データ、メモ帳データ、所有者(遊技者)によりカスタマイズされた設定データ等の各種のデータを記憶する。
【0028】
尚、本実施例の携帯端末1001では、表示部1056上に透明なタッチパネル部1057を設けることで、表示部1056上におけるタッチパネル入力が可能なものとされており、このようにすることは、表示部1056の大きさを大きくできることから、CCD撮像部1068にて撮像した画像も大きく表示できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらタッチパネル部1057に代えて、従来から使用されている公知のテンキー等による入力操作部としても良い。
【0029】
尚、図2に示した携帯端末1001は一例であり、これら全ての機能を有しなくても良く、後述するように、最低限、CCD撮像部1068にて形成されるカメラ機能と該CCD撮像部1068にて撮像した2次元バーコードを読み取るバーコード読み取り機能と、インターネット接続機能と、無線LAN通信機能と、各種の情報を表示部1056に表示する表示機能とを有するものであれば良い。
【0030】
次に、スロットマシン1について説明すると、スロットマシン1は、図3に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0031】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0032】
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「網7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0033】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータによって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0034】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLEDと、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0035】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0036】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0037】
筐体1a内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33Rからなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ、ホッパーモータの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサからなるホッパーユニット、電源ボックスが設けられている。
【0038】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0039】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0040】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0041】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図3参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0042】
スロットマシン1には、遊技制御基板、演出制御基板、電源基板等の各種基板が設けられており、遊技制御基板によって遊技状態が制御され、演出制御基板によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0043】
演出制御基板には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
【0044】
また、演出制御基板には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図3参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板に搭載された後述のサブ制御部による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0045】
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0046】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0047】
このスロットマシン1における役としては、図4に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナスをBB(1)(2)とする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
【0048】
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組合せが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出され、右リールの、左リールに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」または「リプレイ」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
【0049】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
【0050】
ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
【0051】
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0052】
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
【0053】
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−網7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0054】
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が480枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
【0055】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
【0056】
本実施例では、図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となり役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。
【0057】
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、RB、BB(1)、BB(2)、RB+スイカ、RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(1)+チェリー、BB(2)+スイカ、BB(2)+チェリー、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0058】
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0059】
遊技状態がRB(BB)であれば、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0060】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0061】
内部抽選において、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0062】
本実施例において演出制御基板に搭載されたサブ制御部は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、予め定められた達成条件が成立したことを条件にポイントを付与し、10ポイント獲得する毎にレベルを加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させるようになっている。詳しくは、レベル1〜30の場合に用いる演出テーブル1、レベル31〜60の場合に用いる演出テーブル2、レベル61〜99の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1〜3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが30を超えた場合、60を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。
【0063】
また、レベルの値が一定値を超える毎に、演出設定として選択可能な項目を増加させるようになっている。詳しくは、遊技者の選択操作により演出の頻度(演出設定1)、メインとなるキャラクタ(演出設定2)、キャラクタの衣装(演出設定3)、演出の背景デザイン(演出設定4)、BGM(演出設定5)を選択可能とされており、これら演出設定においてレベルが30を超えるまでは、3種類から選択可能であり、レベルが30を超えると5種類から選択可能となり、レベル60を超えると8種類から選択可能となる。
【0064】
ポイントが付与される達成条件としては、例えば、図6に示すように、特別役の当選可能性を示す連続演出が実行され、かつ特別役が当選した場合または外れた場合、ボーナス確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、ゲームを開始してからのゲーム数に応じて付与されるポイント数が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じたポイント数が付与されることとなる。
【0065】
図6に示す連続演出Bは、連続演出Aに比較して特別役に当選している可能性が高い旨を示す演出、すなわち特別役の当選時に選択される比率が連続演出Aよりも高い演出であり、かつ連続演出Aより出現率の低い演出である。
【0066】
そして、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、連続演出Bが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、を比較すると後者の方が多くのポイントが付与されるようになっており、特別役に当選している可能性が高いにも関わらず、特別役が当選していない場合には、より多くのポイントが付与されるようになっている。
【0067】
また、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選している場合と、を比較すると後者の方が多くのポイントが付与されるようになっており、特別役に当選している可能性が低いにも関わらず、特別役が当選していた場合には、より多くのポイントが付与されるようになっている。
【0068】
また、同じ達成条件が成立した場合でも、0〜499Gと、500〜699Gと、700G以上と、で付与されるポイントが異なり、ゲーム数が多いほどより多くのポイントが付与されるようになっている。
【0069】
また、レベルの値が一定の値を超える毎に、付与されるポイントが少なくなり、付与されるポイントは少なくなる。詳しくは、レベル30を超えた場合、レベル60を超えた場合に、それぞれ付与されるポイントが減少するようになっており、達成条件によっては、ポイントが付与されなくなる。このため、レベルが一定の値を超える毎に、さらなるレベルの上昇が困難となる。
【0070】
このように本実施例のスロットマシン1では、遊技を行った結果に応じた達成条件が成立することでポイントが付与され、そのポイント数に応じてレベルが上昇し、演出パターンが増加したり、演出の設定項目が増加するようになっており、遊技者が遊技を行う意欲を効果的に高めることができる。
【0071】
また、一定以上のレベルであることや累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上であることを条件に実行される演出が用意されており、さらに前述のミッションとしてこのような一定以上のレベル、累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上でなければ出現しない演出が実行されることにより達成されるミッション、すなわち一定以上のレベル、累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上でなければ達成できないミッションが定められており、遊技者が遊技を行い、レベルを上昇させることへの意欲も効果的に高めることができる。
【0072】
また、サブ制御部は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、ゲーム数に応じて液晶表示器51にて複数段階からなるストーリーが順次進行するようになっている。詳しくは、ゲーム数に応じてストーリーがある段階まで到達すると、次の段階のストーリーが展開されることとなる。
【0073】
また、サブ制御部は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、入力されたパスワードから特定される記念日が、特定の記念日を示す場合には、その記念日にちなんだ記念日演出(例えば、遊技者の誕生日が特定される場合には、ある条件を満たすことで遊技者を祝福する演出が実行されるなど)を実行することが可能となる。
【0074】
また、レベルの値は、1台のスロットマシン1において上昇した値のみならず、他のスロットマシン1において上昇した値を引き継ぐことも可能である。また、レベルの値だけでなく、他のスロットマシン1において進展したストーリーの段階や他のスロットマシン1において遊技者が演出設定を変更した場合、その設定内容も引き継ぐことが可能である。
【0075】
具体的には、図示しないメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、管理サーバ1000にて発行された当該機種のパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴に応じたレベル、ストーリーの段階及び演出設定を引き継いで遊技を行うことが可能となる。
【0076】
パスワードは、後に詳述するが、後述する管理サーバ1000にて管理されている遊技者個人の遊技履歴に応じた記念日、レベル、ストーリーの段階、演出設定を特定可能な8文字からなる文字データである。
