説明

携帯電話機

【課題】紛失した携帯電話機の存在を第三者に気付かせ、さらに、電話に出てもらえるよう促す機能を搭載する携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機が遠隔ロック状態に移行するときに、所定音を携帯電話機のスピーカから出力させる。これにより、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、その携帯電話の存在及び紛失したものであることを早期に気付かせることができる。また、遠隔ロック中の着信動作の際に、通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として携帯電話機のスピーカから出力させる。これにより、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、その携帯電話の存在及び紛失したものであることを気付かせ、さらに、その携帯電話機への着信に出てくれることを促すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に関し、特に、ユーザが携帯電話機を紛失した場合に、他人に見つけやすくするアピール機能を有する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機は、電話機能に加え、カメラ機能、インターネット接続機能、電子メール機能及び電子マネー決済機能など多機能な携帯端末装置であり、自己又は他人の電話番号、メールアドレスなどの個人情報や、電子マネーのような金銭的価値などを機器内に記憶しているため、盗難や置き忘れなどにより、携帯電話機の紛失し、悪意の他人がその携帯電話機を取得して操作することで、個人情報の漏洩や電子マネーの無断使用の恐れがある。
【0003】
そのため、携帯端末装置の紛失防止のための提案が多数なされており、例えば、特許文献1では、ノート型パソコンのような携帯端末装置が、あらかじめ決められた位置と異なる位置にある場合に、その携帯端末装置とあらかじめ登録された携帯電話機との距離が所定距離以上離れると、警告音が出力される構成が提案されている。
【0004】
一方で、いくら紛失防止の対策が施されても、実際に携帯電話機を紛失してしまう可能性は残るため、その際の対策として、ユーザが携帯電話機を紛失した場合に、他人がその携帯電話機を無断で操作することを防止するために、多くの携帯電話機は、遠隔操作により携帯電話機の操作を不能とする遠隔ロック機能を搭載している。
【0005】
図1は、遠隔ロックの動作シーケンスを示す図である。ユーザは、自己の携帯電話機1を紛失した場合、固定電話機(例えば、自宅電話)3などから携帯電話事業者に電話をして遠隔ロック要求を行うと、携帯電話事業者のネットワークサーバ2を介して、紛失した携帯電話機に対して遠隔ロック要求を通知する(S1)。携帯電話機1は、遠隔ロック要求を受信すると、遠隔ロック状態に移行する(S2)。具体的には、起動中の機能に対応する全てのアプリケーションプログラムを終了させ、さらに、携帯電話機に対するほとんど全ての操作を不能とする。そして、携帯電話機の表示部(液晶画面)には、例えば、「遠隔ロック中」などの遠隔ロック状態である旨の表示を行う。なお、一般的に、遠隔ロック状態では、電話の発信操作はできないが、かかってきた電話着信に対して、着信を受けるための操作は可能である。
【0006】
遠隔ロック状態において、固定電話機3などから紛失した携帯電話機1に電話発信を行うと(S3)、当該携帯電話機1は着信動作を行う(S4)。このとき、携帯電話機がマナーモードに設定されている場合は、振動による着信動作となり、マナーモードが解除された通常モードの場合は、着信音の鳴動による着信動作となり、表示部には、例えば「着信中」などの着信状態である旨の表示を行う。
【0007】
ユーザは、携帯電話機を紛失すると、図1のシーケンスに基づいて、携帯電話機を遠隔ロック状態にして、その後紛失した携帯電話機に電話をかけることにより、近くにいる人に拾ってもらうことを期待する。
【特許文献1】特開2003−70057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したように、遠隔ロック機能自体は、紛失した携帯電話機を見つけ出すためのものではなく、紛失した携帯電話機の手がかりを得るために、紛失した携帯電話機に電話をかけても、近くの第三者に電話にでてもらえるとは限らない。あらかじめ設定されていた着信音の音量が比較的小さい場合や、着信音が鳴らないマナーモードに設定されている場合は、着信音が聞こえず、携帯電話機の存在を気付かせることができない。もちろん、着信音が聞こえている場合であっても、遠慮して電話に出ない可能性も十分ある。
【0009】
また、携帯電話機がGPS(Global Positioning System)機能を備えている場合、GPS機能を利用した位置提供サービスを利用して、紛失した携帯電話機の位置情報を取得し、携帯電話機を見つけ出すことができるが、すべての携帯電話機がGPS機能及びそれを利用した位置提供サービスを備えているわけではなく、安価に販売される携帯電話機には、GPS機能を搭載しないものが多い。
【0010】
