説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】 ズーム位置を実際に撮影する画角と異なる位置としてスルー画像表示を行う場合に、撮影設定の変更によってユーザが意図しない画像が撮影されてしまうことを防ぐ。
【解決手段】 一時的にズーム位置を変更する機能の開始前のズーム位置を第1の位置として記録手段に記録する記録制御手段(S501)と、
前記機能の開始の指示に応じて、前記第1の位置から第2の位置にズーム位置を移動し、前記機能の終了の指示に応じて前記第2の位置から前記記録手段に記録された前記第1の位置へズーム位置を移動するように制御するズーム制御手段(S509、S506)と、
前記ズーム制御手段の制御によって、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合には、特定の撮影設定の変更を指示する操作が行われても、該操作に応じた変更を行わないように制御する制御手段(S520)
とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームした際の撮影範囲に撮影したい被写体を収めやすくする機能を備えた撮像装置および撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮像装置の高倍率化が進んでいる。高倍率のズーム機能を備える撮像装置では、超望遠状態での画角合わせの際、被写体の僅かな移動でフレームアウトが起こり得る。またカメラを構えた撮影者が行う一寸したパンニング操作であっても画角の範囲が大きく変化してしまう。このように超望遠状態では、動体である被写体を所望の画角にフレーミングすることが困難である。これに対し、動きのある遠距離の被写体を容易に追跡可能とした撮像装置として特許文献1が提案されている。特許文献1には、ズームレンズを広角側にした撮影待機状態でスルー画像表示を行い、スルー画像上に、所定倍率でズームインした際に撮影範囲となる部分を枠表示することが開示されている。この状態でシャッターボタンが半押しされると所定倍率でズームレンズをズームインするように駆動し、さらにその状態でシャッターボタンを全押しすればズームインした状態で本撮影が行える。シャッターボタンを離せば元の広角側のズーム位置にズームアウトするようにズームレンズを駆動する。このようにすることで、遠くにいる動きのある被写体を、ズームインした際の撮影範囲に収めやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−019852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、ズーム位置を実際に撮影する画角よりも広角側にしてスルー画像表示を行っている。そのため、広角側でのスルー画像で効果を確認しながら撮影設定を変更すると、本撮影の際にはスルー画像を表示していた際よりもズームインして撮影を行うため、スルー画像で確認した効果を得られない場合がある。例えば、広角側のスルー画像を元に露出を調整すると、本撮影する際にはズームインした分だけ取得できる光量が減少し、本撮影された画像がスルー画像で確認したよりも暗くなってしまうということが起こり得る。さらに、広角側のスルー画像の全体に対して好適な露出に調整したとしても、本撮影する際にズームインした撮影範囲に対して同じ露出とすると明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。また、広角側でのスルー画像表示でフォーカスを調整して固定したとしても、本撮影する際には、ズームインした分ズームレンズとフォーカスレンズとの調整がずれてしまい、本撮影ではボケた画像が撮影されてしまうといったことが起こり得る。他の設定項目に関しても同様に、本撮影されるズーム位置と異なるズーム位置の際に撮影に係る設定を調整し、その設定でズーム位置を変えて本撮影を行ってしまうと、ユーザが意図した画像が得られないといったことが起こり得る。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、ズーム位置を実際に撮影する画角と異なる位置としてスルー画像表示を行う場合に、撮影設定の変更によってユーザが意図しない画像が撮影されてしまうことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、
撮影設定の変更を指示するための操作手段と、
一時的にズーム位置を変更する機能の開始および終了を指示する指示手段と、
前記機能の開始前のズーム位置を第1の位置として記録手段に記録する記録制御手段と、
前記指示手段による前記機能の開始の指示に応じて、前記第1の位置から第2の位置にズーム位置を移動し、前記指示手段による前記機能の終了の指示に応じて前記第2の位置から前記記録手段に記録された前記第1の位置へズーム位置を移動するように制御するズーム制御手段と、
前記ズーム制御手段の制御によって、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合には、前記操作手段によって特定の撮影設定の変更を指示する操作が行われても、該操作に応じた変更を行わないように制御する制御手段
とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に拠れば、ズーム位置を実際に撮影する画角と異なる位置としてスルー画像表示を行う場合に、撮影設定の変更によってユーザが意図しない画像が撮影されてしまう可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例としてのデジタルカメラの背面外観図である。
