説明

撮像装置及び制御方法

【課題】 ライブビュー中に撮影者の意図に合わせた画像が表示されるように露出制御を行う。
【解決手段】 撮像手段により撮像を行って取得された画像データに基づく画像を表示手段に逐次表示している際に絞りを静止画撮影時の状態にするように操作手段が操作された場合に表示手段に適正な明るさの画像を表示させることを優先して露出制御を行う第1のモードと静止画撮影時の露出条件を反映させることを優先して露出制御を行う第2のモードとのどちらで露出制御を行うかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影前に撮影時の被写界深度を確認することができる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラなどの撮像装置には、撮像素子で撮像して得られた画像を表示装置に逐次表示する、いわゆるライブビュー表示(スルー画表示ともいう)機能を有するものがある。
【0003】
また、従来の一眼レフカメラでは、光学ファインダーから観察される被写体像が明るくなるように撮影前は絞りを開放状態にしておくものがある。このような一眼レフカメラでは、絞りが開放状態のままでは撮影時の被写界深度を確認できないため、撮影前であっても所定の操作により絞りを撮影時の絞り値に変更することができる機能を有している。
【0004】
例えば、特許文献1では、スルー画表示中に通常は絞りを開放にしておき、プレビュー釦がオンされると撮影時の絞り値に絞りこんで撮影時の被写界深度をスルー画表示された画像で確認することができるデジタル一眼レフカメラが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−251295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたデジタル一眼レフカメラでは、絞りが開放状態のときと絞りが絞り込み状態のときとでスルー画の明度が一定となるように、絞り込み状態での電子シャッタースピードと感度の調整を行っている。そのため、撮影時の露出状態を反映したスルー画が表示されず、撮影時の被写界深度と露出状態とを同時に確認することができない。
【0007】
一方、撮影時の被写界深度と露出状態とを同時に確認することができるように電子シャッタースピードと感度の調整を行う場合にも以下の問題が生じる。例えば、ストロボ撮影を行う場合には電子シャッタースピードと感度は露出アンダーとなるように設定されるため、撮影時の電子シャッタースピードと感度を反映させた露出状態にすると、スルー画が暗くなりすぎて被写界深度を確認できなくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、ライブビュー中に撮影者の意図に合わせた画像が表示されるように露出制御を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像して画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記撮像手段に入射する光量を調節する絞りの制御を行う絞り制御手段と、前記絞りを静止画撮影時の状態にするように前記絞り制御手段へ指示するための操作を受け付ける操作手段と、前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に、前記表示手段に適正な明るさの画像を表示させることを優先して露出制御を行う第1のモードと静止画撮影時の露出条件を反映させることを優先して露出制御を行う第2のモードとを有する露出制御手段と、前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に前記操作手段が操作された場合に前記露出制御手段により前記第1のモードと前記第2のモードのどちらで露出制御を行うかを決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ライブビュー中に撮影者の意図に合わせた画像が表示されるように露出制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラを示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカメラの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るライブビュー中の露出制御モードの設定を変更するためのGUIの画面例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るカメラにおけるライブビュー中の画像表示に関する動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係るカメラにおけるライブビュー中の露出制御に関する動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係るカメラにおける露出制御モードを決定するのに用いる決定テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る撮像装置であるレンズ交換式デジタルカメラを示す。101はカメラの背面に設けられた液晶表示装置などの表示部である。表示部101は撮像素子104で撮像して得られる画像を逐次表示する、いわゆるライブビュー表示(以下、ライブビューとする)が可能であり、撮影者は後述するファインダー16の代わりに表示部101を用いて構図の確認などが可能である。108はメニューボタン、102はSETボタンであり、表示部101に表示されたメニュー項目の決定や選択を行うときに用いる。
