説明

撮像素子

【課題】 撮像素子のPDを有する基板に近い層においてPDの周辺回路の遮光を行なう。
【解決手段】 基板に埋込みPD21、第1、第3〜第5のn型半導体領域32a、32c、32d、32eを設ける。PD21と第1のn型半導体領域32aの間に転送ゲート31Tを設ける。第3、第4のn型半導体領域32c、32dの間に増幅ゲート31Aを設ける。第4、第5のn型半導体領域32d、32eの間に行転送ゲートを設ける。電導板33aを用いて第1のn型半導体領域32aと増幅ゲート31Aを接続する。電導板33aによって第1のn型半導体領域32aを覆う。第5のn型半導体領域32eと垂直読出し線16と接続する。垂直読出し線16を用いて第4、第5のn型半導体領域32d、32eを覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子周辺の回路を半導体基板上の配線によって遮光する撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来公知のXYアドレス方式の固体撮像素子として、例えばCMOS/LSI製造プロセスを流用したCMOS固体撮像素子が知られている。CMOS固体撮像素子の撮像面には、p型、またはn型半導体層に逆導電型の半導体層を接合させることにより、フォトダイオード(PD)やMOSトランジスタが形成される。
【0003】
図10に示すように、撮像面を形成する半導体基板30’の上には、画素の回路を構成するための配線が、複数の層L1’、L2’、…になって形成される。配線が設けられる最上位の層の上に遮光膜SLが設けられる。遮光膜SLのさらに上にマイクロレンズ41が設けられる。
【0004】
遮光膜SLを設けることにより、MOSトランジスタ36などのPD21’の周辺回路への光の入射が防止される。なお、マイクロレンズ41により集光された光Bは遮光膜SLの開口部SLOを通過して、PD21’に入射する。
【0005】
ところで、遮光膜SLとPD21’との間隔が大きくなるほど、遮光膜SLの開口部SLOを通過可能な光の範囲が小さくなる、すなわちマイクロレンズ41の辺部周辺に入射する光B’がPD21’において受光できないことが問題であった。
【0006】
そこで、画素の回路を構成するための配線を遮光膜として用いて、PD21’の周辺回路への光の入射を防止することが提案されている(特許文献1)。
【0007】
しかし、撮像素子に入射される光を十分にPD21’に到達させるためには、PD21’にさらに近い層において遮光することが望まれていた。
【特許文献1】特許第3472102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明では、PDを有する基板に近い層においてPDの周辺回路の遮光を行なう撮像素子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像素子は、受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、光電変換素子において発生した電荷を受取り受取った電荷に応じて電位が変わるキャパシタと、キャパシタの電荷をリセットするリセットトランジスタと、キャパシタの電位に基づいて画像信号を出力する増幅トランジスタと、キャパシタと増幅トランジスタとを接続し光電変換手段に光が入射する入射方向からリセットトランジスタの主電極を覆う第1の電導部材と、画像信号を受取り入射方向から増幅トランジスタの主電極を覆う第2の電導部材とを備えることを特徴としている。このような構成により、光電変換素子の周辺回路の遮光を周辺回路に最も近くに配置される配線を用いて行うことが可能となる。
【0010】
また、キャパシタがMISキャパシタであり、第1の電導部材が入射方向から前記キャパシタを覆うことが好ましい。
【0011】
また、第1の電導部材によって覆われるリセットトランジスタの主電極は、キャパシタに接続される主電極であることが好ましい。また、第2の電導部材によって覆われる増幅トランジスタの主電極は、増幅トランジスタの出力側の主電極であることが好ましい。
【0012】
また、光電変換手段からキャパシタへの電荷の転送のON・OFFの切替を行う転送トランジスタを備え、キャパシタに接続される転送トランジスタの主電極が第1の電導部材によって覆われることが好ましい。
【0013】
また、増幅トランジスタから第2の電導手段への画像信号の出力のON・OFFの切替を行う選択トランジスタを備え、第2の電導部材が選択トランジスタの主電極を覆うことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、PDに近い層において周辺回路の遮光を行なうことが可能となり、撮像素子に入射する光を十分にPDに到達させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用したCMOS固体撮像素子の全体構成を模式的に示す構成図である。
【0016】