【図2】本発明の一実施例としてのデジタルカメラの構成ブロック図である。
【図3】本発明の撮影モード処理のフローチャートである。
【図4】撮影待機中の撮影設定変更の際の画面表示例である。
【図5】本発明のフレーミングアシスト(FA)処理のフローチャートである。
【図6】本発明のフレーミングアシスト(FA)処理における画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0010】
本実施の形態の撮像装置は、ズームレバーとは別にフレーミングアシストボタン(FAボタン)を有し、FAボタンを押すことで現在のズーム位置を記憶すると共に、現在のズーム倍率をもとに求められたワイド画角位置にズームを駆動する。そして、フレーミングボタンを離すことで記憶したズーム位置に復帰させる。以後、この機能をフレーミングアシスト機能(FA機能)として記載する。本実施の形態では、このFA機能の実行中は撮像装置での撮影設定の変更を受けつけないように制御する例を説明する。
【0011】
<デジタルカメラのハードウェア構成>
図1に本発明の撮像装置の一例としてのデジタルカメラの背面外観図を示す。表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッター操作部材であるシャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モードダイヤル60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は接続ケーブルとデジタルカメラ100とのコネクタである。操作部70はユーザーからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材より成る操作部である。コントローラーホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体は200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋203は記録媒体スロット201の蓋である。
【0012】
動画ボタン74は操作部70の1つであり、動画の撮影開始及び終了(停止)の指示操作を受け付けるボタンである。FAボタン75は操作部70の1つであり、FA機能を実行する指示を受け付けるボタンである。ズームレバー76は操作部70の1つであり、シャッターボタン61を中心として時計回り方向および反時計回り方向に操作可能であり、操作方向に応じて光学ズームおよび電子ズームでのズームイン/ズームアウトの指示を受付けるズーム操作部材である。
【0013】
バリアングルモニタ部26は表示部28が配置された筐体であり、ヒンジ部27を介してデジタルカメラ100の本体部に回動可能に接続されている。バリアングルモニタ部26は、本体部に対して少なくとも以下の位置に移動可能であり、どの位置に位置しているかを後述するシステム制御部50が検知可能であるものとする。
【0014】
表示部28の表示面が露出するように折りたたまれた図1に示す位置(第1の位置)
表示部28の表示面がデジタルカメラ100の正面(被写体光が入射するレンズが備えられた面)を向き、撮像される被写体側から表示部28の表示面を視認可能なように開かれた対面位置(第2の位置)
表示部28の表示面がデジタルカメラ100の背面側から視認可能なように開かれた開位置(第3の位置)
表示部28の表示面がデジタルカメラ100の背面に対向し、表示部28の表示面が見えないように折りたたまれた閉位置(第4の位置)
接眼表示部29は覗き込み型のファインダであり、覗き込むことで内部に設けられたEVFとして機能するディスプレイを視認可能となっている。
【0015】
図2は、図1に示したデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図2において、103はズームレンズ、フォーカスレンズを含む撮影レンズ群、101は絞り機能を備えるシャッター、22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像部である。23はA/D変換器であり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。102はバリアであり、デジタルカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像部を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0017】
24は画像処理部であり、A/D変換器23からのデータ或いはメモリ制御部15からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が制御を行いAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行っている。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0018】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28や接眼表示部29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0019】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。