説明

携帯電話機及び制御プログラム

【課題】 複数の自局電話番号又はメールアドレス(以下、自局電話番号等)のなかから、使用者の意思によって1つの自局電話番号等を選択することが可能であるとともに、当該選択のための操作を不要とした利便性に優れる携帯電話機を提供すること。
【解決手段】 1台で複数の自局電話番号等の使用が可能であり、上部筐体と下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されてなる携帯電話機であって、上部筐体の下部筐体に対する展開状態を検知する展開状態検知手段と、展開状態検知手段による検知結果に基づいて、上部筐体の回転方向を判定する回転方向判定手段と、回転方向判定手段によって判定された上部筐体の回転方向に基づいて、複数の自局電話番号等のなかから、通信に使用する自局電話番号等を選択する選択手段とを備えたことを特徴とする携帯電話機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能な携帯電話機と、当該携帯電話機に使用される制御プログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、近年、単なる電話機としての機能を有するだけではなく、メール送受信機能等の種々の機能が付加されており、統合的な携帯情報通信端末として広く普及するに至っている。メール送受信機能が付加された携帯電話機は、1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスとして、自局電話番号とメールアドレスとをそれぞれ1つずつ使用することが可能であり、使用者は、必要に応じて、自局電話番号又はメールアドレスのいずれかを選択し、通話を行ったり、メール送信を行ったりすることができる。
【0003】
また、1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能な携帯電話機としては、例えば、1台で複数の自局電話番号の使用が可能な携帯電話機(例えば、特許文献1、2参照)、使用者の操作によって、互いに通信方式が異なるPDC(Personal Digital Cellular)又はPHS(Personal Handy phone System)のいずれかに切換可能な携帯電話機(例えば、特許文献3参照)、1台で2つの自局電話番号を使用可能であって通話料金の安い自局電話番号が発呼時に自動選択される携帯電話機(例えば、特許文献4参照)等が存在する。これらの携帯電話機によれば、複数の自局電話番号を用途別に使い分けたり、料金体系に応じて使い分けたりすることが可能になる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−111810号公報
【特許文献2】特開2002−199100号公報
【特許文献3】特開2000−349871号公報
【特許文献4】特開2003−189013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自局電話番号とメールアドレスとをそれぞれ1つずつ使用することが可能な従来の携帯電話機や、特許文献1〜3に記載の携帯電話機においては、発呼又は発信をするごとに、当該携帯電話機で使用可能な複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、発呼又は発信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスを選択するための操作を行わなければならないため、1つの自局電話番号のみを使用可能な携帯電話機と比べて余分な操作が増えることとなる。携帯電話機は、振動のある条件下(例えば、歩行中や移動中等)で使用されることが多く、また、近年の携帯電話機の小型化に伴って操作ボタン等も小さくなる傾向にあるため、このように余分な操作が増えると、利便性が損なわれてしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献4に記載された携帯電話機では、複数の自局電話番号のなかから、発呼に使用する自局電話番号が自動的に選択されるため、発呼に使用する自局電話番号を使用者の意思で選択することができない。従って、複数の自局電話番号を用途ごとに使い分けたり、通話相手ごとに使い分けたりすることができないという点で使い勝手が悪く、1台の携帯電話機で複数の自局電話番号を使用可能とすることによって得られる利益を充分に享受することができないという問題がある。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、使用者の意思によって1つの自局電話番号又はメールアドレスを選択することが可能であるとともに、当該選択のための操作を不要とした利便性に優れる携帯電話機と、当該携帯電話機に使用される制御プログラムとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能であり、
表示部を有する上部筐体と操作部を有する下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されてなる携帯電話機であって、
上記上部筐体の上記下部筐体に対する展開状態を検知する展開状態検知手段と、
上記展開状態検知手段による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上記上部筐体が上記下部筐体に対して回転する際の当該上部筐体の回転方向を判定する回転方向判定手段と、
上記回転方向判定手段によって判定された上記上部筐体の回転方向に基づいて、上記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスを選択する選択手段と
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【0009】
