説明

携帯電子機器及び地磁気センサ較正方法

【課題】地磁気センサのキャリブレーションに関わる処理を適切なタイミングで実行することができる携帯電子機器と、その地磁気センサ較正方法を提供する。
【解決手段】省電力モードにおいてキー入力部(103)のキーが操作されると、省電力モードが終了するとともに、地磁気センサ(110)の検出値のキャリブレーションに関わる処理が実行される。これにより、ユーザが表示部(107)の画面を見ようとしている状態でキャリブレーションに関わる処理が実行されるため、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーション処理を実行し、方位の算出精度を向上することができる。また、ナビゲーションアプリ(方位の算出と表示に関わる処理)の起動中にキャリブレーションに関わる処理を実行することによって、方位の算出と表示を行わない状態で無駄なキャリブレーションを行わないため、消費電力の増大を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地磁気センサを備えた携帯電子機器とその地磁気センサ較正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を利用して現在地の地理的な位置を表示するナビゲーション機能を備えた携帯電話機が実用化されている。
このような携帯電話機には、一般に地磁気センサが搭載されており、現在地とともに方位を表示することが可能である。例えば、進行方向に合わせて地図の表示方向を回転させるヘディングアップと称される表示方法によって現在の位置と進行方向をユーザに分かり易く表示することができる。
【0003】
地磁気センサは、例えば磁気抵抗素子などの磁気検出素子を用いて、複数方向(通常は2軸方向又は3軸方向)の地磁気の強さを検出する。
しかしながら、地磁気は非常に微弱であるため、地磁気センサの検出値は他の磁気の影響を受け易い。特に、地磁気センサが搭載された電子機器内部の部品に発生する磁気は、地磁気の検出値の大きな誤差要因となる。
【0004】
電子機器の内部で発生する磁気は、電子機器をどの方角に向けても電子機器の内部に一定の磁界を生じるため、地磁気の検出値に固定的な誤差(オフセット)をもたらす。
地磁気センサによって地磁気を精度よく検出するためには、このオフセットを推定してセンサの検出値から除去するキャリブレーション(較正)が必須となる。
【0005】
特許文献1〜8には、携帯電子機器に搭載される地磁気センサのキャリブレーションに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−291931号公報
【特許文献2】特開2005−291932号公報
【特許文献3】特開2005−291933号公報
【特許文献4】特開2005−291934号公報
【特許文献5】特開2005−291935号公報
【特許文献6】特開2005−291936号公報
【特許文献7】特開2005−345387号公報
【特許文献8】特開2005−345388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、3軸方式の地磁気センサは自動キャリブレーションが可能であるが、2軸方式の地磁気センサはユーザによる手動のキャリブレーション操作が必要である。
例えば、ユーザが携帯電子機器の筐体を地平面に対して水平に保ちながら左右に振ったり回転させたりしている間に、地磁気センサが複数方向の地磁気を検出する。
携帯電子機器内部の磁気に起因するオフセット値は、このようにして取得される複数方向の地磁気の検出値を用いて推定される。
【0008】
ところで、キャリブレーション操作のタイミングは、一般にユーザの主観に委ねられており、方位の表示が実際と異なっているようにユーザが感じた時点でキャリブレーションが行われている。
【0009】
再キャリブレーションが必要となるような携帯電子機器内部の磁界の変化は、外部から比較的強い磁界を受けて機器内部の部品が着磁するとき(例えばイヤホンの磁石が機器に近づけられたときなど)に生じる。しかしながら、そのような外部磁界の変化をユーザは直接知ることはできないため、ユーザの判断でキャリブレーション操作を行う携帯電子機器では、誤差の大きな状態で方位を表示し続けるケースが多いという問題がある。
【0010】
以上から、適切なタイミングで地磁気センサのキャリブレーションに関わる処理を実行することができる携帯電子機器と、その地磁気センサ較正方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の携帯電子機器は、地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体と、前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出するとともに当該方位の情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、前記制御部は、通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードに移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力処理と、前記地磁気センサの較正に関わる処理である較正関連処理とを実行可能であり、前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了して前記通常の動作モードに復帰した後に前記較正関連処理を実行する。
【0012】
