撮像素子の動作条件を変更可能な撮像装置およびその制御方法
【課題】撮影条件に応じたダイナミックレンジを確保すると共にノイズの低減を行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮影装置の撮像素子101は、複数の画素20a〜20c、20g〜20iに蓄積された電荷を画素に対応して設けられかつ複数の画素に蓄積された電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部9を有し、電圧信号を画素アンプ7から画素信号として出力する。その際、撮影条件に応じて、フローティングディフュージョン部9に対応する接続スイッチ37a〜37c、37g〜37iの少なくとも一部が順次オンされ或いは接続スイッチの全てがオフされ、これによりフローティングディフュージョン部9が接続線38a、38cに接続され或いは接続線から遮断されて画素アンプ7に接続される容量成分が変化し、ダイナミックレンジの拡大またはノイズ低減に寄与する。
【解決手段】撮影装置の撮像素子101は、複数の画素20a〜20c、20g〜20iに蓄積された電荷を画素に対応して設けられかつ複数の画素に蓄積された電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部9を有し、電圧信号を画素アンプ7から画素信号として出力する。その際、撮影条件に応じて、フローティングディフュージョン部9に対応する接続スイッチ37a〜37c、37g〜37iの少なくとも一部が順次オンされ或いは接続スイッチの全てがオフされ、これによりフローティングディフュージョン部9が接続線38a、38cに接続され或いは接続線から遮断されて画素アンプ7に接続される容量成分が変化し、ダイナミックレンジの拡大またはノイズ低減に寄与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影条件毎に撮像素子の動作条件を変更することができる、デジタルカメラなどの撮像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、CMOSセンサーなどの撮像素子を撮影条件に応じた動作条件で動作させるものがある。例えば、撮影感度の上昇に伴って撮像素子の画素アンプの増幅率を高める撮像装置がある。そのため、各画素で発生した電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部(FD)の容量を小さくしている。ところが、FDの容量を小さくすると、転送可能な電荷量が少なくなって、所謂ダイナミックレンジが狭くなってしまう。
【0003】
これに対処するため、例えば、FDに接続されたMOSトランジスタを用いてFDの容量を変化させてFDに保持される電荷量を可変とし、これによりダイナミックレンジを拡大させるようにした撮像装置が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−165754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、FDの容量が大きくなるとダイナミックレンジが大きくなるものの、ノイズが増加する。一方、FDの容量を小さくすると既述のようにダイナミックレンジが狭くなってしまう。
【0006】
特許文献1に記載の撮像装置では、ダイナミックレンジを拡大させることができるが、ノイズを低減するとともにダイナミックレンジを大きくすることは難しい。例えば、同一列の画素データを加算する際、ダイナミックレンジの拡大とノイズ低減とを両立させることが難しい。
【0007】
本発明は、撮影条件に応じたダイナミックレンジを確保することができるとともに、ノイズの低減を行うことができる撮像装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換する複数のフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを備えた撮像素子と、撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の撮像装置の制御方法は、2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影条件にかかわらずダイナミックレンジを確保するとともに、ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例を示すブロック図である。
【図2A】撮像装置の撮像素子の回路構成の一例の一部を示す図である。
【図2B】撮像素子の回路構成の残部を示す図である。
【図3A】撮像装置の操作部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3B】撮像装置の表示部に表示される動画撮影モード選択画面の一例を示す図である。
【図4】撮像装置の撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図5A】低ISO静止画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図5B】図5Aに続くタイミング図である。
【図6A】高ISO静止画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図6B】図6Aに続くタイミング図である。
【図7A】高画質モードでの動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図7B】図7Aに続くタイミング図である。
【図8A】高速モードでの低ISO動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図8B】図8Aに続くタイミング図である。
【図9A】高速モードでの高ISO動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図9B】図9Aに続くタイミング図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子における各カラムアンプの構成を示す図である。
【図11】静止画撮影におけるISO感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図12】高画質モードでの動画撮影におけるISO感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図13】高速モードでの動画撮影における撮影感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図14】カラー撮像装置である撮像装置が備える原色ベイヤー配列の色フィルタの一部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、撮像装置100は、例えばデジタルカメラであり、静止画像撮影機能および動画像撮影機能を備えている。撮像装置100は、撮像装置100を統括的に制御するCPU104と、撮影レンズ(図示せず)を通過した光学像が結像する撮像素子101とを有し、撮像素子101は、これに結像された光学像を電気信号(アナログ画素信号)に変換する。
【0015】
撮像素子101から出力されたアナログ画素信号は、アナログフロントエンド(AFE)103でゲイン調整されるとともに、所定の量子化ビット数に応じてデジタル画像データに変換される。撮像装置100のタイミングジェネレータ(TG)102は、CPU104の制御下で撮像素子101およびAFE103の動作タイミングを制御する。
【0016】
RAM108は、AFE103から出力される画像データおよび画像処理部109で処理された画像データを記憶するための画像メモリであり、CPU104のワークメモリとしても用いられる。本例では、画像メモリおよびワークメモリとしてRAM108を用いるが、アクセス速度に問題ないものであれば、他のメモリを用いてもよい。
【0017】
ROM106には、CPU104上で動作するプログラムが格納される。本例では、ROM106としてフラッシュROMが用いられるが、アクセス速度に問題がないものであれば、他のメモリを用いてもよい。
【0018】
画像処理部109は、静止画像および動画像の補正、圧縮等の処理を行う。インターフェース部(I/F)110は、外部記録部113とのインターフェースである。
【0019】
外部記録部113は、I/F114、記録媒体115およびコネクタ116を有している。記録媒体115は、例えば、不揮発性メモリ又はハードディスクであり、画像データなどが記録される。そして、外部記録部113は、コネクタ116と撮像装置100に備えられたコネクタ112とを介してI/F110と接続される。符号111は、CPU104等が接続されたバスである。
【0020】
本例では、コネクタ112,116によって撮像装置100に対して着脱可能な外部記録部113に記憶媒体115を設けたが、撮像装置100に不揮発性メモリ又はハードディスク等の記録媒体を内蔵するようにしてもよい。
【0021】
操作部105は、ユーザが撮像装置100に撮影命令を与えたり、撮像条件等を設定する際に用いられる。表示部107は、CPU104の制御下で、画像データに応じた静止画像又は動画像の表示を行うとともに、メニュー等の表示を行う。
【0022】
図2A及び図2Bは、撮像素子101の回路構成の一例を示す図である。
【0023】
図2A及び図2Bにおいて、撮像素子101は有効画像領域を備え、この有効画像領域には2次元マトリックス状に複数の画素が配列されている。
【0024】
なお、カラー撮像装置の場合、光は、撮像素子101に入射する前に色フィルタを通過する。色フィルタは、例えば、原色ベイヤー配列の色フィルタである。原色ベイヤー配列の色フィルタには、図14にその一部分を示すように、R(赤)フィルタとB(青)フィルタと2つのG(緑)フィルタとを1単位とするものが撮像素子101の画素数に対応する数だけ設けられる。そして、従来公知の方法で、各画素の画素信号から、Rフィルタ、Bフィルタ及びGフィルタに対応する各色の画素信号を生成することができる。図14中、同一の記号(たとえばG11)で示すフィルタに対応する画素同士は互いに接続可能である。これにより、例えば、同一列における同色の3つの画素信号を加算することができる。以下、各色を区別せずに簡略に説明する。
【0025】
図2A及び図2Bでは、説明の便宜上、撮像素子101に2次元配置された画素のうち6行2列の画素のみが示されている。撮像素子101の有効画素領域において、第m列目の第n〜第(n+5)行目には、画素20a〜20fが配置され、第mの画素列の一部を構成している。また、第(m+1)列目の第n〜第(n+5)行目には、画素20g〜20lが配置され、第(m+1)の画素列の一部を構成している。各画素20a〜20lはフォトダイオード(PD)1および転送スイッチ2を備えている。
【0026】
第n行目の画素20aおよび20gの転送スイッチ2のゲートには垂直走査回路35から転送制御信号PTX(n)が供給され、第(n+1)行目の画素20bおよび20hの転送スイッチ2のゲートには転送制御信号PTX(n+1)が供給される。同様に、画素20cおよび20i、20dおよび20j、20eおよび20k、ならびに20fおよび20lの転送スイッチ2のゲートにはそれぞれ転送制御信号PTX(n+2)、PTX(n+3)、PTX(n+4)、およびPTX(n+5)が供給される。
【0027】
撮像素子101の有効画素領域には、画素20a〜20lにそれぞれ接続された信号転送部21a〜21lが配置されており、信号転送部21a〜21lの各々は、リセットスイッチ3、行選択スイッチ6、画素アンプ7およびフローティングディフュージョン部(FD)9を有している。フローティングディフュージョン部9は、フォトダイオード1で発生した電荷を電圧信号に変換する。
【0028】
第n行目の信号転送部21aおよび21gにおいてリセットスイッチ3のゲートには垂直走査回路35からリセット制御信号PRES(n)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには垂直走査回路35から選択制御信号PSEL(n)が供給される。第(n+1)行目の信号転送部21bおよび21hにおいてリセットスイッチ3のゲートには垂直走査回路35からリセット制御信号PRES(n+1)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには垂直走査回路35から選択制御信号PSEL(n+1)が供給される。同様に、第(n+2)〜第(n+5)行目の信号転送部21cおよび21i、21dおよび21j、21eおよび21k、ならびに21fおよび21lにおいて、リセットスイッチ3のゲートにはそれぞれリセット制御信号PRES(n+2)〜PRES(n+5)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには選択制御信号PSEL(n+2)〜PSEL(n+5)が供給される。
【0029】
撮像素子101は、第mおよび第(m+1)の画素列のそれぞれに隣接し且つ列方向に延びる垂直出力線36aおよび36bを有している。垂直出力線36aには信号転送部21a〜21fが接続され、垂直出力線36bには信号転送部21g〜21lが接続されている。
【0030】
垂直出力線36aの一端側には定電流源22aが接続され、その他端側にはカラムアンプ(増幅手段)23aが接続されている。カラムアンプ23aは、垂直走査回路35から与えられるゲート制御信号PTS、PTNによってオン・オフ制御される転送ゲート24aおよび25aを介して、保持容量(保持メモリ)26aおよび27aに接続されている。そして、保持容量26aおよび27aは、それぞれ出力転送スイッチ28aおよび29aを介して水平出力線30aおよび31aに接続され、両スイッチは水平走査回路34aから与えられる水平制御信号PH(m)によって駆動される。
【0031】
水平出力線30aおよび31aには読出しアンプ32aが接続されている。読出しアンプ32aは、水平出力線30aおよび31aの差分出力に所定のゲインを乗じてアナログ出力信号を得、該信号をその出力端子33a(以下、撮像素子101の出力端子と称することがある)から出力する。
【0032】
垂直出力線36bの一端側にはカラムアンプ(増幅手段)23bが接続され、他端側には定電流源22bが接続されている。カラムアンプ23bは、垂直走査回路35から与えられるゲート制御信号PTS、PTNによってオン・オフ制御される転送ゲート24bおよび25bを介して、保持容量(保持メモリ)26bおよび27bに接続されている。保持容量26bおよび27bは、それぞれ出力転送スイッチ28bおよび29bを介して水平出力線30bおよび31bに接続され、両スイッチは水平走査回路34bから与えられる水平制御信号PH(m+1)によって駆動される。
【0033】
水平出力線30bおよび31bには読出しアンプ32bが接続され、読出しアンプ32bは、水平出力線30bおよび31bの差分出力に所定のゲインを乗じてアナログ出力信号を得、該信号をその出力端子33b(以下、撮像素子101の出力端子と称することがある)から出力する。
【0034】
信号転送部21a〜21cにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37a〜37cに接続され、該スイッチは共通の接続線38aに接続されている。また、信号転送部21d〜21fにおいて画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37d〜37fに接続され、該スイッチは共通の接続線38bに接続されている。
【0035】
同様に、信号転送部21g〜21iにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37g〜37iに接続され、該スイッチは共通の接続線38cに接続されている。信号転送部21j〜21lにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37j〜37lに接続され、該スイッチは共通の接続線38dに接続されている。
【0036】
信号転送部21a〜21lにおいて、FD9は、接続スイッチ37a〜37lにより接続線38a〜38dに選択的に接続、遮断可能である。
【0037】
第n行目の接続スイッチ37aおよび37gのゲートには垂直走査回路35から与えられる接続制御信号PFD(n)が供給される。同様に、第(n+1)〜第(n+5)行目の接続スイッチ37bおよび37h、37cおよび37i、37dおよび37j、37eおよび37k、ならびに37fおよび37lのゲートには、それぞれ垂直走査回路35から与えられる接続制御信号PFD(n+1)〜PFD(n+5)が供給される。
【0038】
信号転送部21a〜21lにおいて、画素アンプ7のゲート8からこれに対応する接続スイッチ37a〜37lまでの配線距離は互いに同一となっている。また、接続スイッチ37a〜37lからこれに対応する接続線38a〜38dまでの配線距離も互いに同一となっている。
【0039】
接続スイッチ37a〜37lのいずれかを選択的にオンして、接続線38a〜38dの対応する一つに選択的に画素アンプ7のゲート8を接続すると、接続スイッチ37a〜37lのどれをオンした場合にも、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が同じだけ増加する。
【0040】
図3Aは、操作部105の構成の一例を示す図であり、図3Bは表示部107に表示される動画撮影モード選択画面の一例を示す図である。
【0041】
図3Aに示すように、操作部105は、静止画撮影スイッチ(SW)105a、動画撮影スイッチ(SW)105b、およびグラフィックユーザインタフェース(GUI)操作部105cを有している。静止画撮影SW105aが押圧されると、図示しない撮影感度選択画面が表示部107に表示される。撮影感度選択画面には、例えば、5つの選択肢「ISO100」、「ISO200」、「ISO400」、「ISO800」及び「ISO1600」が表示される。ユーザは、GUI操作部105cを操作して5つの選択肢のいずれか1つを選択することができる。動画撮影SW105bが押圧されると、図3Bに示す動画撮影モード選択画面が表示部107に表示される。図示の例では、動画撮影モード選択画面には、2つの選択肢「30fpsの高画質モード」および「60fpsの高速モード」が表示されている。ユーザはGUI操作部105cで操作して、2つの選択肢のいずれか一方を選択することができる。
【0042】
