説明

摩擦部材の製造方法

【課題】寸法安定性を確保しつつ、摩擦面の摩擦係数の低下を抑えることができる摩擦部材の製造方法を提供する。
【解決手段】繊維を含有した熱可塑性樹脂からなる摩擦面を含む摩擦部材の製造方法であって、前記繊維と前記熱可塑性樹脂とから成形体を成形する成形工程S12と、該成形体を摩擦部材の形状に削り込む削り込み工程S13と、該削り込んだ摩擦部材の摩擦面を、前記熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱した押圧部材で押圧することにより、前記摩擦面を含む前記摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂を軟化させて、前記摩擦面を平滑にする平滑化工程S14と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維を含有した熱可塑性樹脂からなる摩擦面を含む摩擦部材の製造方法であって、摩擦部材に寸法精度を要する摩擦部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車において、エンジン、トランスミッション、クラッチなど様々な機器に摩擦部材(摺動部材)が用いられており、この摩擦部材の制動特性(例えばトルク伝達特性)を向上させることにより、機器の動作不良を防止し、信頼性を高めるための様々な開発がなされている。
【0003】
例えば、図6(a),(b)は、従来のクラッチ90を示しており、クラッチのレリーズレバー91は、レリーズフォーク92を介してクラッチペダル93に連結されている。このレリーズレバー91は、クラッチハウジング97に貫通状に回動可能に支持されたシリンダ91aのプッシュロッド91bと、プッシュロッド91bに一端で連結されたアーム91cと、プッシュロッド91b他端で連結され、かつコイルスプリング95で付勢されると共にクラッチレリーズベアリングハブ94に係合するクラッチレリーズレバーヨーク91dとを備えている。また、クラッチペダル93の操作により、クラッチレリーズベアリングハブ94を押圧するようになっている。
【0004】
一方、クラッチの駆動側には、フライホイール81に対して接離するクラッチディスク82がクラッチプレート83に貼り合わされており、これに対面するようにプレッシャプレート84が配設されている。そして、これらの部材を覆う、クラッチシャフト87を貫通するようにカバー86が設けられている(特許文献1参照)。
【0005】
ここで、クラッチディスク82のスラストワッシャ、クラッチレリーズベアリングハブ94、シリンダのプッシュロッド91bなど摩擦面を有した摩擦部材(機械部品)は、トルク伝達性を安定させるために、寸法精度を要する。したがって、従来から金属材料、金属材料等を切削、旋削などの機械加工により製作されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭63−69828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、上述した機械部品等の摩擦部材の軽量化および高摩擦化を図るため、繊維を含有した樹脂材料が注目されている。このような繊維を含有した樹脂で、上述した摩擦部材を機械加工により製造する場合、機械加工面である摩擦面は、繊維により粗くなり、摩擦面に露呈した繊維が起因となって、摩擦部材の摩擦係数が低くなってしまう。
【0008】
そこで、例えば、繊維を含有した樹脂を溶融し、これを成形型内に射出するなどのより摩擦部材を成形した場合、摩擦面の粗さは小さく、露呈した繊維に起因した摩擦係数の低下を抑制することができる。しかしながら、成形により摩擦部材を成形した場合には、樹脂のヒケ(熱収縮)により、機械加工に比べて、摩擦部材の寸法精度が低下するおそれがある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、寸法安定性を確保しつつ、摩擦面の摩擦係数の低下を抑えることができる摩擦部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る摩擦部材の製造方法は、繊維を含有した熱可塑性樹脂からなる摩擦面を含む摩擦部材の製造方法であって、前記繊維と前記熱可塑性樹脂とから成形体を成形する工程と、該成形体を摩擦部材の形状に削り込む工程と、該削り込んだ摩擦部材の摩擦面を、前記熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱した押圧部材で押圧することにより、前記摩擦面を含む前記摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂を軟化させて、前記摩擦面を平滑にする工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、まず、繊維を含む熱可塑性樹脂を溶融させて、成形体を成形する。次に、成形体を摩擦部材の形状に削り込む。このように、摩擦部材の形状に削り込むことにより、摩擦部材を成形する場合に比べて、摩擦部材の寸法精度を高めることができる。この際、摩擦面に相当する成形体の表面も削り込まれるので、得られた摩擦部材の表面には、毛羽立った繊維が露呈することになる。