【0077】
メインメニュー画面は、ゲーム終了後(設定変更後)から賭数が設定されるまでの制御状態において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち左、右のストップスイッチ8L、8Rが同時に操作されたとき、すなわち操作検出コマンドが示す操作スイッチの検出状態が、ストップスイッチ8C、8Rの検出状態のいずれかがOFFの状態で、ストップスイッチ8L、8Rの検出状態がともにON、ストップスイッチ8Lの検出状態がOFFに変化した場合に、液晶表示器51に表示される。
【0078】
メインメニュー画面が表示されている状態では、ストップスイッチ8Lが操作されることで、左側のメニュー項目に移動し、ストップスイッチ8Rが操作されることで右側のメニュー項目に移動する。そして、演出用スイッチ56が操作されることで手前に表示されているメニュー項目が選択される。また、メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56が操作されるか、ストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、「YES」「NO」を選択可能な終了確認画面が表示され、終了確認画面にてストップスイッチ8L、8R、演出用スイッチ56を操作し、「YES」「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻るようになっている。また、何も操作されずに画面毎に定められた時間が経過することでも基本画面に戻る。
【0079】
パスワード入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面では、「簡単スタート」「パスワード入力」「会員登録」「終了」のメニュー項目が表示されるようになっており、このパスワード入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面にてストップスイッチ8L、8R及び演出用スイッチ56を操作してパスワードメニューを選択することにより、所定のパスワード入力画面が表示される。パスワード入力画面では、ストップスイッチ8L、8Rを操作することで文字が移動し、演出用スイッチ56を操作することで、手前に表示されている文字が選択されることとなる。
【0080】
1文字選択する毎に、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、手前の文字を再度選択可能となる。そして、8文字のパスワードを選択すると、決定欄に移動し、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、パスワードが決定される。
【0081】
そして、入力したパスワードが正規のパスワードであると認証された場合には、パスワード入力OK画面が表示される。パスワード入力OK画面は、演出用スイッチ56を操作するか、画面毎に定められた時間が経過することで基本画面に切り替わる。尚、パスワードが正規のパスワードであると認証されなかった場合には、パスワード入力NG画面(図示略)が表示される。パスワード入力NG画面も、演出用スイッチ56を操作するか、画面毎に定められた時間が経過することで基本画面に切り替わる。
【0082】
パスワードが正規のパスワードであると認証されると、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッション)の値が初期化されるとともに、パスワードから解析される記念日がRAM91cに割り当てられた記念日格納領域に、パスワードから解析されるレベルがRAM91cに割り当てられたレベル格納領域に、パスワードから解析されるストーリーがRAM91cに割り当てられたストーリー格納領域に、パスワードから解析される演出設定1〜4がRAM91cに割り当てられた演出設定格納領域に設定され、これに伴い以前の遊技履歴に応じたレベル、ストーリー及び演出設定が引き継がれることとなる。また、この際、入力されたパスワードそのものがRAM91cに割り当てられたパスワード格納領域に格納されるようになっている。
【0083】
次に、パスワードの解析手順について説明すると、ROM91bには、図9(a)に示すように、パスワードを構成する文字(ローマ字:26種類、記号6種類の32種類)に対応して0〜31の数値が定めらたパスワード解析テーブルが記憶されており、まずは、図9(a)に示すパスワード解析テーブルを参照し、入力されたパスワードを該当する数値に置き換える。例えば、図9(b)に示すようにパスワードが「KZFJC=U*」であれば、図9(a)に示すパスワード解析テーブルに従って、「10−25−5−9−2−26−20−30」となる。次いで、置き換えた数値を2進数に変換し、上位2ビット、下位2ビットの合計4ビットの値をランダム値(管理サーバ1000にてパスワード発行時に取得したランダム値)として特定し、ランダム値を除いた36ビットの値をランダム値分右方向にシフトする。例えば、図9(b)に示すように、ランダム値が0110(=6)であればランダム値を除いた36ビットの値を6ビット分右方向にシフトする。この際、右方向にオーバーフローした値は、上位ビットにシフトする。
【0084】
次いで、シフト後の36ビットの値からハッシュ値(管理サーバ1000にてパスワードにばらつきを持たせるために付与された乱数であり、本実施例では、ランダム値を除いた36ビットのうち下位4ビット目、下位8ビット目、下位16ビット目、下位23ビット目、下位28ビット目、下位33ビット目の値である。)を除き、それによって得られた30ビットの値から記念日、レベル、ストーリーの段階及び演出設定を解析する。
【0085】
この30ビットの値のうち、下位3ビットは記念日を示し、下位4ビットから下位11ビットまでがレベルを示し、下位12ビットから下位17ビットまでがストーリーの段階を示し、下位18ビットより上位のビットが演出設定1〜4を示す値であり、それぞれ4ビット、4ビット、3ビット、3ビットが割り当てられており、これらの値から特定される記念日、レベル、ストーリーの段階、演出設定がそれぞれ記念日格納領域、レベル格納領域、ストーリー格納領域、演出設定格納領域に設定されることとなる。
【0086】
また、前述のようにRAM91cには、個人履歴格納領域が割り当てられており、パスワードを入力し、正規のパスワードと認証されてからの遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数)が蓄積されるようになっている。さらに予めスロットマシンに設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、前述のようにポイントを10ポイント獲得する毎に、レベル格納領域に格納されたレベルが上昇するようになっている。また、ゲーム数に応じてストーリーが進展し、予め決められたあるゲーム数に到達することで次の段階に進展するようになっている。
【0087】
そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、ストーリーの段階、演出設定、達成ミッションの履歴を特定可能な2次元コードを取得し、2次元コードから特定される内容を管理サーバ1000が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
【0088】
パスワード入力後や後述する簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面では、「データクリア」「2次元コード作成」「本日の結果」「終了」のメニュー項目が表示されるようになっており、このパスワード入力後や後述する簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面にて図7(a)に示すように、「2次元コード作成」のメニュー項目を選択することにより、2次元コードが生成され、図7(b)に示すように、生成された2次元コードが液晶表示器51に表示される。出力される2次元コードには、図10(c)に示すように、管理サーバ上の更新ページの所在を示すURLと、ゲーム開始時に入力されたパスワードと、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、レベル格納領域に格納されているレベル値と、ストーリー格納領域に格納されているストーリーの段階と、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜4と、2次元コード作成毎に取得されるランダムな値である遊技乱数(本実施例では、32ビットの乱数)と、当該スロットマシン1の機種IDと、が格納されている。
【0089】
そして、この2次元コードを携帯端末1001により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1000のURLにアクセスすることで、2次元コードから特定される内容が、管理サーバ1000が備える遊技者データベースの機種IDに対応する内容に反映されるようになっている。
【0090】
また、パスワードが認証されてから2次元コードが表示されるまでの間は、新たなパスワードの入力が禁止されるようになっており、2次元コードが表示され、その表示がクリアされると、パスワード格納領域に格納されているパスワード、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類、レベル格納領域に格納されているレベル値、ストーリー格納領域に格納されているストーリーの段階、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜4の内容が全てクリアされ、再びパスワードの入力が許可されるようになっている。
【0091】
このように本実施例のスロットマシン1では、遊技を開始する際にパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルやストーリー、演出設定など、過去の遊技履歴を反映した演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。また、新たな遊技履歴を特定するために出力される2次元コードに、パスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバ1000にて2次元コードに含まれるパスワードを認証することで、パスワードの発行を受けた遊技者であるかを判別することが可能となり、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行って2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードから特定される遊技履歴を自らのものに反映させることはできず、パスワードの発行を受けた遊技者による新たな遊技履歴を引き継ぐことは可能となる一方でパスワードの発行を受けた遊技者以外の遊技者が遊技履歴を引き継ぐことが不可能となる。これによりパスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワード及び2次元コードの流用や盗用を防止することができる。
【0092】
また、パスワードが、当該パスワードが管理サーバ1000によって発行される毎に変化するランダム値によって変化するため、同一内容の遊技履歴が特定される場合であっても同一パスワードとなる訳ではなく、パスワードを推測することが困難となる。
【0093】
また、本実施例では、管理サーバ1000への登録を済ませている遊技者であれば、演出用スイッチ56を操作するのみで、パスワードを入力せず、遊技履歴を蓄積可能な遊技を開始することが可能となる。
【0094】
詳しくは、遊技の開始操作、本実施例では演出用スイッチ56を一定時間以上操作すること(以下、演出用スイッチ56の長押しとする)で、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッション)の値が初期化される。演出用スイッチ56が長押しされた場合には、演出用スイッチ56が長押しされたことやパスワードの入力に伴う遊技の開始操作がなされた後、「2次元コード作成」が選択されていない場合であっても、個人履歴格納領域の値が初期化されるようになっている。
【0095】
個人履歴格納領域には、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作からの遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数)が蓄積されるようになっている。さらにパスワードが入力された場合と同様に予めスロットマシンに設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。ただし、パスワードを入力せずに演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作を行った場合には、パスワードを入力した場合と異なりポイントは付与されず、レベルも上昇することはなく、ストーリーの段階も進まず、演出設定もデフォルトの設定から変更できないようになっている。
【0096】
そして、遊技者が遊技を終える場合に、遊技の終了操作(メインメニュー画面にて「2次元コード作成」を選択)を行うと、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされてからの遊技履歴から2次元コードが生成され、表示される。
【0097】
そして、遊技者は、携帯端末1001にて、この表示された2次元コードを撮像して、該2次元コードにシンボル化されているURLが割り当てられている管理サーバ1000にアクセスすることで、2次元コードから特定される遊技履歴を、管理サーバ1000において当該遊技者の所持する携帯端末の端末識別情報と該2次元コードに含まれる機種IDとに対応して遊技者データベースに登録されている遊技履歴に反映させることができるようになっている。
【0098】
尚、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作により遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、管理サーバ1000上の更新ページの所在を示すURLと、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、機種IDが格納されている。
【0099】
そして、この2次元コードを携帯端末1001のCCD撮像部1068にて撮像して読み取り、該2次元コードから特定される管理サーバ1000のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が遊技者データベースに既に登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が既に登録されている場合には、さらに、機種IDが既に登録されているか否かが判定され、一致する端末識別情報並びに機種IDに対応する遊技履歴が更新されるようになっている。