【0014】
103はカメラの制御プログラムを実行するマイクロコンピュータ(以下、マイコンとする)である。104は被写体を撮像する撮像素子である。105はカメラに装着された交換レンズの絞りを絞り込むときに操作する操作部である。106はカメラのレンズマウントに取り付けられた交換レンズであり、フォーカスレンズやズームレンズなどを含んで構成される。107はカメラに外部ストロボを接続するためのシンクロ端子である。
【0015】
図2は、本実施形態に係るカメラの構成例を示すブロック図である。100はカメラ本体、106は交換レンズである。なお、交換レンズ106に含まれるレンズ5は複数枚のレンズから構成されるがここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。
【0016】
6は交換レンズ106がカメラ本体100と通信を行うためのレンズ側通信端子であり、10はカメラ本体100が交換レンズ106と通信を行うためのカメラ側通信端子である。交換レンズ106は、この通信端子6、10を介してカメラ本体100のマイコン103と通信する。これにより、レンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して撮像素子104に入射する光量を調節する絞り1の制御を行う。また、AF駆動回路3を介してレンズ5の位置を変位させることで焦点調節を行う。
【0017】
カメラ本体100において、15はAEセンサーであり、被写体の輝度を測光する。12はクイックリターンミラーであり、マイコン103からの指示にしたがってアップダウンされる。13はフォーカシングスクリーン、14はペンタプリズム、16はファインダーである。撮影者は、ペンタプリズム14とファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することで、交換レンズ106を通して得た被写体の光学像の焦点状態や構図の確認が可能となる。
【0018】
17はフォーカルプレーンシャッタであり、マイコン103からの指示にしたがって撮像素子104の前面を走行し、撮像素子104の露光時間を調節する。18は光学フィルターであり、一般的にローパスフィルター等から構成され、交換レンズ106を通って撮像素子104に入射する光の高周波成分をカットする。19は光学フィルター18に接続されている圧電素子である。撮像素子104には、一般的にCCDやCMOS等の撮像素子が用いられ、交換レンズ106を通して撮像素子104上に結像された被写体像を光電変換して電気信号として取り込む。
【0019】
21はアンプ回路であり、取り込まれた電気信号に対して、設定されている撮影感度に応じたゲインで信号を増幅する。22はA/D変換回路であり、撮像素子104によって電気信号に変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。23は画像処理回路、24は表示部駆動回路である。画像処理回路23は、A/D変換回路22によってデジタル信号に変換された画像データに対して、フィルター処理、色変換処理、ガンマー/ニー処理を行い、メモリコントローラ27に出力する。また、画像処理回路23は、D/A変換回路も内蔵しており、A/D変換回路22によってデジタル信号に変換された画像データやメモリコントローラ27から入力される画像データをアナログ信号に変換して表示部駆動回路24を介して表示部101に出力できる。これらの画像処理回路23による画像処理及び表示処理は、マイコン103により切り替えられる。また、マイコン103は、撮像画像のカラーバランス情報をもとにホワイトバランス調整を行う。
【0020】
26はバッファメモリ、27はメモリコントローラ、28はメモリ、29は外部インタフェースである。メモリコントローラ27は、画像処理回路23から入力された未処理の画像データをバッファメモリ26に格納する。また、画像処理済みの画像データをメモリ28に格納したり、逆にバッファメモリ26やメモリ28から画像データを取り込んで画像処理回路23に出力したりする。また、メモリコントローラ27は、外部インタフェース29を介して送られてくる画像データをメモリ28に格納したり、逆にメモリ28に格納されている画像データを外部インタフェース29によって外部に出力できる。また、メモリ28は、着脱可能な様態でもよい。
【0021】
32はタイミング制御回路であり、この回路を介してマイコン103は、撮像素子104の駆動タイミングを制御する。30はAC電源部、31は2次電池部、33は電源種類検知回路、34は電源状態検知回路、35は電源制御回路である。電力はAC電源部30、もしくは2次電池部31より供給され、マイコン103から指示を受けて電源制御回路35が電源のオン/オフを行う。また、電源制御回路35は、電源状態検知回路34により検知された現在の電源状態の情報や電源種類検知回路33により検知された現在の電源種類情報をマイコン103に通知する。
【0022】
