説明

撮像装置、撮像プログラム、撮像方法、認証装置、認証プログラム及び認証方法

【課題】生体等の物体の撮像に関し、物体の位置に応じて撮像の最適化を図ること、画像情報を取得する被写体に対し、撮像の最適化を実現すること、生体情報等の撮像方法の選択に対応し、最適な認証情報や認証方法によって認証の自由度を拡大や、認証精度を高めることにある。
【解決手段】 撮像対象である手等の生体、物体(手8)の位置を検出し、その位置情報を取込み、撮像部位を判定し、その部位に応じた撮像方法を選択し、選択された撮像方法によって撮像する。その撮像によって得られた画像で認証する際、撮像方法の選択に応じて認証情報及び/又は認証方法を選択し、認証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体等の撮像や、生体画像を用いた生体認証に関し、特に、被写体が手等の生体(又は物体)である撮像装置、その撮像で得た生体情報によって認証する認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証(バイオメトリクス認証)は、指紋、顔、虹彩、声紋、筆跡等の生体特徴によって本人確認を行う技術である。暗証番号やパスワードのような記憶による本人確認や、印章やカード等の物による本人確認と比べ、なりすまし(他人が本人のふりをすること)が原理的に困難であることから、高いセキュリティを実現できる技術として関心が高まっている。
【0003】
マルチバイオメトリクス技術は、例えば指紋認証と顔認証等のように、複数の生体認証を組み合わせて使うものである。その組み合わせ方により、利便性を高めたり、セキュリティレベルを高めたりすることができる。複数の認証の何れかで本人と認証されればよいことにすれば、例えば指の怪我等により指紋認証が行えない場合でも、別の認証方式で認証を行うことができるため、利便性が向上する。複数の認証の全てが合致しなければ本人と認証しないことにすれば、非常に高いセキュリティレベルが実現でき、重要な機密へのアクセス制御等に適用できる。
【0004】
生体情報を取得する上で、手は非常に適した部位であり、指紋、静脈、掌形等、様々な認証方式が実用化されている。これらを複合的に用いることにより、容易にマルチバイオメトリクス認証が実現でき、利便性の向上あるいは認証精度の向上が期待できる。
【0005】
このような生体情報の取得に関し、特許文献1では、被検出体が載置される被検出面と、被検出面に対して略平行に成形された第1の面と、被操作面に対して傾斜して入出射された光を出力する第2の面とを有するプリズムと、第1の面の画像を検出する第1の画像検出手段と、第2の面の画像を検出する第2の画像検出手段とを有することが開示されている。
【0006】
特許文献2では、指の指紋情報と静脈情報とを取得するために、指の1次元あるいは2次元の部分情報を複数取得する指紋撮像装置と指紋照明光源、静脈撮像装置と静脈照明光源を備え、静脈撮像装置と静脈照明光源で生体検知機能を実現し、静脈撮像装置の撮像範囲は指紋撮像装置の撮像範囲より広いこと、指紋撮像装置と静脈撮像装置によりそれぞれ読み取られた複数の部分情報を合成した指紋情報、静脈情報と予め登録された指紋情報、静脈情報とが一致するか否かを認証処理装置で照合することが開示されている。
【0007】
特許文献3では、個人別の生体構造の画像情報を個人情報(氏名、暗証番号、磁気カード等)と対応付けてデータベース内に登録し、光を用いて計測される血管パターンと生体外部形状からなる画像情報と上記データベースの画像情報とを照合することが開示されている。
【0008】
特許文献4では、カメラは、発光素子及び受光素子を有する測距ユニットと、人物を撮影する撮像素子と、測距ユニット及び撮像素子の方向を制御変更するパンチルトモータと、測距ユニットからの反射光により人物を検出し、パンチルトモータに測距ユニットの検出方向を少なくとも1回人物の存在を検出した方向とは異なる方向に変更させ測距ユニットが検出した複数の反射信号に基づいて人物の顔の位置を特定し、撮像素子が人物の顔の位置に向くようにパンチルトモータを制御する制御ユニットと、を有しており、広角撮影が不要で画素数の少ない撮像素子を使用できることが開示されている。
【0009】
特許文献5では、被検査体の表面における被検査部位を撮像する撮像手段と、被検査部位に光を照射する第1照明、第2照明とを備え、第2照明は、第1照明よりも照射角度が高く、切換手段は、両照明を被検査部位の形状的性質に応じて選択的に切り換え、被検査部位の良否は、撮像手段により得られた画像を処理することにより検査されることが開示されている。
【0010】
また、特許文献6では、充填物を包む被検査物体の表面から反射する可視光を撮像して、被検査物体の外観画像を生成する第一のカメラと、被検査物体の裏面に対向して設置され、赤外光を発生する赤外線ヒータと、被検査物体を透過した透過赤外光を撮像して、被検査物体の透視画像を生成する第二のカメラと、被検査物体を第一および第二のカメラによる撮像位置に搬入するコンベア及びプッシャーと、第一のカメラによる外観画像と標準サンプル外観画像とを比較し、第二のカメラによる透視画像と標準サンプル透視画像とを比較することにより、欠陥有りか否かを判定する画像処理装置とを備えていることが開示されている。
【特許文献1】特開2006−65400公報
【特許文献2】特開2006−285487公報
【特許文献3】特開2004−139611公報
【特許文献4】特開2003−75892公報
【特許文献5】特開2002−71578公報
【特許文献6】特開2006−153633公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
生体情報を用いたマルチバイオメトリクス認証において、手を撮像する場合であっても、最適な撮像方式が異なり、別々の装置によって生体情報を取得(撮像)する必要があった。例えば、指紋センサと静脈センサを一体化する構成(特許文献1、2)とし、被験者の生体情報を一時に取得する装置がある。このように指紋センサと静脈センサとが一体化されているとはいえ、異なる装置で生体情報を別々に取得するため、装置が複雑化、肥大化し、コストアップとなる。
【0012】
また、光フィルタを切り替えながら手を撮像し、外形情報と静脈情報を得る構成(特許文献3)では、身体部位と装置の位置関係が固定的なため、部位毎に最適な撮影を行うことはできない。
【0013】
