説明

携帯電子機器

【課題】本発明は、直感的な操作が可能であり省電力化された、回転ダイヤル部を備える携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部41と、回転ダイヤル部41への接触を検出する接触検出部71と、接触検出部71により接触が検出された状態における回転ダイヤル部41の回転に基づいて機能を指定する機能指定部72と、機能指定部72により指定された指定機能を実行可能な機能実行部73と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ダイヤルを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としての携帯電話機において、より直感的なユーザインターフェースが要求されている。ここで、ヒンジ部を有するフォルダタイプの携帯電話機において、ヒンジ部にボリューム切り替え等に用いる回転ダイヤルを設けた携帯電話機が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
近年、携帯電話機は、通信・通話機能のみならずテレビやラジオを視聴する機能も搭載され多機能化されている。
ここで、携帯電話機において、テレビ視聴機能等の機能が選択されていない場合には、通信・通話の待受画面がトップ画面として表示される。
そして、ユーザが所定の操作を行うことにより、待受画面から他の機能を選択するメニュー選択画面に移行すると共に、当該選択メニュー画面においてユーザが所定の機能を選択することで所望の機能を起動させることができる。
【0004】
しかし、メニュー選択画面には、多数の機能が列記されるため不慣れなユーザにとってはスムースな操作が困難であり、携帯電話機自体の使用について抵抗を感じる場合があった。
【0005】
ところで、デジタルカメラにおいては、回転ダイヤルによってメニュー選択を行うものが知られている。この回転ダイヤルには、ムービー機能(動画を記録する機能)や、連写機能(静止画撮影を短時間に複数行う機能)等の撮影作業を補助するメニューが選択可能に割り当てられている(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−90200号公報
【特許文献2】特開2001−245189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、携帯電話機においては、デジタルカメラに用いられているような回転ダイヤルによる複数メニューの選択方式は採用されていない。
また、携帯電話機には、デジタルカメラにはない特有の機能(通信・通話機能)が含まれており、トップ画面としての通信・通話の待受画面が表示されるという相違点がある。
【0008】
更には、通信・通話機能とは異なる所定のアプリケーションを動作させた後、該所定の機能を終了した場合には、通信・通話の待受画面が表示される等の仕様上の相違点も存在する。
したがって、特許文献2に示されているような技術を携帯電話機に単に応用しただけでは、携帯電話機の操作上及び使用上不都合が生ずる。
【0009】
一方、回転ダイヤルにより複数メニューを選択する選択方式を採用する場合、回転ダイヤルにおける回転を検出するための検出部に供給する電力が必要となる。ここで、近年の携帯電話機における多機能化に伴う消費電力増加に対応するため、検出部における消費電力を少なくする工夫が求められる。
【0010】
本発明は、直感的な操作が可能であり省電力化された、回転ダイヤル部を備える携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、筐体と、前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、前記回転ダイヤル部への接触を検出する接触検出部と、前記接触検出部により接触が検出された状態における前記回転ダイヤル部の回転に基づいて機能を指定する機能指定部と、前記機能指定部により指定された指定機能を実行可能な機能実行部と、を備える携帯電子機器に関する。
【0012】
また、前記機能指定部は、前記回転ダイヤル部における回転を検出する回転検出部と、前記回転検出部により検出された回転に基づいて機能を指定する指定部と、を備え、前記回転検出部は、前記接触検出部により接触が検出された場合には起動され又は実行状態が維持され、前記接触検出部により接触が検出されない場合には実行状態が終了され又は起動しない状態が維持されることが好ましい。
【0013】
また、前記指定部は、前記接触検出部により検出される状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、前記回転検出部により検出された回転に基づいて機能を指定することが好ましい。
【0014】
また、前記機能実行部は、前記接触検出部により検出される状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触が検出されない場合には、前記指定機能を実行し、前記所定時間内に接触が検出された場合、前記指定機能を実行しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、直感的な操作が可能であり省電力化された、回転ダイヤル部を備える携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る携帯電話機の外観図である。
【図2】携帯電話機の閉状態における表示部側筐体から見たときの外観図である。
【図3】携帯電話機の閉状態における操作部側筐体から見たときの外観図である。
【図4】回転ダイヤル部付近の拡大図である。
【図5】回転ダイヤル部の機能を示す図である。
【図6】回転ダイヤル部における裏面から見た平面図である。
【図7】回転ダイヤル部に形成された位置ポイントとカウント部との関係を説明する図である。
【図8】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図9A】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図9B】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図10】携帯電話機の動作を説明するフローチャートである。