図4は、撮像装置100の撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【0043】
ユーザが図3Aに示す静止画撮影SW105aまたは動画撮影SW10bを押すと、図4の撮影動作が開始される。まず、CPU104は静止画撮影SW105aが押されたか否かを判定し、これにより静止画撮影モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。静止画撮影SW105aが押されて静止画撮影モードが選択されると(ステップS101において、YES)、CPU104は、撮影条件である撮影感度として低ISO感度(低撮影感度)が選択されたか否かを判定する(ステップS102)。
【0044】
静止画撮影SW105aの押圧に応じて表示部107に表示される撮影感度選択画面(図示略)でユーザが選択肢「ISO100」または「ISO200」を選択すると、CPU104は低ISO感度が選択されたと判定し(ステップS102において、YES)、低ISO撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS103)、そして、静止画撮影を制御する(ステップS105)。
【0045】
撮像素子101は第1〜第3の読出しモードのいずれかで動作可能であり、以下、低ISO静止画撮影(第2の読出しモード)における撮像素子101の動作タイミングを説明する。図5A及び図5Bは、低ISO静止画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。撮像素子101は、CPU104の制御下でタイミングジェネレータ102により制御される。なお、第2の読出しモードでは、接続スイッチの一部が順次オンされる。図示例において、例えば、第n行目の画素20a、20gから画素信号を読み出す際には、読出し対象の画素20a、20gに対応する接続スイッチスイッチ37a、37gのみがオンされる。
【0046】
図5A及び図5Bに示すように、時間a1〜a2(全画素リセット期間)では、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、全画素においてフォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送される。
【0047】
時刻a2において、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をネゲートする。これによって、全画素でフォトダイオード1がリセットされ、同時に電荷の蓄積を開始する。
【0048】
期間a2〜a3内のあるタイミングにおいて、撮像素子101の外部の機構(図示せず)によって撮像素子101への入射光が遮断される。時刻a2から入射光が遮断されるまでの期間(蓄積期間)において全画素のフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。なお、本例では全画素において同時に信号電荷の蓄積を開始しているが、これに限定されない。また、フォトダイオード1のリセットは行毎にタイミングを異ならせるようにしてもよい。
【0049】
時刻a3において、CPU104によって1行の読み出し期間を示すタイミング信号HDがアサートされる。続いて、時刻a4において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送(列転送)が開始される。すなわち、時刻a4では垂直走査回路35は選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、信号転送部21aおよび21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0050】
時刻a4では、垂直走査回路35は接続制御信号PFD(n)をアクティブとする。これによって、接続スイッチ37aおよび37gがオンされる。信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38a又は38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が例えば値”2C”に増加する。ここで、”C”はFD9の容量を表す。
【0051】
時刻a5において、垂直走査回路35はリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々においてリセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化される。この結果、垂直出力線36aおよび36bの各々にはリセット直後の信号レベル(所謂ダークレベル)の信号が出力される。
【0052】
時刻a6において、垂直走査回路35はリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻a7でゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、カラムアンプ23aおよび23bを介してそれぞれ保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0053】
時刻a8において、垂直走査回路35はゲート制御信号PTNをネゲートする。その後、時刻a9において、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、各画素のフォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0054】
垂直走査回路35は、時刻a10において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻a11においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、カラムアンプ23aおよび23bを介して信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻a12において、垂直走査回路35はゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0055】
時刻a12までの動作によって、保持容量26aおよび26bには画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bには画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0056】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻a13で、垂直走査回路35は選択制御信号PSEL(n)および接続制御信号PFD(n)をネゲートする。
【0057】
次に、時間a14〜a15において、水平走査回路34aおよび34bはそれぞれ水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0058】
読出しアンプ32aには画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルが入力され、読出しアンプ32aはその差分に所定ゲインを乗じて出力信号を得、該信号を出力端子33aから出力する。同様に、読出しアンプ32bには画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、読出しアンプ32bはその差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号を出力端子33bから出力する。時刻a15において画素信号の出力が終了し、時刻a16から次行の画素の読出しが開始される。
【0059】
時間a16〜a17において、選択制御信号PSEL(n+1)、接続制御信号PFD(n+1)、リセット制御信号PRES(n+1)、転送制御信号PTX(n+1)、ゲート制御信号PTNおよびPTS、そして、水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)が、時間a3〜a16における第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+1)行目の画素20bおよび20hから画素信号が出力される。
【0060】
同様に、時間a17〜a18、a18〜a19、a19〜a20、及びa20〜a21において、それぞれ第(n+2)〜第(n+5)行目の画素から画素信号が読み出される。
【0061】
このようにして、撮像素子101の全行について読み出し動作を行うことよって、撮像素子101の全画素からアナログ画素信号が出力される。前述のように、撮像素子101から出力されたアナログ画素信号はAFE103において画像データに変換され、画像データは画像処理部109に入力される。画像処理部109において画像データに対して所定の処理が行われ、その結果得た静止画像データは記録媒体115に記録され、低ISO静止画撮影が終了する。
【0062】
再び図4を参照すると、ステップS105で静止画撮影の制御を行った後、CPU104は撮影が終了したか否かを判定する(ステップS112)。そして、撮影が終了していないと判定すると(ステップS112において、NO)、フローはステップS101に戻る。一方、撮影が終了したと判定すると(ステップS112において、YES)、撮像装置100は撮影動作を終了する。
【0063】
次に、高ISO静止画撮影について説明する。
【0064】
静止画撮影SW105aの押圧に応じて表示部107に表示される撮影感度選択画面(図示略)でユーザがISO400、ISO800またはISO1600を選択すると、CPU104は低ISO感度ではなく高ISO感度(高撮影感度)が選択されたと判定し(ステップS102において、NO)、高ISO撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行う(ステップS104)。その後、ステップS105において、CPU104は静止画撮影を制御する。
【0065】
図6A及び図6Bは、高ISO静止画撮影(第1の読出しモード)における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。第1の読出しモードにおける動作タイミングは、図5A及び図5Bに示す第2の読出しモードにおけるものと基本的には同一であり、簡略に説明する。
【0066】
図6A及び図6Bを参照すると、全画素リセット期間b1〜b2において、転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)がアクティブにされ、これによって、全画素においてフォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送される。
【0067】
続いて、時刻b2において、転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をネゲートする。これによって、全画素でフォトダイオード1がリセットされ、同時に電荷の蓄積を開始する。
【0068】
時間b2から撮像素子101への入射光が遮断されるまでの蓄積期間において全画素のフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0069】
時刻b3においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻b4において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻b4では選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、信号転送部21aおよび21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0070】
この際、接続制御信号PFD(n)はネゲートされたままである。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8には接続線38a又は38cが接続されず、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分はFD9の容量”C”に等しいままである。
【0071】
時刻b5において、リセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々においてリセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化される。この結果、垂直出力線36aおよび36bの各々にはリセット直後の信号レベル(ダークレベル)の信号が出力される。
【0072】
時刻b6において、リセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻b7でゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0073】
時刻b8においてゲート制御信号PTNをネゲートし時刻b9において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、各画素のフォトダイオード1に蓄積されている信号電荷がソース・フォロアのゲート8に転送され、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0074】
時刻b10において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻b11においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻b12において、ゲート制御信号PTSをネゲートする。
【0075】
時刻b12までの動作によって、保持容量26aおよび26bには画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bには画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0076】
時刻b13で選択制御信号PSEL(n)をネゲートし、接続制御信号PFD(n)をネゲートしたままにする。
【0077】
時間b14〜b15において、水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0078】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻b15において画素信号の出力が終了し、時刻b16から次行の画素の読出しが開始される。
【0079】
時間b16〜b17において、制御信号PSEL(n+1)、PFD(n+1)、PRES(n+1)、PTX(n+1)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しと同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+1)行目の画素20bおよび20hから画素信号が出力される。
【0080】
同様に、時間b17〜b18、b18〜b19、b19〜b20、及びb20〜b21において、それぞれ第(n+2)〜第(n+5)行目の画素から画素信号が読み出される。
【0081】
このようにして、撮像素子101の全画素から画素信号が出力され、画素信号から得た静止画像データが記録媒体115に記録されて、高ISO静止画撮影が終了する。
【0082】
次に、動画撮影モードが選択された場合について説明する。
【0083】
図3Aに示す静止画撮影SW105aまたは動画撮影SW105bの押圧に応じて開始される図4の撮影動作では、既述のように、CPU104は静止画撮影SW105aが押されて静止画撮影モードが選択されたか否かをステップS101で判定する。ステップS101の判別結果がNOであると、CPU104は、動画撮影SW105bが押圧されて動画撮影モードが選択された判定し、フローはステップS106に進む。
【0084】
動画撮影SW105bを押し下げた際には図3Bに示す動画撮影モード選択画面が表示部107に表示され、ユーザは図3Aに示すGUI操作部105cを操作して、モード選択画面に表示される選択肢「高画質モード」または「高速モード」のいずれかを選択する。
【0085】
ステップS106では、CPU104は高画質モード(Full HDモード)が選択されたか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106での判別結果がYESであれば、CPU104は、高画質モードでの動画撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS107)、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0086】
図7A及び図7Bは、高画質モードでの動画撮影における撮像素子101の動作タイミング(第3の読出しモード)を示す図である。第3の読出しモードにおける動作タイミングは、図6A及び図6B及び図5A、図5Bに示す第1及び第2の読出しモードにおけるものと基本的には同一であり、簡略に説明する。
【0087】
図7A及び図7Bに示すように、時間c1〜c2において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をアクティブとする。これによって、第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0088】
次に、時間c3〜c4において、転送制御信号PTX(n+3)〜PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+3)〜第(n+5)行目の画素20d〜20fおよび20j〜20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0089】
このように、高画質モードでの動画撮影の場合には、3行単位で所定の時間間隔でフォトダイオード1のリセットが順次行われ、フォトダイオード1がリセットされてから画素信号の読出しまでの期間(蓄積期間)においてフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0090】