13はD/A変換器であり、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28や接眼表示部29により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダ(スルー画像表示)として機能する。接眼表示部29は覗き込み型のファインダ内に設けられた表示部であり、表示部28と同様な表示が可能である。システム制御部50は、検出されたバリアングルモニタ部26の位置に応じて表示部28に表示を行うか否か、接眼表示部29に表示を行うか否かを制御する。例えば、バリアングルモニタ部が第1の位置である場合は、接眼表示部29を節電のためOFFとし、表示部28に対して表示を行う。また、バリアングルモニタ部26が第4の位置となると、表示部28を節電のためOFFとし、接眼表示部29をONにして表示を行う。表示部28と接眼表示部29は、ユーザの指示に応じて任意にON/OFFを切り替えることも可能である。表示部28と接眼表示部29には同じ表示内容での表示が可能なので、以下、表示部28での表示についてのみ記載するが、接眼表示部29に対しても同様の表示が可能であるものとする。
【0020】
40は絞り機能を備えるシャッター101を制御する露光制御手段であり、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能も有するものである。
【0021】
フォーカス制御手段42は撮影レンズ103に含まれるフォーカスレンズを駆動してフォーカシングを制御する。ズーム制御手段44は撮影レンズ103に含まれるズームレンズを駆動してズーミングを制御する。バリア制御手段46はバリア102の動作を制御する。
【0022】
48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
【0023】
露光制御手段40、フォーカス制御手段42はTTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果に基づき、システム制御部50が露光制御手段40、フォーカス制御手段42に対して制御を行う。
【0024】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0025】
50はシステム制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器13、表示部28、接眼表示部29等を制御することにより表示制御も行う。
【0026】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0027】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0028】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0029】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0030】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0031】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0032】
30は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。18はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、メモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0033】
<撮影モード処理>
図3に、実施例1の撮影モード処理のフローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステム制御部50がシステムメモリ52に展開して実行することで実現する。デジタルカメラ100の電源がONで、モードダイヤル60等によって撮影モードに切り替えられると撮影待機状態となり、図3の処理を開始する。
【0034】
S301では、スルー画像表示を行う。スルー画像表示は、フレーミングを行うために、本撮影の前に撮像部22によって撮像された画像を表示部28にリアルタイムに逐次表示するものである。
【0035】
S302では、ズームレバー76が操作されたか否かを判定する。操作されたと判定した場合はS303へ進み、操作されていなければS305に進む。
【0036】
S303では、ズームレバーの操作された方向と操作量に応じて、ズーム制御手段44に指示を出してズームレンズを駆動する(光学ズーム)。なお、ズームレンズが広角端に達している場合に広角側へズームレバーが操作されてもズームレンズは駆動しない。また、ズームレンズが望遠端に達している場合に望遠側にズームレバーが操作されると、ズームレンズは駆動せず、電子ズームによりズームインする。
【0037】
S304では、S303でのズームレンズ駆動(あるいは電子ズーム)の結果である現在のズーム倍率をシステムメモリ52に記録する。ズーム倍率とは広角端からのズーム倍率である。ズーム倍率の変わりにズームレンズのレンズ位置と電子ズーム倍率とを記録してもよい。
【0038】
S305では、操作部70の操作などにより設定変更操作があったか否かを判定する。設定変更操作があったと判定するとS306へ進み、設定変更操作が無ければS307に進む。
【0039】
S307では、操作部70の操作内容に応じて各種設定変更を行う。
【0040】