【図11】メニュー画像Mを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1から図7により、携帯電話機1における構成について説明する。図1は、本発明に係る携帯電話機の一例である携帯電話機1の外観図を示す。また、図2は、携帯電話機1の閉状態における表示部側筐体3から見たときの外観図を示す。また、図3は、携帯電話機1の閉状態における操作部側筐体2から見たときの外観図を示す。また、図4は、回転ダイヤル部41付近の拡大図を示す。また、図5は、回転ダイヤル部の機能を示す図である。図6は、回転ダイヤル部41における裏面41cから見た平面図である。図7は、回転ダイヤル部41に形成された位置ポイント43とカウント部44との関係を説明する図である。
【0018】
携帯電話機1は、図1に示すように、第1面としての第1表面部10を有する操作部側筐体2と、第2面としての第2表面部20を有する表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4に配置されるヒンジ機構4Aを介して連結される。
【0019】
携帯電話機1は、ヒンジ機構4Aを介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2における第1表面部10と表示部側筐体3における第2表面部20とが互いに離間した開状態と、操作部側筐体2における第1表面部10と操作部側筐体2における第2表面部20とが互いに対向して近接配置された閉状態とに変形可能に構成される。
また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4Aと略同軸に設定された回転軸Zを中心に回転可能に取り付けられた回転ダイヤル部41が配置される。
【0020】
操作部側筐体2は、第1表面部10Aと第1裏面部10Bとを有する。操作部側筐体2における第1表面部10Aには、図1に示すように、閉状態にて隠れる操作部11と、使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12とが配置される。操作部側筐体2における第1裏面部10Bには、図3に示すように、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等により構成される撮像部17と、一定の光量を出力する発光部18とが形成される。
【0021】
操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能(アプリケーション)を動作させるためのキー、オフフックキーや、オンフックキーを含む機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、ボリュームコントロール等を行うコントロールボタン16と、から構成される。
ここで、携帯電話機1には、所定の機能(アプリケーション)を選択する操作部材として上述の機能設定操作ボタン13のほか、後に詳述する回転ダイヤル部41が配置される。
【0022】
また、操作部側筐体2は、キー構造部と、キー基板と、ケース体と、基準電位パターン層及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板と、アンテナ部と、充電池80と、後述する回転ダイヤル部41における回転量を検出するために用いられるカウント部44(図7参照)と、を収容する。
【0023】
表示部側筐体3における第2表面部20には、各種情報を表示するための表示部としてのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、が配置される。
【0024】
ディスプレイ21は、トップ画面として通信・通話待受画像を表示する。また、ディスプレイ21は、機能の内容を示す画像を含むメニュー画像M(図11参照)が表示可能に構成される。詳細には、ディスプレイ21には、後述するタッチセンサ200(接触検出部71)が回転ダイヤル部41に指等の導電体が接触したことを検出した場合、メニュー画面が表示される。
【0025】
メニュー画像M(図11参照)は、目印42の横に並ぶ選択位置Sに配置された後述のアイコンIに対応する機能(アプリケーション)の内容を示す画像及び/文字を含む。メニュー画像Mは、開状態において操作部11及びディスプレイ21側から見た回転ダイヤル部41における機能表示部41Bの表示態様と類似して構成される。本実施形態においては、メニュー画像Mは、アプリケーションに対応する機能の名称(略称)を含んで構成される。メニュー画像Mは、機能表示部41BにおけるアイコンIと同様(例えば、相似)の画像を含んで構成されていてもよい。また、ディスプレイ21は、所定の機能を動作させるためのアプリケーションに基づく画像を表示可能に構成される。なお、ディスプレイ21は、閉状態において隠れる位置に配されている。
【0026】
ここで、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動している場合、ディスプレイ21には、撮像部17により撮像される画像が表示可能に構成される。メール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、受信された電子メールの一覧やメール作成画面が表示可能に構成される。カレンダー機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、各月のカレンダー画面やスケジュール画面が表示可能に構成される。ツール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、複数のツール機能を示すアイコンが表示可能に構成される。テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、受信した放送信号のうち選択されたチャンネルに対応する放送信号に基づいた映像を表示可能に構成される。メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、文字入力が可能な入力画面が表示可能に構成される。アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、不図示のメモリに記憶される複数のアドレス情報が表示可能に構成される。これらのアプリケーションは、オンフックキー(終話キー)の押下で終了させることが可能である。