36はシャッタ制御回路であり、この回路を介してマイコン103はフォーカルプレーンシャッタ17を制御する。37は光学フィルター振動制御回路であり、この回路を介してマイコン103は光学フィルター18に接続されている圧電素子19を振動させる。光学フィルター振動制御回路37は、振動の振幅、振動時間、振動の軸方向をそれぞれ所定の値で圧電素子19を振動させるように、マイコン103の指示に従い振動させる。38は不揮発性メモリ(EEPROM)であり、撮影者が任意に設定したシャッタ速度、絞り値、撮影感度等の設定値やデータをカメラに電源が入れられていない状態でも、保存することができる。
【0023】
39はSW入力回路であり、この回路を介してマイコン103はSETボタン102、絞り込みボタン105、メニューボタン108などが操作されたことを検知する。
【0024】
次に、図3を用いてライブビュー中の露出制御モードの設定について説明する。301は、メニューボタン108を操作することで表示部101に表示されるメニュー項目の1つである、ライブビュー中の露出制御モードを設定するための項目を示している。そして、表示された項目の中から「露出Simulation」を選択して決定すると、右欄の選択肢が表示される。ここで、「露出Simulation」とは、ライブビュー中に静止画撮影時のシャッタ速度、絞り値、撮影感度などの露出条件を反映させた露出制御を行う露出制御モードのことを示している。「しない」を選択した場合は、ライブビュー中に撮影時のシャッタ速度、絞り値、撮影感度を反映させた露出制御を行わずに、表示部101に適正な明るさの画像が表示されるような露出制御を行う。すなわち、「しない」を選択した状態で絞り込みボタン105が操作された場合、絞り1の絞り込みは行うが、表示部101に適正な明るさの画像が表示されるような露出制御を行う。
【0025】
また、「絞り込み中」を選択した場合、ライブビュー中に通常は表示部101に適正な明るさの画像が表示されるような露出制御を行うが、絞り込みボタン105が操作されて絞り1を絞り込んだときには静止画撮影時の露出条件を反映させた露出制御を行う。
【0026】
また、「する」を選択した場合は、絞り込みボタン105が操作されたか否かによらず、ライブビュー中は静止画撮影時の露出条件を反映させた露出制御を行う。
【0027】
なお、本実施形態では、上記のいずれの選択肢が選択されていても、絞り込みボタン105が操作されていない状態では、絞り1を静止画撮影時よりも小絞り側とならないようにする。これは、絞りを開放側にしたほうが被写界深度が浅くなり、ピントの合っている領域と合っていない領域とを判別しやすく、焦点検出を正確に行うことができるからである。
【0028】
以上のように、ライブビュー中の露出制御に関して、撮影時の露出条件を優先した露出制御を行う露出優先(第2のモード)と表示部101に適正な明るさの画像が表示されることを優先する表示優先(第1のモード)のいずれを行うかを設定することが可能である。また、絞り1の絞り込みに合わせて表示優先から露出優先に変更するか否かを設定することが可能である。それによって、撮影時の被写界深度とともに露出状態を確認することが可能であるとともに、撮影時の露出状態が暗く被写体深度が確認できないような場合にも被写体深度を確認することができる。
【0029】
次に、図4を用いてライブビュー中の画像表示に関する動作を説明する。以下に説明する動作は、ライブビュー表示のフレームレートに応じて周期的に実行される。
【0030】
まず、ステップS401でマイコン103は、撮像素子104からの出力をAMP回路21、A/D変換回路22、画像処理回路23、メモリコントローラ27、といった回路を制御してメモリ28に記憶する制御を行う。
【0031】
ステップS402でマイコン103は、メモリ28に記憶した画像データを画像処理回路23、メモリコントローラ27を制御して、画像データに関する輝度分布データの抽出、画像データの大きさの変換などを現像処理として行う。
【0032】
ステップS403でマイコン103は、今回得られた画像データから測光値を求める測光処理を行う。画像データにはシャッタ速度、絞り値、撮影感度といった撮像素子の露光情報が付随しており、画像や輝度分布などと合わせて測光値を求める。
【0033】
ステップS404でマイコン103は、ライビュー中の露出制御モードの決定を行う。
【0034】
ステップS405でマイコン103は、ステップS405で決定した露出制御モードに応じて、次回の露出条件を設定する。
【0035】
例えば、外部ストロボをシンクロ端子に接続してマニュアル露出で撮影する場合、撮影者はストロボ光が照射された状態の明るさを想定してシャッタ速度、絞り値、撮影感度を設定する。そのため、ライブビュー表示中にはストロボ光がないため、マニュアル設定通りの露出ではストロボ光がない分、被写体が暗く見えることになる。そこで、ステップS405で決定した露出制御モードが表示優先の場合には表示画像の明るさを適正にするために、マニュアル設定されたシャッタ速度または撮影感度を設定値とは変えてストロボ光の明るさ分を補償する。
【0036】
つまり、以下のAPEXの式に基づいて、シャッタ速度または撮影感度を決定する。
Bv+Sv=Tv+Av
ここで、Bvは被写体輝度、SvはISO感度、Tvはシャッタ速度、Avは絞り値に対応している。
【0037】
上記の式により、ストロボ光を含めた被写体輝度をBvF、マニュアル設定された撮影感度をSvM、シャッタ速度をTvM、絞り値をAvMとすると、
BvF+SvM=TvM+AvM
となる。
【0038】