図4に、S306での設定変更の際に表示部28に表示される画面表示例を示す。図4は、S305で、操作部70に含まれるFuncボタンが押下されたと判定された場合に表示される、撮影に関する設定(撮影設定)を変更するための画面である。Funcボタンが押下される前から表示していたスルー画像401に重畳して、Funcボタンが押下されると、撮影設定項目アイコン群402及び、撮影設定アイコン群404、ガイダンス406が表示される。ユーザは、操作部70に含まれる4方向ボタンを操作することによって図4の画面における撮影設定項目アイコン群402の中から所望とする撮影設定項目アイコンを選択する。そして選択した撮影設定項目アイコンが示す項目に対応する撮影設定アイコン群404の中から所望とする撮影設定アイコンを選択することで、選択した撮影設定アイコンが示す撮影設定に設定することができる。枠403は撮影設定項目アイコン群402のなかで現在選択されている撮影設定項目アイコンを示す選択枠である。枠405は撮影設定アイコン群404の中で現在選択されている撮影設定アイコンを示す選択枠である。ガイダンス406は現在選択されている撮影設定アイコンによって設定される撮影設定の内容を説明するガイダンス表示である。図4の例では、撮影設定項目アイコン群402に表示されているアイコンは上から、ホワイトバランス調整、色味設定、ブラケット撮影、連写、ストロボ調光設定、測光領域設定、静止画の圧縮率/記録画素数設定、動画の画像サイズの設定をそれぞれ表している。また、撮影設定アイコン群404に表示されている撮影設定アイコンは、撮影設定項目アイコン群402で選択されているホワイトバランス調整の項目に含まれるものである。左から、オート、太陽光、曇り、電球、蛍光灯、蛍光灯H、ストロボのホワイトバランス設定を示している。ガイダンス406には、撮影設定アイコン群404のなかで現在選択されているアイコンによって設定されるホワイトバランスの設定内容(この例ではオート)を説明する文章が表示されている。
【0041】
S306では、図4で説明した画面による撮影設定の変更以外にも、S305でメニューボタンが押下されたと判定されることによって表示されるメニュー画面においても各種撮影設定が変更可能である。また、S305でストロボ設定ボタン、フォーカス領域(マクロ域、通常域)切り替えボタン、ISO感度設定ボタン、フォーカスロックボタン、AEロックボタンなどが押下されたと判定されたことに応じた設定変更も可能である。
【0042】
S307では、FAボタン75が押下されたか否かを判定する。FAボタン75が押下されたと判定するとS308に進み、FA処理を行う。FA処理の詳細については図5を用いて後述する。FAボタンが押下されていない場合はS309に進む。
【0043】
S309では、シャッターボタン61が半押しされて第1シャッタースイッチ信号SW1が発生したか否かを判定する。第1シャッタースイッチ信号SW1が発生したと判定した場合はS310へ進み、発生していない場合はS315へ進む。
【0044】
S310では、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0045】
S311では、シャッターボタン61が全押しされて第2シャッタースイッチ信号SW2が発生したか否かを判定する。発生した場合はS313へ進み、発生していない場合はS312に進む。
【0046】
S312では、シャッターボタン61が半押しされて第1シャッタースイッチ信号SW1がONとなったままであるか否かを判定する。ONとなっていればS311に戻り、撮影準備動作によって確定したAFやAEをロックしたままシャッターボタン61が全押しされるか離されるのを待つ。ONとなってない場合S309へ戻る。
【0047】
S313では、シャッターボタン61の全押しに応答して、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の静止画撮影処理の動作を行う(本撮影処理)。
【0048】
S314では、S313で撮影された画像を所定時間(数秒)表示するレビュー表示(レックレビュー)を行う。レビュー表示はシャッターボタン61の半押し操作を終了するか、所定時間で自動的に終了する。
【0049】
S315では、動画ボタン74が押下されたか否かを判定する。動画ボタン74が押下されたと判定した場合はS316へ進み、押下されていない場合はS326へ進む。
【0050】
S316では、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に動画像として画像データを書き込むまでの一連の動画撮影処理(動画記録)の動作を行う。
【0051】
S317では、ズームレバー76が操作されたか否かを判定する。この処理と、続くS318、S319の処理は、前述したS302〜S304の処理と同様なので説明を省略する。ただし、動画撮影中のため、ズームレンズの駆動速度は撮影待機中のS303よりも遅くし、記録されている動画の品位を損なわないようにする。
【0052】
S320では、設定変更操作が行われたか否かを判定する。設定変更操作が行われたと判定するとS321に進んで操作に応じて設定変更を行い、設定変更操作が行われていないと判定するとS322に進む。ここで設定変更の操作を受付可能な設定項目は、動画の撮影中であるため、前述した撮影待機中のS305、S306で変更可能な項目より少ない。ここで変更可能な撮影設定は、例えば、マニュアルフォーカス、露出設定、フォーカスロックがある。
【0053】
S322では、FAボタン75が押下されたか否かを判定する。押下されたと判定するとS323に進み、FA処理を行う。FA処理の詳細については図5を用いて後述する。FAボタン75が押下されていない場合はS324へ進む。