【0100】
このように本実施例のスロットマシン1では、既に管理サーバ1000に登録されている遊技者であれば、演出用スイッチ56を長押しするのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行うことが可能となる。そして、遊技終了時には、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされてから終了までの遊技履歴を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ1000にアクセスすることで、管理サーバ1000側では、当該遊技履歴を送信した携帯端末の端末識別情報や機種IDが、管理サーバ1000の遊技者データベースに既に登録されているか否かを判断し、既に登録されている場合には、該当する端末識別情報と機種IDとに対応する遊技履歴が2次元コードから特定される遊技履歴に更新されることとなる。このため、既に端末識別情報が遊技者データベースに登録されている遊技者であれば、パスワードの発行を受けることなく、遊技履歴の蓄積機能を利用することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ1000にアクセスするだけで、その間の当該機種の遊技履歴を管理サーバ1000に登録・蓄積させることが可能となる。
【0101】
尚、本実施例では、演出用スイッチ56を1回長押しすることで、遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成であるが、メインメニュー画面のメニュー項目として「簡単スタート」とは別に遊技履歴を蓄積する機能の利用開始項目を設け、当該項目を指定することにより遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成としても良いし、演出用スイッチ56の長押し及びメインメニュー画面による項目指定の双方にて遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成としても良い。
【0102】
本実施例では、管理サーバ1000からパスワードの発行を受けるためには、予め携帯端末1001などで管理サーバ1000にアクセスし、会員登録などにより携帯端末1001の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。尚、本実施例では、図示しないパスワード入力前のメインメニュー画面にて「会員登録」を選択することで管理サーバ1000の会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コードが生成されて表示されるようになっており、携帯端末にて2次元コードを読み取ることにより簡単に管理サーバ1000の会員登録ページにアクセスできるようになっている。
【0103】
また、本実施例では、予め管理サーバ1000にアクセスして会員登録を済ませていない遊技者であっても、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
【0104】
具体的には、図示しないメインメニュー画面から「簡単スタート」を選択することで、サブ制御部は、一定の範囲で更新される乱数から開始時乱数を取得し、RAM91cに割り当てられた開始時乱数格納領域に取得した開始時乱数を格納し、初回開始時用の2次元コードを生成し、表示させる。この2次元コードには、図10(a)に示すように、管理サーバ1000上の仮登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数と、機種IDとが格納されており、この2次元コードを携帯端末1001により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1000のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末1001に割り当てられた端末識別情報(SIMデータ)と、2次元コードから特定される開始時乱数と、機種IDとが対応付けて仮登録されるようになっている。
【0105】
一方、スロットマシン1では、「簡単スタート」を選択すると、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッション)の値が初期化される。
【0106】
個人履歴格納領域には、「簡単スタート」が選択されてからの遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数)が蓄積されるようになっている。さらにパスワードが入力された場合と同様に予めスロットマシンに設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、前述のようにポイントを10ポイント獲得する毎に、レベル格納領域に格納されたレベルが上昇するようになっている。
【0107】
そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、演出設定、達成ミッションの履歴、機種を特定可能な2次元コードを取得し、2次元コードから特定される内容を管理サーバ1000が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
【0108】
「簡単スタート」を選択して遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、図10(b)に示すように、管理サーバ上の本登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数格納領域に格納されている開始時乱数と、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、レベル格納領域に格納されているレベル値と、ストーリー格納領域に格納されているストーリーの段階と、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜4と、機種IDと、が格納されている。
【0109】
そして、この2次元コードを携帯端末1001により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1000のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)と機種IDとが仮登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)と機種IDとが仮登録されている場合には、仮登録されている端末識別情報と機種IDとに対応する開始時乱数と、2次元コードから特定される開始時乱数と、が一致するかが判定され、一致したことを条件に、端末識別情報に対応付けて、機種ID、2次元コードから特定される遊技履歴、現在のレベル、ストーリーの段階、演出設定、達成ミッションの履歴が登録され、遊技者のデータが本登録されるようになっており、以後、これらのデータに基づいてパスワードの発行を受けることが可能となる。
【0110】
このように本実施例のスロットマシン1では、「簡単スタート」を入力することで、開始時乱数を取得し、この開始時乱数を特定可能な2次元コードが表示されるのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行うことが可能となる。そして、遊技終了時には、「簡単スタート」を入力してから終了までの遊技履歴と、「簡単スタート」入力時に取得した開始時乱数と、を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技者は、遊技開始時に表示された2次元コードにて管理サーバ1000にアクセスして仮登録しておき、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ1000にアクセスすることで、管理サーバ1000側では、遊技終了時に送信された2次元コードから特定される開始時乱数と、管理サーバ1000に仮登録されている開始時乱数と、が一致したことを条件に、当該2次元コードから特定される遊技履歴、すなわち当該遊技者の遊技履歴を新規に登録することが可能となる。このため、初めて遊技履歴の蓄積機能を利用する遊技者は、遊技を行う前に予め管理サーバ1000にアクセスして会員登録を行う必要がなく、「簡単スタート」の入力により表示された2次元コードで管理サーバ1000にアクセスするだけで、パスワードを入力したのと同様の遊技を開始することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ1000にアクセスするだけで、その間の遊技履歴を管理サーバ1000に登録・蓄積させることが可能となる。
【0111】
本実施例のサブ制御部は、前述のようにメインメニュー画面から移行する各種メニュー画面を表示させた後、何らの操作もなされない場合に、所定時間の経過で基本画面に切り替えるようになっている。
【0112】
基本画面に切り替わるまでの時間は、画面毎に定められており、図8に示すように、メインメニュー画面、パスワード入力OK画面については1分、終了確認画面、パスワード入力画面、パスワード入力NG画面、2次元コード作成確認画面、2次元コード作成画面、本日の結果画面、データクリア画面、会員登録画面については3分、データクリア完了画面については30秒が定められている。
【0113】
また、図8に示すように、基本画面に切り替わるまでの時間として比較的長い3分が定められた終了確認画面、パスワード入力画面、パスワード入力NG画面、2次元コード作成確認画面、2次元コード作成画面、本日の結果画面、データクリア画面、会員登録画面については、基本画面に切り替わる30秒前、すなわちこれらいずれかの画面に移行後、2分30秒経過した時点から、何らかの操作がなされて他の画面に移行するか、何らの操作もされずに基本画面に移行するまでの期間において、何らかの選択操作がなければ、基本画面に切り替わる旨が画面の一部に表示され、その旨が報知される事前報知を実行するようになっている。
【0114】
このように本実施例では、メインメニュー画面から移行する各種メニュー画面のうち、メインメニュー画面、すなわち特定の操作が選択されていない状況の画面、データクリア画面、すなわち遊技が終了した可能性の高い画面では、何ら操作がなされない場合において比較的短時間で基本画面に切り替わるようになっている。
【0115】
一方で、パスワードの入力画面、すなわち途中で切り替わってしまうと最初から入力しなければならない画面や2次元コードの作成画面(2次元コードが表示されている画面)、すなわち遊技者側が携帯端末で読み取る必要のある画面など、入力や読み取りなど遊技者が比較的煩雑な作業を要する画面であり、すぐに切り替わってしまうと遊技者にとって煩わしいものについては、何ら操作がなされない場合において基本画面に切り替わるまでの時間が上記の画面に比較して長く定められている。
【0116】
このため、遊技者が比較的煩雑な作業を要する画面については、短時間で基本画面に切り替わってしまうことがなく、基本画面に切り替わるまでの時間として遊技者が必要な作業を終えるのに十分な時間が確保される。特に、パスワードの入力画面、すなわちすぐに切り替わってしまうと、途中まで入力したパスワードを再び入力しなければならなくなってしまうなど、すぐに切り替わってしまうと煩わしい画面、2次元コードの作成画面、すなわち1度しか表示されず、そこで2次元コードを取得できないと遊技履歴が初期化され、2度と取得できなくなってしまうなど、遊技者に不利益が生じうる画面については、何ら操作がなされない場合において基本画面に切り替わるまでの時間として、遊技者がパスワードの入力や2次元コードの取得を終えるのに十分な時間が確保されるので、上記のように遊技者に対して煩わしい操作を強いたり、遊技者に不利益が生じてしまうことを極力回避することができる。
【0117】
一方で、メインメニュー画面、データクリア画面などは、比較的短時間でも操作がなされない場合には基本画面に切り替わるようになっており、遊技が行われていない状況でメインメニュー画面のみが表示された場合や遊技終了後、データをクリアしたまま基本画面に切り替えなかった場合でも、比較的短時間で基本画面に切り替わり、その際、遊技者がいなければ遊技を行っていないスロットマシンであることを特定できるようになるので、スロットマシンの稼働が低下してしまうことを防止できる。
【0118】
また、基本画面に切り替わるまでの時間として比較的長い3分が定められた画面、すなわち遊技者が比較的煩雑な作業を要する画面では、基本画面に切り替わるよりも一定時間前から、何らかの操作がなされて他の画面に移行するか、何らの操作もされずに基本画面に移行するまでの期間において、何らかの選択操作がなければ、基本画面に切り替わる旨が報知される事前報知が行われるようになっており、遊技者が比較的煩雑な作業を要する画面が表示された後、遊技者による選択操作がなされない場合でも、事前に基本画面に切り替わることを認識できるので、遊技者が気付かないうちに基本画面に切り替わってしまうことを防止できる。
【0119】
また、本実施例では、図8に示す画面、すなわちメインメニュー画面から移行する各種メニュー画面(終了確認画面は除く)では、ストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、所定の図示しない終了確認画面が表示され、「YES」「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面に戻るようになっている。すなわち各種メニュー画面が表示されている状態では、時間の経過を待つことなく遊技者の操作により基本画面に戻すことができるようになっている。また、メニュー画面から基本画面に戻すためには、ストップスイッチ8Cを一定時間以上操作する必要、すなわち長押しを要するため、メニュー画面を表示している状態で遊技者が意図せずに誤操作によってメニュー画面から基本画面に移行させてしまうことを防止できる。
【0120】
本実施例のサブ制御部は、パスワードを入力するか、「簡単スタート」を入力した場合、または演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がなされた場合に、パスワードの入力も「簡単スタート」の入力もせず、演出用スイッチ56による遊技の開始操作もなされずに遊技を行った場合の演出態様(通常演出モード)とは異なる演出態様の特定演出モードに制御する。
【0121】
詳しくは、図11(a)に示すように、液晶表示器51の表示領域には、その一部に特定演出領域51a、51bが割り当てられており、通常演出モードでは、図11(a)に示すように、特定演出領域51a、51bに規則的な模様のみが表示されるようになっている。
【0122】