従って、紛失した携帯電話機を近くにいる第三者に拾ってもらい、また、紛失した携帯電話機に電話をかけたときに、近くにいる第三者に電話に出てもらえるよう促すことが、紛失した携帯電話機を確実且つ早期に見つけ出すために必要となる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、紛失した携帯電話機の存在を第三者に気付かせ、さらに、電話に電話に出てもらえるよう促す機能を搭載する携帯電話機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の携帯電話機の第一の構成は、遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、スピーカと、前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定時間の間、所定音を前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の携帯電話機の第二の構成は、遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、スピーカと、前記遠隔ロック状態中の着信動作の際に、すべての操作が可能な通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遠隔ロック状態に移行するときに、所定音を携帯電話機のスピーカから出力させるようにすることで、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、その携帯電話の存在及び紛失したものであることを早期に気付かせることができる。
【0015】
また、遠隔ロック中の着信動作の際に、通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として携帯電話機のスピーカから出力させるようにすることで、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、その携帯電話の存在及び紛失したものであることを気付かせ、さらに、その携帯電話機への着信に出てくれることを促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
本発明の実施の形態例では、紛失した携帯電話機の存在及び紛失したものであることを第三者に気付かせ、さらに、電話に出てもらえるよう促す機能(以下、アピール機能と称す)として、第一に、携帯電話機は、通常状態から遠隔ロック状態に移行する際に、遠隔ロック状態でない通常状態における着信音と異なる所定音を出力する機能を有する。遠隔ロック状態に設定される際にも、携帯電話機から所定音を出力するようにすることで、着信動作に加えて、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に携帯電話機の存在を気付かせる機会を早期に作り出すことができる。
【0018】
所定音は、好ましくは、通常状態において出力可能な最大音量レベルよりも大きいアラーム音(以下、大音量アラームと称する場合がある)や、拾ってほしい旨を伝えるメッセージ音声である。当該メッセージ音声の音量も、通常状態において出力可能な最大音量レベルよりも大きくてもよい。
【0019】
さらに、本発明の実施の形態におけるアピール機能として、第二に、携帯電話機は、遠隔ロック状態において着信動作を行う際に、遠隔ロック状態でない通常状態において設定可能な音量レベルよりも大きいアラーム音(大音量アラーム)や、電話に出てほしい旨を伝える音声メッセージである。当該音声メッセージの音量は、通常状態において出力可能な最大音量レベルよりも大きくてもよい。
【0020】
通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きいアラーム音を出力することにより、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、当該携帯電話機の存在を確実に気付かせることができ、また、通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量のアラーム音とすることで、第三者に携帯電話機が紛失されたものであることを知らせることができ、電話にでてもらえる可能性を高めることができる。同様に、電話に出てほしい旨を伝える音声メッセージを出力することにより、第三者に携帯電話機が紛失されたものであることを知らせることができ、電話にでてもらえる可能性を高めることができる。さらに、音声メッセージの音量を通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きくすることで、第三者に携帯電話機の存在を確実に気付かせることができる。以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態における携帯電話機のハードウェア構成例を示す図である。携帯電話機1は、アプリケーション制御部100及び無線制御部110を備える。アプリケーション制御部100は、本発明に特徴的なアピール機能を実行するためのソフトウェア(コンピュータプログラム)などを格納するROM101、RAM102を有し、アプリケーションCPU103が各種ソフトウェアを実行する。また、通話のためのスピーカ108やマイク109から入出力される音響信号と電気信号との変換を行う音響変換部106を備える。さらに、携帯電話機1は、本発明のアピール機能の動作設定メニュー及びアピール機能の動作に基づいた所定メッセージなどを画面表示する表示部105を備える。また、図示されないが、携帯電話機1は、脱着可能なメモリカードに対するデータの読み出し及び書き込み機能を有していてもよく、その場合、メモリカードリーダ・ライタ(メモリカードR/W)を備える。さらに、携帯電話機1は、カメラ、GPS、非接触ICなどの機能(図示せず)を備えていてもよい
無線制御部110は、電話、電子メールやインターネットなどの各種通信における無線信号の送受信を制御するCPU111、インターフェース112及び無線信号送受信部(RF)113を有する。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態における携帯電話機のアピール機能の動作設定について説明する図である。図3では、アピール機能の動作設定メニュー画面を用いて設定方法について説明する。図3(a)、(b)、(c)は、遠隔ロック状態となるときに出力する音を設定する画面例であり、図3(d)、(e)、(f)は、遠隔ロック状態中の着信動作において出力する音を設定する画面例である。いずれも、所定のメニュー選択画面を操作し、各設定画面を表示する。