時刻c5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻c6において第n行〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iについて垂直転送が開始される。つまり、時刻c6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の信号転送部21a、21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0091】
時刻c6では、接続制御信号PFD(n)〜PFD(n+2)をアクティブとする。これによって、信号転送部21a〜21cの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38aが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が、例えば、FD9の容量”C”の4倍の値4Cに増加する。
【0092】
同様に、信号転送部21g〜21iの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が例えば値”4C”に増加する。
【0093】
時刻c7において、リセット制御信号PRES(n)〜PRES(n+2)をアクティブとする。これによって、信号転送部21a〜21cおよび21g〜21iの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、接続線38a又は38cと、3つのFD9からなる1組のFDとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0094】
時刻c8においてリセット制御信号PRES(n)〜PRES(n+2)をネゲートし、時刻c9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0095】
時刻c10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻c11において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をアクティブにして、画素20a〜20cおよび20g〜20iの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0096】
各ソース・フォロアへの電荷転送では加算読出しが行われる。すなわち、第m列目の画素20a〜20cの各々のフォトダイオード1に蓄積された信号電荷が加算され、加算した信号がソース・フォロアへ転送される。同様に、第(m+1)列目の画素20g〜20iの各々のフォトダイオード1に蓄積された信号電荷が加算され、加算した信号がソース・フォロアへ転送される。
【0097】
時刻c12において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をネゲートし、時刻c13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻c14においてゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0098】
時刻c14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20a〜20cおよび20g〜20iから加算読出しされた信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20a〜20cおよび20g〜20iにおけるダークレベルが保持される。
【0099】
画素20a〜20cおよび20g〜20iからの垂直転送終了後の時刻c15において選択制御信号PSEL(n)と接続制御信号PFD(n)〜PFD(n+2)とをネゲートする。
【0100】
次に、時間c16〜c17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0101】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20a〜20cにおけるダークレベルおよび加算後の信号レベルまたは画素20g〜20iにおけるダークレベルと加算後の信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻c17において画素信号の出力が終了し、時刻c18から次の3行の画素の読出しが開始される。
【0102】
時間c18〜c19において、制御信号PSEL(n+3)、PFD(n+3)〜PFD(n+5)、PRES(n+3)〜PRES(n+5)、PTX(n+3)〜PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行〜第(n+2)行目の画素からの画素信号の読出しと同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+3)行〜第(n+5)行目の画素20d〜20fおよび20j〜20lから画素信号が出力される。
【0103】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の3分の1の画素から画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高画質モードにおける動画撮影が終了する。
【0104】
図4の撮影動作において、図3Bに示す動画撮影モード選択画面で選択肢「高速モード」が選択された場合、CPU104は、高画質モードでなく高速モードが選択されたと判定し(ステップS106において、NO)、続いて、撮影感度として低ISO感度が選択されたか否かを判定する(ステップS108)。
【0105】
低ISO感度が選択されたと判定すると(ステップS108において、YES)、CPU104は、低ISO撮影用の設定を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS109)、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0106】
図8A及び図8Bは、高速モードでの低ISO動画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。図8A及び図8Bに示す動作タイミングは、図7A及び図7Bに示すものと基本的には同一である。
【0107】
図8A及び図8Bに示すように、時間d1〜d2において転送制御信号PTX(n)をアクティブとする。これによって、第n行目の画素20aおよび20gの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0108】
次に、時間d3〜d4において転送制御信号PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0109】
このように、高速モードでの動画撮影の場合には、5行間隔かつ所定の時間間隔でフォトダイオード1のリセットが順次行われ、フォトダイオード1がリセットされてから画素信号の読出しまでの蓄積期間においてフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0110】
時刻d5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻d6において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻d6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の画素20a、20gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0111】
時刻d6では接続制御信号PFD(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38a又は38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が、例えば、FD9の容量”C”の2倍の値2Cに増加する。
【0112】
時刻d7においてリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0113】
時刻d8においてリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻d9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0114】
時刻d10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻d11において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0115】
時刻d12において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻d13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻d14においてゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0116】
時刻d14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0117】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻d15において選択制御信号PSEL(n)および接続制御信号PFD(n)をネゲートする。次に、時間d16〜d17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0118】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻d17において画素信号の出力が終了し、時刻d18から次行の画素の読出しが開始される。
【0119】
時間d18〜d19において、制御信号PSEL(n+5)、PFD(n+5)、PRES(n+5)、PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lから画素信号が出力される。
【0120】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の5分の1の画素から画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高速モードでの低ISO動画撮影が終了する。
【0121】
図4の撮影動作において、表示部107に表示される図示しない撮影感度選択画面上でユーザが高ISO感度を選択すると、CPU104は、低ISO感度でなく高ISO感度が選択されたと判定し(ステップS108において、NO)、高速モードでの高ISO撮影用の設定を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行う(ステップS110)。その後、CPU104は、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0122】
図9A及び図9Bは、高速モードでの高ISO動画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。図9A及び図9Bに示す動作タイミングは、図8A及び図8Bに示すものと基本的には同一である。
【0123】
図9A及び図9Bに示すように、時間e1〜e2において転送制御信号PTX(n)をアクティブとする。これによって、第n行目の画素20aおよび20gの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0124】
次に、時間e3〜e4において転送制御信号PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0125】
時刻e5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻e6において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻e6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の画素20a、20gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0126】
この際、接続制御信号PFD(n)はネゲートされたままである。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8には接続線38a又は38cが接続されず、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分はFD9の容量”C”に等しいままである。
【0127】
時刻e7においてリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0128】
時刻e8においてリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻e9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0129】
時刻e10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻e11において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0130】
時刻e12において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻e13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻e14においてゲート制御信号PTSをネゲートする。
【0131】
時刻e14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0132】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻e15において選択制御信号PSEL(n)をネゲートする。次に、時間e16〜e17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0133】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻e17において画素信号の出力が終了し、時刻e18から次行の画素の読出しが開始される。
【0134】
時間e18〜e19において、制御信号PSEL(n+5)、PFD(n+5)、PRES(n+5)、PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そして、PH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lから画素信号が出力される。
【0135】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の5分の1の画素について画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高速モードでの高ISO動画撮影が終了する。
【0136】
上述した第1の実施形態では、低ISO静止画撮影の際、画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしたので、ダイナミックレンジを確保することができる。一方、高ISO静止画撮影の際には、画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量に等しいままとして画素アンプ7のゲインを高くするようにしたので、撮像素子101の後段におけるゲインを小さくすることができる結果、ノイズを低減することができる。
【0137】
また、高画質モードでの動画撮影の際に、同一列に配された複数組の画素からの画素信号を各組の画素ごとに加算し、これにより画質を向上させることができる。さらに、高速モードでは読出し対象画素数を少なくした間引き読出しを行うようにしたので、フレームレートを高くすることができる。加えて、低ISO撮影の場合には、画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしたので、ダイナミックレンジを確保することができる。一方、高ISO撮影の場合には、画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量のままとして、画素アンプ7のゲインを高くするようにしたので、撮像素子101の後段におけるゲインを小さくすることができ、ノイズを低減することができる。
【0138】
第1の実施形態では、撮影感度に応じて画素アンプ7のゲートを接続線に順次接続するようにしたが、これに限定されない。例えば、ライブビュー等で測定した被写体の輝度が高いか否かを図4に対応するフローチャートで判定し、被写体が高輝度の場合には接続線に画素アンプ7のゲートを接続して画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしてもよい。そして、被写体が低輝度の場合には、画素アンプのゲートを接続線に接続することなく画素アンプに接続される容量成分をFDの容量のままとしてノイズの影響を低減するようにしてもよい。
【0139】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態による撮像装置の一例について説明する。なお、本実施形態による撮像装置の構成は、図2A及び図2Bに示すカラムアンプ23aおよび23bに対応するカラムアンプ(増幅手段)を除き、図1に示す撮像装置100と同様である。
【0140】
図10は、本実施形態の撮像素子101における各カラムアンプの構成を示す図である。
【0141】
図10のカラムアンプはゲイン可変であり、後述するようにしてゲインの変更が行われる。カラムアンプは、撮像素子101の画素から順次出力された画素信号をクランプする入力容量303を含み、入力容量303は差動アンプ301の反転入力端子(−)に接続されている。この差動アンプ301の非反転入力端子(+)には参照電圧302が与えられる。
【0142】