これに対して、特定演出モードに制御された場合には、図11(b)に示すように、特定演出領域51aには、遊技者が設定した演出設定に基づくキャラクタが表示され、特定演出領域51bには、当該遊技者のレベル値(パスワードから特定されるレベル値)及び次回レベル上昇までに要するポイント値を示すポイントメータが表示されるようになっている。尚、特定演出モードにおいて特定演出領域51a、51bに表示される対象は、上記に限られず、例えば、ミッションの達成状況などを表示するようにしても良い。
【0123】
尚、演出用スイッチ56の操作に伴い遊技の開始操作が行われた場合には、演出設定やレベル値などを特定できないため、特定演出領域51aには、遊技者が設定した演出設定ではなく、デフォルトの演出設定に基づくキャラクタが表示され、特定演出領域には、レベル値やポイントメータは表示されないようになっている。
【0124】
また、通常演出モードか、特定演出モードか、に関わらず、図11(c)に示すように、基本画面が表示されている状態でストップスイッチ8Cを一定時間以上操作することにより、特定演出領域51a、51bを消去することも可能であるが、デフォルトの設定では、特定演出領域51a、51bが表示されるようになっており、遊技の開始操作(パスワードの入力や「簡単スタート」の入力、演出用スイッチ56の長押し)がなされた場合や遊技の終了操作(データクリアや2次元コード表示)がなされた場合には、それまで特定演出領域51a、51bが消去されていても、再び特定演出領域51a、51bが表示されるようになっている。尚、基本画面が表示されており、かつ特定演出領域51a、51bが消去されている状態で、ストップスイッチ8Cを一定時間以上操作した場合にも、再び特定演出領域51a、51bが表示されるようになっている。
【0125】
また、特定演出モードと、通常演出モードと、では、特定演出領域51a、51b以外の領域における表示態様は、どちらも同じであり、同様の演出が行われることとなる。例えば、演出モードに関わらず、図13(b)に示すように背景で雨が降る演出が行われ、これにより後述のように内部抽選の結果などが示唆されることとなる。
【0126】
一方、特定演出モードでは、特定演出領域51a、51b以外の領域における表示態様が同じであっても、特定演出領域51a、51bの表示内容を異ならせることにより、そこで特別役の当選期待度を異ならせることも可能である。
【0127】
本実施例では、サブ制御部が、スイカ、チェリーの当選(特別役との同時当選含む)時に同時当選示唆演出を実行するか否かを決定する通常演出抽選を行う。同時当選示唆演出は、図13(a)(b)に示すように、特定演出領域51a、51b以外の領域の背景が晴れている状態から雨が降る状態に切り替わる演出Aと、特定演出領域51a、51b以外の領域の背景が晴れている状態から雪が降る状態に切り替わる演出B(図示略)と、からなり、通常演出抽選では、図12(a)に示す選択率にて演出A、演出Bが選択される。尚、通常演出抽選では、スイカ、チェリーの当選時に、100%の確率で演出A、演出Bのいずれかが選択されるものではなく、いずれも選択されなかった場合には、同時当選役示唆演出は実行されない。
【0128】
図12(b)に示すように、通常演出抽選では、特別役とスイカの同時当選時における演出Bの選択率:B1とスイカの単独当選時における演出Bの選択率:B2に占める前者:B1の比率が、特別役とスイカの同時当選時における演出Aの選択率:A1とスイカの単独当選時における演出Aの選択率:A2に占める前者:A1の比率よりも高くなる確率にて演出A、Bが選択されるようになっている。また、特別役とチェリーの同時当選時における演出Bの選択率:B3とチェリーの単独当選時における演出Bの選択率:B4に占める前者:B3の比率が、特別役とチェリーの同時当選時における演出Aの選択率:A3とチェリーの単独当選時における演出Aの選択率:A4に占める前者:A3の比率よりも高くなる確率にて演出A、Bが選択されるようになっている。
【0129】
このため、これら同時当選示唆演出が実行されることで、特別役と同時当選する可能性のあるスイカまたはチェリーが当選している可能性が示唆されるため、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0130】
また、スイカまたはチェリーと特別役が同時当選している場合には、演出A、Bのうち演出Bの同時当選示唆演出が実行される比率が高くなるため、演出Aよりも演出Bの同時当選示唆演出が実行された方が特別役の当選に対してより期待感を高めることができる。
【0131】
また、サブCPU91aは、通常演出抽選にて演出A、Bのいずれかの同時当選示唆演出を実行する旨が決定された場合に、特定演出モードに制御されていれば、さらに特定演出領域51a、51bにおいて特別役に当選している可能性を報知する特別役当選示唆演出を実行するか否かを決定する特定演出抽選を行う。
【0132】
特別役当選示唆演出は、特定演出領域51a、51b以外の領域における同時当選示唆演出とは別に、特定演出領域51aのキャラクタがセリフをしゃべり、特定演出領域51bに特別役の当選期待度を示すメータが表示されることで、特別役の当選可能性を示唆する演出であり、図13(a)(b)に示すように、特定演出領域51aのキャラクタが、「もしかして?!」としゃべり、特定演出領域51bにそれに応じた当選期待度のメータが表示される特定演出Aと、図14(a)(b)に示すように、特定演出領域51aのキャラクタが、「大チャンス!!」としゃべり、特定演出領域51bにそれに応じた当選期待度のメータが表示される特定演出Bと、からなり、特定演出抽選では、図12(c)に示す選択率にて特定演出A、特定演出Bが選択される。尚、特定演出抽選では、特定演出モードにおいて同時当選示唆演出の実行が決定された場合に、100%の確率で特定演出A、特定演出Bのいずれかが選択されるようになっている。
【0133】
図12(d)に示すように、特定演出抽選では、特別役とスイカの同時当選時における特定演出Bの選択率:b1とスイカの単独当選時における特定演出Bの選択率:b2に占める前者:b1の比率が、特別役とスイカの同時当選時における特定演出Aの選択率:a1とスイカの単独当選時における特定演出の選択率:a2に占める前者:a1の比率よりも高くなる確率にて特定演出A、Bが選択されるようになっている。また、特別役とチェリーの同時当選時における特定演出Bの選択率:b3とチェリーの単独当選時における特定演出Bの選択率:b4に占める前者:b3の比率が、特別役とチェリーの同時当選時における特定演出Aの選択率:a3とチェリーの単独当選時における特定演出aの選択率:a4に占める前者:a3の比率よりも高くなる確率にて特定演出A、Bが選択されるようになっている。
【0134】
このため、スイカまたはチェリーと特別役が同時当選している場合には、特定演出A、Bのうち特定演出Bの特別役当選示唆演出が実行される比率が高くなるため、特定演出Aよりも特定演出Bの特別役当選示唆演出が実行された方が特別役の当選に対してより期待感を高めることができる。
【0135】
また、特定演出モードに制御されている場合に、同時当選示唆演出に加え、特別役当選示唆演出が実行されることで、特定演出領域51a、51b以外の領域では、同じ同時当選示唆演出が実行されていても、特定演出領域51a、51bにおける特別役当選示唆演出の違いによって特別役の当選可能性がより正確に報知されることとなる。
【0136】
このように本実施例では、遊技履歴の蓄積機能を利用するために、パスワードを入力するか、「簡単スタート」を入力した場合、または演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がなされた場合に、遊技の終了操作がなされるまでの期間、すなわち遊技履歴が収集される期間において制御される特定演出モードでは、通常演出モードにおいても実行される同時当選示唆演出に加え、通常モードでは実行されることのない特別役当選示唆演出が実行され得るため、遊技者がパスワードを入力するか、「簡単スタート」を入力した場合、または演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作を行うこと、すなわち遊技履歴を蓄積する機能を利用することを促進できる。
【0137】
特に、本実施例では、特定演出モードにおいて、特別役当選示唆演出が実行されることで、通常演出モードでは、一の可能性を示唆するにすぎない同時当選示唆演出において、さらに詳細な特別役の当選可能性が示唆されるので、遊技者はより正確に特別役の当選可能性を知ることが可能となるため、遊技履歴を蓄積する機能を利用することを一層促進できる。
【0138】
さらに、前述したように一定以上のレベルであることや累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上であることを条件に実行される演出が用意されており、さらに前述のミッションとしてこのような一定以上のレベル、累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上でなければ出現しない演出が実行されることにより達成されるミッション、すなわち一定以上のレベル、累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上でなければ達成できないミッションが定められており、これらは遊技履歴を蓄積する機能を利用することが前提となるため、遊技履歴を蓄積する機能を利用することを一層促進できる。
【0139】
また、液晶表示器51の表示領域に、特定演出領域51a、51bを割り当て、特定演出モードでは、これら特定演出領域51a、51bの表示態様を通常演出モードとは異なる演出態様とすることで、特定演出モードと通常演出モードとの演出態様が異なるように制御しており、特定演出モードにおいて同時当選示唆演出とは異なる特別役当選示唆演出が実行されていることが明確となるうえに、同時当選示唆演出と特別役当選示唆演出が重なることにより示唆される内容が分かりづらくなってしまうことを防止できる。
【0140】
また、特定演出領域51a、51b以外の領域の表示態様は、特定演出モードと通常演出モードとで共通化できるため、使用する画像データや動画データの容量を抑制することもできる。
【0141】
また、本実施例では、基本画面が表示されている状態でストップスイッチ8Cを一定時間以上操作することにより、特定演出領域51a、51bを消去することが可能とされており、特に、特定演出モードに移行させないで遊技を行う遊技者に対して、特定演出領域51a、51b、すなわち通常演出モードでは演出が行われることのない領域が邪魔になってしまうことを防止できる。
【0142】
パスワードを入力して特定演出モードに移行することで、パスワードから特定されるレベル値及び次回レベル上昇までに要するポイント数を示すポイントメータが表示されるようになっており、特定演出領域を利用して遊技履歴の状況も容易に確認することができる。尚、特定演出領域に表示される遊技履歴は、上記のようなレベル値やポイント数に限られず、累積ゲーム数や累積ボーナス回数、さらには、前述した演出の実行条件となるレベル値、累積ゲーム数や累積ボーナス数までの残り値などを表示するようにしても良い。
【0143】
また、特定演出モードにおいて演出態様を変えるために割り当てられた特定演出領域51a、51b自体を利用して演出を行うことも可能となる。例えば、図15(a)〜(c)に示すように、背景の領域で風が吹く表示を行い、それに合わせて特定演出領域51a、51b自体を移動させることにより、背景の風で特定演出領域51a、51bが飛ばされたように表示することもでき、それにより中のキャラクタのリアクションを変化させるようにしても良く、このようにすることで、特定演出領域51a、51bを演出として有効に利用することができる。
【0144】
尚、本実施例では、パスワードの入力以外でも特定演出モードへ移行可能な構成であるが、パスワードが入力された場合のみ特定演出モードへ移行する構成としても良く、このようにすることで、遊技履歴を収集する特定演出モードへ移行させるための操作が、管理サーバ1000からパスワードの発行を受け、そのパスワードを入力する操作、すなわち煩雑な操作を必要とする場合であっても、遊技履歴を蓄積する機能を利用することを促進できる。
【0145】
次に、本発明の管理装置の一例である管理サーバ1000について説明すると、管理サーバ1000は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末1001からアクセス可能とされており、遊技履歴の管理、パスワードの発行、特典の付与などを行う。尚、本実施例の管理サーバ1000は、端末識別情報(SIMデータ)が付与された端末のみからアクセスが可能とされており、端末識別情報が付与されていない端末や端末識別情報は付与されているものの、端末識別情報の送信を拒否した端末についてはアクセスを拒否するようになっている。
【0146】
管理サーバ1000は、遊技者の各機種毎の遊技履歴(機種別データ)を管理する遊技者データベース、遊技毎の遊技履歴を管理する遊技履歴データベース、遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベース及び未登録の遊技者の仮登録データを管理する仮登録データベースを備えている。
【0147】
遊技者データベースは、図16(a)に示すように、遊技者の所有する携帯端末を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)と遊技者が遊技した機種の機種ID(単数でも複数でも可)に対応して、現在のステータス(待機中、遊技中)、パスワード(最後に発行されたもの)、アクセス数(パスワードの発行回数)、現在までの総ゲーム数、総BB回数、総RB回数、現在のレベル、現在のストーリーの段階、演出設定1〜4の設定内容、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)が格納されている。尚、管理サーバ1000の後述するすれ違い機能を利用する遊技者については、電子メールアドレスの事前登録が必要とされており、図16(a)には図示していないが、これら事前登録において受付けた電子メールアドレスが、各端末識別情報(SIMデータ)に対応付けて遊技者データベースに記憶されている。
【0148】
遊技履歴データベースは、図16(b)に示すように、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)及び遊技日時と機種IDに対応して、当該遊技の遊技終了時にスロットマシン1にてランダムに取得される遊技乱数、当該遊技でのゲーム数、当該遊技でのBB回数、当該遊技でのRB回数、当該遊技の遊技終了時のレベル値、当該遊技の遊技終了時のストーリーの段階、当該遊技の遊技終了時の演出設定1〜4の設定内容、当該遊技でのミッション別達成状況が格納されている。
【0149】
特典データベースは、図16(c)に示すように、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データの格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値が格納されている。条件の種別としては、レベル、ミッションの達成率、ゲーム数、BB回数、RB回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値が設定可能とされている。