CMOS固体撮像素子10は、撮像部11、垂直シフトレジスタ12、相関二重サンプリング/サンプルホールド(CDS/SH)回路13、水平シフトレジスタ14、水平読出し線15によって構成される。撮像部11と垂直シフトレジスタ12は直接接続され、水平読出し線15はCDS/SH回路13を介して撮像部11に接続される。
【0017】
撮像部11の撮像面には複数の画素20がマトリックス状に配列される。個々の画素20において信号電荷が生成される。被写体像全体の画像信号は撮像面すべての画素20の信号電荷に相当する画素信号の集合により構成される。生成した画素信号の読出しは画素20毎に行われる。読出しを行う画素20は垂直シフトレジスタ12及び水平シフトレジスタ14により直接的あるいは間接的に選択される。
【0018】
垂直シフトレジスタ12により画素20の行が選択される。選択された画素20から出力される画素信号が、垂直読出し線16(第2の電導部材)を介してCDS/SH回路13により相関二重サンプリングされる。
【0019】
さらにCDS/SH回路13に保持される画素信号は水平シフトレジスタ14により選択され、水平読出し線15に読出される。水平読出し線15に読出された画素信号は例えば、信号処理を行う信号処理回路40に送られ、所定の処理が行われて被写体像全体の画像信号に加工される。
【0020】
画素の構成についてさらに詳細に説明する。図2は撮像部における画素の構成を示す回路図である。画素20にはフォトダイオード(PD)21、フローティングディフュージョン(FD)22、転送トランジスタ23、リセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25、及び行選択トランジスタ26が設けられる。
【0021】
PD21では画素20毎の受光量に応じて電荷が発生し、発生した電荷が蓄積される。FD22は、転送トランジスタ23を介してPD21に接続される。転送トランジスタ23の副電極は、転送信号線ΦTに接続される。転送信号線ΦTには、パルス状にON・OFFが切替わる転送信号が流される。
【0022】
転送トランジスタ23がONになるときに、PD21に蓄積された信号電荷がFD22に転送される。PD21から転送される信号電荷がFD22に受取られると、FD22の電位は受取られた電荷に応じた電位に変わる。
【0023】
また、FD22はリセットトランジスタ24を介して電源線VDDに接続される。リセットトランジスタ24の副電極は、リセット信号線ΦRに接続される。リセット信号線ΦRには、パルス状にON・OFFが切替わるリセット信号が流される。
【0024】
リセットトランジスタ25がONになるときに、FD22蓄積された電荷は電源線VDDに掃き出されてリセットされる。また、FD22の電位は電源線VDDの電位からリセットトランジスタ25の閾値電圧分を引いた電位にリセットされる。
【0025】
FD22は、増幅トランジスタ25の副電極に接続される。増幅トランジスタ25の一方の主電極は、電源線VDDに接続される。他方の主電極は、行選択トランジスタ26を介して垂直読出し線16に接続される。FD22の電位は、増幅トランジスタ25によって画素信号として出力される。
【0026】
行選択トランジスタ26の副電極は、行選択信号線ΦSLに接続される。行選択信号線ΦSLには、パルス状にON・OFFが切替わる行選択信号が流される。行選択トランジスタ26がONになるときに、画素信号が垂直読出し線16に出力される。
【0027】
なお、転送信号線ΦT、リセット信号線ΦR、及び行選択信号線ΦSLは、撮像部11を水平に延びる線であり、垂直シフトレジスタ12に接続される。転送信号、リセット信号、及び行選択信号は、垂直シフトレジスタ12から出力される。
【0028】
垂直読出し線16は撮像部11を垂直に延びる線であり、同じ列の複数の画素(図示せず)における行選択トランジスタ(図示せず)に接続される。垂直読出し線16は、撮像面の上方において定電流源ISSに接続される。撮像面の下方においてCDS/SH回路13に接続される。
【0029】
垂直読出し線16を介して出力される画素信号がCDS/SH回路13において相関2重サンプリング/サンプルホールドされる。すなわち、PD21から信号電荷が転送されたときの画素信号と基準レベルとなるリセット時の画素信号との差分がサンプルホールドされる。
【0030】
CDS/SH回路13は、列選択トランジスタ17を介して水平読出し線15に接続される。列選択トランジスタ17がONになるときに、サンプルホールドされた画素信号が水平読出し線15に出力される。
【0031】
次に図3〜図9を用いて画素の構造について説明する。図3は撮像部11の厚さ方向の断面を示す。基板層BLの受光面側に、第1の配線層L1、第2の配線層L2、及び第3の配線層L3を順番に重ねることによって、撮像部11が形成される。
【0032】
基板層BLは、基板30、ゲート31によって構成される。基板30は、p型半導体層30p、n型半導体層30n、及び素子分離領域30sによって構成される。p型半導体層30pの受光面側の表面の一部に、複数の領域に分かれたn型半導体層30nが埋設される。一つの領域のn型半導体層30nの表面をp型半導体層30pによって覆うことにより、埋込みPD21が形成される。