斯かる課題について、特許文献1〜6にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
【0014】
そこで、本発明の目的は、生体等の物体の撮像に関し、物体の位置に応じて撮像の最適化を図ることにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、撮像による生体情報等の画像の取得に関し、画像情報を取得する被写体に対し、撮像の最適化を実現することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、生体情報等の撮像方法の選択に対応し、最適な認証情報や認証方法によって認証の自由度の拡大や、認証精度の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明は、撮像対象である手等の生体、物体の位置を検出し、その位置情報を取り込み、撮像部位を判定し、その部位に応じた撮像方法を選択し、選択された撮像方法によって撮像する。その撮像によって得られた画像で認証する際、撮像方法の選択に応じて認証情報及び/又は認証方法を選択し、認証を行う。斯かる構成により上記目的が達成される。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明は、物体を撮像する撮像装置であって、物体を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記物体を検出する第2の検出部と、前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像する撮像部とを有する。
【0019】
斯かる構成とすれば、異なる位置に設置された第1、第2の検出部により、物体の位置やその移動位置が特定されるので、その検出結果に応じて撮像方法を選択すれば、最適な撮像方法で物体を撮像することができるとともに、複数の位置に対応した撮像を1回の撮像動作で行うことができる。
【0020】
上記目的を達成するためには、上記撮像装置において、好ましくは、前記撮像部は、前記第1の検出部及び/又は前記第2の検出部で検出された前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像する構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成することができる。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明は、物体を撮像する撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行される撮像プログラムであって、物体の位置情報を取り込むステップと、取り込まれた位置情報により、前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択するステップとを含むことである。
【0022】
斯かる構成とすれば、物体の位置を表す位置情報が取り込まれると、その位置情報から物体の位置が特定され、その位置に応じて物体の撮像方法が選択されるので、最適な撮像方法により物体の位置に応じた撮像をすることができ、上記目的を達成することができる。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明は、物体を撮像する撮像方法であって、物体の位置を検出するステップと、前記物体の位置の検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像するステップとを含むことである。
【0024】
斯かる構成とすれば、物体の位置を検出し、その検出結果によって物体の位置が特定され、その位置に応じて物体の撮像方法を選択するので、物体の位置に応じた最適な撮像方法により物体を撮像することができ、上記目的を達成することができる。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明は、生体情報によって認証する認証装置であって、生体を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記生体を検出する第2の検出部と、前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像する撮像部と、前記撮像部で選択された撮像方法に応じて、認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択する認証部とを備えることである。
【0026】
斯かる構成とすれば、生体の位置を検出し、その検出結果によって生体の位置が特定され、その位置に応じて生体の撮像方法を選択し、生体の位置に応じた撮像方法により生体を撮像し、その撮像方法の選択に応じて、認証に用いる認証情報及び/又は認証方法が選択されるので、最適な撮像方法に対応した認証情報及び/又は認証方法を選択でき、例えば、1つの生体について、1回の撮像動作及び認証動作で複数の異なる生体情報を用いた認証が行えるとともに、認証精度を高めることができる。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明は、コンピュータによって実行され、生体情報によって認証する認証プログラムであって、生体の位置情報を取り込むステップと、取り込まれた位置情報により、前記生体の位置に応じて、前記生体の撮像方法を選択するステップと、前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップとを含むことである。斯かる構成によっても、同様に上記目的を達成できる。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明は、生体情報によって認証する認証方法であって、生体の位置を検出するステップと、前記生体の位置の検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像するステップと、前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップとを含むことである。斯かる構成によっても、同様に上記目的を達成できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0030】
(1) 物体の位置に応じて最適な撮像方法を選択し、物体を撮像できる。
