説明

撮像装置および信号読み出し方法

【課題】それぞれの処理に適した露光条件を実現する。
【解決手段】撮像装置において、撮像素子13と、撮像装置において実行する処理内容に応じて、撮像素子13から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す8画素加算モードと、8画素加算モードにおける同色画素信号より少ない加算数で撮像素子13から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す4画素加算モードとを切り替えるモード切替部102と、8画素加算モードまたは4画素加算モードに従って、撮像素子13から画像信号を読み出す読み出し部103と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および信号読み出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラなどの撮像装置では、撮像素子から入力した映像を液晶モニタや電子ビューファインダを用いたライブビューとして表示する機能が搭載されている。ライブビュー表示機能に対応した撮像素子は、静止画撮影用の駆動モードとは別に、画素混合や間引きによって静止画撮影よりも低い解像度の画像を入力できるライブビュー表示用の駆動モードを設けている。
【0003】
また、ライブビュー表示時に入力される映像を用いて、レンズのフォーカス位置(焦点の位置)を変えながら入力される映像のコントラストを取得し、焦点調節(コントラスト式オートフォーカス(AF:Autofocus))を行う機能を搭載した撮像装置が知られている。
【0004】
しかし、従来のデジタルスチルカメラでは、ライブビュー表示用の撮像素子の駆動方法(駆動モード)が焦点調節に適していない場合があった。例えば、ライブビュー表示時では、被写体の確認を容易にするために被写界深度が深いことが望ましく、そのためには、レンズの絞りを絞っても十分な輝度の映像が得られる高感度の駆動方法が望ましい。一方で、焦点調節時では、被写界深度が浅い方がフォーカス位置毎のコントラストの変化が大きくなり、焦点調節が行いやすくなるので、絞りを開放しても入力される映像の輝度が高くなりすぎないようライブビュー表示用の映像よりも低感度の駆動方法が望ましい。
【0005】
入力される映像の輝度調整は、入力信号の増幅するアンプ回路や撮像装置の電子シャッタ機能で実現するが、これらを用いても輝度調整の効果が十分ではない場合、ライブビュー表示や焦点調節がうまく行えなかった。
【0006】
そこで、例えば、焦点調節時において、レンズの被写界深度に合わせてフレームレートと入力画像の解像度とを変更することで、撮像素子の駆動を最適化する撮像装置、撮像方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の撮像装置、撮像方法では、焦点調節においてもライブビュー表示においても被写界深度自体には変化がないため、焦点調節用により良い被写界深度を得ることができないという問題があった。
【0008】
また、ライブビュー表示時での撮像素子の駆動方法と同じ駆動方法で、スピードライト(ストロボ)の予備発光を行うと、スピードライトの予備発光時に画素飽和が生じてしまうという問題があった。
【0009】
このように、撮像装置で行う異なる処理に対して同じ撮像素子の駆動方法を用いると、それぞれの処理に適した露光条件が得られず、求める処理結果が得られない場合があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮像装置で処理を行う際に、該処理に応じた画素加算数の撮像素子の駆動方法に切り替えて処理を行うことで、それぞれの処理に適した露光条件を実現できる撮像装置および信号読み出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、撮像装置において、撮像素子と、前記撮像装置において実行する処理内容に応じて、前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第1駆動モードと、前記第1駆動モードにおける同色画素信号より少ない加算数で前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第2駆動モードとを切り替えるモード切替手段と、前記第1駆動モードまたは前記第2駆動モードに従って、前記撮像素子から画像信号を読み出す読み出し手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、撮像装置で実行される信号読み出し方法において、前記撮像装置において実行する処理内容に応じて、撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第1駆動モードと、前記第1駆動モードにおける同色画素信号より少ない加算数で前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第2駆動モードとを切り替えるモード切替ステップと、前記第1駆動モードまたは前記第2駆動モードに基づいて、前記撮像素子から画像信号を読み出す読み出しステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像装置で処理を行う際に、それぞれの処理に適した露光条件を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるデジタルカメラの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、8画素加算モードの説明図である。