また本発明の携帯電子機器は、地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体と、前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出するとともに当該方位の情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、前記制御部は、通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードに移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力処理と、前記地磁気センサの較正に関わる処理である較正関連処理とを実行可能であり、前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了し、所定の待ち時間が経過してから、前記較正関連処理を実行する。
【0013】
好ましくは、前記制御部は、前記方位の算出と該方位の情報の表示に関わる処理が実行されない状態においては前記較正関連処理を実行しない。
【0014】
本発明によれば、地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体とを有する携帯電子機器における地磁気センサの較正方法であって、
前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出し、当該方位の情報を前記表示部に表示する方位特定ステップと、通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードへ移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力ステップと、前記地磁気センサの較正の実行あるいは較正に関わる報知を行う較正ステップとを有し、
前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了して前記通常の動作モードに復帰した後に前記較正ステップの処理を実行する、
携帯電子機器における地磁気センサの較正方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、地磁気センサのキャリブレーションに関わる処理を適切なタイミングで実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機(携帯電子機器)において地理的位置および地図の情報を取得するためのシステムの構成例を示す図である。
【図2】携帯電話機の外観の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機におけるGPS信号受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】ナビゲーションサーバ装置から送信される地図情報の一例を示す図である。
【図7】方位の算出と表示に関わる処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図8】方位の算出と表示に関わる処理の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、GPSによるナビゲーション機能を搭載する多機能型の携帯電話機に適用された本発明の携帯電子機器について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機(携帯電子機器)100において地理的位置および地図の情報を取得するためのシステムの構成例を示す図である。
【0018】
携帯電話機100は、既知の軌道を周回する3つまたはそれ以上のGPS衛星200から送信されるGPS信号を受信する。そして、受信したGPS信号に関する情報を、基地局300から通信網を経由してGPSサーバ装置401に送信し、現在地の位置情報をGPSサーバ装置401から取得する。
また、携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から取得した現在地の位置情報を、基地局300から通信網を経由してナビゲーションサーバ装置402に送信し、現在地周辺の地図の情報をナビゲーションサーバ装置402から取得する。
【0019】
GPSサーバ装置401は、通信網を介して携帯電話機100から送られてくるGPS信号の情報に基づいて、携帯電話機100の地理的な位置(例えば緯度や経度など)を算出する。そして、算出した位置情報を、通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
【0020】
ナビゲーションサーバ装置402は、通信網を介して携帯電話機100から送られてくる位置情報に基づいて、携帯電話機100周辺の地図の情報をデータベースから検索する。そして、検索した地図情報を、通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
【0021】
図2は、携帯電話機100の外観の一例を示す図である。
【0022】
携帯電話機100は、図2に示すように、第1筐体(上部筐体)501と第2筐体(下部筐体)502とを有する。これら2つの筐体501,502は、ヒンジ部503を介して折り畳み自在に連結されることにより、相互に開閉することができる。
【0023】
折り畳まれた状態(閉状態)において第2筐体502と対向する第1筐体501の面501Aには、表示部518(図3の107)とスピーカ504(図3の105)が配置される。閉状態において第1筐体501と対向する第2筐体502の面502Aには、キー入力部517(図3の103)とマイクロフォン505(図3の106)が配置される。第2筐体502のヒンジ部503には、基地局300と無線通信を行うための伸縮自在のアンテナ507(図3のAT1)が配置される。