【0031】
(2) 位置を変更する物体であれば、その位置に応じて最適な撮像方法を選択し、物体を撮像でき、1つの物体について、位置の異なる複数の画像を得ることができる。
【0032】
(3) 生体の位置に応じて選択された撮像方法で得られた生体画像を認証に用いることができ、認証精度を高めることができる。
【0033】
(4) 生体の位置に応じて選択された撮像方法に応じて認証に用いられる認証情報及び/又は認証方法を選択するので、認証情報の選択の自由度を拡大できるとともに、認証精度を高めることができる。
【0034】
(5) 生体の位置に応じて選択された撮像方法に応じて認証に用いられる認証情報及び/又は認証方法を選択するので、位置に応じて得られた複数の生体情報を用いることができるとともに、その生体情報に対応した認証情報及び/又は認証方法を選択でき、1回の認証によって複数の認証を行うことができ、また、生体の位置を選択して認証情報を選択して認証を行うことができる。
【0035】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
〔第1の実施の形態〕
【0037】
第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る生体認証装置を示す図、図2は、認証の処理手順を示すフローチャートである。図1及び図2に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0038】
この生体認証装置2Aは、本発明の撮像装置、その撮像装置を用いた認証装置の一例であって、撮像すべき物体として例えば、手の位置から撮像部位を判定し、その部位に応じて最適な撮像方法を選択し、選択された撮像方法により撮像する構成を備えている。
【0039】
この生体認証装置2Aは、図1に示すように、撮像装置4と、認証部6とを備えている。撮像装置4は、被写体である手の位置に応じて撮像方法を選択し、選択された撮像方法により撮像する手段である。認証部6は、撮像された生体画像を用いて認証する認証手段であって、例えば、撮像によって得られる生体画像と、登録画像とを照合し、その照合結果である認証出力を出力する。
【0040】
撮像装置4は、被写体位置検出部42と、照明部44と、撮像部46と、撮像制御部48とを備えている。被写体位置検出部42は、被写体の位置検出手段であって、被写体として例えば、手の位置を検出する。この被写体位置検出部42は、第1の挿入検出部422(第1の検出部)と、第1の挿入検出部422と異なる位置に設けられた第2の挿入検出部424(第2の検出部)とを備える(図3)。これら位置の検出結果は撮像制御部48に送られ、撮像方法の選択に参照される。
【0041】
照明部44は、被写体に撮像に必要な光を照射する照明装置であって、撮像制御部48で選択される撮像方法に対応した照明が行われる。
【0042】
撮像部46は、被写体の撮像手段であって、撮像制御部48で選択された最適な撮像方法により、被写体の部位を撮像する。この撮像部46は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )カメラで構成すればよい。
【0043】
撮像制御部48は、照明部44及び撮像部46の制御手段であって、被写体位置検出部42から被写体の位置を表す検出信号を受け、その位置から撮像部位を判定し、最適な照明及び/又は撮像方法を選択する。
【0044】
また、認証部6は、照合処理部62と、登録データデータベース(DB)64と、結果出力部66とを備えている。照合処理部62は、撮像部46で得られた生体画像即ち、照合データと、登録データDB64の登録データとを照合する照合手段であって、その一致、不一致又は類似度を表す照合結果を出力する。
【0045】
登録データDB64は、照合データと照合する生体情報を登録データとして格納する手段である。照合処理部62で得られた照合結果は、認証出力として結果出力部66から出力される。
【0046】
斯かる構成の生体認証装置2Aの認証処理の処理手順(図2)は、撮像及び認証処理を包含している。この処理手順は、撮像方法又は撮像プログラムの一例であって、この処理手順では、図2に示すように、被写体位置検出部42が被写体の位置を検出し、その結果を撮像制御部48に送る(ステップS1)。撮像制御部48では、位置情報を取り込み、その検出位置から部位を判定し、最適な撮像方法を選択し、その撮像方法を実現するための制御信号を照明部44、撮像部46に送信する(ステップS2)。選択された撮像方法によって撮像された画像は、照合データとして照合処理部62に送られる(ステップS3)。照合処理部62では、予め登録されている登録データDB64から登録データを読み出し、照合データと登録データとを比較し、照合結果を結果出力部66に出力する(ステップS4)。撮像及び認証の処理を終了する。
【0047】
次に、撮像装置4について、図3及び図4を参照する。図3は、撮像装置の構成例を示す図、図4は、撮像及び認証処理の処理手順を示すフローチャートである。図3及び図4に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0048】
この撮像装置4は、撮像方法として透過撮像(撮影)、他の撮像方法として反射撮像(撮影)の双方が可能な構成であって、図3A及び図3Bに示すように、被写体として人の手8が挿入される筐体10を備えている。筐体10には挿入される手8の位置即ち、指82を検出する第1及び第2の挿入検出部422、424が手8の挿入方向に前後して設置されている。挿入検出部422、424は例えば、光インタラプタで構成され、筐体10の天井部12に発光部14、筐体10の底面部16に受光部18が設置され、発光部14から受光部18に到達する光Lが指82又は手のひら84で遮られ、受光部18の出力によって手8の位置が検出される。
【0049】
筐体10の天井部12には図3Aに示すように、照明部44の近赤外線照明装置442が設置されている。筐体10の底面部16の下方には撮像部46が設置され、撮像部46は、近赤外線照明装置442の照明20によって手8を透過した光を受けて撮像する。この場合、撮像方法は透過撮像となる。
【0050】
また、筐体10の底面部16には図3Bに示すように、照明部44の近赤外線照明装置444が設置されている。この場合、筐体10の底面部16の近赤外線照明装置444からの照明22により、撮像部46は、手8の反射光を受光し、撮像する。この場合、撮像方法は反射撮像となる。