カラムアンプは、第1〜第6のフィードバック容量304〜309と該フィードバック容量304〜309のそれぞれに直列に接続された第1〜第6のモード選択スイッチ310〜315とからなる第1〜第6のカラムアンプ素子を含む。第1〜第6のカラムアンプ素子は互いに並列に接続されている。フィードバック容量304〜309のそれぞれの一端は差動アンプ301の反転入力端子に接続され、モード選択スイッチ310〜315のそれぞれの一端は差動アンプ301の出力端子に接続されている。
【0143】
さらに、カラムアンプはリセットスイッチ316を含み、リセットスイッチ316は第1〜第6のカラムアンプ素子と並列に接続されている。リセットスイッチ316がオンされると、差動アンプ301がリセットされる。
【0144】
差動アンプ301のゲインは、モード選択スイッチ310〜315のいずれがオンしているかに応じて変化する。差動アンプ301のゲインは、入力容量303の容量値をオンしたモード選択スイッチの容量値で除して得た値で表される。
【0145】
本実施形態では、フィードバック容量304〜309は、入力容量303の容量値の1倍、1/2倍、1/4倍、1/8倍、1/16倍および1/32倍の容量値をそれぞれ有している。すなわち、モード選択スイッチ310〜315のいずれか一つをオンすることにより、差動アンプ301のゲイン(すなわちカラムアンプのゲイン)として1倍、2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインを選択することができ、選択したゲインで入力画素信号を増幅することができる。
【0146】
次に、本実施形態による撮像装置の撮影動作について説明する。撮像装置の撮影動作は、カラムアンプ(以下、カラムアンプ23aおよび23bという)の動作を除き、第1の実施形態のものと同一である。以下、カラムアンプ23a、23bの動作を主に説明する。
【0147】
低ISO静止画撮影の際、撮像装置の撮像素子101は図5A及び図5Bに示す動作タイミングで動作する。図5A及び図5B中、時間a4〜a5で、撮像素子101の垂直走査回路35はタイミングジェネレータ102の制御下でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。
【0148】
時間a5〜a12における電荷転送の際、垂直走査回路35は、ユーザが選択したISO感度に応じてモード選択スイッチ310または311をオンにする。ISO100が選択された場合には、モード選択スイッチ310がオンされて差動アンプ301のゲインが1倍とされる。ISO200が選択された場合には、モード選択スイッチ311がオンされてアンプ301のゲインが2倍とされる。
【0149】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻a12までの動作によって、第n行目の画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルが保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間a14〜a15で、撮像素子101の出力端子33a、33bから1倍又は2倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0150】
高ISO静止画撮影の際、撮像素子101は図6A及び図6Bに示す動作タイミングで動作する。図6A及び図6B中、時間b4〜b5でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間b5〜b12における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度に応じてモード選択スイッチ311、312または313がオンされる。ISO400が選択された場合には、モード選択スイッチ311がオンされて差動アンプ301のゲインが2倍とされ、ISO800が選択された場合には、モード選択スイッチ312がオンされてアンプ301のゲインが4倍にされ、ISO1600が選択された場合にはモード選択スイッチ313がオンされてアンプ301のゲインが8倍とされる。
【0151】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻b12までの動作によって、第n行目の画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルが保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間b14〜b15で、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍または8倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0152】
高画質モードでの動画撮影の際、撮像素子101は図7A及び図7Bに示す動作タイミングで動作する。図7A及び図7B中、時間c6〜c7で、カラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間c7〜c14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度に応じて第2〜第6のモード選択スイッチ311〜315のいずれかがオンされる。ISO100、ISO200、ISO400、ISO800、およびISO1600のいずれかが選択された場合には、モード選択スイッチ312〜315の対応する一つがオンされて差動アンプ301のゲインとして2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが選択される。
【0153】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻c12までの動作によって、第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cの信号を加算して得た信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aに保持される。また、第n〜第(n+2)行目の画素20g〜20iの信号を加算した信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26bに保持される。第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iのダークレベルに2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。
【0154】
その後、時間c16〜c17で、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0155】
高速モードでの低ISO動画撮影の際、撮像素子101は図8A及び図8Bに示す動作タイミングで動作する。図8A及び図8B中、時間d6〜d7でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316がオンされ、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間d7〜d14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度がISO100であるかISO200であるかに応じて、モード選択スイッチ310または311がオンされて差動アンプ301のゲインとして1倍または2倍のゲインが選択される。
【0156】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻d12までの動作によって、画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間d16〜d17で、撮像素子101の出力端子33a、33bから1倍又は2倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0157】
高速モードでの高ISO動画撮影の際、撮像素子101は図9A及び図9Bに示す動作タイミングで動作する。図9A及び図9B中、時間e6〜e7でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316がオンされ、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間e7〜e14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度がISO400、ISO800およびISO1600のいずれであるかに応じて、モード選択スイッチ311、312または313がオンされて差動アンプ301のゲインとしてゲインが2倍、4倍または8倍のゲインが選択される。
【0158】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻e12までの動作によって、画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルがそれぞれ保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間e16〜e17、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍または8倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0159】
図11は、静止画撮影におけるISO感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0160】
前述したように、静止画撮影において低ISO感度すなわちISO100またはISO200が選択された場合には、読出し動作の際に画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量Cの2倍の値2Cに増加させるので、画素アンプ7のゲインは、画素アンプ7に接続される容量成分がFD9の容量Cである場合に比べて1/2に低下する。本実施形態では、図11に示すように、選択された撮影感度がISO100またはISO200である場合には、カラムアンプのゲインを1倍または2倍とする。一方、撮影感度がISO400、ISO800またはISO1600である場合には、カラムアンプのゲインを2倍、4倍または8倍とする。
【0161】
これによって、読出し動作の際における画素アンプとカラムアンプとの合計ゲインはISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600のそれぞれで1/2倍、1倍、1倍、2倍、4倍のゲインになる。
【0162】
図12は、高画質モードでの動画撮影におけるISO感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0163】
動画撮影において高画質モードであると、前述したように、読出し動作の際、同一列の3画素に係る画素アンプを接続線に接続して画素アンプに接続される容量成分をFD9の容量”C”の4倍の値4Cに増加させる。これによって、画素アンプのゲインは、画素アンプを接続線に接続しない場合に比べて1/4に低下する。
【0164】
本実施形態では、図12に示すように、ISO100、ISO200、ISO400、ISO800またはISO1600が選択された場合においてそれぞれカラムアンプのゲインを2倍、4倍、8倍、16倍または32倍にする。この結果、読出し動作の際の画素アンプとカラムアンプとの合計ゲインはISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600で1/2倍、1倍、2倍、4倍、8倍のゲインになる。
【0165】
図13は、高速モードでの動画撮影における撮影感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0166】
高速モードでの動画撮影では、前述したように、低ISO感度すなわちISO100またはISO200が選択された場合には、読出し動作の際に画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量”C”の2倍の値2Cに増加させるので、画素アンプのゲインは、容量成分が値Cである場合に比べて1/2に低下する。
【0167】
本実施形態では、図13に示すように、撮影感度がISO100またはISO200である場合には、カラムアンプのゲインを1倍または2倍とする。一方、撮影感度がISO400、ISO800またはISO1600である場合には、それぞれカラムアンプのゲインを2倍、4倍または8倍とする。この結果、読出し動作の際には、画素アンプとカラムアンプの合計ゲインがISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600のそれぞれで1/2倍、1倍、1倍、2倍、4倍のゲインになる。
【0168】
以上のように、撮影モード(静止画撮影又は動画撮影)と撮影条件(撮影感度および高画質モード又は高速モード)とに応じて、画素アンプを接続線に選択的に接続して画素アンプに接続される容量成分を変化させ、また、カラムアンプのゲインを変化させる。これによって、撮影モードに拘わらず同一のISO感度において画素アンプとカラムアンプの合計ゲインを実質同一にすることができる。
【0169】
さらに、高撮影感度での静止画撮影の場合にはゲインを低く設定すればノイズを低減することができる。
【0170】
なお、第2の実施形態では、カラムアンプのゲインを画素アンプに接続される容量成分に応じて設定するようにしたが、これに限定されない。例えば、カラムアンプゲイン以外の、撮像素子で用いられる他のゲイン、又は、AFE、画像処理部などの撮像素子外で用いられるゲインを画素アンプに接続される容量成分に応じて設定するようにしてもよい。
【0171】
上述の説明から明らかなように、接続スイッチ37a〜37lと接続線38a〜38dとがクレームに定義された本発明のスイッチ手段を構成する。また、CPU104、タイミングジェネレータ102、および垂直走査回路35が本発明の制御手段として機能する。
【0172】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0173】
1 フォトダイオード
7 画素アンプ
9 フローティングディフュージョン部
101 撮像素子
102 タイミングジェネレータ
104 CPU
20a〜20l 画素
21a〜21l 信号転送部
37a〜37l 接続スイッチ
38a〜38d 接続線
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影条件毎に撮像素子の動作条件を変更することができる、デジタルカメラなどの撮像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、CMOSセンサーなどの撮像素子を撮影条件に応じた動作条件で動作させるものがある。例えば、撮影感度の上昇に伴って撮像素子の画素アンプの増幅率を高める撮像装置がある。そのため、各画素で発生した電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部(FD)の容量を小さくしている。ところが、FDの容量を小さくすると、転送可能な電荷量が少なくなって、所謂ダイナミックレンジが狭くなってしまう。
【0003】
これに対処するため、例えば、FDに接続されたMOSトランジスタを用いてFDの容量を変化させてFDに保持される電荷量を可変とし、これによりダイナミックレンジを拡大させるようにした撮像装置が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−165754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、FDの容量が大きくなるとダイナミックレンジが大きくなるものの、ノイズが増加する。一方、FDの容量を小さくすると既述のようにダイナミックレンジが狭くなってしまう。
【0006】
特許文献1に記載の撮像装置では、ダイナミックレンジを拡大させることができるが、ノイズを低減するとともにダイナミックレンジを大きくすることは難しい。例えば、同一列の画素データを加算する際、ダイナミックレンジの拡大とノイズ低減とを両立させることが難しい。
【0007】
本発明は、撮影条件に応じたダイナミックレンジを確保することができるとともに、ノイズの低減を行うことができる撮像装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換する複数のフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを備えた撮像素子と、撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の撮像装置の制御方法は、2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影条件にかかわらずダイナミックレンジを確保するとともに、ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例を示すブロック図である。
【図2A】撮像装置の撮像素子の回路構成の一例の一部を示す図である。
【図2B】撮像素子の回路構成の残部を示す図である。
【図3A】撮像装置の操作部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3B】撮像装置の表示部に表示される動画撮影モード選択画面の一例を示す図である。
【図4】撮像装置の撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図5A】低ISO静止画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図5B】図5Aに続くタイミング図である。
【図6A】高ISO静止画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図6B】図6Aに続くタイミング図である。
【図7A】高画質モードでの動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図7B】図7Aに続くタイミング図である。
【図8A】高速モードでの低ISO動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図8B】図8Aに続くタイミング図である。
【図9A】高速モードでの高ISO動画撮影における撮像素子の動作タイミングを示すタイミング図である。