【0012】
そこで、押圧部材を熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度まで加熱して、この押圧部材で摩擦面を押圧する。これにより、摩擦面を含む摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂を軟化させて、摩擦面を平滑化する。すなわち、この工程では、摩擦部材の形状に削り込むことにより、摩擦面に毛羽立つように露呈した繊維を、表層の軟化した熱可塑性樹脂に密着またはその内部に入り込ませ、これにより摩擦面が平滑化される。この結果、摩擦面に露呈した繊維が起因として、摩擦部材の摩擦係数が低下することを抑えることができる。
【0013】
ここで、本発明でいう「繊維」は、熱可塑性樹脂を補強すると共に、摩擦係数を確保するための繊維のことであり、短繊維、長繊維いずれの繊維であってもよい。また、繊維の材質としては、上述した機能を発揮することができるのであれば、特に限定されるものではない。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、有機繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維を挙げることができる。
【0014】
また、本発明でいう「熱可塑性樹脂」は、繊維同士を繋ぐための樹脂(マトリクス樹脂)のことをいう。熱可塑性樹脂の材質としては、軟化時に上述した繊維に損傷をあたえることなく、繊維同士を繋ぐことができるのであれば、特に限定されるものではない。たとえば、結晶性熱可塑性樹脂や非結晶性熱可塑性樹脂を使用でき、例えば、ナイロン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、またはABS系樹脂などを挙げることができ、これらよりも、より融点の高い(軟化点の高い)熱可塑性樹脂であってもよい。
【0015】
なお、本発明でいう摩擦部材とは、相手材と摩擦接触する面に、摩擦面を有し、この摩擦面により相手材との相対的な移動を制限する(制動する)ための部材である。したがって、摩擦面とは、相手材と摩擦接触する面である。また、本発明でいう「平滑」とは、削り込み工程における摩擦面(摩擦面に露呈した繊維を含む摩擦面)を平滑にすることをいう。
【0016】
さらに、好ましい態様としては、前記摩擦面の前記繊維が、前記表層の前記熱可塑性樹脂内に入り込むように、前記摩擦面を平滑にする工程を行う。すなわち、この態様では、摩擦面のすべての繊維が、表層の熱可塑性樹脂内に埋設され、摩擦面が熱可塑性樹脂で被覆されるように、摩擦面の平滑化を行う。
【0017】
この態様によれば、摩擦面の繊維が、熱可塑性樹脂で被覆されているので、摩擦部材の使用時において、繊維のみが摩擦面に露呈し難くなる。これにより、長時間使用した場合であっても、摩擦部材の摩擦係数の低下を抑えることができる。なお、このような平滑化は、押圧部材の加熱温度、加熱時間、および押圧力を調整することにより達成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、熱可塑性樹脂に繊維が含浸した場合であっても、寸法安定性を確保しつつ、摩擦面の摩擦係数の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る摩擦部材の製造方法の各工程を説明するためのフロー図。
【図2】図1に示す各工程を説明するための模式図であり、(a)は、混練工程を説明するための断面図、(b)は、成形工程を説明するための断面図、(c)は、削り込み工程を説明するための斜視図、(d)は、平滑化工程を説明するための斜視図である。
【図3】平滑化工程前後の摩擦部材の摩擦面の模式的断面図であり、(a)は、平滑化工程前の摩擦面の断面図、(b)は、平滑化工程後の摩擦部材の断面図。
【図4】実施例1および比較例1、2に係る摩擦部材の寸法精度と表面粗さの関係を示した図。
【図5】実施例1および比較例1、2に係る摩擦部材の摩擦係数と表面粗さの関係を示した図。
【図6】従来のクラッチを説明するための図であり、(a)は全体斜視図、(b)は(a)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の本発明の摩擦部材の製造方法を実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る摩擦部材の製造方法の各工程を説明するためのフロー図である。図2は、図1に示す各工程を説明するための模式図であり、(a)は、混練工程を説明するための断面図、(b)は、成形工程を説明するための断面図、(c)は、削り込み工程を説明するための斜視図、(d)は、平滑化工程を説明するための斜視図である。
【0022】
図3は、平滑化工程前後の摩擦部材の摩擦面の模式的断面図であり、(a)は、平滑化工程前の摩擦面の断面図、(b)は、平滑化工程後の摩擦部材の断面図である。
【0023】