【0051】
斯かる構成によれば、1つの撮像装置4を以て1被験者から部位の異なる複数の生体情報(透過画像と反射画像)を容易に取得することができる。
【0052】
この生体認証装置2を用いた撮像及び認証処理の処理手順は、撮像又は認証方法、撮像又は認証プログラムの一例であって、被験者が筐体10に手8を挿入することにより複数の部位の撮像及び複数の生体画像を用いた認証が行える。
【0053】
この処理手順は、図4に示すように、手8を筐体10の途中まで挿入し、指82が光L1を遮る位置(第1段階)に達すると、挿入検出部422がその挿入を検出し(ステップS11)、撮像部46の撮像範囲(視野)に指82が入ったことを検出し、その検出信号を撮像制御部48に通知する。
【0054】
この検出信号により、撮像制御部48は手8の背後にある近赤外線照明装置442を点灯させ(ステップS12)、照明20によって手8の背面照明を行い、指静脈(又は指紋)の透過撮像を行う(ステップS13)。これにより、指静脈(又は指紋)の画像情報の取込みが行われる(ステップS14)。
【0055】
更に、被験者が手8を挿入し、図3Bに示すように、指82が光L2を遮る位置(第2段階)に達すると、挿入検出部424がその挿入を検出し(ステップS15)、撮像部46の撮像範囲(視野)に手のひら84が入ったことを検出し、その検出信号を撮像制御部48に通知する。撮像制御部48は、手のひら84側の近赤外線照明装置444を点灯させ(ステップS16)、照明22によって手のひら静脈の反射撮像を行う(ステップS17)。これにより、手のひら静脈の画像情報の取込みが行われる(ステップS18)。これらの画像を用いて認証処理が行われる(ステップS19)。
【0056】
このような第1段階、第2段階で撮像された画像は撮像後、直ちに照合処理部62に出力され、照合が行われる。照合画像が指のものであるか、手のひらのものであるかを判別し(例えばISO/IEC19794-9のバイオメトリクスデータフォーマット等に従ってデータヘッダに部位情報を格納することにより通知可能である)、撮像制御部48から照合処理部62に撮像部位を信号線(図1の破線24)によって通知する構成としてもよい。
【0057】
また、ここでは挿入検出部422、424により位置検出を行うことを例示したが、撮像部46を挿入検出部422、424として構成し、撮像部46による例えば、撮像カメラで動画撮像を行い、その視野内の撮像部位を判定する構成としてもよい。
【0058】
なお、図3A、図3Bでは、筐体10を横方向に設置したが、図5に示すように、筐体10を縦方向に設置し、手8を矢印aで示すように縦方向に挿入する構成としてもよい。図5において、図3A、図3Bと同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
上記第1の実施の形態から抽出される特徴事項や効果又は変形例を以下に列挙する。
【0060】
(1) 撮像装置4は、生体情報を撮像する装置であって、生体情報を撮像する撮像部46と、照明部44を備え、撮像部46に対する被写体の位置を検出する検出機能を備え、被写体の位置に応じて撮像方法を選択することができる。
【0061】
(2) 生体認証装置2Aは、生体情報を撮像する撮像装置4を備え、撮像装置4は生体情報を撮像する撮像部46と、照明部44とを備え、撮像部46に対する被写体の位置を検出する検出機能を備え、被写体の位置に応じて撮像方法を選択する機能を備え、選択された撮像方法(又は撮像方式)によって撮像された画像を用いて認証を行う認証部6を備えたことにより、被写体の位置に応じて選択された撮像方法に応じた認証を行うことができる。
【0062】
(3) 撮像装置4又は生体認証装置2Aでは、手8から生体情報を取得する装置であり、筐体10に手8を挿入し、その挿入の程度を検出することによって、撮像方法を切り替え、生体情報を撮像するので、位置に応じて最適な生体情報を得ることができ、その生体画像を認証に用いることができる。
【0063】
(4) 撮像装置4又は生体認証装置2Aでは、手8の生体情報を撮像する装置であり、照明と被写体の位置関係を検出する機能を備え、位置に応じた生体情報を画像によって取得でき、精度の高い認証が行える。
【0064】
(5) このように、簡素な構成でありながら、複数種の生体情報を最適な方法で撮像でき、精度の高い認証とともに、認証の自由度を拡大できる。
【0065】
(6) 物体の位置に応じて最適な撮像方法が選択され、選択された撮像方法で物体を撮像できる。
【0066】
(7) 位置を変更する物体であれば、その位置に応じて最適な撮像方法を選択し、物体を撮像でき、1つの物体について、位置の異なる複数の画像を得ることができる。
【0067】
(8) 生体の位置に応じて選択された撮像方法で得られた生体画像を認証に用いることができ、認証精度を高めることができる。
【0068】
〔第2の実施の形態〕
【0069】
次に、第2の実施の形態について、図6を参照する。図6は、撮像方法の選択例を示す図である。図6に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0070】
第1の実施の形態では、第1段階で指の静脈(又は指紋)の撮像、第2段階で手のひら静脈の撮像を行うことを例示したが、手に関わる生体情報はこれらに限定されるものではなく、種々のものが存在し、最適な撮像方法が選択される。撮像部位、生体情報、照明及び撮像方法は、図6に示すように、種々の組み合わせが存在し、これらから任意に選択すればよい。
【0071】
そこで、図6を参照すると、撮像部位が指である場合には、生体情報として指紋又は静脈を取得でき、指紋の場合、照明に近赤外線照明を選択し、その場合には撮像方法は透過撮像、照明に紫外線照明又は可視光照明を選択し、その場合には撮像方法は反射撮像となる。また、生体情報として指静脈情報を得るには、既述の通り、近赤外線照明により透過撮像が選択される。
【0072】
撮像部位が手のひらの場合には、生体情報として手のひら静脈、掌形、掌紋が得られ、その場合には、照明には近赤外線照明又は紫外線照明が選択され、撮像方法には反射撮像又はシルエット撮像が選択される。その他、撮像部位としては、手の甲や手首があり、これらは何れも生体情報として静脈情報を取得する場合であり、照明には近赤外線照明を用いて、撮像方法には反射撮像が選択される。
【0073】