【0150】
仮登録データベースは、図16(d)に示すように、開始時登録要求を送信した携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)と当該遊技者が遊技を開始したスロットマシン1の機種IDと、開始時登録要求から特定される開始時乱数と、開始時登録要求を受けた登録日時と、が対応付けて登録されている。
【0151】
次に、携帯端末1001から管理サーバにアクセスして会員登録を行う際の、管理サーバ1000の動作を、図17に基づいて説明する。
【0152】
図17に示すように、携帯端末1001で会員登録を行う場合には、まず携帯端末1001から管理サーバ1000の会員登録ページにアクセスする。そして会員登録ページにて氏名などの会員情報を入力し、入力された会員情報及び携帯端末1001の端末識別情報を含む会員登録要求を管理サーバ1000に対して送信する。
【0153】
携帯端末1001から会員登録要求がなされると、管理サーバ1000は、会員登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がある場合には、既に登録済みの会員情報の更新、或いは、簡単スタートにて端末識別情報のみ登録済みとして、遊技者データベースの該当する端末識別情報に対応する会員情報を会員登録要求から特定される会員情報に更新し、会員登録要求を行った携帯端末に対して登録結果を通知する。
【0154】
一方、会員登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致しなかった場合には、未登録の遊技者による会員登録要求として、会員登録要求を行った携帯端末の端末識別情報及び会員登録要求から特定される会員情報を対応付けて遊技者データベースに新規に登録し、会員登録要求を行った携帯端末に対して登録結果を通知する。
【0155】
登録結果を受けた携帯端末1001では、登録結果が表示され、遊技者にその旨が通知される。
【0156】
次に、初めて遊技を行う遊技者が「簡単スタート」を入力し、スロットマシン1にて遊技を行う際の管理サーバ1000及びスロットマシン1の動作を、図18に基づいて説明する。
【0157】
図18に示すように、スロットマシン1において「簡単スタート」が選択されると、開始時乱数を取得し、仮登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数と、を特定可能な初回開始時用の2次元コードを生成し、表示させる。
【0158】
遊技者は、携帯端末1001にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された開始時乱数及び携帯端末1001の端末識別情報を含む開始時登録要求を管理サーバ1000に対して行うことにより、端末識別情報を管理サーバ1000の仮登録データベースに登録することができる。
【0159】
携帯端末1001から開始時登録要求がされると、管理サーバ1000は、開始時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がある場合には、登録不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0160】
一方、開始時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致しない場合には、開始時登録要求から特定される端末識別情報、開始時乱数、登録日時(開始時登録要求を受けた日時)を対応付けて仮登録データベースに登録し、その旨を携帯端末に対して通知する。
【0161】
また、スロットマシン1では、「簡単スタート」が入力され、2次元コードを表示すると、開始時乱数を開始時乱数格納領域に格納するとともに、遊技履歴を初期化して通常演出モードから特定演出モードに移行する。
【0162】
そして遊技者が遊技を終了し、メインメニュー画面から「2次元コード作成」を選択することで開始時乱数格納領域に格納されている開始時乱数、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、レベル格納領域に格納されているレベル値、ストーリー格納領域に格納されているストーリーの段階、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜4と、からなる遊技履歴を取得し、これらのデータと、本登録ページの所在を示すURLと、当該スロットマシン1の機種IDから2次元コードが生成され、液晶表示器51に表示されるとともに、個人履歴格納領域、レベル格納領域、ストーリー格納領域、演出設定格納領域が初期化され、特定演出モードから通常演出モードに移行する。
【0163】
遊技者は、携帯端末1001にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された開始時乱数、遊技履歴、機種ID及び携帯端末1001の端末識別情報を含む終了時登録要求を管理サーバ1000に対して行うことにより、端末識別情報及び初回の遊技履歴を管理サーバ1000の遊技者データベース及び遊技履歴データベースに登録することができる。
【0164】
携帯端末1001から終了時登録要求がされると、管理サーバ1000は、終了時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報と遊技を終了したスロットマシン1の機種IDとが、仮登録データベースに登録されている端末識別情報と機種IDとに一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報と機種IDがない場合には、登録不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0165】
一方、終了時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報と遊技を終了したスロットマシン1の機種IDとが、仮登録データベースに登録されている端末識別情報と機種IDとに一致した場合には、一致した端末識別情報と機種IDに対応して仮登録データベースに登録されている開始時乱数が、終了時登録要求から特定される開始時乱数と一致するか否かを判定し、双方の開始時乱数が一致しない場合には、登録不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0166】
また、双方の開始時乱数が一致した場合には、終了時登録要求を行った携帯端末1001の端末識別情報と遊技を終了したスロットマシン1の機種IDとを遊技者データベースに新規に登録するとともに、該端末識別情報に対応付けて終了時登録要求から特定される遊技履歴(ゲーム数、BB回数等)を遊技者データベースに登録した後、該端末識別情報、機種IDから特定される機種名及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて終了時登録要求から特定される遊技履歴を遊技履歴データベースにも登録する。そして、終了時登録要求を行った携帯端末1001に対して更新後の遊技者データベースに登録されている各機種毎の遊技履歴(ゲーム数やレベルやストーリー等)を特定可能な遊技履歴情報を本登録完了とともに送信する。尚、これら遊技履歴情報は、携帯端末1001において、メモリ部1060のEEPROMに機種IDに対応付けて更新記憶(新規記憶)される。
【0167】
また、双方の開始時乱数が一致した場合に、終了時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が遊技者データベースに新規に登録されるのと同時に、仮登録データベースの端末識別情報及び対応する開始時乱数、登録日時が削除される。
【0168】
また、仮登録データベースに登録されている端末識別情報と機種ID及び対応する開始時乱数、登録日時は、終了時登録要求に伴い本登録が行われない場合、登録日の翌日まで維持されるが、その後は、終了時登録要求に伴い本登録が行われなかった場合でも消去される。
【0169】
次に、パスワードを発行し、スロットマシン1にて遊技を行う際の管理サーバ1000及びスロットマシン1の動作を、図19に基づいて説明する。
【0170】
図19に示すように、携帯端末1001から新たなパスワードの発行要求がなされると、管理サーバ1000は、発行要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がない場合には、発行不可としてその旨を携帯端末1001に対して通知する。
【0171】
一方、発行要求を行った携帯端末1001の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致した場合には、該端末識別情報に対応する機種IDが複数であるか否かを判定し、複数である場合には、対応して記憶されている機種IDから特定される機種名を含む機種選択ページを携帯端末1001に送信して、遊技者が遊技を行おうとしている機種の選択を受付け、該受付けた機種の機種IDと端末識別情報に対応するレベル、ストーリーの段階及び演出設定を遊技者データベースから取得してパスワードを発行する。尚、機種IDが1つのみである場合には、端末識別情報に対応するレベル、ストーリーの段階及び演出設定を遊技者データベースから取得してパスワードを発行する。
【0172】
次いで、ビットシフトに用いた値、すなわち4ビットの乱数値を上位2ビット、下位2ビットに分割し、前述したランダム値としてそれぞれ36ビットの上位2ビット、下位2ビットに付加し、40ビットの値とする。次いで、作成した40ビットの値を5ビット毎に分断し、10進数に置き換え、置き換えた値を図14(a)に示すパスワード解析テーブルに基づいて文字に置き換えることにより、8文字のパスワードを生成する。
【0173】
次いで、遊技者データベースの該当する機種IDと端末識別情報とに対応付けて登録されているパスワード、すなわち前回発行されたパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合には、前述した手順にて前回のパスワードと一致しないと判定されるまで、再度パスワードを生成する。
【0174】
管理サーバ1000は、上記のようにして前回のパスワードと一致しないパスワードを発行し、発行要求を行った携帯端末1001に送信するとともに、遊技者データベースにおいて発行要求を行った携帯端末の端末識別情報と機種IDに対応するパスワードを今回発行したパスワードに更新し、該当する端末識別情報のステータスを遊技中に更新する。尚、パスワードの発行要求を受付けた際に、該当する機種IDと端末識別情報とのステータスが遊技中であってもパスワードの発行が禁止されることはなく、このような状況で新たにパスワードの発行要求を受付けた場合でも、新たにパスワードが発行され、前回のパスワードは無効となる。
【0175】
パスワードの発行要求に応じてパスワードが発行されると携帯端末1001には、発行されたパスワードが表示されることとなり、遊技者は表示されたパスワードをスロットマシン1に入力する。そしてパスワードが入力されたスロットマシン1では、前述のように入力されたパスワードが解析され、該パスワードが認証されると、パスワードから特定されるレベル、ストーリーの段階及び演出設定がスロットマシン1側に設定されることにより、管理サーバ1000にて管理されているレベル、ストーリーの段階、演出設定を引き継いで遊技を行うことが可能となる。この際、パスワードがパスワード格納領域に格納されるとともに、通常演出モードから特定演出モードに移行する。
【0176】
尚、パスワードには、前述のように記念日データを設定することが可能とされており、記念日データとして特定の記念日が設定されている場合には、特定演出モードにて記念日に特有の演出を実行させることが可能となる。
【0177】
そして遊技者が遊技を終了し、メインメニュー画面から「2次元コード作成」を選択することでパスワード格納領域に格納されているパスワード、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、レベル格納領域に格納されているレベル値、ストーリー格納領域に格納されているストーリーの段階、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜4と、からなる遊技履歴、一定の範囲で更新される乱数から遊技乱数を取得し、これらのデータと、更新ページの所在を示すURLと、該スロットマシン1の機種IDと、から2次元コードが生成され、液晶表示器51に表示されるとともに、個人履歴格納領域が初期化され、特定演出モードから通常演出モードに移行する。
【0178】
遊技者は、携帯端末1001にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された遊技履歴、機種ID、パスワード、遊技乱数及び携帯端末1001の端末識別情報を含む更新要求を管理サーバ1000に対して行うことにより、2次元コードにて取得した遊技履歴を管理サーバ1000の遊技者データベース、遊技履歴データベースに反映させることができる。
【0179】
携帯端末1001から更新要求がされると、管理サーバ1000は、更新要求を行った携帯端末1001の端末識別情報と2次元コードを表示したスロットマシン1の機種IDが、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と機種IDとに一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報と機種IDがない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0180】
一方、更新要求に含まれる端末識別情報と機種IDとが、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と機種IDとに一致した場合には、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求に含まれる端末識別情報と機種IDとに対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合する。そして、更新要求から特定されるパスワードと、遊技者データベースに登録されているパスワードと、が一致した場合には、パスワードを発行した遊技者であると認証し、さらに更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースにおいて更新要求に含まれる端末識別情報と機種IDから特定される機種名に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、を照合し、一致するか否かを判定し、一致しない場合には、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて、遊技者データベースに該当する端末識別情報と機種IDに対応して記憶されている各項目のデータを更新するとともに、該端末識別情報、機種IDの基づく機種名、遊技日時(現在の日時データ)、更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数を対応付けて遊技履歴データベースに登録し、該当する機種IDと端末識別情報のステータスを待機中に更新し、更新要求を行った携帯端末1001に対して、更新後の遊技者データベースに登録されている各機種の機種IDに関連付けられた、各機種毎の遊技履歴(ゲーム数やレベルやストーリー等)を特定可能な遊技履歴情報を更新完了とともに送信する。