まず、図1及び図2(a)に示すように、混練工程S11を行う。繊維2と、熱可塑性樹脂3(ペレット)を、2軸押出機20の投入口21に投入する。2軸押出機20は、熱可塑性樹脂3が溶融するまで加熱し、溶融した熱可塑性樹脂3と繊維2とを均一に混練し、混練物となるバルク材を2軸押出機20から押出す。ここでは、繊維と熱可塑性樹脂とを混練するために2軸押出機を用いたが、繊維2と熱可塑性樹脂3とを均一に混連することができるのであれば、特にこの装置に限定されるものではない。
【0024】
ここでは、繊維2としては、例えば、無機繊維、有機繊維、および金属繊維のいずれであってもよく、より好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維が挙げられる。熱可塑性樹脂3としては、ナイロン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、またはABS系樹脂などを挙げることができる。
【0025】
次に、図1及び図2(b)に示すように、成形工程S12を行う。得られたバルク材4を射出成形装置30のシリンダ31内に投入し、バルク材4が軟化するまで加熱して、プランジャ32で押し出す。射出成形装置30の射出方向先端には、上下の型からなる成形型40が連結されている。これにより、プランジャ32によって押し出されたバルク材4は、成形型40内で成形体に成形される。
【0026】
なお、得られた成形体は、成形体から摩擦部材7を機械加工により削り出すことができるような大きさ及び形状を有しており、成形型40内には、このような大きさおよび形状の成形体5を成形できるようなキャビティ41が形成されている。ここでは、射出成形装置30を用いて成形したが、上述した2軸押出機20に成形型を連結して、成形体を製作してもよい。
【0027】
続いて、図1及び図2(c)に示すように、削り込み工程S13を行う。ここでは、機械的加工(具体的には切削加工および旋削など)により、成形体5を後述する摩擦部材7の形状(具体的にはリング状)に削り込む。なお、図1(c)は、バイト34を用いて削り込みをおこなっている。このように、摩擦部材7の形状に削り込むことにより、摩擦部材を成形する場合に比べて、摩擦部材7の寸法精度を高めることができる。成形体5の削り込みは、所望の形状に削り込みをすることができるのであれば、その削り込み方法は、特に限定されるものではない。
【0028】
次に、図1及び図2(d)に示すように、平滑化工程S14を行う。ここでは、削り込んだ摩擦部材7の摩擦面7aを、この摩擦面7aの形状に応じた押圧面51を有した円盤状の押圧部材50で押圧する。具体的には、押圧部材50を、摩擦部材7を構成する熱可塑性樹脂3の軟化点以上に加熱して、加熱した押圧部材50で摩擦面7aを押圧することにより、摩擦面7aを含む摩擦部材7の表層の熱可塑性樹脂3を軟化させて、摩擦面7aを平滑にする。
【0029】
これにより、図3(a)で示すように、削り込み工程後の摩擦部材7の摩擦面7aは、切削面であるので、摩擦面7aから繊維2の一部が毛羽立つように露呈しているが、図3(b)に示すように、押圧部材50で押圧することにより、一部が露呈した繊維2を表層の軟化した熱可塑性樹脂3に密着またはその内部に入り込ませ、これにより摩擦面7aを平滑にすることができる。この結果、得られた摩擦部材7は、摩擦面7aに露呈した繊維2が起因として、摩擦部材7の摩擦係数が低下することを抑えることができる。また摩擦部材の表層のみを軟化させるので、寸法精度をほぼ維持することができる。
【0030】
ここで、平滑化工程において、例えば摩擦部材7と摩擦面で摩擦接触する部材が鉄などの金属材料である場合には、摩擦面7aに繊維2が露呈しないように(すなわち、繊維2が摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂3に潜り込むように)平滑化処理することがより好ましい。
【0031】
例えば、熱可塑性樹脂であるナイロン樹脂にガラス繊維を含有させる場合、繊維長10〜30mm、繊維径10〜50μmの繊維の含有量を10〜40質量%とし、押圧部材50を100℃以上に加熱し、押圧する圧力を1〜10MPaにし、押圧時間を10秒〜1分にすることにより、摩擦面7aに繊維2が露呈せず、摩擦面7aの繊維2が表層のナイロン樹脂に入り込み、摩擦面7aにナイロン樹脂のみが露呈した状態になる。
【0032】
なお、ここでは、摩擦面7aに接触する押圧部材50の押圧面51は、平面状であるが、摩擦面が曲面である場合には、この曲面に応じた押圧面(曲面)を有した押圧部材を用いればよい。
【0033】
そして、このような摩擦部材は、例えば、上述した図6(a),(b)に示すように、クラッチディスク82のスラストワッシャ、クラッチレリーズベアリングハブ94、シリンダのプッシュロッド91bなど寸法精度を要し、他に比べて高い摩擦面が要求される部材に好適に用いることができる。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明を実施例により説明する。
(実施例)
<摩擦部材の作製>