【0027】
上述のアプリケーションが終了された場合、ディスプレイ21は、トップ画面としての通信・通話待受画面を表示する。そして、後述する機能実行部73は、電話機能を使用可能なアプリケーションを動作させている。そして、操作部11は、数字を入力する機能が割り当てられた入力操作ボタン14が押下されることで発呼すべき電話番号の入力を受け付ける。
【0028】
表示部側筐体3における第2裏面20Bには、図2に示すように、各種情報を表示するためのサブディスプレイ23が閉状態であっても外部に露出する位置に配置される。
サブディスプレイ23にも同様に、上述の各種機能を動作させるアプリケーションに基づく画像が表示されるが、ディスプレイ21に比べて画面が小さいので、ディスプレイ21に表示される画像の一部や、相似(小さくした)画像が表示される。また、サブディスプレイ23には、各種機能のうち携帯電話機1が閉状態の場合では起動されない機能を動作させるアプリケーションに基づく画像は表示されないように構成される。
【0029】
ここで、ディスプレイ21及びサブディスプレイ23それぞれは、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される。
【0030】
回転ダイヤル部41は、回転軸Zを中心として回転可能に配置される。具体的には、回転ダイヤル部41は、筐体の一部である連結部4における幅方向Xにヒンジ機構4Aと略同軸の回転軸Zを中心として回転可能に取り付けられる。回転ダイヤル部41は、図1に示すように、携帯電話機1が開状態において、操作部11及びディスプレイ21を見ながら回転操作が可能に配置される。
【0031】
回転ダイヤル部41は、当接部41Aと、機能表示部41Bとを備える。当接部41Aは、回転ダイヤル部41における側面であって、該回転ダイヤル部41が取り付けられた状態で幅方向Xにおける端部側に配置される部分に形成される。当接部41Aは、表面に凹凸が形成され回転ダイヤル部41を回転動作させやすいように構成される。
【0032】
機能表示部41Bは、回転ダイヤル部41における側面であって、該回転ダイヤル部41が取り付けられた状態で当接部41Aよりも幅方向Xにおける中央側に配置される部分に形成される。機能表示部41Bには、表面に機能を示す記号又絵であるアイコンIが表示される。機能表示部41Bには、図5に示すように、回転方向に所定角度(例えば、45度)ごとに機能を示すアイコンIが表示される。
【0033】
具体的には、機能表示部41Bには、標準位置としてのニュートラルを示す丸印のアイコンIaが表示される。また、機能表示部41Bには、45度(ニュートラルを基準とした場合の回転a方向の角度を示す。以下同様である。)の位置に形成されるカメラ機能を示すカメラのアイコンIbが表示される。また、機能表示部41Bには、90度の位置に形成されたメール機能を示す手紙のアイコンIcが表示される。また、機能表示部41Bには、135度に形成されたカレンダー機能を示すカレンダーのアイコンIdが表示される。また、機能表示部41Bには、180度の位置に形成されたツール機能を示す工具のアイコンIeが表示される。また、機能表示部41Bには、225度の位置に形成されたテレビ機能を示すテレビのアイコンIfが表示される。また、機能表示部41Bには、270度の位置に形成されメモ帳機能を示すペンのアイコンIgが表示される。また、機能表示部41Bには、315度の位置に形成されアドレス機能を示す手帳のアイコンIhが表示される。
【0034】
機能表示部41Bは、回転操作が加えられた当接部41Aの回転にともなって回転される。携帯電話機1が開状態における操作部11及びディスプレイ21側に表示されるアイコンI(指標)は、当接部41Aによる回転にともなって変更される。更には、連結部4の外面であって携帯電話機1が開状態において操作部11及びディスプレイ21側を向く位置に形成される目印42と幅方向Xに並んだ位置である選択位置Sに配置されるアイコンIは、回転ダイヤル部41の回転にともなって変更される。選択位置Sに配置されるアイコンIは、回転ダイヤル部41の回転量により決まる。本実施形態において、回転位置は標準位置を基準とした回転量により示される。
【0035】
ここで、本実施形態において、標準位置とは、機能表示部41Bにおける丸印のアイコンIaが選択位置Sに配置された状態をいう。
【0036】
また、ここで、電子ペーパ等のデバイスを配置して、機能表示部41Bをダイヤル表示部としてもよい。ダイヤル表示部には、同様に、各機能を示す指標が表示される。電子ペーパは、回転ダイヤル部41の中央側の外周を覆うように配置(機能表示部41Bの位置)することにより、ダイヤル表示部が形成される。ここで、ダイヤル表示部は、接触検出部71により接触が検出されることでON状態(表示状態)になるようにしてもよい。また、ダイヤル表示部は、機能変更操作が終了したり、変更機能が確定したり、変更機能が起動したりすることで、OFF状態(非表示状態)になるようにしてもよい。
【0037】
回転ダイヤル部41における連結部4側には、連結部4に形成された不図示の挿通部に挿入される回転軸部45が形成される。回転ダイヤル部41における連結部4側の面である裏面41cには、図6に示すように、円周方向(回転方向)に沿って突起状の位置ポイント43aから43hが形成される。位置ポイント43aから43hは、円周方向に所定間隔をあけて形成される。位置ポイント43aから43hは、円周方向において、各機能を示すアイコンI同士の間に形成される。
【0038】
連結部4には、回転ダイヤル部41が回転された状態における位置ポイント43aから43hの移動軌跡上に舌片44aが位置するカウント部44が配置される。
カウント部44は、舌片44aが回転方向に傾くことで通過した位置ポイント43aから43hの数をカウントする。具体的には、舌片44aが回転a方向に傾いた場合においてはカウント数を加算し、回転b方向に傾いた場合にはカウント数を減算する。標準位置を基準としたカウント数に応じて、後述する回転検出部75(図9A、9B参照)により回転ダイヤル部41における回転量が検出され、その結果、回転位置が特定できる。
【0039】
更に、回転ダイヤル部41は、導電性を有する金属製、あるいは導電性を有するように処理された樹脂製の部材により構成される。