(1)の発明によれば、例えば、上部筐体を右方向に回転させて携帯電話機を展開すると、業務用の自局電話番号が選択され、逆に、左方向に回転させて携帯電話機を展開すると、私的用の自局電話番号が選択されるというように、使用者が上部筐体をどの方向に回転させて携帯電話機を展開するかによって、当該携帯電話機で使用が可能な複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスが選択される。折り畳み式の携帯電話機では、上部筐体の回転による携帯電話機の展開操作が一般的に行われているが、(1)の発明によれば、このような展開操作を、自局電話番号又はメールアドレスを選択するための操作として利用することにより、自局電話番号又はメールアドレスを選択するための操作自体を省略することができるため、利便性を高めることができる。また、自局電話番号又はメールアドレスの選択自体は、使用者の意思によって行うことができるので、複数の自局電話番号又はメールアドレスを用途ごとに使い分けたり、通信相手ごとに使い分けたりすることが可能であり、1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスを使用可能としたことによって得られる利益を充分に享受することができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の携帯電話機であって、
上記複数の自局電話番号又はメールアドレスの各々に対応した複数の相手局電話番号又は相手先メールアドレスからなる群を記憶可能な記憶領域を有するアドレス記憶手段と、
上記表示部に所定の画像を表示する表示制御手段とを備え、
上記表示制御手段は、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスが上記選択手段によって選択された際、当該自局電話番号又はメールアドレスに対応した複数の相手局電話番号又は相手先メールアドレスからなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号又は相手先メールアドレスを選択可能とするための通信先選択画像を上記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
(2)の携帯電話機によれば、上部筐体を回転させて携帯電話機を展開した際、通信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスが選択されるとともに、当該自局電話番号又はメールアドレスに対応した相手局電話番号又は相手先メールアドレスからなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号又は相手先メールアドレスを選択可能とするための通信先選択画像が表示部に表示されるため、使用者は、別途、通信先選択画像を表示部に表示させるための操作を行う必要がなく、さらに利便性を向上させることができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)の携帯電話機であって、
上記表示部に所定の画像を表示する表示制御手段を備え、
上記選択手段は、上記回転方向判定手段によって判定された上記上部筐体の回転方向が一の方向であるとき、上記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する一の自局電話番号又はメールアドレスを選択し、
上記表示制御手段は、上記回転方向判定手段によって判定された上記上部筐体の回転方向が他の方向であるとき、上記選択手段によって選択される自局電話番号又はメールアドレス以外の自局電話番号又はメールアドレスから、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスを選択可能とするための使用アドレス選択画像を上記表示部に表示することを特徴とする。
【0013】
(3)の携帯電話機によれば、例えば、1台で3つの自局電話番号A〜Cが使用可能である場合、上部筐体を右方向に回転させて携帯電話機を展開すると、自局電話番号Aが、通信に使用する自局電話番号として選択され、その一方で、上部筐体を左方向に回転させて携帯電話機を展開すると、自局電話番号B、Cのうち、通信に使用する自局電話番号を選択可能とする使用アドレス選択画像が表示部に表示される。従って、1台で使用可能な自局電話番号又はメールアドレスの数が3つ以上であっても対応することができる。
さらに、頻繁に使用する自局電話番号又はメールアドレスを直ちに選択可能とするとともに、使用頻度が比較的少ない他の自局電話番号又はメールアドレスについては、使用アドレス選択画像によって選択可能とするというように、自局電話番号又はメールアドレスの使用頻度に応じて選択操作を異ならせることが可能であるため、1台で使用可能な自局電話番号又はメールアドレスの数を3つ以上としても、利便性が損なわれることがない。
【0014】
(4)1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能であり、
表示部を有する上部筐体と操作部を有する下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されてなり、
上記上部筐体の上記下部筐体に対する展開状態を検知する展開状態検知手段を備えた携帯電話機に用いられる制御プログラムであって、
上記携帯端末機を、
上記展開状態検知手段による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上記上部筐体が上記下部筐体に対して回転する際の当該上部筐体の回転方向を判定する回転方向判定手段、並びに、
上記回転方向判定手段によって判定された上記上部筐体の回転方向に基づいて、上記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスを選択する選択手段
として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【0015】