【0024】
図3は、本発明の実施形態に係る携帯電話機100の構成例を示すブロック図である。 図3に示す携帯電話機100は、無線通信部101と、GPS信号受信部102と、キー入力部103と、音声処理部104と、スピーカ105と、マイクロフォン106と、表示部107と、記憶部108と、開閉判定部109と、地磁気センサ110と、制御部120とを有する。
【0025】
無線通信部101は、基地局300との間の無線通信に関する処理を行う。例えば、制御部120から出力される送信データに所定の変調処理を施して無線信号に変換し、アンテナAT1から送出する。また、アンテナAT1において受信された無線信号に所定の復調処理を施して受信データを再生し、制御部120に出力する。
【0026】
GPS信号受信部102は、GPS衛星200から送出されるGPS信号を受信して増幅、ノイズ除去、変調等の信号処理を施し、GPSサーバ装置401において携帯電話機100の地理的位置を算出するために必要な情報を取得する。
【0027】
キー入力部103は、例えば電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部120に入力する。
【0028】
音声処理部104は、スピーカ105において出力される音声信号やマイクロフォン106において入力される音声信号の処理を行う。すなわち、マイクロフォン106から入力される音声信号に増幅、アナログ−デジタル変換、符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部120に出力する。また、制御部120から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカ105に出力する。
【0029】
表示部107は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部120から供給される映像信号に応じた画像を表示する。例えば、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、バッテリ残量、待ち受け画面などの各種の情報や画像を表示する。また後述するように、ナビゲーションを行う時には現在地周辺の地図を表示する。
【0030】
記憶部108は、制御部120において処理に利用される各種のデータを記憶する。例えば、制御部120に備わるコンピュータのプログラム、電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータなどを保持する。
【0031】
記憶部108は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0032】
開閉判定部109は、ヒンジ部503を介して連結された第1筐体501と第2筐体502の開閉状態を判定する。例えば、開閉判定部109は、第1筐体501と第2筐体502とが重なった状態になる閉状態を検出するスイッチ等の検出器を含んでおり、閉状態とそれ以外の状態とを判別する。
【0033】
地磁気センサ110は、方位の算出に用いられる地磁気を検出する。
地磁気センサ110は、例えば第2筐体502の内部の回路基板に配置されており、回路基板上に設定された所定の座標系(2軸又は3軸)を基準として、その各軸方向の地磁気を検出する。地磁気の検出には、例えば磁気抵抗素子の抵抗値を検出する方法や、コイルの励磁を利用する方法、ホール効果を利用する方法など、種々の方法が用いられる。
【0034】
地磁気センサ110は、例えば、磁気により状態の変動する素子部分(磁気抵抗素子など)と、この素子部分の変動値を周期的に検出するドライバ部とにより構成されている。そして、制御部120が記憶部108に格納されるナビゲーションのプログラムなどに含まれる電子コンパスのプログラムに基づきドライバ部を駆動して周期的な検出を行わせ、更にこの検出結果を周期的に検出する。そして、素子部分及びドライバ部分による検出値から、後に説明するオフセット誤差を補正することにより、正確な方位の算出を行う。本実施形態では、このオフセット誤差の算出と補正に関わる処理を地磁気センサ110の較正(キャリブレーション)と呼ぶことがある。
【0035】
制御部120は、携帯電話機100の全体的な動作を統括的に制御する。すなわち、携帯電話機100の各種の処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWebサイトの閲覧、ナビゲーション処理など)がキー入力部103の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ユニットの動作(無線通信部101における信号の送受信、GPS信号受信部102におけるGPS信号の受信動作、音声処理部104における音声の入出力、表示部107における画像の表示など)を制御する。
例えば制御部120は、記憶部108に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーション等)に基づいて処理を実行するコンピュータを備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
【0036】