【図9B】図9Aに続くタイミング図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子における各カラムアンプの構成を示す図である。
【図11】静止画撮影におけるISO感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図12】高画質モードでの動画撮影におけるISO感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図13】高速モードでの動画撮影における撮影感度とカラムアンプのゲインとの関係を示す図である。
【図14】カラー撮像装置である撮像装置が備える原色ベイヤー配列の色フィルタの一部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、撮像装置100は、例えばデジタルカメラであり、静止画像撮影機能および動画像撮影機能を備えている。撮像装置100は、撮像装置100を統括的に制御するCPU104と、撮影レンズ(図示せず)を通過した光学像が結像する撮像素子101とを有し、撮像素子101は、これに結像された光学像を電気信号(アナログ画素信号)に変換する。
【0015】
撮像素子101から出力されたアナログ画素信号は、アナログフロントエンド(AFE)103でゲイン調整されるとともに、所定の量子化ビット数に応じてデジタル画像データに変換される。撮像装置100のタイミングジェネレータ(TG)102は、CPU104の制御下で撮像素子101およびAFE103の動作タイミングを制御する。
【0016】
RAM108は、AFE103から出力される画像データおよび画像処理部109で処理された画像データを記憶するための画像メモリであり、CPU104のワークメモリとしても用いられる。本例では、画像メモリおよびワークメモリとしてRAM108を用いるが、アクセス速度に問題ないものであれば、他のメモリを用いてもよい。
【0017】
ROM106には、CPU104上で動作するプログラムが格納される。本例では、ROM106としてフラッシュROMが用いられるが、アクセス速度に問題がないものであれば、他のメモリを用いてもよい。
【0018】
画像処理部109は、静止画像および動画像の補正、圧縮等の処理を行う。インターフェース部(I/F)110は、外部記録部113とのインターフェースである。
【0019】
外部記録部113は、I/F114、記録媒体115およびコネクタ116を有している。記録媒体115は、例えば、不揮発性メモリ又はハードディスクであり、画像データなどが記録される。そして、外部記録部113は、コネクタ116と撮像装置100に備えられたコネクタ112とを介してI/F110と接続される。符号111は、CPU104等が接続されたバスである。
【0020】
本例では、コネクタ112,116によって撮像装置100に対して着脱可能な外部記録部113に記憶媒体115を設けたが、撮像装置100に不揮発性メモリ又はハードディスク等の記録媒体を内蔵するようにしてもよい。
【0021】
操作部105は、ユーザが撮像装置100に撮影命令を与えたり、撮像条件等を設定する際に用いられる。表示部107は、CPU104の制御下で、画像データに応じた静止画像又は動画像の表示を行うとともに、メニュー等の表示を行う。
【0022】
図2A及び図2Bは、撮像素子101の回路構成の一例を示す図である。
【0023】
図2A及び図2Bにおいて、撮像素子101は有効画像領域を備え、この有効画像領域には2次元マトリックス状に複数の画素が配列されている。
【0024】
なお、カラー撮像装置の場合、光は、撮像素子101に入射する前に色フィルタを通過する。色フィルタは、例えば、原色ベイヤー配列の色フィルタである。原色ベイヤー配列の色フィルタには、図14にその一部分を示すように、R(赤)フィルタとB(青)フィルタと2つのG(緑)フィルタとを1単位とするものが撮像素子101の画素数に対応する数だけ設けられる。そして、従来公知の方法で、各画素の画素信号から、Rフィルタ、Bフィルタ及びGフィルタに対応する各色の画素信号を生成することができる。図14中、同一の記号(たとえばG11)で示すフィルタに対応する画素同士は互いに接続可能である。これにより、例えば、同一列における同色の3つの画素信号を加算することができる。以下、各色を区別せずに簡略に説明する。
【0025】
図2A及び図2Bでは、説明の便宜上、撮像素子101に2次元配置された画素のうち6行2列の画素のみが示されている。撮像素子101の有効画素領域において、第m列目の第n〜第(n+5)行目には、画素20a〜20fが配置され、第mの画素列の一部を構成している。また、第(m+1)列目の第n〜第(n+5)行目には、画素20g〜20lが配置され、第(m+1)の画素列の一部を構成している。各画素20a〜20lはフォトダイオード(PD)1および転送スイッチ2を備えている。
【0026】
第n行目の画素20aおよび20gの転送スイッチ2のゲートには垂直走査回路35から転送制御信号PTX(n)が供給され、第(n+1)行目の画素20bおよび20hの転送スイッチ2のゲートには転送制御信号PTX(n+1)が供給される。同様に、画素20cおよび20i、20dおよび20j、20eおよび20k、ならびに20fおよび20lの転送スイッチ2のゲートにはそれぞれ転送制御信号PTX(n+2)、PTX(n+3)、PTX(n+4)、およびPTX(n+5)が供給される。
【0027】
撮像素子101の有効画素領域には、画素20a〜20lにそれぞれ接続された信号転送部21a〜21lが配置されており、信号転送部21a〜21lの各々は、リセットスイッチ3、行選択スイッチ6、画素アンプ7およびフローティングディフュージョン部(FD)9を有している。フローティングディフュージョン部9は、フォトダイオード1で発生した電荷を電圧信号に変換する。
【0028】
第n行目の信号転送部21aおよび21gにおいてリセットスイッチ3のゲートには垂直走査回路35からリセット制御信号PRES(n)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには垂直走査回路35から選択制御信号PSEL(n)が供給される。第(n+1)行目の信号転送部21bおよび21hにおいてリセットスイッチ3のゲートには垂直走査回路35からリセット制御信号PRES(n+1)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには垂直走査回路35から選択制御信号PSEL(n+1)が供給される。同様に、第(n+2)〜第(n+5)行目の信号転送部21cおよび21i、21dおよび21j、21eおよび21k、ならびに21fおよび21lにおいて、リセットスイッチ3のゲートにはそれぞれリセット制御信号PRES(n+2)〜PRES(n+5)が供給され、行選択スイッチ6のゲートには選択制御信号PSEL(n+2)〜PSEL(n+5)が供給される。
【0029】
撮像素子101は、第mおよび第(m+1)の画素列のそれぞれに隣接し且つ列方向に延びる垂直出力線36aおよび36bを有している。垂直出力線36aには信号転送部21a〜21fが接続され、垂直出力線36bには信号転送部21g〜21lが接続されている。
【0030】
垂直出力線36aの一端側には定電流源22aが接続され、その他端側にはカラムアンプ(増幅手段)23aが接続されている。カラムアンプ23aは、垂直走査回路35から与えられるゲート制御信号PTS、PTNによってオン・オフ制御される転送ゲート24aおよび25aを介して、保持容量(保持メモリ)26aおよび27aに接続されている。そして、保持容量26aおよび27aは、それぞれ出力転送スイッチ28aおよび29aを介して水平出力線30aおよび31aに接続され、両スイッチは水平走査回路34aから与えられる水平制御信号PH(m)によって駆動される。
【0031】
水平出力線30aおよび31aには読出しアンプ32aが接続されている。読出しアンプ32aは、水平出力線30aおよび31aの差分出力に所定のゲインを乗じてアナログ出力信号を得、該信号をその出力端子33a(以下、撮像素子101の出力端子と称することがある)から出力する。
【0032】
垂直出力線36bの一端側にはカラムアンプ(増幅手段)23bが接続され、他端側には定電流源22bが接続されている。カラムアンプ23bは、垂直走査回路35から与えられるゲート制御信号PTS、PTNによってオン・オフ制御される転送ゲート24bおよび25bを介して、保持容量(保持メモリ)26bおよび27bに接続されている。保持容量26bおよび27bは、それぞれ出力転送スイッチ28bおよび29bを介して水平出力線30bおよび31bに接続され、両スイッチは水平走査回路34bから与えられる水平制御信号PH(m+1)によって駆動される。
【0033】
水平出力線30bおよび31bには読出しアンプ32bが接続され、読出しアンプ32bは、水平出力線30bおよび31bの差分出力に所定のゲインを乗じてアナログ出力信号を得、該信号をその出力端子33b(以下、撮像素子101の出力端子と称することがある)から出力する。
【0034】
信号転送部21a〜21cにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37a〜37cに接続され、該スイッチは共通の接続線38aに接続されている。また、信号転送部21d〜21fにおいて画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37d〜37fに接続され、該スイッチは共通の接続線38bに接続されている。
【0035】
同様に、信号転送部21g〜21iにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37g〜37iに接続され、該スイッチは共通の接続線38cに接続されている。信号転送部21j〜21lにおいて、画素アンプ7のゲート8はそれぞれ接続スイッチ37j〜37lに接続され、該スイッチは共通の接続線38dに接続されている。
【0036】
信号転送部21a〜21lにおいて、FD9は、接続スイッチ37a〜37lにより接続線38a〜38dに選択的に接続、遮断可能である。
【0037】
第n行目の接続スイッチ37aおよび37gのゲートには垂直走査回路35から与えられる接続制御信号PFD(n)が供給される。同様に、第(n+1)〜第(n+5)行目の接続スイッチ37bおよび37h、37cおよび37i、37dおよび37j、37eおよび37k、ならびに37fおよび37lのゲートには、それぞれ垂直走査回路35から与えられる接続制御信号PFD(n+1)〜PFD(n+5)が供給される。
【0038】
信号転送部21a〜21lにおいて、画素アンプ7のゲート8からこれに対応する接続スイッチ37a〜37lまでの配線距離は互いに同一となっている。また、接続スイッチ37a〜37lからこれに対応する接続線38a〜38dまでの配線距離も互いに同一となっている。
【0039】
接続スイッチ37a〜37lのいずれかを選択的にオンして、接続線38a〜38dの対応する一つに選択的に画素アンプ7のゲート8を接続すると、接続スイッチ37a〜37lのどれをオンした場合にも、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が同じだけ増加する。
【0040】
図3Aは、操作部105の構成の一例を示す図であり、図3Bは表示部107に表示される動画撮影モード選択画面の一例を示す図である。
【0041】
図3Aに示すように、操作部105は、静止画撮影スイッチ(SW)105a、動画撮影スイッチ(SW)105b、およびグラフィックユーザインタフェース(GUI)操作部105cを有している。静止画撮影SW105aが押圧されると、図示しない撮影感度選択画面が表示部107に表示される。撮影感度選択画面には、例えば、5つの選択肢「ISO100」、「ISO200」、「ISO400」、「ISO800」及び「ISO1600」が表示される。ユーザは、GUI操作部105cを操作して5つの選択肢のいずれか1つを選択することができる。動画撮影SW105bが押圧されると、図3Bに示す動画撮影モード選択画面が表示部107に表示される。図示の例では、動画撮影モード選択画面には、2つの選択肢「30fpsの高画質モード」および「60fpsの高速モード」が表示されている。ユーザはGUI操作部105cで操作して、2つの選択肢のいずれか一方を選択することができる。
【0042】
図4は、撮像装置100の撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【0043】
ユーザが図3Aに示す静止画撮影SW105aまたは動画撮影SW10bを押すと、図4の撮影動作が開始される。まず、CPU104は静止画撮影SW105aが押されたか否かを判定し、これにより静止画撮影モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。静止画撮影SW105aが押されて静止画撮影モードが選択されると(ステップS101において、YES)、CPU104は、撮影条件である撮影感度として低ISO感度(低撮影感度)が選択されたか否かを判定する(ステップS102)。
【0044】
静止画撮影SW105aの押圧に応じて表示部107に表示される撮影感度選択画面(図示略)でユーザが選択肢「ISO100」または「ISO200」を選択すると、CPU104は低ISO感度が選択されたと判定し(ステップS102において、YES)、低ISO撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS103)、そして、静止画撮影を制御する(ステップS105)。
【0045】
撮像素子101は第1〜第3の読出しモードのいずれかで動作可能であり、以下、低ISO静止画撮影(第2の読出しモード)における撮像素子101の動作タイミングを説明する。図5A及び図5Bは、低ISO静止画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。撮像素子101は、CPU104の制御下でタイミングジェネレータ102により制御される。なお、第2の読出しモードでは、接続スイッチの一部が順次オンされる。図示例において、例えば、第n行目の画素20a、20gから画素信号を読み出す際には、読出し対象の画素20a、20gに対応する接続スイッチスイッチ37a、37gのみがオンされる。
【0046】
図5A及び図5Bに示すように、時間a1〜a2(全画素リセット期間)では、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、全画素においてフォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送される。
【0047】
時刻a2において、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をネゲートする。これによって、全画素でフォトダイオード1がリセットされ、同時に電荷の蓄積を開始する。
【0048】
期間a2〜a3内のあるタイミングにおいて、撮像素子101の外部の機構(図示せず)によって撮像素子101への入射光が遮断される。時刻a2から入射光が遮断されるまでの期間(蓄積期間)において全画素のフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。なお、本例では全画素において同時に信号電荷の蓄積を開始しているが、これに限定されない。また、フォトダイオード1のリセットは行毎にタイミングを異ならせるようにしてもよい。
【0049】
時刻a3において、CPU104によって1行の読み出し期間を示すタイミング信号HDがアサートされる。続いて、時刻a4において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送(列転送)が開始される。すなわち、時刻a4では垂直走査回路35は選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、信号転送部21aおよび21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0050】
時刻a4では、垂直走査回路35は接続制御信号PFD(n)をアクティブとする。これによって、接続スイッチ37aおよび37gがオンされる。信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38a又は38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が例えば値”2C”に増加する。ここで、”C”はFD9の容量を表す。
【0051】
時刻a5において、垂直走査回路35はリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々においてリセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化される。この結果、垂直出力線36aおよび36bの各々にはリセット直後の信号レベル(所謂ダークレベル)の信号が出力される。
【0052】
時刻a6において、垂直走査回路35はリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻a7でゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、カラムアンプ23aおよび23bを介してそれぞれ保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0053】
時刻a8において、垂直走査回路35はゲート制御信号PTNをネゲートする。その後、時刻a9において、垂直走査回路35は転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、各画素のフォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0054】
垂直走査回路35は、時刻a10において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻a11においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、カラムアンプ23aおよび23bを介して信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻a12において、垂直走査回路35はゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0055】