(4)の発明によれば、一般的な折り畳み式の携帯電話機で行われている展開操作を、自局電話番号又はメールアドレスを選択するための操作として利用し、自局電話番号又はメールアドレスを選択するための操作自体を省略するように携帯電話機を制御するため、携帯電話機の利便性を高めることができる。また、自局電話番号又はメールアドレスの選択自体は、使用者の意思によって行うことができるように携帯電話機を制御するため、複数の自局電話番号又はメールアドレスを用途ごとに使い分けたり、通信相手ごとに使い分けたりすることが可能であり、1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスを使用可能としたことによって得られる利益を充分に享受することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、使用者の意思によって1つの自局電話番号又はメールアドレスを選択することが可能であるとともに、当該選択のための操作を不要とした利便性に優れる携帯電話機と、当該携帯電話機に使用される制御プログラムとを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に実施形態について図面に基づいて説明する。
以下においては、1台で2つの自局電話番号の使用が可能な携帯電話機について説明することにする。なお、本発明の携帯電話機において、1台で使用可能な自局電話番号の数は、複数であれば特に限定されるものではない。
図1は、本発明の携帯電話機の一例を模式的に示す正面図である。
【0018】
携帯電話機1は、上部筐体11と下部筐体12とが複数方向に回転可能な連結部13を介して連結されている。具体的には、携帯電話機1は、上部筐体11と下部筐体12とが連結部13(図示せず)を介して連結されており、上部筐体11が下部筐体12に対して平行な状態を保って双方向に回転し得るように構成されている。
【0019】
なお、本発明の携帯電話機は、上部筐体と下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されていればよく、必ずしも、上部筐体が下部筐体に対して平行な状態を保って双方向に回転し得るように構成されている必要はない。
【0020】
上部筐体11は、基地局にキャリアの入出力を行う2本のアンテナ8a、8b(図示せず)をその内部に有するアンテナ部2と、電話に出たときに相手局(着信相手先)の音声を聞くための受話口3と、各種機能の設定や着信時に相手先の電話番号や氏名等を表示するための表示部としてのディスプレイ4と、着信音量や通話音量を調節したり、メモリダイヤルの内容をディスプレイ4上に所定の状態で表示させたり、各種機能の設定を選択するための十字方向操作キー5とを備えている。
【0021】
下部筐体12は、電話番号や文字等を入力する際に使用されるダイヤルキーを含む操作部としての操作キー群6と、通話中に自局の音声を伝えるための送話口7とを備えている。
【0022】
アンテナ部2は、携帯電話機1で使用可能な2つの自局電話番号にそれぞれ対応した2本のアンテナ8a、8b(図示せず)をその内部に有するものであり、その先端部が上部筐体11の前端左側から前方へ突出している。
【0023】
受話口3は、上部筐体11の前方部に形成され、ディスプレイ4の表示面は、受話口3の下方位置において上部筐体11から露出している。
さらに、十字方向操作キー5は、通信を行うべく携帯電話機1を把持した際に母指での操作を容易にするように、ディスプレイ4の表示面の下方位置で、かつ、携帯電話機1の幅方向中央部に配置されている。送話口7は、下部筐体12の後方部に形成されている。操作キー群6の操作面は、送話口7の上方位置において下部筐体12から露出している。
【0024】
図2は、図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
携帯電話機1の2つの自局電話番号に対応した2本のアンテナ8a、8bは、それぞれ基地局とのキャリアの入出力を行う。アンテナ8a、8bには、それぞれ信号処理回路101a、101bが接続されている。
なお、本発明の携帯電話機が備えるアンテナの数は、特に限定されるものではなく、必ずしも、携帯電話機1のように、使用可能な自局電話番号に対応した数のアンテナが設けられる必要はない。例えば、1本のアンテナで複数の自局電話番号についての送信キャリアの送信及び受信キャリアの受信を行うこととしてもよい。
【0025】
信号処理回路101(101a、101b)は、アンテナ8(8a、8b)より入力された受信キャリアの復調処理を行う受信器と、送信キャリアを変調処理する送信器と、受信器及び送信器に対して送信キャリア及び受信キャリアの送受信周波数の制御を行うシンセサイザと、音声及び制御情報の復号化処理等を行うチャネルデコーダと、音声及び制御情報の符号化処理を行うチャネルエンコーダと、音声の符号/復号処理を行う音声コーデックと、スピーカ111及びマイクロホン112とのインターフェイスとして機能する送受話器とを備えている。
【0026】
アンテナ8(8a、8b)から入力された受信キャリアは、受信機−チャネルデコーダ−音声コーデック−送受信機によって音声に変換されて、スピーカ111から出力される。一方、通話中にマイクロホン112から入力された音声は、使用中の自局電話番号に対応した信号処理回路101に入力され、送受信機−音声コーデック−チャネルエンコーダ−送信器によって送信キャリアに変換されて、アンテナ8(8a、8b)から出力される。これにより、音声通話が達成される。携帯電話機1は、上述したように、2本のアンテナ8(8a、8b)と、2つの信号処理回路101(101a、101b)とを有しており、2つの自局電話番号のいずれか1つを使用して音声通話を行うことができる。
【0027】
信号処理回路101a、101bには、それぞれレベル検出回路102a、102bが接続されている。レベル検出回路102(102a、102b)は、基地局からアンテナ8(8a、8b)を介して信号処理回路101(101a、101b)に入力された受信キャリアの電波強度を検出してそのデータを制御回路116に送信する。制御回路116は、受信キャリアの電波強度に関するデータを、2つのレベル検出回路102(102a、102b)の各々から受信し、当該データに基づいて、ディスプレイ4にアンテナピクトを表示する。