【0033】
また、2つの別の領域のn型半導体層30n、30nの間における基板30の表面が、SiO2などの絶縁膜(図示せず)を介してゲート31に接合される。2つの別の領域のn型半導体層30n、30n、これらのn型半導体層30n、30nに挟まれるp型半導体層30p、及びゲート31によってMOSトランジスタが形成される。
【0034】
また、p型半導体層30pは、受光面側から見てPD21、n型半導体層30n、及びゲート31が接合される領域以外の領域において素子分離領域30sに接合される。
【0035】
図4は単位画素に相当する基板30の平面を示す。基板30には画素毎に、埋込みPD21、及び基板30にn型半導体層を接合させて形成される第1、第2、第3、第4、第5のn型半導体領域32a、32b、32c、32d、32eが設けられる。PD21及び第1〜第5のn型半導体領域32a〜32eは互いに離間するように配置される。
【0036】
なお、PD21と第1のn型半導体領域32aに挟まれる領域36a、第1、第2のn型半導体領域32a、32bに挟まれる領域36b、第3、第4のn型半導体領域32c、32dに挟まれる領域36c、及び第4、第5のn型半導体領域32d、32eに挟まれる領域36dは、後述するようにゲート31が設けられる領域である。
【0037】
また、基板30において、PD21、第1〜第5のn型半導体領域32a〜32e、及び領域36a、36b、36c、36d以外の領域は、素子分離領域30sである(図3参照)。また、第2のn型半導体領域32bは、隣接する画素の第3のn型半導体領域32cと一体的に形成される。
【0038】
図5は基板に対するゲートの配置を示す。なお、図4において示したPD21、及び第1〜第5のn型半導体領域32a〜32eは、図5において破線を用いて表示する。
【0039】
PD21と第1のn型半導体領域32aとに挟まれる領域36aにSiO2などの絶縁膜を介して転送ゲート31Tを配置することにより、転送トランジスタ23が形成される。なお、PD21を形成するn型半導体層、及び第1のn型半導体領域32aが転送トランジスタ23の主電極に相当する。
【0040】
また、第1、第2のn型半導体領域32a、32bに挟まれる領域36bにSiO2などの絶縁膜を介してリセットゲート31Rを配置することにより、リセットトランジスタ24が形成される。なお、第1、第2のn型半導体領域32a、32bがリセットトランジスタ24の主電極に相当する。
【0041】
また、第3、第4のn型半導体領域32c、32dに挟まれる領域36cにSiO2などの絶縁膜を介して増幅ゲート31Aを配置することにより、増幅トランジスタ25が形成される。なお、第3、第4のn型半導体領域32c、32dが増幅トランジスタ25の主電極に相当する。
【0042】
また、第4、第5のn型半導体領域32d、32eに挟まれる領域36dにSiO2などの絶縁膜を介して行選択ゲート31SLを配置することにより、行選択トランジスタ26が形成される。なお、第4、第5のn型半導体領域32d、32eが行選択トランジスタ26の主電極に相当する。
【0043】
なお、第1のn型半導体領域32aは、PD21から転送される電荷に応じて電位が変わり、FD22として機能する。
【0044】
図6は、第1の配線層L1を構成する配線の配置を示す。なお、図5において示したPD21、第1〜第5のn型半導体領域32a、32b、32c、32d、32e、転送ゲート31T、リセットゲート31R、増幅ゲート31A、及び行選択ゲート31SLは、図6において破線を用いて表示する。
【0045】
第1の配電層L1は、FD22と増幅トランジスタ25とを接続するための電導板33a(第1の電導部材)、リセットトランジスタ24の副電極とリセット信号線ΦRと接続するための電導板33b、垂直読出し線16、及び電源線VDDによって構成される。
【0046】
電導板33aは、撮像部11の厚さ方向に延びる第1の接続線34aによって第1のn型半導体領域32aに、第2の接続線34bによって増幅ゲート31Aに接続される(図9参照)。なお、第1のn型半導体領域32aは受光面側から電導板33aによって覆われる。
【0047】
また、垂直読出し線16は前述のように撮像部11の垂直方向に延びる読出し線であって、各画素20の行選択トランジスタ26の主電極である第5のn型半導体領域32eに接続される。なお、垂直読出し線16と第5のn型半導体領域32eとは、撮像部11の厚さ方向に延びる第3の接続線34cによって接続される(図9参照)。第4、第5のn型半導体領域32d、32eは、受光面側から垂直読出し線16によって覆われる。
【0048】
また、電源線VDDは、撮像部11の厚さ方向に延びる第4の接続線34dによって第3のn型半導体領域32cに接続される(図9参照)。
【0049】
また、電導板33bは、撮像部11の厚さ方向に延びる第5の接続線34eによってリセットトランジスタ24の副電極であるリセットゲート31Rに接続される。