【図3】図3は、4画素加算モードの説明図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるデジタルカメラの状態遷移の説明図である。
【図5】図5は、レリーズボタンが半押しされた場合の処理を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、焦点調節動作が終了した場合の処理を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかるデジタルカメラの状態遷移の説明図である。
【図8】図8は、レリーズボタンが全押しされた場合の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下に添付図面を参照して、撮像装置および信号読み出し方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、ここではデジタルスチルカメラ(以下、単に「デジタルカメラ」という。)に本発明を適用した例について説明するが、本発明は、ライブビューを表示する表示部を備えた撮像装置に対して広く適用することができる。
【0016】
本実施の形態のデジタルカメラは、レリーズボタンの操作に応じて静止画を撮影し記録するものであって、撮影する前に撮像素子から読み出した画像をライブビューとして表示部に表示する。ここで、ライブビューとは、デジタルカメラの使用者が撮影時に被写体を確認しながら撮影できる機能であり、この機能によって使用者は撮影画角を決定することができる。
【0017】
図1は、実施の形態1にかかるデジタルカメラの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態のデジタルカメラは、レンズユニット11と、撮像素子13と、画像処理LSI(Large Scale Integration)14と、LCD(Liquid Crystal Display)15と、コントローラ16と、操作基板17と、スピードライト19と、を主に備えている。そして、コントローラ16と、レンズユニット11、撮像素子13、画像処理LSI14、操作基板17、およびスピードライト19とは、制御信号線で接続されている。また、画像処理LSI14と、撮像素子13およびLCD15とは、データバスで接続されている。
【0018】
レンズユニット11は、不図示のレンズと、絞り機構12とを備えている。レンズは、光学的に撮像素子13に画像を結像させる光学部品であり、図示しないアクチュエータの駆動や撮影者の手動操作により光軸方向に移動可能な状態で撮像素子13の受光面側に設置されている。絞り機構12は、レンズが集光した光の入射量を制限するものであり、絞り量によって被写界深度と光量とを調節する。
【0019】
撮像素子13は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成され、レンズユニット11が集光した入射光を受光し、光電変換を行うことで画像信号(デジタル信号)を出力する。
【0020】
画像処理LSI14は、撮像素子13により出力された画像信号から、コントラストの算出、平均輝度(輝度平均値)や輝度評価値の算出、表示用の画像データを生成する。
【0021】
LCD15は、文字や画像を表示する液晶画面であり、画像処理LSI14から出力された表示用の画像データを表示する。
【0022】
操作基板17は、デジタルカメラの使用者が操作するための各種ボタンとスイッチが備えられた基板であり、レリーズボタン18を備えている。レリーズボタン18は、押し込み量によって半押し、全押しの2段階の入力を受け付けるボタンである。
【0023】
スピードライト19は、照明光を発光するものであり、例えばキセノンランプまたはLED(Light Emitting Diode)等により構成されている。
【0024】
コントローラ16は、制御プログラムを備えており、レンズユニット11、撮像素子13、画像処理LSI14、LCD15、操作基板17、およびスピードライト19をそれぞれ接続してシーケンス制御を行う。コントローラ16は、入力受付部101と、モード切替部102と、読み出し部103と、評価値取得部104と、絞り調整部105と、焦点調節部106と、表示制御部107と、発光制御部108と、測光部109とを主に備えている。
【0025】
入力受付部101は、デジタルカメラの使用者がレリーズボタン18を半押しまたは全押しした場合に、それらに対応する指示入力を受け付けるものである。本実施の形態では、入力受付部101は、レリーズボタン18が半押しされた場合に焦点調節(オートフォーカス)の指示入力を受け付け、レリーズボタン18が全押しされた場合に測光の指示入力を受け付ける。
【0026】
モード切替部102は、デジタルカメラで実行する処理内容に応じて、撮像素子13の駆動モードである、撮像素子13から8画素の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す8画素加算モード(第1駆動モード)と、撮像素子13から4画素(8画素加算モードにおける同色画素信号より少ない加算数)の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す4画素加算モード(第2駆動モード)とを切り替えるものである。
【0027】
また、モード切替部102は、撮影画角を決定するためのライブビュー表示を実行する場合に8画素加算モードに切り替え、焦点調節を実行する場合に4画素加算モードに切り替える。また、本実施の形態のデジタルカメラでは、焦点調節動作が終了するとライブビュー表示に遷移するため(図4参照)、モード切替部102は、焦点調節の終了後に、8画素加算モードに切り替えることになる。