ライブビュー表示中はストロボ光がない分だけ被写体輝度は暗くなり、BvL(BvL<BvF)である。すなわち、
BvL+SvM<TvM+AvM
となり表示される画像が暗くなる。両辺を等しくする際にAvMを変更すると被写界深度が変化するため、AvMは極力を変更させないことが望ましい。そこで、次回の露出条件のISO感度SvLをSvMより大きくするか、次回の露出条件のシャッタ速度TvLをTvMより小さくすることになる。
【0039】
なお、本実施形態では、ISO感度については、一般にISO感度を上げると画像のノイズが増すことを考慮して、設定可能な上限値が制御上の上限値より低く定めている。しかしながら、この設定上限は撮影時のISO感度に関するものなので、ライブビュー表示に用いる画像の明るさを得るためには重要ではなく、撮影者の設定値を書き換えるものではないので、SvLを大きくする際には制御上のISO感度上限まで利用する。すなわち、表示優先で露出制御を行う場合、静止画撮影時よりも設定可能な撮影感度の上限値を高くする。
【0040】
一方、シャッタ速度については、ライブビュー表示の更新頻度が一秒間に30回なので TvLを小さくする場合に下限(低速側の限界)がある。本実施形態では、外付けストロボを用いて撮影を行う場合のシャッタ速度同調秒時は1/60程度なので、シャッタ速度TvLのみを変更することで補償できる量はわずかである。そのため、シャッタ速度とISO感度の両方を変更してストロボ光の明るさ分を補償する場合が多いが、このときにシャッタ速度とISO感度のどちらを優先して変更させるかを撮影者が選択可能にしてもよい。
【0041】
ステップS406でマイコン103は、今回の画像を表示部101に表示する。以上で一連の処理が終了する。
【0042】
次に、図5を用いて、ステップS404で行われるライビュー中の露出制御モードの決定処理の詳細を説明する。
【0043】
ステップS404の処理を開始すると、ステップS501でマイコン103は、図3を用いて説明したGUIにおける「露出Simulation」の設定を取得する。「露出Simulation」の設定は、前述したように「する」、「絞り込み中」、「しない」から選択される。
【0044】
次に、ステップS502でマイコン103は、絞り込みボタン105の状態を取得する。すなわち、絞り込みボタン105が操作されてオン状態であるかオフ状態であるかを取得する。
【0045】
ステップS503でマイコン103は、カメラと連動できるストロボ装置が装着されているか、また装着されていたら次の撮影に備えて発光できる状態であるかどうか、ということを判定する。これは、カメラの内蔵ストロボや通信で状態を通知できる専用外部ストロボなどの連動ストロボの発光有無を判定するものである。なお、本実施形態では、シンクロ端子107に接続される外部ストロボはカメラと通信できないので上記の判定はできないものとする。
【0046】
ステップS504でマイコン103は、上記の各ステップで取得した情報に基づいて、ライブビュー表示中の露出制御モードを露出優先にするか表示優先にするかを決定する。
【0047】
例えば、内蔵ストロボや専用外部ストロボといった連動ストロボがあり、連動ストロボが発光準備完了状態であれば表示優先に決定する。
【0048】
また、連動ストロボがない場合、一般的にはストロボ装置を発光させない撮影となるが、本実施形態のカメラではシンクロ端子に外部ストロボが接続されているかもしれない。このときは、図6に示した決定テーブルに基づいて露出制御モードの決定を行う。
【0049】
絞り込みボタン105がオフ状態のとき、「露出Simlation」の設定が「する」であれば露出優先、「絞り込み中」または「しない」であれば表示優先とする。
【0050】
絞り込みボタン105がオン状態のとき、「露出Simlation」の設定が「する」または「絞り込み中」であれば露出優先、「しない」であれば表示優先とする。
【0051】
以上のように、ライブビュー中の露出制御モードを「露出Simlation」の設定と絞り込みボタン105の状態とに基づいて決定する。このようにライブビュー中の露出制御モードを選択可能にしたので、ライブビュー中に常に撮影露出の過不足を確認できるようにしたい撮影者は「露出Simlation」の設定を「する」にすればよい。また、通常は構図を確認しやすいように適正な明るさの画像が表示部101に表示されるようにして、絞り1を絞り込んだときはプレビューとして撮影露出の過不足や被写界深度の確認ができる画像を表示したい撮影者は「絞り込み中」にすればよい。また、シンクロ端子で接続したストロボ装置による撮影をするため、ライブビュー中の露出制御モードを露出優先にすると絞り1を絞り込んで被写界深度の確認をしたくてもストロボ発光分の露出が不足して確認できないという撮影者は「しない」にすればよい。
【0052】
以上のように、本実施の形態では、図3で設定した「露出Simlation」の設定が「する」の場合、絞り込みボタン105の状態に関わらずライブビュー中の露出制御モードは露出優先に決定される。この設定はストロボ撮影を行わず、撮影露出の過不足を常に観察したい場合に有用である。
【0053】
また、「露出Simlation」の設定が「絞り込み中」の場合、絞り込みボタン105がオフ状態なら露出制御モードを表示優先にして撮影露出の過不足に関わらず見やすい画像が表示される。一方、絞り込みボタン105をオン状態にしてプレビューを行う場合には露出制御モードは露出優先になる。この設定は、絞り1を絞り込まない場合は表示画像を利用して構図やマニュアルフォーカスの確認を行い、絞り1を絞り込んだプレビューでは撮影露出と被写界深度とを確認する場合に有用である。