このように認証方法に用いられる生体画像に応じて、照明形態や撮像方法を適宜に選択し、変更することが必要となるが、生体認証装置2Aを用いれば、複数の位置検出に基づき、複数の異なる部位の種々の生体情報を取得することができる。図中、シルエット撮像は、図3Aに示す透過撮像の形態を用いればよい。
【0074】
〔第3の実施の形態〕
【0075】
次に、第3の実施の形態について、図7及び図8を参照する。図7及び図8は、第3の実施の形態に係る撮像装置を示す図である。図7及び図8に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図7及び図8において、図1、図3と同一部分には同一符号を付してある。
【0076】
この撮像装置4では、図7A及び図7Bに示すように、筐体10の内部に撮像部46が設置され、筐体10の天井部12側に窓部26から被写体である手8を撮像する構成である。筐体10の窓部26の縁部には、指82の接触を検知する手段として接触検出器28が設置され、この接触検出器28によって指82の接触の有無を検出し、その検出信号を撮像制御部48に入力し、撮像方法を選択する。
【0077】
図7A及び図7Bに示すように、指82が接触検出器28に接触していれば、透過撮像方法が選択され、その場合、手8の斜め上方にある近赤外線照明装置446を点灯させ、撮像部46には指82の透過画像が得られる。
【0078】
また、図8A及び図8Bに示すように、指8が接触検出器28から離れ、接触していなければ、反射撮像方法が選択され、その場合、手8の斜め下方にある近赤外線照明装置448を点灯させ、撮像部46には手のひら84の反射画像が得られる。この場合、近赤外線照明装置446、448は、同一であってもよい。
【0079】
この場合、被写体の位置検出は、接触検出でなくとも距離センサ等の検出手段を用いてもよい。
【0080】
また、第1の実施の形態では、指82の位置を検出する被写体位置検出部42として、挿入検出部422、424を設置したが、距離センサを設置して被写体の距離や、接触センサを設置して被写体の接触を検出する構成としてもよい。また、被写体の接触の有無により、被験者が撮像方法の選択や、提供する生体情報の選択を行えるようにしてもよく、また、認証方法に応じた生体情報を選択する構成としてもよい。撮像手段として撮像カメラの画像又は距離センサ等の近接検出機能を用いた場合には、被写体が視野内に入ったとき、照明を点灯させて生体情報の撮像を行う構成とすればよい。
【0081】
〔第4の実施の形態〕
【0082】
次に、第4の実施の形態について、図9、図10及び図11を参照する。図9、図10及び図11は、第4の実施の形態に係る撮像装置を示す図である。図9、図10及び図11に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0083】
この撮像装置4では、シルエットの撮像を行う場合、第1の実施の形態(図3A)の構成を用いればよいが、図9に示すように、シルエット撮像のための構成として、近赤外線照明装置442を弱照明を行えるように構成すればよい。
【0084】
この場合、撮像部46に面した被写体である指82には光を照射せず、背景から弱い照明23を照射する。背景照明を弱める構成とすれば、撮像部46にある撮像素子の飽和により輪郭線が崩れるのを防止できる。図9において、図3Aと同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
このような照明を弱くする代わりに、撮像部46の絞りや露出を調整する構成としてもよい。なお、背景照明は、背景一面から均一に照射される面照明装置を使用するのが最も好ましいが、被写体面と背景の輝度の差が十分大きければ、画像処理で2値化することによりシルエット画像を得ることができる。面照明装置に限らず使用可能である。
【0086】
他の構成例として、図10に示すように、筐体10の天井部12に背景用照明装置45を設置し、被写体である手8の背面側に背景用照明30を構成してもよい。図10において、図3Aと同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。この場合、背景面を照射する照明を使用することにより、背景面を一様に明るくする構成である。この場合も、背景が一様な明るさに照射されるような照明を使用することが最適であるが、背景の輝度差よりも、背景と被写体の輝度差が十分大きければよい。
【0087】
また、他の構成例として、図11に示すように、筐体10の天井部12に光を吸収する背景手段として黒色背景板47を設置し、被写体である手8の背面側を黒色に構成してもよい。図11において、図3Bと同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
この場合、被写体を明るく(白く)し、背景を暗く(黒く)する構成である。背景を照明波長を吸収する色(通常、黒が好適)にしておき、被写体正面(撮像部46に面した方向)から照明22を照射する。斯かる構成とすれば、手8のシルエットのコントラストを強化することができ、クリアなシルエット画像が得られる。
【0089】
〔第5の実施の形態〕
【0090】
次に、第5の実施の形態について、図12を参照して説明する。図12は、第5の実施の形態に係る生体認証装置を示す図である。図12に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図12において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0091】
この生体認証装置2Bでは、撮像部46で選択される撮像方法に連動して認証部6の照合方法を選択するように構成したものである。そこで、認証部6には、撮像方法に対応する複数の照合処理部621、622・・・62nが設置され、撮像制御部48から発せられる撮像方法通知情報である方法通知信号を受け、照合方法を選択する手段として照合方法選択部68が設置され、照合方法に対応する登録データDB641、642・・・64nが設置されている。
【0092】
斯かる構成とすれば、撮像方法に応じて照合処理部621〜62nの何れかが照合方法選択部68により選択され、選択された照合処理部621〜62nに対して撮像部46から照合データが与えられるとともに、照合方法選択部68の照合方法の選択に対応し、登録データDB641〜64nが選択され、照合データに対応する認証情報として登録データが選択される。撮像方法に対応した照合が行われ、照合処理部621〜62nの照合結果が結果出力部66から出力される。