【0028】
以下では、各駆動モードを具体的に説明する。まず、撮像素子13におけるカラーフィルタの配列について説明する。本実施の形態の撮像素子13では、ベイヤー配列でカラーフィルタが配置されている。ここで、ベイヤー配列とは、水平方向に赤(R)の波長を透過するファイルタと緑(G)の波長を透過するフィルタとが交互に配置されたラインと、緑の波長を透過するフィルタと青(B)の波長を透過するフィルタとが交互に配置されたラインと、を有し、その2つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。つまり、緑のフィルタが赤や青のフィルタの2倍使用されていることになる(図2、3参照)。
【0029】
図2は、8画素加算モードの説明図である。図2に示す8画素加算モードは、ライブビュー表示時に切り替えられる駆動モードである。図2に示すように、8画素加算モードでは、撮像素子13から、垂直方向においては16ライン毎に2画素分の画素信号を加算し、水平方向においては4ライン分(4画素)の画素信号を加算して読み出すことで、合計8画素分の画素信号を加算して読み出した画像信号を出力する。従って、撮像素子13から全画素の画素信号を読み出す場合と比較して、垂直方向は1/16、水平方向は1/4の解像度の映像が出力されることになる。また、間引きによる画像信号の読み出しと比較して、8個の画素の画素信号の和を画像信号として出力するため、感度が向上する。
【0030】
図3は、4画素加算モードの説明図である。図3に示す4画素加算モードは、焦点調節時に切り替えられる駆動モードである。図3に示すように、4画素加算モードでは、撮像素子13から、垂直方向においては16ライン毎に1画素分の画素信号を加算し、水平方向においては4ライン分(4画素)の画素信号を加算して読み出すことで、合計4画素分の画素信号を加算して読み出した画像信号を出力する。従って、解像度は前述の8画素加算モードと同じままで、撮像素子13から全画素の画素信号を読み出す場合と比較して、垂直方向は1/16、水平方向は1/4の解像度の映像が出力されることになる。また、8画素加算モードと比較すると、画素加算数が半分になるため、画素の飽和が起こりにくく、8画素加算モードより低感度の画像信号を出力することができる。
【0031】
読み出し部103は、モード切替部102により切り替えられた8画素加算モードまたは4画素加算モードに従って、撮像素子13から画像信号を読み出すものである。
【0032】
評価値取得部104は、読み出し部103により読み出された画像信号から算出された輝度評価値を取得する。輝度評価値は、デジタルカメラの測光方法により、入力画像の一部、画像全体などの領域の画素の輝度平均を使用したものである。
【0033】
絞り調整部105は、読み出し部103によって読み出した画像信号と、評価値取得部104により取得した輝度評価値を用いて、レンズユニット11の絞り機構12を調整し、露光制御および絞り調節を行うものである。
【0034】
具体的には、絞り調整部105は、4画素加算モードに切り替えられた場合、ライブビュー表示に切り替えられる8画素加算モードよりも低感度のため、絞り機構12の絞りは開放する方向に調整する。これにより焦点調節に適した浅い被写界深度が得られる。一方、8画素加算モードに切り替えられた場合、焦点調節時に切り替えられる4画素加算モードよりも高感度のため、絞り機構12の絞りは絞る方向に調整する。これによりライブビュー表示に適した深い被写界深度が得られる。従って、デジタルカメラで各処理(ライブビュー表示処理、焦点調節処理)を行う際に、それぞれの処理に適した露光条件を実現できる。
【0035】
焦点調節部106は、レリーズボタン18が半押しされ、入力受付部101により焦点調節の指示入力を受け付けた場合、レンズから撮像される画像の焦点を調節するものである。
【0036】
表示制御部107は、画像処理LSI14で生成された画像データをライブビューやその他の映像としてLCD15に表示する制御を行う。
【0037】
発光制御部108は、デジタルカメラが撮像する視野領域へ向けてスピードライト19の照明光を発光する。また、発光制御部108は、スピードライト19の予備発光を行う。ここで、予備発光とは、暗所での撮影時に発生する赤目現象を抑えるため、撮影の前にあらかじめ数回の発光を行う機能のことである。
【0038】
測光部109は、露出(絞り値とシャッター速度の組み合わせ)を決めるために、スピードライト19により発光された光(予備発光の光)を用いて、被写体の明るさ(被写体に当たっている光の量)を測定する測光を行うものである。測光部109は、レリーズボタン18が全押しされ、入力受付部101により測光の指示入力を受け付けた場合に、測光を行う。
【0039】
次に、本実施の形態のデジタルカメラにおけるライブビュー表示と焦点調節の状態遷移について説明する。図4は、本実施の形態にかかるデジタルカメラの状態遷移の説明図である。
【0040】
まず、デジタルカメラの電源スイッチがオンにされると、ライブビューが表示される。そして、図4に示すように、表示制御部107によるライブビュー表示状態(ステップS1)のときに、入力受付部101によりレリーズボタン18の半押し(焦点調節の指示入力)を受け付けると(ステップS2)、焦点調節部106による焦点調節(オートフォーカス)状態(ステップS3)に遷移する。また、焦点調節動作が終了すると(ステップS4)、再度、表示制御部107によるライブビュー状態へと戻ることになる。