【0054】
S324では、動画ボタン74が押下されたか否かを判定する。動画ボタン74が押下された場合はS325に進み、動画撮影を停止(終了)し、動画ボタン74が押下されていない場合はS316へ進み、動画撮影を継続する。
【0055】
S326では、撮影モード処理を終了するか否かを判定する。電源スイッチ72に対する電源をOFFとする操作や、再生モードなどの他モードへ移行する操作、何の操作もされないまま所定時間が経過した場合に節電のために電源を切るオートパワーオフの実行などがある場合は撮影モード処理を終了すると判定する。撮影モード処理を終了しないと判定した場合はS301に戻って処理を繰り返し、終了すると判定した場合は撮影モード処理を終了する。
【0056】
<FA処理>
図5は、前述した図3のS308、S323のFA処理の詳細を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステム制御部50がシステムメモリ52に展開して実行することで実現する。FA処理は、図3で説明したとおり、撮影モードにおける撮影待機中あるいは動画撮影中にFAボタン75が操作されると開始する。
【0057】
S500では、現在のズーム倍率(あるいはズーム位置)が広角端であるか否かを判定する。広角端である場合はこれ以上ズームアウトすることができず、FA機能が実行できないのでFA処理を終了する。すなわち、広角端の場合にFAボタン75が押下されてもFA機能は発動しない。広角端でないと判定した場合には、S502に進む。
【0058】
ここで、図6(a)に、FAボタン75が押下される前の撮影待機中あるいは動画撮影中にズーム位置が広角端でなかった場合(ズームインしていた場合)の表示部28での表示例を示す。すなわち、S500でNoと判定された場合に表示されていた画面表示例である。スルー画像401は光学ズームして撮影されているスルー画像である。アイコン602は現在設定されている撮影モードがプログラムAEモードであることを表すアイコンである。アイコン603は現在のストロボ設定が強制発光になっていることを表すアイコンである。アイコン604は現在のISO感度設定がAUTOになっていることを表すアイコンである。数値605は現在設定されている露出補正値がプラスマイナス0に設定されていることを表している。数値606は静止画の残り撮影可能枚数を表している。アイコン602〜604、数値605、606は、スルー画像401に重畳して表示される。このように、表示部28にはデジタルカメラ100に設定されている撮影に関する情報(現在の撮影設定を含む)が文字やアイコンなどで表示されている(以下、撮影情報と称する)。
【0059】
S501では、システムメモリ52に、現在のズーム倍率を、FA処理前のズーム倍率(第1の位置)として記録する(記録制御)。これは、前述したS304、S319とは別途に記録するものであり、後述するS509でのズームアウトが行われても、記録を保持しておくことで、その後ズーム倍率を元に戻す際に参照するためのものである。なお、FA処理前のズーム位置がわかるものであれば、ズーム倍率ではなく、スームレンズの位置を記録してもよい。
【0060】
S502では、現在のズーム位置から広角端までズームアウトした場合のズームアウト倍率が、FAズームアウト倍率より小さいか否かを判定する。これは、システムメモリ52に記憶している現在のズーム倍率と、FA機能でズームアウトする量として予め定められて不揮発性メモリ56に記憶されているFAズーム倍率とに基づいて行われる。FAズームアウト倍率より小さいと判定した場合はS503に進み、小さくないと判定した場合はS504へ進む。小さい場合とはすなわち、現在のズーム位置から広角端までズームアウトするのに必要なズームアウト量が、FAズームアウト倍率が示すズームアウト量より少ない場合であり、FAズームアウト倍率分をズームアウトする前に広角端に達する場合である。したがってS503に進み、FAズームアウト倍率を変更して、広角端までのズームアウト倍率に変更する。
【0061】
S504ではそれまで表示部28に表示されていた、撮影情報を非表示にする。このときの表示例を図6(b)に示す。表示部28にはスルー画像401のみが表示され、図6(a)で表示していた他の情報は非表示となっている。
【0062】
S505では、押下されていたFAボタン75が離されたか否か(すなわち、FA機能の実行の終了指示があったか否か)を判定する。離されたと判定した場合はS506に進み、離されていない場合はS508に進む。
【0063】
S506では、FA処理によって行われていた一時的なズームアウト(後述するS509により行われるズームアウト)を解除し、FA処理を開始する直前のズーム倍率(システムメモリ52にS501で記録したズーム倍率)とするように、ズームを制御する。S501で記録したFA処理前のズーム倍率が電子ズーム領域を示す倍率であった場合は電子ズームによるズーム制御も行う。この制御はズームインとなる。S507では、S504で非表示としていた撮影情報を再度表示し、図6(a)に示したような表示状態に復帰してFA処理を終了する。
【0064】
S508では、FAズームアウト倍率分のズームアウトを完了したか否かを判定する。完了していなければS509へ進み、ズームレンズを駆動したズームアウトを行う、あるいは、それまで電子ズームによるズームインを行っていた場合は電子ズームでのズームアウトを行い、S505へ処理を戻す。S508でFAズームアウト倍率分のズームアウトが完了したと判定するとS510へ進む。ズームアウトが完了した時点でのズーム位置を第2の位置と称する。
【0065】