【0093】
この実施の形態によれば、生体の位置に応じて選択された撮像方法に応じて認証に用いられる認証情報及び/又は認証方法を選択するので、認証情報の選択の自由度を拡大できるとともに、認証精度が高められる。
【0094】
また、生体の位置に応じて選択された撮像方法に応じて認証に用いられる認証情報及び/又は認証方法を選択するので、位置に応じて得られた複数の生体情報を用いることができるとともに、その生体情報に対応した認証情報及び/又は認証方法を選択でき、1回の認証によって複数の認証を行うことができ、また、生体の位置を選択して認証情報を選択して認証を行うことができる。
【0095】
〔第6の実施の形態〕
【0096】
次に、第6の実施の形態について、図13を参照して説明する。図13は、第6の実施の形態に係る生体認証装置を示す図である。図13に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図13において、図1又は図12と同一部分には同一符号を付してある。
【0097】
この生体認証装置2Cでは、第5の実施の形態と同様に、撮像部46で選択される撮像方法に連動して認証部6の照合方法を選択するように構成したものである。そこで、認証部6には、撮像方法に対応した照合方法毎に対応する複数の照合ユニット631、632・・・63nが設置され、照合ユニット631、632・・・63nには、各照合方法に対応する照合処理部62及び登録データDB64が設置されている。
【0098】
照合ユニット631、632・・・63nの前段には、撮像部46で選択される撮像方法に連動して各照合ユニット631、632・・・63nの何れかを選択する手段として照合方法選択部68が設置されている。照合方法選択部68は、撮像制御部48から発せられる撮像方法通知情報である方法通知信号を受け、撮像方法に対応する照合データの照合方法に対応する各照合ユニット631、632・・・63nが選択される。
【0099】
斯かる構成とすれば、撮像方法に応じて照合ユニット631、632・・・63nの何れかが照合方法選択部68により選択され、選択された照合ユニット631、632・・・63nの照合処理部62に対して撮像部46から照合データが与えられ、選択された照合ユニット631、632・・・63nの登録データDB64にある登録データと照合される。この結果、撮像方法に対応した照合が行われ、照合ユニット631、632・・・63nの照合結果が結果出力部66から出力される。
【0100】
この実施の形態を用いれば、第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0101】
〔第7の実施の形態〕
【0102】
次に、第7の実施の形態について、図14を参照して説明する。図14は、第7の実施の形態に係る生体認証装置のハードウェア構成を示す図である。図14に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図14において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0103】
この生体認証装置2は、既述の生体認証装置2A(図1)、2B(図12)又は生体認証装置2C(図13)を構成するためのハードウェア構成の一例であって、撮像装置4及び/又は認証部6を構成するためのコンピュータを備えて構成されており、プロセッサ200と、プログラム記憶部202と、データ記憶部204と、RAM(Random-Access Memory)206と、操作入力部208と、位置検出部210と、照明部212と、カメラ214と、表示部216とを備え、これらはバス217によって連係されている。
【0104】
プロセッサ200は撮像制御、照明制御、照合処理、表示制御等を実行する手段であって、例えば、CPU(Central Processing Unit )で構成され、OS(Operating System)及び撮像プログラム、認証プログラム等のアプリケーションプログラムの実行により、照明及び撮像、生体情報の取込み、登録データとの照合、認証結果の出力等を行う。このプロセッサ200及びRAM206により、既述の撮像制御部48(図1)、照合処理部62(図1)、結果出力部66(図1、図12又は図13)、照合処理部621、622・・・62n(図12)、照合方法選択部68(図12、図13)、照合ユニット631、632・・・63n(図13)等が構成される。
【0105】
プログラム記憶部202は、プログラムを記録する記録手段の一例であって、コンピュータによって読み書き可能な記録媒体によって構成する。このプログラム記憶部202には、OS218やアプリケーションプログラム220等が格納され、アプリケーションプログラム220は、既述の撮像プログラム、認証プログラム等である。
【0106】
データ記憶部204はデータを記録する記録手段の一例であって、記録媒体で構成される。このデータ記憶部204には、登録データ記憶部222、照合データ記憶部224、選択データ記憶部226等が設定され、登録データ記憶部222は照合データと照合するための生体情報である登録データを登録し、既述の登録データDB64(図1、図13)、登録データDB641、642・・・64n(図12)を構成する。照合データ記憶部224は、撮像部46から認証部6に取り込まれた照合データが記録される。また、選択データ記憶部226は、撮像方法に対応した照合方法や、撮像方法に対応する既述の照明形態等の選択データが格納される。
【0107】
RAM206はワークエリアを構成する。操作入力部208は、情報の入力等に用いられ、情報入力にはキーボード等が使用される。
【0108】
位置検出部210は、カメラ214の撮像範囲に対する被写体の位置を検出する位置検出手段であって、第1及び第2の光インタラプタ228、230で構成される。光インタラプタ228、230は、被写体が光を遮ることによってその位置を検出するが、超音波やカメラ画像を用いてもよく、その他の測位計を用いてもよい。
【0109】
照明部212は、被写体(物体)の撮像部位の照明手段であって、例えば、近赤外線光源232、234で構成され、撮像方法に応じて選択される。
【0110】
カメラ214は撮像手段の一例であって、例えば、CCDで構成される。このカメラ214は撮像部46(図1、図12、図13)に対応する。その場合、絞り等の露出制御部や受光感度を制御する構成を備えてもよく、撮像方法に応じて変更又は制御することができる。