【0041】
次に、レリーズボタン18が半押しされた場合、すなわち、焦点調節を実行する場合の処理について説明する。図5は、レリーズボタンが半押しされた場合の処理を説明するフローチャートである。
【0042】
まず、入力受付部101は、レリーズボタン18の半押しを受け付けたか否かを判断し(ステップS11)、受け付けていない場合(ステップS11:No)、そのまま待機する。一方、受け付けた場合(ステップS11:Yes)、モード切替部102は、撮像素子13の駆動モードを4画素加算モードに切り替える(ステップS12)。そして、読み出し部103は、4画素加算モードに従って、撮像素子13から4画素分の画像信号を読み出す(ステップS13)。
【0043】
次に、評価値取得部104は、読み出された画像信号から算出された輝度評価値を取得する(ステップS14)。そして、絞り調整部105は、取得した輝度評価値を用いて、レンズユニット11の絞り機構12を調整する(ステップS15)。このとき、4画素加算モードはライブビュー表示時に切り替えられる8画素加算モードよりも低感度のため、絞り機構12の絞りは開放する方向に調整される。これにより焦点調節に適した浅い被写界深度が得られる。そして、焦点調節部106は、レンズから撮像される画像の焦点調節を行う(ステップS16)。
【0044】
次に、焦点調節動作が終了した場合の処理について説明する。図6は、焦点調節動作が終了した場合の処理を説明するフローチャートである。
【0045】
まず、モード切替部102は、焦点調節部106による焦点調節動作が終了したか否かを判断し(ステップS31)、終了していない場合(ステップS31:No)、そのまま待機する。一方、終了した場合(ステップS31:Yes)、モード切替部102は、撮像素子13の駆動モードを8画素加算モードに切り替える(ステップS32)。そして、読み出し部103は、8画素加算モードに従って、撮像素子13から8画素分の画像信号を読み出す(ステップS33)。
【0046】
次に、評価値取得部104は、読み出された画像信号から算出された輝度評価値を取得する(ステップS34)。そして、絞り調整部105は、取得した輝度評価値を用いて、レンズユニット11の絞り機構12を調整する(ステップS35)。このとき、8画素加算モードは焦点調節時に切り替えられる4画素加算モードよりも高感度のため、絞り機構12の絞りは絞る方向に調整される。これによりライブビュー表示に適した深い被写界深度が得られる。そして、表示制御部107は、LCD15にライブビューを表示する(ステップS36)。
【0047】
このように、本実施の形態のデジタルカメラでは、焦点調節処理を行う場合に4画素加算モードに切り替えることで、低感度の画像を表示できるため、絞り機構12の絞りを開放し、焦点調節に適した浅い被写界深度が得られる。一方、ライブビュー表示処理を行う場合に8画素加算モードに切り替えることで、高感度の画像を表示できるため、絞り機構12の絞りを絞り、ライブビュー表示に適した深い被写界深度が得られる。このため、本実施の形態のデジタルカメラで各処理(ライブビュー表示処理、焦点調節処理)を行う際に、それぞれの処理に適した露光条件を実現できる。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態1のデジタルカメラは、焦点調節処理を行う場合に4画素加算モードに切り替え、ライブビュー表示処理を行う場合に8画素加算モードに切り替えるものであった。これに対し、本実施の形態のデジタルカメラは、スピードライトの測光処理を行う場合に4画素加算モードに切り替え、ライブビュー表示処理を行う場合に8画素加算モードに切り替えるものである。これにより、スピードライトの予備発光による調光動作を改善している。
【0049】
まず、実施の形態2にかかるデジタルカメラの構成は、実施の形態1にかかるデジタルカメラの構成と同様であるため、図1を参照して説明する。なお、以下では、実施の形態1と異なる構成のみ説明する。
【0050】
モード切替部102は、デジタルカメラで実行する処理内容に応じて、撮像素子13の駆動モードである、撮像素子13から8画素の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す8画素加算モード(第1駆動モード)と、撮像素子13から4画素(8画素加算モードにおける同色画素信号より少ない加算数)の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す4画素加算モード(第2駆動モード)とを切り替えるものである。
【0051】
また、モード切替部102は、撮影画角を決定するためのライブビュー表示を実行する場合に8画素加算モードに切り替え、スピードライトの測光を実行する場合に4画素加算モードに切り替える。ここで、4画素加算モードおよび8画素加算モードの詳細は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図2、3参照)。
【0052】
次に、本実施の形態のデジタルカメラにおけるライブビュー表示とスピードライトの測光の状態遷移について説明する。図7は、本実施の形態にかかるデジタルカメラの状態遷移の説明図である。
【0053】
まず、デジタルカメラの電源スイッチがオンにされると、ライブビューが表示される。そして、図7に示すように、表示制御部107によるライブビュー表示状態(ステップS5)のときに、入力受付部101によりレリーズボタン18の全押し(測光の指示入力)を受け付けると(ステップS6)、測光部109によるスピードライトの測光状態(ステップS7)に遷移する。