まず、出発材料として、熱可塑性樹脂としてナイロン樹脂を準備し、これに繊維として、直径20μm、繊維長さ15mmガラス繊維(束)とを準備した。次に、ガラス繊維の質量が総質量体に対して30重量%含有するように、ガラス繊維がナイロン樹脂に均一に分散するように、これらを混練して、その後成形体を作成した。さらに成形体を削り込んで、30mm×30mm×5mmの摩擦部材(ディスク試験)を製作した。
【0035】
次に、削り込んだ摩擦面(摩擦面)に、ナイロン樹脂の軟化点温度(熱変形開始温度)以上である150℃に加熱した押圧部材を、押圧力2MPaで押圧時間1分間の条件で押圧した。これにより、摩擦面を含む摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂を軟化させて、摩擦面を平滑にした。また、この条件では、摩擦面の前記繊維が、熱可塑性樹脂で被覆されていた。
【0036】
(比較例1)
実施例1と同じようにして、摩擦部材を作製した。実施例と相違する点は、成形体を削り込んだのみであり、押圧部材を用いて摩擦面の平滑化を行っていない点である。
【0037】
(比較例2)
実施例1と同じようにして、摩擦部材を作製した。実施例1と相違する点は、成形型により、摩擦部材を製作した(削り込み工程および平滑化工程を行っていない)点である。
【0038】
<表面粗さの測定>
実施例と比較例1、2に係る摩擦部材の摩擦面の表面粗さを接触式の表面粗さ計で測定した。この結果を図4および5以下に示す。
【0039】
<寸法変化の測定>
実施例1及び比較例1、2の寸法精度を測定した。この結果を図4に示す。ここでいう寸法精度は、摩擦部材の厚さ5mmの寸法と、目標値となる寸法との差である。
【0040】
<摩擦係数測定試験>
以下の手順でリングオンディスク試験を行った。まず、上述した摩擦部材の相手材として、外径25.6mm、内径20mm、高さ16mm、中心線平均粗さRa1μmの熱間圧延鋼板(SHP28)からなるリング試験片を製作した。
【0041】
次に、実施例、比較例1、2の摩擦部材(ディスク試験片)の30mm×30mmの摩擦面と、リング試験片の円筒端面とを接触させ、無潤滑で、周速度100mm/秒、面圧を1MPa、室温条件で、摩擦係数の経時変化を測定した。この結果を図5に示す。
【0042】
<結果>
(1)図4に示すように、実施例に係る摩擦部材は、比較例2のよりも寸法精度が良かった。
(2)図4及び5に示すように、実施例に係る表面粗さは、比較例2のものと同程度であり、比較例1のものよりも小さかった。なお、実施例および比較例2の摩擦面は、繊維がみられず、比較例1の摩擦面には、繊維の毛羽立ちがあった。
(3)図5に示すように、実施例1に係る摩擦係数は、比較例1のものよりも摩擦係数が高く、比較例2のものと同程度であった。
【0043】
<考察>
結果(1)に示すようになったのは、実施例に係る摩擦部材は、機械加工により削り込んで製作したためであり、比較例2の場合、成形型内において樹脂の熱収縮により寸法精度が安定しなかったと考えられる。
【0044】
結果(2)に示すようになったのは、実施例および比較例2の摩擦面には、毛羽立った繊維が露呈していなかったからであると考えられる。
【0045】
結果(3)の如く、実施例および比較例2の摩擦係数が、比較例1よりも高いのは、毛羽立った繊維が起因となる摩擦係数の低下が生じなかったからであると考えられる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
3:熱可塑性樹脂、2:繊維、4:バルク材、5:成形体、7:摩擦部材、7a:摩擦面、7b:表層、20:2軸押出機、21投入口、30:射出成形装置、32:プランジャ、34:バイト、40:成形型、41:キャビティ、50:押圧部材、51:押圧面、S11:混練工程、S12:成形工程、S13:削り込み工程、S14:平滑化工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を含有した熱可塑性樹脂からなる摩擦面を含む摩擦部材の製造方法であって、
前記繊維と前記熱可塑性樹脂とから成形体を成形する工程と、
該成形体を摩擦部材の形状に削り込む工程と、
該削り込んだ摩擦部材の摩擦面を、前記熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱した押圧部材で押圧することにより、前記摩擦面を含む前記摩擦部材の表層の熱可塑性樹脂を軟化させて、前記摩擦面を平滑にする工程と、を含むことを特徴とする摩擦部材の製造方法。
【請求項2】
前記摩擦面の前記繊維が、前記表層の前記熱可塑性樹脂内に入り込むように、前記摩擦面を平滑にする工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の摩擦部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−193282(P2012−193282A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58394(P2011−58394)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】