制御部120は、ナビゲーション機能に関連する処理として、地磁気センサ110の検出値に基づいて方位を算出する処理や、GPS信号受信部102で受信したGPS信号の情報をGPSサーバ装置401に送信して現在地の位置情報を取得する処理、この位置情報をナビゲーションサーバ装置402に送信して現在地周辺の地図の情報を取得する処理、基地局300からの測位用信号と方位の算出結果とに基づいて現在地を割り出す処理、方位の算出結果に応じて表示部107の画面上における地図の向きを制御する処理(ヘディングアップ表示処理)などを行う。制御部120は、これらの処理をナビゲーション用のアプリケーションプログラム(以下、ナビゲーションアプリと記す)によって実行する。
【0037】
また制御部120は、キー入力部103において所定時間以上キー操作がなされない場合、表示部107やその他のユニットにおける消費電力の低減を図る省電力モードに移行する。省電力モードに移行すると、制御部120は例えば表示部107の光量(LCDパネルのバックライト光量など)をゼロまで段階的に減らしていく。光量がゼロになっても更にキー操作のない状態が続くと、制御部120は表示部107における画素の駆動を停止する。
省電力モードへの移行は、キー入力部103においてキー操作がなされない場合だけでなく、例えば開閉判定部109において閉状態が判定された場合(すなわち表示部107の画面が遮蔽されている状態)などにおいて行ってもよい。
【0038】
制御部120は、この省電力モードにおいてキー入力部103の何れかのキーが操作されると、省電力モードを終了して通常の動作モードに復帰するとともに、地磁気センサ110のキャリブレーションに関わる処理を実行する。キャリブレーションに関わる処理としては、例えば、地磁気センサ110のキャリブレーションを促すメッセージや画像を表示部107に表示したり、地磁気センサ110の自動キャリブレーションを実行したりする。
【0039】
携帯電子機器100の内部には、例えばシールドケースやメモリカードホルダ、補強用板金など、電子部品や金属部品が含まれている。これらは、強い磁界を受けると着磁して、磁気を帯びて極性を持つ状態になり、磁界を発生する。
他方、携帯電話機100の内部は狭く、地磁気センサ110には上記のように着磁しやすい部品が近接してレイアウトされる。そのため、地磁気センサ110には純粋な地磁気による磁界の他に、携帯電話機100内部の着磁した部品により発生する磁界が加わる。地磁気センサ100のキャリブレーションは、このような携帯電話機100内部の磁界に基づいて生じる検出値の固定的なオフセット誤差を算出して補正するものである。
地平面に対して携帯電話機100を回転すると、地磁気センサ110に加わる地磁気の磁界は回転動作に伴って変化するが、地磁気センサ100に対して位置関係が固定された携帯電話機100内部の部品により発生する磁界は回転動作によって変化しない。そこで制御部120は、例えば、携帯電話機100の筐体を地平面に対して水平に回転させる動作(すなわち地磁気センサ100の2軸分のパラメータを変化させる動作)をユーザに実行させている間に、地磁気センサ100の検出値を複数取得し、この複数の検出値に基づいて固定的なオフセット誤差を算出している。
なお、地磁気センサ110が3軸以上の地磁気を検出可能である場合は、各軸ごとの検出方法を変えたサンプルを順次取得することにより、筐体を回転させることなくオフセット誤差を算出すること(すなわち自動キャリブレーション)が可能である。
【0040】
省電力モードから復帰するためにキー入力部103のキーを操作するとき、ユーザは表示部107の画面を見ようとしていることが予想される。
他方、地磁気センサ110のキャリブレーション結果は、地平面に対する筐体の角度に応じて変化する。制御部120は、方位の情報がユーザに表示される状態(すなわち筐体が地平面に対して概ね水平になる状態)において最も精度よく方位を算出できるように、キャリブレーション演算を行う。
したがって、ユーザが表示部107の画面を見ようとしている状態でキャリブレーションに関わる処理を実行することにより、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーション処理を実行できるため、方位の算出精度が向上する。
【0041】
制御部120は、上述したキャリブレーションに関わる処理を、キー入力部103の操作に応じて省電力モードから復帰する度に毎回行ってもよい。ただし、方位の算出以外に地磁気センサの検出値を利用しない場合は、省電力モードからの復帰の度にキャリブレーションを行っても無駄になる。その場合には、ナビゲーションアプリ(方位の算出と表示に関わるプログラム)の起動中において省電力モードから復帰したときに、キャリブレーションに関わる処理を実行するようにしてもよい。
【0042】
例えば制御部120は、ナビゲーションアプリの起動中においてキー入力部103が所定時間以上操作されない場合、上述した省電力モードに移行する。省電力モード中において表示部107の画面表示は消えるが、省電力モードから復帰した後で速やかに正しい方位を表示できるようにするため、制御部120は省電力モード中においても方位の算出を続行する。このような状態でキー入力部103の操作により省電力モードが終了すると、制御部120は地磁気センサ110のキャリブレーションに関わる処理を実行する。
【0043】
更に制御部120は、ナビゲーションアプリの起動中において、ナビゲーションアプリの進行を制御するためのキーとは異なるキーがキー入力部103において操作された場合、キャリブレーションに関わる処理を実行してもよい。