時刻a12までの動作によって、保持容量26aおよび26bには画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bには画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0056】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻a13で、垂直走査回路35は選択制御信号PSEL(n)および接続制御信号PFD(n)をネゲートする。
【0057】
次に、時間a14〜a15において、水平走査回路34aおよび34bはそれぞれ水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0058】
読出しアンプ32aには画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルが入力され、読出しアンプ32aはその差分に所定ゲインを乗じて出力信号を得、該信号を出力端子33aから出力する。同様に、読出しアンプ32bには画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、読出しアンプ32bはその差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号を出力端子33bから出力する。時刻a15において画素信号の出力が終了し、時刻a16から次行の画素の読出しが開始される。
【0059】
時間a16〜a17において、選択制御信号PSEL(n+1)、接続制御信号PFD(n+1)、リセット制御信号PRES(n+1)、転送制御信号PTX(n+1)、ゲート制御信号PTNおよびPTS、そして、水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)が、時間a3〜a16における第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+1)行目の画素20bおよび20hから画素信号が出力される。
【0060】
同様に、時間a17〜a18、a18〜a19、a19〜a20、及びa20〜a21において、それぞれ第(n+2)〜第(n+5)行目の画素から画素信号が読み出される。
【0061】
このようにして、撮像素子101の全行について読み出し動作を行うことよって、撮像素子101の全画素からアナログ画素信号が出力される。前述のように、撮像素子101から出力されたアナログ画素信号はAFE103において画像データに変換され、画像データは画像処理部109に入力される。画像処理部109において画像データに対して所定の処理が行われ、その結果得た静止画像データは記録媒体115に記録され、低ISO静止画撮影が終了する。
【0062】
再び図4を参照すると、ステップS105で静止画撮影の制御を行った後、CPU104は撮影が終了したか否かを判定する(ステップS112)。そして、撮影が終了していないと判定すると(ステップS112において、NO)、フローはステップS101に戻る。一方、撮影が終了したと判定すると(ステップS112において、YES)、撮像装置100は撮影動作を終了する。
【0063】
次に、高ISO静止画撮影について説明する。
【0064】
静止画撮影SW105aの押圧に応じて表示部107に表示される撮影感度選択画面(図示略)でユーザがISO400、ISO800またはISO1600を選択すると、CPU104は低ISO感度ではなく高ISO感度(高撮影感度)が選択されたと判定し(ステップS102において、NO)、高ISO撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行う(ステップS104)。その後、ステップS105において、CPU104は静止画撮影を制御する。
【0065】
図6A及び図6Bは、高ISO静止画撮影(第1の読出しモード)における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。第1の読出しモードにおける動作タイミングは、図5A及び図5Bに示す第2の読出しモードにおけるものと基本的には同一であり、簡略に説明する。
【0066】
図6A及び図6Bを参照すると、全画素リセット期間b1〜b2において、転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)がアクティブにされ、これによって、全画素においてフォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送される。
【0067】
続いて、時刻b2において、転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+5)をネゲートする。これによって、全画素でフォトダイオード1がリセットされ、同時に電荷の蓄積を開始する。
【0068】
時間b2から撮像素子101への入射光が遮断されるまでの蓄積期間において全画素のフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0069】
時刻b3においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻b4において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻b4では選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、信号転送部21aおよび21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0070】
この際、接続制御信号PFD(n)はネゲートされたままである。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8には接続線38a又は38cが接続されず、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分はFD9の容量”C”に等しいままである。
【0071】
時刻b5において、リセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々においてリセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化される。この結果、垂直出力線36aおよび36bの各々にはリセット直後の信号レベル(ダークレベル)の信号が出力される。
【0072】
時刻b6において、リセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻b7でゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0073】
時刻b8においてゲート制御信号PTNをネゲートし時刻b9において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、各画素のフォトダイオード1に蓄積されている信号電荷がソース・フォロアのゲート8に転送され、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0074】
時刻b10において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻b11においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻b12において、ゲート制御信号PTSをネゲートする。
【0075】
時刻b12までの動作によって、保持容量26aおよび26bには画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bには画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0076】
時刻b13で選択制御信号PSEL(n)をネゲートし、接続制御信号PFD(n)をネゲートしたままにする。
【0077】
時間b14〜b15において、水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0078】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻b15において画素信号の出力が終了し、時刻b16から次行の画素の読出しが開始される。
【0079】
時間b16〜b17において、制御信号PSEL(n+1)、PFD(n+1)、PRES(n+1)、PTX(n+1)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しと同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+1)行目の画素20bおよび20hから画素信号が出力される。
【0080】
同様に、時間b17〜b18、b18〜b19、b19〜b20、及びb20〜b21において、それぞれ第(n+2)〜第(n+5)行目の画素から画素信号が読み出される。
【0081】
このようにして、撮像素子101の全画素から画素信号が出力され、画素信号から得た静止画像データが記録媒体115に記録されて、高ISO静止画撮影が終了する。
【0082】
次に、動画撮影モードが選択された場合について説明する。
【0083】
図3Aに示す静止画撮影SW105aまたは動画撮影SW105bの押圧に応じて開始される図4の撮影動作では、既述のように、CPU104は静止画撮影SW105aが押されて静止画撮影モードが選択されたか否かをステップS101で判定する。ステップS101の判別結果がNOであると、CPU104は、動画撮影SW105bが押圧されて動画撮影モードが選択された判定し、フローはステップS106に進む。
【0084】
動画撮影SW105bを押し下げた際には図3Bに示す動画撮影モード選択画面が表示部107に表示され、ユーザは図3Aに示すGUI操作部105cを操作して、モード選択画面に表示される選択肢「高画質モード」または「高速モード」のいずれかを選択する。
【0085】
ステップS106では、CPU104は高画質モード(Full HDモード)が選択されたか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106での判別結果がYESであれば、CPU104は、高画質モードでの動画撮影用の設定(後述)を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS107)、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0086】
図7A及び図7Bは、高画質モードでの動画撮影における撮像素子101の動作タイミング(第3の読出しモード)を示す図である。第3の読出しモードにおける動作タイミングは、図6A及び図6B及び図5A、図5Bに示す第1及び第2の読出しモードにおけるものと基本的には同一であり、簡略に説明する。
【0087】
図7A及び図7Bに示すように、時間c1〜c2において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をアクティブとする。これによって、第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0088】
次に、時間c3〜c4において、転送制御信号PTX(n+3)〜PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+3)〜第(n+5)行目の画素20d〜20fおよび20j〜20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0089】
このように、高画質モードでの動画撮影の場合には、3行単位で所定の時間間隔でフォトダイオード1のリセットが順次行われ、フォトダイオード1がリセットされてから画素信号の読出しまでの期間(蓄積期間)においてフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0090】
時刻c5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻c6において第n行〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iについて垂直転送が開始される。つまり、時刻c6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の信号転送部21a、21gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0091】
時刻c6では、接続制御信号PFD(n)〜PFD(n+2)をアクティブとする。これによって、信号転送部21a〜21cの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38aが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が、例えば、FD9の容量”C”の4倍の値4Cに増加する。
【0092】
同様に、信号転送部21g〜21iの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が例えば値”4C”に増加する。
【0093】
時刻c7において、リセット制御信号PRES(n)〜PRES(n+2)をアクティブとする。これによって、信号転送部21a〜21cおよび21g〜21iの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、接続線38a又は38cと、3つのFD9からなる1組のFDとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0094】
時刻c8においてリセット制御信号PRES(n)〜PRES(n+2)をネゲートし、時刻c9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0095】
時刻c10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻c11において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をアクティブにして、画素20a〜20cおよび20g〜20iの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0096】
各ソース・フォロアへの電荷転送では加算読出しが行われる。すなわち、第m列目の画素20a〜20cの各々のフォトダイオード1に蓄積された信号電荷が加算され、加算した信号がソース・フォロアへ転送される。同様に、第(m+1)列目の画素20g〜20iの各々のフォトダイオード1に蓄積された信号電荷が加算され、加算した信号がソース・フォロアへ転送される。
【0097】
時刻c12において転送制御信号PTX(n)〜PTX(n+2)をネゲートし、時刻c13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻c14においてゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0098】
時刻c14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20a〜20cおよび20g〜20iから加算読出しされた信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20a〜20cおよび20g〜20iにおけるダークレベルが保持される。
【0099】
画素20a〜20cおよび20g〜20iからの垂直転送終了後の時刻c15において選択制御信号PSEL(n)と接続制御信号PFD(n)〜PFD(n+2)とをネゲートする。
【0100】
次に、時間c16〜c17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0101】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20a〜20cにおけるダークレベルおよび加算後の信号レベルまたは画素20g〜20iにおけるダークレベルと加算後の信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻c17において画素信号の出力が終了し、時刻c18から次の3行の画素の読出しが開始される。
【0102】
時間c18〜c19において、制御信号PSEL(n+3)、PFD(n+3)〜PFD(n+5)、PRES(n+3)〜PRES(n+5)、PTX(n+3)〜PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行〜第(n+2)行目の画素からの画素信号の読出しと同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+3)行〜第(n+5)行目の画素20d〜20fおよび20j〜20lから画素信号が出力される。
【0103】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の3分の1の画素から画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高画質モードにおける動画撮影が終了する。
【0104】
図4の撮影動作において、図3Bに示す動画撮影モード選択画面で選択肢「高速モード」が選択された場合、CPU104は、高画質モードでなく高速モードが選択されたと判定し(ステップS106において、NO)、続いて、撮影感度として低ISO感度が選択されたか否かを判定する(ステップS108)。
【0105】
低ISO感度が選択されたと判定すると(ステップS108において、YES)、CPU104は、低ISO撮影用の設定を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行い(ステップS109)、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0106】