【0028】
信号処理回路101a、101bのそれぞれと接続された制御回路116は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有しており、制御中枢を司るものである。具体的には、制御回路116は、予め記憶されているプログラムに従って、発信ボタンを含む操作部としての操作キー群6及び十字操作キー5からの入力に対する制御、表示部であるディスプレイ4への表示の制御、信号処理回路101a、101bへの制御(例えば、シンセサイザの制御や、スピーカ111又はマイクロホン112との音声の送受信を行う信号処理回路101a、101bの切り替え制御等)、着信音出力スピーカ103への音信号の出力制御、並びに、バイブレータ用モータ104の駆動制御を行う。
制御回路116は、表示部であるディスプレイ4に所定の画像を表示する表示制御手段として機能するものである。
【0029】
また、制御回路116(図示せず)は、メモリを有している。このメモリには、例えば、各種の画像データ、着信音を出力するための種々の音データ、通話時間を累積加算して当該メモリに記憶させるプログラム、2つの自局電話番号の各々についての料金体系に基づいて通話料金を算出するプログラム等、各種のデータやプログラムが記憶される。
【0030】
また、制御回路116には、メモリ等を有する電話番号記憶回路113が接続されている。電話番号記憶回路113には、アドレス帳テーブルが格納されている。このアドレス帳テーブルには、携帯電話機1で使用可能な自局電話番号ごとに、相手先の識別情報(例えば、相手先の電話番号、相手先の氏名又は名称等)が記憶される。
電話番号記憶回路113は、複数の自局電話番号の各々に対応した複数の相手局電話番号からなる群を記憶可能な記憶領域を有するアドレス記憶手段として機能する。
【0031】
また、制御回路116には、第1状態センサ50、第2状態センサ60が接続されている。第1状態センサ50及び第2状態センサ60は、上部筐体50の下部筐体60に対する展開状態を検知する展開状態検知手段80であり、上部筐体11と下部筐体12とを連結する連結部13(図示せず)に設けられている。
第1状態センサ50及び第2状態センサ60については、後で詳述することにする。
【0032】
制御回路116は、第1状態センサ50のON/OFFと、第2状態センサ60のON/OFFとに基づいて、使用者の操作によって上部筐体11が下部筐体12に対して回転する際の上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0033】
図3(a)〜(d)は、図1に示した携帯電話機の展開動作を示す正面図である。
図3(a)は、携帯電話機1の上部筐体11と下部筐体12(図示せず)とが重なり合っている閉成状態を示している。
【0034】
図3(b)は、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して右方向に回転している展開中の様子を示している。図3(c)は、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して左方向に回転している展開中の様子を示している。図3(d)は、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して閉成状態から180°回転した展開状態を示している。
【0035】
携帯電話機1を右回りに展開するときには、上部筐体11が下部筐体12に対して右方向に回転し、図3(a)に示した閉成状態から、図3(b)に示した状態を経て、図3(d)に示した展開状態に至る。一方、携帯電話機1を左回りに展開するときには、上部筐体11が下部筐体12に対して左方向に回転し、図3(a)に示した状態から、図3(c)に示した状態を経て、図3(d)に示した展開状態に至る。
【0036】
図4(a)〜(d)は、第1状態センサ50及び第2状態センサ60の動作を模式的に示す斜視図である。図4(a)〜(d)に示す携帯電話機1の状態は、それぞれ図3(a)〜(d)に示した携帯電話機1の状態と対応している。
【0037】
携帯電話機1の上部筐体11と下部筐体12とは、円柱形状の連結部13を介して連結されており、上部筐体11が下部筐体12に対して平行な状態を保って双方向に回転し得るように構成されている。
【0038】
上部筐体11の内部には、導通端子50a、60aが設置されている。これらの導通素子50a、60aは、その先端部が連結部13と接するようになっている。また、連結部13の外周には、2本の導体パターン50b、60bが形成されている。
【0039】
導通端子50a及び導体パターン50bは、第1状態センサ50を構成するものであり、第1状態センサ50は、導通端子50aが導体パターン50bと接触/非接触となることで、ON/OFFを検出する。
導通端子60a及び導体パターン60bは、第2状態センサ60を構成するものであり、第2状態センサ60は、導通端子60aが導体パターン60bと接触/非接触となることで、ON/OFFを検出する。
【0040】
具体的には、表1に示すように、第1状態センサ50がOFF、第2状態センサ60がOFFであるときには(図4(a)参照)、携帯電話機1の上部筐体11と下部筐体12とが重なり合っている閉成状態にある(図3(a)参照)。
また、第1状態センサ50がON、第2状態センサ60がOFFであるときには(図4(b)参照)、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して右方向に回転している展開中の状態にある(図3(b)参照)。
【0041】
また、第1状態センサ50がOFF、第2状態センサ60がONであるときには(図4(c)参照)、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して左方向に回転している展開中の状態にある(図3(c)参照)。