回転ダイヤル部41の内部には、該回転ダイヤル部41への接触を検出するためのタッチセンサ200が配置される。タッチセンサ200は、回転ダイヤル部41にユーザの指が当接された場合における静電容量の変化を接触検出部71に出力可能に構成される。
【0040】
後述する接触検出部71は、タッチセンサ200における静電容量の変化に基づいて、回転ダイヤル部41にユーザの指が接触したことを検出する。接触検出部71により回転ダイヤル部41への接触が検出された場合、後述する機能指定部72を構成する回転検出部75(図8参照)は、回転ダイヤル部41における回転を検出可能な状態となる。また、タッチセンサ200における静電容量の変化に基づいて、接触検出部71により回転ダイヤル部41への接触が検出された場合、後述する機能実行部73は、機能指定部72により指定された機能を実行可能な状態となる。
【0041】
回転検出部75は、接触検出部71により接触が検出された接触状態の間における回転ダイヤル部41の回転(回転量及び回転方向)を検出する。この場合、ディスプレイ21には、回転検出部75により検出された回転に基づいて、選択位置Sに配置されたアイコンIに対応する機能を報知するメニュー画像を表示する(枠で囲まれて)。
【0042】
回転ダイヤル部41への接触が検出されなくなった場合、機能指定部72を構成する指定部76は、接触が検出されなくなってから所定時間経過後、上記機能を指定する。機能実行部73は、指定部76により指定された一の機能を実行させる。具体的には、機能実行部73は、指定部76により指定された一の機能を実施するためのアプリケーションを起動させる。タッチセンサ200における静電容量の変化に基づく接触検出及び機能の指定等については、後に詳述する。
【0043】
ここで、回転ダイヤル部41の操作及び機能について説明する。回転ダイヤル部41は、図4に示すように、ユーザの指により当接部41aに回転方向(図4中の矢印の回転a方向及び矢印の回転b方向)への力が加えられることで回転するように筐体における連結部4に取り付けられる。回転ダイヤル部41には、上述の通り、回転方向において所定の間隔ごとにアイコンI(アイコンIaからIh)が付されている。アイコンIは、図5に示すように、アプリケーションを選択する際にユーザにとって理解(イメージ)しやすい記号や絵によって描かれている。
【0044】
ユーザは、回転ダイヤル部41における当接部41Aに指を置いて、回転ダイヤル部41を回転させるための準備状態に入る。この場合、回転ダイヤル部41に配置されたタッチセンサ200における静電容量は、変化する。接触検出部71は、タッチセンサ200における静電容量の変化により回転ダイヤル部41に対する接触を検出する。これにより、上述の通り、機能指定部を構成する回転検出部75は、回転ダイヤル部41における回転量を検出可能な状態となる。また、機能実行部73は、機能指定部72により指定された指定機能を実行可能な状態となる。
【0045】
そして、ユーザは、アイコンIを手掛かりとして、所望する機能(アプリケーション)に対応するアイコンIを選択位置Sまで移動させる。これにより、指定部76は、選択位置Sに配置されるアイコンIに対応する機能を指定可能な状態となる。
【0046】
ユーザは、所望の機能を動作させるアプリケーションに対応したアイコンIが選択位置Sに配置された状態において、当接部41Aに置かれていた指を離間させる。これにより、接触検出部71は、タッチセンサ200における静電容量の変化に基づいて、指が接触していない非接触状態であることを検出すると共に、非接触状態であるとの検出結果を指定部76に出力する。
【0047】
指定部76は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、選択位置のアイコンIに対応した機能を指定する。具体的には、指定部76は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、回転検出部75により検出された回転(回転方向及び回転量)に基づいて、実行する機能を指定する。
【0048】
機能実行部73は、指定部76により指定された機能を実行する。具体的には、機能実行部73は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部71により再度の接触が検出された場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させ、所定時間内に接触検出部71により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【0049】
このようにして、回転ダイヤル部41は、物理的な回転ダイヤルの操作により、各種の機能を発揮するメニュー選択を可能とする。
メニューの選択において、具体的には、図4及び図5に示すように、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に45度(回転b方向に315度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、カメラ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、撮像部17のカメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0050】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に90度(回転b方向に270度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メール機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0051】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に135度(回転b方向に225度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、カレンダー機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、カレンダー機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0052】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