図8A及び図8Bは、高速モードでの低ISO動画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。図8A及び図8Bに示す動作タイミングは、図7A及び図7Bに示すものと基本的には同一である。
【0107】
図8A及び図8Bに示すように、時間d1〜d2において転送制御信号PTX(n)をアクティブとする。これによって、第n行目の画素20aおよび20gの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0108】
次に、時間d3〜d4において転送制御信号PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送され、フォトダイオード1はリセットされる。
【0109】
このように、高速モードでの動画撮影の場合には、5行間隔かつ所定の時間間隔でフォトダイオード1のリセットが順次行われ、フォトダイオード1がリセットされてから画素信号の読出しまでの蓄積期間においてフォトダイオード1に信号電荷が蓄積される。
【0110】
時刻d5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻d6において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻d6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の画素20a、20gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0111】
時刻d6では接続制御信号PFD(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8に接続線38a又は38cが接続され、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分が、例えば、FD9の容量”C”の2倍の値2Cに増加する。
【0112】
時刻d7においてリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0113】
時刻d8においてリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻d9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして、保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0114】
時刻d10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻d11において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして、画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0115】
時刻d12において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻d13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして、信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻d14においてゲート制御信号PTSをネゲートして転送動作を完了する。
【0116】
時刻d14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0117】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻d15において選択制御信号PSEL(n)および接続制御信号PFD(n)をネゲートする。次に、時間d16〜d17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0118】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻d17において画素信号の出力が終了し、時刻d18から次行の画素の読出しが開始される。
【0119】
時間d18〜d19において、制御信号PSEL(n+5)、PFD(n+5)、PRES(n+5)、PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そしてPH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lから画素信号が出力される。
【0120】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の5分の1の画素から画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高速モードでの低ISO動画撮影が終了する。
【0121】
図4の撮影動作において、表示部107に表示される図示しない撮影感度選択画面上でユーザが高ISO感度を選択すると、CPU104は、低ISO感度でなく高ISO感度が選択されたと判定し(ステップS108において、NO)、高速モードでの高ISO撮影用の設定を撮像素子101又はタイミングジェネレータ102に対して行う(ステップS110)。その後、CPU104は、動画撮影を制御する(ステップS111)。
【0122】
図9A及び図9Bは、高速モードでの高ISO動画撮影における撮像素子101の動作タイミングを示す図である。図9A及び図9Bに示す動作タイミングは、図8A及び図8Bに示すものと基本的には同一である。
【0123】
図9A及び図9Bに示すように、時間e1〜e2において転送制御信号PTX(n)をアクティブとする。これによって、第n行目の画素20aおよび20gの各々において、フォトダイオード1に蓄積された電荷は転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0124】
次に、時間e3〜e4において転送制御信号PTX(n+5)をアクティブとする。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lの各々において、フォトダイオード1の電荷が転送スイッチ2を介して画素アンプ7のゲート8に転送されて、フォトダイオード1はリセットされる。
【0125】
時刻e5においてタイミング信号HDがアサートされ、時刻e6において第n行目の画素20aおよび20gについて垂直転送が開始される。つまり、時刻e6において選択制御信号PSEL(n)をアクティブとして、第n行目の画素20a、20gの行選択スイッチ6をオンする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7と電流源22aおよび22bとによって構成されるソース・フォロア回路が動作状態となる。
【0126】
この際、接続制御信号PFD(n)はネゲートされたままである。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、画素アンプ7のゲート8には接続線38a又は38cが接続されず、画素アンプ7のゲート8に接続される容量成分はFD9の容量”C”に等しいままである。
【0127】
時刻e7においてリセット制御信号PRES(n)をアクティブとする。これによって、信号転送部21aおよび21gの各々において、リセットスイッチ3がオンされて、FD9と接続線38a又は38cとによって規定される容量が初期化され、垂直出力線36aおよび36bの各々にはダークレベルの信号が出力される。
【0128】
時刻e8においてリセット制御信号PRES(n)をネゲートし、時刻e9においてゲート制御信号PTNをアクティブとする。これによって、転送ゲート25aおよび25bがオンして保持容量27aおよび27bにダークレベルが保持される。
【0129】
時刻e10においてゲート制御信号PTNをネゲートし、時刻e11において転送制御信号PTX(n)をアクティブにして画素20aおよび20gの転送スイッチ2をオンする。そして、フォトダイオード1に蓄積されている信号電荷が画素アンプ7で構成されるソース・フォロアのゲート8に転送される。この際、ソース・フォロアは転送された信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動して信号レベルが確定する。
【0130】
時刻e12において転送制御信号PTX(n)をネゲートし、時刻e13においてゲート制御信号PTSをアクティブとする。これによって、転送ゲート24aおよび24bがオンして信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。時刻e14においてゲート制御信号PTSをネゲートする。
【0131】
時刻e14までの動作によって、保持容量26aおよび26bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおける信号レベルが保持され、保持容量27aおよび27bにはそれぞれ画素20aおよび20gにおけるダークレベルが保持される。
【0132】
画素20aおよび20gからの垂直転送終了後の時刻e15において選択制御信号PSEL(n)をネゲートする。次に、時間e16〜e17において水平制御信号PH(m)およびPH(m+1)をアクティブとする。これによって、保持容量26aおよび26bと保持容量27aおよび27bとがそれぞれ水平出力線30aおよび30bと水平出力線31aおよび31bとに接続される。
【0133】
読出しアンプ32a、32bの各々には画素20aにおけるダークレベルおよび信号レベルまたは画素20gにおけるダークレベルと信号レベルが入力され、その差分に所定ゲインを乗じて得た出力信号が出力される。時刻e17において画素信号の出力が終了し、時刻e18から次行の画素の読出しが開始される。
【0134】
時間e18〜e19において、制御信号PSEL(n+5)、PFD(n+5)、PRES(n+5)、PTX(n+5)、PTNおよびPTS、そして、PH(m)およびPH(m+1)が、第n行目の画素20a、20gからの画素信号の読出しの場合と同様のタイミングで順次与えられる。これによって、第(n+5)行目の画素20fおよび20lから画素信号が出力される。
【0135】
このようにして、撮像素子101について読み出し動作を行うと、撮像素子101の全画素の5分の1の画素について画素信号が出力される。そして、画素信号から得た動画像データが記録媒体115に記録され、高速モードでの高ISO動画撮影が終了する。
【0136】
上述した第1の実施形態では、低ISO静止画撮影の際、画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしたので、ダイナミックレンジを確保することができる。一方、高ISO静止画撮影の際には、画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量に等しいままとして画素アンプ7のゲインを高くするようにしたので、撮像素子101の後段におけるゲインを小さくすることができる結果、ノイズを低減することができる。
【0137】
また、高画質モードでの動画撮影の際に、同一列に配された複数組の画素からの画素信号を各組の画素ごとに加算し、これにより画質を向上させることができる。さらに、高速モードでは読出し対象画素数を少なくした間引き読出しを行うようにしたので、フレームレートを高くすることができる。加えて、低ISO撮影の場合には、画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしたので、ダイナミックレンジを確保することができる。一方、高ISO撮影の場合には、画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量のままとして、画素アンプ7のゲインを高くするようにしたので、撮像素子101の後段におけるゲインを小さくすることができ、ノイズを低減することができる。
【0138】
第1の実施形態では、撮影感度に応じて画素アンプ7のゲートを接続線に順次接続するようにしたが、これに限定されない。例えば、ライブビュー等で測定した被写体の輝度が高いか否かを図4に対応するフローチャートで判定し、被写体が高輝度の場合には接続線に画素アンプ7のゲートを接続して画素アンプ7に接続される容量成分を増加させるようにしてもよい。そして、被写体が低輝度の場合には、画素アンプのゲートを接続線に接続することなく画素アンプに接続される容量成分をFDの容量のままとしてノイズの影響を低減するようにしてもよい。
【0139】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態による撮像装置の一例について説明する。なお、本実施形態による撮像装置の構成は、図2A及び図2Bに示すカラムアンプ23aおよび23bに対応するカラムアンプ(増幅手段)を除き、図1に示す撮像装置100と同様である。
【0140】
図10は、本実施形態の撮像素子101における各カラムアンプの構成を示す図である。
【0141】
図10のカラムアンプはゲイン可変であり、後述するようにしてゲインの変更が行われる。カラムアンプは、撮像素子101の画素から順次出力された画素信号をクランプする入力容量303を含み、入力容量303は差動アンプ301の反転入力端子(−)に接続されている。この差動アンプ301の非反転入力端子(+)には参照電圧302が与えられる。
【0142】
カラムアンプは、第1〜第6のフィードバック容量304〜309と該フィードバック容量304〜309のそれぞれに直列に接続された第1〜第6のモード選択スイッチ310〜315とからなる第1〜第6のカラムアンプ素子を含む。第1〜第6のカラムアンプ素子は互いに並列に接続されている。フィードバック容量304〜309のそれぞれの一端は差動アンプ301の反転入力端子に接続され、モード選択スイッチ310〜315のそれぞれの一端は差動アンプ301の出力端子に接続されている。
【0143】
さらに、カラムアンプはリセットスイッチ316を含み、リセットスイッチ316は第1〜第6のカラムアンプ素子と並列に接続されている。リセットスイッチ316がオンされると、差動アンプ301がリセットされる。
【0144】
差動アンプ301のゲインは、モード選択スイッチ310〜315のいずれがオンしているかに応じて変化する。差動アンプ301のゲインは、入力容量303の容量値をオンしたモード選択スイッチの容量値で除して得た値で表される。
【0145】
本実施形態では、フィードバック容量304〜309は、入力容量303の容量値の1倍、1/2倍、1/4倍、1/8倍、1/16倍および1/32倍の容量値をそれぞれ有している。すなわち、モード選択スイッチ310〜315のいずれか一つをオンすることにより、差動アンプ301のゲイン(すなわちカラムアンプのゲイン)として1倍、2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインを選択することができ、選択したゲインで入力画素信号を増幅することができる。
【0146】
次に、本実施形態による撮像装置の撮影動作について説明する。撮像装置の撮影動作は、カラムアンプ(以下、カラムアンプ23aおよび23bという)の動作を除き、第1の実施形態のものと同一である。以下、カラムアンプ23a、23bの動作を主に説明する。
【0147】
低ISO静止画撮影の際、撮像装置の撮像素子101は図5A及び図5Bに示す動作タイミングで動作する。図5A及び図5B中、時間a4〜a5で、撮像素子101の垂直走査回路35はタイミングジェネレータ102の制御下でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。
【0148】
時間a5〜a12における電荷転送の際、垂直走査回路35は、ユーザが選択したISO感度に応じてモード選択スイッチ310または311をオンにする。ISO100が選択された場合には、モード選択スイッチ310がオンされて差動アンプ301のゲインが1倍とされる。ISO200が選択された場合には、モード選択スイッチ311がオンされてアンプ301のゲインが2倍とされる。
【0149】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻a12までの動作によって、第n行目の画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルが保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間a14〜a15で、撮像素子101の出力端子33a、33bから1倍又は2倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0150】
高ISO静止画撮影の際、撮像素子101は図6A及び図6Bに示す動作タイミングで動作する。図6A及び図6B中、時間b4〜b5でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間b5〜b12における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度に応じてモード選択スイッチ311、312または313がオンされる。ISO400が選択された場合には、モード選択スイッチ311がオンされて差動アンプ301のゲインが2倍とされ、ISO800が選択された場合には、モード選択スイッチ312がオンされてアンプ301のゲインが4倍にされ、ISO1600が選択された場合にはモード選択スイッチ313がオンされてアンプ301のゲインが8倍とされる。
【0151】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻b12までの動作によって、第n行目の画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルが保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間b14〜b15で、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍または8倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0152】