さらに、第1状態センサ50がON、第2状態センサ60がONであるときには(図4(d)参照)、携帯電話機1の上部筐体11が下部筐体12に対して閉成状態から180°回転した展開状態にある(図3(d)参照)。
【0042】
【表1】



【0043】
このように、第1状態センサ50及び第2状態センサ60からなる展開状態検知手段80は、上部筐体11の下部筐体12に対する展開状態を検知する。
携帯電話機1が閉成状態であるときには、第1状態センサ50及び第2状態センサ60が共にOFFであり、携帯電話機1が展開状態であるときには、第1状態センサ50及び第2状態センサ60が共にONである。
制御回路116は、第1状態センサ50及び第2状態センサ60が共にOFFの状態から、共にONの状態に至る過程において、第1状態センサ50又は第2状態センサ60のどちらが先にONとなったかによって、携帯電話機1が右回りに展開されたか、左回りに展開されたかを判定する。このとき、制御回路116は、展開状態検知手段80(第1状態センサ50及び第2状態センサ60)による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上部筐体11が下部筐体12に対して回転する際の上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0044】
そして、制御回路116は、回転方向判定手段によって判定された上部筐体11の回転方向に基づいて、複数の自局電話番号のなかから、通信に使用する自局電話番号を選択する。
このとき、制御回路116は、選択手段として機能する。
【0045】
この実施形態に係る携帯電話機1は、展開状態検知手段として、図4に示すように電気的接点方式のセンサ(第1状態センサ50、第2状態センサ60)を備えているが、本発明の携帯電話機が備える展開状態検知手段は、勿論、この例に限定されるものではなく、例えば、マグネット式のスイッチ、磁気近接センサ等、展開状態(上部筐体と下部筐体との回転スライドによる展開状態)を検知することが可能な周知のものを適宜採用することが可能である。なお、マグネット式のスイッチは、磁石とスイッチとからなり、例えば、上部筐体の回転に伴って磁石がスイッチに対して接近又は離間する際に該磁石の磁力によってスイッチがON/OFFするように構成され、該スイッチのON/OFFによって携帯電話機の展開状態を検知するものである。このようなマグネット式のスイッチは、従来公知のものであり、特開2001−136248号公報等に開示されているので、ここでの説明は省略する。
【0046】
図5は、図1に示した携帯電話機1の制御回路116において実行される自局電話番号選択処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0047】
まず、制御回路116は、第1状態センサ50がONになったか否かを判断する(ステップS1)。第1状態センサ50がONになったということは、上部筐体11が下部筐体12に対して右方向に回転しているということである(表1参照)。
【0048】
ステップS1において、第1状態センサ50がONになったと判断した場合、次に、制御回路116は、第2状態センサ60がONになった否かを判断する(ステップS2)。第1状態センサ50がONになった後に第2状態センサ60がONになったということは、上部筐体11が下部筐体12に対して右方向に回転して展開状態となったということである(表1参照)。
このとき、制御回路116は、展開状態検知手段80(第1状態センサ50及び第2状態センサ60)による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上部筐体11が下部筐体12に対して回転する際の上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0049】
ステップS2において、第2状態センサ60がONになったと判断した場合、制御回路116は、携帯電話機1で使用可能な2つの自局電話番号(自局電話番号A、Bとする)のうち、1つの自局電話番号(自局電話番号A)を、発呼に使用する自局電話番号として選択する(ステップS3)。
このとき、制御回路116は、回転方向判定手段によって判定された上部筐体11の回転方向に基づいて、複数の自局電話番号のなかから、通信に使用する自局電話番号を選択する選択手段として機能する。
【0050】
次に、制御回路116は、ディスプレイ4に、自局電話番号Aに対応した相手局電話番号の群から通話相手先の電話番号を選択するための通信先選択画像を表示し(ステップS4)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4の処理が実行されるとき、制御回路116は、表示制御手段として機能し、通信に使用する自局電話番号が選択手段によって選択された際、当該自局電話番号に対応した複数の相手局電話番号からなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号を選択可能とするための通信先選択画像をディスプレイ(表示部)4に表示する。
このとき、使用者は、操作キー群6及び十字方向操作キー5を操作し、通信先とする相手局電話番号を選択することができる。
【0051】
一方、ステップS1において、第1状態センサ50がONになっていないと判断した場合、次に、制御回路116は、第2状態センサ60がONになっているか否かを判断する(ステップS5)。第1状態検出センサ50がOFFであり、かつ、第2状態検出センサ60がONであるということは、上部筐体11が下部筐体12に対して左方向に回転しているということである(表1参照)。
【0052】
ステップS5において、第2状態センサ60がOFFであると判断した場合、第1状態センサ50及び第2状態センサ60が共にOFFであるから、携帯電話機1は閉成状態にある。従って、制御回路116は、自局電話番号の選択を行わずに本サブルーチンを終了する。