【0023】
図3(a)は、遠隔ロック状態になるときに音を出力するための「ロック時動作設定」メニュー画面であり、「固定メロディを鳴らす」を選択すると、図3(b)に示すような「音設定」、「動作時間」、「文字設定」のサブメニュー画面が表示される。「音設定」は、出力される音の種類を設定するメニューであり、「動作時間」は、設定された音の出力時間を設定するメニューであり、「文字設定」は、画面に所定のメッセージを文字表示可能な場合に、遠隔ロック状態中、そのメッセージを設定するメニューである。
【0024】
「音設定」を選択すると、出力する音の種類を選択するための図3(c)に示す画面が表示される。「指定メロディ」は着信音と異なるあらかじめ設定されたメロディ音であり、「メッセージ」は、携帯電話機を拾って欲しい旨の音声メッセージであり、「大音量アラーム」は、上述したように、通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きいアラーム音である。ユーザは、図3(c)の画面に従って、あらかじめいずれかの音を選択しておくことで、遠隔ロック状態になるときに、選択された音を出力させることができる。
【0025】
図3(d)は、遠隔ロック状態中の着信動作において出力するための「ロック時着信設定」メニュー画面であり、「固定メロディを鳴らす」を選択すると、図3(e)に示すような「音設定」、「繰り返し」、「文字設定」のサブメニュー画面が表示される。「音設定」は、出力される音の種類を設定するメニューであり、「繰り返し」は、図3(f)で設定可能な複数種類の音を所定時間毎に順次繰り返すモードであり、この「繰り返し」モードが選択された場合は、出力される音の種類を選択する必要はなく、図3(f)に示す出力音の種類を選択する画面は表示されない。「文字設定」は、画面に所定の文字メッセージを文字表示可能な場合において、遠隔ロック状態における着信動作中に所定の文字メッセージを設定するメニューである。
【0026】
「音設定」を選択すると、出力する音の種類を選択するための図3(c)に示す画面が表示される。「指定メロディ」は着信音と異なるあらかじめ設定されたメロディ音であり、「メッセージ」は、携帯電話機を拾って欲しい旨の音声メッセージであり、「大音量アラーム」は、上述したように、通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きいアラーム音である。ユーザは、図3(c)の画面に従って、あらかじめいずれかの音を選択しておくことで、遠隔ロック状態になるときに、選択された音を出力させることができる。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態における携帯電話機の通常状態から遠隔ロック状態へ移行するときのアピール機能の動作フローチャートを示す図である。本動作は、携帯電話機1のアプリケーションCPU103が、ROM102に格納された本発明に特徴的なアピール機能に対応するアプリケーションプログラムを実行することにより実現され、遠隔ロック制御手段、音声出力制御手段及び文字表示制御手段として機能する。
【0028】
アプリケーションCPU103は、遠隔ロック要求を受信すると(S10)、すべての機能が利用可能な通常状態から、起動中の機能に対応する全てのアプリケーションプログラムを終了させ、さらに、携帯電話機に対するほとんど全ての操作(例えば、着信動作以外のすべての動作)を不能とする遠隔ロック状態に移行させる(S11)。そして、図3(a)、(b)、(c)で示した画面により設定された遠隔ロック状態に移行する際の動作の設定情報を取得する(S12)。設定情報として、文字設定がなされているか判定し(S13)、文字メッセージが設定されている場合、その設定されている文字メッセージを表示部105に表示するよう制御する(S14)。
【0029】
図5は、遠隔ロック状態における表示部105の画面例であり、遠隔ロック状態である旨を示す「遠隔ロック中」の文字列と、文字メッセージの一例として、「電話を拾って下さい」の文字メッセージが表示される。
【0030】
さらに、設定情報として、音設定がなされているか判定し(S15)、設定されている場合は、設定された種類の音を設定された動作時間の間出力する(S16)。例えば、音の種類「大音量アラーム」、動作時間「1分間」が設定されている場合、大音量アラームを1分間、携帯電話機のスピーカから出力するよう制御する。また、音の種類「メッセージ」、動作時間「30秒」が設定されている場合、設定されている音声メッセージの一例として、「電話を拾って下さい」の音声メッセージを30秒間、携帯電話機のスピーカから出力するよう制御する。
【0031】
図6は、本発明の実施の形態における携帯電話機の遠隔ロック状態中に着信動作を行うときのアピール機能の動作フローチャートを示す図である。本動作も、携帯電話機のアプリケーションCPU103が、ROM102に格納された本発明に特徴的なアピール機能に対応するアプリケーションプログラムを実行することにより実現され、着信制御手段、音声出力制御手段及び文字表示制御手段として機能する。
【0032】
CPU103は、遠隔ロック状態中に電話着信を検知すると(S20)、図3(d)、(e)、(f)で示した画面により設定された遠隔ロック状態中の着信動作の設定情報を取得する(S21)。設定情報として、文字設定がなされているか判定し(S22)、メッセージ用の文字が設定されている場合、表示部105に表示される着信画面上に、その設定されている文字列を表示するよう制御する(S23)。
【0033】