【0181】
これら遊技履歴情報に基づき携帯端末1001においては、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報が更新される。具体的には、遊技履歴情報に含まれる各機種の機種IDに対応するゲーム数やレベルやストーリー等の遊技履歴の各データが変更されているか否かが判定され、変更されている場合には、新たなデータに更新されることで、管理サーバ1000の遊技者データベースに管理されている各機種の遊技履歴と同一の遊技履歴が、携帯端末1001において記憶されるようになっている。
【0182】
一方、更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースに更新要求に含まれる機種IDの機種名と端末識別情報に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、が一致した場合には、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いので、更新不可としてその旨を携帯端末1001に対して通知する。
【0183】
また、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求から特定される端末識別情報と機種IDとに対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合した結果、双方のパスワードが一致しなかった場合には、いずれか1文字のみパスワード入力時の配列上前後1時違いの相違であるか、を判定する。パスワード入力時の配列上前後1時違いとは、パスワード入力画面の前後1文字であり、例えば、正規のパスワードが「Z」であれば、その前後1時とは「Y」と「=」が該当する。
【0184】
そして、いずれか1文字のみ前後1時違いの相違以外の相違である場合、すなわち2文字以上相違する場合や相違するのは1文字であるが、前後1時違いにあたらない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。一方で、いずれか1文字のみ前後1時違いの相違である場合には、入力ミスの条件を満たすとして、パスワードを発行した遊技者であると一応認証し、さらに更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースにおいて更新要求から特定される端末識別情報と機種IDに対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、を照合し、一致するか否かを判定し、一致しない場合には、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末識別情報と機種IDの対応する項目のデータを更新するとともに、該端末識別情報、機種IDから特定される機種名、遊技日時(現在の日時データ)、更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数を対応付けて遊技履歴データベースに登録し、該当する機種IDと端末識別情報のステータスを待機中に更新し、更新要求を行った携帯端末1001に対して更新後の遊技者データベースに登録されている各機種の機種IDに関連付けられた、各機種毎の遊技履歴(ゲーム数やレベルやストーリー等)を特定可能な遊技履歴情報を更新完了とともに送信する。尚、これら遊技履歴情報に基づいて、前述したように、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報が更新される。
【0185】
また、更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースに更新要求から特定される端末識別情報と機種IDの機種名とに対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、が一致した場合には、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いので、更新不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0186】
また、遊技終了時に2次元コードを取得するのを忘れてしまった場合に、ステータスが遊技中のままであっても、前述のように更新要求を行わずとも新たなパスワードの発行が許可されるようになっている。
【0187】
次に、パスワードを発行せずに、スロットマシン1にて遊技を行う際の管理サーバ1000及びスロットマシン1の動作を、図20に基づいて説明する。
【0188】
図20に示すように、スロットマシン1において演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされると、遊技履歴を初期化して通常演出モードから特定演出モードに移行する。尚、特定演出モードであっても演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされた場合には、遊技履歴が初期化される。
【0189】
そして遊技者が遊技を終了し、メインメニュー画面から「2次元コード作成」を選択することで、個人履歴格納領域に記憶されている総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類と、からなる遊技履歴、一定の範囲で更新される乱数から遊技乱数を取得し、これらのデータと、更新ページの所在を示すURLと、当該スロットマシン1の機種IDから2次元コードが生成され、液晶表示器51に表示されるとともに、個人履歴格納領域が初期化され、特定演出モードから通常演出モードに移行する。
【0190】
遊技者は、携帯端末1001にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された遊技履歴、機種ID及び携帯端末1001の端末識別情報を含む簡易更新要求を管理サーバ1000に対して行うことにより、既に管理サーバ1000の遊技者データベースに登録されている遊技者であれば、演出用スイッチ56を長押しするのみで、その時点から遊技終了までの遊技履歴を遊技者データベースに反映させることができるようになっている。
【0191】
携帯端末1001から簡易更新要求がされると、管理サーバ1000は、簡易更新要求を行った携帯端末の端末識別情報と簡易更新要求に含まれる機種IDとが、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と機種IDとに一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報と機種IDがない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0192】
一方、簡易更新要求を行った携帯端末1001の端末識別情報と遊技したスロットマシン1の機種IDとが、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と機種IDに一致した場合には、簡易更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数と、遊技履歴データベースにおいて簡易更新要求から特定される端末識別情報と機種IDに対応付けて登録されている遊技履歴及び遊技乱数と、を照合し、一致するか否かを判定し、一致しない場合には、簡易更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末識別情報と機種IDの対応する項目のデータを更新するとともに、該端末識別情報、機種IDから特定される機種名、遊技日時(現在の日時データ)、簡易更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数を遊技履歴データベースに対応付けて登録し、該当する端末識別情報と機種IDのステータスを待機中に更新し、簡易更新要求を行った携帯端末1001に対して更新後の遊技者データベースに登録されている各機種の機種IDに関連付けられた、各機種毎の遊技履歴(ゲーム数やレベルやストーリー等)を特定可能な遊技履歴情報を更新完了とともに送信する。尚、これら遊技履歴情報に基づいて、前述したように、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報が更新される。
【0193】
尚、簡易更新要求から特定される遊技履歴は、総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの種類のみであり、簡易更新要求では、その他の項目が更新されることはない。
【0194】
一方、簡易更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数と、遊技履歴データベースに簡易更新要求から特定される端末識別情報と機種IDから特定される機種名とに対応付けて登録されている遊技履歴及び遊技乱数と、が一致した場合には、以前の簡易更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる簡易更新要求である可能性が極めて高いので、更新不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0195】
また、既に登録されている端末識別情報について、簡易更新要求を行った回数、すなわちパスワードの発行を受けずに遊技を行った回数がカウントされるようになっており、この回数が5回以上か否かを判定し、5回以上であれば、パスワードの発行を受けて遊技を行うことを推奨する旨のパスワード推奨案内を携帯端末に通知する。
【0196】
パスワード推奨案内では、パスワードの発行を受けて遊技を行うことで、レベルやストーリーの段階、演出設定などを引き継げること、レベルを上げることでパスワードの発行を受けなければ行われることのない演出が実行されることがあるため、パスワードの発行を受けることを促す内容が案内される。
【0197】
次に、特典を付与する際の管理サーバ1000の動作を、図21に基づいて説明する。
【0198】
図21に示すように、携帯端末1001で特典を入手する場合には、まず携帯端末1001から管理サーバ1000の特典付与ページにアクセスする。そして特典付与ページにて携帯端末1001の端末識別情報を含む特典要求を管理サーバ1000に対して送信する。
【0199】
携帯端末から特典要求がなされると、管理サーバ1000は、特典要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がない場合には、要求不可としてその旨を携帯端末に対して通知する。
【0200】
一方、特典要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致した場合には、特典要求から特定される端末識別情報に基づいて遊技者データベースから当該遊技者の遊技履歴を取得する。
【0201】
次いで、特典データベースの条件種別及び条件値と、遊技者データベースから取得した遊技履歴と、に基づいて付与条件を満たす特典データを抽出し、特典リストを作成して特典要求を行った携帯端末1001に対して配信する。
【0202】
特典リストを取得した携帯端末1001にて特典リストから所望の特典を選択すると、選択した特典種別を示すデータが管理サーバ1000に対して送信され、これを受けて管理サーバ1000では、特典種別に該当する特典データの格納場所から抽出し、抽出した特典データと該特典の特典IDとを、特典要求を行った携帯端末1001に対して配信し、これに基づいて特典要求を行った遊技者が特典データと特典IDを取得することとなる。
【0203】
次に、携帯端末1001の間において特典の授受が実施されるすれ違い通信について、図22、図23、図25に基づいて説明する。
【0204】
まず、すれ違い通信を実施するためには、すれ違い通信用のアプリを管理サーバ1000から予めダウンロードして、携帯端末1001に記憶しておくとともに、該すれ違い通信用のアプリを起動して、有用コンテンツである特典の提供を許諾する遊技者の遊技履歴に関する特典提供条件と、特典の獲得を許諾する遊技者の遊技履歴に関する特典獲得条件とを、予め設定しておく。
【0205】
図22(a)、(b)は、すれ違い通信用のアプリにおけるすれ違い通信設定画面を示す図である。
【0206】
本実施例のすれ違い通信設定画面には、図22に示すように、「対象機種」、「設定項目」、「条件1」、「条件2」等の各選択項目が設けられており、「対象機種」の選択メニューにおいていずれかの機種を、「設定項目」の選択メニューにおいて、特典提供条件または特典獲得条件のいずれかを選択して、各条件の具体的内容を設定する。
【0207】
遊技者は、まず、対象機種を設定する。具体的には、「対象機種」のメニューを選択することにより、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報に含まれる機種IDから特定される機種名が、ポップアップメニューにおいて一覧表示され、該機種名の中から選択することにより実施する。つまり、自分が遊技することで遊技履歴が存在する機種のみを選択可能とされ、携帯端末1001を所持する遊技者が遊技していない機種については選択することができないようになっている。
【0208】
次に、特典提供条件を設定する。特典提供条件を設定する場合には、図22(a)に示すように、「設定項目」の選択メニューにおいて「特典提供条件」を選択し、特典獲得条件を設定する場合には、図22(a)に示すように、「設定項目」の選択メニューにおいて「特典獲得条件」を選択する。
【0209】
そして、該「設定項目」の選択メニューの下方に設けられている各条件を設定することにより設定を行う。
【0210】
これら条件1、条件2・・・の各条件には、遊技履歴に含まれる「ゲーム数」や「レベル」や「ミッション」等の種別を上欄において設定し、下欄において選択した種別に対応する条件値や番号を選択することにより実施する。
【0211】
尚、これら下欄において選択可能な条件値は、当該携帯端末1001のメモリ部1060に記憶されている、「対象機種」の選択項目にて選択した機種の機種IDに対応付けて記憶されている遊技履歴の範囲内においてのみ設定可能とされている。