S510では、シャッターボタン61が半押しされて第1シャッタースイッチ信号SW1が発生したか否かを判定する。第1シャッタースイッチ信号SW1が発生したと判定した場合はS511に進み、S501でシステムメモリ52に記憶された、FAボタン75の押下前のズーム倍率をクリアー(消去)する。そして、S504で非表示としていた撮影情報を再度表示し、図3のS310に進んで撮像準備動作を開始する。このように、FA処理中にシャッターボタン61が半押しされると、FAボタン押下前の画角ではなく、現時点での画角での静止画撮影をユーザが所望しているとみなし、一時的なズームアウトによるズーム位置を変更することなくFA処理を終了する。すなわち、この場合はFA機能の開始前のズーム位置に復帰させない。
【0066】
S512では、動画ボタン74が押下されたか否かを判定する。動画ボタン74が押下されたと判定するとS513に進み、押下されていない場合はS515へ進む。S513では、S501でシステムメモリ52に記憶された、FAボタン75の押下前のズーム倍率をクリア(消去)してS514へ進む。S514では、現在動画撮影中であるか否かを判定し、動画撮影中でなければ図3のS316へ進み動画の撮影を開始し、動画撮影中であれば図3のS325へ進み、S504で非表示としていた撮影情報を再度表示して動画の撮影を終了する。ここでも、動画ボタン74が押下された場合は、FAボタン押下前の画角ではなく、現時点での画角での動画撮影の開始あるいは終了をユーザが所望しているとみなし、一時的なズームアウトによるズーム位置を変更することなくFA処理を終了する。
【0067】
S515では、現在動画撮影中であるか否かを判定する。動画撮影中であると判定した場合はS505へ戻り、処理を繰り返す。すなわち、動画撮影中のFA処理ではS516以下で後述するFAボタン押下前の画角に相当する範囲への枠表示を行わない。これは、動画撮影中に枠表示が行われてしまうと、枠自体も動画の一部として記録されてしまっているのではないかとユーザが誤認識することを防止するためである。また、撮影中の動画の確認を妨げないようにするためである。S515で動画撮影中であると判定した場合はS516へ進む。
【0068】
S516では、FAボタン75の押下前の画角に相当する範囲の枠を表示済みであるか否かを判定し、表示済みでない場合はS517へ進み、この枠を表示するための処理を行い、表示済みである場合はS519へ進む。
【0069】
S517では、システムメモリ52に記憶したFAボタン75押下前のズーム倍率と、FAボタン75の押下による一時的なズームアウト中である現時点でのズーム倍率から、現時点の画角に対するFAボタン75の押下前の時点での画角の比率を求める。そして求めた比率と表示部28の大きさ(縦横の長さ)から、表示部28に表示する枠の大きさを求め、S518へ進む。S518ではS517で求めた大きさの枠607を表示部28へ表示する。この枠607はFAボタン75の押下前の画角に相当する範囲を示すものである。この時の表示例については、図6(c)を用いて後述する。
【0070】
S519では、操作部70の操作などにより設定変更操作があったか否かを判定する。設定変更操作があったと判定するとS520へ進み、設定変更操作が無ければS505に進む。S520では、設定変更操作があったものの、設定変更は行わず、なんの処理も行わない(反応しない)。なお、S519の判定ステップを設けず、S518からS505へ進む構成としても同義である。すなわち、本実施の形態では、FA処理によって一時的にズームアウトしている際は、設定変更操作を受け付けない構成とし、図3のS307で設定変更可能であると説明した各撮影設定項目についての設定変更を禁止している。このようにすることで、ズーム位置を実際に撮影する画角と異なる位置としてスルー画像表示を行うFA処理中に撮影設定の変更がされてしまい、ユーザが意図しない画像が撮影されてしまうといったことを防いでいる。なお、以下の操作は禁止対象ではなく、この時点でも受け付けるものとする。電源スイッチ72による電源をOFFとする操作、モードダイヤル60による他の撮影モードへ切り替える操作、操作部70に含まれる再生ボタンの押下による再生モードへ切り替える操作、バリアングルモニタ部26の移動による表示先の切り替え。
【0071】
図6(c)に図5のS518での表示部28への表示例を示す。枠607は、FAボタン75の押下によって一時的にズームアウトした画角で撮影されているスルー画像601に対し、FAボタン75の押下前の画角に相当する範囲を示したものである。これによってユーザは、FAボタン75を押下する前の撮影範囲が、より広い範囲のうちのどのあたりであるか、どれぐらい拡大されたものであるかを知ることができる。このFA機能を用いれば、以下のようなことが可能となる。例えば、ズームインして特定の動く被写体(図6の車など)に注目して撮影をしている場合に、動く被写体が撮影範囲外にまで移動して見失ってしまった場合に、FAボタン75を押下してズームアウトして周りをみることで容易に発見することができる。そしてデジタルカメラ100を動かしてスルー画像中の被写体を枠607内に入れ、FAボタン75を離すことで、元のズーム倍率の撮影範囲内に、注目している被写体を簡単に、かつ確実に収めることができる。
【0072】
なお、この際、S504で撮影情報を非表示にしているのは以下の理由による。
【0073】
第1に、一時的にズームアウトするためのFAボタン75の押下は、FAボタン75を押下する前の撮影範囲より外側、すなわち図6(c)におけるスルー画像601のうち、枠607より外側の画面周縁部を確認したいというユーザの意図によって行われる。この際、情報表示が画面周縁部に表示されていたのでは、スルー画像601のうち画面周縁部分の視認の妨げとなる。したがってFA処理中は、スルー画像の画面周縁部分の視認の妨げとならないよう、画面周縁部に表示されていた撮影情報は消去している。