図7は、遠隔ロック状態中の着信動作における表示部105の画面例であり、着信画面には、遠隔ロック状態である旨を示す「遠隔ロック中」の文字列とともに、メッセージ用の文字列の一例として、「電話に出て下さい」の文字列が表示される。
【0034】
さらに、設定情報として、音設定がなされているか判定し(S24)、設定されていない場合(図3(d)の「通常着信音に従う」が選択されている場合)は、通常状態における着信音として設定されている音を出力させる(S25)。このとき、携帯電話機がマナーモードに設定されていた場合であっても、遠隔ロック状態に移行することによりマナーモードを解除して、通常状態における着信音をスピーカ108から出力させる。
【0035】
音設定がなされている場合、さらに、「繰り返し」設定となっているか判定し(S26)、「繰り返し」設定ではない場合(すなわち、図3(f)の画面により音の種類が設定されている場合)、設定されている音を着信音として出力させる(S27)。例えば、音の種類「大音量アラーム」が設定されている場合、着信音として大音量アラームを出力するよう制御する。また、音の種類「メッセージ」が設定されている場合、着信音として、設定されているメッセージを携帯電話機のスピーカ108から音声出力するよう制御する。メッセージは、電話に出てもらうことを促す内容であり、例えば、「電話に出て下さい」のような文言である。
【0036】
「繰り返し」設定である場合(すなわち、図3(e)の画面で、「繰り返し」が設定されている場合)、着信毎に、設定されている複数種類の音を切り替えて出力する。具体的には、音の種類として、「大音量アラーム」と「メッセージ」が設定されている場合、着信毎に、「大音量アラーム」→「メッセージ」→「大音量アラーム」→「メッセージ」と交互に切り替わる。3種類以上の場合も、あらかじめ設定された順序に従い、着信毎に順次切り替わる。遠隔ロック中の最初の着信で鳴動させる音の種類は、あらかじめ設定しておく(ROM101に記憶させておく)。
【0037】
ステップS26で「繰り返し」設定である場合、遠隔ロック中着信フラグ(以下、着信フラグと称する)により、遠隔ロック中における最初の着信であるかどうか判定する(S28)。当該着信フラグは、遠隔ロック中の最初の着信でONとなり、遠隔ロックが解除されるとOFFとなるフラグである。当該着信フラグがOFFである場合、すなわち、遠隔ロック中の最初の着信の場合、遠隔ロック中の最初の着信で鳴動させる音を決定する(S29)。最初の着信で出力する音はあらかじめ設定しておく。また、次回着信時に出力する音の種類をRAM102に記憶させ(S30)、着信フラグをONする(S31)。そして、決定した種類の音を着信音としてスピーカ108から出力する(S27)。
【0038】
S28の判定において、遠隔ロック中の2度目以降の着信であると判定された場合(すなわち、遠隔ロック中着信フラグがONの場合)、RAM102に記憶された音の種類を今回の着信の際に出力する音して決定し(S33)、RAM102に記憶させる次回着信時に出力する音の種類を次の音の種類に更新記憶する(S34)。そして、決定した種類の音を着信音としてスピーカ108から出力する(S27)。
【0039】
「繰り返し」設定にして、遠隔ロック中に複数回の着信動作を行わせることで、大音量アラームとメッセージの両方が着信毎に順次出力されるので、大音量アラームとメッセージの両方で、紛失した携帯電話機の近くにいる第三者に、その携帯電話機の存在に気付かせ、そして、紛失した携帯電話機であることを認識させ、さらに、着信にでてもらえるよう促すことができる。
【0040】
「大音量アラーム音」は、通常時に設定可能な音量よりも大きい音であり、ビープ音のような音であってもよいし、メロディ音であってもよい。また、「メッセージ」の内容は、携帯電話機にあらかじめ設定されてもよいし、ユーザ操作により、任意に設定可能であってよい。また、その音声もあらかじめ設定された音声であってもよいし、ユーザの声を録音したものを出力するようにしてもよい。
【0041】
(付記1)
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、
スピーカと、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定時間の間、所定音を前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【0042】
(付記2)
付記1において、
前記所定音は、すべての操作が可能な通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は音声メッセージであることを特徴とする携帯電話機。
【0043】
(付記3)
付記2において、
前記音声メッセージは、携帯電話機の周囲にいる第三者に当該携帯電話機が紛失されたものであることを伝える内容であることを特徴とする携帯電話機。
【0044】
(付記4)
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、
スピーカと、
前記遠隔ロック状態中の着信動作の際に、すべての操作が可能な通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【0045】
(付記5)
付記4において、
前記音声メッセージの音量は、前記通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きいことを特徴とする携帯電話機。
【0046】
(付記6)
付記4において、
前記音声メッセージは、携帯電話機の周囲にいる第三者に当該携帯電話機の着信に出ることを促す内容であることを特徴とする携帯電話機。
【0047】
(付記7)
付記4において、
前記音出力制御手段は、着信毎に、前記通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音と前記音声メッセージの音声を切り替えて出力させることを特徴とする携帯電話機。