【0212】
つまり、対象機種として選択した機種の機種IDに対応付けてメモリ部1060に記憶されている遊技履歴におけるゲーム数が、例えば、5000ゲーム(G)であれば、上欄に「ゲーム数」を選択した下欄のポップアップメニューには、5000の範囲内における複数の範囲の条件(1000〜5000、1500〜5000、2000〜5000…等)が選択可能とされていることにより、5000ゲームの範囲内で条件値を設定でき、5000ゲーム(G)以上の条件値を選択して設定することはできないようになっている。
【0213】
同様に、条件の種別として「レベル」を選択した場合も、遊技履歴情報に当該機種IDに対応して記憶されているレベル値、例えば、レベル10であれば、レベル10までの範囲内(レベル10を上限)のレベルを設定でき、条件の種別として「ミッション」を選択した場合も、遊技履歴情報に当該機種IDに対応して記憶されているミッション番号のみが選択可能とされている。
【0214】
このようにしてすれ違い通信設定画面にて設定された設定内容は、メモリ部1060のEEPROM内の所定領域に、各機種(機種ID)毎に記憶されることで、すれ違い通信が可能となる。
【0215】
つまり、本実施例では、特典提供条件並びに特典獲得条件のいずれの条件についても、対象機種として選択した機種における自分の遊技履歴の範囲内においてのみ条件を設定できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典提供条件や特典獲得条件のいずれか一方または双方を、自分の遊技履歴に関係なく、これら遊技履歴の範囲を超えた条件を設定できるようにしても良い。
【0216】
尚、本実施例では、図22(a),(b)に示すように、特典提供条件と特典獲得条件とを個別に設定できるので、特典の提供対象とする遊技者と、特典の獲得供対象とする遊技者とを異なるようにできるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典提供条件と特典獲得条件とを単一の同一条件としても良い。
【0217】
図23は、これらの設定に基づいて実施されるすれ違い通信における携帯端末1001間のやりとりを示す説明図である。尚、以下の説明において、すれ違い通信を実施する一方の携帯端末1001を端末A、他方の携帯端末1001を端末Bとして説明し、端末Aの制御部1055は、図23における端末A側のすれ違い通信処理を実施し、端末Bの制御部1055は、端末B側のすれ違い通信処理を実施する。尚、端末Aと端末Bは、入れ替わっても良く、携帯端末1001は、端末Aと端末Bのいずれの機能も有する。
【0218】
端末Aと端末Bとが、無線LANモジュール部1071における通信可能範囲(通信可能領域)内に存在する状態となった場合には、双方の無線LANモジュール部1071により、無線データ通信の確立処理が実施されてデータ通信が可能となる。
【0219】
該データ通信が可能となったことを受けて、端末A(制御部1055)は端末Bに対して、遊技履歴情報送信要求を送信する。
【0220】
端末B(制御部1055)は、該遊技履歴情報送信要求の受信に応じて、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報を端末Aに返信する。
【0221】
端末A(制御部1055)は、端末Bから受信した遊技履歴情報から特定される各機種の遊技履歴と、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている各機種の特典提供条件と比較し、該遊技履歴が特典提供条件を満たしているか否か、すなわち、端末Bを所持する遊技者が、特典提供条件を満たす遊技者であるか否かを判定する。
【0222】
具体的には、特典提供条件の対象機種として設定されている機種IDが、受信した遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、特典提供条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0223】
特典提供条件を満たさない場合には、端末Bに対し、満たさなかった特典提供条件の内容を含むとともに、特典の提供が不可である旨を示すNG情報を端末Bに対して送信するとともに、すれ違い非提供回数に1を加算した後、例えば、図25(c)に示すような、提供不能画面を表示部1056に表示する提供不能画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0224】
尚、端末AからNG情報を受信した端末B(制御部1055)は、すれ違い非獲得回数に1を加算した後、例えば、図25(d)に示すような、獲得不能画面2を表示部1056に表示する獲得不能画面2表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0225】
これら獲得不能画面2には、図25(d)に示すように、端末Aにおける特典提供条件の充足判定において、充足しなかった条件、例えば、充足しなかった条件が、ゲーム数であって、条件に対して不足していたゲーム数が**であれば、「あと、**ゲーム必要でした。」のメッセージにより、遊技者に報知される。これにより、遊技者は、自身のどの条件が不足していたのかを把握することができる。尚、これら充足しなかった条件が複数であるときには、充足しなかった各条件が全て表示される。
【0226】
一方、特典提供条件を満たす場合には、メモリ部1060のEEPROMに正規の特典として記憶されている特典IDの中から、提供する特典をランダムに決定し、該決定した特典の特典IDと、該端末Aに記憶されている遊技履歴情報(この場合には、特典提供条件の判定の対象とした機種IDの遊技履歴のみを含む遊技履歴情報)を送信する。
【0227】
尚、本実施例では、制御部1055は、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている特典IDから、1の特典IDをランダムに抽選することで、遊技者の意志にかかわらずに提供する特典をランダムに決定することで、すれ違い通信に要する時間をできるだけ短くするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらメモリ部1060のEEPROMに記憶されている特典IDから特定される、当該遊技者が所有する特典の一覧を表示して、提供する特典をすれ違い通信時において遊技者が選択できるようにしても良い。また、所有する特典の中から提供する特典を予め遊技者から受付けておき、該特典を提供する特典としてすれ違い通信時に抽出するようにしたり、或いは、個々の特典IDの特典について、提供するか否かを予め個別に設定しておき、提供することに予め設定されている特典から提供する特典を選出することで、遊技者が提供を決定した特典のみが提供されるようにしても良い。
【0228】
この特典IDと、遊技履歴情報とを受信した端末Bは、該受信した遊技履歴情報と特典IDを一時記憶するとともに、該遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、特典獲得条件を満たしているか否かを判定する。
【0229】
具体的には、特典獲得条件の対象機種として設定されている機種IDが、受信した遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、特典獲得条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0230】
そして、特典獲得条件を満たす場合には、一時記憶している端末Aから受信した特典IDの獲得を許諾して、該一時記憶している特典IDを正規の特典として記憶するとともに、すれ違い獲得回数に1を加算した後、すれ違い通信により特典を獲得したことを遊技者に報知する獲得画面(図25(a)参照)を表示部1056に表示する獲得画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0231】
尚、正規の特典として特典IDが記憶されたことにより、当該すれ違い通信の終了後における最初の管理サーバ1000へのアクセス時において、該特典IDに対応する特典が管理サーバ1000から取得される。
【0232】
このように、本実施例では、携帯端末1001間では、データ容量の大きな特典のデータ自体を送信せずに、該特典を管理サーバ1000から入手可能とするための、データ容量が少ない特典IDのみを送信することで、通信容量を削減し、短い時間においてすれ違い通信を完了できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典IDではなく、特典のデータ自体を送信するようにして、携帯端末1001が、特典を管理サーバ1000から取得する必要がないようにしても良い。
【0233】
尚、これら特典IDのみ正規の特典として記憶され、未だ、特典のデータ自体が管理サーバ1000から取得されていない状態であっても、当該特典IDも、提供する特典として決定可能とされる。
【0234】
一方、特典獲得条件を満たさない場合には、一時記憶している端末Aから受信した特典IDの獲得を不許可として、すれ違い非獲得回数に1を加算するとともに該特典IDの一時記憶を消去した後、例えば、図25(b)に示すような、すれ違い獲得不能画面1を表示部1056に表示する獲得不能画面1表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0235】
本実施例の獲得不能画面1には、図25(b)に示すように、端末Bにおける特典獲得条件の充足判定において、充足しなかった条件、例えば、充足しなかった条件が、レベルであって、条件に対して不足していたレベルが1レベルであれば、「あと、1レベル必要でした。」のメッセージにより、遊技者に報知される。これにより、遊技者は、自身のどの条件が不足していたのかを把握することができる。尚、これら充足しなかった条件が複数であるときには、充足しなかった各条件が全て表示される。
【0236】
尚、図23においては、特典を提供する側である端末Aが、遊技履歴情報を取得して最初の判定を実施する構成としている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の形態により特典の授受が実施されるものであっても良い。
【0237】
具体的には、図24に示すように、特典を獲得する側である端末Aが、遊技履歴情報を取得して最初の判定を実施する構成としても良い。
【0238】
具体的には、データ通信が可能となったことを受けて、端末A(制御部1055)は端末Bに対して、履歴情報送信要求を送信する。
【0239】
端末B(制御部1055)は、該履歴情報送信要求の受信に応じて、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報を端末Aに返信する。
【0240】
端末A(制御部1055)は、端末Bから受信した遊技履歴情報から特定される各機種の遊技履歴と、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている各機種の特典獲得条件と比較し、該遊技履歴が特典獲得条件を満たしているか否か、すなわち、端末Bを所持する遊技者が、特典獲得条件を満たす遊技者であるか否かを判定する。
【0241】
具体的には、特典獲得条件の対象機種として設定されている機種IDが、受信した遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、特典獲得条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0242】
特典獲得条件を満たさない場合には、端末Bに対し、後述する特典提供要求を送信しないことにより、特典の獲得を実施しないともに、すれ違い非獲得回数に1を加算した後、例えば、図25(b)に示すような、獲得不能画面1を表示部1056に表示する獲得不能画面1表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0243】
一方、特典獲得条件を満たす場合には、端末A(制御部1055)は、メモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報(この場合には、特典獲得条件の判定の対象とした機種IDの遊技履歴のみを含む遊技履歴情報)と特典提供要求とを端末Bに対して送信する。この特典提供要求の受信に応じて端末B(制御部1055)は、該特典提供要求とともに受信した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、特典提供条件を満たしているか否かを判定する。
【0244】
具体的には、特典提供条件の対象機種として設定されている機種IDが、受信した遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、特典提供条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0245】
そして、特典提供条件を満たす場合には、メモリ部1060のEEPROMに正規の特典として記憶されている特典IDの中から、提供する特典をランダムに決定し、該決定した特典の特典IDを送信する。
【0246】
端末A(制御部1055)は、受信した特典IDを正規の特典として記憶するとともに、すれ違い獲得回数に1を加算した後、すれ違い通信により特典を獲得したことを遊技者に報知する獲得画面(図25(a)参照)を表示部1056に表示する獲得画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0247】
一方、特典提供条件を満たさない場合において端末B(制御部1055)は、端末Aに対し、満たさなかった特典提供条件の内容を含むとともに、特典の提供が不可である旨を示す必要条件情報を端末Aに対して送信するとともに、すれ違い非提供回数に1を加算した後、例えば、図25(c)に示すような、提供不能画面を表示部1056に表示する提供不能画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0248】
尚、端末Bから必要条件情報を受信した端末A(制御部1055)は、すれ違い非獲得回数に1を加算した後、例えば、図25(d)に示すような、獲得不能画面2を表示部1056に表示する提供不能画面2表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0249】
尚、本実施例では、端末Aが特典を提供する端末Bに対して遊技履歴情報送信要求を送信しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特典提供条件が設定されていて、遊技者が特典の提供の意志がある場合には、該特典提供条件が設定されている端末側から相手の端末側に、遊技履歴情報送信要求の受信がなくても、遊技履歴情報を送信するようにして、通信のやりとりの回数を低減できるようにして、迅速なすれ違い通信を実施できるようにしても良い。