【0074】
第2に、FA処理中(一時的なズームアウト中)に表示される枠607は、他の動作モード時に表示されるフォーカス調整用の枠、合焦した範囲を示す合焦枠、顔検出により検出された顔の範囲を示す顔枠などの他の意味を持つ枠とユーザに混同される可能性がある。このような混同をユーザに与えないために、FA処理中は撮影情報を非表示とすることで、FA処理中であることを確実に識別させ、枠607の持つ意味が、通常動作モード時に表示される枠とは違うことを直感的に理解できるようにしている。枠607の色や太さ、線種などの表示形態を、フォーカス調整用の枠、合焦枠、顔枠などと異なるようにすればなお良い。
【0075】
なお、S504で撮影情報を非表示にしている上記第1、第2の理由に対しては、撮影情報を非表示としなくとも、半透過にする(FAボタン75の押下前よりも透過率を大きくする)ことでも効果があるので、そのようにしてもよい。また、撮影情報を非表示としている間でも、撮影可否に関わる警告は表示される。例えば、電池残量が残り少なくなった際に表示するLOWBATの警告表示、記録媒体200が装着されていない際に表示される警告、記録媒体200が書き込み禁止になっている際の警告、記録媒体200の残り記録可能容量に関する警告がある。さらに、動画を録画している最中であることを示す録画アイコン、自動的にシーン判別し、その結果を表示するオートシーン判別モードのアイコンも表示される。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態によれば、FA処理によって一時的にズームアウトしている際は、撮影設定の設定変更を禁止している。これによって、FA処理を解除してズーム位置をもとに戻した際に、ユーザが意図しない設定で撮影されることを防ぐことができる。
【0077】
なお、前述した例では、S520では図3のS307で設定変更可能であると説明した各項目についての設定変更を禁止する例を説明したが、設定内容によっては設定変更を受け付けるようにしてもよい。設定変更を受け付けてもよい設定項目としては、FA処理でのズームアウト(ズーム位置の変更)に基づく光学特性の変化に影響を受けない設定項目がある。例えば、連写と単写の切り替え設定、画質(画像データの圧縮率)、画像サイズ、セルフタイマーのON/OFFおよびONの際の秒数と枚数、撮影される画像に対する日付映しこみのON/OFF,目つぶり検出と警告のON/OFFなどがある。これらの設定項目は、ズーム位置に関わらず設定を可能としても支障はない。一方、ホワイトバランス(WB)調整、マニュアルWB用の白取り込み、露出に関する設定(シャッタースピード、絞り値、露出補正、AEロック、測光方式)、ISO感度、フォーカスに関する設定などの設定変更は受け受けない。フォーカスに関する設定にはフォーカス調整範囲の設定、フォーカスロック、AF方式が含まれる。これらはFA処理でのズームアウトに基づく光学特性の変化に影響を受ける項目であり、S520でスルー画像601を見ながら調整しても、一時的なズームアウトを解除したFA処理終了後に撮影される画像にとって適切な調整とはならない可能性が高いためである。
【0078】
また、前述したFAボタン75を押下している最中であるFA処理中に、操作部70を押下することによって、スルー画像確認用の露出(SW2による本撮影に用いられる露出とは異なる)を以下のうち少なくともひとつに切り替えられるようにしてもよい。
【0079】
・FAボタン75の押下前の露出値
・FAボタン75の押下によるズームアウト後に撮像されている画像全体にあわせた露出値(現在撮像されている画像全体に合わせた露出値)。枠607の外側でも白とびや黒潰れすることなく視認しやすくすることができる。
・枠607の内側に合わせた露出値(ズーム位置をFAボタン75の押下前の位置とした場合の撮影範囲に合わせた露出値)。FAボタンを離した後のシャッターボタンの操作で撮影される範囲が、本撮影時に近い明るさで視認しやすくなる。
【0080】
なお、システム制御部50の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0081】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0082】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、カメラ機能を有する装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、デジタル一眼レフカメラやデジタルビデオカメラ、撮像機能を備えたパーソナルコンピュータやPDA、カメラ付き携帯電話端末やカメラ付音楽プレーヤー、カメラ付きゲーム機、カメラ付き電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0083】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影設定の変更を指示するための操作手段と、
一時的にズーム位置を変更する機能の開始および終了を指示する指示手段と、
前記機能の開始前のズーム位置を第1の位置として記録手段に記録する記録制御手段と、
前記指示手段による前記機能の開始の指示に応じて、前記第1の位置から第2の位置にズーム位置を移動し、前記指示手段による前記機能の終了の指示に応じて前記第2の位置から前記記録手段に記録された前記第1の位置へズーム位置を移動するように制御するズーム制御手段と、