ナビゲーションアプリの起動中にキー入力部103のキーを操作する場合、ユーザは表示部107の画面表示を見ようとしていることが予想される。例えば、省電力モードへの移行によって画面が暗くならないように、省電力モードへの移行を防止する目的だけで適当なキーを押下している状況などが予想される。したがって、ナビゲーションアプリの起動中のキー操作に応じてキャリブレーション処理を実行することによって、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーション用のオフセットを取得できる可能性が高いため、方位の算出精度が向上する。
また、ナビゲーションアプリの進行を制御するためのキー(例えば地図の移動や拡大、回転などに用いるキー)が操作された場合にキャリブレーション処理を実行してしまうと、キャリブレーションの頻度が必要以上に高くなってしまうが、そのようなキーとは異なるキー(すなわちナビゲーションアプリに割り当てられていないキー)が操作されたときにキャリブレーション処理を実行すれば、キャリブレーションの頻度が減り、消費電力の増大が抑制される。
【0044】
更に制御部120は、省電力モードにおいてキー入力部103のキーが操作されてから地磁気センサ110のキャリブレーションに関わる処理を実行するまでの間に、一定の待ち時間を設ける。これにより、キー操作直後の筐体の不安定な状態を避けてキャリブレーションが行われるため、適切なオフセット値を取得することができ、方位の算出精度が向上する。
なお、この待ち時間の途中でキー入力部103のキーが更に操作された場合、制御部120は、例えば所定の時間だけ待ち時間を更に延長する。これにより上述と同様に筐体の不安定な状態を避けてキャリブレーションを行うことができる。
またこの場合、制御部120は、待ち時間の途中で操作されたキーに対応する処理を一旦実行した後で、キャリブレーションに関わる処理を実行してもよい。制御部120の処理能力があまり高くない場合には、キャリブレーションに関わる処理とキー操作に対応する処理とを並行実行しないようにすることで、処理速度の低下を抑えることができる。
【0045】
更にまた、制御部120は、開閉判定部109において閉状態が判定された場合(すなわち第1筐体501によって表示部107の画面が遮蔽されている場合)には、キャリブレーションに関わる処理を実行しない。
先に説明したように、制御部120は、方位の情報がユーザに表示される状態において最も精度よく方位を算出できるようにキャリブレーション演算を行う。ため、方位の情報を表示しない閉状態でのキャリブレーションを実行しないことにより、方位の算出精度の低下を防止する。
【0046】
ここで、上述した構成を有する携帯電話機100の動作について、本発明に関連するナビゲーション機能を中心に説明する。
【0047】
まず、GPS信号の受信処理について述べる。
【0048】
図4は、携帯電話機100におけるGPS信号受信処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
制御部120は、例えば2秒間隔といった一定のタイミングでGPS信号受信部102を制御して、衛星からのGPS信号のスキャンを行う(ステップST102,ST104)。スキャンの結果、GPS信号を受信できた場合には、その情報を記憶部108に格納する(ST106)。このようなGPS信号のスキャンと情報の格納を、受信可能な全ての衛星について繰り返す(ステップST108,ST104,ST106)。全ての衛星についてスキャンを行ったら、次のGPS信号受信タイミングまで待って、再びステップST104〜108の処理を行う。制御部160は、このようなGPS信号受信処理を、例えば電源がオンの期間において常に実行する。
【0050】
次に、ナビゲーション処理について述べる。
【0051】
図5は、ナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
制御部120は、例えばキー入力部103におけるキー入力操作等によってナビゲーション処理の開始が選択されると(ステップST122)、制御部120はナビゲーションアプリを起動する。まず制御部120は、上述したGPS受信処理によって得られた情報を無線通信部101から基地局300、通信網を介して、GPSサーバ装置401に送信する処理を行う(ステップST124)。
GPSサーバ装置401は、携帯電話機100からGPSの情報を受信すると、この受信したGPS情報に基づいて携帯電話機100の現在地の位置(例えば緯度、経度の情報)を算出し、その算出結果を通信網から基地局300を経由して、携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から送信される位置情報を受信して、記憶部108に格納する(ステップST126)。
【0053】
次に、制御部120は、無線通信部101から基地局300、通信網を介してナビゲーションサーバ装置402にアクセスし(ステップST128)、取得した位置情報をナビゲーションサーバ装置402へ送信する(ステップST130)。
ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から位置情報を受信すると、この位置情報によって特定される携帯電話機100の現在地周辺の地図の情報をデータベースから検索し、該検索した地図情報を通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報を受信して、記憶部109に格納する(ステップST132)。
【0054】
図6は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報の一例を示す図である。