【0250】
また、図26に示すようなやりとりの形態とすることで、より迅速なすれ違い通信を実施できるようにしても良い。
【0251】
具体的には、図26に示すように、無線データ通信の確立処理が実施されてデータ通信が可能となったことを受けて、端末A(制御部1055)は端末Bに対して、遊技履歴情報、特典提供条件並びに特典IDとを同時に送信する。つまり、データ通信が確立した長後の通信環境が大きく変化しない段階において、遊技履歴情報、特典提供条件並びに特典IDとを相手側の端末Bに送信してしまう。
【0252】
端末B(制御部1055)は、受信した遊技履歴情報、特典提供条件を特典IDとともに一時記憶する。そして、該受信した特典提供条件を、自己のメモリ部1060のEEPROMに記憶されている遊技履歴情報に基づく遊技履歴が満たすか否かを判定する。
【0253】
具体的には、特典提供条件の対象機種として設定されている機種IDが、自己の遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、受信した特典提供条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0254】
条件を満たす場合には、更に、受信した端末Aの遊技履歴情報に基づく遊技履歴が、自己の特典獲得条件を満たすか否かを判定する。
【0255】
具体的には、特典獲得条件の対象機種として設定されている機種IDが、受信した遊技履歴情報に含まれているか否かを判定するとともに、該機種IDが含まれている場合には、機種IDに対応する各種別の遊技履歴のデータが、特典獲得条件として設定されている各種別の遊技履歴の条件を満たす(充足する)か否かを判定する。
【0256】
そして、上記した特典提供条件または特典獲得条件のいずれかを満たさない場合には、端末Aに対し、満たさなかった特典提供条件または特典獲得条件の内容を含むとともに、特典の提供が不可である旨を示すNG情報を端末Aに対して送信するとともに、すれ違い非獲得回数に1を加算した後、例えば、特典提供条件を満たさない場合には、図25(b)に示すような、獲得不能画面1を表示し、特典獲得条件を満たさない場合には、図25(d)に示すような、獲得不能画面2を表示する提供不能画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0257】
尚、端末BからNG情報を受信した端末A(制御部1055)は、すれ違い非提供回数に1を加算した後、例えば、図25(c)に示すような、提供不能画面を表示部1056に表示する提供不能画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0258】
一方、上記した特典提供条件または特典獲得条件の双方の条件を満たす場合には、一時記憶している端末Aから受信した特典IDの利用を許諾して、該一時記憶している特典IDを正規の特典として記憶するとともに、端末Aに対して提供OKを送信する。
【0259】
該提供OKの送信を受けて端末A(制御部1055)は、すれ違い提供回数に1を加算更新する。尚、本実施例では、端末Aのすれ違い提供回数を正確に加算更新するために提供OKを端末Aに送信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらすれ違い提供回数を集計しない場合には、該提供OKの送信を実施しないようにしても良い。
【0260】
そして、すれ違い獲得回数に1を加算した後、すれ違い通信により特典を獲得したことを遊技者に報知する獲得画面(図25(a)参照)を表示部1056に表示する獲得画面表示処理を実施した後、当該すれ違い通信を終了する。
【0261】
以上、本実施例によれば、他の携帯端末1001から取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、特典(有用コンテンツ)を提供することを許諾する遊技者の遊技履歴に関する提供許諾条件を満たすか否かが判定され、満たすと判定されたことを条件に特典が送信されるようになるので、特典(有用コンテンツ)が、遊技者が所望しない他の遊技者の携帯端末1001に送信されたり、他の遊技者の携帯端末1001に正規の特典として記憶されたり、正規の特典として保有されてしまうことを防止できる。
【0262】
また、本実施例によれば、特典提供条件または特典獲得条件として、遊技履歴のうち、単位遊技数となるゲーム数に関する条件を設定できるので、これらゲーム数に基づく遊技頻度を基準とした特典の授受、例えば、ゲーム数が少ないことで遊技頻度が低い遊技者との特典の授受を防止することができる。
【0263】
また、本実施例によれば、特典提供条件または特典獲得条件として、遊技履歴のうち、レベルやミッションに関する条件を設定できるので、これらレベルやミッションに基づく遊技習熟度を基準とした特典の授受、例えば、ミッションの達成情報を有しないことで遊技習熟度が低い遊技者との特典の授受を防止することができる。
【0264】
また、本実施例によれば、各機種について設定された特典提供条件または特典獲得条件と、当該機種の遊技履歴に基づいて、特典提供条件または特典獲得条件を満たすか否かが判定されるので、設定された機種の遊技履歴を有しない他の遊技者、つまり、設定された機種の遊技機を遊技していない他の遊技者との特典の授受が実施されてしまうことを防止できる。
【0265】
また、本実施例によれば、遊技者自身が、自分の遊技履歴の範囲内で特典提供条件または特典獲得条件を設定できるので、遊技者は、特典提供条件または特典獲得条件に自分の意志を反映できるようになるとともに、これら特典提供条件または特典獲得条件として、自分の遊技履歴と解離した条件を遊技者が設定してしまうことで、特典の不適切な授受が実施されてしまうことも防止できる。
【0266】
また、本実施例によれば、特典提供条件または特典獲得条件を満たさないことによって特典の授受が実施されないときに、特典の授受が実施されない原因となった特典提供条件または特典獲得条件の内容が表示出力されるため、これらを遊技者が把握できるようになるので、これら特典提供条件または特典獲得条件を満たそうとする遊技者の意欲、つまり遊技意欲を向上させることができる。
【0267】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0268】
例えば、前記実施例では、携帯端末1001間の通信として電磁波による無線通信を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら無線通信としては、赤外線によるデータ通信であっても良い。
【0269】
また、前記実施例では、一方の端末Aまたは端末Bから、他方の端末Bまたは端末Aに特典を提供する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、端末Aと端末Bとが共に他方の端末Bと端末Aとに特典を同時並行して提供するようにしても良い。
【0270】
また、前記実施例では、2つの携帯端末1001におけるすれ違い通信を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上の端末において同時並行してすれ違い通信を実施するようにしても良い。
【0271】
また、前記実施例では、すれ違い通信で授受する有用コンテンツとして、管理サーバ1000にて遊技者に付与された特典を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら有用コンテンツとしては、例えば、画像データ、楽曲データ、管理サーバ1000における遊技履歴に応じてスロットマシン1で可能となる演出を可能とするための演出用データ、或いは、管理サーバ1000にてゲームを行うことで得られるアイテムやアバターやプロフィール等であっても良い。
【0272】
また、前記実施例では、携帯端末として携帯電話を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら携帯端末は、サーバへのアクセス機能とすれ違い通信機能とを備える携帯型のゲーム端末やPDA等であっても良い。
【0273】
また、前記実施例では、特典提供条件や特典獲得条件を遊技者が設定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典提供条件や特典獲得条件を、すれ違い通信用のアプリが、携帯端末1001に記憶されている遊技履歴情報に基づいて、例えば、遊技履歴情報から特定される遊技履歴の一定割合を自動的に設定するようにしても良い。
【0274】
また、前記実施例では、管理サーバ1000により付与される特典を、各遊技者単独の遊技履歴に基づいて付与する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典を、複数の遊技者がグループを形成して、該グループを構成する各遊技者の遊技履歴を統合した統合遊技履歴に基づいて特典を提供するようにしても良い。
【0275】
また、前記実施例では、実施していないが、すれ違いにおける特典の提供を、各遊技者により積極的に実施させるために、特典の提供に成功した回数に応じて特典を付与したり、或いは、獲得できる特典のグレード(種別)が向上するようにしても良い。
【0276】
また、前記実施例では、特典を提供しても、該提供した特典が提供元の携帯端末1001に残るようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら提供した特典が提供元の携帯端末1001から消去されることで、特典がすれ違い相手に移動するようにしても良い。
【0277】
また、前記実施例では、遊技履歴の更新に応じて管理サーバ1000にて特典が付与される際に、遊技者が選択した特典が付与されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特典の付与が、遊技者の選択なしにランダムに決定されて付与されるものであって良く、これらランダムに決定されて付与され、例えば、上記した特典がすれ違い相手に移動する場合にあっては、これらランダムに決定されて付与されることにより、遊技者が重複して所有している特典のみを移動対象の特典とすることで、獲得した特典が提供元の携帯端末1001に存在しなくなってしまうことを防止するようにしても良い。
【0278】
また、遊技者が所有する特典が複数である場合には、所有する特典毎に、当該特典の特典提供条件を個別に設定できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0279】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
91 サブ制御部
1000 管理サーバ
1001 携帯端末
1055 制御部
1056 表示部
1060 メモリ部
1071 無線LANモジュール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末との無線データ通信を行う無線データ通信手段と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるときに、該携帯端末と有用コンテンツの授受を行う通信処理手段とを備える携帯端末であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの提供を許諾する提供許諾条件を記憶する提供許諾条件記憶手段と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を、前記無線データ通信手段を介して取得する遊技履歴情報取得手段と、
前記遊技履歴情報取得手段にて取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記提供許諾条件記憶手段に記憶されている提供許諾条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記通信処理手段は、前記判定手段により提供許諾条件を満たすと判定されたことを条件に、前記遊技履歴情報を取得した携帯端末に対して前記有用コンテンツを送信する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末との無線データ通信を行う無線データ通信手段と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるときに、該携帯端末と有用コンテンツの授受を行う通信処理手段とを備える携帯端末であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの獲得を行う獲得条件を記憶する獲得条件記憶手段と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報を、前記無線データ通信手段を介して取得する遊技履歴情報取得手段と、
前記遊技履歴情報取得手段にて取得した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記獲得条件記憶手段に記憶されている獲得条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により獲得条件を満たすと判定されたことを条件に、前記遊技履歴情報を取得した携帯端末に対して有用コンテンツの獲得要求を送信する獲得要求送信処理手段と、
を備え、
前記通信処理手段は、前記獲得要求の送信に応じて返信される有用コンテンツを受信する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
遊技者が携行可能とされ、所定範囲内に存在する他の遊技者が携行する携帯端末との無線データ通信を行う無線データ通信手段と、該無線データ通信手段により他の携帯端末との間において無線データ通信が可能であるときに、該携帯端末と有用コンテンツの授受を行う携帯端末であって、
遊技を行ったことに基づく遊技履歴に関する条件であって、有用コンテンツの利用を許諾する利用条件を記憶する利用条件記憶手段と、
前記無線データ通信が可能である他の携帯端末から、該携帯端末を携行する遊技者の遊技履歴を特定可能な遊技履歴情報と前記有用コンテンツとを、前記無線データ通信手段を介して受信する通信処理手段と、
前記通信処理手段にて受信した遊技履歴情報から特定される遊技履歴が、前記利用条件記憶手段に記憶されている利用条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段により利用条件を満たすと判定されたことを条件に、前記通信処理手段にて当該遊技履歴情報とともに受信した有用コンテンツの利用を許諾する
ことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−17726(P2013−17726A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154585(P2011−154585)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】