前記ズーム制御手段の制御によって、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合には、前記操作手段によって特定の撮影設定の変更を指示する操作が行われても、該操作に応じた変更を行わないように制御する制御手段
とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第2の位置は、前記第1の位置よりも広角側であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
ズーム位置が前記第2の位置である場合のスルー画像表示において、ズーム位置を前記第1の位置とした場合の撮影範囲を示す表示を行う表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、ズーム位置が前記第1の位置である場合のスルー画像表示に重畳して、特定の撮影情報を表示するように制御し、ズーム位置が前記第2の位置である場合のスルー画像表示においては前記特定の撮影情報を表示しないように制御することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、動画の撮影中である場合は、ズーム位置が前記第2の位置であっても前記撮影範囲を示す表示を行わないことを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記ズーム制御手段は、前記指示手段から前記機能の開始の指示が行われたことに応じてズーム位置を前記第2の位置に移動した後、該機能の終了の指示が行われるまでは、ズーム位置を前記第2の位置に保持するように制御することを特徴とする請求項1乃至5に記載の撮像装置。
【請求項7】
ズーム位置を任意に変更する指示を行うための、前記指示手段とは異なるズーム操作部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ズーム制御手段は、ズーム位置が前記第2の位置である際に、シャッター操作部材により撮影準備指示が行われると、前記指示手段によって前記機能の終了が指示されても前記第1の位置にズーム位置を移動させないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、ズーム位置の変更による光学特性の変化に影響を受けない撮影設定については、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合にも、ユーザからの操作に応じて設定を変更するように制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御手段は、撮影設定のうち、連写と単写の切り替え、圧縮率、画像サイズ、セルフタイマーのON/OFF、セルフタイマーの秒数と枚数、撮影される画像に対する日付映しこみのON/OFF,目つぶり検出と警告のON/OFFのうち少なくとも1つの設定ついては、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合にも、ユーザからの操作に応じて設定を変更するように制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記特定の撮影設定は、ホワイトバランス調整、マニュアルWB用の白取り込み、シャッタースピード、絞り値、露出補正、AEロック、測光方式、ISO感度、フォーカス調整範囲、フォーカスロック、AF方式のうちの少なくとも1つの設定であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
ズーム位置が前記第2の位置となっている場合に、露出設定を、前記指示手段による前記機能の開始の指示の前の露出値、現在撮像されている画像全体に合わせた露出値、現在撮像されている画像全体のうち、ズーム位置を第1の位置とした場合の撮影範囲に合わせた露出値のうち少なくとも1つに露出を切り替える切り替え手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
撮影設定の変更を指示するための操作手段と、一時的にズーム位置を変更する機能の開始および終了を指示する指示手段と、とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記機能の開始前のズーム位置を第1の位置として記録手段に記録する記録制御ステップと、
前記指示手段による前記機能の開始の指示に応じて、前記第1の位置から第2の位置にズーム位置を移動し、前記指示手段による前記機能の終了の指示に応じて前記第2の位置から前記記録手段に記録された前記第1の位置へズーム位置を移動するように制御するズーム制御ステップとを有し、
前記ズーム制御手段の制御によって、ズーム位置が前記第2の位置となっている場合には、前記操作手段によって特定の撮影設定の変更を指示する操作が行われても、該操作に応じた変更を行わないことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるプログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−60510(P2012−60510A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203156(P2010−203156)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】