【0050】
図7は、第2の配線層L2に設けられる配線の配置を示す。なお、図6において示したPD21、第2、第3のn型半導体領域32b、32c、転送ゲート31T、リセットゲート31R、増幅ゲート31A、行選択ゲート31SL、電導板33a、電導板33b、垂直読出し線16、及び電源線VDDは、図7において破線を用いて表示する。
【0051】
第2の配電層L2は、転送トランジスタ23、リセットトランジスタ24、及び行選択トランジスタ25にON・OFFの切替を行うためのパルス状の信号を入力するための転送信号線ΦT、リセット信号線ΦR、及び行選択信号線ΦSLによって構成される。
【0052】
転送信号線ΦTは、撮像部11の厚さ方向に延びる第6の接続線34fによって転送ゲート31Tに接続される(図9参照)。リセット信号線ΦRは、撮像部11の厚さ方向に延びる第7の接続線34gによって電導板33bに接続される。行選択信号線ΦSLは、撮像部11の厚さ方向に延びる第8の接続線34hによって行選択ゲート31SLに接続される。
【0053】
図8は、第3の配線層L3に設けられる配線の配置を示す。なお、図7において示したPD21、第2、第3のn型半導体領域32b、32c、転送ゲート31T、リセットゲート31R、増幅ゲート31A、電導板33a、電導板33b、垂直読出し線16、電源線VDD、転送信号線ΦT、リセット信号線ΦR、及び行選択信号線ΦSLは、図8において破線を用いて表示する。
【0054】
第3の配線層L3は、接地線35が設けられる。接地線35は、撮像部11の厚さ方向に延びる第9の接続線34iによって基板30のp型半導体層に接続される。接地線35は撮像素子10の基準となる電位に維持されており、基板30は基準となる電位に接地される。
【0055】
以上のような構成である本実施形態の撮像素子によれば、フォトダイオードに最も近い第1の配線層L1として設けられる配線により周辺回路を遮光することが可能になる。
【0056】
なお、基板30に最も近い第1の配線層L1を構成する配線を用いて遮光することには、以下の問題を生ずる可能性があった。
【0057】
周辺回路において遮光が必要な領域は、半導体である基板30における信号電位が伝送される領域、すなわち第1、第4、第5のn型半導体領域32a、32d、32eである(図4参照)。なお、第2、第3のn型半導体領域32b、32cは、つねに電源線VDDの電位に維持され、信号電荷を蓄積または転送することがないので、遮光は不要である。
【0058】
撮像部11の厚さ方向から見て第1、第4、第5のn型半導体領域32a、32d、32eと重なる第1の配線層L1を構成する配線と第1、第4、第5のn型半導体領域32a、32d、32eそれぞれとの間に電位差を生じ、互いに重なる領域が不要なキャパシタとして機能し、正確な画素信号の生成を阻害する可能性があった。
【0059】
一方、本実施形態の撮像素子によれば、第1のn型半導体領域32aを覆う電導板33aの電位と第1のn型半導体領域32aの電位は、信号電位を送るときには同じであり、不要なキャパシタは形成されない。また同様に、第4、第5のn型半導体領域32d、32eを覆う垂直読出し線16の電位と第4、第5のn型半導体領域32d、32eの電位は、信号電位を送るときには同じであり、不要なキャパシタは形成されない。
【0060】
したがって、本実施形態の撮像素子によれば、第1の配線層L1を構成する配線を用いた遮光によっても正確な画素信号の生成が可能になる。
【0061】
なお、本実施形態において、フローティングディフュージョン22を用いたが、フローティングゲートであってもよく、PD21で発生した信号電荷に応じて電位が変わるいかなるキャパシタであってもよい。
【0062】
また、本実施形態において、フローティングディフュージョン22はMIS(Metal Insulate Semiconductor)キャパシタであるが、拡散層を露出しないキャパシタ、または拡散層を用いないキャパシタ、例えば、配線と配線間、ゲートとゲート間、あるいはゲートと配線間で容量を構成する場合は、電導板33aで覆わなくてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、転送トランジスタ23と行選択トランジスタ26とを備える構成であるが、これらのトランジスタを省いた撮像素子においては、増幅トランジスタ25の主電極を垂直読出し線16とによって覆えばよい。
【0064】
また、本実施形態では、第1のn型半導体領域が転送トランジスタの主電極、リセットトランジスタの主電極、及びFDとなるが、別々のn型半導体領域に分割して接続する構成であってもよい。分割する構成である場合は、FDに接続される転送トランジスタの主電極、FD、及びリセットトランジスタの主電極が電導板に覆われていればよい。
【0065】
また、本実施形態では、第4のn型半導体領域が増幅トランジスタの主電極と行選択トランジスタの主電極となるが、別々のn型半導体領域に分割して接続する構成であってもよい。分割する構成である場合は、増幅トランジスタの主電極と行選択トランジスタの主電極とが垂直読出し線によって覆われていればよい。