本実施形態では、一例として、地図情報にそれぞれ固有の識別番号が割り当てられているものとする。ナビゲーションサーバ装置402は、この識別番号に基づいて、所定サイズ(例えば1km四方)ごとに地図のデータを管理しており、携帯電話機100へ地図情報を送信する場合には、この識別番号を地図のデータに添付して送信する。図7の例において、現在地周辺の地図は識別番号MP0であり、その四方の地図は識別番号MP1〜MP4である。
【0055】
このような地図情報を取得すると、制御部160は、取得した地図情報に基づいて現在地周辺の地図の画像データを生成し、表示部107の表示パネルに地図を表示させる(ステップST134)。
【0056】
表示パネルに表示される地図の領域は、例えば図6に示すように、ナビゲーションサーバ装置402から取得した1km四方の地図より狭い領域(例えば200m×300m)である。
【0057】
地図の表示方法は、例えばノースアップ表示(地図上の北を画面の上に向ける表示)とヘディングアップ表示(地図上の進行方向を画面の上に向ける表示)の何れかを選択することが可能である。
キー入力部103のキー操作によってノースアップ表示が選択された場合、制御部120は、地図の北方向を表示画面の上方向に固定させて表示部107に表示させる。
【0058】
一方、キー入力部103のキー操作によってヘディングアップ表示が選択された場合、制御部120は、地磁気センサ110の検出値に基づいて算出した方位に応じて、表示画面における地図の向きを制御する。例えば進行方向の方位が表示画面の上方に向かうように地図の向きを制御する。
【0059】
上述のようにして地図の表示を始めると、制御部120は、キー入力部103のキー操作によってナビゲーション処理の終了が選択されるまでの間、次に述べるステップST138以降の処理を繰り返す(ステップST136)。
【0060】
まず、制御部120は、携帯電話機100周囲の複数(例えば3つ以上)の基地局300から送出される測位用の基準信号を無線通信部101に受信させ、その受信信号に基づいて現在地の位置を算出する(ステップST138)。そして、現在地の算出結果から携帯電話機100の移動の有無を判定し(ステップST140)、携帯電話機100が移動していないと判定した場合は、基地局300からの基準信号に基づく現在地の算出を引き続き行う(ST138)。
【0061】
ステップST140において、携帯電話機100が移動したと判定した場合、制御部120は、その移動先の地点が現在取得している地図の端の領域にあるか否かを判定する(ステップST142)。例えば、表示部107に表示すべき地図の一部が、現在取得している地図に含まれておらず、これに隣接する地図に含まれている場合、現在地が地図の端の領域にあると判定する。
現在地が端領域にあると判定した場合、制御部120は、この端領域に隣接する地図をナビゲーションサーバ装置146に要求する(ステップST146)。例えば、現在取得中の地図の識別番号と、この地図に対して東西南北の何れの方位に隣接するかを指示する情報とを、ナビゲーションサーバ装置146に送信する。
ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から送られるこれらの情報に応じた地図をデータベースから検出して、携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報を受信して記憶部109に格納し(ステップST132)、この地図情報に応じた地図を表示部107に表示させる(ステップST134)。その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
また、現在地が端領域にないと判定した場合、制御部120は、現在地の算出結果に応じて、例えば携帯電話機100の現在地が地図の中央になるように地図の表示領域を移動させる処理を行い、その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
【0062】
次に、ナビゲーションアプリにおける方位の算出と表示について説明する。
【0063】
図7は、方位の算出と表示に関わる処理の第1の例を示すフローチャートである。
【0064】
制御部120は、地磁気センサ110の検出値を取得し(ステップST205)、この取得した検出値と記憶部109に格納されるオフセット値とに基づいて、方位を算出する(ステップST210)。
【0065】
次いで制御部120は、開閉判定部109において閉状態が判定されているか確認し(ステップST215)、閉状態の場合は以降の処理(方位表示の更新処理ST260やキャリブレーション処理ST240,ST245,ST250)を行わずにステップST215へ戻り、地磁気の検出と方位の算出を繰り返す。
【0066】
開閉判定部109において閉状態が判定されていない場合(すなわち開状態の場合)、制御部120はキー入力部103においてキー操作がなされたかどうか判定し(ステップST220)、キー操作がなされた場合には、それにより省電力モードから通常の動作モードへ復帰したかどうかを判定する(ステップST225)。
キー操作によって省電力モードから復帰した場合、制御部120は所定の待ち時間を待った後(ステップST235)、キャリブレーションに関わる処理(ST240,ST245,ST250)を実行する。
【0067】
例えば制御部120は、キャリブレーションを促すメッセージや画像を表示部107に表示して、携帯電話機100の筐体を回転させる等の操作をユーザに行わせ、その間に複数方向の地磁気の検出値を地磁気センサ110から取得する(ステップST240)。制御部120は、地磁気センサ110が取得した地磁気の検出値に基づいてオフセット値のデータを取得する(ステップST245)。地磁気センサ110が3軸型の場合は、筐体の回転が不要な自動キャリブレーションによりオフセット値のデータを取得してもよい。制御部120は、取得したオフセット値のデータを記憶部108に格納して、キャリブレーションを終了する(ステップST250)。キャリブレーション後、ナビゲーションアプリが起動中であれば、再びステップST215へ戻って地磁気の検出と方位の算出を繰り返す(ステップST265)。