【0111】
表示部216は生体画像や認証結果等の情報提示手段であって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される。
【0112】
斯かる構成によれば、第1〜第6の実施の形態の機能部や装置を構成することができ、精度の高い撮像や認証を行うことができる。
【0113】
〔他の実施の形態〕
【0114】
(1) 上記実施の形態では、照明部212の構成は、撮像方法によっては可視光光源でもよく、紫外線光源であってもよいし、その個数は単一でもよく、又は複数でもよく、面光源でもよく、場合によっては点光源であってもよい。
【0115】
(2) 上記実施の形態では、撮像装置4と認証部6とを1つの装置として構成したが、これらを別個の構成とし、独立した装置として提供してもよい。
【0116】
(3) 上記実施の形態では、撮像方法の選択や生体情報に対応し、認証情報及び/又は認証方法の選択として、登録データ又は照合方法の選択を記載しているが、登録データ及び/又は照合方法は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0117】
次に、以上述べた本発明の実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0118】
(付記1) 物体を撮像する撮像装置において、
物体を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記物体を検出する第2の検出部と、
前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像する撮像部と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【0119】
(付記2) 付記1の撮像装置において、
前記撮像部は、前記第1の検出部及び/又は前記第2の検出部で検出された前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像することを特徴とする撮像装置。
【0120】
(付記3) 付記1の撮像装置において、
前記物体を照明する照明装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【0121】
(付記4) 付記1の撮像装置において、
前記物体が生体であって、前記撮像部は、該生体の前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像することを特徴とする撮像装置。
【0122】
(付記5) 付記1の撮像装置において、
前記物体が生体であって、該生体を照明する照明装置と、該照明装置の照明と前記生体の位置関係を検出する検出部とを備え、前記撮像部は、前記検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像することを特徴とする撮像装置。
【0123】
(付記6) 物体の撮像に用いられる撮像プログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体であって、
物体の位置情報を取り込むステップと、
取り込まれた位置情報により、前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択するステップと、
を前記コンピュータに実行させる撮像プログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0124】
(付記7) 物体を撮像する撮像方法であって、
物体の位置を検出するステップと、
前記物体の位置の検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像するステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【0125】
(付記8) 生体情報によって認証する認証装置であって、
生体を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記生体を検出する第2の検出部と、
前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像する撮像部と、
前記撮像部で選択された撮像方法に応じて、認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択する認証部と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【0126】
(付記9) 付記8の認証装置において、
前記撮像部は、前記第1の検出部及び/又は前記第2の検出部で検出された前記生体の位置に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像することを特徴とする認証装置。
【0127】
(付記10) 付記8の認証装置において、
前記生体を照明する照明装置と、該照明装置の照明と前記生体の位置関係を検出する検出部とを備え、前記撮像部は、前記検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像することを特徴とする認証装置。
【0128】
(付記11) 付記8の認証装置において、
前記生体が挿入される筐体を備え、前記撮像部は、該筐体に前記生体の挿入の程度に応じて撮像方法を選択し、選択された撮像方法で前記生体を撮像することを特徴とする認証装置。
【0129】
(付記12) 付記8の認証装置において、
前記認証部は、前記撮像部の撮像方法の選択に応じて照合方法を選択することを特徴とする認証装置。
【0130】
(付記13) 生体情報によって認証する認証プログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体であって、
生体の位置情報を取り込むステップと、
取り込まれた位置情報により、前記生体の位置に応じて、前記生体の撮像方法を選択するステップと、
前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップと、
を前記コンピュータに実行させる認証プログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0131】