【0066】
また、本実施形態において、撮像面における画素の配列はマトリックス状であるが、2次元状のいかなる配列であってもよい。また、本実施形態における撮像素子10はCMOS固体撮像素子であるが、画素内にPD21とリセットトランジスタ24、増幅トランジスタ25を備えるいかなる撮像素子にも適用可能である。
【0067】
また、本実施形態において、撮像部11に設けられたトランジスタはnチャンネル型であるが、pチャンネル型であってもよい。ただし、pチャンネル型である場合は、各トランジスタの接続において電圧の高低を入れ替える必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態を適用したCMOS固体撮像素子の全体構成を模式的に示す。
【図2】撮像部における画素の構成を示す。
【図3】撮像部の厚さ方向の断面を示す。
【図4】単位画素に相当する基板の平面を示す。
【図5】基板に対するゲートの配置を示す。
【図6】第1の配線層を構成する配線の配置を示す。
【図7】第2の配線層に設けられる配線の配置を示す。
【図8】第3の配線層に設けられる配線の配置を示す。
【図9】基板層と第1〜第3の配線層の接続状態を説明するための、撮像部の斜視図である。
【図10】背景技術を説明するための、撮像素子の断面図を示す。
【符号の説明】
【0069】
10 CMOS固体撮像素子
11 撮像部
16 垂直読出し線
20 画素
21 フォトダイオード(PD)
22 フローティングディフュージョン(FD)
23 転送トランジスタ
24 リセットトランジスタ
25 増幅トランジスタ
26 行選択トランジスタ
30 基板
31A 増幅ゲート
31R リセットゲート
31SL 行選択ゲート
31T 転送ゲート
32a、32b、32c、32d、32e 第1、第2、第3、第4、第5のn型半導体領域
33a、33b 電導板
34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h、34i 第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9の接続線
35 接地線
BL 基板層
L1、L2、L3 第1、第2、第3の配線層
ΦR リセット信号線
ΦSL 行選択信号線
ΦT 転送信号線
SL 遮光膜
DD 電源線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、
前記光電変換素子において発生した前記電荷を受取り、受取った前記電荷に応じて電位が変わるキャパシタと、
前記キャパシタの電荷をリセットするリセットトランジスタと、
前記キャパシタの電位に基づいて画像信号を出力する増幅トランジスタと、
前記キャパシタと前記増幅トランジスタとを接続し、前記光電変換手段に光が入射する入射方向から前記リセットトランジスタの主電極を覆う第1の電導部材と、
前記画像信号を受取り、前記入射方向から前記増幅トランジスタの主電極を覆う第2の電導部材とを備える
ことを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記キャパシタがMISキャパシタであり、前記第1の電導部材が前記入射方向から前記キャパシタを覆うことを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記第1の電導部材によって覆われる前記リセットトランジスタの主電極は、前記キャパシタに接続される主電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記第2の電導部材によって覆われる前記増幅トランジスタの主電極は、前記増幅トランジスタの出力側の主電極であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記光電変換手段から前記キャパシタへの前記電荷の転送のON・OFFの切替を行う転送トランジスタを備え、前記キャパシタに接続される前記転送トランジスタの主電極が前記第1の電導部材によって覆われることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記増幅トランジスタから前記第2の電導手段への前記画像信号の出力のON・OFFの切替を行う選択トランジスタを備え、
前記第2の電導部材が、前記選択トランジスタの主電極を覆う
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の撮像素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−313846(P2006−313846A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136220(P2005−136220)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】