【0053】
ステップS5において、第2状態センサ60がONであると判断した場合、次に、制御回路116は、第1状態センサ50がONであるか否かを判断する(ステップS6)。
第2状態センサ60がONになった後に第1状態センサ50がONになったということは、上部筐体11が下部筐体12に対して左方向に回転して展開状態となったということである(表1参照)。
このとき、制御回路116は、展開状態検知手段80(第1状態センサ50及び第2状態センサ60)による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上部筐体11が下部筐体12に対して回転する際の上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0054】
ステップS6において、第1状態センサ50がONではないと判断した場合、処理をステップS5に戻す。一方、第1状態センサ50がONであると判断した場合、制御回路116は、携帯電話機1で使用可能な2つの自局電話番号A、Bのうち、1つの自局電話番号Bを、発呼に使用する自局電話番号として選択する(ステップS7)。
このとき、制御回路116は、回転方向判定手段によって判定された上部筐体11の回転方向に基づいて、複数の自局電話番号のなかから、通信に使用する自局電話番号を選択する選択手段として機能する。
【0055】
次に、制御回路116は、ディスプレイ4に、自局電話番号Bに対応した相手局電話番号の群から通話相手先の電話番号を選択するための通信先選択画像を表示し(ステップS8)、本サブルーチンを終了する。
ステップS8の処理が実行されるとき、制御回路116は、表示制御手段として機能し、通信に使用する自局電話番号が選択手段によって選択された際、当該自局電話番号に対応した複数の相手局電話番号からなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号を選択可能とするための通信先選択画像をディスプレイ(表示部)4に表示する。
このとき、使用者は、操作キー群6及び十字方向操作キー5を操作し、通信先とする相手局電話番号を選択することができる。
【0056】
以上、本発明の携帯電話機1によれば、上部筐体を右方向に回転させて携帯電話機1を展開すると、自局電話番号Aが選択され、逆に、左方向に回転させて携帯電話機1を展開すると、自局電話番号Bが選択されるというように、使用者が上部筐体をどの方向に回転させて携帯電話機1を展開するかによって、携帯電話機1で使用が可能な複数の自局電話番号のなかから、通信に使用する1つの自局電話番号が選択される。このように、携帯電話機1によれば、折り畳み式の携帯電話機において一般的に行われている展開操作を、自局電話番号を選択するための操作として利用することにより、自局電話番号を選択するための操作自体を省略することができるため、利便性を高めることができる。また、自局電話番号の選択自体は、使用者の意思によって行うことができるので、複数の自局電話番号を用途ごとに使い分けたり、通信相手ごとに使い分けたりすることが可能であり、1台で複数の自局電話番号を使用可能としたことによって得られる利益を充分に享受することができる。
【0057】
さらに、携帯電話機1によれば、上部筐体11を回転させて携帯電話機1を展開した際、通信に使用する1つの自局電話番号が選択されるとともに、当該自局電話番号に対応した相手局電話番号からなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号を選択するための通信先選択画像がディスプレイ(表示部)4に表示されるため、使用者は、別途、通信先選択画像をディスプレイ4に表示させるための操作を行う必要がなく、さらに利便性を向上させることができる。
【0058】
携帯電話機1が備える制御回路116のメモリには、携帯電話機1を、展開状態検知手段80(第1状態センサ50及び第2状態センサ60)による検知結果に基づいて、使用者の操作によって上部筐体11が下部筐体12に対して回転する際の上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段、並びに、上記回転方向判定手段によって判定された上部筐体11の回転方向に基づいて、複数の自局電話番号のなかから、通信に使用する1つの自局電話番号を選択する選択手段として機能させる本発明の制御プログラムが格納されている。
【0059】
次に、本発明の他の一例に係る携帯電話機として、1台で3つの自局電話番号の使用が可能な携帯電話機について説明することとする。
図6は、本発明の他の一例に係る携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。図6においては、上述した図2に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。
【0060】
携帯電話機1の3つの自局電話番号に対応した3本のアンテナ8a〜8cは、それぞれ基地局とのキャリアの入出力を行う。アンテナ8a〜8bには、それぞれ信号処理回路101a〜101cが接続されている。
【0061】
信号処理回路101、レベル検出回路102は、図2を用いて説明したものと同様のものであり、既に説明済であるから、ここでの説明は省略するが、図6に示す携帯電話機1においては、3つの自局電話番号に対応した3つの信号処理回路101a〜101cとレベル検出回路102a〜102cとが設けられている。また、他の要素については、図2に示したものと同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0062】
図7は、図6に示した携帯電話機1の制御回路116において実行される自局電話番号選択処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。なお、図7に示したフローチャートには、図5に示したフローチャートのステップと同様の処理をするステップには同一の符号を付した。
【0063】