【0068】
また制御部120は、キー入力部103においてキー操作がなされ、かつそのキーがナビゲーションアプリの制御に無関係なキーであった場合(ステップST230)、上述と同様に所定の待ち時間135を待った後(ステップST235)、キャリブレーションに関わる処理(ST240,ST245,ST250)を実行する。
【0069】
他方、制御部120は、ナビゲーションアプリの起動中にキー入力部103への操作がなされずに省電力モードへ移行した場合(ステップST255)、方位表示の更新処理(ST260)やキャリブレーション処理(ST240,ST245,ST250)を行わずにステップST215へ戻り、地磁気の検出と方位の算出を繰り返す。
【0070】
筐体が開状態であり(ステップST215)、キー入力部103においてキー操作がなされておらず(ステップST220)、かつ、省電力モード中でない場合(ステップST255)、制御部120は表示部107における方位の表示を更新する(ステップST260)。例えば、現在の方位を示す画像を更新したり(コンパスの絵を回転させる等)、ヘディングアップ表示を行っている場合には地図の向きを更新したりする。
また、筐体が開状態であり(ステップST215)、キー入力部103においてキー操作がなされたが(ステップST220)、省電力モードからの復帰が生じておらず(ステップST225)、ナビゲーションアプリの制御に無関係なキーも操作されていない場合(ステップST230)、制御部120は上述と同様に、表示部107における方位の表示を更新する。方位表示の更新後、ナビゲーションアプリが起動中であれば、再びステップST215へ戻って地磁気の検出と方位の算出を繰り返す(ステップST265)。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、省電力モードにおいてキー入力部103のキーが操作されると、省電力モードが終了するとともに、地磁気センサ110の検出値のキャリブレーションに関わる処理が実行される。これにより、ユーザが表示部107の画面を見ようとしている状態でキャリブレーションに関わる処理が実行されるため、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーション処理を実行し、方位の算出精度を向上することができる。
【0072】
また、ナビゲーションアプリ(方位の算出と表示に関わるプログラム)の起動中にキャリブレーションに関わる処理を実行することによって、方位の算出と表示を行わない状態で無駄なキャリブレーションを行わないため、消費電力の増大を抑制できる。
【0073】
更に、本実施形態によれば、ナビゲーションアプリの起動中において、ナビゲーションアプリの進行を制御するためのキーとは異なるキー入力部103のキーが操作された場合、キャリブレーションに関わる処理が実行される。これにより、ナビゲーションアプリ起動中のキー操作に応じてキャリブレーション処理を実行することによって、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーションに関わる処理が実行されるため、方位の算出精度を向上できる。また、ナビゲーションアプリの進行を制御するためのキーを操作する度にキャリブレーションを実行する場合に比べて不必要なキャリブレーションを行わずに済み、消費電力の増大を抑制できる。
【0074】
しかも、省電力モードにおいてキー入力部103のキーが操作されてから地磁気センサ110のキャリブレーションに関わる処理を実行するまでの間に、一定の待ち時間を設けることによって、キー操作直後の筐体の不安定な状態を避けてキャリブレーションが行われるため、方位の算出精度が向上する。
【0075】
次に、方位の算出と表示に関わる処理の第2の例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0076】
図8のフローチャートは、図7のフローチャートにステップST217が追加されたものである。
制御部120は、ステップST215において筐体が閉状態でない(すなわち開状態)と判定した場合、ステップST217において閉状態から開状態への変化が生じたか否かを更に判定する。閉状態から開状態への変化が生じた場合には、ステップST235で所定の待ち時間135を待った後、キャリブレーションに関わる処理としてステップST240,ST245,ST250を実行する。
【0077】
筐体を閉状態から開状態へ変更するとき(すなわち筐体による表示部107の画面の遮蔽状態を解消するとき)、ユーザは表示部107の画面を見ようとしていることが予想され、筐体が地平面に対して適切な角度になっている可能性が高い。したがって、閉状態から開状態への変化が生じたときにキャリブレーションに関わる処理を実行することによって、地平面に対する筐体の角度が適切な状態でキャリブレーション処理を実行できるため、方位の算出精度を向上することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明は上記の形態のみに限定されるものではない。
【0079】