に180度(回転b方向に180度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、ツールメニュー(携帯電話機1における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー)機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、ツールメニュー機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0053】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に225度(回転b方向に135度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、テレビ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0054】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に270度(回転b方向に90度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メモ帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0055】
また、ユーザが回転ダイヤル部41に指を当接させた状態で回転操作して無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に315度(回転b方向に45度)±22.5度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、アドレス帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0056】
次いで、図8により、携帯電話機1における機能的な構成について説明する。図8は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、携帯電話機1は、外部の端末と通信を行う通信部60と、充電池80と、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し変換後の電圧を通信部60やCPU70等に供給する電源回路部90と、操作部11と、所定の情報を表示するディスプレイ21と、ユーザの操作により回転される回転ダイヤル部41と、タッチセンサ200と、タイマー205と、CPU70と、メモリ100と、を備える。
【0057】
通信部60は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62と、を備える。
【0058】
メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置(基地局)と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯の他に、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第3の使用周波数帯以上にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【0059】
通信処理部62は、メインアンテナ61によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU70に供給し、一方、CPU70から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0060】
電源回路部90は、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電源電圧を通信部60やCPU70等に供給する。
【0061】
タイマー205は、経時機能を有する。タイマー205は、時間情報を出力可能に構成される。タイマー205から出力された時間情報は、後述する時間情報取得部74により利用される。
【0062】
メモリ100は、CPU70にて実行される多数のプログラム、所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。
具体的には、メモリ100は、CPU70にて起動、終了、中断等がなされる多数のアプリケーションプログラムや、これら複数のアプリケーションにて使用されるパラメータ、複数のアプリケーションプログラムを動作させるためのOSプログラム等を記憶する。
複数のアプリケーションプログラムには、基準アプリケーション、ミュージック・プレーヤー、カメラ、メール等の携帯電話機1が有するアプリケーションごとのアプリケーションプログラムが含まれる。
【0063】
また、メモリ100は、回転量―機能テーブル記憶部110を有する。
回転量―機能テーブル記憶部110は、回転検出部75にて検出される回転量(カウント数)と複数の機能(アプリケーション)との対応関係を示す回転量―機能テーブル(111、112)を記憶する。回転量―機能テーブル(111、112)は、回転ダイヤル部41の回転方向及び回転量に対応して振り分けられた機能(アプリケーション)を示すテーブルである。
【0064】
図9A及び図9Bに示すように、回転量―機能テーブル記憶部110は、回転ダイヤル部41が回転a方向に回転された場合における第1テーブル111及び回転ダイヤル部41が回転b方向に回転された場合における第2テーブル112を記憶する。
【0065】
CPU70は、回転ダイヤル部41から供給される回転量に応じて各種機能に対する起動処理を行う。
ここで、CPU70の構成と動作について説明する。
CPU70は、回転ダイヤル部41へ導電体(例えば、ユーザの指)が接触したことを検出する接触検出部71と、機能指定部72と、機能実行部73と、時間情報取得部74と、表示制御部78とを備える。
【0066】
接触検出部71は、回転ダイヤル部41の内部に配置されるタッチセンサ200により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部41に所定の導電体が接触しているかを検出する。言い換えると、接触検出部71は、タッチセンサ200により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部41に所定の導体が接触している接触状態であるか、回転ダイヤル部41に所定の導体が接触していない非接触状態であるかを検出する。