【0054】
次に、レリーズボタン18が全押しされた場合、すなわち、スピードライト19の測光を実行する場合の処理について説明する。図8は、レリーズボタンが全押しされた場合の処理を説明するフローチャートである。
【0055】
まず、入力受付部101は、レリーズボタン18の全押しを受け付けたか否かを判断し(ステップS51)、受け付けていない場合(ステップS51:No)、そのまま待機する。一方、受け付けた場合(ステップS51:Yes)、モード切替部102は、撮像素子13の駆動モードを4画素加算モードに切り替える(ステップS52)。そして、読み出し部103は、4画素加算モードに従って、撮像素子13から4画素分の画像信号を読み出す(ステップS53)。
【0056】
次に、発光制御部108は、スピードライト19の予備発光を行い(ステップS54)、測光部109は、スピードライト19により発光された光を用いて測光を行う(ステップS55)。このとき、4画素加算モードはライブビュー表示時に切り替えられる8画素加算モードよりも低感度のため、スピードライト19の予備発光時の画素飽和を軽減することができる。
【0057】
ライブビューの表示は、デジタルカメラの電源スイッチがオンにされた場合、スピード処理の測光が実行された後に実行され、ライブビュー表示処理を行う際に8画素加算モードへの切り替えた場合の処理については、実施の形態1と同様である(図6のステップS32〜36参照)。
【0058】
このように、本実施の形態のデジタルカメラでは、スピードライト19の予備発光処理を行う場合に4画素加算モードに切り替えることで、低感度の画像を表示できるため、スピードライト19の予備発光時の画素飽和を軽減することができる。一方、ライブビュー表示処理を行う場合に8画素加算モードに切り替えることで、高感度の画像を表示できるため、絞り機構12の絞りを絞り、ライブビュー表示に適した深い被写界深度が得られる。このため、本実施の形態のデジタルカメラで各処理(ライブビュー表示処理、スピードライト19の予備発光処理)を行う際に、それぞれの処理に適した露光条件を実現できる。
【符号の説明】
【0059】
11 レンズユニット
12 絞り機構
13 撮像素子
14 画像処理LSI
15 LCD
16 コントローラ
17 操作基板
18 レリーズボタン
19 スピードライト
101 入力受付部
102 モード切替部
103 読み出し部
104 評価値取得部
105 絞り調整部
106 焦点調節部
107 表示制御部
108 発光制御部
109 測光部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2010−187225号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置において、
撮像素子と、
前記撮像装置において実行する処理内容に応じて、前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第1駆動モードと、前記第1駆動モードにおける同色画素信号より少ない加算数で前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第2駆動モードとを切り替えるモード切替手段と、
前記第1駆動モードまたは前記第2駆動モードに従って、前記撮像素子から画像信号を読み出す読み出し手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記モード切替手段は、撮影画角を決定するためのライブビュー表示を実行する場合に前記第1駆動モードに切り替え、焦点調節を実行する場合に前記第2駆動モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記モード切替手段は、前記焦点調節の終了後、前記第1駆動モードに切り替えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記モード切替手段は、撮影画角を決定するためのライブビュー表示を実行する場合に前記第1駆動モードに切り替え、照明光の測光を実行する場合に前記第2駆動モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
レンズと、
前記レンズが集光した光の入射量を制限する絞り機構と、
前記読み出し手段によって読み出した画像信号を用いて前記絞り機構を調整することで、露光制御および絞り調節を行う調整手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像装置で実行される信号読み出し方法において、
前記撮像装置において実行する処理内容に応じて、撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第1駆動モードと、前記第1駆動モードにおける同色画素信号より少ない加算数で前記撮像素子から複数の同色画素信号を加算して画像信号を読み出す第2駆動モードとを切り替えるモード切替ステップと、
前記第1駆動モードまたは前記第2駆動モードに基づいて、前記撮像素子から画像信号を読み出す読み出しステップと、
を備えることを特徴とする信号読み出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−93778(P2013−93778A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235472(P2011−235472)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】