まず、制御回路116は、第1状態センサ50がONになったか否かを判断し(ステップS1)、第1状態センサ50がONになったと判断した場合、次に、制御回路116は、第2状態センサ60がONになったか否かを判断する(ステップS2)。このとき、制御回路116は、上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0064】
第2状態センサ60がONになったと判断した場合、制御回路116は、携帯電話機1で使用可能な3つの自局電話番号(自局電話番号A、B、Cとする)のうち、1つの自局電話番号(自局電話番号A)を、発呼に使用する自局電話番号として選択する(ステップS3)。このとき、制御回路116は、通信に使用する自局電話番号を選択する選択手段として機能する。
【0065】
次に、制御回路116は、ディスプレイ4に、自局電話番号Aに対応した相手局電話番号の群から通話相手先の電話番号を選択するための通信先選択画像を表示し(ステップS4)、本サブルーチンを終了する。ステップS4の処理が実行されるとき、制御回路116は、表示制御手段として機能し、通信先選択画像をディスプレイ(表示部)4に表示する。
【0066】
一方、ステップS1において、第1状態センサ50がONになっていないと判断した場合、次に、制御回路116は、第2状態センサ60がONになっているか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5において、第2状態センサ60がOFFであると判断した場合、第1状態センサ50及び第2状態センサ60が共にOFFであるから、携帯電話機1は閉成状態にある。従って、制御回路116は、自局電話番号の選択を行わずに本サブルーチンを終了する。
【0067】
ステップS5において、第2状態センサ60がONであると判断した場合、次に、制御回路116は、第1状態センサ50がONであるか否かを判断する(ステップS6)。このとき、制御回路116は、上部筐体11の回転方向を判定する回転方向判定手段として機能する。
【0068】
ステップS6において、第1状態センサ50がONではないと判断した場合、処理をステップS5に戻す。一方、第1状態センサ50がONであると判断した場合、制御回路116は、携帯電話機1で使用可能な自局電話番号B、Cのなかから、発呼に使用する自局電話番号を選択するための使用アドレス選択画像をディスプレイ(表示部)4に表示する(ステップS10)。
このとき、制御回路116は、表示制御手段として機能し、選択手段によって選択される自局電話番号A以外の自局電話番号B、Cから、通信に使用する自局電話番号を選択可能とするための使用アドレス選択画像をディスプレイ(表示部)4に表示する。
【0069】
次に、制御回路116は,十字方向操作キー5や操作キー群6が操作されて自局電話番号を選択する指示が入力されたか否かを判断する(ステップS11)。
自局電話番号を選択する指示が入力されたと判断した場合、自局電話番号Bが選択されたか、自局電話番号Cが選択されたかを判断する(ステップS12)。
【0070】
自局電話番号Bが選択されたと判断した場合、制御回路116は、発呼に使用する自局電話番号として自局電話番号Bを選択し(ステップS7)、自局電話番号Bに対応した相手局電話番号の群から通話相手先の電話番号を選択するための通信先選択画像を表示する(ステップS8)。このとき、使用者は、操作キー群6及び十字方向操作キー5を操作し、通信先とする相手局電話番号を選択することができる。
【0071】
自局電話番号Cが選択されたと判断した場合、制御回路116は、発呼に使用する自局電話番号として自局電話番号Cを選択し(ステップS13)、自局電話番号Cに対応した相手局電話番号の群から通話相手先の電話番号を選択するための通信先選択画像を表示する(ステップS14)。このとき、使用者は、操作キー群6及び十字方向操作キー5を操作し、通信先とする相手局電話番号を選択することができる。
【0072】
図6、図7を用いて説明した携帯電話機1によれば、1台で使用可能な自局電話番号が3つ以上であっても対応することができる。頻繁に使用する自局電話番号を直ちに選択可能とするとともに、使用頻度が比較的少ない他の自局電話番号については使用アドレス選択画像によって選択可能とするように、使用頻度に応じて選択操作を異ならせることが可能であるため、1台で使用可能な自局電話番号の数を3つ以上としても、利便性が損なわれることがない。
【0073】
本発明の携帯電話機は、上部筐体の下部筐体に対する回転方向が複数であれば、特に限定されるものではなく、例えば、図8に示す携帯電話機に本発明を適用することも可能である。
図8(a)〜(e)は、本発明の携帯電話機の他の一例を模式的に示す斜視図である。
携帯電話機70は、上部筐体71と下部筐体72とが連結部73を介して連結されたものである。図8(a)は、携帯電話機70の上部筐体71と下部筐体72とが重なり合っている閉成状態を示している。
【0074】
図8(b)は、携帯電話機70の上部筐体71が下部筐体に対して左方向に回転している展開中の様子を示している。図8(c)は、携帯電話機70の上部筐体71が下部筐体72に対して閉成状態から180°回転した展開状態を示している。
図8(d)は、展開状態にある携帯電話機70の上部筐体71を折り畳む様子を示している。図8(e)は、図8(d)に示したようにして折り畳んだ携帯電話機71の上部筐体71が下部筐体72に対して右方向に回転している展開中の様子を示している。
【0075】
携帯電話機70は、上部筐体71が下部筐体72に対して平行な状態を保って双方向に回転し得るとともに(図8(b)、(e)参照)、折り畳み開閉動作(図8(d)参照)を行い得るように構成されている。すなわち、携帯電話機70は、上部筐体71が下部筐体72に対して2軸回転を行い得るように構成されている。上部筐体71の2軸回転が可能な携帯電話機70に本発明を適用することも可能である。
【0076】