接触検出部71は、タッチセンサ200により検出される静電容量の変化に基づいて所定の導電体が回転ダイヤル部41に接触していることを検出した場合、機能指定部72、回転検出部75、指定部76と、機能実行部73とに検出信号を出力する。
【0067】
機能指定部72は、回転ダイヤル部41における回転に基づいて、複数の機能のうち所定の機能を実行する機能として指定する。機能指定部72は、接触検出部により接触が検出された状態における回転ダイヤル部41の回転に基づいて実行する機能を指定する。
【0068】
機能指定部72は、回転検出部75と、指定部76とを備える。
回転検出部75は、回転ダイヤル部41における回転量を検出する。
回転検出部75は、接触検出部71により所定の導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出された場合、起動され又は実行状態が維持される。言い換えると、回転検出部75は、接触検出部71により所定の導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出された場合、通電状態となり又は通電状態が維持される。
【0069】
つまり、回転検出部75は、接触検出部71からの検出信号を受信することで、回転ダイヤル部41における回転を検出可能な状態になる。回転検出部75は、接触検出部71からの検出信号を受信しなくなるか又は非検出信号を受信するまで、回転ダイヤル部41における回転を検出可能な状態で維持される。
【0070】
逆に、回転検出部75は、接触検出部71により所定の導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出されない場合には、実行状態が終了され又は起動しない状態が維持される。言い換えると、回転検出部75は、接触検出部71により所定の導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出されない場合、通電状態が終了となり又は通電されない状態が維持される。
【0071】
回転検出部75は、上述の通り、カウント部44にカウントされた位置ポイント43aから43hの数により回転ダイヤル部41における回転量を検出する。例えば、回転a方向を+とした場合において、カウント部44における位置ポイントのカウント数が「+1」である場合、回転検出部75は、回転量を22.5度から67.5度であることを検出する。そして、回転検出部75は、一定時間(例えば、1から2秒)カウント部44における位置ポイントのカウント数が変化しない場合、当該回転量を指定部76に通知する。また、回転検出部75は、カウント部44における舌片44aの傾き方向によって回転方向を検出する。回転検出部75は、回転量と同様に指定部76に通知する。
【0072】
指定部76は、回転検出部75により検出された回転ダイヤル部41における回転(回転方向及び回転量)に基づいて、所定の機能を指定する。具体的には、指定部76は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、回転検出部75により検出された回転に基づいて機能を指定する。詳細には、指定部76は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、回転検出部75により検出された回転に基づいて選択位置のアイコンIに対応した機能(アプリケーション)を指定する。
【0073】
指定部76は、メモリ100に記憶された回転量−機能テーブル(111、112)を参照して、機能を指定する。詳細には、指定部76は、回転検出部75により検出された回転方向により第1テーブル111又は第2テーブル112のいずれか選択して参照し、検出された回転量により指定する機能を決定する。また、指定部76は、所定の機能を指定した場合、指定機能に関する情報を機能実行部73に出力する。
【0074】
機能実行部73は、機能指定部72に含まれる指定部76により指定された機能を実行する。
機能実行部73は、接触検出部71により導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出された場合、機能指定部72に含まれる指定部76により指定された指定機能を実行可能な状態となる。機能実行部73は、接触検出部71により導体が回転ダイヤル部41に接触していることが検出された場合、通電状態となる。
【0075】
機能実行部73は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部71により再度の接触が検出された場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させない。
そして、機能実行部73は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部71により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【0076】
具体的には、機能実行部73は、時間情報取得部74からの時間情報に基づいて、検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間経過したか否かを判定する。
そして、機能実行部73は、所定時間経過したと判定した場合、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。ここで、指定された機能を実行するアプリケーションが既に実行中の場合、機能実行部73は、該アプリケーションの実行状態を維持する。
【0077】
また、機能実行部73は、所定時間経過していないと判定した場合、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させない。
つまり、機能実行部73は、ユーザが回転ダイヤル部41を大きく回転させる途中で回転ダイヤル部41をつまみ直す等の短時間の指の離間(短時間の非接触)を変更途中として扱い、その時点で選択されている機能を実行するアプリケーションを起動させることをしない。これにより、ユーザが選択したい機能を適切に選択できると共に、無駄な起動電力が消費されることを抑制できる。