(付記14) 生体情報によって認証する認証方法であって、
生体の位置を検出するステップと、
前記生体の位置の検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像するステップと、
前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップと、
を含むことを特徴とする認証方法。
【0132】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、撮像すべき物体として例えば、生体の位置に応じて選択された撮像方法に応じて認証に用いられる認証情報及び/又は認証方法を選択するので、位置に応じて得られた複数の生体情報を用いることができるとともに、その生体情報に対応した認証情報及び/又は認証方法を選択でき、1回の認証によって複数の認証を行うことができ、また、生体の位置を選択して認証情報を選択して認証を行うことができ、被写体の撮像や生体認証等に広く利用でき、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】第1の実施の形態に係る生体認証装置を示す図である。
【図2】認証の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】撮像装置の一例を示す図である。
【図4】撮像及び認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】撮像装置の変形例を示す図である。
【図6】撮像部位に対応する、生体情報、照明、撮像方法を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る撮像装置を示す図である。
【図8】撮像装置の一例を示す図である。
【図9】第4の実施の形態に係る撮像装置を示す図である。
【図10】他の撮像装置を示す図である。
【図11】他の撮像装置を示す図である。
【図12】第5の実施の形態に係る生体認証装置を示す図である。
【図13】第6の実施の形態に係る生体認証装置を示す図である。
【図14】第7の実施の形態に係る生体認証装置のハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
2A、2B、2C 生体認証装置
4 撮像装置
6 認証部
8 手
82 指
84 手のひら
10 筐体
12 天井部
14 発光部
16 底面部
18 受光部
20、22 照明
26 窓部
28 接触検出器
30 背景用照明
42 被写体位置検出部
44 照明部
46 撮像部
47 黒色背景板
48 撮像制御部
422 第1の挿入検出部(第1の検出部)
424 第2の挿入検出部(第2の検出部)
62 照合処理部
64 登録データDB
66 結果出力部
68 照合方法選択部
621、622・・・62n 照合処理部
641、642・・・64n 登録データDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を撮像する撮像装置において、
物体を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記物体を検出する第2の検出部と、
前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像する撮像部と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1の撮像装置において、
前記撮像部は、前記第1の検出部及び/又は前記第2の検出部で検出された前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
物体を撮像する撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行される撮像プログラムであって、
物体の位置情報を取り込むステップと、
取り込まれた位置情報により、前記物体の位置に応じて、前記物体の撮像方法を選択するステップと、
を含むことを特徴とする撮像プログラム。
【請求項4】
物体を撮像する撮像方法であって、
物体の位置を検出するステップと、
前記物体の位置の検出結果に応じて、前記物体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記物体を撮像するステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項5】
生体情報によって認証する認証装置であって、
生体を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部と異なる位置に設けられ、前記生体を検出する第2の検出部と、
前記第1、第2の検出部での検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像する撮像部と、
前記撮像部で選択された撮像方法に応じて、認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択する認証部と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行され、生体情報によって認証する認証プログラムであって、
生体の位置情報を取り込むステップと、
取り込まれた位置情報により、前記生体の位置に応じて、前記生体の撮像方法を選択するステップと、
前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップと、
を含むことを特徴とする認証プログラム。
【請求項7】
生体情報によって認証する認証方法であって、
生体の位置を検出するステップと、
前記生体の位置の検出結果に応じて、前記生体の撮像方法を選択し、選択された撮像方法で、前記生体を撮像するステップと、
前記撮像方法の選択に応じて認証に用いる認証情報及び/又は認証方法を選択するステップと、
を含むことを特徴とする認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−92121(P2010−92121A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258951(P2008−258951)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】