また、上述した例では、複数の自局電話番号の使用が可能であり、展開操作によって、これらの自局電話番号のなかから、通信に使用する1つの自局電話番号が選択される携帯電話機について説明したが、本発明の携帯電話機は、複数のメールアドレスの使用が可能であって、展開操作によって、これらのメールアドレスのなかから、通信に使用する1つのメールアドレスが選択されるように構成されていてもよい。また、自局電話番号とメールアドレスとの使用が可能であり、展開操作によって、通信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスが選択されるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の携帯電話機の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1に示した携帯電話機の展開動作を示す正面図である。
【図4】(a)〜(d)は、第1状態センサ50及び第2状態センサ60の動作を模式的に示す斜視図である。
【図5】図1に示した携帯電話機の制御回路において実行される自局電話番号選択処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の一例に係る携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した携帯電話機の制御回路において実行される自局電話番号選択処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の携帯電話機の他の一例を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1、70 携帯電話機
2 アンテナ部
3 受話口
4 ディスプレイ
5 十字方向操作キー
6 操作キー群
7 送話口
8(8a、8b) アンテナ
11、71 上部筐体
12、72 下部筐体
13、73 連結部
50 第1状態センサ
50a、60a 導通端子
50b、60b 導体パターン
60 第2状態センサ
80 展開状態検知手段
101(101a、101b) 信号処理回路
102(102a、102b) レベル検出回路
103 着信音出力スピーカ
104 バイブレータ用モータ
111 スピーカ
112 マイクロホン
113 電話番号記憶回路
116 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能であり、
表示部を有する上部筐体と操作部を有する下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されてなる携帯電話機であって、
前記上部筐体の前記下部筐体に対する展開状態を検知する展開状態検知手段と、
前記展開状態検知手段による検知結果に基づいて、使用者の操作によって前記上部筐体が前記下部筐体に対して回転する際の当該上部筐体の回転方向を判定する回転方向判定手段と、
前記回転方向判定手段によって判定された前記上部筐体の回転方向に基づいて、前記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスを選択する選択手段と
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記複数の自局電話番号又はメールアドレスの各々に対応した複数の相手局電話番号又は相手先メールアドレスからなる群を記憶可能な記憶領域を有するアドレス記憶手段と、
前記表示部に所定の画像を表示する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスが前記選択手段によって選択された際、当該自局電話番号又はメールアドレスに対応した複数の相手局電話番号又は相手先メールアドレスからなる群のなかから、通信先とする相手局電話番号又は相手先メールアドレスを選択可能とするための通信先選択画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記表示部に所定の画像を表示する表示制御手段を備え、
前記選択手段は、前記回転方向判定手段によって判定された前記上部筐体の回転方向が一の方向であるとき、前記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する一の自局電話番号又はメールアドレスを選択し、
前記表示制御手段は、前記回転方向判定手段によって判定された前記上部筐体の回転方向が他の方向であるとき、前記選択手段によって選択される自局電話番号又はメールアドレス以外の自局電話番号又はメールアドレスから、通信に使用する自局電話番号又はメールアドレスを選択可能とするための使用アドレス選択画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
1台で複数の自局電話番号又はメールアドレスの使用が可能であり、
表示部を有する上部筐体と操作部を有する下部筐体とが複数方向に回転可能な連結部を介して連結されてなり、
前記上部筐体の前記下部筐体に対する展開状態を検知する展開状態検知手段を備えた携帯電話機に用いられる制御プログラムであって、
前記携帯端末機を、
前記展開状態検知手段による検知結果に基づいて、使用者の操作によって前記上部筐体が前記下部筐体に対して回転する際の当該上部筐体の回転方向を判定する回転方向判定手段、並びに、
前記回転方向判定手段によって判定された前記上部筐体の回転方向に基づいて、前記複数の自局電話番号又はメールアドレスのなかから、通信に使用する1つの自局電話番号又はメールアドレスを選択する選択手段
として機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2005−204225(P2005−204225A)
【公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−10570(P2004−10570)
【出願日】平成16年1月19日(2004.1.19)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】