【0078】
また、機能実行部73は、携帯電話機1が電源ONされると、まずOSプログラムを立ち上げ、OS管理下で基準アプリケーションプログラムを起動する。このとき、表示制御部78はディスプレイ21に待受画面を表示可能としている。その後、起動すべきアプリケーションが発生する都度、OS管理下で基準アプリケーションプログラムを終了あるいは中断して新たなアプリケーションプログラムを起動する。この処理に応じて、表示制御部78は、ディスプレイ21上に、待受画面に代えて新たに起動したアプリケーションに基づく画面を表示させる。
【0079】
表示制御部78は、ディスプレイ21の表示を制御する。接触検出部71が静電容量の変化に基づいて回転ダイヤル部41に導電体が接触したことを検出した場合、表示制御部78は、複数の機能を示す画像を含むメニュー画像M(画面)をディスプレイ21に表示する。具体的には、表示制御部78は、回転検出部75の回転量に応じて指定部76により指定された機能を示す画像を含むメニュー画像Mをディスプレイ21に表示させる(図11参照)。
【0080】
ここで、メニュー画像Mは、回転検出部75が回転ダイヤル部41における回転量を検出可能な状態になったことを示す機能も有する。つまり、ディスプレイ21にメニュー画像Mが表示されることで、ユーザは、回転ダイヤル部41による機能(アプリケーション)の選択が可能な状態になったことを知ることができる。
【0081】
また、表示制御部78は、カメラ機能を実行するアプリケーションに基づく画像をディスプレイ21に表示させる。具体的には、表示制御部78は、ディスプレイ21に撮像部17を介して被写体の画像を表示させることもできる。
【0082】
また、表示制御部78は、起動しているアプリケーションが終了された場合(例えば、オンフックキーが押下げられた場合)、ディスプレイ21に表示される画像を起動していた機能(アプリケーション)に基づく画像から待ちうけ画像(基準画像)に遷移させる。
【0083】
続けて、図10及び図11により、本実施形態における携帯電話機1の動作について説明する。図10は、携帯電話機1の動作を説明するフローチャートである。図11は、メニュー画像Mを説明する図である。
【0084】
図10に基づいて、携帯電子機器における動作を説明する。
まず、ユーザは、回転ダイヤル部41を回転操作するため回転ダイヤル部41に指を置いて触れる(ST1)。接触検出部71は、タッチセンサ200における静電容量の変化に基づいて回転ダイヤル部41への指の接触を検出する。これにより、回転ダイヤル部41及び回転ダイヤル部41の操作により機能を指定して起動させるための各機能が起動する(通電される)ウェイクアップ状態に遷移する(ST2)。そして、ダイヤル表示部(機能表示部41B)がON状態となり(ST3)、該ダイヤル表示部には、各機能を示す指標が表示される。
【0085】
ユーザは、ダイヤル表示部に指標が表示されることで回転ダイヤル部41により機能を変更可能な状態であることを認識すると共に、表示された指標をもとに機能を選択することができる。また、ディスプレイ21には、メニュー画像M(図11参照)が表示されるので、ユーザは、メニュー画像Mを見ながら機能を選択することができる。
【0086】
また、接触検出部71が接触を検出することで、タイマー205がスタートする(ST4)。タイマー205のスタート時において、タイマー205のカウントは0秒である。ここで、タイマー205のカウント情報(時間情報)は、時間情報取得部74により取得される。
【0087】
そして、タイマー205のカウントが2秒未満のときに、回転ダイヤル部41が回転操作(ダイヤル操作)された場合(ST5、YES)、タイマー205のカウントはリセットされ0秒にもどる(ST4)。
ここで、接触検出部71により接触が検出(ダイヤル検出)された状態であって、回転ダイヤル部41の回転操作(ダイヤル操作)がなされず、所定の指標が選択位置Sに表示された状態が維持される場合について、以下に説明する。
【0088】
まず、この状態において、タイマー205のカウントが2秒以上となる場合(ST6、ST7)、選択位置Sに表示された指標により示される機能が機能指定部72により指定され(機能確定)され、機能実行部73により起動される(ST8)。
【0089】
また、この状態において、タイマー205のカウントが2秒未満のときに、ユーザが指を離した場合(ST6、NO)であって、1秒以内に回転ダイヤル部41をつまむ等により再度接触した場合(ST12、YES)、続けて回転操作を行うとみなしてタイマー205のカウントをリセットして0秒にする(ST4)。
また、同様の状態において、タイマー205のカウントが2秒未満のときに、ユーザが指を離した場合(ST6、NO)であって、1秒以内に回転ダイヤル部41に接触しなかった場合(ST12、NO)、続けて回転操作を行わないとみなして選択位置Sに表示された指標により示される機能が機能指定部72により指定され(機能確定)され、機能実行部73により起動される(ST8)。
【0090】
そして、新たな機能が起動された後、回転ダイヤル部41から指が離間している場合(ST9、YES)、回転ダイヤル部41に対する接触が検出されなくなる。これにより、ダイヤル表示部はOFF状態(ST10)となり、指標が表示されなくなる。そして、回転ダイヤル部41及び回転ダイヤル部41の操作により機能を指定して起動させるための各機能が起動していない(通電されない)スタンバイ状態に遷移する(ST11)。
【0091】
また、新たな機能が起動された後、回転ダイヤル部41から指が離間されていない場合(ST9、NO)、起動した機能を他の機能に変更する操作を行うとみなして、ウェイクアップ状態を維持する(ST2)。これにより、ユーザは、間違った機能を起動させた等の場合において、迅速に機能を切り替えることができる。
【0092】