【0054】
また、「露出Simlation」の設定が「しない」の場合、絞り込みボタン105の状態に関わらずライブビュー中の露出制御モードは露出優先に決定される。この設定は、シンクロ端子に外部ストロボを接続し、外部ストロボが発光していない状況では撮影露出が大幅に露出不足になるが、被写界深度を確認するためのプレビューを適正な明るさで表示したい場合に有用である。
【0055】
以上のように、本実施形態では、撮影者の意図に合わせてライブビュー中の露出制御モードを細かく決定するので、ライブビュー中に撮影者の意図に合わせた画像が表示されるように露出制御を行うことができる。
【0056】
なお、上記の実施形態では、「露出Simlation」の設定が「絞り込み中」の場合、絞り込みボタン105がオフ状態なら表示優先にしてオン状態なら露出優先にするが、「絞り込み中」とは逆の制御を行う「露出Simlation」の設定があってもよい。例えば、絞り込みボタン105がオフ状態なら露出優先にし、オン状態なら表示優先にする。このように露出制御モードを決定することで、絞り1を絞り込むときには被写界深度を確認しやすい画像を表示することができるとともに、絞り1を絞り込んでいないときには撮影露出の過不足を確認しやすい画像を表示することができる。
【0057】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0058】
1 絞り
23 画像処理回路
24 表示部駆動回路
101 表示部
103 マイクロコンピュータ
104 撮像素子
105 絞り込みボタン
107 シンクロ端子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段に入射する光量を調節する絞りの制御を行う絞り制御手段と、
前記絞りを静止画撮影時の状態にするように前記絞り制御手段へ指示するための操作を受け付ける操作手段と、
前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に、前記表示手段に適正な明るさの画像を表示させることを優先して露出制御を行う第1のモードと静止画撮影時の露出条件を反映させることを優先して露出制御を行う第2のモードとを有する露出制御手段と、
前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に前記操作手段が操作された場合に前記露出制御手段により前記第1のモードと前記第2のモードのどちらで露出制御を行うかを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記絞り制御手段は、前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に前記操作手段が操作されていない場合、前記絞りが静止画撮影時の状態よりも小絞り側とならないように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
外部ストロボを接続する接続手段を有し、
前記接続手段に接続された外部ストロボが発光準備完了状態か否かを判定する判定手段を有し、
前記決定手段は、前記判定手段により前記接続手段に接続された外部ストロボが発光準備完了状態であると判定されたときは、前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に前記操作手段が操作された場合に前記第2のモードで露出制御を行うような決定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記露出制御手段は、前記第1のモードで露出制御を行う場合、静止画撮影時よりも設定可能な撮影感度の上限値を高くすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮像して画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記撮像手段に入射する光量を調節する絞りの制御を行う絞り制御手段と、前記絞りを静止画撮影時の状態にするように前記絞り制御手段へ指示するための操作を受け付ける操作手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に、前記表示手段に適正な明るさの画像を表示させることを優先して露出制御を行う第1のモードと静止画撮影時の露出条件を反映させることを優先して露出制御を行う第2のモードとを有する露出制御ステップと、
前記表示手段に前記撮像手段により取得された画像データに基づく画像を逐次表示している際に前記操作手段が操作された場合に前記露出制御ステップで前記第1のモードと前記第2のモードのどちらで露出制御を行うかを決定する決定ステップと、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−244532(P2012−244532A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114724(P2011−114724)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】