【0048】
(付記8)
付記4において、さらに、
表示部と、
前記遠隔ロック状態中の着信に基づいて、所定の文字メッセージを前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【0049】
(付記9)
付記8において、
前記文字メッセージは、携帯電話機の周囲にいる第三者に当該携帯電話機の着信に出ることを促す内容であることを特徴とする携帯電話機。
【0050】
(付記10)
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行する携帯電話機に搭載されるコンピュータより実行されるコンピュータプログラムにおいて、
前記携帯電話機を前記遠隔ロック状態に移行させる処理と、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定の音を前記携帯電話機のスピーカから出力させる処理とを前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【0051】
(付記11)
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行する携帯電話機に搭載されるコンピュータより実行されるコンピュータプログラムにおいて、
前記携帯電話機を前記遠隔ロック状態に移行させる処理と、
前記遠隔ロック状態中の着信に基づいて、すべての操作が可能な通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として前記携帯電話機のスピーカから出力させる処理とを前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【0052】
(付記12)
携帯電話機により実行される遠隔ロック制御方法において、
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行するステップと、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定の音を前記携帯電話機のスピーカから出力するステップとを備えることを特徴とする遠隔ロック制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】遠隔ロックの動作シーケンスを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における携帯電話機のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における携帯電話機のアピール機能の動作設定について説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態における携帯電話機の通常状態から遠隔ロック状態へ移行するときのアピール機能の動作フローチャートを示す図である。
【図5】遠隔ロック状態における表示部105の画面例である。
【図6】本発明の実施の形態における携帯電話機の遠隔ロック状態中に着信動作を行うときのアピール機能の動作フローチャートを示す図である。
【図7】遠隔ロック状態中の着信動作における表示部105の画面例である。
【符号の説明】
【0054】
1:携帯電話機、100:アプリケーション制御部、101:ROM、102:RAM、103:アプリケーションCPU、105:表示部、106:音響変換部、108:スピーカ、109:マイク、110:無線制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、
スピーカと、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定時間の間、所定音を前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行可能な携帯電話機において、
スピーカと、
前記遠隔ロック状態中の着信動作の際に、すべての操作が可能な通常状態において出力可能な最大音量レベルより大きい音量の音、又は所定の音声メッセージを着信音として前記スピーカから出力させる音出力制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】
請求項2において、さらに、
表示部と、
前記遠隔ロック状態中の着信に基づいて、所定の文字メッセージを前記表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行する携帯電話機に搭載されるコンピュータより実行されるコンピュータプログラムにおいて、
前記携帯電話機を前記遠隔ロック状態に移行させる処理と、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定の音を前記携帯電話機のスピーカから出力させる処理とを前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項5】
携帯電話機により実行される遠隔ロック制御方法において、
遠隔からのロック要求に基づいて、着信動作に対する操作を含む所定操作以外のすべての操作を不能とする遠隔ロック状態に移行するステップと、
前記遠隔ロック状態に移行するときに、所定の音を前記携帯電話機のスピーカから出力するステップとを備えることを特徴とする遠隔ロック制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−294688(P2008−294688A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137386(P2007−137386)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】