本実施形態によれば、回転ダイヤル部41を直接操作することにより、一定条件下において、回転ダイヤル部41に割り当てられている各種機能を直接的に起動させることができ、従来のようにメインメニューを経由する必要がなく、簡易に所望するアプリケーションを起動することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、回転検出部75は、接触検出部71により接触が検出された場合には、起動される。また、回転検出部75は、接触検出部71により接触が検出されない場合には、停止される。これにより、回転検出部75には、必要なときだけ電力が供給される。言い換えると、回転ダイヤル部41に指が接触されていない場合には接触検出部71が起動されていないので、携帯電話機1における省電力化を図ることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部41から指を離間させ、所定時間経過することで、選択されたアプリケーションを起動させることができる。これにより、簡易な操作で所望のアプリケーションを起動させることができる。つまり、使用性が向上された携帯電話機1を提供することができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部41から指を離間して所定時間経過前に回転ダイヤル部41に再度、指が接触された場合、指定機能に対応するアプリケーションは起動されない。これにより、ユーザの意図に反して機能が開始されることを抑制した携帯電話機を提供することができる。
【0096】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)ナビゲーション装置等であってもよい。
【0097】
また、本実施形態において、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0098】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41は、ヒンジ機構4Aにおける開閉軸と略同軸の回転軸Zを中心に回転可能に構成されるが、これに限定されず、ユーザの操作によって回転自在な構成であればよい。例えば、回転ダイヤル部41は、回転軸Zと直交する所定の回転軸を中心に回転可能に構成してもよい。
【0099】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41により選択可能な機能は上述の通りであるが、これに限定されず、例えば、ユーザ自身が頻繁に使用するメニューを登録可能な構成であってもよいし、また、所望のWebアドレスを登録しておき、当該Webアドレスを回転ダイヤル部41により選択することによって、Webブラウザが起動して当該WebアドレスのWebページを閲覧できるような構成であってもよい。また、メニューの数も上述した数(7つ)に限定されるものではない。
【0100】
また、本実施形態において、回転検出部75は、カウント部44によりカウントされた位置ポイントの数に基づいて回転量を検出しているが、これに限定されず、所定のセンサにより回転ダイヤル部41の回転角度の変化量を回転量として検出してもよい。また、回転検出部75は、例えば、抵抗率の変化等により回転量を検出する構成にしてもよい。
【0101】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41にユーザの指等が接触した状態において機能が確定されるまでの時間を2秒としているが、これに限定されず、任意に設定することができる。例えば、初期設定を2秒として、ユーザが任意に変更可能としてもよい。
【0102】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41にユーザの指等が接触した状態から接触しない状態になった後、機能が確定されるまでの時間を1秒としているが、これに限定されず、任意に設定することができる。例えば、初期設定を1秒として、ユーザが任意に変更可能としてもよい。
【0103】
また、実行中の機能と同じ機能が機能指定部72により指定された場合、携帯電話機1がマルチウィンドウ対応端末であれば対応できる画面数まで機能を実行させ、マルチウィンドウ非対応端末であればポップアップ表示等を行い実行中の機能と起動要求された機能とのどちらを実行するかユーザに選択させることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 ヒンジ機構
11 操作部
21 ディスプレイ
41 回転ダイヤル部
41A 当接部
41B 機能表示部
70 CPU
71 接触検出部
72 機能指定部
73 機能実行部
74 時間情報取得部
75 回転検出部
76 指定部
100 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、
前記回転ダイヤル部への接触を検出する接触検出部と、
前記接触検出部により接触が検出された状態における前記回転ダイヤル部の回転に基づいて機能を指定する機能指定部と、
前記機能指定部により指定された指定機能を実行可能な機能実行部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項2】
前記機能指定部は、
前記回転ダイヤル部における回転を検出する回転検出部と、
前記回転検出部により検出された回転に基づいて機能を指定する指定部と、を備え、
前記回転検出部は、
前記接触検出部により接触が検出された場合には起動され又は実行状態が維持され、
前記接触検出部により接触が検出されない場合には実行状態が終了され又は起動しない状態が維持される
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記指定部は、
前記接触検出部により検出される状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、前記回転検出部により検出された回転に基づいて機能を指定する
請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記機能実行部は、前記接触検出部により検出される状態が接触状態から非接触状態に変化した後、
所定時間内に接触が検出されない場合には、前記指定機能を実行し、
前記所定時間内に接触が検出された場合、前記指定機能を実行しない
請求項1から3に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−231451(P2010−231451A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77614(P2009−77614)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】