上述の実施形態では、キー操作によって省電力モードから復帰した場合や、筐体の閉状態から開状態への変化が生じた場合にキャリブレーションに関わる処理を実行しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、キー入力部103の少なくとも一部のキー(操作手段)を遮蔽して操作不能にすることが可能な筐体を備えている場合は、その遮蔽状態が解消したときにキャリブレーションを実行してもよい。キーを操作しようとしてその遮蔽状態を解消しようとするとき、ユーザは表示部107の画面を見ようとしていることが予想されるため、そのようなタイミングでキャリブレーションに関わる処理を実行すれば、方位の算出精度を向上することができる。
なおこの場合、キー入力部103の遮蔽状態の解消後、更に遮蔽されていたキーが操作されたときにキャリブレーションに関わる処理を実行してもよい。
【0080】
上述した実施形態では、制御部120に指示を入力する手段の一例としてキー(押しボタン)を挙げているが、本発明はこれに限定されない。すなわち入力手段は任意であり、例えばダイヤルや、スライドスイッチ、感圧スイッチ、タッチパネルなど、ユーザの指示を入力することが可能な任意の手段を含んでよい。
【0081】
制御部120の処理は、上述のようにコンピュータでソフトウェアによって実行してもよいし、その少なくとも一部をハードウェアで実行してもよい。
【0082】
本発明の携帯電子機器は携帯電話機に限定されるものではなく、携帯ゲーム機やPDA(personal digital assistants)、ノートブック型コンピュータなど、地磁気センサを搭載可能な種々の携帯電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
101…無線通信部、102…GPS信号受信部、103…キー入力部、104…音声処理部、105…スピーカ、106…マイクロフォン、107…表示部、108…記憶部、109…開閉判定部、110…地磁気センサ、120…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体と、前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出するとともに当該方位の情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードに移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力処理と、前記地磁気センサの較正に関わる処理である較正関連処理とを実行可能であり、前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了して前記通常の動作モードに復帰した後に前記較正関連処理を実行する、
携帯電子機器。
【請求項2】
地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体と、前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出するとともに当該方位の情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードに移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力処理と、前記地磁気センサの較正に関わる処理である較正関連処理とを実行可能であり、前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了し、所定の待ち時間が経過してから、前記較正関連処理を実行する、
携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記方位の算出と該方位の情報の表示に関わる処理が実行されない状態においては前記較正関連処理を実行しない、
請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
地磁気を検出する地磁気センサと、情報を表示する表示部と、指示を入力する操作部と、前記操作部の少なくとも一部を遮蔽可能な筐体とを有する携帯電子機器における地磁気センサの較正方法であって、
前記地磁気センサの検出値に基づいて方位を算出し、当該方位の情報を前記表示部に表示する方位特定ステップと、
通常の動作モードにおいて前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽された場合に前記表示部の消費電力を低減する省電力モードへ移行し、当該省電力モードにおいて前記操作部の少なくとも一部の遮蔽が解消すると当該省電力モードが終了して前記通常の動作モードに復帰する省電力ステップと、
前記地磁気センサの較正の実行あるいは較正に関わる報知を行う較正ステップと
を有し、
前記筐体により前記操作部の少なくとも一部が遮蔽されて前記省電力モードに移行した後に当該遮蔽の状態が解消すると、当該遮蔽の状態の解消に伴い前記省電力モードを終了して前記通常の動作モードに復帰した後に前記較正ステップの処理を実行する、
携帯電子機器における地磁気センサの較正方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−175553(P2010−175553A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65217(P2010−65217)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【分割の表示】特願2008−508601(P2008−508601)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】