高画質モードでの動画撮影の際、撮像素子101は図7A及び図7Bに示す動作タイミングで動作する。図7A及び図7B中、時間c6〜c7で、カラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316をオンにする。これによって、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間c7〜c14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度に応じて第2〜第6のモード選択スイッチ311〜315のいずれかがオンされる。ISO100、ISO200、ISO400、ISO800、およびISO1600のいずれかが選択された場合には、モード選択スイッチ312〜315の対応する一つがオンされて差動アンプ301のゲインとして2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが選択される。
【0153】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻c12までの動作によって、第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cの信号を加算して得た信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aに保持される。また、第n〜第(n+2)行目の画素20g〜20iの信号を加算した信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26bに保持される。第n〜第(n+2)行目の画素20a〜20cおよび20g〜20iのダークレベルに2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。
【0154】
その後、時間c16〜c17で、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍、8倍、16倍または32倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0155】
高速モードでの低ISO動画撮影の際、撮像素子101は図8A及び図8Bに示す動作タイミングで動作する。図8A及び図8B中、時間d6〜d7でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316がオンされ、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間d7〜d14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度がISO100であるかISO200であるかに応じて、モード選択スイッチ310または311がオンされて差動アンプ301のゲインとして1倍または2倍のゲインが選択される。
【0156】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻d12までの動作によって、画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルが保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに1倍又は2倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間d16〜d17で、撮像素子101の出力端子33a、33bから1倍又は2倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0157】
高速モードでの高ISO動画撮影の際、撮像素子101は図9A及び図9Bに示す動作タイミングで動作する。図9A及び図9B中、時間e6〜e7でカラムアンプ23a、23bのリセットスイッチ316がオンされ、カラムアンプ23aおよび23bがリセットされる。時間e7〜e14における電荷転送の際、ユーザが選択したISO感度がISO400、ISO800およびISO1600のいずれであるかに応じて、モード選択スイッチ311、312または313がオンされて差動アンプ301のゲインとしてゲインが2倍、4倍または8倍のゲインが選択される。
【0158】
このゲイン選択状態での撮像素子101の時刻e12までの動作によって、画素20aおよび20gの信号レベルに選択されたISO感度に応じて2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後の信号レベルがそれぞれ保持容量26aおよび26bに保持される。また、画素20aおよび20gのダークレベルに2倍、4倍または8倍のゲインが乗算され、ゲイン乗算後のダークレベルがそれぞれ保持容量27aおよび27bに保持される。その後、時間e16〜e17、撮像素子101の出力端子33a、33bから2倍、4倍または8倍のゲインが乗算された出力信号が出力される。他の行も同様である。
【0159】
図11は、静止画撮影におけるISO感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0160】
前述したように、静止画撮影において低ISO感度すなわちISO100またはISO200が選択された場合には、読出し動作の際に画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量Cの2倍の値2Cに増加させるので、画素アンプ7のゲインは、画素アンプ7に接続される容量成分がFD9の容量Cである場合に比べて1/2に低下する。本実施形態では、図11に示すように、選択された撮影感度がISO100またはISO200である場合には、カラムアンプのゲインを1倍または2倍とする。一方、撮影感度がISO400、ISO800またはISO1600である場合には、カラムアンプのゲインを2倍、4倍または8倍とする。
【0161】
これによって、読出し動作の際における画素アンプとカラムアンプとの合計ゲインはISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600のそれぞれで1/2倍、1倍、1倍、2倍、4倍のゲインになる。
【0162】
図12は、高画質モードでの動画撮影におけるISO感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0163】
動画撮影において高画質モードであると、前述したように、読出し動作の際、同一列の3画素に係る画素アンプを接続線に接続して画素アンプに接続される容量成分をFD9の容量”C”の4倍の値4Cに増加させる。これによって、画素アンプのゲインは、画素アンプを接続線に接続しない場合に比べて1/4に低下する。
【0164】
本実施形態では、図12に示すように、ISO100、ISO200、ISO400、ISO800またはISO1600が選択された場合においてそれぞれカラムアンプのゲインを2倍、4倍、8倍、16倍または32倍にする。この結果、読出し動作の際の画素アンプとカラムアンプとの合計ゲインはISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600で1/2倍、1倍、2倍、4倍、8倍のゲインになる。
【0165】
図13は、高速モードでの動画撮影における撮影感度とカラムアンプ23aおよび23bの各々のゲインとの関係を示す図である。
【0166】
高速モードでの動画撮影では、前述したように、低ISO感度すなわちISO100またはISO200が選択された場合には、読出し動作の際に画素アンプ7に接続される容量成分をFD9の容量”C”の2倍の値2Cに増加させるので、画素アンプのゲインは、容量成分が値Cである場合に比べて1/2に低下する。
【0167】
本実施形態では、図13に示すように、撮影感度がISO100またはISO200である場合には、カラムアンプのゲインを1倍または2倍とする。一方、撮影感度がISO400、ISO800またはISO1600である場合には、それぞれカラムアンプのゲインを2倍、4倍または8倍とする。この結果、読出し動作の際には、画素アンプとカラムアンプの合計ゲインがISO100、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600のそれぞれで1/2倍、1倍、1倍、2倍、4倍のゲインになる。
【0168】
以上のように、撮影モード(静止画撮影又は動画撮影)と撮影条件(撮影感度および高画質モード又は高速モード)とに応じて、画素アンプを接続線に選択的に接続して画素アンプに接続される容量成分を変化させ、また、カラムアンプのゲインを変化させる。これによって、撮影モードに拘わらず同一のISO感度において画素アンプとカラムアンプの合計ゲインを実質同一にすることができる。
【0169】
さらに、高撮影感度での静止画撮影の場合にはゲインを低く設定すればノイズを低減することができる。
【0170】
なお、第2の実施形態では、カラムアンプのゲインを画素アンプに接続される容量成分に応じて設定するようにしたが、これに限定されない。例えば、カラムアンプゲイン以外の、撮像素子で用いられる他のゲイン、又は、AFE、画像処理部などの撮像素子外で用いられるゲインを画素アンプに接続される容量成分に応じて設定するようにしてもよい。
【0171】
上述の説明から明らかなように、接続スイッチ37a〜37lと接続線38a〜38dとがクレームに定義された本発明のスイッチ手段を構成する。また、CPU104、タイミングジェネレータ102、および垂直走査回路35が本発明の制御手段として機能する。
【0172】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0173】
1 フォトダイオード
7 画素アンプ
9 フローティングディフュージョン部
101 撮像素子
102 タイミングジェネレータ
104 CPU
20a〜20l 画素
21a〜21l 信号転送部
37a〜37l 接続スイッチ
38a〜38d 接続線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換する複数のフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを備えた撮像素子と、
撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数のフローティングディフュージョン部は、同一列に配された複数組のフローティングディフュージョン部を有し、
前記スイッチ手段は、前記複数の画素にそれぞれ対応して配された複数の接続スイッチを有し、
前記スイッチ手段の前記接続線は、前記複数組のフローティングディフュージョン部がそれぞれ接続、遮断可能な複数の共通の接続線を有し、
各組のフローティングディフュージョン部を構成するフローティングディフュージョン部は、これに対応する接続スイッチがオンされた際、前記複数の共通の接続線のうちの対応する一つに接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の接続スイッチの全てをオフにする第1の読出しモードまたは前記複数の接続スイッチの一部を順次オンにする第2の読出しモードで動作可能であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2の読出しモードでは、前記制御手段は、前記複数の接続スイッチのうちの、読出し対象となる画素に対応するものを順次オンすることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記撮影条件が低撮影感度である場合に前記第1の読出しモードで動作し、前記撮影条件が高撮影感度である場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記撮影条件が低輝度である場合に前記第1の読出しモードで動作し、前記撮影条件が高輝度である場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記撮影条件が静止画撮影モードである場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記複数の画素は、同一列に配された複数組の画素を含み、
前記制御手段は、前記接続スイッチの全てをオンにする第3の読出しモードで動作可能であり、
前記制御手段は、各組の画素について間引き読出しを行う場合に前記第1の読出しモード又は前記第2の読出しモードで動作し、
前記制御手段は、各組の画素について加算読出しを行う場合には前記第3の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、動画撮影の際、フレームレートに応じて前記第1の読出しモード又は前記第2の読出しモードと前記第3の読出しモードとを切り替えることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記撮像素子は、前記複数の画素の各々で発生した電荷から変換された電圧信号を増幅するゲイン可変の増幅手段を有し、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1または第2の読出しモードのいずれで動作するかに応じて前記増幅手段のゲインを変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮影条件は、撮影感度と、静止画撮影又は動画撮影を示す撮影モードの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御するステップを備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項1】
2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換する複数のフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを備えた撮像素子と、
撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数のフローティングディフュージョン部は、同一列に配された複数組のフローティングディフュージョン部を有し、
前記スイッチ手段は、前記複数の画素にそれぞれ対応して配された複数の接続スイッチを有し、
前記スイッチ手段の前記接続線は、前記複数組のフローティングディフュージョン部がそれぞれ接続、遮断可能な複数の共通の接続線を有し、
各組のフローティングディフュージョン部を構成するフローティングディフュージョン部は、これに対応する接続スイッチがオンされた際、前記複数の共通の接続線のうちの対応する一つに接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の接続スイッチの全てをオフにする第1の読出しモードまたは前記複数の接続スイッチの一部を順次オンにする第2の読出しモードで動作可能であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2の読出しモードでは、前記制御手段は、前記複数の接続スイッチのうちの、読出し対象となる画素に対応するものを順次オンすることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記撮影条件が低撮影感度である場合に前記第1の読出しモードで動作し、前記撮影条件が高撮影感度である場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記撮影条件が低輝度である場合に前記第1の読出しモードで動作し、前記撮影条件が高輝度である場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記撮影条件が静止画撮影モードである場合に前記第2の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記複数の画素は、同一列に配された複数組の画素を含み、
前記制御手段は、前記接続スイッチの全てをオンにする第3の読出しモードで動作可能であり、
前記制御手段は、各組の画素について間引き読出しを行う場合に前記第1の読出しモード又は前記第2の読出しモードで動作し、
前記制御手段は、各組の画素について加算読出しを行う場合には前記第3の読出しモードで動作することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、動画撮影の際、フレームレートに応じて前記第1の読出しモード又は前記第2の読出しモードと前記第3の読出しモードとを切り替えることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記撮像素子は、前記複数の画素の各々で発生した電荷から変換された電圧信号を増幅するゲイン可変の増幅手段を有し、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1または第2の読出しモードのいずれで動作するかに応じて前記増幅手段のゲインを変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮影条件は、撮影感度と、静止画撮影又は動画撮影を示す撮影モードの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
2次元配置された複数の画素と、前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の画素のそれぞれで発生した電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、前記複数のフローティングディフュージョン部の対応する1つ以上が選択的に接続、遮断可能な接続線を有するスイッチ手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
撮影条件に応じて前記複数のフローティングディフュージョン部の少なくとも一部が前記接続線に順次接続され或いは前記複数のフローティングディフュージョン部の全てが前記接続線に接続されないように前記スイッチ手段を制御するステップを備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−42479(P2013−42479A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120584(P2012−120584)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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